JP2008026603A - 摺動部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑剤が定着ベルトの回転時に外部に染み出すことがなく、且つ、定着ベルトが回転して摺動部材に摺動するときの抵抗にならない摺動部材。
【解決手段】記録材上のトナー像を加熱定着すべく回転する定着ベルトの内周面に摺接すると共に、前記定着ベルトの内周面側に位置する部材に保持された摺動部材であって、長手方向両端部より、前記定着ベルトの回転方向と平行であって長手方向の略中央部に仮想した中心線に向かって傾斜すると共に、前記定着ベルトの回転方向下流側に向かって傾斜した複数の長溝を前記中心線の両側に有し、前記複数の長溝は前記中心線に対し5°以上、45°未満の範囲の角度で傾斜して配置されていて、且つ、0.1mm以上、0.5mm以下の範囲の深さに形成されていること。
【選択図】図3

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置に関し、詳しくは定着ローラとの間でニップ部を形成する無端状の定着ベルトの内周面に摺接する摺動部材、該摺動部材を備えた定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体ドラムに形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を記録材上に転写し、この後、記録材上のトナー像を定着して排紙している。
また、カラー画像を形成する場合には、原稿色に対応したY,M,C,Kの潜像を4個の感光体ドラムに形成し、顕像化された4色のトナー像を無端状の中間転写ベルトに一次転写した後、記録材上に二次転写して、記録材上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
このようにトナー像を定着する定着装置として、ハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵した定着ローラと、定着ローラを加圧する加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置があり、このような定着装置は構成が簡便であるため、広く利用されている。
ところで、このような定着装置において、高速化を図るためにはトナーと記録材に充分な熱量を供給する必要があり、このためにはニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くするためには、加圧ローラが定着ローラを加圧する荷重や、加圧ローラ内のシリコーンゴム等から形成された弾性層の厚みや、二つのローラの径等を増大させることが考えられる。
しかし、加圧ローラの荷重や弾性層の厚みを増大させると、軸方向のニップ幅が不均一になることがあり、定着ムラや記録材のしわが発生する虞がある。また、ローラの径を増大させると、定着装置が大型化するばかりでなく、ウォーミングアップタイムが長くなるという問題がある。
この問題を解決するために、シリコーンゴムから形成された弾性層を有し中央にハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵して回転する定着ローラと、定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトの内周面側に固定された押圧パッドと、を備え、押圧パッドにより定着ベルトを定着ローラの方向に押圧する定着装置が多数の特許公報に開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
この定着装置によれば、押圧パッドにより定着ローラに押圧された定着ベルトが弾性変形し、定着ローラと定着ベルトとの間に幅広のニップ部が形成される。従って、高速化に対応でき、定着装置が大型化することもない。更に、定着ベルトの熱容量が小さいので、ウォーミングアップタイムが短縮し、省エネになる。
ここで、押圧パッドが直に定着ベルトを押圧すると、押圧パッドと定着ベルトとの間の摺動抵抗が大きく、定着ベルトが確実に従動回転できずにスリップすることが生ずる。この結果、定着画像の品質低下、定着ベルトの駆動トルクの増大による定着ベルトを駆動するモータの消費電力の増大、減速歯車の破損、定着ベルトの内周面の摩耗等が発生する虞がある。そこで、押圧パッドと定着ベルトとの間に低摩擦のシート状部材を配置し、且つ、定着ベルトとシート状部材との間にシリコーンオイル等の潤滑剤を介在させるようにしている。
特開2004−109878号公報 特開2005−91557号公報
特許文献1,2に開示の定着装置においては、定着ベルトと摺動部材との間に介在する潤滑剤が毛細管現象で軸方向に浸み出して、定着ベルトの表面に廻り込むと、定着ベルトが定着ローラに対して滑ったり、潤滑剤が記録材に付着して染みが付いたりして、画像不良が発生する。
このために、特許文献1においては、摺動部材の両端部にフッ素樹脂を塗布した潤滑剤漏れ防止部材を配設して、潤滑剤の漏れを防止している。
しかし、このように潤滑剤漏れ防止部を設けると定着装置の軸方向の寸法が増大すると共に、原価高になる。
一方、特許文献2においては、潤滑剤がニップ部に溜まり易くすることを目的として、シート状部材の表面に凹凸を設け、摺動方向の十点平均粗さが摺動方向と垂直方向の十点平均粗さよりも大きくする構成にしている。加えて、潤滑剤がシート状部材の中央に集まって、潤滑剤がシート状部材の端部から横漏れしないようにするために、定着ベルトの摺動方向に向かってシート状部材には「ハ」の字形の複数の長溝が設けられている。そして、摺動方向に平行な中心線に対する長溝の角度は45°〜85°の範囲が好ましく、55°〜65°の範囲がより好ましいと記載されている。
しかし、特許文献2においては、シート状部材に設けた長溝の角度は中心線に対して45°以上であるので、長溝による凹凸が定着ベルトが摺動する際の抵抗となるといった問題が生ずる。
その上、特許文献2には記載されていないが、ニップ部より排出される記録材が定着ローラより容易に分離できるようにするため、ニップ部の出口付近に定着ベルトの内周面をシート状部材と共に押圧する樹脂製若しくは金属製の分離部材を設け、分離部材によって押圧された定着ベルトが定着ローラに食い込むように構成することにして、部分的に大きな曲率のニップ部を形成することが実際には行われる。このようにすることによって、定着ローラ等に記録材を分離し易くするためのオイルを塗布する必要がなくなり、更に、オイルによる画像のテカリがなくなって、ボールペン等による書き込みも可能になる。
しかし、特許文献2に記載の構成の定着装置に上述の分離部材を設けると、シート状部材も大きな曲率で変形するので、45°以上の角度の凹凸によって摺動抵抗が更に増大する。
本発明者は、潤滑剤を定着ベルトと摺動部材との間に保持すると共に、潤滑剤が定着ベルトの回転時に外部に染み出さないようにするために、摺動部材に傾斜した複数の長溝を設け、且つ、これらの長溝が定着ベルトが回転して摺動部材に摺動するときの抵抗にならないように配置することを鋭意検討してきた。
この結果、長溝を適正な角度に設定することにより、潤滑剤が定着ベルトの回転時に外部に染み出すことがなく、且つ、定着ベルトが回転して摺動部材に摺動するときの抵抗にならないことを見出した。
本発明の目的は、かかる構成の摺動部材、該摺動部材を備えた定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置を提案することである。
前記目的は、下記に記載した発明により達成される。
1.記録材上のトナー像を加熱定着すべく回転する定着ベルトの内周面に摺接すると共に、前記定着ベルトの内周面側に位置する部材に保持された摺動部材であって、
長手方向両端部より、前記定着ベルトの回転方向と平行であって長手方向の略中央部に仮想した中心線に向かって傾斜すると共に、前記定着ベルトの回転方向下流側に向かって傾斜した複数の長溝を前記中心線の両側に有し、
前記複数の長溝は前記中心線に対し5°以上、45°未満の範囲の角度で傾斜して配置されていて、且つ、0.1mm以上、0.5mm以下の範囲の深さに形成されていることを特徴とする摺動部材。
2.前記長溝は0.4本/mm以上、4本/mm以下の範囲のピッチで配置されていることを特徴とする1に記載の摺動部材。
3.前記長溝の断面形状は、V形、矩形若しくは台形の何れかであることを特徴とする1又は2に記載の摺動部材。
4.加熱手段を有して回転する定着ローラと、
前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを内周面側から前記定着ローラの方向に押圧する押圧手段と、
前記定着ベルトと前記押圧手段との間に配置された1〜3の何れか1項に記載の摺動部材と、を備え、
前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を加熱定着する定着装置であって、
前記定着ベルトと前記摺動部材との間に潤滑剤を保持したことを特徴とする定着装置。
5.前記ニップ部からの記録材の排出部近傍に、前記摺動部材と前記定着ベルトを押圧して前記定着ローラの外周面を凹状に変形させる分離部材を設けたことを特徴とする4に記載の定着装置。
6.4又は5に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明の摺動部材、定着装置及び画像形成装置によれば、潤滑剤を定着ベルトと摺動部材との間に確実に保持するができると共に、潤滑剤が定着ベルトの回転時に定着ベルトの軸方向に染み出すことがなく、更に、定着ベルトが回転して摺動部材に摺動するときの抵抗になることがない。
以下に本発明の画像形成装置に関する実施の形態を図を参照して説明する。
先ず、画像形成装置の一例を図1の構成図に基づいて説明する。
本画像形成装置は画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10K、ベルト状の中間転写体6、給紙搬送手段及び定着装置9等からなる。
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されて形成された信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光手段3Y,3M,3C,3Kに送られる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体ドラム1Yの周囲に帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段8Yを配置している。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体ドラム1Mの周囲に帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M及びクリーニング手段8Mを配置している。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体ドラム1Cの周囲に帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C及びクリーニング手段8Cを配置している。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、感光体ドラム1Kの周囲に帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K及びクリーニング手段8Kを配置している。そして、帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C、及び帯電手段2Kと露光装置3Kは、潜像形成手段を構成する。
なお、現像手段4Y,4M,4C,4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する。
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
定着装置100は、加熱された定着ローラ101と定着ベルト102との間に形成されたニップ部で記録紙(記録材)P上のトナー像を加熱・加圧して定着する。
かくして、画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y,7M,7C,7Kにより逐次転写されて(1次転写)、カラー画像合成されたトナー像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A,22B,22C,22D,レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに搬送され、記録紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された記録紙Pは定着装置100において加熱・加圧され、記録紙P上のカラートナー像が定着される。その後、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
一方、転写手段7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
なお、以上はカラー画像を形成する画像形成装置であったが、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよいし、中間転写体を用いても用いなくてもよい。
次に、本発明に係わる定着装置100の主要構成について、図2に示す中心軸と直交して切断した断面図に基づいて説明する。
定着ローラ101は、中央にハロゲンランプ(加熱手段)Hを内蔵し、アルミニュウムや鉄等から形成された円筒状芯金101Aと、円筒状芯金101Aを被覆し耐熱性の高いシリコーンゴムから成る弾性層101Bと、更に弾性層101Bを被覆しPFA(パーフルオロアルコキシ)若しくはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂から成る離型層101Cと、により構成されている。
定着ベルト102は、約100μmの厚みのポリイミドにより形成された基体と、基体の外表面を被覆する約25μmの厚みのPFA若しくはPTFEで形成された離型層とにより構成されていて、無端状に形成されている。
押圧パッド103は、硬度JISA約10°のシリコーンゴムから形成され、ステンレスから形成されたベース板金104、及び耐熱樹脂から形成されたベース部材105と共に、耐熱樹脂から形成されたホルダー108に保持されている。また、ベース部材105の裏面には圧縮バネ106が配置されている。
ここで、押圧パッド103、ベース板金104、ベース部材105及び圧縮バネ106を含めて押圧手段と称す。
また、定着された記録紙Pの定着ローラ101からの分離性を向上させるための分離部材107は耐熱樹脂若しくはアルミニュウム等の金属から形成され、ホルダー108及び耐熱樹脂から形成されたホルダー109に保持されている。
そして、ホルダー108,109は中央に配置された金属製のフレーム110によって保持されている。
摺動部材111は、テフロン(登録商標)コーティングのガラス繊維シートやPTFEシートから形成され、定着ベルト102の内周面と押圧パッド103との間、及び定着ベルト102の内周面と分離部材107との間に配置されて、定着ベルト102の内周面に摺接し、一端がフレーム110に固定されている。
オイルパッド112(潤滑剤供給部材)はスポンジ等から形成されてシリコーンオイル等からなる潤滑剤を含有し、ホルダー109に保持され、定着ベルト102の内周面に圧着している。
なお、定着ベルト102の回転時に、ホルダー108は摺動部材111を介して定着ベルト102を案内し、ホルダー109は定着ベルト102を直接案内する案内部材としての機能も有する。
このように構成された定着装置100において、ハロゲンランプHにより加熱され、不図示の駆動手段によって駆動された定着ローラ101が時計方向に回転する。また、押圧パッド103が圧縮バネ106によりベース板金104及びベース部材105を介して押圧され、押圧パッド103は摺動部材111を介して定着ベルト102を定着ローラ101に押圧する。更に、分離部材107が摺動部材111を介して定着ベルト102を定着ローラ101を押圧して凹状に変形させる。
従って、定着ベルト102は、定着ローラ101の回転によって反時計方向に回転し、押圧パッド103により定着ローラ101に押圧されて弾性変形するので、定着ベルト102と定着ローラ101との間に幅広のニップ部Nが形成される。そして、搬送された記録紙P上の未定着トナーはニップ部Nで加熱・加圧されて定着される。また、ニップ部Nからの記録紙Pの排出部近傍において、分離部材107によってニップ部Nの一部が大きな曲率で変形しているので、排出された記録紙Pは定着ローラ101から確実に分離する。
また、定着ベルト102の内周面は回転時に摺動部材111に摺動するが、摺動部材111は摩擦係数が小さいので、両者の間の摺動抵抗は小さい。更に、オイルパッド112から潤滑剤としてのシリコーンオイルが定着ベルト102の内周面に供給されるので、更に摺動抵抗は小さくなる。
次に、摺動部材111について詳細に説明する。図3は摺動部材111を定着ベルト102側から見た上面図である。
摺動部材111は、長手方向両端部より、定着ベルト102の回転方向と平行であって長手方向の略中央部に仮想した中心線Cに向かって傾斜すると共に、定着ベルト102の回転方向下流側(矢印方向)に向かって傾斜した複数の長溝111Aを中心線Cの両側に有している。
なお、長溝の断面形状はV形、矩形、台形等のどのような形状でもよいが、図3においてはV形として、山線、谷線を各々描いている。
このような複数の長溝111Aを設けることにより、オイルパッド112から供給されたシリコーンオイルが長溝111Aに確実に溜まって、定着ベルト102の回転時の摺動抵抗が減少する。また、定着ベルト102の回転時にシリコーンオイルが長溝111Aに沿って中心線Cの方向に流れ、定着ベルト102の軸方向外部に浸み出ることがない。
このように摺動部材111に傾斜した長溝を形成する場合に、中心線Cに対する傾斜角度(θ)を適正に選択することが摺動抵抗を増大させないために重要である。以下に、適正な傾斜角度を求めた実験結果を記す。
(1)実験条件
定着装置:図2に示した構成
定着ベルト:ポリイミド樹脂をPTFEで被覆、外径35mm、幅390mm、厚み12 5μm(表層を含む)、周速350mm/s
摺動部材:テフロン(登録商標)コーティングのガラス繊維シート
長溝の断面形状は矩形、ピッチは2本/mm
潤滑剤:ジメチルシリコーンオイル
評価:摺動部材の長溝の深さと傾斜角度を変化させ、定着ベルトを回転させたときの定着ローラの駆動軸に掛かる負荷トルクを測定して、目標トルク(5kgf)との比較で評価した。定着ベルトと摺動部材との摺動抵抗が増大しなければ、負荷トルクも増大しない。
○・・・目標トルクに対して120%未満
△・・・目標トルクに対して120以上、150%未満
×・・・目標トルクに対して150%以上
(2)実験結果
表1に示す。
Figure 2008026603
(3)評価
定着ローラの負荷トルクを増大させないために、摺動部材の長溝の角度は5〜45°が好ましく、より好ましくは30〜45°である。また、長溝の深さは0.1〜0.5mmが好ましく、より好ましくは0.3〜0.5mmである。
次に、複数の長溝の最適なピッチを求めた実験結果を記す。
(1)実験条件
前述の傾斜角度の条件と同一
但し、長溝の断面形状を矩形に、傾斜角度を30°に設定した。
(2)実験結果
表2に示す。
Figure 2008026603
(3)評価
定着ローラの負荷トルクを増大させないために、ピッチは0.4〜4本/mmが好ましく、より好ましくは1〜4本/mmである。
続いて、長溝の断面形状を変化させた実験結果を記す。
(1)実験条件
前述の傾斜角度の条件と同一
但し、長溝の断面形状をV形、矩形、台形に設定すると共に、傾斜角度を30°に、ピッチを2本/mmに設定した。
(2)実験結果
表3に示す。
Figure 2008026603
(3)評価
長溝の断面形状がV形、矩形、台形であっても差がなかった。
なお、摺動部材111の長溝111Aに関し、定着ベルト102が蛇行しない範囲であれば、中心線Cが図3の左右何れかに片寄っていて、左右の長溝111Aの長さが異なっていてもよい。
また、図4に示す如く、中心線Cの近傍に、定着ベルト102の回転方向と平行であって長溝111Aを有しない部分があってもよい。
更に、図5に示す如く、左右の長溝111Aは必ずしも中心線Cで交差していなくてもよい。
画像形成装置の構成図である。 定着装置の断面図である。 摺動部材を定着ベルト側から見た上面図である。 異なる長溝を有する摺動部材を定着ベルト側から見た上面図である。 異なる長溝を有する摺動部材を定着ベルト側から見た上面図である。
符号の説明
100 定着装置
101 定着ローラ
102 定着ベルト
103 押圧パッド
108,109 ホルダー
110 フレーム
111 摺動部材
112 オイルパッド

Claims (6)

  1. 記録材上のトナー像を加熱定着すべく回転する定着ベルトの内周面に摺接すると共に、前記定着ベルトの内周面側に位置する部材に保持された摺動部材であって、
    長手方向両端部より、前記定着ベルトの回転方向と平行であって長手方向の略中央部に仮想した中心線に向かって傾斜すると共に、前記定着ベルトの回転方向下流側に向かって傾斜した複数の長溝を前記中心線の両側に有し、
    前記複数の長溝は前記中心線に対し5°以上、45°未満の範囲の角度で傾斜して配置されていて、且つ、0.1mm以上、0.5mm以下の範囲の深さに形成されていることを特徴とする摺動部材。
  2. 前記長溝は0.4本/mm以上、4本/mm以下の範囲のピッチで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
  3. 前記長溝の断面形状は、V形、矩形若しくは台形の何れかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の摺動部材。
  4. 加熱手段を有して回転する定着ローラと、
    前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトを内周面側から前記定着ローラの方向に押圧する押圧手段と、
    前記定着ベルトと前記押圧手段との間に配置された請求項1〜3の何れか1項に記載の摺動部材と、を備え、
    前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を加熱定着する定着装置であって、
    前記定着ベルトと前記摺動部材との間に潤滑剤を保持したことを特徴とする定着装置。
  5. 前記ニップ部からの記録材の排出部近傍に、前記摺動部材と前記定着ベルトを押圧して前記定着ローラの外周面を凹状に変形させる分離部材を設けたことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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