JP5391559B2 - 印刷機およびそれを用いた印刷物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機機能性材料を溶剤に溶解してなるインキを被印刷基板上に印刷することにより高精細なパターンを形成するための印刷機、およびそれを用いた印刷物の製造方法に関する。
近年、携帯電話機、PDA(携帯情報端末)、モバイルパソコン、車載用ナビゲーションシステム等における表示素子として、薄型、低電力、高輝度表示等の特徴を備える有機EL素子が注目されている。この有機EL素子は、例えば陽極(透明導電膜、ITO膜)と、有機発光体を含有する発光層と、陰極(金属電極)とを透明基板上に積層したものである。
有機EL素子の発光層は、通常、低分子有機発光体を真空蒸着させることによって形成される。この場合、蒸着装置の観点から素子の大型化に限界がある。そこで、高分子有機発光体を溶剤に溶解し分散させてインキ化し、公知の印刷方式にて発光層を形成する試みが提案されている。この印刷法は、量産性に優れ、製造コストを低く抑えることが可能であるものの、例えば有機EL素子の発光層等、基板としてガラス基板を用いて高精細なパターンを形成するためには工夫を要する。
例えば特許文献1には、基板の上方に所定距離を隔てて保持した複数の貫通孔を有する平板状のマスク基板に有機発光材料を塗布し、その有機発光材料を貫通孔を介してさらに滴下させて各画素領域に塗布し、固体化処理して発光層を形成する有機EL表示装置の発光層形成方法が開示されている。しかしながら、この方法ではマスク基板の作成が難しい、また、滴下させるためのインキの表面張力等の調整が難しい等の問題がある。また、特許文献2には、有機ELフルカラー表示体の有機発光層を、粘度等の物性を調整した有機発光材料を用いて、オフセット印刷方法によって形成する技術が開示されている。この方法でも、高粘度でオフセット印刷に適したレオロジー特性を有するインキの調整が難しい問題がある。さらにまた、特許文献3には、有機EL層のうち少なくとも1層が、凸版印刷法(フレキソ印刷法)により形成された有機EL素子の製造方法が開示されている。
フレキソ印刷法は、ゴム又は樹脂からなるフレキシブルな凸版と、アニロックスロールと呼ばれる表面に細かい凹部が彫刻されたインキ付けロールと、溶剤乾燥型のインキとを用いた印刷方式であり、従来から包装紙等の簡単な印刷物の印刷に広く使用されている。このフレキソ印刷は、特に膜厚が0.01〜0.2μm程度の薄くて安定した印刷層を形成するのに適している。また、フレキソ印刷は印圧がかかる凸版部に柔軟性があり、更に、キスタッチと呼ばれるごく低印圧での印刷が可能であることから、ガラス基板や、高圧をかけることによって特性が破壊される透明電極等が成膜された基板に対する印刷にも適している。このため、有機EL素子の発光層の形成に特に適した印刷方法である。
しかしながら、特許文献3にも開示されているように、従来のインキの供給が開放系で行われる印刷機で有機EL用塗液を成膜するには、溶媒の蒸気圧を抑えるために有機EL用塗液が触れる印刷機の各部位や基板を低温に保つ、あるいは、装置全体を不活性ガス中で行う必要があった。このため、有機EL素子の発光層を印刷する印刷機のインキ供給装置では、インキ溶剤の揮発を抑えるためにインキの供給を密閉系で行い、かつアニロックスロール表面でのインキの乾燥を防ぐためにアニロックスロールの下部周面をインキ壷のインキ溜りに浸漬しつつ回転させ、常にアニロックスロール表面を濡らしておく必要がある。このために、クローズドチャンバーと呼ばれる密閉構造のインキ壷にインキを供給して、その中にアニロックスロールの下部周面を浸漬しつつ回転させ、かつクローズドチャ
ンバーから露出したアニロックスロールの上部周面において、余分なインキをドクターにて掻き取ってフレキソ版上にインキを塗布する方式が用いられている。また、クローズドチャンバー内のインキ濃度を一定に保つために、定期的に新インキを供給して古いインキを回収する循環機構を設ける方式が用いられている。
特開2001−185352号公報 特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報
これまでのインキの循環機構では、新インキ供給口とインキ回収口が直接クローズドチャンバーに接続されていたため、供給口と回収口付近ではインキの循環が大きいが、それ以外の場所では逆に、インキの循環が小さく、クローズドチャンバー内のインキに濃度分布が生じていた。このような濃度分布は、アニロックスロール上においても反映されることから、印刷物に膜厚ムラを起こし、印刷品位が低下していた。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、その目的は、有機機能性材料を溶剤に溶解してなるインキを被印刷基板上に印刷することにより有機EL素子等の高精細なパターンを形成するための、膜厚ムラのない、高精細な印刷パターンを形成することが可能な印刷機及びにそれを用いた印刷物の製造方法を提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、被印刷基板に微細パターンを印刷する印刷機であって、凸版が設置された回転式の版胴と、前記被印刷基板を載置する定盤と、前記凸版の表面にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロールにインキを供給するためのクローズドチャンバーを備えた印刷機において、
前記凸版の表面にインキを供給するインキ供給手段は、前記凸版と前記被印刷基板との接触点から前記版胴の回転方向と反対の方向へ90°の角度範囲内に位置して前記版胴の周面と対向するように配設されており、
前記アニロックスロールの全周面のうちの下方に位置する周面部分を浸漬状態に維持する前記クローズドチャンバーを有するとともに、前記アニロックスロールの表面に付着した余分なインキを掻き落とすドクターを備えており、
前記アニロックスロールにインキを供給するインキ供給手段は、インキを供給するインキ供給口と接続される供給側インキ溜が、前記アニロックスロールの円筒方向と平行に前記クローズドチャンバーの幅方向全体に土手形状部を介して設置され、前記供給側インキ溜から前記土手形状部を均一に乗り越えて前記クローズドチャンバーに流れ入る構造を有し、
前記供給側インキ溜は、インキ補充ポンプ及びインキ補充用チューブを介してインキタンクに接続されており、前記インキ補充ポンプを印刷回数に応じて定期的に駆動することにより前記供給側インキ溜に前記インキタンクからインキを供給するように構成されており、
前記アニロックスロールは、前記版胴の周速と同一の周速で回転されることを特徴とする印刷機である。
次に本発明の請求項に係る発明は、被印刷基板に微細パターンを印刷する印刷機であって、凸版が設置された回転式の版胴と、前記被印刷基板を載置する定盤と、前記凸版の表面にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロールにインキを供給するためのクローズドチャンバーを備えた印刷機において、
前記凸版の表面にインキを供給するインキ供給手段は、前記凸版と前記被印刷基板との接触点から前記版胴の回転方向と反対の方向へ90°の角度範囲内に位置して前記版胴の周面と対向するように配設されており、
前記アニロックスロールの全周面のうちの下方に位置する周面部分を浸漬状態に維持する前記クローズドチャンバーを有するとともに、前記アニロックスロールの表面に付着した余分なインキを掻き落とすドクターを備えており、
前記アニロックスロールにインキを供給するインキ供給手段は、インキを供給するインキ供給口と接続される供給側インキ溜が、前記アニロックスロールの円筒方向と平行に前記クローズドチャンバーの幅方向全体に土手形状部を介して設置され、前記供給側インキ溜から前記土手形状部を均一に乗り越えて前記クローズドチャンバーに流れ入る構造を有し、
前記供給側インキ溜は、インキ補充ポンプ及びインキ補充用チューブを介してインキタンクに接続されており、前記インキ補充ポンプを印刷回数に応じて定期的に駆動することにより前記供給側インキ溜に前記インキタンクからインキを供給するように構成されており、
前記アニロックスロールからインキを回収するインキ回収手段は、インキを回収する回収口と接続される回収側インキ溜が、前記アニロックスロールの円筒方向と平行に前記クローズドチャンバーの幅方向全体に土手形状部を介して設置され、前記アニロックスロールから回収されるインキは、前記土手形状部を均一に乗り越えて前記回収側インキ溜に流れ入り、回収される構造となっており、
前記アニロックスロールは、前記版胴の周速と同一の周速で回転されることを特徴とする印刷機である。
次に本発明の請求項に係る発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の印刷機を用いる、少なくとも以下の工程を有することを特徴とする印刷物の製造方法である。 (1)アニロックスロールの円筒方向と平行に幅方向全体に設置された供給側インキ溜を介してクローズドチャンバーにインキを供給する工程。(2)前記クローズドチャンバーからアニロックスロールにインキを供給する工程。(3)前記アニロックスロールにより凸版上にインクを塗布する工程。(4)被印刷基板上にインキを転写する工程。
次に本発明の請求項に係る発明は、請求項に記載の印刷物の製造方法により、発光層を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法である。
本発明の印刷機においては、クローズドチャンバーにアニロックスロールの円筒方向と平行に幅方向全体に設置されるインキ溜を有する。インキを供給する場合は、前記インキ溜に一度インキを溜め、インキが幅方向にわたって均一に前記インキ溜からクローズドチャンバーへ溢れ出ることでクローズドチャンバー内にインキの濃度分布は発生しない。また、インキを回収する場合は、回収されるインキがクローズドチャンバーから幅方向にわたって均一に前記インキ溜へ溢れ出ることからクローズドチャンバー内にインキの濃度分布は発生しない。これにより、この方式の印刷機により高精細な印刷を膜厚ムラのない高品位に製造することが可能となる。
以下、本発明の印刷機の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の印刷機を有機EL素子の発光層印刷に好適なフレキソ印刷機に適用した場合の、フレキソ印刷機の一実施形態での全体構成を断面で示す概略図である。図2は、本実施形態における印刷機のインキ転写時の動作を断面で説明する概略図である。
この本発明を適用したフレキソ印刷機は、図1及び図2に示すように、定位置に回転可能に支持された回転式の版胴11及びこの版胴11の周面に装着された発光パターン形成用の凸版(フレキソ版)12と、版胴11の下方に位置して水平に設置された支持基台13と、この支持基台13上に案内13aを介して版胴11の回転軸線11aと直角な水平方向に移動可能に設置された定盤14と、この定盤14上に載置された被印刷基板15と、凸版12の表面に発光層用のインキを供給するインキ供給手段16と、このインキ供給手段16にインキを定期的に供給するインキ補充手段17と、を備える。
また、前記インキ供給手段16は、凸版12と被印刷基板15との接触点12a(版胴11の直下)から版胴11の回転方向(矢印の方向)と反対の方向へ90°の角度範囲内に位置して版胴11の周面と対向するように配設されている。
インキ供給手段16は、凸版12の印刷開始端12aから版胴11の回転方向と反対の方向に90°の角度範囲内に位置して、版胴11の回転軸線と平行にかつ凸版12の版面12bと接触するように配置され発光層用のインキ10を凸版12の版面12bに供給するアニロックスロール161と、このアニロックスロール161の全周面のうちの下方に位置する周面部分を浸漬状態に維持するクローズドチャンバー162を有するとともに、アニロックスロール161の表面に付着した余分なインキを掻き落とすドクター163とを備える構成になっている。
前記アニロックスロール161と凸版12とが当接する位置は、インキ供給手段16が定盤14及び基板15と干渉しない限り、出来るだけ版胴11の直下、すなわち版胴11の回転に伴い凸版12と被印刷基板15との接触点12aに近い方が、凸版15へのインキ供給位置から接触点12aまでの間の距離を短くできると同時に凸版12の版面12bにインキが塗布されている時間が短くなるため有利である。
前記アニロックスロール161は版胴11の周速と同一の周速で回転されるものであり、このアニロックスロール161の外周面には、図2に示すように、インキを保持するための細かいレリーフ(凹部)161aが彫刻されている。アニロックスロール161と版胴11との周速を同一にする理由は、アニロックスロール161の外周面にレリーフ161aが彫刻されているため、版胴12との周速が異なると凸版12の版面12bにダメージを与えるのを防止するためである。
前記ドクター163は、回転によりクローズドチャンバー162から出てきたアニロックスロール161の表面に余分に付着したインキ10を掻き落とし、アニロックスロール161のレリーフ161a内にのみインキを残すためのものである。このドクター163の形状は刃状のものやロール状のものなどがあり、そのいずれでもかまわない。また、ドクター163は、アニロックスロール161の回転方向で、クローズドチャンバー162から凸版12との当接点までの間に位置し、特にアニロックスロール161の上方頂部よりもクローズドチャンバー162寄りに配置し、掻き取ったインキがクローズドチャンバー162に落ちるようにする方式が最も好ましい。
前記インキ補充手段17は、インキタンク171及びインキ補充ポンプ172を備え、このインキタンク171とインキ溜164との間はインキ補充ポンプ172を介してインキ補充用チューブ173により接続されている。そして、インキ補充ポンプ172を印刷回数に応じて定期的に駆動することによりインキ溜164にインキタンク171からインキを供給し、インキ溜164から均一にクローズドチャンバー162にインキが供給されることから、クローズドチャンバー162のインキ量や粘度を一定に維持できるようになっている。また、逆にクローズドチャンバー162のインキをインキ溜から吸い出す機構も設けて、クローズドチャンバー162のインキを交換できるようになっている。
インキ溜164、165は、クローズドチャンバー162と同程度の幅かつ平行に、土手形状を介して設置されている。つまり、アニロックスロールの円筒方向に対しても平行に配置されており、同じ幅かそれ以上の幅を有している。供給側インキ溜164では供給されるインキはインキ溜から土手形状を均一に乗り越えてクローズドチャンバーに流れ入る構造になっている。このような構造とすることにより、インキチャンバー内のインキの分布を均一化し、濃度、粘度を一定に維持することができる。回収側インキ溜165では、アニロックスロールから回収されるインキは、クローズドチャンバーから土手形状を均一に乗り越えてインキ溜に流れ入り、回収される。ここでもインキ溜を設置することで、インキチャンバー内のインキの分布を均一化させることができる。
上記のようにインキチャンバー内のインキの分布を均一化することにより、被印刷体に転写されるインキのムラを低減することが可能となる。
次に、本発明を適用したフレキソ印刷機のインキ転写の動作について図1及び図2を用いて説明する。
被印刷基板15へのインキ転写に際しては、図1に示すように、インキを転写される被印刷基板15は定盤14上に固定され、この定盤14を版胴11の直下に移動する。これと同時に版胴11を定盤14の移動速度と同じ周速で回転する。この時、版胴11に設置された凸版12は、版胴11の回転に伴ってアニロックスロール161と当接し、アニロックスロール161表面のレリーフ161a内のインキが凸版12の版面12bに塗布される。その後、凸版12の版面12bに塗布されたインキは、版胴11の直下まで回転した時点で被印刷基板15上に転写される。これにより、インキ供給手段16から凸版12へのインキ10の転移と凸版12から被印刷基板15へのインキ10の転写を同時に行うことができる。
上記フレキソ印刷機の印刷において、クローズドチャンバー162から露出したアニロックスロール161の表面は乾燥し易く、レリーフ161a内のインキが固まると、インキ供給量にムラが生じる。このため、アニロックスロール161の表面を周期的にインキ溜り162aに浸漬して濡らしておくように、インキ転写時以外の待機時間もアニロックスロール161の回転を続けるのが望ましい。
そこで、インキ転写時以外で凸版12の版面12bにインキを塗布しないように、アニロックスロール161もしくはインキ供給手段16全体が、版胴11から退避する機構を設けると良い。または、凸版12が設置されていない版胴11の面をアニロックスロール161に当接されない形状に構成し、待機時間中は、この当接されない形状部分をアニロックスロール161に対面させる方式にするか、あるいは版胴11を昇降できる構成にし、インキ転写時以外の待機時間中は版胴11を上昇させて凸版12をアニロックスロール161から離間し、インキ転写時は版胴11を下降して凸版12をアニロックスロール161と当接する方式などであってもよい。
また、上述した本発明の一実施形態では、定盤14が版胴11の下を水平方向に移動する方式について説明したが、本発明はこれに限らず、定盤14が固定され、版胴11とインキ供給手段16が水平方向に移動する方式でも同様にインキの転写ができる。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
まず、300mm角のガラス基板の上に、スパッタ法を用いてITO(インジウム−錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、対角5型サイズのディスプレイが2面取れるように画素電極を形成した。ディスプレイ1面当たりの画素電極のラインパターンは、線幅40μm、スペース20μmでラインが1950ライン形成されるパターンとした。
次に絶縁層を以下のように形成した。まず、画素電極を形成したガラス基板上にポリイミド系のレジスト材料を全面スピンコートした。スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後、500rpmで20秒間回転させ1回コーティングとし、絶縁層の高さを1.5μmとした。全面に塗布したフォトレジスト材料に対し、フォトリソ法により画素電極の間にラインパターンを有する絶縁層を形成した。
次に、正孔輸送インキとしてPEDOT/PSS(ポリ3,4-エチレンジオキシチオフェン)/(ポリスチレンスルフォネート)溶液であるバイトロンP CH−8000(エイチ・シー・スタルク社製)を用いて調液しインキの固形分濃度1.5%、粘度15mPa・s、蒸気圧1.1kPaのインキを用意した。インキ及び版を用いて湿度45%、温度25℃の条件下において、スリット法にて基板全面に正孔輸送層を形成した。その後、画素領域外の不要部をウエスで拭き取り、200°C、30分大気中で乾燥を行い正孔輸送層を形成した。このときの膜厚は50nmとなった。
次に、有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度2%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、絶縁層に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンにあわせて有機発光層を凸版印刷法で印刷を行った。このとき750線/インチ(2.54cm)のアニロックスロール及び水現像タイプの感光性樹脂版を使用し、循環機構のインキ供給口とインキ回収口をそれぞれ前記クローズドチャンバーに平行に設置されたインキ溜に接続した。この結果、印刷、乾燥後の有機発光層の膜厚は80nmとなった。印刷後、図示されていない洗浄装置を用いて印刷版の洗浄を行った。
同様にして、連続的に有機発光層の印刷を500回繰り返し,有機発光層を形成した。そして、500回目に形成された有機発光層に対し、パターニング状態の確認を行った。
その上にCa、Alからなる陰極層を画素電極のラインパターンと直交するようなラインパターンで抵抗加熱蒸着法によりマスク蒸着して形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを作製した。これにより得られた有機ELディスプレイパネルの表示部の周辺部には各画素電極に接続されている陽極側の取り出し電極と、陰極側の取り出し電極があり、これらを電源に接続することにより、得られた有機ELディスプレイパネルの点灯表示確認を行い、発光状態のチェックを行った。
<比較例>
有機発光層を凸版印刷法で印刷を行うにあたって、循環機構のインキ供給口とインキ回収口が直接クローズドチャンバーに接続された状態で、他は上記した実施例と同様の材料、条件で連続印刷を行った。実施例と同様に、500回目に形成された有機発光層に対し、パターニング状態の確認を行った
以上のような実施例及び比較例での有機発光層のラインパターン形状の評価結果と、作製した有機ELディスプレイの表示状態の評価結果を表1に示す。表1に示すように、比較例に比べて本発明の実施例で良好な結果が得られることが分かる。
本発明の印刷機をフレキソ印刷機に適用した場合の、一実施形態での全体構成を断面で示す概略図。 本発明の印刷機のインキ転写時の動作を断面で説明する概略図。
符号の説明
10・・・インキ 11・・・版胴 11a・・・版胴の回転軸線
12・・・凸版 12a・・・凸版と被印刷基板との接触点 12b・・・版面13・・・支持基台 13a・・・支持基台上の案内 14・・・定盤
15・・・被印刷基板 16・・・インキ供給手段
161・・・アニロックスロール 161a・・・レリーフ(凹部)
162・・・クローズドチャンバー 163・・・ドクター
164・・・供給側インキ溜 165・・・回収側インキ溜
17・・・インキ補充手段 171・・・インキタンク
172・・・インキ補充ポンプ 173・・・インキ供給用チューブ
174・・・インキ回収用チューブ

Claims (4)

  1. 被印刷基板に微細パターンを印刷する印刷機であって、凸版が設置された回転式の版胴と、前記被印刷基板を載置する定盤と、前記凸版の表面にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロールにインキを供給するためのクローズドチャンバーを備えた印刷機において、
    前記凸版の表面にインキを供給するインキ供給手段は、前記凸版と前記被印刷基板との接触点から前記版胴の回転方向と反対の方向へ90°の角度範囲内に位置して前記版胴の周面と対向するように配設されており、
    前記アニロックスロールの全周面のうちの下方に位置する周面部分を浸漬状態に維持する前記クローズドチャンバーを有するとともに、前記アニロックスロールの表面に付着した余分なインキを掻き落とすドクターを備えており、
    前記アニロックスロールにインキを供給するインキ供給手段は、インキを供給するインキ供給口と接続される供給側インキ溜が、前記アニロックスロールの円筒方向と平行に前記クローズドチャンバーの幅方向全体に土手形状部を介して設置され、前記供給側インキ溜から前記土手形状部を均一に乗り越えて前記クローズドチャンバーに流れ入る構造を有し、
    前記供給側インキ溜は、インキ補充ポンプ及びインキ補充用チューブを介してインキタンクに接続されており、前記インキ補充ポンプを印刷回数に応じて定期的に駆動することにより前記供給側インキ溜に前記インキタンクからインキを供給するように構成されており、
    前記アニロックスロールは、前記版胴の周速と同一の周速で回転されることを特徴とする印刷機。
  2. 被印刷基板に微細パターンを印刷する印刷機であって、凸版が設置された回転式の版胴と、前記被印刷基板を載置する定盤と、前記凸版の表面にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロールにインキを供給するためのクローズドチャンバーを備えた印刷機において、
    前記凸版の表面にインキを供給するインキ供給手段は、前記凸版と前記被印刷基板との接触点から前記版胴の回転方向と反対の方向へ90°の角度範囲内に位置して前記版胴の周面と対向するように配設されており、
    前記アニロックスロールの全周面のうちの下方に位置する周面部分を浸漬状態に維持する前記クローズドチャンバーを有するとともに、前記アニロックスロールの表面に付着した余分なインキを掻き落とすドクターを備えており、
    前記アニロックスロールにインキを供給するインキ供給手段は、インキを供給するインキ供給口と接続される供給側インキ溜が、前記アニロックスロールの円筒方向と平行に前記クローズドチャンバーの幅方向全体に土手形状部を介して設置され、前記供給側インキ溜から前記土手形状部を均一に乗り越えて前記クローズドチャンバーに流れ入る構造を有し、
    前記供給側インキ溜は、インキ補充ポンプ及びインキ補充用チューブを介してインキタンクに接続されており、前記インキ補充ポンプを印刷回数に応じて定期的に駆動することにより前記供給側インキ溜に前記インキタンクからインキを供給するように構成されており、
    前記アニロックスロールからインキを回収するインキ回収手段は、インキを回収する回収口と接続される回収側インキ溜が、前記アニロックスロールの円筒方向と平行に前記クローズドチャンバーの幅方向全体に土手形状部を介して設置され、前記アニロックスロールから回収されるインキは、前記土手形状部を均一に乗り越えて前記回収側インキ溜に流れ入り、回収される構造となっており、
    前記アニロックスロールは、前記版胴の周速と同一の周速で回転されることを特徴とする印刷機。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載の印刷機を用いる、少なくとも以下の工程を有することを特徴とする印刷物の製造方法。
    (1)アニロックスロールの円筒方向と平行に幅方向全体に設置された供給側インキ溜を介してクローズドチャンバーにインキを供給する工程。
    (2)前記クローズドチャンバーからアニロックスロールにインキを供給する工程。
    (3)前記アニロックスロールにより凸版上にインクを塗布する工程。
    (4)被印刷基板上にインキを転写する工程。
  4. 請求項に記載の印刷物の製造方法により、発光層を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
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