JP4939761B2 - 石蓮花の含有成分とその用途 - Google Patents

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本発明は、石蓮花抽出物および該抽出物に含まれる新規化合物またはその塩に関する。
より具体的には、本発明は、有効成分として石蓮花抽出物および該抽出物に含まれる新規化合物の糖吸収抑制作用、アルドース還元酵素阻害作用および活性酸素阻害作用に基づく糖尿病などの生活習慣病の予防・治療用組成物ならびに該組成物を含む健康食品に関する。
我々は日常の食事において、主食あるいは副食として多くの炭水化物(例えばデンプンやショ糖など)を摂取している。摂取された炭水化物は、体内の酵素(例えばα-グルコシダーゼなど)により代謝され、単糖に分解された後、消化管から吸収される。
炭水化物の摂取量が増加すると、消化管から吸収され、血液中に移行する単糖の量も増加して高血糖となる。この高血糖が日常的に持続することにより、通常、肥満を経て糖尿病に罹患し、さらに場合によっては、糖尿病の悪化により合併症などの重大な疾病をもたらすことがある。
糖尿病による三大合併症として、通常、網膜症、神経障害および腎症があり、成人における失明の大部分が、糖尿病による網膜症に基づくと言われている。また、上記の三大合併症以外にも合併症として脳卒中や動脈硬化などの血管系疾患および高血圧症も知られている。
この糖尿病は、近年の食生活の欧米化、すなわち、高カロリー食の摂取および過食ならびに交通手段および交通機関の発達による生活習慣の変化、すなわち運動不足などが原因となり、成人のみならず若年にとっても増加する傾向にあり、現代病としてまた生活習慣病として大きな問題になっている。
現在、糖尿病の治療に用いられる医薬品としては、主に、膵インシュリン分泌促進作用を有するスルホニル尿素剤;肝の糖新生の抑制と末梢の筋肉、脂肪組織でのインシュリン感受性の亢進作用を有するビグアナイド系薬剤;消化管粘膜に存在し、デンプンやショ糖からブドウ糖を生成するα-グルコシターゼ(二糖類加水分解酵素)を阻害して血糖値上昇を抑制するα-グルコシダーゼ阻害剤(例えばアカルボース(バイエル社製、商品名;グルコバイ)およびボグリボース(武田薬品工業社製、商品名;ベイスン)等があり、経口投与用の糖尿病治療剤として広く使用されている。
しかしながら、上記の糖尿病治療剤は、一般に合成品であり、近年、胃腸障害、乳酸アシドーシスまたは重篤な肝障害の発生などが報告されており、その使用にあたっては医師の厳格な指導・管理が必要である。一方で、これらの副作用低減を目的とするアルドース還元酵素阻害剤(例えばエパルタット(小野薬品、商品名;キネダック))等も広く使用されている。
そこで、最近、副作用が少ない天然素材が注目され、健康食品としても種々上市されており、そのなかに抗糖尿病効果を標榜したものも多数認められるが、有効性に疑問のあるものが多く、具体的に効果が証明されたものがほとんどないのが実情である。
石蓮花は、中国に広く自生する石蓮属植物であり、中国の広西壮族自治区では、従来、食用として用いられてきた。
近年、この石蓮花の血糖降下剤としての応用および血糖降下作用についても報告されている(特許文献1および2)。
しかしながら、石蓮花抽出物が含む成分ならびに石蓮花抽出物のアルドース還元酵素阻害作用および活性酸素阻害作用についてはなんら報告されていない。
特許第3097997号 特開2002−233342号
本発明は、石蓮花抽出物が含有する成分の解明および用途の開発を課題とする。
本発明者は、現在までになんら報告されていない石蓮花の成分およびその作用を明らかにすべく研究に着手し、石蓮花の水または低級アルコール抽出物および各精製段階における石蓮花抽出物の含有成分を鋭意研究し、新規フラボン誘導体を見出し、それらの化学構造を決定し、上記の課題を解決する。
すなわち、本発明によれば、次の一般式(I):
Figure 0004939761
[式中、R1およびR2は、それぞれ互いに独立して水素原子またはヒドロキシ基を表し、R3は水素原子、β-D-グルコピラノシル基、α-L-ラムノピラノシル基またはβ-D-グルコピラノシル-(1→3)-α-L-ラムノピラノシル基を表し、R4は水素原子、β-D-グルコピラノシル基またはβ-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基を表すが、
但し、β-D-グルコピラノシル基の場合はその3位のヒドロキシ基の水素原子がアセチル基で置換していてもよく、α-L-ラムノピラノシル基の場合はその2位または3位のヒドロキシ基の水素原子が2-メチルプロピオニル基または2-メチルブチリル基で置換していてもよく、β-D-グルコピラノシル-(1→3)-α-L-ラムノピラノシル基の場合はラムノピラノシル基の2位のヒドロキシ基の水素原子が2-メチルプロピオニル基または2-メチルブチリル基で置換していてもよく、β-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基の場合はグルコピラノシル基の6位のヒドロキシ基の水素原子が2-メチルプロピオニル基もしくは2-ヒドロキシメチルプロピオニル基で置換していてもよい]
で表される、3,5,7,4'-テトラヒドロキシフラボン誘導体が提供される。
また、石蓮花の水または含水低級アルコール抽出物(石蓮花抽出物)、および該抽出物の水および水と非混和性有機溶媒を用いる分配抽出物は、糖吸収抑制作用以外にもアルドース還元酵素阻害作用および活性酸素阻害作用を有するので、これらの抽出物に含まれる本発明による化合物も、いずれも糖吸収抑制作用および/または活性酸素阻害作用を有すると考えられ、これら作用を意図する医薬用組成物ならびに該組成物が添加されてなる健康食品が提供される。
本発明によれば、石蓮花抽出物、または該抽出物に含まれる本発明によるフラボン誘導体の少なくとも一つを有効成分とする糖吸収抑制用組成物として、安全に使用できる。
本発明は、石蓮花の水または含水低級アルコール抽出物および/または該抽出物を必要に応じてさらに精製した石蓮花抽出物に含まれる上記の一般式(I)で表される3,5,7,4'-テトラヒドロキシフラボン誘導体およびそれらの使用に関している。
また、本発明において用いられている用語「石蓮花」は漢薬名であり、ベンケイソウ科(Crassulacea)に属する石蓮(Sinocrassula)属植物の総称として、また、さらに同属植物を原料として開発された健康食品素材を意味する一般名称としても用いられている。
石蓮属植物は、パキスタン、インド北部から中国各地かけて広く分布し、岩山および石の上に自生する二年生または多年生植物である。
また、同属植物は、地域によっては多数の異名を有しており、例えば、メキシコなど熱帯アメリカではエチェバリア グラウカ(Echevaria glauca)またはコチレドン グラウカ(Cotyledon glauca)の別名でも知られている。
したがって、本発明における石蓮花とは、それらの中のいずれかに限定されるものではない。
上記の石蓮属植物としては、例えばシノクラスラ インディカ(Sinocrassula indica、石蓮)、シノクラスラ ウンナンエンシス(Sinocrassula yunnanensis、雲南石蓮)、シノクラスラ アンビグア(Sinocrassula ambigua、長萼石蓮)、シノクラスラ デンシロスラータ(Sinocrassula densirosulata、密叶石蓮)、シノクラスラ テキネシス(Sinocrassula techinesis、徳欽石蓮)、シノクラスラ ラナイスチラ(Sinocrassula lanaistyla、長柱石蓮)などが挙げられ、エチェバリア グラウカまたはコチレドン グラウカが含まれることもあり、それらの葉および茎などの地上部を用いることができる。また、市場で入手可能な石蓮属植物を原料する健康食品素材を用いることもできる。
本発明による石蓮花としては、上記の何れかの素材あるいは植物の地上部または全草を採取して直ぐにまたは乾燥し、そのままもしくは細断・粉砕したものを抽出材料として用いることができる。なかでも、細断・粉砕したものを用いると、抽出効率の点で好ましい。
本発明の抽出物の調製に用いられる溶媒に関して、水以外の低級アルコールとしては、炭素数1〜4のアルコール類が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノールもしくはt-ブタノールまたはこれらの混液あるいはこれらの任意の割合における含水アルコール等が挙げられる。好ましくは、水またはエタノールが用いられる。さらに好ましくは、水または約80%エタノールが用いられるが、本発明においては、含水エタノールのエタノール量が特に80%に限定されるものではない。
これらの抽出用アルコールは、抽出材料に対して1〜50倍 (容量)程度、好ましくは2〜10倍 (容量)程度用いられる。
なお、抽出は、熱時または室温で行うことができ、抽出温度は、室温と溶媒の沸点の間で任意に設定できる。熱時抽出の場合、例えば、50℃〜抽出溶媒の沸点の温度で、振盪 (または撹拌)下もしくは非振盪下または還流下に、石蓮花の花部を上記の抽出溶媒に浸漬することによって行うのが適当である。抽出材料を振盪下に浸漬する場合には、30分間〜5時間程度行うのが適当であり、非振盪下に浸漬する場合には、1時間〜20日間程度行うのが適当である。また、抽出溶媒の還流下に抽出するときは、30分〜数時間加熱還流するのが好ましい。
また、50℃より低い温度で浸漬して抽出することも可能であるが、その場合には、上記の時間よりも長時間浸漬するのが好ましい。抽出操作は、同一材料について1回だけ行ってもよいが、複数回、例えば、2〜5回程度繰り返すのが抽出効率の点から好ましい。
固形物を、抽出後にろ別して得られる抽出液は、常法により濃縮して抽出エキスとしてもよい。濃縮は、減圧下に行うのが好ましい。濃縮は抽出液が乾固するまで行ってもよい。
抽出物は、そのまま本発明の組成物を調製するのに用いてもよいが、粉末状または凍結乾燥品等として用いてもよい。これらの固形物とする方法は、当該分野で公知の方法を採用することができる。
したがって、本発明における抽出物とは、抽出液、抽出エキス、濃縮乾固物または凍結乾燥物のいずれも意味するが、本発明による抽出物は、精製せずにそのまま用いることもでき、本発明の一部を構成している。
しかしながら、本発明では、抽出液を濃縮した抽出物を、溶媒による分配抽出、すなわち、水と非混和性有機溶媒とを用いる分配抽出に単回または複数回付し、有機溶媒可溶画分と水溶性画分として分離することができる。
非混和性有機溶媒としては、酢酸エチル、n-ブタノール、ヘキサン、クロロホルムなどが挙げられるが、中でも酢酸エチルが好ましい。
すなわち、アルコール抽出物を濃縮して得られた抽出物を、必要に応じて酢酸エチルと水を用いて分配し、酢酸エチル可溶画分と水溶性画分として得ることができる。
また、上記で得られる水溶性画分を、さらに水と非混和性有機溶媒を用いる分配抽出に付し、有機溶媒可溶画分と水溶性画分として分離することができる。
この場合の非混和性有機溶媒としては、n-ブタノール、ヘキサン、クロロホルムなどが挙げられるが、中でもn-ブタノールが好ましい。
すなわち、上記の酢酸エチルと水との分配後の水溶性画分をそのままn-ブタノールとの分配に付すか、または該水溶性画分を濃縮して得られる残渣をさらに水とn-ブタノールとの分配に付し、n-ブタノール可溶性画分と水溶性画分を得ることができる。
したがって、上記の石蓮花抽出物を上記の水と非混和性有機溶媒とを用いる分配抽出に1回以上付したものも石蓮花抽出物として本発明を構成する。
分配抽出は、当該分野で通常行われる撹拌もしくは振盪分配法または液滴向流分配法などの常法に従って行うことができる。例えば、室温下、振盪下または非振盪下に、抽出エキスなどに対して、非混和性有機溶媒と水とを1〜50倍 (容量)程度 (1:10〜10:1)加えて行うのが適当である。
なお、上記のアルコール抽出物および各分配抽出物は、上記のいずれの段階においても、濃縮する前後に精製処理に付すことができる。
精製処理には、上記の溶媒による分配抽出以外に、当業者に公知のクロマトグラフ法、イオン交換クロマトグラフ法等を単独で、または組み合わせて採用することができる。例えば、クロマトグラフ法としては、順相もしくは逆相担体またはイオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーまたは遠心液体クロマトグラフィー等のいずれか、またはそれらを組み合わせて行う方法が挙げられる。この際の担体、溶出溶媒等の精製条件は、各種クロマトグラフィーに対応して適宜選択することができる。
本発明者は、石蓮花の水または含水低級アルコール抽出物(石蓮花抽出物)の活性を検討した。
その結果、本発明者は、石蓮花抽出物が、糖吸収抑制作用を示すことを見出した。
さらに本発明者は、上記の石蓮花抽出物を酢酸エチル/水による分配処理に付し、得られた水溶性画分をさらにn-ブタノール/水による分配処理して得られる有機溶媒可溶画分を得た。
本発明者は、これらの石蓮花抽出物、酢酸エチル可溶性画分およびn-ブチル可溶性画分についても活性を検討した。その結果、上記の抽出物および各有機溶媒可溶性画分が、糖吸収抑制作用以外に、アルドース還元酵素阻害作用および活性酸素阻害作用を示すことも見出した。
そこで、ここに得られた酢酸エチル可溶画分およびn-ブタノール可溶画分を、それぞれシリカゲルクロマトグラフィー、逆相カラムを用いたHPLCによる精製を繰り返し、含有成分の単離を行った。
その結果、本発明者は、既知物質としてケンフェロール、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール 7-O-α-L-ラムノピラノシド、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシル-7-O-α-L-ラムノピラノシド、マルチフロリンB、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-ラムノピラノシル-7-O-α-L-ラムノピラノシド、ケルセチン、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシル-7-O-α-L-ラムノピラノシド、マルチノシドA、ルテオリン、(3S,5R,6R,7E,9S)-メガスティグマン-7-エン-3,5,6,9-テトロール 3-O-β-D-グルコピラノシド、(3S,5R,6R,7E,9S)-メガスティグマン-7-エン-3,5,6,9-テトロール 9-O-β-D-グルコピラノシド、L-フェニルアラニンを得た。
本発明者は、上記の既知物質以外に、さらに以下の新規化合物を見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、次の一般式(I):
Figure 0004939761
[式中、R1およびR2は、それぞれ互いに独立して水素原子またはヒドロキシ基を表し、R3は水素原子、β-D-グルコピラノシル基、α-L-ラムノピラノシル基またはβ-D-グルコピラノシル-(1→3)-α-L-ラムノピラノシル基を表し、R4は水素原子、β-D-グルコピラノシル基またはβ-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基を表すが、
但し、β-D-グルコピラノシル基の場合はその3位のヒドロキシ基の水素原子がアセチル基で置換していてもよく、α-L-ラムノピラノシル基の場合はその2位または3位のヒドロキシ基の水素原子が2-メチルプロピオニル基または2-メチルブチリル基で置換していてもよく、β-D-グルコピラノシル-(1→3)-α-L-ラムノピラノシル基の場合はラムノピラノシル基の2位のヒドロキシ基の水素原子が2-メチルプロピオニル基または2-メチルブチリル基で置換していてもよく、β-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基の場合はグルコピラノシル基の6位のヒドロキシ基の水素原子が2-メチルプロピオニル基もしくは2-ヒドロキシメチルプロピオニル基で置換していてもよい]
で表される、3,5,7,4'-テトラヒドロキシフラボン誘導体が提供される。
具体的には、式(I)の化合物において、R3がα-L-ラムノピラノシル基であり、R4が水素原子である、副式(II):
Figure 0004939761
[式中、R1およびR2は式(I)の化合物で定義したとおりであり、R5およびR6はそれぞれ独立して水素原子、2-メチルプロピオニル基または2-メチルブチリル基を表す]
で表される、3,5,7,4'-テトラヒドロキシフラボン誘導体が提供される。
すなわち、式(II)の化合物において、R1、R2およびR6が共に水素原子であり、R5が2-メチルプロピオニル基である、式(1):
Figure 0004939761
で表される、化合物1が提供される。
また、式(II)の化合物において、R1、R2およびR6が共に水素原子であり、R5が2-メチルブチリル基である、式(2):
Figure 0004939761
で表される、化合物2が提供される。
また、式(II)の化合物において、R1およびR6が共に水素原子であり、R2がヒドロキシ基であり、R5が2-メチルプロピオニル基である、式(14):
Figure 0004939761
で表される、化合物14が提供される。
また、式(II)の化合物において、R1およびR6が共に水素原子であり、R2がヒドロキシ基であり、R5が2-メチルブチリル基である、式(15):
Figure 0004939761
で表される化合物15が提供される。
また、式(II)の化合物において、R1およびR2が共にヒドロキシ基であり、R5が2-メチルブチリル基であり、R6が水素原子である、式(19):
Figure 0004939761
で表される化合物19が提供される。
あるいは、本発明によれば、上記の式(I)の化合物において、R3がα-L-ラムノピラノシル基であり、R4がβ-D-グルコピラノシル基である、副式(III):
Figure 0004939761
[式中、R1およびR2は式(I)の化合物で定義したとおりであり、R5およびR6は副式(II)の化合物物で定義したとおりであり、R7は水素原子またはアセチル基を表す]
で表される、3,5,7,4'-テトラヒドロキシフラボン誘導体が提供される。
すなわち、式(III)の化合物において、R1、R2、R5およびR6が共に水素原子であり、R7がアセチル基である、式(3):
Figure 0004939761
で表される化合物3が提供される。
また、式(III)の化合物において、R1、R2およびR5が共に水素原子であり、R6が2-メチルプロピオニル基であり、R7がアセチル基である、式(4):
Figure 0004939761
で表される化合物4が提供される。
また、式(III)の化合物において、R1、R2およびR5が共に水素原子であり、R6が2-メチルブチリル基であり、R7がアセチル基である、式(5):
Figure 0004939761
で表される化合物5が提供される。
また、式(III)の化合物において、R1、R2、R6およびR7が共に水素原子であり、R5が2-メチルプロピオニル基である、式(6):
Figure 0004939761
で表される化合物6が提供される。
また、式(III)の化合物において、R1、R2およびR6が共に水素原子であり、R5が2-メチルブチリル基であり、R7がアセチル基である、式(7):
Figure 0004939761
で表される化合物7が提供される。
また、式(III)の化合物において、R1がヒドロキシ基であり、R2、R5、R6およびR7が共に水素原子である、式(13):
Figure 0004939761
で表される化合物13が提供される。
また、式(III)の化合物において、R1およびR2が共にヒドロキシ基であり、R5、R6およびR7が共に水素原子である、式(20):
Figure 0004939761
で表される化合物20が提供される。
また、式(III)の化合物において、R1、R6およびR7が共に水素原子であり、R2がヒドロキシ基であり、R5が2-メチルブチリル基である、式(16):
Figure 0004939761
で表される化合物16が提供される。
あるいは、本発明によれば、上記の式(I)の化合物において、R3が水素原子またはβ-D-グルコピラノシル基であり、R4がβ-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基である、副式(IV):
Figure 0004939761
[式中、R1およびR2は式(I)の化合物で定義したとおりであり、R8は2-メチルプロピオニル基または2-ヒドロキシメチルプロピオニル基を表す]
で表される、3,5,7,4'-テトラヒドロキシフラボン誘導体が提供される。
すなわち、式(IV)の化合物において、R1、R2およびR3が共に水素原子であり、R8が2-メチルプロピオニル基である、式(10):
Figure 0004939761
で表される化合物10が提供される。
また、式(IV)の化合物において、R1およびR2が共に水素原子であり、R3がβ-D-グルコピラノシル基であり、R8が2-メチルプロピオニル基である、式(11):
Figure 0004939761
で表される化合物11が提供される。
式(IV)の化合物において、R1およびR2が共に水素原子であり、R3がβ-D-グルコピラノシル基であり、R8が2-ヒドロキシメチルプロピオニル基である、式(12):
Figure 0004939761
で表される化合物12が提供される。
あるいは、本発明によれば、上記の式(I)の化合物において、R 3 がβ-D-グルコピラノシル-(1→3)-α-L-ラムノピラノシル基であり、R 4 がβ-D-グルコピラノシル基である、副式(V):
Figure 0004939761
[式中、R 1 およびR 2 は式(I)の化合物で定義したとおりであり、R 7 は副式(III)の化合物で定義したとおりであり、R 9 は2-メチルプロピオニル基または2-メチルブチリル基である]
で表される、3,5,7,4'-テトラヒドロキシフラボン誘導体も提供される
すなわち、式(V)の化合物において、R 1 、R 2 およびR 7 が共に水素原子であり、R 9 が2-メチルプロピオニル基である、式(8):
Figure 0004939761
で表される化合物8が提供される。
また、式(V)の化合物において、R 1 、R 2 およびR 7 が共に水素原子であり、R 9 が2-メチルブチリル基である、式(9):
Figure 0004939761
で表される化合物9が提供される
また、式(V)の化合物において、R1およびR7が共に水素原子であり、R2がヒドロキシ基であり、R9が2-メチルブチリルである、式(17):
Figure 0004939761
で表される化合物17が提供される。
また、式(V)の化合物において、R 1 およびR 7 が共に水素原子であり、R 2 がヒドロキシ基であり、R 9 が2-メチルブチリルであり、ラムノピラノシル基に結合するβ−D−グルコピラノシル基の1級アルコールがさらに2-ヒドロキシメチルプロピオン酸とエステルを形成している、式(18):
Figure 0004939761
で表される化合物18が提供される。
また、(V)の化合物において、R1およびR2が共にヒドロキシ基であり、R7が水素原子であり、R9が2-メチルブチリル基である、式(22):
Figure 0004939761
で表される化合物22も提供される。
すなわち、本発明者は、上記の化合物1〜20および22を含む石蓮花抽出物、酢酸エチル可溶性画分ならびにn-ブタノール可溶性画分が、いずれも糖吸収抑制、アルドース還元酵素阻害作用および活性酸素阻害作用を有することを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明によれば、石蓮花抽出物または該抽出物に含まれる化合物1〜20および22の少なくとも一つを有効成分として含む医薬組成物が提供される。
すなわち、本発明によれば、石蓮花抽出物または該抽出物に含まれる化合物1〜22の少なくとも一つを有効成分として含む糖吸収抑制用組成物が提供される。
また、本発明によれば、石蓮花抽出物または該抽出物に含まれる化合物1〜22の少なくとも一つを有効成分として含むアルドース還元酵素阻害用組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、石蓮花抽出物または該抽出物に含まれる化合物1〜22の少なくとも一つを有効成分として含む活性酸素阻害用組成物が提供される。
ここで、アルドース還元酵素は、糖尿病の合併症である網膜症および腎症と深い関係があるとされており、一方、活性酸素は、一般に、生体内で過酸化脂質の増加に関与しており、糖尿病、心筋梗塞、動脈硬化、癌、脳卒中、白内障、高血圧および老人性痴呆症の疾患に罹患し易くなるといった問題が指摘されている。
したがって、本発明によれば、現代病として代表的なこれら糖尿病、肥満および活性酸素などが関連する生活習慣病の予防または治療を意図した医薬組成物が提供される。
その上、本発明によれば、該組成物を含む健康食品が提供される。
本発明の石蓮花抽出物、すなわち、水もしくは含水低級アルコール抽出物、該抽出物の酢酸エチル可溶画分および/またはn-ブタノール可溶画分あるいは該抽出物に含まれる化合物1〜20および22のいずれかは、そのままの状態、または医薬的に許容される医薬品添加物のような適当な媒体で希釈して、あるいは医薬品の製造分野において公知の方法により、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤または液剤等、種々の医薬品の形態に製剤化して使用することができる。
散剤、顆粒剤、錠剤またはカプセル剤のような固形製剤を製造する場合、医薬的に許容される医薬品添加物としては、賦形剤(例えば乳糖、ショ糖のような糖類、トウモロコシデンプンのようなデンプン類、結晶セルロースのようなセルロース類、アラビアゴム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウムなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールなど)、結合剤(例えばマンニトール、ショ糖のような糖類、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、崩壊剤(例えば馬鈴薯澱粉のようなデンプン類、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース類、架橋ポリビニルピロリドンなど)、着色剤および矯味矯臭剤などを用いることができる。
錠剤は、通常の方法によりフィルムコーティングなどのコーティングを施すことができ、有効成分を即時、遅延または持続放出できるようにすることができる。
また、カプセル剤は、有効成分を適当な賦形剤などと混合し、得られた混合物をゼラチンソフトまたはハードカプセルに充填することにより得ることができる。
液体製剤は、例えば水性または油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、使用前に水または他の適切な賦形剤で再生する乾燥製品として提供してもよい。
このような液体製剤を製造する場合、医薬的に許容される医薬品添加物としては、溶剤(例えばオリーブ油、大豆油のような油性溶剤、水、アルコール、プロピレングリコールのような親水性溶剤など)、溶解補助剤(例えばポリエチレングリコール、コレステロールなど)、乳化剤(例えば界面活性剤など)、懸濁化剤(ポリビニル系化合物、セルロース類のような親水性高分子、界面活性剤など)、保存剤(例えばp-ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピル、ソルビン酸など)、および所望により着色剤や矯味矯臭剤などを用いることができる。
また、本発明による化合物または組成物を有効成分として食品に添加したものを健康食品として利用することができる。
健康食品とは、通常の食品よりも積極的な意味で保健、健康維持・増進等を目的とした食品を意味し、例えば、固形、半固形または液体の製品、具体的には、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤または液剤等のほか、クッキー、せんべい、ゼリー、ようかん、ヨーグルト、まんじゅう等の菓子類、清涼飲料、お茶類、栄養飲料、スープ等の形態が挙げられる。
これらの食品の製造工程において、あるいは最終製品に、上記の抽出物を添加して、健康食品とすることができる。
石蓮花抽出物および該抽出物が含む本発明による化合物の使用量は、年齢、症状等によって異なるが、例えば該抽出物の濃縮乾固物を予防・治療に用いる場合には、成人1回につき0.1〜10g程度、好ましくは0.3〜2g程度使用できる。また、健康食品として使用する場合には、食品の味や外観に悪影響を及ぼさない量、例えば、対象となる食品1kgに対し上記乾固物を、0.1〜5g程度の範囲で用いることができる。
以下、本発明の石蓮花抽出物、該抽出物が含有する本発明による化合物1〜21および22の精製法、それらの諸物性値および構造並びにこれらの作用に関する実施例を具体的に説明するが、以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を何等制限するものではない。
なお、実施例では、特に記載がない限り、以下の各種溶媒、クロマトグラフィー用担体およびHPLC用カラムを用いた:
Wistar系雄性ラット:紀和実験動物研究所(和歌山)
メタノール(MeOH):ナカライテスク社製、特級
エタノール(EtOH):ナカライテスク社製、特級
クロロホルム:ナカライテスク社製、特級
ジメチルスルホキサイド(DMSO):ナカライテスク社製、特級
酢酸エチル(AcOEt):ナカライテスク社製、特級
n-ブタノール(BuOH):ナカライテスク社製、特級
カラムクロマトグラフィー用シリカゲル (SiO2):富士シリシア社製、BW-200、150〜350メッシュ
逆相カラムクロマトグラフィー用ODSシリカゲル:富士シリシア社製、Chromatorex ODS DM1020T、100〜200メッシュ。
HPLC用ODSカラム:YMC社製、YMC-Pack ODS-A (250×20mm)
また、核磁気共鳴 (NMR)スペクトルにおいて、化学シフトδは百万分の一 (ppm)で表示し、略語はそれぞれ次の意味を有する: s:シングレット;br s:幅広いシングレット;d:ダブレット;dd:ダブルダブレット;t:トリプレット; q:クァルテット;dq:ダブルクァルテット;ddq:ダブルダブルクァルテット;qq:クァルテットクァルテット;m:マルチプレット;Ac;アセチル基;Glc:グルコピラノシル基;Rha:ラムノピラノシル基;MB:2-メチルプロピオニル基;IB:2-メチルブチリル基;K:ケンフェロール;Q:ケルセチン。
なお、以下の実施例において単離した本発明による新規化合物は、UV、IR、旋光度、各種質量分析、1H-および13C-NMR(1H;500 MHz、13C;125 MHz、溶媒:DMSO-d6)などの種々の測定結果に基づき同定した。
さらに、化合物の化学構造および絶対構造は、H-HおよびまたはC-H COSYやHMBCなどのような各種2次元NMRの測定結果やアルカリ加水分解物の各種分析結果にも基づいて決定した。
また、以下の実施例で得られた既知物質は、上記の各種分析結果および標品との比較からその構造を決定した。
実施例1
石蓮花抽出物の調製および該抽出物の精製
例えば、約80%の含水エタノールを用いて、石蓮花抽出物を調製し、該抽出物を精製した例を表1に示し、以下の手順で行った。
Figure 0004939761
(1)石蓮花抽出物の調製
石蓮花9.9 kgを約80%エタノール20Lで加熱還流下に3時間抽出し、冷却後にろ過し、ろ取物を再度抽出に付した。この抽出操作を3回繰り返し、合わせたろ液を減圧下に濃縮して石蓮花抽出物764 g (7.7%)を得た。
(2)石蓮花抽出物の酢酸エチルおよび水による分配抽出
次いで、上記で得られた抽出物725 gを、酢酸エチル5Lと水5Lとによる分配抽出に付し、各抽出液を減圧下に濃縮して、酢酸エチル可溶画分 (237g、2.5%)と水可溶画分 (487g、5.1%)を得た。
(3)水可溶画分のn-ブタノールおよび水による分配抽出
さらに、上記で得られた水可溶画分487gを、n-ブタノール5Lと水5Lとによる分配抽出に付し、各抽出液を減圧下に濃縮し、n-ブタノール可溶画分 (164 g、1.7%)と水可溶画分 (323 g、3.4%)を得た。
(4)石蓮花抽出物の酢酸エチル可溶画分含有成分の単離と同定
上記で得られた酢酸エチル可溶画分100.0 gをクロロホルム:メタノール(100:0〜90:10〜80:20〜70:30〜60:40)の濃度勾配の混液で溶出し、最後にメタノールで溶出するシリカゲルクロマトグラフィー (シリカゲル2.5 kg)に付し、フラクションE1〜8 (Fr. E1〜Fr. E8)を上記の表1に示す割合で得た。
次いで、フラクションE4 11.85gを、メタノール:水 (40:60〜50:50〜60:40〜75:25〜90:10〜98:2〜100:0)の濃度勾配の混液で溶出する逆相ODSクロマトグラフィー (ODSシリカゲル350 g)、およびメタノール:水 (55:45または70:30)の混液を移動相とするHPLCに付して、既知物質ルテリオン20.2 mgおよびケンフェロール25.6 mgと共に新規化合物1(E451) 12.6 mgおよび化合物2(E4521) 11.6 mgを得た。
以下に、フラクションE4から得られた化合物1(E451)の諸物性値、ならびに1H-および13C-NMRデータを原子間の相関と共に構造式を用いて示す。
化合物1(E451)
黄色粉末、C25H26O11、MW: 502
[α]D 26 -26.3°(c 0.60、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 525.1373、(M+H)+: 503.1553
実測値:525.1377、503.1547
UV [MeOH、nm (logε)]: 266 (4.20)、322 (3.99)
IR ( KBr、cm-1): 3430、2962、1719、1655、1597、1026
FABMS: m/z 525 (M+Na)+、503 (M+H)+
Figure 0004939761
同様に、フラクションE4から得られた化合物2(E4521)の諸物性値、ならびに1H-および13C-NMRデータを原子間の相関と共に構造式を用いて示す。
化合物2(E4521)
黄色粉末、C26H28O11、MW: 516
[α]D 27 -78.8° (c 0.50、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 539.1529
実測値: 539.1522
UV [MeOH、nm (logε)]: 267 (4.14)、319 (4.10)
IR ( KBr、cm-1): 3410、2962、1720、1655、1597、1026
FABMS: m/z 539 (M+Na)+
Figure 0004939761
次いで、フラクションE5 5.30gを、上記のフラクションE4の精製と同様にして、既知物質ケルセチン96.6 mgと共に新規の化合物19(E525) 12.1 mg、化合物14(E527) 17.6 mg、化合物7(E528) 23.0 mg、化合物4(E531) 13.0 mg、化合物15(E532) 7.1 mg、化合物5(E542) 28.6 mgを得た。
以下に、フラクションE5から得られた化合物19(E525)、化合物14(E527)、化合物7(E528)、化合物4(E531)、化合物15(E532)および化合物5(E542)の諸物性値、ならびに1H-および13C-NMRデータを原子間の相関と共にそれらの構造式を用いて示す。
化合物19(E525)
黄色粉末、C26H28O13、MW: 548
[α]D 23 +60.2° (c 0.80、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 571.1428
実測値: 571.1422
UV [MeOH、nm (logε)]: 261 (4.08)、344 (3.83)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2960、1719、1655、1611、1075
FABMS: m/z 717 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物14(E527)
黄色粉末、C25H26O12、MW: 518
[α]D 25 +810° (c 1.20、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 541.1322、(M+H)+: 519.1503
実測値: 541.1328、519.1509
UV [MeOH、nm (logε)]: 256 (4.18)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2920、1726、1655、1597、1026
FABMS: m/z 541 (M+Na)+、519 (M+H)+
Figure 0004939761
化合物7(E528)
黄色粉末、C34H40O17、MW: 720
[α]D 27 -84.1° (c 0.50、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 743.2158、(M+H)+: 721.2347
実測値: 743.2168、: 721.2344
UV [MeOH、nm (logε)]: 266 (4.35)、350 (4.26)
IR ( KBr、cm-1): 3410、2960、1719、1649、1597、1073
FABMS: m/z 743 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物4(E531)
黄色粉末、C33H38O17、MW: 706
[α]D 25 -45.2° (c 1.00、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 729.2007
実測値: 729.2000
UV [MeOH、nm (logε)]: 267 (4.28)、350 (4.19)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2936、1732、1655、1599、1065
FABMS: m/z 729 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物15(E532)
黄色粉末、C26H28O12、MW: 532
[α]D 25 -51.1° (c 0.50、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 555.1478
実測値: 555.1483
UV [MeOH、nm (logε)]: 256 (4.22)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2936、1719、1655、1597、1059
FABMS: m/z 555 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物5(E542)
黄色粉末、C34H40O17、MW: 720
[α]D 26 -61.4° (c 1.00、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 743.2163
実測値: 743.2168
UV [MeOH、nm (logε)]: 268 (4.55)、349 (4.48)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2922、1730、1655、1599、1069
FABMS: m/z 743 (M+Na)+
Figure 0004939761
さらに、フラクションE6 0.68gを、上記のフラクションE4の精製と同様にして、既知物質ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド14.0 mgおよびケンフェロール 7-O-α-L-ラムノピラノシド32.9 mgと共に新規の化合物3(E6131) 4.6 mg、化合物6(E6132) 10.0 mg、化合物16(E614) 11.3 mgおよび化合物10(E6192) 14.7 mgを得た。
以下に、フラクションE6から得られた化合物3(E6131)、化合物6(E6132)、化合物16(E614)および化合物10(E6192)の諸物性値、ならびに1H-および13C-NMRデータを原子間の相関と共にそれらの構造式を用いて示す。
化合物3(E6131)
黄色粉末、C29H32O16、MW: 636
[α]D 25 -30.2° (c 1.50、MeOH)
高分解能FABMS:計算値 (M+Na)+: 659.1588、(M+H)+: 637.1769
実測値:: 659.1595、: 637.1782
UV [MeOH、nm (logε)]: 267 (4.14)、319 (4.10)
IR ( KBr、cm-1): 3410、2919、1719、1655、1597、1062
FABMS: m/z 659 (M+Na)+、637 (M+H)+
Figure 0004939761
化合物6(E6132)
黄色粉末、C31H36O16、MW: 664
[α]D 25 -62.5° (c 0.70、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 687.1901
実測値: 687.1908
UV [MeOH、nm (logε)]: 267 (4.29)、349 (4.21)
IR ( KBr、cm-1): 3410、2940、1719、1650、1597、1065
FABMS: m/z 687 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物16(E614)
黄色粉末、C32H38O17、MW: 694
[α]D 23 -32.2° (c 0.50、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 717.2007
実測値: 717.2003
UV [MeOH、nm (logε)]: 258 (4.32)、355 (4.19)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2960、1726、1662、1603、1077
FABMS: m/z 717 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物10(E6192)
黄色粉末、C31H36O16、MW: 664
[α]D 26 -88.9° (c 1.0、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 687.1904
実測値: 687.1901
UV [MeOH、nm (logε)]: 265 (4.31)、347 (4.16)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2962、1736、1655、1610、1068
FABMS: m/z 687 (M+Na)+
Figure 0004939761
(5)石蓮花抽出物のn-ブタノール可溶画分含有成分の単離と同定
次いで、上記で得られたn-ブタノール可溶画分95.0 gをクロロホルム:メタノール(90:10〜80:20〜70:30〜60:40〜50:50)の濃度勾配の混液で溶出し、最後にメタノールで溶出するシリカゲルクロマトグラフィー (シリカゲル2.5 kg)に付し、フラクションB1〜8 (Fr. B1〜Fr. B8)をそれぞれ前記の表1に示す割合で得た。
次いで、フラクションB4 9.0gを、メタノール:水 (20:80〜30:70〜40:60〜50:50〜60:40〜70:30〜90:10〜100:0の濃度勾配の混液で溶出する逆相ODSシリカゲルクロマトグラフィー (ODSシリカゲル270 g)、およびメタノール:水 (35:65または50:50)の混液を移動相とするHPLCに付して、既知物質ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシル-7-O-α-L-ラムノピラノシド830 mgと共に新規の化合物8(B481) 72.0 mg、化合物17(B482) 348.6 mg、化合物18(B483) 35.4 mgおよび化合物9(B484) 150.4 mgを得た。
以下に、フラクションB4から得られた化合物8(B481)、化合物17(B482)、化合物18(B483)および化合物9(B484)の諸物性値、ならびに1H-および13C-NMRデータを原子間の相関と共にそれらの構造式を用いて示す。
化合物8(B481)
黄色粉末、C38H46O21、MW: 826
[α]D 23 -44.5° (c 2.0、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 849.2429
実測値: 849.2438
UV [MeOH、nm (logε)]: 266 (4.33)、350 (4.26)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2922、1721、1655、1599、1074
FABMS: m/z 849 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物17(B482)
黄色粉末、C38H48O22、MW: 856
[α]D 25 -47.8° (c 2.00、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 879.2535
実測値: 879.2540
UV [MeOH、nm (logε)]: 257 (4.49)、358 (4.37)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2936、1725、1655、1599、1076
FABMS: m/z 879 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物18(B483)
黄色粉末、C42H54O22、MW: 942
[α]D 26 +325.9° (c 2.00、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 965.2903
実測値: 965.2909
UV [MeOH、nm (logε)]: 257 (4.34)、357 (4.22)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2936、1728、1655、1597、1063
FABMS: m/z 965 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物9(B484)
黄色粉末、C38H48O21、MW: 840
[α]D 25 -52.6° (c 1.00、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 863.2586
実測値: 863.2581
UV [MeOH、nm (logε)]: 266 (4.31)、350 (4.24)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2934、1728、1655、1599、1079
FABMS: m/z 863 (M+Na)+
Figure 0004939761
次いで上記で得られたフラクションB5 11.9gを、上記のフラクションB4の精製と同様にして、既知物質L-フェニルアラニン20.4 mg、(3S,5R,6R,7E,9S)-メガスティグマン-7-エン-3,5,6,9-テトロール 3-O-β-D-グルコピラノシド30.9 mg、(3S,5R,6R,7E,9S)-メガスティグマン-7-エン-3,5,6,9-テトロール 9-O-β-D-グルコピラノシド69.0 mg、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシル-7-O-α-L-ラムノピラノシド50.0 mg、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシル-7-O-α-L-ラムノピラノシド17.9 mg、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-ラムノピラノシル-7-O-α-L-ラムノピラノシド9.6 mgおよびマルチノシドA27.6 mgと共に、新規の化合物20(B552) 50.6 mg、化合物13(B561) 23.0 mg、化合物12(B583) 13.1 mg、化合物11(B586) 15.8 mgおよび化合物22(B595) 47.8 mgを得た。
以下に、フラクションB5から得られた化合物20(B552)、化合物13(B561)、化合物12(B583)、化合物11(B586)および化合物22(B595)の諸物性値、ならびに1H-および13C-NMRデータを原子間の相関と共にそれらの構造式を用いて示す。
化合物20(B552)
黄色粉末、C27H30O17、MW: 626
[α]D 25 +71.3° (c 2.00、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 649.1381
実測値: 649.1385
UV [MeOH、nm (logε)]: 276 (4.26)、350 (4.08)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2960、1655、1605、1059
FABMS: m/z 649 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物13(B561)
黄色粉末、C27H30O16、MW: 610
[α]D 25 +14.5° (c 1.00、MeOH)
高分解能FABMS:計算値 (M+Na)+: 633.1432
実測値: 633.1425
UV [MeOH、nm (logε)]: 277 (4.28)、306 (4.11)、330 (4.11)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2962、1736、1655、1603、1057
FABMS: m/z 633 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物12(B583)
黄色粉末、C37H46O22、MW: 842
[α]D 26 -10.5° (c 0.7、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 865.2378
実測値: 865.2381
UV [MeOH、nm (logε)]: 265 (4.31)、344 (4.13)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2924、1719、1655、1605、1075
FABMS: m/z 865 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物11(B586)
黄色粉末、C37H46O21、MW: 826
[α]D 26 -10.5° (c 0.7、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 849.2429
実測値: 849.2436
UV [MeOH、nm (logε)]: 266 (4.40)、343 (4.23)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2975、1719、1655、1603、1074
FABMS: m/z 849 (M+Na)+
Figure 0004939761
化合物22(B595)
黄色粉末、C38H48O23、MW: 872
[α]D 25 +76.5° (c 1.00、MeOH)
高分解能FABMS:計算値(M+Na)+: 895.2484
実測値: 895.2488
UV [MeOH、nm (logε)]: 270 (4.27)、351 (4.09)
IR ( KBr、cm-1): 3432、2936、1724、1655、1605、1076
FABMS: m/z 895 (M+Na)+
Figure 0004939761
本発明において単離した化合物の13C-NMRデータをまとめて以下の表2に示す。
Figure 0004939761
Figure 0004939761
次に本発明による化合物の1H-NMRのデータをまとめて以下の表3に示す。
Figure 0004939761
Figure 0004939761
Figure 0004939761
Figure 0004939761
Figure 0004939761
試験例1
血糖値上昇抑制効果の測定方法:
以下の表に示した数からなり、約24時間絶食させた各群のWistar系雄性ラット(体重約130〜140 g)に、上記の実施例で得られた石蓮花の80%含水エタノール抽出エキスの濃縮乾固物(以下、石蓮花抽出物)を被験物質として、以下のショ糖負荷ラットまたはブドウ糖負荷ラットにおける血糖値上昇抑制作用(糖吸収抑制作用)を調べた。
すなわち、以下の表に示す量の石蓮花抽出物をそれぞれ5%アラビアゴム末水溶液に懸濁させて被験サンプルとして各群のラットに経口投与(5 ml/kg)し、30分後に20%ショ糖または10%ブトウ糖水溶液を5 ml/kgの用量で経口投与した。
20%ショ糖溶液または10%ブドウ糖溶液の投与30、60および120分後に、エーテル麻酔下でラットの眼窩静脈より約0.4 mlずつ採血し、血液を遠心分離 (5000 rpm、10分)により血清を分離後、グルコースオキシダーゼ法(グルコースCIIテストワコー、和光純薬)により血清中グルコース濃度をそれぞれ測定した。
なお、正常群には、アラビアゴム末の5%水溶液および水のみを投与した。
また、コントロール群には、アラビアゴム末の5%水溶液および上記の糖溶液をそれぞれ投与した。
ショ糖負荷ラットにおける石蓮花抽出物の血糖値上昇抑制作用を以下の表4に示す。
なお、以下の表において示された数値は平均値±標準誤差で表し、正常群と被験物質投与群の平均値の差の検定には、一元配置の分散分析後にドゥネット(Dunnett)の方法を用いた。
表4:石蓮花抽出物投与後ショ糖負荷ラット血糖値に及ぼす影響
Figure 0004939761
値は平均値±標準偏差
対照と比べ有意差:* p<0.01、** p<0.05
また、ブドウ糖負荷ラットにおける石蓮花抽出物の血糖上昇抑制作用を以下の表5に示す。
表5:石蓮花抽出物投与後ブドウ糖負荷ラット血糖値に及ぼす影響
Figure 0004939761
値は平均値±標準偏差
対照と比べ有意差:* p<0.01、** p<0.05
以上の結果から、本発明による石蓮花抽出物が、ショ糖およびブドウ糖負荷ラットにおいて有意に血糖値上昇抑制作用、すなわち糖吸収抑制作用を有することが判明した。
試験例2
石蓮花抽出物のアルドース還元酵素阻害活性試験
Wistar系雄性ラットの水晶体を10 mM、2-メルカプトエタノール含有135 mMリン酸緩衝液(pH 7.0)中でホモジナイズし、遠心分離(100,000 rpm、30分、4℃)した。その上清を粗酵素含有溶液として用いた。粗酵素含有溶液をリン酸緩衝液(pH 7.0)に溶解し、以下の反応条件で、10 nmolのNADPが生成する濃度に希釈し、酵素フラクションとして用いた。
反応混合液は、500μl中に180 mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、100 mM Li2SO4、0.03 mM NADPH、基質として1mM DL-グリセルアルデヒド、酵素フラクション100μl及び被験サンプルのDMSO溶液25μlを含むように調製した。反応は30℃でNADPHの添加により開始した。30分間インキュベートした後、0.5 M HCl 150μlを加え反応を停止した。
反応停止後、溶液に10 mMイミダゾール含有6M NaOH 0.5 mlを加え、60℃で20分間加熱して、NADPを蛍光性物質に変換させた。生成した蛍光性物質を、室温で蛍光分光光度計(LS50B、パーキンエルマー製)を用いて測定し(励起波長360nm、測定波長460nm)、得られた値より50%阻害濃度(IC50)を算出した。
なお、比較対照物質としてエパルレスタット(epalrestat)およびルチンを用いた(IC50=0.072および9.0μM)。
被験物質として、上記の実施例1で得られた石蓮花の80%含水エタノール抽出物、酢酸エチル可溶性画分、n-ブタノール可溶性画分および水溶性画分の濃縮乾固物を用いて、上記の試験方法に従って測定したラットの水晶体由来のアルドース還元酵素に及ぼす石蓮花抽出物および各画分の作用を以下の表6に示す。
表6:石蓮花抽出物および各画分のラット水晶体由来アルドース還元酵素阻害作用
Figure 0004939761
上記の結果から、石蓮花抽出物の酢酸エチル可溶性画分およびn-ブタノール可溶性画分がラット水晶体由来アルドース還元酵素の活性を強力に阻害することが判明した。
試験例3
石蓮花抽出物のスーパーオキシド(・O2 -)消去活性試験
100μMキサンチン、100μM EDTA、25μM WST-1を含む50 mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH 10.2)および被験サンプルを含む反応液2.9 mlを37℃で10分間予備加温し、58 mU/mlキサンチンオキシダーゼ100μlを加えて反応を停止し、・O2 -により還元されて精製したWST-1フォルマゾンの吸収度を450 nmで測定した。
被験物質として、上記の実施例1で得られた石蓮花の80%含水エタノール抽出物、酢酸エチル可溶性画分、n-ブタノール可溶性画分および水溶性画分の濃縮乾固物を用いて、上記の試験方法に従って測定したスーパーオキシド消去活性に及ぼす石蓮花抽出物および各画分の作用を以下の表7に示す。
表7:蓮花抽出物および各画分のスーパーオキシドの消去活性作用(WST-1法)
Figure 0004939761
上記の結果から、石蓮花抽出物、酢酸エチル可溶性画分およびn-ブタノール可溶性画分のいずれもがスーパーオキシド、すなわち活性酸素阻害作用を有し、特に酢酸エチル可溶性画分およびn-ブタノール可溶性画分の作用が強いことが判明した。
石蓮花抽出物のDPPHラジカル消去活性試験
0.1 M酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.5) 1.0 ml、1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルの200μMエタノール溶液0.5 mlおよび各濃度の被験物質のエタノール溶液1.0 mlを混合した。室温にて30分間放置した後、517 nmにおける吸光度を測定し、吸光度の変化からDPPHラジカル(終濃度40μM)を50%消去するのに要した被験物質の濃度(SC50)を算出した。
なお、被験物質としては、上記の実施例1で得られた石蓮花の80%含水エタノール抽出物、酢酸エチル可溶性画分、n-ブタノール可溶性画分および水溶性画分の濃縮乾固物を用い、それぞれDMSOに溶解した後、エタノールで希釈(DMSO終濃度1.0%)して用い、上記の試験方法に従って測定したDPPHラジカル消去活性に及ぼす石蓮花抽出物および各画分の作用を以下の表8に示す。
なお、比較対照としてはα-トコフェロール(SC50=4.2μg/ml)、(+)-カテキン(SC50=1.7μg/ml)およびガリック酸(SC50=0.66μg/ml)を用いた。
表8:石蓮花抽出物および各画分のDPPHラジカル消去活性作用
Figure 0004939761
上記の結果から、石蓮花抽出物、酢酸エチル可溶性画分、n-ブタノール可溶性画分および水溶性画分のいずれもがDPPHラジカル消去作用を有するが、特に酢酸エチル可溶性画分およびn-ブタノール可溶性画分の作用が強いことが判明した。
実施例2
当該分野で公知の方法にしたがって、石蓮花エタノール抽出物の乾燥物10重量部を乳糖25重量部と混合し、ゼラチンカプセルに充填し、1カプセル中に抽出物が500 mg含有されるゼラチンカプセル剤を得た。
実施例3
実施例1で得られた酢酸エチル可溶画分を実施例2のエタノール抽出物に替えて、実施例2と同様にして、ゼラチンカプセル剤を得た。
実施例4
実施例1で得られたn-ブタノール可溶画分を実施例2のエタノール抽出物に替えて、実施例2と同様にして、ゼラチンカプセル剤を得た。

Claims (2)

  1. 次の一般式(I):
    Figure 0004939761
    [式中、R1およびR2は、それぞれ互いに独立して水素原子またはヒドロキシ基を表し、R3は水素原子、β-D-グルコピラノシル基、α-L-ラムノピラノシル基またはβ-D-グルコピラノシル-(1→3)-α-L-ラムノピラノシル基を表し、R4は水素原子、β-D-グルコピラノシル基またはβ-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基を表すが、但し、β-D-グルコピラノシル基の場合はその3位のヒドロキシ基の水素原子がアセチル基で置換していてもよく、α-L-ラムノピラノシル基の場合はその2位または3位のヒドロキシ基の水素原子が2-メチルプロピオニル基または2-メチルブチリル基で置換していてもよく、β-D-グルコピラノシル-(1→3)-α-L-ラムノピラノシル基の場合はラムノピラノシル基の2位のヒドロキシ基の水素原子が2-メチルプロピオニル基または2-メチルブチリル基で置換しており、β-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基の場合はグルコピラノシル基の6位のヒドロキシ基の水素原子が2-メチルプロピオニル基もしくは2-ヒドロキシメチルプロピオニル基で置換していてもよいが、ただし 3 が水素原子である場合はR 4 は6-(2-メチルプロピオニル)-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基であり、3およびR4が共に水素原子であることはなく、また、R4が、β-D-グルコピラノシル基またはその3−アセチル置換体である場合は、R3は水素原子ではなく、かつR3がα-L-ラムノピラノシル基である場合には、R1はヒドロキシ基である]
    で表される、3,5,7,4'-テトラヒドロキシフラボン誘導体化合物。
  2. 前記一般式(I)において:
    前記R1、R2およびR4が水素原子であり、前記R3が3-(2-メチルプロピオニル)-α-L-ラムノピラノシル基である、式(1):
    Figure 0004939761
    で表される化合物1;
    前記R1、R2およびR4が水素原子であり、前記R3が3-(2-メチルブチリル)-α-L-ラムノピラノシル基である、式(2):
    Figure 0004939761
    で表される化合物2;
    前記R1およびR4が水素原子であり、前記R2がヒドロキシ基であり、前記R3が3-(2-メチルプロピオニル)-α-L-ラムノピラノシル基である、式(14):
    Figure 0004939761
    で表される化合物14;
    前記R1およびR4が水素原子であり、前記R2がヒドロキシ基であり、前記R3が3-(2-メチルブチリル)-α-L-ラムノピラノシル基である、式(15):
    Figure 0004939761
    で表される化合物15;
    前記R1およびR2がヒドロキシ基であり、前記R4が水素原子であり、前記R3が、3-(2-メチルブチリル)-α-L-ラムノピラノシル基である、式(19):
    Figure 0004939761
    で表される化合物19;
    前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3がα-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4が3-アセチル-α-L-ラムノピラノシル基である、式(3):
    Figure 0004939761
    で表される化合物3;
    前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3が2-(2-メチルプロピル)-α-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4が3-アセチル-β-D-グルコピラノシル基である、式(4):
    Figure 0004939761
    で表される化合物4;
    前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3が2-(2-メチルブチリル)-α-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4が3-アセチル-β-D-グルコピラノシル基である、式(5):
    Figure 0004939761
    で表される化合物5;
    前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3が2-(2-メチルプロピル)-α-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4がβ-D-グルコピラノシル基である、式(6):
    Figure 0004939761
    で表される化合物6;
    前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3が3-(2-メチルブチリル)-α-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4が3-アセチル-α-L-ラムノピラノシル基である、式(7):
    Figure 0004939761
    で表される化合物7;
    前記R1がヒドロキシ基であり、前記R2が水素原子であり、前記R3がα-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4がβ-D-グルコピラノシル基である、式(13):
    Figure 0004939761
    で表される化合物13;
    前記R1およびR2がヒドロキシ基であり、前記R3がα-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4がβ-D-グルコピラノシル基である、式(20):
    Figure 0004939761
    で表される化合物20;
    前記R1が水素原子であり、前記R2がヒドロキシ基であり、前記R3が3-(2-メチルブチリル)-α-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4がβ-D-グルコピラノシル基である、式(16):
    Figure 0004939761
    で表される化合物16;
    前記R1、R2およびR3が水素原子であり、前記R4が6-(2-メチルプロピオニル)-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基である、式(10):
    Figure 0004939761
    で表される化合物10;
    前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3がβ-D-グルコピラノシル基であり、前記R4が6-(2-メチルプロピオニル)-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基である、式(11):
    Figure 0004939761
    で表される化合物11;
    前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3がβ-D-グルコピラノシル基であり、前記R4が6-(2-メチルブチリル)-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル基である、式(12):
    Figure 0004939761
    で表される化合物12;
    前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3がβ-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-(2-メチルプロピオニル)-α-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4がβ-D-グルコピラノシル基である、式(8):
    Figure 0004939761
    で表される化合物8;
    前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3がβ-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-(2-メチルブチリル)-α-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4がβ-D-グルコピラノシル基である、式(9):
    Figure 0004939761
    で表される化合物9;
    前記R1が水素原子であり、前記R2がヒドロキシ基であり、前記R3がβ-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-(2-メチルブチリル)-α-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4がβ-D-グルコピラノシル基である、式(17):
    Figure 0004939761
    で表される化合物17;
    前記R1が水素原子であり、前記R2がヒドロキシ基であり、前記R3が6-(2-ヒドロキシメチルプロピオニル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-(2-メチルブチリル)-α-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4がβ-D-グルコピラノシル基である、式(18):
    Figure 0004939761
    で表される化合物18;および
    前記R1およびR2がヒドロキシ基であり、前記R3がβ-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-(2-メチルブチリル)-α-L-ラムノピラノシル基であり、前記R4がβ-D-グルコピラノシル基である、式(22):
    Figure 0004939761
    で表される化合物22である、請求項1に記載の3,5,7,4'-テトラヒドロキシフラボン誘導体化合物。
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