JP5333928B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置に関するものである。詳しくは、トナー等の樹脂微粒子を溶解又は膨潤させる定着液を樹脂微粒子に付与して樹脂微粒子を記録媒体上に定着させる定着装置、及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
現在、複写機やプリンタ、ファクシミリ等のように記録媒体である転写紙上に画像を形成する画像形成装置は多くあり、その中でも主流なのがトナーを使用したいわゆる電子写真方式の画像形成装置である。電子写真方式の画像形成装置は、普通紙で高速に、高密度にまた最近ではカラー画像も手軽に作成できることからオフィス等に広く普及している。この電子写真方式の画像形成装置では転写紙上に形成した未定着のトナー像を転写紙に定着させる定着装置としては、熱を利用した熱定着方式の定着装置が多く採用している。これはハロゲンヒーターやセラミックヒータ等の発熱体でローラやフィルム等を熱し、未定着トナーが乗った転写紙を加圧ローラで挟んで加熱・加圧してトナーを溶融、変形させ、転写紙の繊維中にアンカリングすることで定着させる。この方式は均一性、安定性に優れているため広く普及しているが、一方で発熱体を用いて加熱するために多くのエネルギーを要し、消費エネルギーが大きい定着装置であるという欠点がある。
従来の熱定着方式の定着装置では加熱処理に多くの電力を消費していたため、従来に比べて省エネルギー化を実現できる定着方式として、トナーを定着するために加熱を行わない湿式定着方式が知られている(例えば、特許文献1に記載の定着装置で用いる定着方式)。湿式定着方式は、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を転写紙表面上のトナー像に付与してトナー像を定着させるものであるため、熱定着方式よりも省エネルギー化を実現できる。
特許文献1に記載の定着装置では、表面上に液状の定着液を担持する塗布ローラを未定着トナーを担持する転写紙に押し付けて、未定着トナーに定着液を付与している。しかしながら、特許文献1のように定着液を液状のまま転写紙上の未定着トナーに供給すると、塗布ローラが転写紙に定着液を塗布する塗布位置を通過したあとの塗布ローラの表面に残留する定着液の中に未定着トナーの一部が移行し、転写紙上のトナー像が劣化する不具合が生じた。これは、転写紙上の未定着トナーは静電気力によって転写紙に担持されているため、液体が触れると静電気力によって担持する力が著しく低下し、未定着トナーが定着液内に拡散してしまい、液中に未定着トナーが拡散した定着液の一部が塗布ローラ上に残留するために生じる。
なお、このような不具合は、定着液を転写紙上の未定着トナーに供給する構成に限らず、特許文献2のように、中間転写ベルト等のトナー像担持体上のトナーに定着液を供給した後、トナー像担持体上の樹脂が軟化したトナー像を転写紙に転写する構成で、定着液を塗布ローラを用いてトナー像担持体上のトナーに塗布する構成においても生じ得る問題である。
このように、未定着トナーの一部が塗布ローラに付着する不具合を抑制することができる定着装置として、特許文献3に記載の定着装置がある。この定着装置は、定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とし、この泡状定着液を特許文献1の定着液と同様に塗布ローラによって転写紙上の未定着トナーに塗布するものである。このように定着液を泡状とすることにより、定着液の泡内に空気が大量に存在するため、未定着トナーが定着液内に拡散する力が働きにくくなり、転写紙上のトナーは定着液を塗布されても転写紙上から動かずにその場で定着液の作用で定着される。このため、未定着トナーの一部が塗布ローラに付着する不具合を抑制することができ、転写紙に液状の定着液を塗布する構成にくらべて、良好な画像が得られるようになる。
特許文献3に記載の定着装置のように、塗布部材を用いて泡状定着液と記録媒体に塗布する構成の場合、記録媒体に泡状定着液を塗布したあとの塗布部材をクリーニングする塗布部材クリーニング手段を設けることが望ましい。これは、記録媒体に泡状定着液を塗布する塗布位置を通過した後の塗布部材には記録媒体に塗布しきれずに残った残留泡状定着液が付着しており、この残留泡状定着液を回収するためである。
残留泡状定着液は、泡状定着液として塗布部材に供給された後、時間が経過しており、且つ、塗布位置で機械的な力を受けているため、泡の一部が消泡するなど、塗布部材に供給されたときよりも定着液の密度が上昇することが考えられる。このため、塗布部材の表面上に残留泡状定着液が残留している状態で新たな泡状定着液を塗布部材に供給すると、密度が異なる泡状定着液が混ざって記録媒体に泡状定着液を均一に付与することができなくなるおそれがある。さらに、泡状定着液を用いることにより、オフセットして塗布部材に付着するトナーは通常の液状の定着液を用いる構成に比べて少なくなるものの、オフセットは起こり得るものである。そして、オフセットしたトナーが塗布部材の表面上に残留している状態で新たな泡状定着液の供給がなされ、記録媒体への塗布がなされると、オフセットしたトナーが記録媒体に再転写され、画像劣化となるおそれがある。
このように、記録媒体に付与する泡状定着液が不均一になったり、オフセットしたトナーが記録媒体に再転写されたりすることを防止するために、塗布部材クリーニング手段を設け、残留泡状定着液を除去することが望ましい。
しかしながら、塗布部材クリーニング手段によって除去された泡状定着液は、通常の液状の定着液に比べて密度が低く、嵩が多い状態となっている。定着液が泡状であることにより泡状化されていない定着液に対して体積が数十倍にも膨れ上がるため、定着液を泡状のまま収容しようとすると大きなタンクが必要となる。なお、泡状定着液は経時で自然に消泡して体積は徐々に小さくなるが、自然に消泡するには時間を要するため、連続印刷に対応するためには塗布部材から回収され、消泡する前の泡状定着液を収容する大きなタンクが必要となる。このような泡状定着液を収容可能な大きなタンクを画像形成装置に配置すると、装置の大型化につながるという問題がある。
このため、残留泡状定着液は液化して回収することが求められる。泡状液を液化する方法としては次のような方法が知られている。まず、泡状液を連泡構造の多孔質体に吸引する方法では、多孔質体を構成する微小孔を通過させることで泡状液を破泡させて液化することができる。また、加熱部材によって泡状液を加熱する方法では、熱により泡状液を破泡させて液化することができる。さらに、破泡を促す成分を泡状液に付与する方法では、化学的に泡状液を破泡させて液化することができる。
多孔質体を用いて液化する方法では、多孔質体の微小孔に負圧を発生させることで、この微小孔と対向する位置にある泡状の液体に対して液化する位置(微小孔内)に向かう力を付与する。加熱する方法や化学的に液化させる方法では、押圧部材、搬送部材、傾斜などによって泡状の液体に対して液化する位置(加熱部材と対向する位置やや破泡を促す成分を付与する位置)に向かう力を付与する。
しかし、泡状の液体は流動性が低いため、塗布部材クリーニング手段によって残留泡状定着液収容部に回収された残留泡状定着液のすべてを液化する位置まで移動させることが出来ない場合があるという問題があった。以下、この問題について説明する。
泡状の液体は流動性が低いため、塗布部材クリーニング手段によって残留泡状定着液収容部に回収されて残留泡状定着液収容部内の壁面に付着した残留泡状定着液は、その付着した壁面に保持されたままとなり易い。
残留泡状定着液収容部内の残留泡状定着液に対して液化する位置に向かう力を付与する場合、この力が付与される位置に存在する残留泡状定着液とこの力が付与されない位置の壁面に保持された残留泡状定着液とが一つの連なった泡となる場合と、ならない場合とがある。2つの位置の残留泡状定着液が一つの連なった泡となっている場合、液化する位置に向かう力が付与されると、この力が付与される位置に存在する残留泡状定着液に引っ張れてこの力が付与されない位置の壁面に保持された残留泡状定着液も液化する位置に移動することができる。
一方、2つの位置の残留泡状定着液が一つの連なった泡とならずに分離している場合、液化する位置に向かう力が付与される位置に存在する残留泡状定着液のみが液化する位置に移動し、この力が付与されない位置の壁面に保持された残留泡状定着液はその壁面に保持されたままとなる。
このように、残留泡状定着液収容部内で残留泡状定着液同士が分離して存在している場合、一部に液化する位置に向かう力を付与しても、その一部と分離した他の一部の残留泡状定着液には液化する位置に向かう力が作用しない。その結果、この他の一部の残留泡状定着液を液化する位置まで移動させることが出来ないという問題が生じる。
さらに、塗布部材クリーニング手段によって回収された残留泡状定着液は、塗布位置を通過した後の塗布部材の表面に残留したものであるため、回収されるタイミングや回収される位置によってその回収量にはムラが生じる。そして、この回収量のムラによって回収された残留泡状定着液を収容する残留泡状定着液収容部内でも残留泡状定着液が有る箇所と無い箇所とのムラが生じる。その結果、残留泡状定着液収容部内で残留泡状定着液同士が分離して存在する状態となり、上述した問題が生じる。
このような問題は、樹脂としては記録媒体上のトナー像を形成するトナー粒子に限るものではなく、記録媒体上の樹脂微粒子に泡状定着液を付与し、塗布部材をクリーニングする構成ではどの場合も生じ得る問題点である。
さらに、塗布部材をクリーニングする構成に限らず、塗布位置で塗布部材と接触する加圧部材など、定着装置内で回収となった泡状定着液を回収泡状定着液として回収する構成であれば同様の問題が生じる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、泡状定着液を用いて樹脂微粒子を軟化させて記録媒体に定着させるもので、定着に寄与しなかった回収泡状定着液を回収するときに、その回収量にムラがあっても良好な回収を行うことができる定着装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。
請求項1の発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した液状定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液泡状化手段と、該樹脂微粒子からなる樹脂微粒子層を担持する定着液付与対象の表面に該泡状定着液を付与する泡状定着液付与手段とを有し、該泡状定着液を付与することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着装置において、上記定着液泡状化手段によって上記泡状定着液になり、上記定着液付与対象に付与されなかった該泡状定着液を回収泡状定着液として回収する泡状定着液回収手段を有し、該泡状定着液回収手段は、該回収泡状定着液を収容する回収泡状定着液収容部と、回収泡状定着液収容部内の該回収泡状定着液と混合して該回収泡状定着液とともに回収されることで回収を補助する補助液を液中に気泡が分散した泡状補助液とする補助液泡状化手段と、該回収泡状定着液収容部内の該回収泡状定着液に該泡状補助液を供給する泡状補助液供給手段と、該泡状補助液及び該回収泡状定着液を混合した泡状の液体を液化して回収する液化回収手段とを備え、上記液化回収手段は、連泡構造の多孔質体の連通する孔の一方側に付着した上記泡状の液体を該孔の他方から負圧を作用させて吸引し、該泡状の液体が該孔を通過することで破泡させ、該泡状の液体を液化することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の定着装置において、上記泡状補助液供給手段は、上記補助液を含ませた多孔質体に空気を送り込むことによって該補助液を発泡させ、上記泡状補助液を生成する補助液泡状化手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した液状定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液泡状化手段と、該樹脂微粒子からなる樹脂微粒子層を担持する定着液付与対象の表面に該泡状定着液を付与する泡状定着液付与手段とを有し、該泡状定着液を付与することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着装置において、上記定着液泡状化手段によって上記泡状定着液になり、上記定着液付与対象に付与されなかった該泡状定着液を回収泡状定着液として回収する泡状定着液回収手段を有し、該泡状定着液回収手段は、該回収泡状定着液を収容する回収泡状定着液収容部と、回収泡状定着液収容部内の該回収泡状定着液と混合して該回収泡状定着液とともに回収されることで回収を補助する補助液を液中に気泡が分散した泡状補助液とする補助液泡状化手段と、該回収泡状定着液収容部内の該回収泡状定着液に該泡状補助液を供給する泡状補助液供給手段と、該泡状補助液及び該回収泡状定着液を混合した泡状の液体を液化して回収する液化回収手段とを備え、連泡構造の多孔質体の連通する孔の一方側に付着した上記泡状の液体を該孔の他方から空気を吸引し負圧を作用させて吸引し、該泡状の液体が該孔を通過することで破泡させ、該泡状の液体を液化する上記液化回収手段を備え、上記泡状補助液供給手段は、上記補助液を含ませた多孔質体に空気を送り込むことによって該補助液を発泡させ、上記泡状補助液を生成する補助液泡状化手段を備え、該多孔質体に対する空気の流れを吸引また送り込みに切り換えることで、補助液泡状化手段で該補助液を発泡させる部材と該液化回収手段で該泡状の液体を液化する部材とを一つの多孔質体で併用することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置において、上記泡状定着液付与手段は、表面移動する表面に供給された上記泡状定着液を、上記定着液付与対象と対向する塗布位置で該定着液付与対象の表面に塗布する塗布部材を有し、上記泡状定着液回収手段は、該塗布位置を通過した後の該塗布部材の表面から塗布部材クリーニング手段によって除去された上記泡状定着液を上記回収泡状定着液として回収することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の定着装置において、上記塗布部材クリーニング手段は、クリーニング部材として上記塗布部材の表面に接触するゴム製のクリーニングブレードを備え、上記泡状補助液供給手段は上記泡状補助液を供給する位置が該クリーニングブレードの近傍となるように配置していることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置において、上記泡状補助液は、上記回収泡状定着液よりも気体成分に対する液体成分の割合が多いことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、樹脂と色剤とを含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上に画像情報に基づいてトナー像を形成するトナー像形成手段と、記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面である定着液付与対象の表面に泡状定着液を塗布し、該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、該定着手段として、請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置を用いることを特徴とするものである。
上記請求項1または3の構成を備えた定着装置では、補助液を泡状とした泡状補助液を回収泡状定着液収容部内の回収泡状定着液に供給して混合させる。泡状補助液が回収泡状定着液収容部内の回収泡状定着液と接触すると2種の泡状の液体は一つの連なった泡状液として挙動する。このため、回収泡状定着液収容部内の回収泡状定着液同士が互いに分離して存在していても泡状補助液を供給することで一つの連なった泡状液を形成することができる。そして、この一つの連なった泡状液に対して、液化する位置に向かう力を付与することで、一つの連なった泡状液に含まれる回収泡状定着液の全体に対して液化する位置に向かわす力を作用させることができ、回収泡状定着液を良好に回収することができる。
本発明によれば、回収泡状定着液の回収量にムラがあって、回収泡状定着液収容部内の回収泡状定着液同士が互いに分離して存在していても、泡状補助液を供給することで一つの連なった泡状液として回収泡状定着液の全体を良好に回収することができるという優れた効果を奏する。
実施形態に係る定着装置を模式的に示す説明図。 実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機におけるプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。 同複写機における四つの作像ユニットのうちの一つを示す部分拡大図。 実施形態に係る定着装置が備える定着液回収装置の砥石近傍の拡大説明図。 砥石近傍を図5中の矢印D方向から見た斜視図。 図6に示す砥石を砥石と土台との接続部を視認できるようにした斜視説明図。 補助液供給手段や補助液泡状化手段を備えない定着液回収装置の斜視説明図。 泡状補助液を残留泡状定着液収容部内に供給する構成の説明図。 泡状補助液を残留泡状定着液収容部内に供給している状態の砥石を上方から見た斜視図。 定着液回収ポンプによって負圧が発生させたときの砥石近傍の説明図。 変形例の定着装置の定着液回収装置を模式的に示す説明図。
以下、本発明を、電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置である複写機(以下、複写機100と呼ぶ)に適用した実施形態について説明する。なお、本実施形態では本発明の泡生成装置を備える定着装置を有する画像形成装置が複写機である構成に付いて説明するが、プリンタ、ファクシミリ等の他の画像形成装置であってもよい。
まず、実施形態に係る複写機100の基本的な構成について説明する。図2は、実施形態に係る複写機100を示す概略構成図である。この複写機100は、プリンタ部1と、給紙装置40と、原稿搬送読取ユニット50とを備えている。原稿搬送読取ユニット50は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置たるスキャナ部150と、これに支持される原稿搬送装置たるADF51とを有している。
給紙装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセット42から転写紙Pを送り出す送出ローラ43、送り出された転写紙Pを分離して給紙路44に供給する分離ローラ45等を有している。また、プリンタ部1の紙搬送路37に転写紙Pを搬送する複数の搬送ローラ46等も有している。そして、給紙カセット42内の転写紙Pをプリンタ部1内の紙搬送路37内に給紙する。
プリンタ部1の上に固定されたスキャナ部150は、原稿MSの画像を読み取るための読取手段として、固定読取部151と、移動読取部152とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第一コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSを走査する。
一方、移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第二コンタクトガラスの直下であって、固定読取部151の図中右側方に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第二コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサ153で受光する。これにより、光学系を移動させながら、原稿MSを走査する。
このように、スキャナ部150において原稿MSを走査し、画像読取センサ153で得られた画像情報に基づいて、後述するように光書込装置2では光源を駆動してドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。
図3は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。プリンタ部1は、光書込装置2、K,Y,M,Cの各色のトナー像を形成する四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)、転写ユニット90、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置60等を備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、潜像担持体たる感光体4(K,Y,M,C)の表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。なお、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、これらの樹脂材料は、後述する定着装置60の定着液により溶解又は膨潤する。
作像ユニット3(K,Y,M,C)は、それぞれ、潜像担持体たる感光体4と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体によって支持するものであり、複写機100本体に対して着脱可能になっている。ブラック用の作像ユニット3Kを例にすると、これは、感光体4Kの他、これの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置6Kを有している。また、後述するK用の一次転写ニップを通過した後の感光体4K表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置15Kなども有している。複写機100では、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)を、後述する中間転写ベルト91に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
図4は、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)のうちの一つ作像ユニット3の拡大図である。なお、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図4においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。図4に示すように、作像ユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置の帯電ローラ5、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電装置の除電ランプ22等を有している。
感光体4としては、複写機100では、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、感光体としては無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を現像剤担持体である現像ローラ12に担持し、現像ローラ12と感光体4との対向部である現像領域で感光体4上の静電潜像にトナーを供給して、静電想像を可視像化させる。また、現像装置6は、現像ローラ12の表面に供給する二成分現像剤を収容する現像剤収容部を備え、現像剤収容部は収容する二成分現像剤を攪拌する不図示の攪拌部材が設けられている。
現像ローラ12は回転可能に配置された非磁性の筒状の現像スリーブと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラとから構成される。マグネットローラは、現像スリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれ現像スリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、現像剤収容部内の二成分現像剤を現像スリーブ表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブの回転に伴って不図示の現像剤規制部材との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、現像領域に搬送される。そして、現像スリーブに印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像を行う。更に、現像領域を通過した後、現像スリーブの回転に伴って再び現像装置6内に戻った磁気ブラシを構成する二成分現像剤は、マグネットローラの磁極間に形成される反発磁界の影響によって現像スリーブ表面から離脱した後、現像剤収容部内に戻される。現像剤収容部内には、不図示のトナー濃度センサが配置されており、このトナー濃度センサによる検知結果に基づいて、現像剤収容器内の二成分現像剤のトナー濃度が所定の範囲内となるように、不図示のトナー補給装置が制御され、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。
プリンタ部1では図3に示すように、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)の感光体4(K,Y,M,C)には、これまで説明してきた作像プロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
図3に示すように四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)の下方には、転写ユニット90が配設されている。この転写ユニット90は、複数の張架ローラ(92、93、94)によって張架されたトナー像担持体としての中間転写ベルト91を備え、中間転写ベルト91を挟んで第一張架ローラ92に対向する位置には、ベルトクリーニング装置32が配置されている。ベルトクリーニング装置32は、後述する二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト91上に残留するトナーを除去するために配置されている。
転写ユニット90では中間転写ベルト91を感光体4(K,Y,M,C)に当接させながら図中時計回り方向(図3中の矢印A方向)に無端移動させる。これにより、感光体4(K,Y,M,C)と中間転写ベルト91とが当接するK,Y,M,C用の一次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写装置の一次転写ローラ95(K,Y,M,C)によって中間転写ベルト91が感光体4(K,Y,M,C)に向けて押圧されている。四つの一次転写ローラ95(K,Y,M,C)には、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップでは、感光体4(K,Y,M,C)上のトナー像を転写体たる中間転写ベルト91に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト91の表面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト91の表面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
本実施形態の一次転写装置は、一次転写部材として一次転写ローラ95を備えた構成を採用しているが、一次転写部材としては導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
図4において、一次転写ニップを通過した後の感光体4の表面には、中間転写ベルト91に一次転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、作像ユニット3のドラムクリーニング装置15により、感光体4の表面から除去される。
ドラムクリーニング装置15としては、感光体4に当接しているポリウレタンゴム製のクリーニングブレード16により、転写残トナーを一次転写ニップ通過後の感光体4表面から掻き取って除去するものが用いられている。クリーニングブレード16は、作像ユニット3のケーシングに固定された金属製の支持部材に接着(ホットメルト)されており、感光体4に対してカウンタ方向に当接するようになっている。カウンタ方向とは、支持部材によって片持ち支持されるクリーニングブレード16の先端側を、後端側(自由端側)よりも感光体4の回転方向の上流側に位置させるようなブレードの向きである。
ここで、ドラムクリーニング装置15によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置6に回収され、再利用される。
本実施形態の作像ユニット3が備える除電装置は除電ランプ22を備えた構成であり、光を照射して感光体4の表面電位を初期化する。除電ランプ22によって除電された感光体4の表面は、帯電バイアスの印加によって感光体4との間に放電を発生させる帯電ローラ5によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。作像ユニット3が備える帯電装置は帯電ローラ5を採用した接触帯電方式の帯電装置である。この帯電装置は帯電ローラ5を感光体4の表面に接触させて、帯電ローラ5に電圧を印加することにより感光体4の表面を一様に帯電する。なお、感光体4を一様に帯電させる帯電装置としては、帯電ローラ方式のものに代えてスコロトロンチャージャ等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。
プリンタ部1では図3に示すように、転写ユニット90の図中下方には、駆動ローラ30と二次転写ローラ31との間に、二次転写ベルトである無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる二次転写ユニットとしての紙搬送ユニット28が設けられている。複写機100では紙搬送ユニット28の二次転写ローラ31と、転写ユニット90の下部張架ローラ94との間に、中間転写ベルト91及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト91の表面と、紙搬送ベルト29の表面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ31には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット90の下部張架ローラ94は接地されている。これにより、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。なお、中間転写ベルト91と接触して二次転写ニップを形成する部材としては、紙搬送ベルト29のようなベルト状の部材に限らず、ローラ状の転写ローラを用いてもよい。
この二次転写ニップの図中右側には、レジストローラ対33が配設されている。レジストローラ対33はローラ間に挟み込んだ転写紙Pを中間転写ベルト91上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト91上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙Pに一括二次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過し、表面にトナー像が転写された転写紙Pは、中間転写ベルト91から離間して、紙搬送ベルト29の表面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置60へと搬送される。
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト91の表面には、二次転写ニップで転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニング部材が中間転写ベルト91に当接するように配置されたベルトクリーニング装置32によって掻き取り除去される。
定着装置60に搬送された転写紙Pは、詳細は後述するが定着装置60内で定着液が塗布されることによってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置60から送り出され、排紙トレイ10上に排紙される。
なお、図2に示すように複写機100は、紙搬送ユニット28と定着装置60との下方には、転写紙反転装置であるスイッチバック装置36が配設されている。両面に画像形成を行う場合には、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pの進路を、切換爪を制御することによってスイッチバック装置36側に切り換え、そこで転写紙Pを反転させて再び二次転写転写ニップに向けて搬送する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された転写紙Pは、排紙トレイ10上に排紙される。
次に、次に本発明の特徴部を備えた定着装置60について説明する。
図1は本実施形態の定着装置60を模式的に示す説明図である。なお、本発明における樹脂微粒子はトナー粒子である。
定着装置60は、軟化剤を含む液状定着液132を泡状とした泡状定着液Fを生成する泡状定着生成手段としての泡状定着液生成部130と、生成された泡状定着液Fを記録媒体である転写紙Pに塗布する定着液塗布手段である定着液塗布部600とを有する。
泡状定着液生成部130は、液状定着液132を収容する定着液収容手段としての定着液ボトル131と、液状定着液132に対して液中に気泡を分散させて泡を多く含んだ泡状定着液Fとする定着液泡状化手段としての定着液泡状化装置500とを備える。定着液ボトル131中の液状定着液132は、不図示の定着液搬送ポンプを駆動することにより定着液搬送管を介して定着液泡状化装置500へと搬送され、定着液泡状化装置500で空気と混合して発泡することで泡状定着液Fとなる。定着液泡状化装置500としては、例えば特許文献3に記載のフォーム状定着液生成手段を用いることができるが、液状定着液132を所望の泡径の泡状定着液Fとすることができればこれに限るものではない。
定着液塗布部600は、泡状定着液生成部130によって生成された所望の泡径の泡状定着液Fを転写紙P上の未定着トナー像Tへ付与する。定着液塗布部600は、定着液泡状化装置500から泡状定着液Fが供給され、泡状定着液Fを塗布位置Cで転写紙Pに塗布する塗布部材としての塗布ローラ61と、塗布ローラ61に塗布位置Cで対向するように配置された加圧ローラ62とを備える。
泡状定着液生成部130から塗布ローラ61の表面に薄膜状に供給された泡状定着液Fは、塗布ローラ61の表面移動によって塗布位置Cに到達する。不図示の搬送部材によって定着装置60に搬送されてきた未定着トナー像Tを担持した転写紙Pは、塗布位置Cの塗布ローラ61と加圧ローラ62とのニップ部に挟み込まれ、泡状定着液Fが未定着トナー像Tに付与される。ニップ部を通過後、定着液を付与されることによって軟化または膨潤したトナー粒子が再び硬化することで転写紙Pに定着され、定着トナー像Taとなる。
定着液塗布部600は、塗布ローラ61の表面移動方向について、塗布位置Cよりも下流側で、且つ、泡状定着液生成部130から泡状定着液Fが供給される位置よりも上流側に塗布ローラクリーニング装置20を備える。この塗布ローラクリーニング装置20によって、塗布位置Cで塗布ローラ61から転写紙Pに移行しきれなかった泡状定着液Fや転写紙Pから移行した少量のオフセットトナーTbからなる残留泡状定着液Fbを除去する。
図1に示す定着装置60では、泡状定着液生成部130から塗布ローラ61に供給される泡状定着液Fは薄膜の状態で供給される。塗布ローラ61上に泡状定着液Fの薄層を形成する構成としては、泡状定着液生成部130から泡状定着液Fを供給される位置から塗布位置Cまでの間に、塗布ローラ61上の泡状定着液Fを所望の膜厚にする膜厚制御手段を設けても良い。
なお、塗布部材を用いて塗布する泡状定着液Fとしては、泡状定着液Fの密度を変えて定着させる実験を行ったところ、泡状定着液Fを構成する定着液と空気との割合は1:25〜1:50程度、すなわち、密度としては0.04〜0.02[cm]の範囲であることが望ましいことが分かった。
泡状定着液Fの密度が、この範囲よりも高いと、液状に近い状態となり、通常の液状の定着液を塗布していた従来の定着装置と同様に塗布位置を通過した塗布ローラ表面上の定着液にトナーが巻き込まれて塗布ローラがワに移行する所謂オフセットが発生しやすくなり、画像劣化が起きる。逆に、この範囲よりも泡状定着液Fの密度が低くなると、泡状定着液Fがドライフォームと呼ばれる状態となる。ドライフォームの状態となると、破泡し難くなり、記録媒体に必要量の定着液が移行せずに定着不良となったり、定着液の使用効率が低下することで必要以上の定着液を消費したりするといった不具合が生じる。
また、実験を行ったところ、泡状定着液Fの泡径は平均で20[μm]程度が望ましいことが分かった。泡状定着液Fは定着液部と空気部とによって構成されるが、空気部には定着液がないため、泡径が大きいと空気部にあるトナーは軟化せず定着しない。つまり定着ムラが起きてしまう。一方、泡径が小さ過ぎると塗布ローラ61への濡れ性が極端に落ちたドライフォームのような状態になり、塗布ローラ61上で均一な薄膜状にならないため、やはり定着ムラになってしまう。
このような理由により泡状定着液Fの密度及び泡径は定着性能に対して良好な範囲がある。もちろん定着液の種類やトナー種等により良好な部分は異なるが、定着液を泡状にしてトナーに塗布して定着させる方式には基本的にこのような範囲が存在する。
塗布ローラ61上の泡状定着液Fの必要な膜厚は、次の計算で簡単に求められる。
先ず、A4サイズ(297[mm]×210[mm])の転写紙Pに必要な定着液量を0.1[g]と仮定する。
なお、A4サイズ一枚当りに0.1[g]と仮定として設定しており、転写紙Pの種類が変わればこの必要な定着液量が変化することも考えられる、実際の普通紙においてもA4サイズ一枚当り0.1[g]であった。定着液量がこれより多いと紙が膨潤しカールが目立つようになり、商品価値を著しく落としてしまう。また少ないと勿論定着不良を起こしてしまう。
上述した泡状定着液Fの密度を0.02[g/cm]、定着液の比重を1、塗布ローラ61上での必要な泡膜厚をt[mm]とすると、
(297[mm]×210[mm]×t[mm])×0.02/1000[g/mm]=0.1[g]
∴t=0.08[mm]
となり、塗布ローラ61上の泡状定着液Fに必要な膜厚は約80[μm]となる。実際には泡状定着液Fの全てが記録紙に転写する訳ではない。このため、仮に塗布ローラ61から転写紙Pへの泡状定着液Fの転写率を90[%]だとすると、80[μm]/0.9=88[μm]となる。
このように、塗布ローラ61の表面上には膜厚が約90[μm]の薄層の泡状定着液Fが形成され、これが塗布位置Cに入力し、転写紙Pに塗布されるが、塗布位置Cで塗布ローラ61上の泡状定着液Fの全てが転写紙Pに付与されるわけではない。
上述したように、転写率(塗布位置Cに到達する直前の塗布ローラ61上の単位面積当りの泡状定着液Fの量を、塗布位置C通過直後の転写紙P上の泡状定着液Fの量で割った値)は良くても90[%]程度である。すなわち、塗布ローラ61表面上に供給された泡状定着液Fのうちの約10[%]程度の定着液は塗布位置Cを通過後の塗布ローラ61上に残留する。
また、塗布位置Cでは、転写紙P上のトナーが微少量剥がれて(オフセットして)塗布ローラ61上に残留した泡状定着液Fと混じった形で残る。そして、オフセットトナーTbや泡状定着液Fからなる残留泡状定着液Fbを塗布ローラクリーニング装置20によって除去する必要がある。残留泡状定着液Fbが良好に除去されないと、再び泡状定着液生成部130から新しい泡状定着液Fが供給されるときに、所望の状態に制御された新しい泡状定着液Fに残留泡状定着液Fbが混ざって、泡状定着液Fの均一性や供給量が所望の状態から変化する。さらに、オフセットトナーTbが次の転写紙Pに再転写されることで画像不良が生じ、定着品質に重大なダメージを与えるおそれがある。
よって、定着装置60では、塗布ローラクリーニング装置20によって残留泡状定着液Fbの確実に除去されることが求められる。
次に、本実施形態の定着装置60の特徴部について説明する。
図1に示すように、定着装置60は、塗布ローラ61をクリーニングする塗布部材クリーニング手段として塗布ローラクリーニング装置20を有する。そして、塗布ローラクリーニング装置20は、塗布ローラ61が転写紙Pに泡状定着液Fを塗布する塗布位置Cを通過した後の塗布ローラ61表面に残留する残留泡状定着液Fbを除去する定着液除去ブレード201を備える。さらに、塗布ローラクリーニング装置20は、定着液除去ブレード201によって塗布ローラ61表面から除去された泡状定着液Fを収容する残留泡状定着液収容部202と残留泡状定着液収容部202内の泡状定着液Fを液化して回収する定着液回収装置200を備える。
定着液回収装置200は、塗布ローラ61上の残留泡状定着液Fbを回収し、定着液回収ボトル220に収容する。しかし、残留泡状定着液Fbは通常の液状の定着液に比べると体積が大きくなっているため、残留泡状定着液Fbを泡状のまま収容すると、大容量の定着液回収ボトル220が必要となり、装置の大型化につながるため残留泡状定着液Fbを液化して回収する必要がある。定着液除去ブレード201によって除去した残留泡状定着液Fbは泡状定着液収容部202に収容され、泡状定着液収容部202内の残留泡状定着液Fbは経時で自然に消泡して体積は徐々に小さくなるが、自然に消泡するには時間を要する。そして、自然に消泡した残留泡状定着液Fbを回収する構成であると泡状定着液収容部202がすぐにいっぱいになり、その後、定着液除去ブレード201によって除去した残留泡状定着液Fbを回収できなくなる。また、残留泡状定着液Fbが自然に消泡して液状となった後に回収すると、残留泡状定着液Fb内で溶解または膨潤しているオフセットトナーTbが固化して定着液除去ブレード201や泡状定着液収容部202を形成する内壁に固着するおそれがある。
このため、塗布ローラクリーニング装置20は、塗布ローラ61から回収した残留泡状定着液Fbを液状とする液化手段として連泡構造の微小孔が形成された多孔質体からなる砥石217及び定着液回収ポンプ225を有する定着液液化装置400を備える。
図1に示すように砥石217と定着液回収ポンプ225とは定着液回収管226によって接続されており、定着液回収ポンプ225を駆動して砥石217に負圧を作用させることにより、砥石217の上方にある残留泡状定着液Fbを吸引する。この吸引により、多孔質体を形成する砥石217の多数の微小孔に残留泡状定着液Fbを通過させることで液化し、液状となった回収定着液を定着液回収管226に通して搬送して定着液回収ボトル220に収容する。このように定着液回収装置200は、砥石217、定着液回収ポンプ225、定着液回収管226、及び、定着液回収ボトル220からなる定着液液化装置400を備える。
図5は、定着液回収装置200の砥石217近傍の拡大説明図である。図5に示すように砥石217は土台227に貼り付けられている。また、図6は、定着液回収装置200の砥石217近傍を図5中の矢印D方向から見た斜視図であり、図7は、図6に示す砥石217を土台227に対して図7中矢印H方向に回転させて砥石217と土台227との接続部を視認できるようにした斜視説明図である。
図1及び図5に示すように、定着液除去ブレード201の直下に泡状定着液収容部202を備え、泡状定着液収容部202の底面に砥石217を配置している。砥石217は、その上面と下面とで連泡構造を構成する多数の微小孔が連通し、側面は図6中の斜線部で示す砥石カバー部217aによって砥石217表面の微小孔がふさがれている。砥石カバー部217aはエポキシ樹脂等の定着液に対して耐性のある硬化性樹脂を砥石217の側面に塗ることで形成できる。
図7に示すように、砥石217の下面には窪み250が形成されており、土台227には回収孔228が設けられている。土台227の側面には定着液回収管226が取り付けられており、土台227の上面の回収孔228と定着液回収管226とがつながっている。定着液回収ポンプ225を駆動させることで、回収孔228に負圧が発生し、窪み250を介して多孔質体の多数の微小孔にも負圧が生じ、砥石217の上面の多数の微小孔の開口部に負圧が生じる。これにより、砥石217の上方に存在する残留泡状定着液Fbが吸引され、多数の微小孔を通って窪み250に到達する間に液化して液状となった回収定着液となる。さらに、この回収定着液は、定着液回収管226、及び、定着液回収ポンプ225を通って定着液回収ボトル220に収容される。
さらに、本実施形態の定着液回収装置200は、残留泡状定着液収容部202内の残留泡状定着液Fbと混合して定着液とともに回収される補助液である水211を砥石217に供給する補助液供給手段としての液状補助液供給装置300を備える。液状補助液供給装置300は、水ボトル210、水供給ポンプ215及び水供給管216を備える。さらに、定着液回収装置200は、補助液である水211を液中に気泡が分散した泡状補助液とする補助液泡状化手段と、残留泡状定着液収容部202内に供給する泡状補助液供給手段とを備える。
定着液回収装置200では水供給管216を砥石217に接続しており、上述した砥石カバー部217aを構成する硬化性樹脂は水供給管216を取り付ける位置には塗られておらず、水供給管216内の搬送路と砥石217の連泡構造を形成する微小孔とがつながっている。水211を発泡させて泡状補助液とする場合は、砥石217内に水211を充填させた状態で、定着液回収ポンプ225を定着液を回収するときとは逆方向に向かう圧力を発生させる。これにより、エアフィルタ221から空気を吸引し、定着液回収管226を介して、砥石217の下方より空気を送り込む。これにより、砥石217の上面から吐出される水は泡状となり泡状補助液が残留泡状定着液収容部202内に供給され、残留泡状定着液Fbと混合する。このように、本実施形態の定着液回収装置200では、定着液液化装置400の砥石217及び定着液回収ポンプ225が補助液泡状化手段としての機能及び泡状補助液供給手段としての機能を備える。
本実施形態の定着液回収装置200では、残留泡状定着液収容部202内に泡状補助液を供給して残留泡状定着液Fbと混合した後、泡状補助液を供給しているときとは逆方向の圧力を発生させるように定着液回収ポンプ225を駆動する。これにより、泡状補助液及び残留泡状定着液Fbからなる泡状液が砥石217の微小孔に吸引され、砥石217を通過する間に液化して、液状となった状態で定着液回収ボトル220に収容される。
このように、定着液回収管226からは定着液回収ポンプ225の駆動よって空気が吸入または送出される。また、図7に示すように、砥石217の底面の窪み250が回収孔228と連通しており、定着液回収ポンプ225の駆動よって吸入または送出される空気を長手方向全体に出入りさせる。
次に、残留泡状定着液Fbを泡状補助液と混合させた後に回収する理由について説明する。
泡状の液体を消泡して通常の液状とする技術としては、特許文献4に記載された記載されたものなどがあるが、そのほとんどが製造工場等に用いられる技術であって大掛かりな装置が必要となり、画像形成装置が備える定着装置への転用は困難である。
特許文献4に記載の消泡する技術のうち、比較的小型化が可能な技術としては、泡状の液体を多孔質体に通すように吸引することで、泡状の液体を多孔質体の微小孔を通過させることで強制的に破泡させ液化して回収するものがある。
これは、連泡構造の多孔質体の微小孔が連通する2つの面の一方の面から微小孔に対して負圧を作用させ、他方の面に存在する泡状の液体を微小孔に吸引する簡易な構成であるため、小型化が可能である。
しかしながら、このように多孔質体の微小孔を通させる構成では、泡状の液体が存在する側の面の全体が泡状の液体に覆われていないと、吸引不良が生じることがある。これは以下の理由による。
すなわち、多孔質体の泡状の液体が存在する側の面の一部が泡状の液体で覆われておらず、負圧を作用させる側の面と微小孔で連通した状態となると、負圧を作用させたときに連通した微小孔から空気が吸引される状態となる。この状態になると、空気に比べて流体抵抗が大きい泡状の液体で覆われた微小孔には負圧が作用し難くなり吸引不良となる。吸引不良が生じると泡状の液体を液化できなくなるという不具合が生じる。なお、一部の微小孔が連通した状態であっても、吸引する力を大きくすることにより泡状の液体で覆われた微小孔から泡状の液体を吸引することは可能である。しかし、連通した微小孔から流体抵抗の小さな空気を吸引しながら連通していない微小孔から流体抵抗の大きな泡状の液体を吸引するため、非常に大きな吸引力が必要となり、出力の大きなポンプが必要になり、装置の小型化を妨げるという不具合が生じる。
ここで塗布ローラクリーニング装置20によって回収される残留泡状定着液Fbについて考えると、残留泡状定着液Fbは塗布位置Cを通過した後の塗布ローラ61の表面に残留したものであるため、その回収量にはムラが生じる。そして、この回収量のムラによって回収された残留泡状定着液Fbを収容する残留泡状定着液収容部202内でも残留泡状定着液Fbが有る箇所と無い箇所とのムラが生じる。
残留泡状定着液収容部202内の残留泡状定着液Fbを回収する構成として、液状補助液供給手段、補助液泡状化手段及び泡状補助液供給手段を設けず、定着液除去ブレード201によって除去され泡状定着液収容部202内にある残留泡状定着液Fbをそのまま砥石217を介して吸引する構成が考えられる。しかし、残留泡状定着液Fbは、塗布位置Cで転写紙Pに塗布されず、塗布ローラ61上に残留した泡状定着液FとオフセットトナーTbからなり、その回収量はムラがある。詳しくは、塗布位置Cで転写紙Pと対向した部分の塗布ローラ61の表面と、紙間等により塗布位置Cで転写紙Pと対向しなかった部分の塗布ローラ61の表面とでは後者の方が残留泡状定着液Fbの回収量が多くなるため、タイミングによって回収量にムラが生じる。また、塗布ローラ61の表面移動方向と直交する方向の幅方向についても、塗布位置Cにおける転写紙Pの幅方向の端部よりも内側(転写紙Pと接触した箇所)か外側(加圧ローラ62と接触した箇所)かの違いや転写紙P上の画像の状態の違いなどによって回収量にムラが生じる。
さらに、泡状の液体は流動性が低いため、ムラのある状態で泡状定着液収容部202内に回収されても、通常の液体のように均一に広がらず、回収時のムラの影響を受けたままの状態で泡状定着液収容部202の底面に配置された砥石217の上面に保持される。
図8は、補助液供給手段、補助液泡状化手段及び泡状補助液供給手段を備えない定着液液化装置400のみの定着液回収装置200で、回収量にムラがある状態のまま砥石217の上面に残留泡状定着液Fbが保持された状態を示す説明図である。
上述したように、回収量にムラがある残留泡状定着液Fbを泡状定着液収容部202にそのまま収容すると図8に示すように、砥石217の上面には残留泡状定着液Fbがある部分と、残留泡状定着液Fbがない部分とが存在する状態となることが多い。この状態では、残留泡状定着液Fbがある部分では砥石217の上面の微小孔が定着液によって塞がれ、残留泡状定着液Fbがない部分では砥石217の上面の微小孔が開放された状態となる。
この状態で、定着液回収ポンプ225によって図8中の矢印G2で示すような負圧を発生させて吸引を行うと、砥石217の上面に残留泡状定着液Fbがない部分の微小孔では吸引する抵抗が少ないため、そこから空気のみが吸い込まれ、負圧が抜ける状態となる。このように負圧が抜けてしまうと、残留泡状定着液Fbがある部分では砥石217の上面の微小孔に負圧が作用せず、残留泡状定着液Fbを吸い込むことができないという不具合が生じる。
また、泡状の液体は流動性が低いため、塗布ローラ61の表面から定着液除去ブレード201によって除去された残留泡状定着液Fbが図5に示すように定着液除去ブレード201の先端部の近傍に滞留易い。図5に示すように、定着液除去ブレード201の先端部の近傍に残留泡状定着液Fbが滞留した状態であっても、多孔質体である砥石217の上面の残留泡状定着液Fbと泡同士が繋がっていないと、定着液除去ブレード201の先端部に滞留する残留泡状定着液Fbを吸引することができない。すなわち、定着液除去ブレード201の先端部に滞留する残留泡状定着液Fbと砥石217の上面に接触する残留泡状定着液Fbとが一つの連なった泡とならずに分離していると、砥石217に負圧を作用させたときに砥石217に接触している残留泡状定着液Fbのみが吸引される。そして、定着液除去ブレード201の先端部に滞留する残留泡状定着液Fbは定着液除去ブレード201の先端部に滞留したままとなる。上述したように、泡状定着液は経時で自然に消泡して体積は徐々に小さくなるため、定着液除去ブレード201の先端部に滞留する残留泡状定着液Fbも経時で消泡して体積は徐々に小さくなる。しかし、残留泡状定着液Fbにはトナーが含まれているため、定着液除去ブレード201の先端部の近傍に滞留したまた時間が経つと残留泡状定着液Fbに含まれるトナーが滞留した位置で固化し、定着液除去ブレード201の先端部にトナーが固着し、クリーニング性能に重大な影響を及ぼす。
なお、残留泡状定着液Fbが滞留したままとなる対象は、定着液除去ブレード201に限るものではない。泡状定着液収容部202内の砥石217の上面以外の壁面を形成する部材に付着した残留泡状定着液Fbが砥石217の上面の残留泡状定着液Fbから分離している場合は、定着液除去ブレード201の場合と同様に壁面に保持されたままの状態となる。
このように、泡状定着液収容部202内の残留泡状定着液Fbの一部が砥石217の上面の残留泡状定着液Fbに対して分離して存在していると、砥石217の上面の残留泡状定着液Fbに対して液化する位置(砥石217の微小孔内)に向かう力を付与しても砥石217の上面の残留泡状定着液Fbに対して分離して存在している残留泡状定着液Fbには液化する位置に向かう力が作用しない。その結果、砥石217の上面の残留泡状定着液Fbに対して分離して存在している残留泡状定着液Fbは液化して回収することができなくなる。
このような不具合に対して、本実施形態の定着液回収装置200は、水211を発泡させて泡状補助液とし、残留泡状定着液Fbと混合した状態で吸引することで、残留泡状定着液Fbを回収する。
図9は、泡状補助液を残留泡状定着液収容部202内に供給する構成の説明図であり、図10は、泡状補助液を残留泡状定着液収容部202内に供給している状態の砥石217を上方から見た斜視図である。
水211を発泡させて泡状補助液とする場合は、まず、水供給ポンプ215を駆動して水ボトル210内の水211を図中矢印Eで示すように砥石217内に供給する。砥石217の連泡構造を構成する多数の微小孔は径の小さな孔であるため、この多数の微小孔は下面に連通しているが砥石217内に供給された水211は下面からほとんど漏れ出すことなく、砥石217内に保持される。なお、水211としては微量の界面活性剤を加えたものでもよい。
水211を適量供給した後、水供給ポンプ215の駆動を続けると共に、定着液回収ポンプ225を駆動して砥石217の下方から空気を送り込むと、砥石217内にある水211が砥石カバー部217aで覆われていない砥石217の上面から押し出される。このように、微小孔内の水211が空気によって押し出されることで、水211が発泡して泡状補助液Fcとなり、図9及び図10に示すように、砥石217の上方に泡状補助液Fcが盛り上る。
なお、定着液回収装置200で砥石217に対して空気よりも先に水211を供給するのは、次の理由による。
すなわち、砥石217内に水211を充満させずに空気を供給すると、水211によって塞がれていない一部の微小孔から空気が抜けて、水211を発泡させる効率が低下するためである。これに対して、空気よりも先に水211を砥石217に供給することで、ほぼ全ての微小孔を水211が塞いだ状態で空気の供給を行うことができ、一部の微小孔から空気が抜けて、水211を発泡させる効率が低下することを防止できる。
砥石217の上方に泡状補助液Fcが盛り上ることで図9に示すように、定着液除去ブレード201の先端部の近傍に滞留していた残留泡状定着液Fbと水を発泡させた泡状補助液Fcとを接触させることができる。さらに、泡状補助液Fcの供給を続けることで泡状補助液Fcと残留泡状定着液Fbとを混合することができる。
また、図8に示すように、砥石217の上面に残留泡状定着液Fbがムラのある状態で存在していても、図10で示すように砥石217の上方に泡状補助液Fcが盛り上るように泡状補助液Fcを供給することで泡状補助液Fcと残留泡状定着液Fbとを混合することができる。
このように、泡状定着液収容部202内で混合された泡状補助液Fcと残留泡状定着液Fbとは一つの連なった泡状液となる。このため、定着液除去ブレード201の先端部に付着したオフセットトナーTbを含有する残留泡状定着液Fbを、水211からなる泡状補助液Fcを混合することによって一つの連なった泡状液とし、回収し易くすることで定着液除去ブレード201のクリーニングを行うことができる。
図11は、定着液回収ポンプ225によって回収孔228に負圧が発生させたときの砥石217近傍の説明図である。
泡状定着液収容部202内で混合された泡状補助液Fcと残留泡状定着液Fbとは一つの連なった泡状液となった状態で、水211及び空気の供給を止めると、しばらく泡の状態で残り、ゆっくりと消泡して消えていく。これに対して、本実施形態の定着液回収装置200は、水211及び空気の供給を止めると同時に定着液回収ポンプ225によって圧力を発生させる方向を逆方向に切り換える。この切り換えにより、図11の矢印G2で示す気流を発生し、回収孔228に負圧が発生する。このように、定着液回収ポンプ225によって回収孔228に負圧が発生させると、泡状補助液Fcと残留泡状定着液Fbとが連なった泡状液は、瞬時に砥石217に吸い込まれ消泡して液状となることが確認された。
上述したように、砥石217の上面に残留泡状定着液Fbがある部分と無い部分とが存在すると、残留泡状定着液Fbが無い部分で負圧が抜けて、残留泡状定着液Fbを砥石217で吸い込むことができなかった。これに対して、本実施形態の定着液回収装置200では泡状定着液収容部202内に泡状補助液Fcを供給し、砥石217の上面全体を泡状の液体で覆い、泡状の液体がない部分が無いため、負圧が抜けることを防止し、泡状補助液Fcとともに残留泡状定着液Fbを砥石217で良好に吸い込むことができる。
また、上述したように、泡状の液体は流動性が低いため、定着液除去ブレード201の先端部の近傍に残留泡状定着液Fbが滞留した状態であっても、砥石217の上面に残留泡状定着液Fbがないと、残留泡状定着液Fbを吸引することができなかった。これに対して、本実施形態の定着液回収装置200では泡状定着液収容部202内に泡状補助液Fcを供給し、定着液除去ブレード201の先端部の近傍に滞留していた残留泡状定着液Fbと泡状補助液Fcとを接触させる。これにより、泡状補助液Fcと残留泡状定着液Fbとは一つの連なった泡状液となる。この連なった泡状駅を吸引することで、定着液除去ブレード201の先端部の近傍に滞留していた残留泡状定着液Fbが泡状補助液Fcともに砥石217に吸引されて液状となって定着液回収ボトル220に回収され、泡状定着液収容部202内から残留泡状定着液Fbをきれいに除去することができる。
なお、泡状の液体は流動性が低いため、一つの連なった泡状液として吸引してもその一部が泡状定着液収容部202内に残留することがある。このように、泡状の液体の一部が残留することは、残留泡状定着液Fbのみの場合でも起こり得る。さらに、泡状に限らず定着液の一部が残留し得る箇所としては、泡状定着液収容部202内に限らず、砥石217や定着液回収管226、定着液回収ポンプ225等の定着液回収経路がある。ここで、定着液が定着に用いる濃度のまま泡状定着液収容部202内や定着液回収経路に滞留すると、定着液によって泡状定着液収容部202や定着液回収経路を形成する部材が劣化するおそれがある。これに対して、本実施形態の定着液回収装置200では水を原料とした泡状補助液Fcと残留泡状定着液Fbとを混合して回収するため、回収する定着液を希釈することができる。これにより、回収泡と泡状定着液とを混合した液体の一部が回収されずに泡状定着液収容部202に滞留したり、液状となったこの混合液が定着液回収経路に滞留したりしても定着液が残留する場合に比べてこれらを形成する部材の劣化を抑制することができる。
また、泡状補助液Fcを残留泡状定着液Fbよりも水分が多くなるように生成することで、泡状補助液Fcと残留泡状定着液Fbとを混合した泡状の液体の粘度が残留泡状定着液Fbのみのときの粘度よりも低くすることができる。これにより、泡状定着液収容部202内に残留泡状定着液Fbを含んだ泡状の液体が残留し難くなる。
[変形例]
ここで、上述した実施形態の定着装置60とは定着液回収装置200の構成が異なる変形例について説明する。
図12は、変形例の定着装置60の定着液回収装置200を模式的に示す説明図である。
図1に示す定着装置60は、定着液液化装置400の砥石217及び定着液回収ポンプ225が補助液泡状化手段及び泡状補助液供給手段としての機能も備える構成であった。これに対して、図12に示す変形例の定着装置60の定着液回収装置200は、定着液液化装置400とは別に補助液泡状化手段及び泡状補助液供給手段としての泡状補助液供給装置700を備える点で上述した実施形態の定着液回収装置200とは異なる。
変形例の泡状補助液供給装置700は、連泡構造の微小孔が形成された多孔質体からなる補助液泡化砥石317及び空気供給ポンプ325を備える。直方体状の補助液泡化砥石317は、その6つの面のうちの図12中の左右の面は、連泡構造を構成する多数の微小孔が連通し、他の4つの面は補助液泡化砥石カバー部317aによって表面の微小孔がふさがれている。また、補助液泡化砥石317は補助液泡化土台327に取り付けられており、この補助液泡化土台327に接続された空気供給管326を介して空気供給ポンプ325に接続されている。
変形例の定着液回収装置200では水供給管216を補助液泡化砥石317に接続しており、水供給管216内の搬送路と補助液泡化砥石317の連泡構造を形成する微小孔とがつながっている。
このように、変形例の泡状補助液供給装置700の補助液泡化砥石317の近傍の構成は、上述した実施形態の定着液液化装置400の砥石217の近傍の構成と同様である。
一方、変形例の定着液液化装置400は、補助液泡化砥石317に水供給管216が供給されていない点と、エアフィルタ221を備えていない点とが上述した実施形態の定着液液化装置400と異なる。すなわち、図8を用いて説明した補助液供給手段、補助液泡状化手段及び泡状補助液供給手段を備えない定着液液化装置400のみの定着液回収装置200と同様の構成である。また、変形例の液状補助液供給装置300は上述した実施形態の液状補助液供給装置300と同様の構成である。
このような変形例の定着液回収装置200で水211を発泡させて泡状補助液Fcとする場合は、水供給ポンプ215を駆動して水ボトル210内の水211を補助液泡化砥石317に供給し、補助液泡化砥石317内に水211を充填させる。その後、空気供給ポンプ325を駆動させることで、エアフィルタ221から空気を吸引し、空気供給管326を介して、補助液泡化砥石317の図12中の左側より空気を送り込む。これにより、図12中の矢印Iで示すように、補助液泡化砥石317の図12中の右側の面から泡状補助液Fcが吐出し、残留泡状定着液収容部202内に泡状補助液Fcが供給され、残留泡状定着液Fbと混合する。これにより、泡状定着液収容部202内で混合された泡状補助液Fcと残留泡状定着液Fbとは一つの連なった泡状液となる。
残留泡状定着液収容部202内に泡状補助液Fcを供給した後、定着液回収ポンプ225を駆動することで、図12中の矢印Jで示すように、泡状補助液及び残留泡状定着液Fbからなる泡状液が砥石217の微小孔に吸引される。その後、この泡状液が砥石217を通過する間に液化して、液状となった状態で定着液回収ボトル220に収容される。
なお、定着液回収ポンプ225を駆動するときに、水供給ポンプ215及び空気供給ポンプ325は、駆動させたままでも良いし、停止させてもよい。
変形例の定着液回収装置200のように、定着液液化装置400とは別に補助液泡状化手段及び泡状補助液供給手段としての泡状補助液供給装置700を備える構成であっても、上述した実施形態の定着液回収装置200と同様に泡状定着液収容部202内から残留泡状定着液Fbをきれいに除去することができる。
なお、上述した実施形態及び変形例の定着液回収装置200が備える多孔質体(砥石217及び補助液泡化砥石317)としては、砥石に限るものではなく、液体が通過できる連泡構造で定着液に対して耐性のある材料からなる多孔質体であればよい。
また、上述した実施形態及び変形例の定着液回収装置200は、塗布ローラ61の表面に担持され、塗布位置Cで転写紙Pに付与されず塗布ローラ61に残留した泡状定着液Fを除去する塗布ローラクリーニング装置20に配置されている。泡状定着液Fを液状化して回収する装置として本発明の定着液回収装置200を適用する装置としては、塗布ローラクリーニング装置20に限るものではない。例えば、加圧ローラ62に付着した泡状定着液を除去する不図示の加圧ローラクリーニング装置に対しても適用可能であり、さらには、定着装置60内の何れの箇所であっても不要な泡状定着液Fを回収泡状定着液として回収することを要する箇所の定着液回収装置であれば適用可能である。
さらに、上述した実施形態及び変形例の定着液回収装置200は、液化回収手段が多孔質体を用いて泡状定着液を液化して回収する構成であるが、回収泡状定着液に泡状補助液を混合させて回収する構成に適用可能な液化回収手段は、多孔質体を用いた構成に限るものではない。泡状定着液を加熱して液化するものや破泡を促す成分を供給して科学的に破泡させて液化するものであっても、回収泡状定着液に泡状補助液を混合させた後に液化して回収してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例の定着液回収装置200では、残留泡状定着液収容部202の近傍で補助液である水211を発泡させており、補助液の泡状化と泡状補助液の供給とを同時に行っているため、補助液泡状化手段しての機能と泡状補助液供給手段としての機能とを一つの装置が兼ね備えている。補助液を泡状化して残留泡状定着液収容部202に供給する構成としては、補助液泡状化手段しての機能を備えた装置と泡状補助液供給手段としての機能を装置とを別々に設けても良い。
以上、本実施形態の定着装置60は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した液状定着液132を液中に気泡が分散した泡状定着液Fとする定着液泡状化手段である定着液泡状化装置500と、樹脂微粒子からなる樹脂微粒子層を担持する定着液付与対象の表面に泡状定着液Fを付与する泡状定着液付与手段である定着液塗布部600とを有し、泡状定着液Fを付与することで軟化したトナー粒子が軟化した未定着トナー像Tを記録媒体である転写紙Pに定着する定着装置である。そして、定着装置60は、定着液泡状化装置500によって泡状定着液Fになり、塗布位置Cで転写紙Pに付与されなかった残留泡状定着液Fbを回収泡状定着液として回収する泡状定着液回収手段である定着液回収装置200を有する。この定着液回収装置200は、残留泡状定着液Fbを収容する回収泡状定着液収容部である残留泡状定着液収容部202と、残留泡状定着液Fbと混合して残留泡状定着液Fbとともに回収される補助液である水211を液中に気泡が分散した泡状補助液Fcとする補助液泡状化手段としての機能と、泡状補助液Fcを残留泡状定着液収容部202内の残留泡状定着液Fbに供給する泡状補助液供給手段としての機能と、泡状補助液Fc及び残留泡状定着液Fbを混合した泡状の液体を液化して回収する液化回収手段としての機能とを有する定着液液化装置400を備える。さらに、定着液回収装置200は、定着液液化装置400の砥石217に液状補助液である水211を供給する液状補助液供給手段である液状補助液供給装置300を備える。
このような定着装置60では、水211を泡状とした泡状補助液Fcを残留泡状定着液収容部202内の残留泡状定着液Fbに供給して混合させる。泡状補助液Fcが残留泡状定着液収容部202内の残留泡状定着液Fbと接触すると2種の泡状の液体は一つの連なった泡状液として挙動する。このため、残留泡状定着液収容部202内の残留泡状定着液Fb同士が互いに分離して存在していても泡状補助液Fcを供給することで一つの連なった泡状液を形成することができる。そして、この一つの連なった泡状液に対して、液化する位置に向かう力を付与することで、一つの連なった泡状液に含まれる残留泡状定着液Fbの全体を液化する位置に向かわす力を作用させることができ、残留泡状定着液Fbを良好に回収することができる。
なお、残留泡状定着液Fbが液化した定着液が定着に用いる濃度のまま残留泡状定着液収容部202を含む定着液の回収経路に滞留すると、定着液によって回収経路を形成する部材が劣化するおそれがある。これに対して、本実施形態の定着装置60では、補助液が水211からなることで、回収経路を通過する液状定着液を希釈することができる。このため、残留泡状定着液Fbと泡状補助液Fcとを混合した泡状の液体の一部が回収されず残留泡状定着液収容部202内に滞留したり、この泡状の液体が液化して、回収経路の他の箇所に滞留したりしても定着液のみが残留する場合に比べて回収経路を形成する部材の劣化を抑制することができる。
また、定着装置60の泡状定着液付与手段である定着液塗布部600は、表面移動する表面に供給された泡状定着液Fを、定着液付与対象である転写紙Pと対向する塗布位置Cで転写紙Pの表面に塗布する塗布部材である塗布ローラ61を有し、定着液回収装置200は、塗布位置Cを通過した後の塗布ローラ61の表面から塗布部材クリーニング手段である塗布ローラクリーニング装置20によって除去された残留泡状定着液Fbを回収泡状定着液として回収する。塗布ローラ61を用いて転写紙Pに泡状定着液Fを付与することにより、定着液泡状化装置500から未定着トナー像Tを担持する転写紙Pに泡状定着液Fを吐出して直接供給する構成に比べて、転写紙Pに付与する泡状定着液Fを薄層化し易くなる。
また、定着装置60の塗布ローラクリーニング装置20は、クリーニング部材として塗布ローラ61の表面に接触するゴム製のクリーニングブレードである定着液除去ブレード201を備え、定着液回収装置200は泡状補助液Fcを供給する位置が定着液除去ブレード201の近傍となるように砥石217を配置している。これにより、塗布ローラ61から除去されるときに接触して定着液除去ブレード201に滞留する残留泡状定着液Fbを泡状補助液Fcとともに一つの連なった泡状液として除去することが可能となる。
また、定着装置60の補助液泡状化手段としての機能を有する定着液液化装置400が、補助液である水211を含ませた多孔質体である砥石217に定着液回収ポンプ225によって空気を送り込むことによって水211を発泡させ、泡状補助液Fcを生成する。また、変形例の請求項1の定着装置60は、定着液液化装置400とは別に備える補助液泡状化手段及びとしての泡状補助液供給装置700が、水211を含ませた多孔質体である補助液泡化砥石317に空気供給ポンプ325に空気を送り込むことによって水211を発泡させ、泡状補助液Fcを生成する。このように、補助液泡状化手段を多孔質体を用いる装置とすることで、補助液である水211から泡状補助液Fcを簡単に生成することができる。
また、液化回収手段である定着液液化装置400は、連泡構造の多孔質体である砥石217の連通する微小孔の一方側に付着した泡状の液体を微小孔の他方から負圧を作用させて吸引し、泡状の液体が微小孔を通過することで破泡させ、泡状の液体を液化するため、泡状の液体を液化し、液状の液体として回収することができる。
また、実施形態の定着装置60は、水211を含ませた砥石217に定着液回収ポンプ225によって空気を送り込むことによって水211を発泡させて泡状補助液Fcを生成する補助液泡状化手段と、連泡構造の多孔質体である砥石217の連通する微小孔の一方側に付着した泡状の液体を微小孔の他方から定着液回収ポンプ225によって空気を吸引し負圧を作用させて吸引し、泡状の液体が微小孔を通過することで破泡させ、泡状の液体を液化する液化回収手段との機能を定着液液化装置400が備える。そして、多孔質体である砥石217に対する空気の流れを吸引また送り込みに切り換えることで、水211を発泡させる多孔質体と泡状の液体を液化する多孔質体とを一つの砥石217で併用している。これにより、定着液回収ポンプ225による空気の流れを逆転させるという簡易な構成で、泡状補助液Fcの作成と残留泡状定着液Fbを含む泡状の液体の破泡及び吸引とを一つの砥石217で連続して行うことができる。
また、定着装置60で、泡状補助液供給手段として機能する装置が供給する泡状補助液Fcは、回収泡状定着液である残留泡状定着液Fbよりも気体成分に対する液体成分の割合が多いことにより、液化して回収する泡状の液体の組成は残留泡状定着液Fbよりも液状に近くなる。これにより、回収する泡状の液体の粘度を下げることができ、残留泡状定着液Fbのみを吸引して回収するよりも吸引し易くする。
本実施形態の画像形成装置としての複写機100は、樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体である転写紙P上に未定着トナー像Tを形成するトナー像形成手段である作像ユニット3等と、転写紙P上にトナー像を定着せしめる定着手段とを備え、定着手段として、本実施形態の定着装置60を用いる。定着装置60では残留泡状定着液Fbを良好に回収することができるため、複写機100では、回収な泡状定着液Fが塗布ローラ61に残留することに起因する定着不良を防止することができ、良好な画像形成を行うことができる。さらに、定着装置60は非加熱の定着方式であるため、熱定着方式の定着装置を備えた構成よりも省エネルギー化を実現できる。
1 プリンタ部
2 光書込装置
3 作像ユニット
4 感光体
5 帯電ローラ
6 現像装置
10 排紙トレイ
12 現像ローラ
15 ドラムクリーニング装置
16 クリーニングブレード
20 塗布ローラクリーニング装置
22 除電ランプ
28 紙搬送ユニット
29 紙搬送ベルト
30 駆動ローラ
31 二次転写ローラ
32 ベルトクリーニング装置
33 レジストローラ対
36 スイッチバック装置
37 紙搬送路
40 給紙装置
41 ペーパーバンク
42 給紙カセット
43 送出ローラ
44 給紙路
45 分離ローラ
46 搬送ローラ
50 原稿搬送読取ユニット
51 ADF
60 定着装置
61 塗布ローラ
62 加圧ローラ
90 転写ユニット
91 中間転写ベルト
92 第一張架ローラ
94 下部張架ローラ
95 一次転写ローラ
100 複写機
130 泡状定着液生成部
131 定着液ボトル
132 液状定着液
150 スキャナ部
151 固定読取部
152 移動読取部
153 画像読取センサ
200 定着液回収装置
201 定着液除去ブレード
202 泡状定着液収容部
210 水ボトル
211 水
215 水供給ポンプ
216 水供給管
217 砥石
217a 砥石カバー部
220 定着液回収ボトル
221 エアフィルタ
225 定着液回収ポンプ
226 定着液回収管
227 土台
228 回収孔
250 窪み
300 液状補助液供給装置
317 補助液泡化砥石
317a 補助液泡化砥石カバー部
325 空気供給ポンプ
327 補助液泡化土台
400 定着液液化装置
500 定着液泡状化装置
600 定着液塗布部
700 泡状補助液供給装置
C 塗布位置
F 泡状定着液
Fb 残留泡状定着液
Fc 泡状補助液
P 転写紙
T 未定着トナー像
Ta 定着トナー像
Tb オフセットトナー
特開2006−78573号公報 特開2004−109749号公報 特開2007−219105号公報 特開平9−94561号公報

Claims (7)

  1. 樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した液状定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液泡状化手段と、
    該樹脂微粒子からなる樹脂微粒子層を担持する定着液付与対象の表面に該泡状定着液を付与する泡状定着液付与手段とを有し、
    該泡状定着液を付与することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着装置において、
    上記定着液泡状化手段によって上記泡状定着液になり、上記定着液付与対象に付与されなかった該泡状定着液を回収泡状定着液として回収する泡状定着液回収手段を有し、
    該泡状定着液回収手段は、該回収泡状定着液を収容する回収泡状定着液収容部と、
    回収泡状定着液収容部内の該回収泡状定着液と混合して該回収泡状定着液とともに回収されることで回収を補助する補助液を液中に気泡が分散した泡状補助液とする補助液泡状化手段と、
    該回収泡状定着液収容部内の該回収泡状定着液に該泡状補助液を供給する泡状補助液供給手段と、
    該泡状補助液及び該回収泡状定着液を混合した泡状の液体を液化して回収する液化回収手段とを備え
    上記液化回収手段は、連泡構造の多孔質体の連通する孔の一方側に付着した上記泡状の液体を該孔の他方から負圧を作用させて吸引し、該泡状の液体が該孔を通過することで破泡させ、該泡状の液体を液化することを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の定着装置において、
    上記泡状補助液供給手段は、上記補助液を含ませた多孔質体に空気を送り込むことによって該補助液を発泡させ、上記泡状補助液を生成する補助液泡状化手段を備えることを特徴とする定着装置。
  3. 樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した液状定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液泡状化手段と、
    該樹脂微粒子からなる樹脂微粒子層を担持する定着液付与対象の表面に該泡状定着液を付与する泡状定着液付与手段とを有し、
    該泡状定着液を付与することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着装置において、
    上記定着液泡状化手段によって上記泡状定着液になり、上記定着液付与対象に付与されなかった該泡状定着液を回収泡状定着液として回収する泡状定着液回収手段を有し、
    該泡状定着液回収手段は、該回収泡状定着液を収容する回収泡状定着液収容部と、
    回収泡状定着液収容部内の該回収泡状定着液と混合して該回収泡状定着液とともに回収されることで回収を補助する補助液を液中に気泡が分散した泡状補助液とする補助液泡状化手段と、
    該回収泡状定着液収容部内の該回収泡状定着液に該泡状補助液を供給する泡状補助液供給手段と、
    該泡状補助液及び該回収泡状定着液を混合した泡状の液体を液化して回収する液化回収手段とを備え、
    連泡構造の多孔質体の連通する孔の一方側に付着した上記泡状の液体を該孔の他方から空気を吸引し負圧を作用させて吸引し、該泡状の液体が該孔を通過することで破泡させ、該泡状の液体を液化する上記液化回収手段を備え、
    上記泡状補助液供給手段は、上記補助液を含ませた多孔質体に空気を送り込むことによって該補助液を発泡させ、上記泡状補助液を生成する補助液泡状化手段を備え、
    該多孔質体に対する空気の流れを吸引また送り込みに切り換えることで、補助液泡状化手段で該補助液を発泡させる部材と該液化回収手段で該泡状の液体を液化する部材とを一つの多孔質体で併用することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置において、
    上記泡状定着液付与手段は、表面移動する表面に供給された上記泡状定着液を、上記定着液付与対象と対向する塗布位置で該定着液付与対象の表面に塗布する塗布部材を有し、
    上記泡状定着液回収手段は、該塗布位置を通過した後の該塗布部材の表面から塗布部材クリーニング手段によって除去された上記泡状定着液を上記回収泡状定着液として回収することを特徴とする定着装置。
  5. 請求項の定着装置において、
    上記塗布部材クリーニング手段は、クリーニング部材として上記塗布部材の表面に接触するゴム製のクリーニングブレードを備え、上記泡状補助液供給手段は上記泡状補助液を供給する位置が該クリーニングブレードの近傍となるように配置していることを特徴とする定着装置
  6. 求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置において、
    上記泡状補助液は、上記回収泡状定着液よりも気体成分に対する液体成分の割合が多いことを特徴とする定着装置。
  7. 樹脂と色剤とを含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上に画像情報に基づいてトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面である定着液付与対象の表面に泡状定着液を塗布し、
    該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、
    該定着手段として、請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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