JP2006032154A - 集束イオンビーム加工方法および集束イオンビーム加工装置 - Google Patents

集束イオンビーム加工方法および集束イオンビーム加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加工物を機械的に傾斜や移動させることなく、しかも1個の2次電子検出器を用いてでも、ビーム加工中の3次元形状をインラインで高精度に測定することができ、高精度なナノ3次元造型を実施できる集束イオンビーム加工方法と装置を提供する。
【解決手段】イオンビームを照射して3次元形状の除去加工を行う際にイオンビームを加工物の同一箇所に対して通常照射および屈曲傾斜させて照射し、加工点から放出される2次電子を2次検出器により計測することでイオンビーム加工された部分の形状を計測する。
【選択図】図1

Description

本発明はイオンビームを照射して微細な3次元形状を加工するための、集束イオンビーム加工方法および集束イオンビーム加工装置に関する。
近年、材料に対する微細な形状を加工する要望が高くなっている。かかる微細形状の加工手段や加工方法として、電子ビーム描画装置のほかに、微細に絞ったイオンビームを用いて試料をスパッタリング加工する集束イオンビーム加工(FIB加工)が知られており、材料の材質を問わずに直接、微細加工することができるので、ナノ3次元造型法や装置として期待されている。
この集束イオンビーム加工法で3次元形状の加工を行う場合、加工形状ことに深さ成分を測定することが精度を確保する上できわめて重要である。
かかる、加工深さの測定法として、電子ビームを用いた方法、すなわち、加工物表面の傾斜角度と2次電子強度の関係を元にして積分計算する方法がある。これは、試料表面に電子線を照射することによって発生する2次電子の放出される強度が入射角の増大と共に単調に増大し、また、その放出強度の角度分布も電子線入射角度と共に変化する原理に基づくもので、表面形状測定を行うためには差分信号が必要となるため、A、Bの一対の二次電子検出器を用いている。
すなわち、表面傾斜角θにおけるA、B両検出器からの2次電子強度をそれぞれa、bとし、垂直入射における二次電子強度をそれぞれan、bnとし、Kを比例定数とすると、(1)式に示すような関係式が成り立つ。
tanθ=K(A2−B2)/(An2+Bn2)・・・・・(1)
実際の装置では、4個の2次電子検出器を鏡体の四隅に配置し、2個の検出器をA、もう2個の検出器をBとして使用し、それぞれの方向に発生した2次電子の差を取ることにより入射電子線に対する試料表面の傾斜角を計算し、それを積分することにより表面形状の測定を行っている。
この方法は、深さ方向の2点間距離の測定でも電子線3次元粗さ解析装置を使用して3次元形状データを得てから、任意の場所の2次元形状をデジタル処理で得ることができるため、破断面を作りにくい穴や溝の深さも計測が可能な利点があるが、多数の2次電子検出器を用いるため、装置が複雑,高価なものになる問題があった。
これに代わる方法として、先行特許文献1には、1個の検出器で3次元形状を測定することをねらって、イオンビーム照射系と軸方向を異にする電子ビーム照射系を設け、これらで加工穴深さを求めることが提案されているが、加工物を傾斜移動して計測することから、完全に元の位置に加工物を戻すことは、機械精度の観点からナノレベルで同一箇所に戻すことは不可能に近い。このため、先行技術1は、形状測定はできても移動後の追加工はビームがずれてしまい、実際上、加工を行えない問題があった。
また、集束イオンビーム加工以外では、電子ビーム照射系において、形状を測定する方法として、加工物を傾斜させることにより加工物の深さを測定する方法が、先行特許文献2に記述されているが、電子ビームでは強度が弱いため除去加工を行うことが難しいという基本的な問題に加えて、先行技術1と同様に、加工物を傾斜移動することから、完全な元の位置に戻すことができず、したがって、計測はできても、その後の追加工はできない問題があった。
特開2002−134058号公報 特開2003−315029号公報
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、加工物を機械的に傾斜や移動させることなく、しかも1個の2次電子検出器を用いてでも、ビーム加工中の3次元形状をインラインで高精度に測定することができ、高精度なナノ3次元造型を実施できる集束イオンビーム加工方法と装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、形状測定時に加工物を傾斜させることから生じる移動誤差をなくすために、加工および観察するためのビームを、通常の場合とビームを屈曲させて加工物の同一場所に傾斜させて照射させるようにしたものである。すなわち、イオンビームを照射して3次元形状の除去加工を行う際に、イオンビームを加工物の同一箇所に対して通常照射および屈曲傾斜させて照射し、加工点から放出される2次電子を2次検出器により計測することでイオンビーム加工された部分の形状を計測することを特徴としている。
また、本発明は、微細3次元加工装置において、該装置が、イオンビーム加工された部分の3次元形状を計測するために、イオンビームを加工物の同一箇所に対してビームを通常照射および傾斜させて照射する手段と、加工点から放出される2次電子を計測する1個の2次検出器を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項1によれば、イオンビームを屈曲させることにより、屈曲させない場合の2次電子との比較を行うことで形状を計測するので、集束イオンビームによる3次元加工にとってもっとも重要な加工中の3次元形状が加工物を傾斜・移動させることなくオンラインで計測でき、形状計測後に追加工を行う場合に加工物が同一箇所にあることから高精度に行うことができる。また、1個の2次検出器でも形状測定を実現できるため装置構造が簡易であり、コストの低減を図ることができるというすぐれた効果が得られる。
ビームを屈曲させるための手段としては、好適には、静電気力を用いる。
集束イオンビームで使用するイオンはプラス電位のガリウムイオンであり、通常、電極はこれを通過するガリウムイオンの軌道を曲げるためにプラスに帯電させ、かつ、電極は曲げる方向を制御するために複数に分割以上されている。
この4分割された各電極の電位を、静電気力を用いて異なる電位にすることで、電極を通過する際にイオンビームの軌道を曲げ、同一箇所に傾斜させて照射することができる。したがって、実施が容易であり、1個の2次検出器のみでも形状計測が可能になるというすぐれた効果が得られる。
また、好適には、電極の段数は2段以上必要とする。
1段の電極でもイオンビームの軌道を曲げることが可能となるが、2段以上の電極とすれば、2段目の電極により、1段目で曲げられたビーム電極に帯電させないビーム照射位置と同一場所までを反対方向に曲げ直すことができるので、円滑で確実な形状測定と追加工を行うことができる。
なお、本発明は、所望の材質、たとえばダイヤモンド、cBN,DLC,ルビー、サファイア、金属、セラミックなどの表面に微細な3次元形状を加工するのに好適であり、加工対象製品としては、たとえば金型、微細径の工具、各種部品(これには、マイクロアレーレンズなどの光学部品を含む)、工芸品、装飾品などがあるが、これに限られるものではない。
以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は本発明を適用した集束イオンビーム加工観察装置と方法の概要を示している。
1は真空チャンバであり、バルブ11を介して真空ポンプ10に接続されている。2は前記真空チャンバ1に配置されたビーム照射装置本体である。
3は加工用のワーク(試料)であり、ビーム照射装置本体2と対峙する関係位置にあるステージ4に配置される。
前記ビーム照射装置本体2は、図1と図2のように、ガリウムイオン源200と、集束レンズ201と、ビーム制限アパーチャ202、ブランカ203と、ブランキングアパーチャ204と、X方向位置制御用とY方向位置制御用のメインディフレクタ207,208と、対物レンズ205および走査偏向器としてのビーム屈曲電極20,20’を備え、先端から前記ワーク3にイオンビーム5が照射され、それにより除去加工が行われるようになっている。前記対物レンズ205までの各要素は鏡筒に収められている。
ビーム照射装置本体2では、ビーム5がX、Yの両座標で自由に移動され、ワーク3の所望の位置や領域でのビーム5の走査で、所望形状が加工されるようになっている。
ステージ4は、ワーク3を傾けてもビーム加工点50を中心として傾斜され、またワーク3の回転を行っても加工点が同じ位置を維持するようにするため、好適には、支持用部体と、これを上下移動させる移動用部体と、これを支えつつ360度の円弧軌跡上で移動する傾斜用部体を組み合わせたユーセントリック機構からなっている。支持用部体はそれ自体が回転させられるようなっているか、あるいは移動用部体によって回転させられるようなっている。
6は2次検出器であり、ビーム加工中に放出される2次電子を捕えて検出し、加工面(加工された面)の形状を画像として観察するために、ビーム照射装置本体2のビーム照射位置に常に検出面が臨むように、ビーム照射装置本体2の鏡筒あるいは真空チャンバ1のフレームに固定されている。信号出力側は取込み系60により後述するコンピュータに接続されている。前記X方向位置制御用とY方向位置制御用のメインディフレクタ207,208はビーム位置および滞在時間制御信号をコンピュータとの間で授受するようにコンピュータと制御系209で結ばれている。
7はビーム照射装置本体2に付属するコントローラとしてのコンピュータであり、本体7aとモニター7bを備えている。
前記本体7aは、CAD機能に加えて、ビームとワークの制御機能部を有しており、これには、ビーム位置および滞在時間、ビーム強度の各制御、2次電子による画像、通常と屈曲のビームに対する2次検出の差分から加工形状を測定する機能が含まれる。これらはハードウエアおよび/またはソフトウエアの形式で構築されている。
ビーム制御機能部では、ビーム照射装置本体2のX方向位置制御用とY方向位置制御用のメインディフレクタ207,208に信号を送ってビーム位置と滞在時間を制御するとともに、ビーム照射装置本体2のイオン銃に信号を送ってビーム強度(加速電圧)の制御を行い、かつ形状測定機能部および加工速度算出機能部からの信号で、前記ビーム位置と、滞在時間またはビーム強度を調整する。滞在時間とビーム強度は加工深さに関係するパラメータであり、通常は、一連の加工途中でのビーム強度(加速電圧)は一定として行う。
本発明の特徴は、上記のような装置で集束イオンビーム加工を行う過程すなわち設定した時間と位置およびビーム強さでワーク表面を除去加工したときに、その加工ポイントで、意図的にイオンビーム5に屈曲角度をつけて同加工ポイントに照射し、それを2次検出器6で検出し、通常照射(垂直系照射)時と屈曲傾斜照射をコンピュータ7で演算処理することにより2画像を得しめ、かかる2画像の差分から深さ(距離)を求めることである。
詳述すると、まずそのための手段として、図1ないし図3のように、ビーム照射口に2段の電極20,20’を配している。各段の電極は、複数枚(この例では4枚)の同一形状の単位電極A,B,C,D,E,F,G,Hにより構成されており、4枚の電極は上下にずれることなく平行に配置される。
こうした2段電極を用い、分割された各電極の電位を、静電力を用いて異なる電位を印加し、それにより電極を通過するイオンビームの軌道を曲げ、屈曲したイオンビーム5’を創生させる。図4はイオンビームの屈曲状態をシミュレーションさせたビームの軌跡であり、この例では、電極A、電極C、電極E、電極Gに、A<CおよびE>Gとなるように電圧を印加させた場合を示している。加工時には、通常照射すなわち電極20,20’に電圧を印加させず、各電極をアース電位にすることで、図5のビームの軌跡を得る。
このように各電極に印加させる電圧量を調整することにより、電圧を印可させない場合のビーム照射位置と同一の場所に傾斜させたビームを照射できる。これにより、2個以上の2次検出器を用いたり、ワークを移動させたりすることなく、同一場所から2種類の2次電子等を検出させることができる。したがって、ワークの位置およびビームを走査させることにより、加工物の形状を測定することが可能となる。
電極の段数を2段以上としたのは、形状測定のためにビームを曲げるだけでなく、屈曲させる必要および屈曲させないビームの場合と同一箇所を照射させる必要があることから、2段目の電極20’により1段目で曲げられたビーム電極に帯電させないビーム照射位置と同一場所までを反対方向に曲げ直す必要があるからである。すなわち、ビームを曲げた場合(屈曲ではない)でも画像が得られるが、通常照射画像とビーム傾斜画像の差分からは形状を測定できず、必ず同一場所でないと差を得る意味がない。このため屈曲させて同一場所の画像を得る必要があるからである。
前記のように同一箇所に照射された屈曲されたビーム5’と屈曲されないビーム5からの2次電子を検出することで、深さが測定可能になる。その原理を説明すると、図6のように、次電子放出効率は入射線の試料面に対する入射角θに大きく依存し、δ∝1/cosθの関係がある。
これは図7(a)(b)からもわかるように、一定のエネルギーの入射電子に対して最大進入深さrは一定であり、入射電子はr×cosθの関係でより表面近くで2次電子の発生する確率が増える理由による。一方、2次電子を捕集する検出器の方向は試料表面に垂直方向に置いたとき最も収率がよくなる。従って最も収率の良い試料の傾き角は入射線の方向と検出器の幾何学的な配置によって複雑であるが、一般的には検出器には正の電位をかけて2次電子を集めてしまうので、入射線の試料表面に対する入射角θで決定され、1/cosθの関係が満足されると考えてよい。
こうしたことから、凹凸測定の基本原理として、試料面を電子線で照射した場合に発生する2次電子放出強度は、入射角度の増大と共に単調に増大し、また、その放出強度の角度分布も入射角度と共に変化し、その表面形状計測を行うために、差分信号が必要となるため、従来では、前述のように、一対の2次電子検出器を用いていたのである。
本発明では、1個の2次電子検出器で凹凸測定を行うために、初期条件設定操作によって、図8のように、理想平面からの出力信号an、bnをあらかじめコンピュータ7の本体7aに取り込み、測定点における両入射ビームの出力信号a、b、に対して演算を施し、X−Z平面内における入射角θを算出する。
このようにして求められた試料の傾斜を積分していくことにより、X軸方向の表面形状を計測することができる。本発明の測定原理図を図9に模型的に示す。
(1)〜(4)は垂直入射電子を、(5)〜(8)は屈曲入射電子を示している。
試料面をイオンビームで照射した場合に発生する2次電子放出強度は、入射角度の増大と共に単調に増大し、その放出強度の角度分布も入射角度と共に変化し、その表面形状計測を行うために、差分信号が必要となるため入射ビームを屈曲させる偏光レンズを備えている。
入射角θにおける垂直入射ビームと屈曲入射ビームからの出力信号強度をa、bとし、理想平面における両ビームからの出力信号強度をそれぞれan、bn、Kは定数とすると関係式(1)でθが75度以下の時に良い近似を示す。式(1)はFIBの通常の動作条件において一般的に成り立つ。
Tanθ = K×(a2‐b2)/(an+bn)2 …(1)
この式により求めた入射ビームの入射角と実際の入射角の関係を、図10に示す。図11は,角度とTANθのグラフであり、このグラフからTANθは70度程度まで一定に増加傾向にあることがわかる。即ち,ほぼ比例しているために,anおよびbnをはじめに検出し,aおよびbを測定すればθを算出できるのである。
そして、こうした測定を行った後、電極への電位の印加を停止してビームの屈曲を元に直し、まだ未加工の部分があればビームを照射して追加工を行い、こうした操作を順次各加工点ごとに所望の頻度で行い、目的形状にするのである。
なお、ビーム加工の基礎になる加工データは、従来と同様な手法で構築してもよいが、たとえば、次のような方法も好適あり、これらと本発明の形状測定方法を組み合わせると、きわめて効果的である。
1)加工すべき加工形状をCADで作成し、そのCADデータをCAMで加工してCLデータを作成し、かつ前記CLデータの出力ピッチを多分割することによりXYZ座標の点群データを得る方法。
これによれば、集束イオンビームによる3次元加工にとってもっとも重要な加工用データを、簡単、迅速かつ正確に作成することができるメリットがある。
2)加工すべき加工形状をCADで作成し、そのCADデータで作成された画像に所定ピッチで網目を張り、網目の交点の座標からXYZ座標データを読み取ることにより点群データを得る方法。
これによれば、高価なCAMを使わずに、CADデータから集束イオンビーム加工用の3次元加工データを作成することができるので、加工用データの作成を、簡易、安価に行うことが可能になるメリットがある。
そして、装置として表現すると、イオンビームを用いて行う微細3次元加工置であって,該装置が、ビーム照射装置本体と、ビーム照射装置本体の制御系とリンクしたCAD/CAMと、前記CAMで作成されたCLデータよりXYZの3次元座標の点群データに変換する手段を備えていることを特徴としている。
これによれば、高精度に加工深さを加工することが可能であり、加工材料を限定することなく,表面に微細な3次元表面を有する各種製品を製作することが可能となる。
集束イオンビーム加工方法としては、1)に対応して、集束イオンビームを用いて3次元形状の除去加工を行うにあたり、加工すべき加工形状をCADで作成し、そのCADデータをCAMで加工してCLデータを作成し、かつ前記CLデータの出力ピッチを多分割してXYZ座標の点群データを作成し、この点群データを使用してビーム照射装置本体で加工を行いつつ各座標でのビーム滞在時間を制御することがあげられる。
これによれば、高精度に加工深さを加工することが可能であり、加工材料を限定することなく,表面に微細な3次元表面を有する各種製品を製作することが可能となる。
また、2)に対応して、集束イオンビームを用いて3次元形状の除去加工を行うにあたり、加工すべき加工形状をCADで作成し、そのCADデータで作成された画像に所定ピッチで網目を張り、網目の交点の座標からXYZ座標データを読み取ることにより点群データを作成し、この点群データを使用してビーム照射装置本体で加工を行うことが挙げられる。
これによれば、2)によるメリットに加えて、高価なCAMも用いずに比較的高精度な加工深さで3次元加工ができる利点がある。
詳しく方法と装置を説明すると、図1において、7’は外部のコントローラとしてのコンピュータであり、本体7a’は、図12のように、希望する3次元加工形状データを作成するCAD機能部70と、このCADデータをもとにCLデータ(Cutter Location Data)すなわち、ビーム移動軌跡とビーム移動速度さらには機械への指令を含んだデータを作成するCAM機能部71を有している。
さらに、前記CAM機能部71で作成されたCLデータを点群データに変換する点群データ変換機能部72を備えている。かかる点群データ変換機能部72はハードウエアでもよいが、通常、ソフトウエアの形で構築され、ネット上または他の媒体を介して本体7aとデータの受け渡しを行うようになっている。
なお、本発明は下記の方式を含んでいる。
1)ビーム照射装置本体2のビーム5とワーク3は相対移動させることが必要であり、加工精度上、通常、ビーム照射装置本体2のビームをX,Y軸方向に移動させるが、機械精度がよい場合などにおいては、ワーク(ステージ)をX,Y軸方向あるいは更にZ軸方向、チルト方向などに移動させるようにしてもよい。
2)CAD機能部70、CAM機能部71および点群データ変換機能部72は、外部コンピュータでなしに、ビーム照射装置本体2に付属するコンピュータ7の内部に設けられてもよい。
次に、前記加工データの作成法と装置による3次元加工方法を説明すると、図13のプログラムのように、まず、設計形状に応じてCAD機能部70で形状データを作成し、これに基づいてCAM機能部71でCLデータを作成する。そして、点群データ変換機能部72により、CLデータを多分割し、各セグメントの一方の端点のXYZ座標を求める。
この点群データを本体7a’から本体7aに送り、位置測定機能部および加工速度算出機能部とビーム制御機能部およびワーク制御機能部によって、ビーム照射装置本体2を駆動し、ビーム5をワーク3に照射しつつ、ビーム5をX、Yの両座標で走査させるとともに、必要に応じてステージ4を動かしてワーク3の位置と傾斜角等を制御して、ビームを走査し、加工を行う。走査は、ジグザグ状でもよいし、スパイラル状でもよい。後者はステージ4を動かしてワーク3を回転させることで実現できる。
そして、その部分の加工と同時にビームを屈曲させて照射し、それを2次検出器6で検出することにより2画像の差分から形状測定を行い、加工残し部分と目的形状との差分を算出し、目的の形状まで加工を進める。
本発明の特徴である集束イオンビーム加工のための加工データ作成工程を、半球を作成する場合を例にとって説明すると、第1工程として、図14のようにCAD機能部70でライン1を画成する。次いで、第2工程として、図15(a)のようにライン1を360度回転させ、半球面を画成し、CADデータを得る。
次いで、第3工程として、CAM機能部71において、図16のようにCADデータからCLデータ1〜CLデータnを作成する。図16(a)はXY平面、(b)はXZ平面である。CLデータのデータ出力ピッチは、使用するビーム照射装置の最大分解能に対応させるか、それ以上とするもので、たとえば1000分割とするが、メモリーによって増加は自在である。
次いで、CLデータを点群データ変換機能部72に送り、第4工程として、図17(a)、(b)のように、各CLデータを交差方向で多分割たとえば1000分割し、各セグメントの一方の端点のXYZ座標を求める。図17(a)はXY平面、(b)はXZ平面において1個のCLデータで見た場合を示している。これでたとえば1000×1000の点群データが得られる。
なお、加工形状において、製品が凹部にアンダーカットを有する場合には、ステージ4を傾斜させ、アンダーカット予定部をビームと正対させる制御を行えばよい。
これは、CAD機能部70とCAM機能部71によりアンダーカット部を検出し、それにもとづいて点群データ変換機能部72で点群データを作成し、ビーム制御機能部からの信号で照射装置本体2を動かし、アンダーカット予定部に到った時にワーク制御機能部からの信号でステージ4を傾斜させることで自動的に加工することができる。
次に、CAM機能部71および点群データ変換機能部72を用いずに、より簡単に集束イオンビーム加工データの作成を行う態様、すなわち前記2)の場合には、図18と図19のように、CAD機能部70で作成された画像の表面にメッシュを張り、各メッシュの交点のXYZ座標を求めて加工データとする。それ以降は前記1)の場合と同様である。
図19は能面形状の加工データを作成した例を示しており、この例では、画像の左下を原点(0,0)としているが,原点の位置はその他の場所にあってもよい。また、メッシュのピッチは上記の例では1としているが,1以外としてもよい。たとえば、装置の分解能が1000であるときには、縦または横の大きい寸法を1000等分したものを1ピッチとする。しかし、縦横の小さい方のピッチも大きいものと同一にしてもよいし、しなくてもよい。同一とした方が位置制御しやすい利点がある。
なお、ビームの位置制御するための各X,Y座標に対するZ座標のデータの出力方法は任意であるが、たとえば下記のような態様があげられる。
1)原点を始発点としX方向に(1,0),(2,0)順次出力し、終端(n,0)でY方向に1ピッチ分(n,1)増やして逆方向に(n−1,1),(n−2,1)と出力する。
2)終端で(0,1)に飛び同様にX方向に順次出力する。
3)原点からはじめにY方向に出力する。
4)Z座標の値が0のデータは加工には使用しないため、Z座標のデータを有する座標のデータを出力する。この方が、扱うデータ数が少なくなるため好ましい。
5)データの出力する順番はX方向またはY方法または等高線を作成する要領で座標値が小さいものから右回りまたは左周りにデータを出力する。
6)データを出力する順番を現在地の次が隣のデータではなく、1個とばしなど、連続したXY座標のデータでなくしてもよい。)
なお、本発明は、除去速度および除去面積の大きな加工法にて凸形状加工予定箇所以外の被加工材部分を除去加工して粗凸形状部を有する一次加工品を作り、次いで一次加工品の個々の粗凸形状部に対してビーム加工法により3次元加工を行う場合を含んでいる。
本発明による集束イオンビーム加工装置と方法の一例の概要を示す正面図である。 本発明における集束イオンビーム加工装置本体の部分切欠斜視図である。 本発明装置のビーム屈曲電極の概要を示す斜視図である。 イオンビームの対向する電極に異なる電圧の正電荷を付加した場合のビーム軌跡を解析したシミュレーション図である。 イオンビームの対向する電極に電圧を付加しない場合のビーム軌跡を解析したシミュレーション図である。 検出器と2次電子放出効率の関係を示す説明図である。 (a)は試料が水平のときの垂直入射電子と屈曲入射電子の放出効率の説明図、(b)は試料が傾斜しているときの垂直入射電子と屈曲入射電子の放出効率の説明図である。 (a)は本発明における垂直入射電子による理想平面からの出力を示す説明図、(b)は屈曲入射電子による理想平面からの出力を示す説明図、(c)は両理想平面からの差分信号を示す説明図である。 本発明の測定原理を示す説明図である。 イオンビームの入射角と実際の入射角の関係を示す線図である。 角度とTanθの関係を示す線図である。 本発明と組み合わせるに好適な制御系統図である。 加工工程を例示するチャート図である。 第1実施例の加工データ作成の第1工程を示す説明図である。 (a)(b)は第2工程を示す説明図である。 (a)(b)は第3工程を示す説明図である。 (a)(b)は第4工程を示す説明図である。 別な加工データ作成法の加工工程を例示するチャート図である。 図18による加工データ作成例を示す説明図である。
符号の説明
2 ビーム照射装置本体
3 ワーク(試料)
5 屈曲されないビーム
5’ 屈曲されたビーム
6 2次検出器
20,20’ 屈曲電極

Claims (5)

  1. イオンビームを照射して3次元形状の除去加工を行う際にイオンビームを加工物の同一箇所に対して通常照射および屈曲傾斜させて照射し、加工点から放出される2次電子を2次検出器により計測することでイオンビーム加工された部分の形状を計測することを特徴とする集束イオンビーム加工方法。
  2. イオンビームを屈曲させる手段として静電力を用い、分割された各電極の電位を異なる電位にすることで電極を通過する際にイオンビームの軌道を曲げる請求項1に記載の集束イオンビーム加工方法。
  3. イオンビームを屈曲させる手段として2段以上の電極を用いる請求項2に記載の集束イオンビーム加工方法。
  4. 微細3次元加工装置であって、該装置が、イオンビーム加工された部分の3次元形状を計測するために、イオンビームを加工物の同一箇所に対して通常照射および傾斜させて照射する手段と、加工点から放出される2次電子を計測する1個の2次検出器を備えていることを特徴とする集束イオンビーム加工装置。
  5. 加工物の同一箇所に対してイオンビームを通常照射および傾斜させて照射する手段が、静電力を付加する2段以上の電極を有する請求項4に記載の集束イオンビーム加工装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010115688A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Olympus Corp 照射作用取得方法および荷電粒子ビーム加工方法ならびに荷電粒子ビーム加工装置
WO2012077554A1 (ja) * 2010-12-06 2012-06-14 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置及び荷電粒子線照射方法
JP2019040747A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 株式会社日立製作所 微細構造体の加工方法、および微細構造体の加工装置

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