JP4935525B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の製造方法に関し、特に有機発光層を凸版印刷法によって形成する有機EL素子の製造方法に関する。
有機EL素子は、ふたつの対向する電極の間に有機発光材料からなる発光層が形成され、発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率よく発光させるには発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには高精細にパターニングする必要がある。
発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出難いという問題がある。
そこで、最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶媒に分散または溶解させて塗工液にし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりRGB3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分け・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
さらに、各種印刷法のなかでも、ガラスを基板とする有機EL素子やディスプレイでは、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴムブランケットを用いるオフセット印刷法や同じく弾性を有するゴム版や樹脂版を用いる凸版印刷法が適正である。実際にこれらの印刷法による試みとして、オフセット印刷による方法(特許文献1)、凸版印刷による方法(特許文献2)などが提唱されている。
一方、高分子有機発光材料は、水、アルコール系の溶媒に対する溶解性が悪く、塗工液(以下インキと記す)化するには、有機溶媒を用いて溶解、分散させる必要があり、中でも、芳香族系の有機溶媒が好適である。したがって、有機発光材料のインキ(以下有機ELインキと記す)は有機溶媒のインキとなっている。
ところが、オフセット印刷に用いるゴムブランケットはトルエンやキシレン有機溶媒によって膨潤や変形を起こしやすいという問題がある。ブランケットに使用されるゴムの種類はオレフィン系のゴムからシリコーン系のゴムまで多様であるが、いづれのゴムも有機溶媒に対して耐性がなく、膨潤や変形が起こりやすく、よって有機ELインキの印刷には不適切である。
また、弾性を有する凸版を使用する凸版印刷方式にも、ゴム成分を含む版を用いるフレキソ印刷方式とゴム成分を含まない樹脂性の版を用いる樹脂凸版印刷があるが、このうち水溶性の樹脂を主成分とする水現像タイプの感光性樹脂凸版を用いる方式であれば、有機溶媒に対する耐性も高く、有機ELインキの印刷に使用可能である。
以上に述べた理由から、ガラス基板のような硬い基材の上に、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒からなる有機ELインキを印刷する方式としては、水現像タイプの感光性樹脂凸版を用いる凸版印刷方式が最適である。
一般的な樹脂凸版印刷では、版へのインキの供給手段として、インキローラーやアニロックスロールが用いられるが、ゴム成分を含まない版を使用するいわゆる樹脂凸版印刷では、比較的粘度の高いインキを複数のインキローラーで練りながらインキ転移を数回繰り返すことで、最終的に凸版に転移させるインキ量を均一にするインキローラー方式が主流であり、ゴム成分を含む版を使用するフレキソ印刷では粘度の低い液状のインキをアニロックスロールを用いて凸版に供給する方式が主流である。アニロックスロール方式は、微細なセルがロール表面に形成されており、ここに液状のインキを供給して、余分なインキをドクターで摺り切って、一定量のインキを版に供給する方式である。
一方、有機発光材料は、前述したように有機溶媒、特に芳香族系の有機溶媒に対する溶解性が良好であり、従って芳香族系有機溶媒インキとして使用するのが一般的であるが、芳香族系溶媒の中でもトルエンやキシレンと言った比較的芳香環への付加基の単純な溶媒の方が、有機発光材料の溶解性が高いことから、インキの固形分濃度を設定する自由度が高く、使用中や保管中の析出やゲル化の恐れも少なく、さらに芳香族溶媒の中では蒸気圧が高いすなわち乾燥しやすい溶媒であるから、乾燥温度も比較的低く設定でき、発光層膜中での残留溶媒の心配も少ないことから、インキとしてはより好ましい。
しかし、蒸気圧が高いすなわち揮発性が高いということは、印刷中にインキが乾燥しやすいといった欠点もある。インキが乾燥しやすいと、アニロックスロールやインキロールから版へのインキ転移、版から基板へのインキ転移といた、原理的に2回のインキ転移を経なければならない凸版印刷では、転移途中でインキが乾き易く、印刷に不具合を生じてしまう恐れもある。従って、蒸気圧の低い溶媒を使用することで、乾燥による不具合を回避するといった工夫も見られる(特許文献3)。
特開2001−93668公報 特開2001−155858公報 特開2001−155861公報
有機発光層を凸版印刷法で形成する際に用いる有機ELインキは、高分子の有機発光材料を溶媒に溶解させたものを用いるが、有機発光材料の溶解性が悪いと、固形分のゲル化や析出といった問題が生じる。そこで、前述したように、芳香族有機溶媒を溶媒として用いることで、発光材料の溶解性が良好になり、固形分のゲル化や析出といった心配の少ないインキとなるが、芳香族有機溶媒の中でもトルエンやキシレンといった蒸気圧の比較的高い溶媒は特に発光材料の溶解性が良好であり、固形分の設定も広くとることができ、また蒸気圧が高いことで乾燥温度を低く抑えることが可能になるとともに残留溶媒の心配も少なくなるといった点で、より好ましい。
しかし、これも前述したように、トルエンやキシレンを溶媒として用いたインキは乾燥が速いため、インキの転移途中で乾きやすく、印刷に不具合を生じる場合があるといった問題がある。
そこで本発明では、有機発光材料に対する溶解性の高いトルエンやキシレンといった一般的な室温環境での蒸気圧が500Paより大きい芳香族有機溶媒を用いても、乾燥による印刷の不具合が生じない印刷手段を提供することで、凸版印刷法による発光層のより良好な形成を可能とする有機EL素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者等は、高分子有機EL材料に対する溶解性が非常に良好なトルエンやキシレンといった、通常の室温下(20〜25℃)での蒸気圧が500Paより大きい芳香族有機溶媒を用いても、乾燥による印刷の不具合が生じない方法として、次のような手段が有効であることを見出した。
請求項1に記載の発明は、有機発光材料インキを印刷版へのインキ供給手段から印刷版へ、前記印刷版から基板へと順次転移しながら印刷する凸版印刷方式を用いて有機発光層を形成する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
前記有機発光材料インキの溶媒が、20〜25℃での蒸気圧が500Paより大きい溶媒からなり、かつ前記印刷版が前記有機発光材料インキの供給を受けてから前記基板へ該インキを転移するまでの時間が5秒以下であり、
前記印刷版へのインキ供給手段が、アニロックスロールと、前記アニロックスロールの一部が常に前記有機発光材料インキに浸された状態になるよう構成されたインキチャンバーとからなり、
前記インキチャンバーは、インキタンクから前記有機発光材料インキが送り込まれて前記有機発光材料インキを溜めており、
版胴に取り付けられている前記印刷版に前記アニロックスロールが接するように設置され、前記版胴の回転に合わせて前記アニロックスロールも回転しながら前記印刷版に該インキが供給され、版胴が印刷時に1回転する内に、前記印刷版へのインキ供給と前記基板へのインキ転移が行われるように構成されている
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項に記載の発明は、前記印刷版が、水現像タイプの感光性樹脂凸版であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。

本発明では、有機発光材料に対する溶解性の高いトルエンやキシレンといった一般的な室温環境での蒸気圧が500Paより大きい芳香族有機溶媒を用いても、乾燥による印刷の不具合が生じない印刷手段が提供され、凸版印刷法による発光層のより良好な形成を可能とする有機EL素子の製造方法を提供することができる。
本発明の好適な実施の形態を、パッシブマトリックスタイプの有機ELディスプレイパネルを構成する発光層を凸版印刷法によって形成する場合を例に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明における有機ELディスプレイを構成する有機EL素子(以下、有機ELディスプレイ用素子パネルともいう)の断面の模式図を図1に示す。
有機ELディスプレイパネルを構成する有機EL素子は、ガラス基板6の上に形成される。ガラス基板6の上には陽極としてパターニングされた画素電極5が設けられ、画素電極の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の透明電極材料が使用できる。なお、低抵抗であること、溶媒耐性があること、透明性が高いことなどからITOが好ましい。ITOはスパッタ法によりガラス基板上に形成され、フォトリソ法によりパターニングされてライン状の画素電極5となる。
ライン状の画素電極5を形成後、隣接する画素電極5の間に感光性材料を用いてフォトリソ法により絶縁層7が形成される。
絶縁層7形成後に、正孔輸送層4を形成する。正孔輸送層4を形成する正孔輸送材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等が挙げらる。これらの材料はポリスチレンスルフォネート(PSS)等のポリマーと付加重合させてポリマー化したものを材料としたり、単純にPPSと混合した材料としたものを溶媒に溶解または分散させて正孔輸送材料インキとし、スピンコート法やダイコート法を用いて、画素電極および絶縁層が形成された基板に全面塗布して正孔輸送層を形成することもでき、また凸版印刷法を用いて、画素電極パターンに合わせてパターン形成することもできる。
正孔輸送層4形成後に、有機発光層3を形成する。有機発光層3を形成する有機発光材料は、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクドリン系、N,N‘−ジアルキル置換キナクドリン系、ナフタルイミド系、N,N‘−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素を、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリオレフィン系の高分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解させて有機発光材料インキとなる。有機発光材料を溶解させる溶媒としては、20〜25℃での蒸気圧が500Paより大きい溶媒であり、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でもトルエン、キシレンいった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の面から好適である。
有機発光層の形成方法は、凸版印刷法による塗りわけで行うが、版材としては耐溶媒性の高い水現像タイプの樹脂凸版を用いて凸版印刷法で行う。水現像タイプの感光性樹脂としては、例えば親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマーいわゆる架橋性モノマー及び光重合開始剤を構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは、親水性ポリマーとしてポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等が用いられる。また、架橋性モノマーとしては、例えばビニル結合を有するメタクリレート類が挙げられ、光重合開始剤としては例えば芳香族カルボニル化合物が挙げられる。中でも、印刷適正の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が好適である。
有機発光層の形成に用いる印刷機は、平板に印刷する方式のフレキソ印刷機であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷機が望ましく、本発明の目的を達成するためには、印刷版へインキ供給手段については以下の構成になっていることが必須である。図2に印刷機の概略図を示した。本印刷機のインキ供給手段は、アニロックスロール11と、アニロックスロールの一部が常にインキに浸された状態になるよう構成されたインキ溜め部分(以下インキチャンバー12とする)とからなり、当該インキ供給手段は、印刷版9が取り付けされている版胴8にアニロックスロール11が接するように設置され、版胴8の回転に合わせてアニロックスロール11も回転しながら印刷版9にインキが供給される。また、版胴8が印刷時に1回転する内に、印刷版9へのインキ供給とステージ14上の基板13へのインキ転移が行われるように構成されている。インキタンクには、有機発光材料インキが収容されており、インキチャンバー12にはインキタンクより有機発光材料インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール11は、インキチャンバー12に溜められたインキにその一部が常に浸された状態で回転するようになっており、すなわちアニロックスロール11には常にインキが供給されるように構成されている。また、このアニロックスロール11は、印刷時には版胴8に接して回転することで、版へのインキ供給を可能となるように構成されている。
上記のように構成されたインキ供給手段におけるインキの転移過程を説明すると、表面に有機発光材料インキを保持するための微細なセル構造を有するアニロックスロール11を、その一部がインキに浸された状態で回転させながらドクターブレード10で余分なインキを掻き取ることで、アニロックスロール11表面にインキが均一に供給される。次に、アニロックスロール11は版胴8に接した状態で回転するため、印刷時に版胴8の回転によりアニロックスロール11と印刷版9が接して、アニロックスロール11から印刷版9の表面にインキが転移される。印刷版9の表面に転移されたインキは、アニロックスロール11から転移を受けたのと同一周回の内に被印刷基板13に接して基板上に転移される。
本発明では、印刷版9がアニロックスロール11から有機発光材料インキの供給を受けてから基板13へインキを転移するまでの時間が5秒以下である必要がある。該時間を5秒以下に設定することにより、転移途中でのインキの乾きが抑制され、印刷に不具合が生じない。
本発明のさらに好ましい形態では、有機発光材料インキがアニロックスロール11に供給された時点から基板13へ該インキを転移するまでの時間が5秒以下である。なお、ここでいう「有機発光材料インキがアニロックスロール11に供給された時点」とは、アニロックスロールが浸漬インキ面を離れた時点を意味する。最も好ましい形態では、有機発光材料インキがアニロックスロール11に供給された時点から基板13へ該インキを転移するまでの時間が2秒以下である。これらの好ましい形態を採用することにより、転移途中でのインキの乾きがさらに抑制される。
有機発光層3の形成後、陰極層2を画素電極のラインパターンと直交するラインパターンで形成する。陰極層の材料としては、有機発光層の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウム等の金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。陰極層の形成方法としては、マスクを用いた真空蒸着法による形成方法が挙げられる。
最後に得られた有機EL素子を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップ1と接着剤を用いて密封封止し、有機ELディスプレイ用の素子パネルを得ることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1
実施例1においては、トルエンを溶媒として、有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度1%になるようにを溶解させた有機発光材料インキを用いて、凸版印刷法で発光層の形成を行った。また、使用した印刷機のインキ供給手段は、前記形態に示したように、アニロックスロールと、アニロックスロールの一部が常にインキに浸された状態になるよう構成されたインキチャンバーとからなり、当該インキ供給手段は、版胴に取り付けられている印刷版にアニロックスロールが接するように設置され、版胴の回転に合わせてアニロックスロールも回転しながら印刷版にインキが供給される。また、版胴が印刷時に1回転する内に、印刷版へのインキ供給と基板へのインキ転移が行われるように構成されていることで、アニロックスロールにインキが供給されてから、印刷版を介して最終的に基板に転写されるまでの時間を非常に短くすることが可能であり実際に印刷した条件では実測で1秒と2秒の間、計算上1.8秒であった。インキの溶媒として使用したトルエンの蒸気圧は20℃下で約2900Pa、25℃下で約3800Paである。
この発光層印刷は、画素電極の上にそのラインパターンにあわせて発光層のラインパターンが形成されるように行ったが、このとき使用した凸版印刷版は、芳香族有機溶媒に対しても耐性の高い水現像タイプの感光性樹脂版からなる凸版を用い、アニロックスロールは150線/インチのアニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。
その他、本実施例における有機ELディスプレイ用素子パネルの試作方法の詳細を以下に示す。
300mm角のガラス基板の上に、スパッタ法を用いてITO(インジウム−錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、対角5インチサイズのディスプレイが2面取れるように画素電極を形成した。ディスプレイ1面当たりの画素電極のラインパターンは、線幅80μm、スペース40μmでラインが840ライン形成されるパターンとした。
その上にスリットコート法で正孔輸送層を形成したが、正孔輸送材料インキとしてはPEDOT/PSSの水分散液からなるから成るインキを用いた。正孔輸送層の乾燥後の膜厚は50nmとした。
その上の発光層は、前記した方法で形成した。印刷、乾燥後の有機発光層の膜厚は80nmとなった。
その上にCa、Alからなる陰極層を画素電極のラインパターンと直交するようなラインパターンで抵抗過熱蒸着法によりマスク蒸着して形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイ用素子パネルを作成した。
また、発光層印刷後に別途サンプリングしておいたサンプルで、発光層中の溶媒の残留を評価した。
実施例2
実施例2においては、有機発光材料インキに使用する溶媒をo−キシレンとした他は、実施例1と全く同様にして有機ELディスプレイ用素子パネルを作成した。
o−キシレンの蒸気圧は、20℃下で約650Pa、25℃下では約830Paである。
実施例3
実施例3においては、有機発光材料インキに使用する溶媒を実施例2と同じo−キシレンとし、またアニロックスロールにインキが供給されてから、印刷版を介して最終的に基板に転写されるまでの時間を5秒とした他は、実施例1と全く同様にして有機ELディスプレイ用素子パネルを作成した。
比較例1
比較例1においては、有機発光材料インキに使用する溶媒をアニソールとした他は、実施例1と全く同様にして有機ELディスプレイ用素子パネルを作成した。
アニソールの蒸気圧は、20℃下で約330Pa、25℃下では約470Paである。
比較例2
比較例2においては、有機発光材料インキに使用する溶媒をアニリンとした他は、実施例1と全く同様にして有機ELディスプレイ用素子パネルを作成した。
アニリンの蒸気圧は、20℃下で約57Pa、25℃下では約85Paである。
比較例3
比較例3においては、有機発光材料インキに使用する溶媒を実施例2と同じo−キシレンとし、またアニロックスロールにインキが供給されてから、印刷版を介して最終的に基板に転写されるまでの時間を8秒(内印刷版がインキの供給を受けてから基板に転移するまでの時間は6秒)とした他は、実施例1と全く同様にして有機ELディスプレイ用素子パネルを作成した。
o−キシレンの蒸気圧は、20℃下で約650Pa、25℃下では約830Paである。
[表1]
Figure 0004935525
印刷性(印刷位置精度) ◎:非常に良好 ○:良好 ×:不良
残留溶媒 ○:検出されず △:わずかに検出 ×:検出
表1の結果から、トルエン、キシレンを溶媒とするインキを使用した実施例1〜3及び比較例3では、印刷・乾燥後の発光層から残留溶媒が検出されなかったのに対して、アニソール、アニリンを溶媒とするインキを使用した比較例1、2では残留溶媒が検出された。
また、インキ転移時間を2〜5秒とした実施例1〜3及び比較例1、2では印刷性良好であったのに対して、インキ転移時間8秒の比較例3では、印刷途中でのインキの乾燥によるインキ転移不良がみられた。インキ転移時間2〜5秒の中では、2秒の方がさらに良好であった。
これらの結果から、実施例1〜3のように、トルエンやキシレンといった蒸気圧が500Pa以上の乾燥しやすい溶媒のインキを用い、インキ転移時間を5秒以下にして印刷を行うことで、発光層への溶媒の残留がほとんど無く、しかも転移不良のない良好な印刷ができることが確認された。
本発明の製造方法では、有機発光材料に対する溶解性の高いトルエンやキシレンといった一般的な室温環境での蒸気圧が500Paより大きい芳香族有機溶媒を用いても、乾燥による印刷の不具合が生じない印刷手段が提供され、凸版印刷法による発光層のより良好な形成を可能とし、有機EL素子の製造方法として有用である。
本発明における有機ELディスプレイを構成する有機EL素子の断面の模式図である。 本発明で使用可能な凸版印刷機の一例の概略図である。
符号の説明
1……ガラスキャップ、2……陰極、3……発光層、4……正孔輸送層、5……画素電極、6……ガラス基板、7……絶縁層、8……版胴、9……印刷版、10……ドクターブレード、11……アニロックスロール、12……インキチャンバー、13……基板、14……ステージ。

Claims (2)

  1. 有機発光材料インキを印刷版へのインキ供給手段から印刷版へ、前記印刷版から基板へと順次転移しながら印刷する凸版印刷方式を用いて有機発光層を形成する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記有機発光材料インキの溶媒が、20〜25℃での蒸気圧が500Paより大きい溶媒からなり、かつ前記印刷版が前記有機発光材料インキの供給を受けてから前記基板へ該インキを転移するまでの時間が5秒以下であり、
    前記印刷版へのインキ供給手段が、アニロックスロールと、前記アニロックスロールの一部が常に前記有機発光材料インキに浸された状態になるよう構成されたインキチャンバーとからなり、
    前記インキチャンバーは、インキタンクから前記有機発光材料インキが送り込まれて前記有機発光材料インキを溜めており、
    版胴に取り付けられている前記印刷版に前記アニロックスロールが接するように設置され、前記版胴の回転に合わせて前記アニロックスロールも回転しながら前記印刷版に該インキが供給され、版胴が印刷時に1回転する内に、前記印刷版へのインキ供給と前記基板へのインキ転移が行われるように構成されている
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記印刷版が、水現像タイプの感光性樹脂凸版であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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