JP4933950B2 - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。特にそのうち、帯電、書込み、現像を行って像担持体上にトナー像を形成し、そのトナー像を直接または中間転写体を介して間接的に転写してその転写トナー像を定着装置で定着し、用紙等の記録材に画像を記録する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置などにおいて、トナー像転写後の未定着トナーを記録材上に定着する定着装置に関する。特に、記録材を搬送しながら定着液を付与して記録材上のトナー像を定着する定着装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置は、画像情報に基づいて、用紙、布、OHPフィルム等の記録材に、文字や記号等を含む画像を記録するものである。このような画像形成装置には、種々の方式のものがあるが、そのうち、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で記録することができる点から、オフィスで現在広く使用されている。
電子写真方式の画像形成装置は、ドラム状やベルト状の像担持体のまわりに帯電装置、書込み装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、除電装置などを配置し、像担持体の回転とともに帯電して後、書込みを行って像担持体表面に静電潜像を形成し、トナーを付着することによりその静電潜像を現像して像担持体上にトナー像を形成し、そのトナー像を直接、またはベルト状等の中間転写体を介して間接的に転写して記録材に画像を記録する。トナー像転写後の記録材は定着装置に導き、未定着トナーを記録材上に定着する一方、画像転写後の像担持体表面はクリーニング装置で清掃するとともに除電し、再度の画像形成に備えていた。
この種の電子写真方式の画像形成装置では、定着装置として、定着速度が速く、定着画像品質が良好なことなどから、記録材上のトナーをハロゲンヒータやセラミックヒータなどの発熱体で加熱して溶解し、これを加圧することで記録材上に定着させる熱定着方式が広く普及している。しかしながら、このような熱定着方式の定着装置を用いる画像形成装置では、トナーを加熱することから多量の電力が消費されており、省エネルギが叫ばれている今日、熱定着方式のものに代えて低消費電力の定着装置の採用が強く望まれている。また、熱定着方式の定着装置には、定着開始までの立ち上げ時間が長いなどの問題もあった。
そこで、従来の定着装置の中には、例えば下記の特許文献1に記載されるように、蒸気定着方式を採用するものが提案されている。蒸気定着方式では、トナーを溶かす溶媒蒸気中に未定着トナーが載った記録紙を挿入するもので、確かにこの方式は熱方式に比べてエネルギの消費は少ない。しかし、液に臭気があったり、また人体に害を及ぼしたりする懸念があり、広く普及しなかった。ところが、近来、無臭・無害でトナーを膨潤・溶解させ、定着可能な液が開発されてきたことで、再び液による定着方式が見直されてきている。
無臭で無害の定着液を使用する定着装置の中には、例えば下記の特許文献2に記載されるように、トナーを軟化させる軟化材と、その軟化材を分散または溶解する溶媒とからなる定着液を用い、その定着液を噴霧や滴下し、またはローラなどを用いて塗布して画像転写後の記録材に付着し、トナーを軟化してその後定着液を乾燥させることにより未定着トナーを記録材上に定着する方法が提案されている。
この方式の定着装置は、熱定着方式の場合のようにトナー加熱処理を必要としないことから、低消費電力で省エネルギ対策に適した定着方式ということができる。反面、記録材に多量の定着液を付与することにより生ずる種々の解決課題があった。
すなわち、1)定着液の溶媒として水が用いられた場合には、この多量の水が記録材としての紙の繊維を膨潤させてしまうこととなる。この結果、溶解したトナーが記録材の裏面にまで達して画像の裏抜けを生じ、画像品質を劣化させることとなる。また、2)多量の水分の吸収により記録材に皺やカールが発生し、画像形成装置としての安定かつ高速な記録材搬送を著しく損なうこととなる。さらに、3)この多量の水を乾燥装置を用いて蒸発させて除去しようとすると、上記熱定着方式に匹敵する電力消費を必要とすることとなる。またさらに、4)多量の定着液を使用するために、頻繁に定着液を交換する必要があり、また大容量の定着液タンクを使用すると、定着装置が大型化し、ひいては画像形成装置の小型化を阻害するなどの課題があった。
このため、このような1)ないし4)などの問題を解決すべく、従来の定着方式の中には、例えば下記の特許文献3、6に記載されるように、インクジェット方式を用い、記録材上のトナー像の位置情報、または記録材に転写される前の像担持体上のトナー像の位置情報に基づき、トナー像にのみ定着液を付与することが提案されている。しかし、この方法では、画像データに沿った塗布をトナー単位で正確に行わねばならず、実現は難しかった。
また、特許文献2に記載される定着装置では、実際に、液滴がトナーに激しく当たると、静電的に記録材に貼り付いているだけのトナーは勢いで動かされて記録材上のトナー像を乱す不具合が起きる。そこで、従来の定着装置の中には、下記の特許文献4、5に示される転写定着装置のように、液滴化した定着液を帯電させて二次転写ローラに付着し、クーロン力により二次転写ローラ上のトナーに付着させてから、そのトナーを定着液滴とともに記録材に転写して定着する技術が提案されている。この方法を採用すると、小さな滴が比較的遅い速度でトナーに当たるため、運動エネルギが小さく、トナーの動きを抑えることができる。
ところが、このような従来の定着装置では、二次転写ローラ上に付着した定着液滴をトナーとともにそのまま記録材に転写して定着を行うから、定着を確実に行うように十分な定着液滴を付着すると、記録材の表面を濡らして記録材にカールを発生させてしまうという基本的な問題があった。
特公昭40−10867号公報 特許第3290513号公報 特開2004−109747号公報 特開2006−163083号公報 特開2006−293169号公報 特開2006−350099号公報
そこで、この発明の第1の目的は、省エネルギで、無臭・無害である、軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒とからなるトナー定着液が使用され、その定着液を付着することにより軟化材で未定着トナーが軟化されて記録材に定着される定着装置において、記録材上のトナー像を乱すがおそれなく、適量の定着液を付与して記録材にカールを発生するおそれの少ない定着装置を提供することにある。
この発明の第2の目的は、適量の定着液を付与して定着液の有効利用を図るとともに、トナー像に定着液を均一に塗布して定着ムラの発生を解消することにある。
この発明の第3の目的は、未定着トナーが載っている記録材を確実にかつ安定的に搬送して良好な定着を行うことにある。
この発明の第4の目的は、記録材の表裏の液濃度を均等にして記録材のカールをなお一層確実に解消することにある。
この発明の第5の目的は、記録材に未定着トナーおよび定着液滴を確実に吸着することにある。
この発明の第6の目的は、定着効率を高めて定着液の有効使用を図ることにある。
この発明の第7の目的は、記録材上のトナー像を乱すおそれがなく、適量の定着液を付与して記録材にカールを発生するおそれの少ない定着装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
このため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒とからなるトナー定着液が使用され、その定着液を付着することにより軟化材で未定着トナーが軟化されて、用紙やOHPフィルム等の記録材に定着される定着装置において、
トナー定着液が定着液滴として噴霧される噴霧手段と、その噴霧手段で噴霧された定着液滴に未定着トナーと同極性の電荷を付与させるイオナイザ等の液滴帯電手段と、その液滴帯電手段で電荷を付与させた定着液滴の雰囲気中を通して、未定着トナーが載っている記録材を搬送する媒体搬送手段と、その媒体搬送手段で搬送する記録材を未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電させる記録材帯電手段とが備えられている、ことを特徴とする。
そして、噴霧手段で噴霧された定着液滴に、液滴帯電手段で記録材上の未定着トナーと同極性の電荷を付与させる一方、電荷を付与させた定着液滴の雰囲気中を通して、媒体搬送手段で、未定着トナーが載っている記録材が搬送され、その搬送される記録材を記録材帯電手段で未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電させ、クーロン力で強制的に吸引されて記録材に未定着トナーおよび定着液滴が吸着され、定着液の軟化材で未定着トナーが軟化されて記録材に定着される。
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の定着装置において、噴霧手段でトナー定着液が、最頻値の滴径が15μm以下の定着液滴として噴霧される、ことを特徴とする。
そして、噴霧された小さな定着液滴がドライミストとして空間に均一に浮遊し、記録材に無駄なくムラなく付着される。
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的を達成すべく、請求項1または2に記載の定着装置において、媒体搬送手段が、複数のローラと、それらのローラに掛けまわされて静電吸着して定着液滴の雰囲気中を通して記録材を搬送する搬送ベルトとで構成されている、ことを特徴とする。
そして、ローラを駆動することにより搬送ベルトを搬送し、その搬送ベルトに静電吸着してその搬送ベルト上に載せて、未定着トナーが載っている記録材を搬送する。
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的を達成すべく、請求項3に記載の定着装置において、記録材帯電手段が、ローラに掛けまわされている搬送ベルトの内側に配置される電極と、その電極に接続される電源とで構成されている、ことを特徴とする。
そして、電源により、搬送ベルトの内側に配置される電極に電圧を印加して、搬送ベルトで搬送される記録材を未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電させる。
請求項5に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、請求項3に記載の定着装置において、記録材帯電手段が、ローラに掛けまわされている搬送ベルトと、その搬送ベルトに、未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性を印加する印加手段とで構成されている、ことを特徴とする。
そして、印加手段で印加されて搬送ベルトに電荷が付与され、その搬送ベルトで搬送される記録材が未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電される。
請求項6に記載の発明は、上述した第6の目的を達成すべく、請求項1ないし5のいずれか1に記載の定着装置において、噴霧室が備えられ、その噴霧室に向けて噴霧手段により定着液滴が噴霧されてその定着液滴に液滴帯電手段により電荷が付与されることにより噴霧室が未定着トナーと同極性に帯電された定着液滴で満たされ、その噴霧室の定着液滴雰囲気中を通して、媒体搬送手段により記録材が搬送されることを特徴とする。
そして、噴霧室に向けて噴霧手段により定着液滴が噴霧されてその定着液滴に液滴帯電手段により電荷が付与されることにより噴霧室が未定着トナーと同極性に帯電された定着液滴で満たされ、その噴霧室の定着液滴雰囲気中を媒体搬送手段により記録材が搬送される。
請求項7に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1ないし6のいずれか1に記載の画像形成装置において、記録材の要塗布面積をS[cm]、定着液の記録材への塗布量をQ[g]とするとき、定着液滴の平均径をd[μm]を、
30,000×(Q/S)≦d≦15μm
とする、ことを特徴とする。
そして、記録材の要塗布面積に合わせて小さな定着液滴が適量噴霧され、その噴霧された定着液滴がドライミストとして空間に均一に浮遊し、記録材に無駄なくムラなく付着される。
請求項8に記載の発明は、上述した第7の目的を達成すべく、感光体や中間転写体等の像担持体上にトナー像を形成する作像手段と、その作像手段で形成した像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写手段と、その転写手段で転写して記録材上の未定着トナーを定着する請求項1ないし7のいずれか1に記載の定着装置とを備えてなることを特徴とする、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置である。
そして、作像手段で像担持体上にトナー像が形成されてその像担持体上のトナー像が転写手段で記録材に転写され、未定着トナーを載せた記録材が定着装置に送り込まれて媒体搬送手段で搬送されながら、電荷を付与された定着液滴の雰囲気中を通して、定着装置で記録材帯電手段により記録材が未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電され、記録材に未定着トナーが吸着されるとともに、噴霧手段で噴霧されて液滴帯電手段により未定着トナーと同極性に帯電される定着液滴が吸着される。
請求項9に記載の発明は、上述した第7の目的を達成すべく、感光体や中間転写体等の像担持体上にトナー像を形成する作像手段と、その作像手段で形成した前記像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、その一次転写手段で一次転写した前記中間転写体上のトナー像を記録材に二次転写する二次転写手段と、その二次転写手段で二次転写した記録材上の未定着トナーを定着する請求項1ないし7のいずれか1に記載の定着装置とを備えてなることを特徴とする、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置である。
そして、作像手段で像担持体上にトナー像が形成されてその像担持体上のトナー像が一次転写手段で中間転写体に一次転写され、その一次転写手段で一次転写した中間転写体上のトナー像が二次転写手段で記録材に二次転写され、その二次転写手段で二次転写された、未定着トナーを載せた記録材が定着装置に送り込まれ、媒体搬送手段で搬送されながら電荷を付与された定着液滴の雰囲気中を通して、定着装置で記録材帯電手段により記録材が未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電され、記録材に未定着トナーが吸着されるとともに、噴霧手段で噴霧されて液滴帯電手段により未定着トナーと同極性に帯電される定着液滴が吸着される。
請求項1に記載の発明によれば、逆極性に印加される記録材に記録材上の未定着トナーが静電的に吸引され、記録材上の未定着トナーの飛散を防いでトナー像の乱れをなくし、画像品質の低下のない良好な定着を行うことができる。また、逆極性に印加される記録材に定着液滴が静電的に吸引され、記録材に均一に無駄なく付着されて、定着ムラをなくすとともに、定着液を有効に使用して定着液の消費を少なくすることができる。加えて、記録材に付着された定着液滴がさらに静電的に吸引されて記録材の裏側まで浸透するようにし、記録材の表裏で液濃度を均等にして記録材のカールを少なくすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、噴霧手段でトナー定着液が、最頻値の滴径が15μm以下の定着液滴として噴霧され、噴霧された定着液滴がドライミストとして空間に均一に浮遊して、記録材に無駄なくムラなく付着されるので、定着液滴を記録材に無駄なく付着して定着液の有効使用を図るとともに定着ムラを解消することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ローラを駆動することにより搬送ベルトを搬送し、その搬送ベルトに静電吸着してその搬送ベルト上に載せて記録材を搬送するので、帯電された定着液滴の雰囲気中を通して、未定着トナーが載っている記録材を確実かつ安定的に搬送することができる。
請求項4に記載の発明によれば、電源により、搬送ベルトの内側に配置される電極に電圧を印加して、搬送ベルトで搬送される記録材を未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電させるので、記録材の裏側から吸引することで、記録材に付着された定着液滴がさらに記録材の裏側まで浸透するようにし、記録材の表裏でなお一層液濃度を均等にして記録材のカールを少なくすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、印加手段で印加されて搬送ベルトに電荷が付与され、搬送ベルトで搬送される記録材を未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電させるので、逆極性に帯電される記録材に未定着トナーおよび定着液滴を静電的に確実に吸引することができる。
請求項6に記載の発明によれば、噴霧室に向けて噴霧手段により定着液滴が噴霧されてその定着液滴に液滴帯電手段により電荷が付与されることにより噴霧室が未定着トナーと同極性に帯電された定着液滴で満たされ、その噴霧室の定着液滴雰囲気中を媒体搬送手段により記録材が搬送されるので、定着液滴が噴霧される領域を区画して定着液滴の飛散を防止し、定着効率を高めて定着液の有効使用を図ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、記録材の要塗布面積に合わせて小さな定着液滴が適量噴霧され、噴霧された定着液滴がドライミストとして空間に均一に浮遊し、記録材に無駄なくムラなく付着されるので、定着ムラの解消を図るとともに、定着液滴を記録材に無駄なく付着して定着液の有効使用を図り、定着液の消費量を少なくすることができる。
請求項8に記載の発明によれば、定着装置で、逆極性に印加される記録材に記録材上の未定着トナーが静電的に吸引され、記録材上の未定着トナーの飛散を防いでトナー像の乱れをなくし、画像品質の低下のない良好な定着を行うことができる。また、定着装置で、逆極性に印加される記録材に定着液滴が静電的に吸引され、記録材に均一に無駄なく付着されて定着ムラをなくすとともに、定着液を有効に使用して定着液の消費を少なくすることができる。加えて、定着装置で、記録材に付着された定着液滴がさらに静電的に吸引されて記録材の裏側まで浸透するようにし、記録材の表裏で水の濃度を均等にして記録材のカールを少なくすることができる。
請求項9に記載の発明によれば、同様に、定着装置で、逆極性に印加される記録材に記録材上の未定着トナーが静電的に吸引され、記録材上の未定着トナーの飛散を防いでトナー像の乱れをなくし、画像品質の低下のない良好な定着を行うことができる。また、定着装置で、逆極性に印加される記録材に定着液滴が静電的に吸引され、記録材に均一に無駄なく付着されて定着ムラをなくすとともに、定着液を有効に使用して定着液の消費を少なくすることができる。加えて、定着装置で、記録材に付着された定着液滴がさらに静電的に吸引されて記録材の裏側まで浸透するようにし、記録材の表裏で水の濃度を均等にして記録材のカールを少なくすることができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置の要部構成を示す。図示のものは、電子写真方式のタンデム型カラー画像形成装置であって、中間転写体を用いずに、像担持体上のトナー像を記録材である用紙に直接画像転写する直接転写方式のものである。
図中符号10は、無端ベルト状の搬送ベルトである。搬送ベルト10は、図示例では駆動ローラ12と従動ローラ13間に掛けまわして図中反時計まわりに回転走行可能に設ける。もちろん、搬送ベルト10を掛けまわすローラは、2つに限らず、別途搬送ベルト10の片寄りを調整するローラや、テンションローラなどを設けて、3つ以上のローラに掛けまわすようにしてもよい。
搬送ベルト10のまわりには、駆動ローラ12と従動ローラ13間の水平張り渡し部分上に、搬送ベルト10の走行方向に沿って順に、ブラック・マゼンタ・シアン・イエロの4つの作像手段15K・15M・15C・15Yを横に並べて設置し、タンデム作像装置16を構成する。タンデム作像装置16の上には、図示省略するが、さらに露光装置などを設けてなる。
搬送ベルト10とタンデム作像装置16間には、搬送ベルト10の反時計まわりの走行とともに図中右から左へと、用紙17を搬送する用紙搬送路を形成する。用紙搬送路に沿って、上流には図示しないレジストローラを配置し、下流には定着装置18を設置する。
図2には、図1に示す画像形成装置に備える1つの作像手段15の概略構成を示す。
4つの作像手段15K・15M・15C・15Yは、それぞれ図2に示すような同一構成とする。
図中符号20は、ドラム状の像担持体である感光体である。感光体20のまわりには、左上方に配置する帯電装置21から図中矢示する回転方向に順に、現像装置22、転写装置23、クリーニング装置24、除電装置25などを配置する。
ここで、帯電装置21は、図示例では帯電チャージャを用いて均一なマイナス帯電を与える非接触帯電方式を採用したが、もちろん帯電ローラを用いる接触帯電方式を採用してもよい。現像装置22は、この例では、プラス帯電キャリア26とマイナス帯電トナー27とからなる二成分現像剤を使用し、それを現像スリーブ28で担持して感光体20にトナー27のみを付着し、感光体20上の静電潜像を可視像化する。
また、転写装置23は、図示例では非接触のプラス転写コロナチャージャ方式を採用し、搬送ベルト10を挟んで感光体20に対向するように配置するが、非接触のコロナチャージャ方式の他に導電性ブラシや転写ローラなどを用いることもできる。また、クリーニング装置24には、クリーニング部材として、クリーニングブラシ30と、クリーニングブレード31を設ける。これにより、クリーニングブラシ30やクリーニングブレード31で掻き落としたトナーは、不図示の回収スクリュやトナーリサイクル装置で現像装置22に回収して再利用することができる。また、除電装置25としては、例えば除電ランプを用いる。
そして、感光体20の時計まわりの回転とともに、感光体20の表面を帯電装置21で一様に帯電し、不図示の露光装置で書込み光L(図1ではLk・Lm・Lc・Ly)を照射してそれぞれ感光体20上に静電潜像を形成して後、現像装置22で各色トナーを付着してその静電潜像を可視像化し、各感光体20上に各色の単色トナー像を形成する。
用紙17は、用紙搬送路を通して搬送し、感光体20上に形成した各色トナー像にタイミングを合わせてレジストローラで搬送ベルト10上に送り込む。そして、搬送ベルト10の走行とともにさらに用紙17を搬送してその搬送する用紙17にそれぞれ転写装置23で、各感光体20上の単色トナー像を順次転写し、その用紙17上に各色の単色トナー像を重ね合わせて合成カラー画像を形成する。トナー像転写後の感光体20は、表面をクリーニング装置24で清掃して後、除電装置25で除電して初期化し、再び帯電装置21からはじまる再度の画像形成に備える。
合成カラー画像を形成する用紙17上のマイナス帯電トナー27は、この時点では電気的に用紙17に付いているだけであり、強い衝撃を受けたり擦ったりすると、用紙17上から離れてしまうことから、合成カラー画像を形成した用紙17は、搬送ベルト10で搬送して定着装置18へと導き、その定着装置18で転写画像を定着して後、不図示の排紙スタック部へと排出する。
定着装置18には、図1に示すように、トナー定着液が定着液滴として噴霧される噴霧手段33と、その噴霧手段33で噴霧された定着液滴に未定着トナーと同極性のマイナスの電荷を付与させる液滴帯電手段34と、その液滴帯電手段34で電荷を付与させた定着液滴の雰囲気中を通して、未定着トナーが載っている用紙17を搬送する媒体搬送手段35と、その媒体搬送手段35で搬送する用紙17を未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性のプラスに帯電させる記録材帯電手段36とが備えられている。
図3には、図1に示す定着装置18を拡大して示す。
図3から判るとおり、噴霧手段33は、筐体37で区画された噴霧室38内に向けて設置されており、不図示の定着液貯留部に貯留されるトナー定着液が、最頻値の滴径が15μm以下の定着液滴として噴霧されて、噴霧室38が定着液滴で満たされる。
トナー定着液としては、トナーを溶解または半溶解して軟化させる軟化材と、その軟化材を分散または溶解する溶媒とからなる。使い勝手がよく安全に使用することができることから、無臭で、かつ人体に無害なものであることが好ましく、この点から、軟化材としては、脂肪酸エステル、詳しくは直鎖飽和脂肪酸エステル、脂肪族ニ塩基酸エステル、または脂肪族ニ塩基酸ジアルコキシジアルキルエステルなどを用いることが好ましい。また、溶媒は、環境にやさしく、安価であり、無臭無害で、同じく使い勝手がよく安全に使用することができることから、水を用いることが好ましい。所定濃度の軟化材を含む定着液の未定着トナーに対する濡れ性や、用紙17への浸透速度を制御する目的から、界面活性材を添加することも可能である。
液滴帯電手段34としては、イオナイザなどを用い、噴霧室38内に空気イオンを噴霧して、噴霧手段33で噴霧された定着液滴に混ぜ合わせ、定着液滴を未定着トナーと同極性のマイナスに帯電させる。図示例とは異なり、未定着トナーがプラスに帯電しているときは、定着液滴もプラスに帯電させる。
媒体搬送手段35は、複数のローラ40と、それらのローラ40に掛けまわされて静電吸着して用紙17を搬送する搬送ベルト41とで構成されている。そして、転写装置23で転写されて図示するように残留電荷がマイナスの未定着トナー42が乗っている用紙17が、搬送ベルト10により搬送されて定着装置18に送り込まれ、定着装置18の媒体搬送手段35の搬送ベルト41で引き続いて図中右から左に、液滴帯電手段34で電荷を付与させた定着液滴の雰囲気中を通して搬送される。
記録材帯電手段36は、ローラ40に掛けまわされている搬送ベルト41の内側に配置される電極44と、その電極44に接続される電源45とで構成されている。そして、電源45により搬送ベルト41の内側に配置される電極44に電圧が印加されて、搬送ベルト41で搬送される用紙17を未定着トナー42および定着液滴とは逆極性のプラスに帯電させる。このとき、もちろん搬送ベルト41は、用紙17の帯電を妨げない材料で形成される。これにより、クーロン力で用紙17の裏側から吸引することで、用紙17に付着された定着液滴がさらに用紙17の裏側まで浸透するようにし、用紙17の表裏でなお一層液濃度を均等にして用紙17のカールを少なくすることができる。
なお、図中符号46は、定着装置18から出た用紙17に接触して除電する除電部材としての除電ローラであり、もちろんローラに限らずブラシなどでもよい。
以上のとおり、図示例によれば、噴霧手段33で噴霧された定着液滴に、液滴帯電手段34で用紙17上の未定着トナー42と同極性の電荷を付与させる一方、電荷を付与させた定着液滴の雰囲気中を通して、媒体搬送手段35で、未定着トナー42が載っている用紙17が搬送され、その搬送される用紙17を記録材帯電手段36で未定着トナー42および定着液滴とは逆極性に帯電させ、後述する図7(B)に示すようにクーロン力で強制的に吸引されて用紙17に未定着トナー42および定着液滴53が吸着され、定着液の軟化材で未定着トナー42が軟化されて用紙17に定着される。
これにより、逆極性に印加される用紙17に用紙17上の未定着トナー42が静電的に吸引され、用紙17上の未定着トナー42の飛散を防いでトナー像の乱れをなくし、画像品質の低下のない良好な定着を行うことができる。また、逆極性に印加される用紙17に定着液滴53が静電的に吸引され、用紙17に均一に無駄なく付着されて、定着ムラをなくすとともに、定着液を有効に使用して定着液の消費を少なくすることができる。加えて、用紙17に付着された定着液滴53がさらに静電的に吸引されて用紙17の裏側まで浸透するようにし、用紙17の表裏で液濃度を均等にして用紙17のカールを少なくすることができる。
噴霧手段33でトナー定着液が、最頻値の滴径が15μm以下の定着液滴53として噴霧されると、噴霧された定着液滴53がドライミストとして空間に均一に浮遊して、用紙17に無駄なくムラなく付着されるので、定着液滴53を用紙17に無駄なく付着して定着液の有効使用を図るとともに定着ムラを解消することができる。
図4(A)および(B)には、用紙17と比較しての電極44の大きさを示す。
(A)に示すように、電極44の長さL1は、用紙17の長さLより短くてもよく、(B)に示すように、電極44の幅B1も、用紙17の幅Bより小さくてもよい。実験によると、(B)のように長さも幅も小さいものでも、用紙17の全体を帯電させることができた。
図5には、定着装置18の変形例を示す。
この例では、電極44に対向して、噴霧室38内に対向電極47を配置したものである。このようにすると、噴霧室38に電界48を形成して、用紙17に対する未定着トナー42および定着液滴53の吸引力を一層強めることができる。図5において、その他の符号は、図3で用いたものをそのまま使用している。
図6には、定着装置18の他の例を示す。
この例では、記録材帯電手段36が、ローラ40に掛けまわされている搬送ベルト41と、その搬送ベルト41に電荷を付与して用紙17を未定着トナー42および定着液滴53とは逆極性に帯電する帯電チャージャ等の印加手段50とで構成されている。そして、印加手段50で印加されて搬送ベルト41に電荷が付与され、その搬送ベルト41で搬送される用紙17が未定着トナー42および定着液滴53とは逆極性に帯電される。これにより、逆極性に帯電される用紙17に未定着トナー42および定着液滴53を静電的に確実に吸引することができる。この図6においても、その他の符号は、図3で用いたものをそのまま使用している。
図7(A)および(B)には、用紙17に定着液滴52、53が付着する様子を示す。
(A)には、比較的大きな、具体的には最頻値が40μm〜80μm程度の直径の定着液滴52が用紙17上の未定着トナー42に付着される様子を示す。この程度の大きさであると、定着液滴52は、自重で落下し、または横、上方向でも初速を与えることによりそのまま用紙17に着弾する。一方、(B)には、比較的小さな、具体的には15μm以下の定着液滴53が用紙17上の未定着トナー42に付着される様子を示す。
ところで、定着液を用いた定着方式の場合、用紙17に塗布される定着液量は、カールやベタ付き感、それに定着液貯留部の定着液量タンク容量も考慮すると少ない方がよい。例えばA4サイズの用紙17(210×297mm)に塗る場合、最大でも0.2g/A4、できれば0.1g/A4以下、希望としては0.05g/A4の塗布量とすることが望ましい。定着液の組成により定着性に差があるため一概には言えないが、どのような組成であれ、上記量程度には抑えないと定着後の用紙17の商品性に悪影響が残る。
ここで、仮に、定着液の必要塗布量を0.1g/A4、(A)の定着液滴52の滴直径を60μmとする。60μm滴の体積は、113,040μmとなるので比重を1とすれば重量は1.13×10−7gとなる。故に、0.1g塗布するには、884,643個の定着液滴52が必要になる。この数の定着液滴52をA4サイズの用紙17にきれいに並べたと仮定すると、計算上滴と滴の間は265μmとなる。滴は通常着弾時に径が広がり、滴径の1.5から2.5倍程度の着弾径となるが、それを考慮しても用紙17がすべて埋まらず、図8のような塗布ムラができることになる。これは、そのまま定着ムラとなってしまう。このように考えると、ある滴径dの液滴が着弾し、塗布された面積の総和が少なくとも用紙17の要塗布面積となっている必要があることが判る。
図7(B)のごとく定着液滴52と比べて滴が例えば8μmの小さい定着液滴53であれば、用紙17の深さ方向に無駄に浸透してしまうことがなく、薄くて均一な塗布を行うことができる。図9にその塗布状態を示すが、図8と同量の塗布を行っても塗布可能面積は大幅に拡がることが判る。つまり、滴径dと用紙面積から、滴の必要個数Nが算出される。滴径dと適数Nが判ると塗布液量も判るので、言い換えると、ある面積をムラなく塗布しようとしたとき、塗布量を決めると自動的に必要な滴径が決まることになる。
以下に、計算例を挙げる。定着液の液滴直径をd[μm]、用紙17の要塗布面積をS[cm]、記録紙への塗布量をQ[g]、液滴個数をN[個]とし、着弾時の径の拡がりが最悪を考えてゼロと仮定すると、
一滴の着弾面積 π・(d×10−4/2)[cm
一滴の体積 (4π/3)・(d×10−4/2)[cm
となる。
上述のとおり、滴による塗布可能面積は、最低でも用紙17の要塗布面積Sと等しくなければならないと考えると、
N・π・(d×10−4/2) =S ………………………………(1)
となる。
また、滴の総体積より、比重を1とすると、1cm=1gなので、
N・(4π/3)・(d×10−4/2) = Q …………………(2)
となる。
(1)、(2)をN=の式に変形し、両者が等しいと置くと、
N=(4S/d×10−8)=(6Q/d×10−12
となり、
d=30,000・(Q/S) ………………………………………(3)
と変形できる。
試みに、塗布必要面積SをA4とすると、21cm×29.7cm=623.7cm、塗布量Qを仮に0.1g/A4とすると、上式よりd=4.8μmとなり、この径より大きいと塗布にムラができてしまうことが判る。
さて、本方式では、噴霧したミストが筐体37の中で均一に浮遊していることが条件であるため、滴が濡れないミスト、所謂ドライミストである必要がある。そうでないと、噴霧された滴は、そのまま落下して下方の物を近い部分から濡らしてしまい、用紙17を均一に塗布することができない。ドライミストであるためには、滴径が15μm以下であることが必要条件となる。図10は上記(3)式の滴径条件とドライミスト条件、そして弊社の実験では、最低塗布量が0.05g/A4であったため、その範囲を示した図である。もちろん、定着液の組成が異なれば、上記最低必要液量0.05g/A4は変わってくる。
また、この構成で用紙17の裏側からクーロン力で液を引っ張ると、カールが非常に少なくなるという効果があることが判った。実験では、紙種にもよるが、塗布後の用紙17の反り返り量が1/6から1/10程度になった結果も出ている。図11は、カールの実験結果である。ローラで、水を0.1g/A4均一に塗布したときの反り返り量をグラフにしている。紙種によるが、大きい物では50mmも反り返り、非常に取り扱い辛く、商品価値が激減している。図12は、同じ量の水を本方式で塗布したものである。反り返り量が激減していることが判る。カールは、用紙17の液付着側の繊維が膨潤し、裏面との差ができるために発生するものだが、この場合は用紙17の裏面から記録材帯電手段36によりク−ロン力で付着した水をさらに吸引するため、用紙17の裏面まで液が浸透し、結果的に水の濃度が表裏で均等になったためにカールが少なくなったものだと思われる。
ところで、熱定着方式の従来の複写機等では、記録材は最後に熱を使った定着装置に入ることになるが、熱定着方式では加熱することから、非常に電力を消費する。また、複写機等を使用していないときも立ち上がりに時間をかけないために、ヒータ温度をかなり高く保つ必要があり、稼働中はスタンバイ状態を含めてかなりの電力を消費している。これに対し、上述したようなこの発明の定着液を使った定着方式では、定着装置18で動作時でも低電力で、しかもスタンバイ時にはほとんど電力を消費しないメリットがある。
図13には、この発明による定着装置18を備える画像形成装置の他例を示す。
図示のものは、電子写真方式のタンデム型カラー画像形成装置であって、中間転写体を用いて、像担持体上のトナー像をいったん中間転写体に一次転写した後、その中間転写体上のトナー像を記録材に二次転写する間接転写方式のものである。
図中符号60は、給紙装置61上に載置され、胴内排紙部62を形成して上に画像読取装置63を載せる画像形成装置本体である。画像形成装置本体60内には、ベルト状の中間転写体64が複数のローラに掛けまわして走行可能に設けられている。中間転写体64の水平張り渡し部分の下方には、4つの作像手段15K・15M・15C・15Yが横に並べて設置され、タンデム作像装置16が備えられている。
給紙装置61には、記録材容器65が複数段に設けられる。それらの記録材容器65の右上からは、給紙装置61から画像形成装置本体60内を通り胴内排紙部62に至る縦方向の記録材搬送路66が形成されている。その記録材搬送路66には、中間転写体64と対向して二次転写手段67が配置され、その下流に定着装置18が設置されている。定着装置18の横には、定着液貯留部68が設けられている。
そして、作像手段15K・15M・15C・15Yで形成されたトナー像が一次転写手段69により中間転写体64に一次転写される一方、記録材容器65から送り出された記録材が記録材搬送路66を通して二次転写位置に搬送され、二次転写手段67で中間転写体64上のトナー像が二次転写される。画像転写後の記録材は、定着装置18を通り、転写画像を定着されて後、胴内排紙部62に排出される。
図14には、図13に示す画像形成装置に備えられている定着装置18を示す。
定着装置18には、同様に、トナー定着液が定着液滴として噴霧される噴霧手段33と、その噴霧手段33で噴霧された定着液滴に未定着トナーと同極性のマイナスの電荷を付与させる液滴帯電手段34と、その液滴帯電手段34で電荷を付与させた定着液滴の雰囲気中を通して、未定着トナーが載っている記録材を搬送する媒体搬送手段35と、その媒体搬送手段35で搬送する記録材を未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性のプラスに帯電させる記録材帯電手段36とが備えられている。
噴霧手段33は、定着液貯留タンク70に貯留された定着液を図示例では超音波を利用して15μm以下のドライミストとして噴霧して噴霧室38を定着液滴で満たす。定着液貯留タンク70には、定着液貯留部68から定着液が補給されるようになっている。液滴帯電手段34としては、噴霧室38に浮遊する定着液滴を帯電させるイオライザを使用している。
媒体搬送手段35には、複数のローラ40と、それらのローラ40に掛けまわされて記録材を静電吸着することにより重力に抗して上向きに搬送する搬送ベルト41とが備えられている。また、下流には、加圧して定着力や色の再現性を向上させる加圧ローラ対71が設けられている。
記録材帯電手段36は、ローラ40に掛けまわされている搬送ベルト41の内側に配置される電極44と、その電極44に接続される電源45とで構成されている。そして、クーロン力で定着液滴を記録材方向に吸引することにより、図7(B)に示すように定着液滴53がトナー42および記録材17に付着される。また、この例では、噴霧室38の余剰液滴をファン72で回収管73を通して吸い出し、濾過器74で濾過して回収し、定着液貯留タンク70に戻して再利用するようにしている。
この例においても、噴霧手段33で噴霧された定着液滴に、液滴帯電手段34で記録材上の未定着トナーと同極性の電荷を付与させる一方、電荷を付与させた定着液滴の雰囲気中を通して、媒体搬送手段35で、未定着トナーが載っている記録材が搬送され、その搬送される記録材を記録材帯電手段36で未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電させ、クーロン力で強制的に吸引されて記録材に未定着トナーおよび定着液滴が吸着され、定着液の軟化材で未定着トナーが軟化されて記録材に定着される。
これにより、この例においても、逆極性に印加される記録材に記録材上の未定着トナーが静電的に吸引され、記録材上の未定着トナーの飛散を防いでトナー像の乱れをなくし、画像品質の低下のない良好な定着を行うことができる。また、逆極性に印加される記録材に定着液滴が静電的に吸引され、記録材に均一に無駄なく付着されて、定着ムラをなくすとともに、定着液を有効に使用して定着液の消費を少なくすることができる。加えて、記録材に付着された定着液滴がさらに静電的に吸引されて記録材の裏側まで浸透するようにし、記録材の表裏で液濃度を均等にして記録材のカールを少なくすることができる。
画像形成装置の要部構成図である。 図1に示す画像形成装置に備える1つの作像手段の概略拡大構成図である。 図1に示す画像形成装置に備える定着装置の概略拡大構成図である。 (A)および(B)は、それぞれ用紙と電極との大きさの関係を示す斜視図である。 定着装置の変形例の概略拡大構成図である。 定着装置の他例の概略拡大構成図である。 (A)には、比較的大きな定着液滴が用紙上の未定着トナーに付着される様子を示し、(B)には、この発明により比較的小さな定着液滴が用紙上の未定着トナーに付着される様子を示す図である。 図7(A)の場合の付着状態を示す記録材の平面図である。 図7(B)の場合の付着状態を示す記録材の平面図である。 定着液の塗布量と定着液滴の必要滴径との関係を示す図である。 用紙とカール量との関係を示す図である。 この発明の定着装置の場合の用紙とカール量との関係を示す図である。 この発明による定着装置を備える画像形成装置の他例の全体概略構成図である。 図13に示す画像形成装置に備えられている定着装置の全体概略構成図である。
符号の説明
15K、15M、15C、15Y 作像手段
17 用紙(記録材)
18 定着装置
23 転写手段
33 噴霧手段
34 液滴帯電手段
35 媒体搬送手段
36 記録材帯電手段
38 噴霧室
40 ローラ
41 搬送ベルト
42 未定着トナー
44 電極
45 電源
50 印加手段
53 定着液滴
64 中間転写体
67 二次転写手段
69 一次転写手段

Claims (9)

  1. 軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒とからなるトナー定着液が使用され、その定着液を付着することにより前記軟化材で未定着トナーが軟化されて記録材に定着される定着装置において、
    前記トナー定着液が定着液滴として噴霧される噴霧手段と、その噴霧手段で噴霧された定着液滴に未定着トナーと同極性の電荷を付与させる液滴帯電手段と、その液滴帯電手段で電荷を付与させた定着液滴の雰囲気中を通して、未定着トナーが載っている記録材を搬送する媒体搬送手段と、その媒体搬送手段で搬送する記録材を前記未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電させる記録材帯電手段とが備えられていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記噴霧手段で前記トナー定着液が、最頻値の滴径が15μm以下の定着液滴として噴霧されることを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記媒体搬送手段が、複数のローラと、それらのローラに掛けまわされて静電吸着して記録材を搬送する搬送ベルトとで構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記記録材帯電手段が、前記ローラに掛けまわされている搬送ベルトの内側に配置される電極と、その電極に接続される電源とで構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記記録材帯電手段が、前記ローラに掛けまわされている搬送ベルトと、その搬送ベルトに電荷を付与して記録材を未定着トナーおよび定着液滴とは逆極性に帯電する印加手段とで構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の定着装置。
  6. 噴霧室が備えられ、その噴霧室に向けて前記噴霧手段で定着液滴が噴霧されてその定着液滴に前記液滴帯電手段により電荷が付与されることにより前記噴霧室が未定着トナーと同極性に帯電された定着液滴で満たされ、その噴霧室の定着液滴雰囲気中を通して、前記媒体搬送手段により記録材が搬送されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1に記載の定着装置。
  7. 記録材の要塗布面積をS[cm]、定着液の記録材への塗布量をQ[g]とするとき、前記定着液滴の平均径をd[μm]を、
    30,000×(Q/S)≦d≦15μm
    とすることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1に記載の画像形成装置。
  8. 像担持体上にトナー像を形成する作像手段と、その作像手段で形成した前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写手段と、その転写手段で転写して記録材上の未定着トナーを定着する請求項1ないし7のいずれか1に記載の定着装置とを備えてなることを特徴とする画像形成装置。
  9. 像担持体上にトナー像を形成する作像手段と、その作像手段で形成した前記像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、その一次転写手段で一次転写した前記中間転写体上のトナー像を記録材に二次転写する二次転写手段と、その二次転写手段で二次転写した記録材上の未定着トナーを定着する請求項1ないし7のいずれか1に記載の定着装置とを備えてなることを特徴とする画像形成装置。
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