JP4935573B2 - サスペンション特性推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のサスペンション特性を推定するサスペンション特性推定装置に関する。
一般に、車両の操縦安定性や乗心地を良くするためには、サスペンション特性である「減衰係数」、「タイヤ摩擦係数」、「車高」が重要な要因であることが知られている。これらのサスペンション特性は、使用条件によって変化するため、従来は、ばね下にセンサを取り付けて、各サスペンション特性を計測することが行われてきた。
一方、ばね下の状態値に基づき、各種のサスペンション特性を推定する装置も考え出されてきた。例えば、特許文献1では、車輪速の振動成分からばね上に対するばね下の相対速度から、目標減衰係数を算出し、更に、特許文献2では、目標減衰係数を算出するために、ばね上とばね下との相対変位及び相対速度と、ばね上の上下加速度とに基づき、経時劣化等に起因するショックアブソーバの減衰係数の変動量及びサスペンションのばね定数の変動量を推定している。
特開平06−048139号公報 特開2003−326933号公報
しかしながら、従来は、サスペンション特性の推定に際して、推定する複数のサスペンション特性を含み、且つ、これらのサスペンション特性が独立に影響する物理量が見つかっていなかったため、依然、複数のサスペンション特性を推定するためには、多数のセンサを用いなければならず、コストが高くなるという問題があった。
そこで、本発明は、コストを低減しながら複数のサスペンション特性を推定することができるサスペンション特性推定装置を提供することを目的とする。
ここで、発明者らは、鋭意検討の結果、車両のばね下の上下方向の変位と、車両のばね下に入力される前後方向の力とから、この上下方向の変位から前後方向の力までの伝達関数を導き出すことに成功し、この上下方向の変位と前後方向の力との関係におけるゲイン及び位相が求められるとの知見に至った。
また、発明者らは、上記ゲイン及び位相と各種のサスペンション特性との関係について研究したところ、サスペンション特性である減衰係数、タイヤ摩擦及び車高は、ゲイン及び位相との関係から、それぞれ独立した特徴が現れることを突き止めた。具体的には、車高が変化すると位相は略一定となるがゲインは変化し、減衰係数が減少するとゲインは略一定となるが位相は増加し、タイヤ摩擦が減少するとゲインは略一定となるが位相は減少することを突き止めた。
更に、発明者らは、このゲイン及び位相と各種のサスペンション特性との関係について更に研究したところ、タイヤ摩擦係数は、路面の状態やタイヤの磨耗程度によっては、タイヤ摩擦係数と位相との関係が逆転する場合があることを発見し、更に、異なる車速間における位相の差は、減衰係数とタイヤ摩擦係数とでは異なる性質を有することを突き止めた。具体的には、タイヤ摩擦が変化しても異なる車速間での位相の差は略一定であるのに対し、減衰係数が変化すると異なる車速間での位相の差が変化することを突き止めた。
本発明は、上記の発明者らによる知見に基づきなされたものであり、車両の複数のサスペンション特性を推定するサスペンション特性推定装置であって、前記車両のばね下の上下方向の変位を検出する上下変位検出手段と、前記車両のばね下に入力される前後方向の力を検出する前後力検出手段と、前記上下方向の変位から前記前後方向の力までの伝達関数に基づいてゲイン及び位相を求め、前記ゲイン及び前記位相に基づき前記複数のサスペンション特性を推定する推定手段と、を有し、前記推定手段は、前記複数のサスペンション特性として、減衰係数、タイヤ摩擦係数及び車高を推定することを特徴とする。なお、本発明において、車高とは、車両の車高を直接示す場合のほか、ばね下に対するばね上の変位や、車両側面視においてサスペンションの主軸が水平線から上方に傾く角度などをいう。
このサスペンション特性推定装置によれば、ばね下の上下方向の変位を検出すると共にばね下に入力される前後方向の力を検出することで、この上下方向の変位と前後方向の力との関係におけるゲイン及び位相が求められ、更に、このゲイン及び位相に基づき複数のサスペンション特性が推定されるため、多数のセンサを用いることによるコスト増大を防止でき、コストを低減しながら複数のサスペンション特性を推定することができる。更に、このサスペンション特性推定装置によれば、減衰係数、タイヤ摩擦係数及び車高をそれぞれ計測するセンサを用いなくても、これらのサスペンション特性を推定することができる。
更に、上記推定手段は、前記ゲインに基づき車高を推定し、前記位相が所定の設定値より増加した場合は前記位相に基づき減衰係数を推定し、前記位相が所定の設定値より減少した場合は前記位相に基づきタイヤ摩擦係数を推定することが好ましい。このサスペンション特性推定装置によれば、サスペンション特性である車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数は、それぞれ、ゲイン及び位相との関係において独立した特徴が現れるため、このゲイン及び位相との関係に基づき車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数を推定することで、サスペンション特性の推定の信頼性を更に向上させることができる。
一方、上記推定手段は、前記ゲイン、前記位相、及び異なる車速間において求めた前記位相の差とに基づき、前記サスペンション特性を推定することが好ましい。このサスペンション特性推定装置によれば、上下方向の変位zと前後方向の力Fxとの関係におけるゲイン及び位相に加え、異なる車速間において求めた位相の差も考慮してサスペンション特性を推定することで、サスペンション特性の推定の信頼性を更に向上させることができる。
この場合、上記推定手段は、前記ゲイン、前記位相及び前記位相の差をそれぞれ所定の設定値と比較し、前記ゲインに基づき車高を推定し、前記位相が所定の設定値より増減した場合であって前記位相の差が所定の設定値より増減する場合は前記位相に基づき減衰係数を推定し、前記位相が所定の設定値より増減する場合であって前記位相の差が所定の閾値と略同じ場合は前記位相に基づきタイヤ摩擦係数を推定することが好ましい。このサスペンション特性推定装置によれば、サスペンション特性である車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数は、それぞれ、ゲイン、位相及び位相の差との関係において独立した特徴が現れるため、このゲイン、位相及び位相の差との関係に基づき車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数を推定することで、路面の状態やタイヤの磨耗程度等によって、減衰係数及びタイヤ摩擦係数と位相との関係が類似するような場合であっても、サスペンション特性の推定の信頼性を更に向上させることができる。
本発明によれば、コストを低減しながら複数のサスペンション特性を推定することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係るサスペンション特性推定装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
[第1実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るサスペンション特性推定装置を模式的に示した図、図2は、本実施形態に係るサスペンション特性推定装置の機能構成を示した図である。図に示すように、本実施形態のサスペンション特性推定装置1は、車両2に搭載されており、車両2のばね下は、スプリング(不図示)が取り付けられたショックアブソーバ3と、トレーリングアーム4とにより構成されるトレーリングアーム式のサスペンションを備えている。
この車両2には、各車輪の回転速度を検出することによって車両2の車速を計測する車速センサ5と、ばね下の上下方向の加速度を計測する上下加速度センサ6と、ばね下の前後方向の加速度を計測する前後加速度センサ7と、車両の各種制御を行うと共にサスペンション特性を推定するECU8と、が備えられている。なお、この上下加速度センサ6と前後加速度センサ7とは、サスペンションの同じ場所に取り付けられている。
また、車速センサ5、上下加速度センサ6及び前後加速度センサ7は、それぞれECU8に接続されており、各計測結果がECU8に送信される。
ECU8は、車速センサ8から送信された車速と、上下加速度センサ6から送信されたばね下の上下方向の加速度と、前後加速度センサ7から送信されたばね下の前後方向の加速度とに基づき、サスペンション特性を推定する。例えば、上下方向の加速度及びばね下の前後方向の加速度からばね下の上下方向の変位とばね下に入力される前後方向の力を求め、このばね下の上下方向の変位とばね下に入力される前後方向の力との関係におけるゲイン及び位相から、サスペンション特性を推定することが好ましい。具体的には、ばね下の上下方向の変位からばね下に入力される前後方向の力までの伝達関数を求め、この伝達関数からゲイン及び位相を求め、サスペンションを推定することが好ましい。なお、ECU8は、例えば、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。
また、ECU8は、サスペンション特性を推定するために、ばね下の上下変位とばね下に入力される前後方向の力との関係におけるゲイン及び位相と、サスペンション特性である車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数との関係を示したマップを保持している。図3〜5は、マップの構成を示している。図3(a)は、車高−ゲインマップAを、図3(b)は、車高−位相マップBを示している。図4(a)は、減衰−ゲインマップCを、図4(b)は、減衰−位相マップDを示している。図5(a)は、タイヤ摩擦−ゲインマップEを、図5(b)は、タイヤ摩擦−位相マップFを示している。
ここで、各マップで示されるゲイン及び位相を導き出す手法について説明する。
まず、下記に示す各諸元(図6参照)が含まれるように運動方程式を導く。すると、この運動方程式は、式(1)及び式(2)のようになる。
m:ばね下の重量
z:ばね下の上下変位
Ktz:タイヤの上下剛性
C:ショックアブソーバの減衰係数
Ks:スプリングのばね定数
Fx:ばね下に入力される前後力
α:車両側面視においてショックアブソーバが鉛直線から前方に傾く前傾角
β:車両側面視においてサスペンション主軸が水平線から上方に傾く前後主軸上反角(車高)
Kx:サスペンションの前後剛性
W:車重
U:車速
u:1/f路面入力
P:ドライビングスティフネス(タイヤ摩擦係数)
ω:ホイール回転角速度
ε:タイヤ動荷重半径変化/タイヤ静荷重変化
ro:タイヤの半径
Iw:ホイールの慣性モーメント
Ktx:タイヤの前後剛性
Figure 0004935573

Figure 0004935573
次に、式(1)及び式(2)に示す運動方程式から、ばね下の上下変位zから前後力Fxまでの伝達関数G(jω)を求める。すると、伝達関数G(jω)は、式(3)のようになり、この伝達関数G(jω)のゲイン|G(jω)|及び位相∠G(jω)を求めることで、ばね下の上下変位とばね下に入力される前後方向の力との関係におけるゲイン及び位相が導かれる。
Figure 0004935573
そして、このようにして導かれたゲイン及び位相を、車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数との関係についてパラメータスタディすることで、上記した図3〜5に示す各マップが生成される。
各マップの特性について説明すると、車高−ゲインマップA及び車高−位相マップBから分かるように、車高が変わるとゲインが変化するが、車高が変わっても位相は略一定となる。また、減衰−ゲインマップC及び減衰−位相マップDから分かるように、減衰係数が減少すると位相が増加するが、減衰係数が変わってもゲインは略一定となる。また、タイヤ摩擦−ゲインマップE及びタイヤ摩擦−位相マップFから分かるように、タイヤ摩擦係数が減少すると位相は減少する。つまり、これらのマップから、ゲインが変化すると車高が変化したことが分かり、位相が増加すると減衰係数が減少したことが分かり、位相が減少するとタイヤ摩擦係数が減少したことが分かる。
次に、図7を参照しながら、本実施形態に係るサスペンション特性推定装置1の、サスペンション特性の推定処理動作について説明する。図7は、ECUの動作を示すフローチャートである。
まず、サスペンション特性推定装置1が起動されると、車速センサ5、上下加速度センサ6及び前後加速度センサ7から、それぞれの計測結果である車速、ばね下の上下加速度及びばね下の前後加速度がECU8に送信される。
そして、ECU8は、ばね下の上下加速度を検出すると(ステップS1)、このばね下の上下加速度からばね下の上下変位を算出する(ステップS2)。なお、ばね下の上下加速度をazとした場合に、ばね下の上下変位zは、式(4)により算出される。
Figure 0004935573
また、ECU8は、ばね下の前後加速度を検出すると(ステップS3)、このばね下の前後加速度からばね下に入力される前後力を算出する(ステップS4)。なお、ばね下の前後加速度をax、ばね下の重量をmとした場合に、ばね下に入力される前後力Fxは、式(5)により算出される。
Figure 0004935573
そして、ECU8は、上記の式(3)を用いて、ステップS2で算出した上下変位zと、ステップS4で算出した前後力Fxと、車両2の車速とに基づき、上下変位zから前後力Fxまでの伝達関数G(jω)を算出し(ステップS5)、所定の周波数(ここでは、ばね下の共振周波数となる16Hzを用いる)における伝達関数G(jω)のゲイン|G(jω)|と位相∠G(jω)を算出する(ステップS6)。なお、伝達関数G(jω)は、上下変位z、前後力Fx及び車速Uが決まれば略一定の値となる。このため、上下変位z、前後力Fx及び車速Uが決まることで、伝達関数G(jω)を算出することができる。
そして、ECU8は、車高−ゲインマップAを参照して、ステップS6で算出したゲインに対応する車高を求めると共に(ステップS7)、ステップS6で算出した位相と設定値とを比較し、この位相の増減を判断する(ステップS8)。なお、ゲイン及び位相の設定値は、出荷時の状態におけるゲイン及び位相が設定されており、図3〜図5におけるα1〜α3がゲインの設定値となり、図3〜図5におけるβ1〜β3が位相の設定となる。
ステップS8において、位相が増加していると判断すると(ステップS8:YES)、ECU8は、減衰−位相マップDを参照して、この位相に対応した減衰係数を求める(ステップS9)。一方、位相が増加しておらず(ステップS8:NO)、位相が減少していると判断すると(ステップS10:YES)、ECU8は、タイヤ摩擦−位相マップFを参照して、この位相に対応したタイヤ摩擦係数を求める(ステップS11)。なお、位相が増加も減少もしていないと判断すると(ステップS8:NO、ステップS10:NO)、ECU8は、減衰係数もタイヤ摩擦係数も変化しておらず、推定する必要がないと判断して、処理を終了する。
このようにして、車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数を求めることで、サスペンション特性推定装置1は、サスペンション特性である車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数を推定する。
このように、第1の実施形態に係るサスペンション特性推定装置1によれば、上下加速度azからばね下の上下方向の変位zを検出すると共に、前後加速度axからばね下に入力される前後方向の力fxを検出することで、この上下方向の変位zと前後方向の力Fxとの関係におけるゲイン及び位相が求められ、更に、このゲイン及び位相に基づき減衰係数、タイヤ摩擦係数及び車高を推定することができるため、それぞれ減衰係数、タイヤ摩擦係数及び車高をそれぞれ計測するセンサを用いることによるコスト増大を防止でき、コストを低減しながらサスペンション特性である減衰係数、タイヤ摩擦係数及び車高を推定することができる。
更に、車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数は、それぞれ、ゲイン及び位相との関係において独立した特徴が現れるため、このゲイン及び位相との関係に基づき車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数を推定することで、サスペンション特性の推定の信頼性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係るサスペンション特性推定装置11は、第1の実施形態に係るサスペンション特性推定装置1の構成と同じであり、ECU8が行うサスペンション特性の推定処理動作のみが異なる。
つまり、路面の状態やタイヤの磨耗程度によっては、タイヤ摩擦係数と位相との関係が逆転する場合があり、タイヤ摩擦係数の減少により位相が増加する場合がある。そこで、第2の実施形態に係るサスペンション特性推定装置11では、位相が増減(増加)した場合に、設定値と比べて、減衰係数が変化(減少)したのかタイヤ摩擦係数が変化(減少)したのかを区別して、サスペンション特性を推定するようにしたものである。
図8は、ECUの動作を示すフローチャートである。図に示すように、第2の実施形態に係るサスペンション特性推定装置11は、第1の実施形態と同様に、ステップS1〜ステップS6までを行い、所定の周波数(ここでは、ばね下の共振周波数となる16Hzを用いる)における伝達関数G(jω)のゲイン|G(jω)|と位相∠G(jω)を算出する(ステップS6)。なお、第2の実施形態においては、ステップS1〜ステップS6を2度行い、異なる車速間(時速100kmと時速120km)における位相を算出する。そして、ECU8は、車高−ゲインマップAを参照して、ステップS6で算出したゲインに対応する車高を求める(ステップS7)。
その後、第2の実施形態では、ステップS6で算出した位相と設定値とを比較し、この位相の増減を判断する(ステップS21)。なお、第2の実施形態の設定値は、上記第1の実施形態の設定値と同様に、出荷時の状態におけるゲイン及び位相が設定されている。
ステップS21において、位相が設定値と略同じであると判断すると(ステップS21:NO)、ECU8は、減衰係数もタイヤ摩擦係数も変化しておらず、推定する必要がないと判断して、処理を終了する。一方、ステップS21において、位相が変化していると判断すると(ステップS21:YES)、ECU8は、更に、異なる車速間において求めた位相の差が変化しているか否かを判断する(ステップS22)。
ここで、図9及び図10を参照して、異なる車速間において求めた位相の差について説明する。図9(a)は、車両2が時速100kmと時速120kmとで走行する場合の減衰係数と位相との関係を示した図であり、図9(b)は、図9(a)における位相の差を示した図である。また、図10(a)は、車両2が時速100kmと時速120kmとで走行する場合の減衰係数と位相との関係を示した図であり、図10(b)は、図10(a)における位相の差を示した図である。図9に示す減衰係数と図10に示すタイヤ摩擦係数とを対比すると、減衰係数は、異なる車速間での位相の差が変化しているのに対し、タイヤ摩擦係数は、異なる車速間での位相の差が略一定となることが分かる。
そこで、図8に示すように、ステップS22において、異なる車速間において求めた位相の差が変化していると判断すると(ステップS22:YES)、ECU8は、減衰係数が変化したと判断し、減衰−位相マップDを参照して、この位相に対応した減衰係数を求める(ステップS23)。一方、異なる車速間において求めた位相の差が略同じであると判断すると(ステップS22:NO)、ECU8は、タイヤ摩擦係数が変化したと判断し、タイヤ摩擦−位相マップFを参照して、この位相に対応したタイヤ摩擦係数を求める(ステップS24)。
このようにして、車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数を求めることで、第2の実施形態に係るサスペンション特性推定装置は、サスペンション特性である車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数を推定する。
このように、第2の実施形態に係るサスペンション特性推定装置11によれば、上下方向の変位zと前後方向の力Fxとの関係におけるゲイン及び位相に加え、異なる車速間において求めた位相の差も考慮してサスペンション特性である減衰係数、タイヤ摩擦係数及び車高を推定することで、サスペンション特性の推定の信頼性を更に向上させることができる。
すなわち、車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数は、それぞれ、ゲイン、位相及び位相の差との関係において独立した特徴が現れるため、このゲイン、位相及び位相の差との関係に基づき車高、減衰係数及びタイヤ摩擦係数を推定することで、路面の状態やタイヤの磨耗程度等によって、減衰係数及びタイヤ摩擦係数と位相との関係が類似するような場合であっても、サスペンション特性の推定の信頼性を更に向上させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態において、ばね下に入力される前後力Fxは、前後加速度センサ7で計測された前後加速度axを演算することで検出するように説明したが、例えば歪ゲージなどを用いて、前後力Fxを直接計測して検出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ゲイン及び位相の観察容易性を考え、ばね下の共振領域である16Hzについてゲイン及び位相を用いて説明したが、他の周波数帯を用いてもよい。
第1の実施形態に係るサスペンション特性推定装置を模式的に示した図である。 本実施形態に係るサスペンション特性推定装置の機能構成を示した図である。 (a)車高−ゲインマップを示した図、(b)車高−位相マップを示した図である。 (a)減衰−ゲインマップを示した図、(b)減衰−位相マップを示した図である。 (a)タイヤ摩擦−ゲインマップを示した図、(b)タイヤ摩擦−位相マップを示した図である。 ばね下の各諸元を説明するための図である。 ECUの動作を示すフローチャートである。 ECUの動作を示すフローチャートである。 (a)は、異なる車速間における減衰係数と位相との関係を示した図であり、(b)は、(a)における位相の差を示した図である。 (a)は、異なる車速間におけるタイヤ摩擦係数と位相との関係を示した図であり、(b)は、(a)における位相の差を示した図である。
符号の説明
1…サスペンション特性推定装置、2…車両、6…上下加速度センサ(上下変位検出手段)、7…前後加速度センサ(前後力検出手段)、8…ECU(上下変位検出手段、前後力検出手段、推定手段)。

Claims (4)

  1. 車両の複数のサスペンション特性を推定するサスペンション特性推定装置であって、
    前記車両のばね下の上下方向の変位を検出する上下変位検出手段と、
    前記車両のばね下に入力される前後方向の力を検出する前後力検出手段と、
    前記上下方向の変位から前記前後方向の力までの伝達関数に基づいてゲイン及び位相を求め、前記ゲイン及び前記位相に基づき前記複数のサスペンション特性を推定する推定手段と、
    を有し、
    前記推定手段は、前記複数のサスペンション特性として、減衰係数、タイヤ摩擦係数及び車高を推定することを特徴とするサスペンション特性推定装置。
  2. 前記推定手段は、前記ゲインに基づき車高を推定し、前記位相が所定の設定値より増加した場合は前記位相に基づき減衰係数を推定し、前記位相が所定の設定値より減少した場合は前記位相に基づきタイヤ摩擦係数を推定することを特徴とする請求項に記載のサスペンション特性推定装置。
  3. 前記推定手段は、前記ゲイン、前記位相、及び異なる車速間において求めた前記位相の差に基づき、前記サスペンション特性を推定することを特徴とする請求項に記載のサスペンション特性推定装置。
  4. 前記推定手段は、前記ゲイン、前記位相及び前記位相の差をそれぞれ所定の設定値と比較し、前記ゲインに基づき車高を推定し、前記位相が所定の設定値より増減した場合であって前記位相の差が所定の設定値より増減する場合は前記位相に基づき減衰係数を推定し、前記位相が所定の設定値より増減する場合であって前記位相の差が所定の閾値と略同じ場合は前記位相に基づきタイヤ摩擦係数を推定することを特徴とする請求項に記載のサスペンション特性推定装置。
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