JP4926642B2 - 車両用照明灯具 - Google Patents

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Description

本願発明は、光源およびその灯具前方側に配置されたレンズにより所定の配光パターンを形成するように構成された車両用照明灯具に関するものである。
従来より、コーナリングランプやヘッドランプの灯具ユニット等においては、灯具前後方向に延びる光軸上に配置された光源からの光を、その灯具前方側に配置されたレンズにより灯具前方へ向けて偏向出射させ、これにより所定の配光パターンを形成するように構成されたものが知られている。
例えば「特許文献1」には、コーナリングランプとしての構成例が記載されており、また「特許文献2」や「特許文献3」には、ヘッドランプの灯具ユニットとしての構成例が記載されている。
なお「特許文献4」には、ヘッドランプにおけるプロジェクタ型の灯具ユニットにおいて、その投影レンズの表面形状が通常の投影レンズとは異なる形状に設定されたものが記載されている。
特開2005−141918号公報 特開2005−44683号公報 実開平4−21005号公報 特開2005−183090号公報
コーナリングランプやヘッドランプの灯具ユニット等の車両用照明灯具は、車両の車体形状に沿って配置されることが多いので、そのレンズについても車体形状に沿った表面形状で形成することが、灯具レイアウトの自由度を高めたり、車両の意匠性を高める観点から好ましい。
しかしながら、上記「特許文献2」および「特許文献3」に記載された車両用照明灯具においては、そのレンズとして平凸レンズが用いられており、また、上記「特許文献1」に記載された車両用照明灯具においては、そのレンズとして前方側表面が楕円球面で構成されたものが用いられており、いずれも車体形状に沿ったものとはなっていない。このため、灯具レイアウトや車両デザインの自由度を高める上で不十分である、という問題がある。
なお、上記「特許文献4」に記載された灯具ユニットの投影レンズは、通常の投影レンズとは異なる表面形状を有しているが、この場合においても、表面形状としてある程度の規則性を有しており、車体形状に即応した表面形状にはなっていない。
また、仮に、レンズの前方側表面を車体形状等に沿った自由曲面で構成したとしても、単にそれだけでは所望する配光パターンを精度良く形成することはできない。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、光源およびその灯具前方側に配置されたレンズにより所定の配光パターンを形成するように構成された車両用照明灯具において、そのレンズの前方側表面を自由曲面で構成した場合であっても、所望する配光パターンを精度良く形成することができる車両用照明灯具を提供することを目的とするものである。
本願発明は、レンズの前方側表面を自由曲面で構成するとともに、その後方側表面についても所定の自由曲面で構成することにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願第1の発明に係る車両用照明灯具は、
灯具前後方向に延びる光軸上に配置された光源と、この光源の灯具前方側に配置され、該光源からの光を灯具前方へ向けて偏向出射させるレンズとを備えてなり、所定の配光パターンを形成するように構成された車両用照明灯具において、
上記レンズの前方側表面が、第1の自由曲面で構成されており、
上記前方側表面からの出射光の上記光軸に対する出射角度が、該前方側表面上の各点毎に目標出射角度として設定されており、
上記レンズの後方側表面が、上記各点毎に設定された目標出射角度での光出射を実現するための傾斜角を有する面素を連続的に形成してなる第2の自由曲面で構成されており、
上下方向の目標出射角度が、上記光軸よりも上方側においては上下方向開き角度が大きくなっても一定値に維持される一方、上記光軸よりも下方側においては上下方向開き角度が大きくなるに従って大きくなるように設定されている、ことを特徴とするものであり、
また、本願第2の発明に係る車両用照明灯具は、
灯具前後方向に延びる光軸上に配置された光源と、この光源の灯具前方側に配置され、該光源からの光を灯具前方へ向けて偏向出射させるレンズとを備えてなり、所定の配光パターンを形成するように構成された車両用照明灯具において、
上記レンズの前方側表面が、第1の自由曲面で構成されており、
上記前方側表面からの出射光の上記光軸に対する出射角度が、該前方側表面上の各点毎に目標出射角度として設定されており、
上記レンズの後方側表面が、上記各点毎に設定された目標出射角度での光出射を実現するための傾斜角を有する面素を連続的に形成してなる第2の自由曲面で構成されており、
上下方向の目標出射角度が、上記光軸に対して上下いずれの側においても、上下方向開き角度が大きくなるに従って大きくなるように設定されており、かつ、上記光軸の下方側においては上記光軸の上方側におけるよりも上記目標出射角度の変化率が小さい値に設定されている、ことを特徴とするものである。
上記「車両用照明灯具」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、コーナリングランプ、ヘッドランプの灯具ユニット、フォグランプ等が採用可能である。
上記「灯具前後方向」は、車両前後方向と一致していてもよいし一致していなくてもよい。
上記「光源」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、発光ダイオードやレーザダイオード等の発光素子の発光チップ、放電バルブの放電発光部、ハロゲンバルブのフィラメント等が採用可能である。さらに、上記「光源」として、このような一次光源のほかに、該一次光源からの光をリフレクタやレンズ等により略一点に収束させることにより形成される二次光源を採用することも可能である。
上記「第1の自由曲面」の具体的な形状は特に限定されるものではなく、例えば、車体の表面と面一で形成された曲面、あるいはこの曲面に対して等間隔をおいて形成された曲面等が採用可能である。
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用照明灯具は、灯具前後方向に延びる光軸上に配置された光源からの光を、その灯具前方側に配置されたレンズにより灯具前方へ向けて偏向出射させて、所定の配光パターンを形成するように構成されているが、上記レンズの前方側表面は第1の自由曲面で構成されており、この前方側表面からの出射光の光軸に対する出射角度が、該前方側表面上の各点毎に目標出射角度として設定されており、また、上記レンズの後方側表面は、上記各点毎に設定された目標出射角度での光出射を実現するための傾斜角を有する面素を連続的に形成してなる第2の自由曲面で構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、レンズの前方側表面が第1の自由曲面で構成されているので、この前方側表面を車体の表面形状に沿った形状で形成することが容易に可能となる。
また、レンズの前方側表面からの出射光の光軸に対する出射角度が、該前方側表面上の各点毎に目標出射角度として設定されているので、所望する配光パターンの形状やその光度分布に応じて各点毎の目標出射角度を設定することにより、配光パターンを精度良く形成することができる。
さらに、レンズの後方側表面が、その前方側表面上の各点毎に設定された目標出射角度での光出射を実現するための傾斜角を有する面素を連続的に形成してなる第2の自由曲面で構成されているので、この後方側表面に段差等を生じさせることなく上記光出射に必要な光路を得ることができる。
この第2の自由曲面は、具体的には、次のような手順で生成することが可能である。
すなわち、まず、レンズの前方側表面上の適当な点(例えば、光軸上に位置する点、あるいは外周縁に位置する点等)を基準点として設定する。そして、この基準点から上記目標出射角度で光を出射させるために必要な、レンズ内における上記基準点への光入射方向を、スネルの法則を用いて算出する。
次に、この光入射方向に延びる直線上の適当な位置に、第2の自由曲面を生成する際の起点を設定する。そして、この起点に、第2の自由曲面の一部を構成する最初の面素を割り付ける。その際、上記光入射方向に延びる直線が、光源の発光中心と上記起点とを結ぶ直線となす角度を算出し、この角度分の屈折力が得られるように、上記最初の面素の傾斜角を、スネルの法則を用いて算出する。
そして、レンズの前方側表面上において上記基準点に隣接する点に対して、上記基準点の場合と同様の手順で演算を行い、上記最初の面素に隣接する面素の傾斜角を算出する。以下、同様の処理を繰り返し、これら一連の面素を連続的に形成することにより、レンズ全域にわたって拡がる第2の自由曲面を生成することが可能となる。
このように本願発明によれば、光源およびその灯具前方側に配置されたレンズにより所定の配光パターンを形成するように構成された車両用照明灯具において、そのレンズの前方側表面を自由曲面で構成した場合であっても、所望する配光パターンを精度良く形成することができる。そしてこれにより、灯具レイアウトや車両デザインの自由度を高めることができる。
特に、本願発明に係る車両用照明灯具のレンズは、その前方側表面および後方側表面がいずれも自由曲面で構成されており、これによりレンズの表面に段差等が形成されないようにすることができるので、車両用照明灯具の見映えを向上させることができる。
上記構成において、レンズの前方側表面を、その全領域にわたって第1の自由曲面で構成する代わりに、この前方側表面における光軸の近傍に位置する中央領域を、この中央領域を囲む一般周辺領域よりも後方側において、光源の位置を基準にして第1の自由曲面と略相似形に形成された第3の自由曲面で構成するとともに、これら中央領域と一般周辺領域とが環状壁面を介して接続された構成とすることも可能である。
このような構成を採用することにより、レンズの薄型化および軽量化を図ることができ、また、薄型した分だけ光源からの光の透過効率を高めることができる。
特に、本願発明に係る車両用照明灯具のレンズは、その前方側表面および後方側表面がいずれも自由曲面で構成されているので、これを合成樹脂製のレンズで構成することが面精度を確保する上で好ましいが、その際、レンズの肉厚が部分的に極端に厚くなると、ヒケが生じやすくなり、面精度を確保しにくくなる。
その点、レンズの前方側表面における光軸の近傍に位置する中央領域を、一般周辺領域よりも後方側に変位させるようにすれば、レンズの肉厚が部分的に極端に厚くなってしまうのを未然に防止することができ、これにより面精度を確保することが容易に可能となる。また、このような構成とすることにより、灯具点灯時におけるレンズ内の温度上昇も抑制することができ、耐熱性に劣る合成樹脂製のレンズにとって好ましいものとなる。
その際、この中央領域を構成する第3の自由曲面は、光源を基準にして第1の自由曲面と略相似形に形成されているので、この中央領域の各点からの出射光を、レンズの前方側表面がその全領域にわたって第1の自由曲面で構成されているとした場合における各点からの出射光と略同じ方向へ向かう光とすることができる。
また、光軸を含む平面内における環状壁面の傾斜角度を、中央領域の外周縁部からの出射光の光軸に対する出射角度と略同じ値に設定すれば、中央領域からの出射光の一部が、環状壁面からレンズ内に再入射して一般周辺領域から予期せぬ方向へ出射してしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより、環状壁面を形成したためにレンズの光制御機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制することができる。
上記構成において、車両用照明灯具の光源を、発光ダイオード等の発光素子における発光チップで構成し、この発光チップからの直射光をレンズに入射させるように構成すれば、車両用照明灯具をコンパクトに構成することができる。
上記構成において、上記「光源」として、この光源の位置よりも後方側に配置された一次光源からの光を、この一次光源の発光中心を第1焦点とする回転楕円面からなる反射面を有するリフレクタで反射させてその回転楕円面の第2焦点に収束させることにより形成される二次光源を採用するようにすれば、一次光源からの出射光に対する光束利用率を高めることができるとともに、一次光源に比して光源の輝度ムラを低減することができる。上記「一次光源」の種類は、特に限定されるものではなく、また、上記「回転楕円面」の中心軸は、二次光源からの光がレンズに入射し得る角度範囲内であれば、光軸と一致する軸線であってもよいし一致しない軸線であってもよい。
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
まず、本願発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用照明灯具10を示す平断面図である。また、図2は、図1のII-II 線断面図であり、図3は、図1のIII 方向矢視図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用照明灯具10は、車体2の左前端コーナ部に装着されるコーナリングランプであって、車両が左側へ旋回走行する際に、その左斜め前方路面を照射するようになっている。
この車両用照明灯具10は、車両前後方向に延びる軸線Ax0に対して車幅方向外側へ所定角度ν(具体的にはν=50°程度)傾斜した方向に延びる光軸Ax上に配置された発光ダイオード12と、この発光ダイオード12の灯具前方側(すなわち光軸Ax方向前方側)に配置され、該発光ダイオード12からの光を灯具前方へ向けて偏向出射させるレンズ14とを備えてなっている。
発光ダイオード12は、0.3〜3mm四方程度の大きさの正方形の発光チップ12aが略半球状の樹脂モールド12bで封止されてなる白色発光ダイオードであって、その発光チップ12aが光軸Ax上において灯具前方側へ向けて配置された状態で、金属製の支持プレート16に固定支持されている。この支持プレート16は、灯具前方側へ向けて拡がる略すり鉢状のホルダ18の後部鉛直面部18aの後面に位置決め固定されている。その際、この後部鉛直面部18aには、その光軸Ax上に、樹脂モールド12bの外径よりもやや大きい円形の小孔18cが形成されており、この小孔18cから樹脂モールド12bを灯具前方側へ露出させるようになっている。
レンズ14は、その前方側表面14aが、車体2の表面と略面一で延びる第1の自由曲面で構成されており、その後方側表面14bが、この第1の自由曲面に応じた第2の自由曲面(これについては後述する)で構成されている。そして、このレンズ14は、その後方側表面14bの外周縁部をホルダ18の前端面18bに当接させた状態で該ホルダ18に固定支持されている。
図4は、本実施形態に係る車両用照明灯具10から前方へ照射される光により、車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される横長配光パターンPCを透視的に示す図である。
この横長配光パターンPCは、車両前後方向に延びる軸線Ax0の車両正面方向の消点であるH−Vを通る鉛直線であるV−V線の左側に形成され、その上端縁はH−Vを通る水平線であるH−H線のやや下方に位置している。
その際、この横長配光パターンPCは、V−V線の左側50°程度の方向を中心にして、V−V線近傍からその左側100°程度までの範囲にわたって形成されており、その高光度領域であるホットゾーンHZは、この横長配光パターンPCの左右方向の略中心でかつその上端縁寄りの位置に横長形状で形成されている。
このような横長配光パターンPCを精度良く形成するため、本実施形態においては、レンズ14の前方側表面14a上の各点毎に目標出射角度が設定されており、また、その後方側表面14bを構成する第2の自由曲面は、上記目標出射角度での光出射を実現するための曲面形状に設定されている。
この第2の自由曲面は、次のような手順で形状設定されるようになっている。
すなわち、まず、図1および2に示すように、レンズ14からの出射光の光軸Axに対する出射角度を、その前方側表面14a上の各点毎に目標出射角度として設定する。その際、この目標出射角度は、その水平成分と鉛直成分とに分けて、水平方向の目標出射角度αと上下方向の目標出射角度βとして設定する。
具体的には、図1に示すように、前方側表面14a上の点Pと発光チップ12aの発光中心Oとを結ぶ直線L0が光軸Axとなす角度の水平成分を水平方向開き角度θHとし、この水平方向開き角度θHに対応させて水平方向の目標出射角度αを設定する一方、図2に示すように、前方側表面14a上の点Qと発光チップ12aの発光中心Oとを結ぶ直線L0が光軸Axとなす角度の鉛直成分を上下方向開き角度θVとし、この上下方向開き角度θVに対応させて上下方向の目標出射角度βを設定する。
その際、水平方向の目標出射角度αは、横長配光パターンPCの水平方向の拡散角度および光度分布に応じた値に設定する。すなわち、図5(a)のグラフに示すように、水平方向開き角度θHが大きくなるに従って、これと略正比例の関係で目標出射角度αが大きくなるようにする。このとき、横長配光パターンPCは、光軸Axの方向(すなわちV−V線の左側50°程度の方向)に対して右側に位置する部分よりも左側に位置する部分の方が、水平方向の拡散角度がやや大きくなっているので、目標出射角度αの変化率は、右方向の目標出射角度αよりも左方向の目標出射角度αの方がやや大きい値となるように設定しておく。
一方、上下方向の目標出射角度βは、横長配光パターンPCの上下方向の拡散角度および光度分布に応じた値に設定する。すなわち、図5(b)のグラフに示すように、光軸Axよりも上方側においては、上下方向開き角度θVが大きくなっても目標出射角度βを負の小さい一定値に維持し、これによりレンズ14からの出射光が、やや下向きの平行光となるようにする。また、同グラフに示すように、光軸Axよりも下方側においては、上下方向開き角度θVが大きくなるに従って、これと略正比例の関係で目標出射角度βが大きくなるようにする。ただし、この目標出射角度βの変化率は、目標出射角度αの変化率に比してかなり小さい値に設定し、レンズ14からの出射光が下向きにやや拡散する程度の光となるようにする。
次に、レンズ14の後方側表面14bを構成する第2の自由曲面を生成する。この第2の自由曲面の生成は、前方側表面14a上の各点毎に設定された目標出射角度での光出射を実現するための傾斜角を有する面素を連続的に形成することにより行う。
図6は、この第2の自由曲面の水平断面形状を構成する自由曲線C2を生成する手順を示す図である。
まず、同図(a)に示すように、レンズ14の前方側表面14aの水平断面形状を構成する自由曲線C1上の点Pから目標出射角度αで光を出射させるために必要な、該レンズ14内における点Pへの光入射方向を算出する。
その際、レンズ14の前方側表面14aは、車体2の表面形状に沿った第1の自由曲面で構成されているので、点Pにおける自由曲線C1の法線N1の方向は既知である。そこで、点Pからの光出射方向(直線L1で示す方向)に対応する点Pへの光入射方向(直線L2で示す方向)を、スネルの法則を用いて算出する。
次に、同図(b)に示すように、生成途上にある自由曲線C2が直線L2と交差する点Rと発光チップ12aの発光中心Oとを直線L3で結び、この直線L3が直線L2となす角度δを算出する。
なお、この自由曲線C2は、後述するように光軸Ax上の点Sを起点として生成されるが、説明の便宜上、すでに点Rの位置まで自由曲線C2が生成されているものとする。
次に、点Rに自由曲線C2の線素Eを割り付ける。その際、この線素Eにおいて角度δ分の屈折力が得られるように、この線素Eの法線N2の方向を、スネルの法則を用いて算出し、線素Eの傾斜角も同時に算出する。そしてこれにより、発光チップ12aの発光中心Oから出射した光が、直線L3〜直線L2〜直線L1の光路で、レンズ14から灯具前方へ出射するようにする。
そして、自由曲線C1上において点Pの右側(すなわち光軸Axから離れる側)に隣接する点に対して、点Pの場合と同様の手順で演算を行い、線素Eの右側に隣接する線素の傾斜角を算出する。以下、同様の処理を繰り返し、これら一連の線素を連続的に形成することにより、自由曲線C2における光軸Axの右側に位置する部分を生成する。
この自由曲線C2の生成は、自由曲線C1上において光軸Ax上に位置する点P0を基準点に設定して行う。このとき、自由曲線C2を生成する際の起点Sは、基準点P0に対応する点として光軸Ax上に設定され、この起点Sに割り付けられる最初の線素は、起点Sにおいて光軸Axと直交するものとなる。これは、基準点P0における目標出射角度αがα=0°に設定されており(図1参照)、これにより自由曲線C1の基準点P0における法線N1が光軸Axと一致し、上記直線L3〜直線L2〜直線L1の光路も光軸Axと一致することによるものである。
なお、起点Sの光軸Ax上における前後方向の位置は、レンズ14の後方側表面14bの全域にわたって第2の自由曲面を生成し得る程度に基準点P0から離すようにした上で、レンズ14が不必要に厚肉になってしまわないよう基準点P0にできるだけ近い位置に設定する。
自由曲線C2における光軸Axの左側に位置する部分についても、上記光軸Ax上の点Sを起点として同様の手順で生成する。
そして、この自由曲線C2の生成手順と同様の手順で、光軸Axを含む平面だけでなく、この平面の上下両側に位置する該平面と平行な複数の平面の各々においても、第2の自由曲面の水平断面形状を構成する自由曲線を生成する。
また、レンズ14の後方側表面14bを構成する第2の自由曲面の鉛直断面形状を構成する自由曲線についても、自由曲線C2の生成手順と同様の手順で生成する。そして、これら水平断面形状を構成する複数の自由曲線および鉛直断面形状を構成する複数の自由曲線の包絡面として(すなわち、水平断面形状を構成する複数の自由曲線の各々の線素と鉛直断面形状を構成する複数の自由曲線の各々の線素との組み合わせでマトリクス状に配置される複数の面素を連続的に形成することにより)、第2の自由曲面を生成する。
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用照明灯具10は、灯具前後方向に延びる光軸Ax上に配置された発光ダイオード12からの光を、その灯具前方側に配置されたレンズ14により灯具前方へ向けて偏向出射させて、横長配光パターンPCを形成するように構成されているが、そのレンズ14の前方側表面14aは第1の自由曲面で構成されているので、この前方側表面14aを車体2の表面形状に沿った形状(本実施形態においては、車体2の表面と略面一で延びる曲面形状)で形成することが容易に可能となる。
また、本実施形態に係る車両用照明灯具10は、そのレンズ14の前方側表面14aからの出射光の光軸Axに対する出射角度が、横長配光パターンPCの形状およびその光度分布に応じて、該前方側表面14a上の各点毎に目標出射角度として設定されているので、横長配光パターンPCを精度良く形成することができる。
さらに、本実施形態に係る車両用照明灯具10は、そのレンズ14の後方側表面14bが、その前方側表面14a上の各点毎に設定された目標出射角度での光出射を実現するための傾斜角を有する面素を連続的に形成してなる第2の自由曲面で構成されているので、この後方側表面14bに段差等を生じさせることなく上記光出射に必要な光路を得ることができる。
このように本実施形態に係る車両用照明灯具10は、そのレンズ14の前方側表面14aが自由曲面で構成されているにもかかわらず、所望する横長配光パターンPCを形成することができる。そしてこれにより、灯具レイアウトや車両デザインの自由度を高めることができる。
しかも、本実施形態に係る車両用照明灯具10のレンズ14は、その前方側表面14aおよび後方側表面14bがいずれも自由曲面で構成されており、これによりレンズ14の表面に段差等が形成されないようにすることができるので、車両用照明灯具10の見映えを向上させることができる。
また、本実施形態に係る車両用照明灯具10は、その光源が発光ダイオード12の発光チップ12aで構成されており、この発光チップ12aからの直射光をレンズ14に入射させるように構成されているので、この車両用照明灯具10をコンパクトに構成することができる。
その際、発光ダイオード12は、その発光チップ12aを封止する略半球状の樹脂モールド12bのみを、ホルダ18の後部鉛直面部18aに形成された小孔18cから灯具前方側へ露出させるようにして配置されているので、レンズ14を透して拡大して見える灯室内の意匠を見映えの良いものとすることができる。
さらに本実施形態においては、レンズ14の上半部が発光ダイオード12からの光を上下方向に関して平行光として出射するように構成されるとともに、レンズ14の下半部が発光ダイオード12からの光を上下方向に関して下向きに拡散する光として出射するように構成されているので、横長配光パターンPCを、上端部近傍が明るく下端部へ向けて徐々に暗くなるように形成することができる。そしてこれにより、灯具前方路面を近距離領域から遠距離領域まで略均一な明るさで照射することができ、車両旋回時における車両進行方向前方の路面の視認性をより高めることができる。
次に、本願発明の第2実施形態について説明する。
図7は、本実施形態に係る車両用照明灯具110を示す正面図である。また、図8は、図7のVIII-VIII
線断面図であり、図9は、図7のIX-IX 線断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用照明灯具110は、車体の左前端コーナ部に装着されるヘッドランプの一部として組み込まれる灯具ユニットであって、ハイビーム用配光パターンを形成するための光照射を行うようになっている。上記ヘッドランプは、車体表面と略面一で延びる素通し状の透光カバー102を有しており、車両用照明灯具110は、この透光カバー102と図示しないランプボディとで構成される灯室内に収容されるようになっている。
この車両用照明灯具110は、車両前後方向に延びる光軸Ax上に配置された光源バルブ112と、この光源バルブ112からの光を前方へ向けて光軸Ax寄りに反射させるリフレクタ116と、このリフレクタ116の前方に配置されたレンズ114と、このレンズ114とリフレクタ116とを連結するホルダ118とを備えてなっている。
光源バルブ112は、放電発光部112aを光源とするメタルハライドバルブ等の放電バルブであって、リフレクタ116の後頂開口部116bに後方側から挿着されており、その放電発光部112aは、光軸Ax上において該光軸Axに沿って延びる線分光源として構成されている。
リフレクタ116は、光軸Axを中心軸とする回転楕円面で構成された反射面116aを有している。その際、この反射面116aを構成する回転楕円面は、その第1焦点F1が放電発光部112aの発光中心に位置設定されており、その第2焦点F2は、第1焦点F1の前方側に位置設定されている。そして、このリフレクタ116は、一次光源としての放電発光部112aからの光を、前方へ向けて光軸Ax寄りに反射させて第2焦点F2の位置に収束させることにより二次光源を形成し、この二次光源からの光を第2焦点F2からの発散光としてレンズ114に入射させるようになっている。
レンズ114は、その前方側表面114aが、透光カバー102の後方近傍において該透光カバー102と略等間隔をおいて延びる第1の自由曲面で構成されており、その後方側表面114bが、この第1の自由曲面に応じた第2の自由曲面(これについては後述する)で構成されている。
このレンズ114は、その後方側表面114bの外周縁近傍部位をホルダ118の前端面に当接させた状態で該ホルダ118に固定支持されている。このレンズ114の後方側表面114bの外周縁近傍部位には、該レンズ114をホルダ118に位置決めするための環状フランジ部114cが形成されている。
ホルダ118は、レンズ114とリフレクタ116との間に配置された略円筒状の部材であって、その後端部においてリフレクタ116に固定支持されており、これによりレンズ114とリフレクタ116とを上記位置関係で位置決めするようになっている。
図10は、本実施形態に係る車両用照明灯具110から前方へ照射される光により、車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンPHを透視的に示す図である。
このハイビーム用配光パターンPHは、H−Vを中心にして左右方向に大きく拡がる配光パターンとして形成されており、そのホットゾーンHZはH−V近傍にやや横長形状で形成されている。
このようなハイビーム用配光パターンPHを精度良く形成するため、本実施形態においては、レンズ114の前方側表面114a上の各点毎に目標出射角度が設定されており、また、その後方側表面114bを構成する第2の自由曲面は、上記目標出射角度での光出射を実現するための曲面形状に設定されている。
この第2の自由曲面は、次のような手順で形状設定されるようになっている。
すなわち、まず、図8および9に示すように、レンズ114からの出射光の光軸Axに対する出射角度を、その前方側表面114a上の各点毎に目標出射角度として設定する。その際、この目標出射角度は、その水平成分と鉛直成分とに分けて、水平方向の目標出射角度αと上下方向の目標出射角度βとして設定する。
具体的には、図8に示すように、前方側表面114a上の点Pと上記二次光源の発光中心となる第2焦点F2とを結ぶ直線L0が光軸Axとなす角度の水平成分を水平方向開き角度θHとし、この水平方向開き角度θHに対応させて水平方向の目標出射角度αを設定する一方、図9に示すように、前方側表面114a上の点Qと第2焦点F2とを結ぶ直線L0が光軸Axとなす角度の鉛直成分を上下方向開き角度θVとし、この上下方向開き角度θVに対応させて上下方向の目標出射角度βを設定する。
その際、水平方向の目標出射角度αは、ハイビーム用配光パターンPHの水平方向の拡散角度および光度分布に応じた値に設定する。すなわち、図11(a)のグラフに示すように、水平方向開き角度θHが大きくなるに従って目標出射角度αが大きくなるようにする。このとき、水平方向開き角度θHの変化率の2乗程度の変化率で目標出射角度αが変化する特性とし、これによりH−V近傍に形成されるホットゾーンHZを十分明るいものとする。
一方、上下方向の目標出射角度βは、ハイビーム用配光パターンPHの上下方向の拡散角度および光度分布に応じた値に設定する。すなわち、図11(b)のグラフに示すように、上下方向開き角度θVが大きくなるに従って目標出射角度βが大きくなるようにする。このとき、上下方向開き角度θVの変化率の2乗程度の変化率で目標出射角度βが変化する特性とし、かつ、この目標出射角度βの変化率を目標出射角度αの変化率に比してかなり小さい値とする。そしてこれにより、横長のホットゾーンHZの形成を実現する。また、光軸Axの下方側においては、その上方側におけるよりも、目標出射角度βの変化率をやや小さい値に設定し、これによりハイビーム用配光パターンPHの下端縁の位置を、図10において2点鎖線で示す位置からややH−H線寄りに変位させる。そしてこれにより、車両前方路面の近距離領域が明るくなり過ぎるのを防止して、その遠方視認性を高めるようにする。
次に、レンズ114の後方側表面114bを構成する第2の自由曲面を生成する。この第2の自由曲面の生成は、前方側表面114a上の各点毎に設定された目標出射角度での光出射を実現するための傾斜角を有する面素を連続的に形成することにより行う。
図12は、この第2の自由曲面の水平断面形状を構成する自由曲線C2を生成する手順を示す図である。
まず、同図(a)に示すように、レンズ114の前方側表面114aの水平断面形状を構成する自由曲線C1上の点Pから目標出射角度αで光を出射させるために必要な、該レンズ114内における点Pへの光入射方向を算出する。
その際、レンズ114の前方側表面114aは、車体の表面形状に応じた第1の自由曲面で構成されているので、点Pにおける自由曲線C1の法線N1の方向は既知である。そこで、点Pからの光出射方向(直線L1で示す方向)に対応する点Pへの光入射方向(直線L2で示す方向)を、スネルの法則を用いて算出する。
次に、同図(b)に示すように、生成途上にある自由曲線C2が直線L2と交差する点Rと第2焦点F2とを直線L3で結び、この直線L3が直線L2となす角度δを算出する。
なお、この自由曲線C2は、後述するように光軸Ax近傍の点Sを起点として生成されるが、説明の便宜上、すでに点Rの位置まで自由曲線C2が生成されているものとする。
次に、点Rに自由曲線C2の線素Eを割り付ける。その際、この線素Eにおいて角度δ分の屈折力が得られるように、この線素Eの法線N2の方向を、スネルの法則を用いて算出し、線素Eの傾斜角も同時に算出する。そしてこれにより、上記二次光源の発光中心となる第2焦点F2から出射した光が、直線L3〜直線L2〜直線L1の光路で、レンズ114から灯具前方へ出射するようにする。
そして、自由曲線C1上において点Pの右側(すなわち光軸Axから離れる側)に隣接する点に対して、点Pの場合と同様の手順で演算を行い、線素Eの右側に隣接する線素の傾斜角を算出する。以下、同様の処理を繰り返し、これら一連の線素を連続的に形成することにより、自由曲線C2における光軸Axの右側に位置する部分を生成する。
この自由曲線C2の生成は、自由曲線C1上において光軸Ax上に位置する点P0を基準点に設定して行う。このとき、自由曲線C2を生成する際の起点Sは、基準点P0に対応する点として光軸Ax近傍の位置に設定される。この起点Sの灯具前後方向の位置は、レンズ114の後方側表面114bの全域にわたって第2の自由曲面を生成し得る程度に基準点P0から離すようにした上で、レンズ114が不必要に厚肉になってしまわないよう基準点P0にできるだけ近い位置に設定する。
自由曲線C2における光軸Axの左側に位置する部分についても、上記光軸Ax近傍の点Sを起点として同様の手順で生成する。
そして、この自由曲線C2の生成手順と同様の手順で、光軸Axを含む平面だけでなく、この平面の上下両側に位置する該平面と平行な複数の平面の各々においても、第2の自由曲面の水平断面形状を構成する自由曲線を生成する。
また、レンズ114の後方側表面114bを構成する第2の自由曲面の鉛直断面形状を構成する自由曲線についても、自由曲線C2の生成手順と同様の手順で生成する。そして、これら水平断面形状を構成する複数の自由曲線および鉛直断面形状を構成する複数の自由曲線の包絡面として(すなわち、水平断面形状を構成する複数の自由曲線の各々の線素と鉛直断面形状を構成する複数の自由曲線の各々の線素との組み合わせでマトリクス状に配置される複数の面素を連続的に形成することにより)、第2の自由曲面を生成する。
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用照明灯具110は、灯具前後方向に延びる光軸Ax上に配置された光源バルブ112からの光を、その灯具前方側に配置されたレンズ114により灯具前方へ向けて偏向出射させて、ハイビーム用配光パターンPHを形成するように構成されているが、そのレンズ114の前方側表面114aは第1の自由曲面で構成されているので、この前方側表面114aを車体の表面形状に沿った形状(本実施形態においては、車体表面と略面一で延びる素通し状の透光カバー102と略等間隔をおいて延びる曲面形状)で形成することが容易に可能となる。
また、本実施形態に係る車両用照明灯具110は、そのレンズ114の前方側表面114aからの出射光の光軸Axに対する出射角度が、ハイビーム用配光パターンPHの形状およびその光度分布に応じて、該前方側表面114a上の各点毎に目標出射角度として設定されているので、ハイビーム用配光パターンPHを精度良く形成することができる。
さらに、本実施形態に係る車両用照明灯具110は、そのレンズ114の後方側表面114bが、その前方側表面114a上の各点毎に設定された目標出射角度での光出射を実現するための傾斜角を有する面素を連続的に形成してなる第2の自由曲面で構成されているので、この後方側表面114bに段差等を生じさせることなく上記光出射に必要な光路を得ることができる。
このように本実施形態に係る車両用照明灯具110は、そのレンズ114の前方側表面114aが自由曲面で構成されているにもかかわらず、所望するハイビーム用配光パターンPHを形成することができる。そしてこれにより、灯具レイアウトや車両デザインの自由度を高めることができる。
しかも、本実施形態に係る車両用照明灯具110のレンズ114は、その前方側表面114aおよび後方側表面114bがいずれも自由曲面で構成されており、これによりレンズ114の表面に段差等が形成されないようにすることができるので、車両用照明灯具110の見映えを向上させることができる。
また、本実施形態に係る車両用照明灯具110は、一次光源としての放電発光部112aからの光を、その発光中心を第1焦点F1とする回転楕円面からなる反射面116aを有するリフレクタ116で反射させてその回転楕円面の第2焦点F2に収束させることにより、この第2焦点F2の位置に二次光源を形成し、この二次光源からの光をレンズ114で灯具前方へ出射させるように構成されているので、この第2焦点F2の位置に放電発光部112aを配置してその直射光をレンズ114に入射させるようにした場合に比して、放電発光部112aからの出射光に対する光束利用率を高めることができるとともに光源の輝度ムラを低減することができる。そしてこれにより、ハイビーム用配光パターンPHを、より明るくかつ配光ムラの少ない配光パターンとすることができる。
次に、本願発明の第3実施形態について説明する。
図13は、本実施形態に係る車両用照明灯具210を示す平断面図である。また、図14は、図13のXIV-XIV
線断面図であり、図15は、図13のXV方向矢視図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用照明灯具210は、その基本的な構成は、上記第1実施形態の場合と同様であるが、そのレンズ214の構成が上記第1実施形態の場合と一部異なっている。
すなわち、本実施形態のレンズ214は、その前方側表面214aにおける光軸Axの近傍に位置する中央領域214a2が、この中央領域214a2を囲む一般周辺領域214a1よりも後方側に変位するようにして形成されている。
すなわち、このレンズ214の前方側表面214aは、その一般周辺領域214a1が、上記第1実施形態におけるレンズ14の前方側表面14aと同じ第1の自由曲面(図13、14に、その断面形状を構成する自由曲線C1h、C1vを示す)で構成されているのに対し、その中央領域214a2は、発光ダイオード12の発光中心Оを基準にして第1の自由曲面と略相似形に形成された第3の自由曲面(図13、14に、その断面形状を構成する自由曲線C3h、C3vを示す)で構成されている。そして、これら中央領域214a2と一般周辺領域214a1とは、環状壁面214cを介して接続されている。
なお、レンズ214の後方側表面214bの表面形状は、上記第1実施形態におけるレンズ14の後方側表面14bの表面形状と全く同様である。
図16は、図13のXVI 部詳細図である。
同図にも示すように、レンズ214の前方側表面214aにおける中央領域214a2を構成する第3の自由曲面は、正確には、レンズ214の後方側表面214bに入射して該中央領域214a2の各点に到達した発光ダイオード12からの光が、仮に該中央領域214a2が形成されておらず、一般周辺領域214a1が第1の自由曲面に沿って延長形成されていたとしたら、出射するであろう方向(図13、14において2点鎖線で示す方向)へ出射するように、レンズ214の後方側表面214bを基準にして生成された自由曲面である。このようにして生成された第3の自由曲面は、上述したように発光ダイオード12の発光中心Оを基準にして第1の自由曲面と略相似形に形成されることとなる。
同図に示すように、光軸Axを含む平面内における環状壁面214cの傾斜角度μは、中央領域214a2の外周縁部からの出射光の光軸Axに対する出射角度φと略同じ値に設定されている。そしてこれにより、中央領域214a2からの出射光の一部が、環状壁面214cからレンズ214内に再入射して一般周辺領域214a1から予期せぬ方向へ出射してしまうのを未然に防止するようになっている。
その際、出射角度φは、光軸Axを含む平面の位置によってそれぞれ異なった値となるので、環状壁面214cの傾斜角度μも、環状壁面214cにおける周方向の位置によってそれぞれ異なった値に設定されている。
本実施形態の構成を採用することにより、レンズ214の薄型化および軽量化を図ることができ、また、薄型した分だけ発光ダイオード12からの光の透過効率を高めることができる。
特に、本実施形態のレンズ214は、その前方側表面214aおよび後方側表面214bがいずれも自由曲面で構成されているので、これを合成樹脂製のレンズで構成することが面精度を確保する上で好ましいが、その際、レンズ214の肉厚が部分的に極端に厚くなると、ヒケが生じやすくなり、面精度を確保しにくくなる。その点、本実施形態のレンズ214のように、その前方側表面214aにおける光軸Axの近傍に位置する中央領域214a2を、一般周辺領域214a1よりも後方側に変位させるようにすれば、レンズ214の肉厚が部分的に極端に厚くなってしまうのを未然に防止することができ、これにより面精度を確保することが容易に可能となる。
その際、この中央領域214a2を構成する第3の自由曲面は、発光ダイオード12の発光中心Оを基準にして第1の自由曲面と略相似形に形成されているので、この中央領域214a2の各点からの出射光を、レンズ214の前方側表面214aがその全領域にわたって第1の自由曲面で構成されているとした場合における各点からの出射光と略同じ方向へ向かう光とすることができる。
また、レンズ214の光軸Axを含む平面内における環状壁面214cの傾斜角度μが、中央領域214a2の外周縁部からの出射光の光軸Axに対する出射角度φと略同じ値に設定されているので、中央領域214a2からの出射光の一部が、環状壁面214cからレンズ214内に再入射して一般周辺領域214a1から予期せぬ方向へ出射してしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより、環状壁面214cを形成したためにレンズ214の光制御機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のレンズ214を採用することにより、灯具点灯時におけるレンズ214内の温度上昇を抑制することができ、耐熱性に劣る合成樹脂製のレンズにとって好ましいものとなる。なお、本実施形態に係る車両用照明灯具210においては、その光源が発光ダイオード12であるので、レンズ214内の温度上昇は特に大きな問題とはならないが、上記第2実施形態に係る車両用照明灯具110のように、その光源が光源バルブ112である場合には、レンズ114内の温度上昇はかなり大きなものとなるので、このレンズ114に対して本実施形態のようなレンズ構成を採用することが特に効果的である。
なお、上記各実施形態においては、車体の左前端コーナ部に装着される車両用照明灯具10、110、210について説明したが、車体の右前端コーナ部に装着される車両用照明灯具についても、これらを車両用照明灯具10、110、210と左右対称形状で形成することにより、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本願発明の第1実施形態に係る車両用照明灯具を示す平断面図 図1のII-II 線断面図 図1のIII 方向矢視図 上記車両用照明灯具から照射される光により、車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される横長配光パターンを透視的に示す図 上記車両用照明灯具において、そのレンズの前方側表面上の各点からの目標出射角度を示す図 上記レンズの後方側表面を構成する第2の自由曲面を生成する手順を示す図 本願発明の第2実施形態に係る車両用照明灯具を示す正面図 図7のVIII-VIII 線断面図 図7のIX-IX 線断面図 上記第2実施形態に係る車両用照明灯具から照射される光により、上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンを透視的に示す図 上記第2実施形態に係る車両用照明灯具において、そのレンズの前方側表面上の各点からの目標出射角度を示す図 上記第2実施形態に係る車両用照明灯具におけるレンズの後方側表面を構成する第2の自由曲面を生成する手順を示す図 本願発明の第3実施形態に係る車両用照明灯具を示す平断面図 図13のXIV-XIV 線断面図 図13のXV方向矢視図 図13のXVI 部詳細図
符号の説明
2 車体
10、110、210 車両用照明灯具
12 発光ダイオード
12a 発光チップ
12b 樹脂モールド
14、114、214 レンズ
14a、114a、214a 前方側表面
14b、114b、214b 後方側表面
16 支持プレート
18、118 ホルダ
18a 後部鉛直面部
18b 前端面
18c 小孔
102 透光カバー
112 光源バルブ
112a 放電発光部
114c 環状フランジ部
116 リフレクタ
116a 反射面
116b 後頂開口部
214a1 一般周辺領域
214a2 中央領域
214c 環状壁面
Ax 光軸
Ax0 車両前後方向に延びる軸線
C1、C1h、C1v、C2、C3h、C3v 自由曲線
E 線素
F1 第1焦点
F2 第2焦点
HZ ホットゾーン
L0、L1、L2、L3 直線
N1、N2 法線
O 発光中心
P、Q、R 点
P0 基準点
PC 横長配光パターン
PH ハイビーム用配光パターン
S 起点
α 水平方向の目標出射角度
β 上下方向の目標出射角度
δ 角度
θH 水平方向開き角度
θV 上下方向開き角度
μ 傾斜角度
ν 所定角度
φ 出射角度

Claims (6)

  1. 灯具前後方向に延びる光軸上に配置された光源と、この光源の灯具前方側に配置され、該光源からの光を灯具前方へ向けて偏向出射させるレンズとを備えてなり、所定の配光パターンを形成するように構成された車両用照明灯具において、
    上記レンズの前方側表面が、第1の自由曲面で構成されており、
    上記前方側表面からの出射光の上記光軸に対する出射角度が、該前方側表面上の各点毎に目標出射角度として設定されており、
    上記レンズの後方側表面が、上記各点毎に設定された目標出射角度での光出射を実現するための傾斜角を有する面素を連続的に形成してなる第2の自由曲面で構成されており、
    上下方向の目標出射角度が、上記光軸よりも上方側においては上下方向開き角度が大きくなっても一定値に維持される一方、上記光軸よりも下方側においては上下方向開き角度が大きくなるに従って大きくなるように設定されている、ことを特徴とする車両用照明灯具。
  2. 灯具前後方向に延びる光軸上に配置された光源と、この光源の灯具前方側に配置され、該光源からの光を灯具前方へ向けて偏向出射させるレンズとを備えてなり、所定の配光パターンを形成するように構成された車両用照明灯具において、
    上記レンズの前方側表面が、第1の自由曲面で構成されており、
    上記前方側表面からの出射光の上記光軸に対する出射角度が、該前方側表面上の各点毎に目標出射角度として設定されており、
    上記レンズの後方側表面が、上記各点毎に設定された目標出射角度での光出射を実現するための傾斜角を有する面素を連続的に形成してなる第2の自由曲面で構成されており、
    上下方向の目標出射角度が、上記光軸に対して上下いずれの側においても、上下方向開き角度が大きくなるに従って大きくなるように設定されており、かつ、上記光軸の下方側においては上記光軸の上方側におけるよりも上記目標出射角度の変化率が小さい値に設定されている、ことを特徴とする車両用照明灯具。
  3. 上記レンズの前方側表面における上記光軸の近傍に位置する中央領域が、この中央領域を囲む一般周辺領域よりも後方側において、上記光源の位置を基準にして上記第1の自由曲面と略相似形に形成された第3の自由曲面で構成されており、
    上記中央領域と上記一般周辺領域とが、環状壁面を介して接続されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用照明灯具。
  4. 上記光軸を含む平面内における上記環状壁面の傾斜角度が、上記中央領域の外周縁部からの出射光の上記光軸に対する出射角度と略同じ値に設定されている、ことを特徴とする請求項記載の車両用照明灯具。
  5. 上記光源が発光素子の発光チップからなり、この発光チップからの直射光が上記レンズに入射するように構成されている、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の車両用照明灯具。
  6. 上記光源が、該光源の位置よりも後方側に配置された一次光源からの光を、該一次光源の発光中心を第1焦点とする回転楕円面からなる反射面を有するリフレクタで反射させて上記回転楕円面の第2焦点に収束させることにより形成される二次光源で構成されている、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の車両用照明灯具。
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