JP4924227B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着ベルトを有するFBNF方式の定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体ドラムに形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を記録材上に転写し、この後、記録材上のトナー像を定着して排紙している。
また、カラー画像を形成する場合には、原稿色に対応したY,M,C,Kの潜像を4個の感光体ドラムに形成し、顕像化された4色のトナー像を無端状の中間転写ベルトに一次転写した後、記録材上に二次転写して、記録材上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
このようにトナー像を定着する定着装置として、ハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵した定着ローラと、定着ローラを加圧する加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置があり、このような定着装置は構成が簡便であるため、広く利用されている。
ところで、このような定着装置において、高速化を図るためにはトナーと記録材に充分な熱量を供給する必要があり、このためにはニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くするためには、加圧ローラが定着ローラを加圧する荷重や、加圧ローラ内のシリコーンゴム等から形成された弾性層の厚みや、二つのローラの径等を増大させることが考えられる。
しかし、加圧ローラの荷重や弾性層の厚みを増大させると、軸方向のニップ幅が不均一になることがあり、定着ムラや記録材のしわが発生する虞がある。また、ローラの径を増大させると、定着装置が大型化するばかりでなく、ウォーミングアップタイムが長くなるという問題がある。
この問題を解決するために、外周面にシリコーンゴムから形成された弾性層を有し中央にハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵して回転する定着ローラと、定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトの内側から定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧パッドと、定着ベルトと加圧パッドの間に配置された低摩擦の摺動シートとを備え、定着ローラと定着ベルトとにより形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら加熱・加圧する、所謂FBNF(Free Belt Nip Fuser)方式の定着装置が特許公報に開示されている(特許文献1,2参照)。
この定着装置によれば、加圧パッドにより定着ローラに押圧された定着ベルトが弾性変形し、定着ローラと定着ベルトとの間に幅広のニップ部が形成される。従って、高速化に対応でき、定着装置が大型化することもない。更に、定着ベルトの熱容量が小さいので、ウォーミングアップタイムが短縮し、省エネになる。
なお、特許文献1においては、定着ベルトが回転する際の摩擦抵抗力を更に低減させて摺動性を向上させるために、定着ベルトと摺動シートとの間に変性フッ素オイルを含有する潤滑剤組成物を介在させている。
また、特許文献2においては、摺動シートは加圧パッドに押圧された状態で定着ベルトと摺擦するため、摺動シートの定着ベルト側の面が摩耗し易いので、この面をフッ素樹脂層で積層すると共に、摺動シートを200℃における引っ張り加重に対する伸び率を特定の値以下にすることにより、摩擦抵抗を低減して摩耗を抑制している。
特開2005−84225号公報 特開2005−321462号公報
特許文献1,2にも記載されているように、FBNF方式の定着装置においては、定着ベルトと加圧パッドの間に摺動シートを配置することにより、定着ベルトと加圧パッドとの摺動抵抗を低減している。これにより、定着装置の駆動モータの消費電力の増大、駆動モータの減速歯車の破損、定着ベルトの円滑な回転が阻害されることによる画像ずれの発生、定着ベルトの摩耗促進といった不具合が抑制される。
また、定着装置においてはニップ部を通過した記録材が溶融トナーの粘着力によって定着ローラに張り付いてしまうことがある。これを防止するために、加圧パッドに対して記録材の搬送方向下流側に、定着ベルトを内周面側から定着ローラの方向に押圧して定着ベルトを定着ローラに圧接させ、定着ローラの弾性層を弾性変形させることによって、記録材に曲率の大きいカールを形成させるための分離部材を配置した定着装置がある。これにより、分離爪等の格別の分離部材を設けずに、記録材を定着ローラから分離させることが可能になる。
しかし、摺動シートと分離部材の双方を設けた定着装置においては、分離部材により押圧されて定着ベルトと共に摺動シートも大きな曲率で変形するので、摺動シートにおける分離部材により押圧される部分は加圧パッドにより押圧される部分より押圧力が特に高くなり、摺動シートの定着ベルト側の面が摩擦で摩耗し易い。また、定着ベルトは回転しているので、特定の面のみが摩耗することはないが、摺動シートは固定されているので、同じ面が部分的に摩耗する。摺動シートが摩耗すると定着ベルトとの摺動抵抗が増大し、定着ベルトの円滑な回転が阻害されて、記録材の搬送が正常でなくなり、記録材に皺が生じたり、画像不良が生じたりする虞がある。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、FBNF方式の定着装置において、分離部材の押圧により摺動シートが部分的に摩耗しても、摺動シートを交換することなく、簡単な構成で摺動シートの摩耗している部分が自動的に移動して摩耗の少ない部分と置き換わるように構成した定着装置及び該定着装置を備えた画像形成装置を提案することを目的とする。
なお、摺動シートにおける分離部材により押圧される部分の摩耗に関する対策については特許文献1,2に記載されておらず、特許文献1,2に記載の潤滑剤の改良や、引っ張り加重に対する伸び率を特定の値以下にするといった対策では不充分であって、摺動シートの寿命を充分に長くすることはできない。
前記目的は、下記に記載した発明により達成される。
1.弾性層を有すると共に加熱手段を内蔵して回転する定着ローラと、
前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを内周面側から加圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させる加圧手段と、
前記加圧手段に対して記録材の搬送方向下流側に配置され、前記定着ベルトを内周面側から押圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させ、前記定着ローラの弾性層を弾性変形させる分離手段と、
前記加圧手段及び前記分離手段を保持する保持手段と、
前記定着ベルトと前記加圧手段及び前記分離手段との間に配置された摺動シートと、
を備え、
前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
前記摺動シートは前記定着ベルトの回転方向に長い複数の長孔を有し、複数の該長孔が前記保持手段における前記ニップ部に対する前記回転方向の上流側の位置に設けられた複数の突部に各々係合すると共に、使用期間の初期においては前記長孔における前記回転方向の下流側に位置する部分が前記突部に係合することを特徴とする定着装置。
2.前記長孔は、前記下流側に位置する部分の幅に対して前記上流側に位置する部分の幅が狭く形成されていることを特徴とする1に記載の定着装置。
3.前記長孔は、鍵穴形に形成されていることを特徴とする2に記載の定着装置。
4.前記長孔における前記上流側に位置する部分は前記回転方向に形成された切れ目であることを特徴とする2に記載の定着装置。
5.前記長孔における前記上流側に位置する部分は前記回転方向に形成されたミシン目であることを特徴とする2に記載の定着装置。
6.前記長孔における前記下流側に位置する部分の幅は前記突部の外径より大きく、前記上流側に位置する部分の幅は前記突部の外径より小さく形成されていることを特徴とする2〜5の何れか1項に記載の定着装置。
7.前記長孔は、前記下流側に位置する部分と同じ幅を有する部分と、該幅より狭い幅を有する部分とが交互に接続されて形成されていることを特徴とする1に記載の定着装置。
8.前記長孔における前記下流側に位置する部分と同じ幅を有する部分の幅は前記突部の外径より大きく、該幅より狭い幅を有する部分の幅は前記突部の外径より小さく形成されていることを特徴とする7に記載の定着装置。
9.前記長孔は前記下流側に位置する部分の幅と前記上流側に位置する部分の幅とが略同一に形成され、前記長孔の周囲は前記保持手段の内部で表面の粗い面で狭着されていることを特徴とする1に記載の定着装置。
10.1〜9の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明の定着装置及び画像形成装置によれば、FBNF方式の定着装置において、分離部材の押圧により摺動シートが部分的に摩耗しても、摺動シートを交換することなく、簡単な構成で摺動シートの摩耗している部分が自動的に移動して摩耗の少ない部分と置き換わる。従って、摺動シートの摩耗によって定着ベルトとの摺動抵抗が増大し、定着ベルトの円滑な回転が阻害されて、記録材の搬送が正常でなくなり、記録材に皺が生じたり、画像不良が生じたりするという虞がなくなり、摺動シートの耐久性が増すという効果を奏する。
以下に本発明の定着装置に関する実施の形態を図を参照して説明する。
先ず、本発明の定着装置を用いた画像形成装置の一例を図1の構成図に基づいて説明する。
本画像形成装置は画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10K、ベルト状の中間転写体6、給紙搬送手段及び定着装置9等からなる。
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されて形成された信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光手段3Y,3M,3C,3Kに送られる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体ドラム1Yの周囲に帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段8Yを配置している。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体ドラム1Mの周囲に帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M及びクリーニング手段8Mを配置している。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体ドラム1Cの周囲に帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C及びクリーニング手段8Cを配置している。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、感光体ドラム1Kの周囲に帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K及びクリーニング手段8Kを配置している。そして、帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C、及び帯電手段2Kと露光装置3Kは、潜像形成手段を構成する。
なお、現像手段4Y,4M,4C,4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する。
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
定着装置100は、加熱された定着ローラ101と定着ベルト102との間に形成されたニップ部で記録紙(記録材)P上のトナー像を加熱・加圧して定着する。
かくして、画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y,7M,7C,7Kにより逐次転写されて(1次転写)、カラー画像合成されたトナー像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A,22B,22C,22D,レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに搬送され、記録紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された記録紙Pは定着装置100において加熱・加圧され、記録紙P上のカラートナー像が定着される。その後、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
一方、転写手段7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
なお、以上はカラー画像を形成する画像形成装置であったが、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよいし、中間転写体を用いても用いなくてもよい。
次に、本発明の定着装置100の主要構成の実施の形態を図2を参照して説明する。図2は定着ベルト102等の長手方向に対して直交する断面図である。
定着ローラ101は、中央にハロゲンランプ(加熱手段)Hを内蔵し、アルミニュウムや鉄等から形成された円筒状芯金101Aと、円筒状芯金101Aを被覆し耐熱性の高いシリコーンゴムから成る弾性層101Bと、更に弾性層101Bを被覆しPFA(パーフルオロアルコキシ)若しくはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂から成る離型層101Cと、により構成されている。
定着ベルト102は、約100μmの厚みのポリイミドにより形成された基体と、基体の外表面を被覆する約25μmの厚みのPFA若しくはPTFEで形成された離型層とにより構成されていて、無端状に形成されている。なお、厚みが薄い定着ベルト102に基体と離型層を描くと、図が不明瞭になるので、省略してある。
加圧パッド103は、弾性層101Bより軟らかいシリコーンゴムから形成され、ステンレスから形成されたベース板金104、及び耐熱樹脂から形成されたベース部材105と共に、耐熱樹脂から形成されたホルダー108に保持されている。また、ベース部材105には圧縮バネ106が配置されている。なお、加圧手段は加圧パッド103、ベース板金104、ベース部材105及び圧縮バネ106に相当する。
分離部材107は定着された記録紙Pの分離性を向上させるために、記録紙Pの搬送方向下流側に配置されている。分離部材107は耐熱樹脂若しくはアルミニュウム等の金属を用いて、先端部が曲率の大きい円弧に形成され、ベース板金104等と金属製のフレーム110を介して耐熱樹脂から形成されたホルダー109により保持されている。なお、分離手段は分離部材107に相当する。
そして、ホルダー108,109は中央に配置されたフレーム110によって保持されている。なお、保持手段はホルダー108,109及びフレーム110に相当する。
摺動シート111は、テフロン(登録商標)コーティングのガラス繊維シートやPTFEシートから形成され、定着ベルト102の内周面と加圧パッド103との間、及び定着ベルト102の内周面と分離部材107との間に配置され、一端がホルダー109に固定されている。
オイルパッド112はスポンジ等から形成されてシリコーンオイル等からなる潤滑剤を含有し、ホルダー109に保持され、定着ベルト102の内周面に圧接している。
なお、定着ベルト102の回転時に、ホルダー109は定着ベルト102を案内する案内部材としての機能も有する。
このように構成された定着装置100において、ハロゲンランプHにより加熱され、不図示の駆動手段によって駆動された定着ローラ101が時計方向に回転する。また、加圧パッド103は圧縮バネ106によりベース板金104及びベース部材105を介して加圧され、摺動シート111を介して定着ベルト102を内周面側から押圧して定着ローラ101に圧接させる。
従って、定着ベルト102は、定着ローラ101の回転によって反時計方向に回転し、定着ローラ101に圧接して加圧パッド103と共に凹状に弾性変形するので、定着ベルト102と定着ローラ101との間に幅広のニップ部Nが形成される。そして、搬送された記録紙Pはニップ部Nで狭着され、記録紙P上の未定着トナーは加熱・加圧されて定着される。
また、定着ベルト102の内周面はニップ部Nの近傍で摺動シート111に摺動するが、摺動シート111は摩擦係数が小さい材料で形成されているので、両者の間の摺動抵抗は小さい。その上、オイルパッド112から潤滑剤としてのシリコーンオイル等が定着ベルト102の内周面に供給されるので、更に摺動抵抗は小さくなる。
また、分離部材107が摺動シート111を介して定着ベルト102を定着ローラ101を押圧し、定着ローラ101の弾性層101Bと離型層101Cとを曲率の大きい凹状に弾性変形させる。従って、ニップ部Nで定着された記録紙Pは分離爪等を用いずとも定着ローラ101から確実に剥離して分離する。
ここで、分離部材107により押圧されて定着ベルト102と共に摺動シート111も大きな曲率で変形する。摺動シート111における分離部材107により押圧される部分(以下、分離部Bと称す)は加圧パッド103により押圧される部分より押圧力が特に高く、摺動シート111の定着ベルト102側の面が摩擦で摩耗し易い。また、定着ベルト102は回転しているので、特定の面のみが摩耗することはないが、摺動シート111は固定されているので、同じ面が部分的に摩耗する。摺動シート111が摩耗すると定着ベルト102との摺動抵抗が増大し、定着ベルト102の円滑な回転が阻害されて、記録材Pの搬送が正常でなくなり、記録材Pに皺が生じたり、画像不良が生じたりする虞がある。なお、定着ベルト102の回転方向における分離部Bの幅は約2mmである。
このような問題を解決するための構成を図3に基づいて説明する。図3(a)は摺動シート111を面側から見た図、図3(b)は摺動シート111やホルダー109に設けられた突部109A等の断面図である。
図3(a)に示す如く、摺動シート111における定着ベルト102の回転方向の上流側には該回転方向に長い複数の長孔111Aが設けられており、各長孔111Aは鍵穴形に形成されている。長孔111Aには幅が広い広部111A1と幅が狭い狭部111A2とがあり、広部111A1は定着ベルト102の回転方向の下流側に位置し、狭部111A2は該回転方向の上流側に位置している。一方、ホルダー109には複数の長孔111Aにそれぞれ対応した複数の突部109Aが設けられ、定着装置100の使用期間の初期においては、長孔111Aの広部111A1が突部109Aに係合している。
また、長孔111Aにおける広部111A1の幅は突部109Aの外径より大きく、狭部111A2の幅は突部109Aの外径より小さく形成されている。
ここで、定着装置100の使用期間の初期とは、新品の画像形成装置を購入若しくはリースをして使用開始した時期を意味する。また、新品の画像形成装置でなくても、古くなった定着装置100をメンテナンスによって新しい定着装置100に交換して使用開始した時期も意味する。
定着装置100の使用期間の初期には、上記の如く長孔111Aの広部111A1が突部109Aに係合しているが、定着ベルト102の回転により摺動シート111は定着ベルト102の回転方向に広部111A1と突部109Aのがた分だけ引っ張られてずれる。そして、暫くはこの状態が維持される。
定着装置100の使用が続くにつれて、摺動シート111の分離部Bが摩耗し、定着ベルト102との摺動抵抗が増大してくる。これにより摺動シート111が定着ベルト102の回転によって連れ廻りするトルクが増大する。所定のトルクまで上昇すると、摺動シート111は定着ベルト102によって連れ廻りして若干引っ張られ、突部109Aが狭部111A2に食い込んで、分離部Bに位置していて摩耗した部分が下流側に移動する。これにより、摺動シート111の摩耗の少ない部分が分離部Bの位置に新たに移動するので、トルクは減少する。
やがて、新たな分離部Bでも摩耗が生じ、再びトルクが上昇して同様な移動が行われ、これが繰り返される。
このように、摺動シート111の表面が摩耗してトルク上昇することを利用して、摺動シート111が定着ベルト102によって連れ廻りするようにしている。
なお、摺動シート111における使用期間の初期における初期トルクをT1とし、定着ベルト102によって連れ廻りするトルクをT2とし、不具合が発生するような大きな摩耗限界トルクをT3としたとき、下記の条件式を満足するように設定する。
T1<T2<T3
これにより、摺動シート111が摩耗しても、不具合が発生するトルクになる前に摺動シートが定着ベルト102に連れ廻りして、摩耗の少ない部分が分離部Bの位置に移動するので、トルクが低下する。また、連れ廻りも停止する。
なお、定着ベルト102によって連れ廻りするトルクT2は、狭部111A2の幅や厚み、突部109Aの外径、摺動シート111と突部109Aの摩擦抵抗等によって決定される。
また、突部109Aが狭部111A2に食い込むことによって、摺動シート111は面方向に変形するが、本実施の形態においては、ホルダー109の面109Bとフレーム110の面110Aとの間のクリアランスは摺動シート111の厚みより充分に大きいものとする。
次に、長孔を有する摺動シートと従来の摺動シートとによるトルクの推移の比較実験を行ったので説明する。
(1)実験条件
・定着装置:図2に示した構成の定着装置
・摺動シート:中興化成製FGF404−4(商品名)
長孔は鍵穴形状であって寸法を図4に示す。
・定着ベルト:ポリイミドの基体、内径35mm
・定着ベルト及びその内部部品を定着ローラの方向に加圧する荷重:50kgf
・トルク測定:定着ローラの回転軸で負荷トルクを測定
(2)実験結果
図5のグラフに示す。
図5において、縦軸はトルク(kgf)、横軸はコピー枚数であって、○は長孔を有する摺動シートを用いた場合であり、×は従来の摺動シートを用いた場合である。
また、初期トルクT1は3kgfで、摩耗限界トルクT3は5kgfであった。
(3)考察
長孔を有する摺動シートを用いた場合には、上昇したトルクが摩耗限界トルクT3に達する前に、摺動シートが定着ベルトに連れ廻って移動し、摺動シートの摩耗の少ない部分が分離部Bの位置に新たに移動するので、トルクは減少する。その後、トルクは再び上昇するが、同様に繰り返してトルクが摩耗限界トルクT3に達することはなかった。
一方、従来の摺動シートを用いた場合にはトルクが上昇し続け、やがて摩耗限界トルクT3に達して、記録材の搬送が正常でなくなり、記録材に皺が生じたり、画像不良が生じたりした。
ところで、摺動シートに設ける長孔の形状は前述の如き鍵穴形に限定されるものではなく、種々の形状を採用可能である。
図6(a)は長孔211Aの狭部211A2を薄いカッターで切断して切れ目に形成した例であり、切断した狭部211A2が長溝にならずに両側から互いに接触した状態になっている。この場合は、初期トルクT1に対して連れ廻りするトルクT2が鍵穴形より大きくなるので、摩耗限界トルクT3が大きい場合に用いる。
また、図6(b)は長孔311Aの狭部311A2の部分をミシン目に形成した例である。この場合は、連れ廻りするトルクT2が更に大きくなるので、摩耗限界トルクT3がより大きい場合に用いる。
また、長孔211A,311Aにおいては、共に広部211A1、311A1の幅は突部209A,309Aの外径より大きく、狭部211A2、311A2の幅は突部209A,309Aの外径より小さい。
図7(a),(b)は長孔411A,511Aの広部411A1,511A1と狭部411A2,511A2とが交互に接続されている例である。この場合は、摺動シートが移動するときにクリックストップの如き作用をするので、摺動シートの移動量の制御が容易になる。
また、長孔411A,511Aにおいては、共に広部411A1、511A1の幅は突部409A,509Aの外径より大きく、狭部411A2、511A2の幅は突部409A,509Aの外径より小さい。
図8は長孔611Aが広部も狭部もなく、幅が略同一に形成された例である。この場合には、ホルダー109の面109Bとフレーム110の面110Aとの間のクリアランスが摺動シート111の厚みと同等か若しくは若干狭くなるように構成され、摺動シート111はホルダー109とフレーム110によって狭着されている。また、面109Bと面110Aは摩擦抵抗が大きい粗面に形成されている。従って、長孔611Aの幅が同じであっても、粗面の摩擦抵抗に抗して摺動シート111は少しずつ定着ベルト102に連れ廻るようになる。この場合のトルクは、長孔611Aと突部609Aとの寸法関係や互いの摩擦抵抗には関係せず、摺動シート111と、これを狭着するホルダー109の面109B及びフレーム110の面110Aの摩擦抵抗によって定まり、前述の各長孔とは管理対象が異なるものである。
また、図3,6,7に示した長孔の場合でも、ホルダー109の面109Bとフレーム110の面110Aとの間のクリアランスを狭くして面109Bと面110Aを粗面に形成し、摺動シート111の移動が面摩擦の影響も受けるようにしてもよい。
画像形成装置の構成図である。 定着装置の長手方向に対して直交する方向の断面図である。 摺動シート等の図である。 鍵穴形の長孔の寸法を示す図である。 摺動シートの実験グラフである。 異なる形状の長孔の図である。 異なる形状の長孔の図である。 異なる形状の長孔の図である。
符号の説明
100 定着装置
101 定着ローラ
102 定着ベルト
103 加圧パッド
107 分離部材
109 ホルダー
109A,209A,309A,409A,509A,609A 突部
109B,110A 面
110 フレーム
111 摺動シート
111A,211A,311A,411A,511A,611A 長孔
111A1,211A1,311A1,411A1,511A1 広部
111A2,211A2,311A2,411A2,511A2 狭部
H ハロゲンランプ
P 記録材
N ニップ部
B 分離部

Claims (10)

  1. 弾性層を有すると共に加熱手段を内蔵して回転する定着ローラと、
    前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトを内周面側から加圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させる加圧手段と、
    前記加圧手段に対して記録材の搬送方向下流側に配置され、前記定着ベルトを内周面側から押圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧接させ、前記定着ローラの弾性層を弾性変形させる分離手段と、
    前記加圧手段及び前記分離手段を保持する保持手段と、
    前記定着ベルトと前記加圧手段及び前記分離手段との間に配置された摺動シートと、
    を備え、
    前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
    前記摺動シートは前記定着ベルトの回転方向に長い複数の長孔を有し、複数の該長孔が前記保持手段における前記ニップ部に対する前記回転方向の上流側の位置に設けられた複数の突部に各々係合すると共に、使用期間の初期においては前記長孔における前記回転方向の下流側に位置する部分が前記突部に係合することを特徴とする定着装置。
  2. 前記長孔は、前記下流側に位置する部分の幅に対して前記上流側に位置する部分の幅が狭く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記長孔は、鍵穴形に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記長孔における前記上流側に位置する部分は前記回転方向に形成された切れ目であることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  5. 前記長孔における前記上流側に位置する部分は前記回転方向に形成されたミシン目であることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  6. 前記長孔における前記下流側に位置する部分の幅は前記突部の外径より大きく、前記上流側に位置する部分の幅は前記突部の外径より小さく形成されていることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の定着装置。
  7. 前記長孔は、前記下流側に位置する部分と同じ幅を有する部分と、該幅より狭い幅を有する部分とが交互に接続されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  8. 前記長孔における前記下流側に位置する部分と同じ幅を有する部分の幅は前記突部の外径より大きく、該幅より狭い幅を有する部分の幅は前記突部の外径より小さく形成されていることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記長孔は前記下流側に位置する部分の幅と前記上流側に位置する部分の幅とが略同一に形成され、前記長孔の周囲は前記保持手段の内部で表面の粗い面で狭着されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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