JP2000320634A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

Info

Publication number
JP2000320634A
JP2000320634A JP11129097A JP12909799A JP2000320634A JP 2000320634 A JP2000320634 A JP 2000320634A JP 11129097 A JP11129097 A JP 11129097A JP 12909799 A JP12909799 A JP 12909799A JP 2000320634 A JP2000320634 A JP 2000320634A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
trunnions
displacement
pivots
disks
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11129097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000320634A5 (ja
JP4078752B2 (ja
Inventor
Takashi Imanishi
尚 今西
Tomohito Yamashita
山下  智史
Takashi Machida
尚 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP12909799A priority Critical patent/JP4078752B2/ja
Priority to US09/395,216 priority patent/US6592491B1/en
Priority to DE19964349A priority patent/DE19964349B4/de
Priority to DE1999147851 priority patent/DE19947851C2/de
Publication of JP2000320634A publication Critical patent/JP2000320634A/ja
Priority to US10/437,193 priority patent/US6902509B2/en
Publication of JP2000320634A5 publication Critical patent/JP2000320634A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4078752B2 publication Critical patent/JP4078752B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速動作時に、各トラニオン27、27の軸
方向変位を初期段階から厳密に一致させて、トラクショ
ン部での滑りの発生を抑える。 【解決手段】 上記各トラニオン27、27の枢軸2
9、29にそれぞれの基端部を結合固定した駆動ロッド
51、51の先端部に、それぞれ受片72、72を設け
る。中央部を第二の枢軸78に枢支した揺動腕80の両
端部を、これら各受片72、72に係合させる。この構
成により、上記各トラニオン27、27を上記各枢軸2
9、29の軸方向に亙り、互いに逆方向に同じ距離だけ
変位させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型
無段変速機は、例えば自動車用の変速機の変速ユニット
として、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ
利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図10〜11に
略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研
究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば
実開昭62−71465号公報に開示されている様に、
入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力
軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク
4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケ
ーシング5(後述する図12〜14)の内側には、上記
入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸
6、6を中心として揺動するトラニオン7、7を設けて
いる。
【0003】即ち、これら各トラニオン7、7は、両端
部外側面に上記各枢軸6、6を、互いに同心に設けてい
る。従って、これら各枢軸6、6は、上記両ディスク
2、4の中心軸と交差する事はないが、この中心軸の方
向に対して直角方向に設けられている。又、これら各ト
ラニオン7、7の中心部には変位軸8、8の基端部を支
持し、上記各枢軸6、6を中心として各トラニオン7、
7を揺動させる事により、上記各変位軸8、8の傾斜角
度の調節を自在としている。各トラニオン7、7に支持
された変位軸8、8の周囲には、それぞれパワーローラ
9、9を回転自在に支持している。そして、これら各パ
ワーローラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク
2、4の間に挟持している。これら入力側、出力側両デ
ィスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、そ
れぞれ断面が、上記枢軸6を中心とする円弧を上記入力
軸1及び出力軸3を中心に回転させて得られる凹面をな
している。そして、球状凸面に形成した各パワーローラ
9、9の周面9a、9aを、上記各内側面2a、4aに
当接させている。
【0004】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置10を設け、この押
圧装置10によって、上記入力側ディスク2を出力側デ
ィスク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押
圧装置10は、入力軸1と共に回転するカム板11と、
保持器12により保持した複数個(例えば4個)のロー
ラ13、13とから構成している。上記カム板11の片
側面(図10〜11の左側面)には、円周方向に亙る凹
凸面であるカム面14を形成し、上記入力側ディスク2
の外側面(図10〜11の右側面)にも、同様のカム面
15を形成している。そして、上記複数個のローラ1
3、13を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸
を中心とする回転自在に支持している。
【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板11が回転
すると、カム面14によって複数個のローラ13、13
が、入力側ディスク2の外側面に形成したカム面15に
押圧される。この結果、上記入力側ディスク2が、上記
複数のパワーローラ9、9に押圧されると同時に、上記
1対のカム面14、15と複数個のローラ13、13と
の押し付け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回
転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記
複数のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に
伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回
転する。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、前記各枢軸6、6を中心として
前記各トラニオン7、7を所定方向に揺動させ、上記各
パワーローラ9、9の周面9a、9aが図10に示す様
に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出
力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞ
れ当接する様に、前記各変位軸8、8を傾斜させる。反
対に、増速を行なう場合には、上記各枢軸6、6を中心
として上記各トラニオン7、7を反対方向に揺動させ、
上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図11に
示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部
分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分と
に、それぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜
させる。各変位軸8、8の傾斜角度を図10と図11と
の中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の
変速比を得られる。
【0007】上述の様なトロイダル型無段変速機によ
り、実際の自動車用変速機を構成する場合、入力側ディ
スク2と出力側ディスク4とパワーローラ9、9とを2
組設け、これら2組の入力側ディスク2と出力側ディス
ク4とパワーローラ9、9とを、動力の伝達方向に対し
て互いに並列に配置する、所謂ダブルキャビティ型のト
ロイダル型無段変速機も、従来から広く知られている。
図12〜14は、この様なダブルキャビティ型のトロイ
ダル型無段変速機の一種で、特公平8−23386号公
報に記載されて従来から知られているものを示してい
る。
【0008】ケーシング5の内側には入力軸1aを、回
転のみ自在に支持している。そして、この入力軸1aの
周囲に円管状の伝達軸16を、この入力軸1aと同心
に、且つこの入力軸1aに対する相対回転を自在に支持
している。この伝達軸16の中間部両端寄り部分には、
請求項に記載した第一、第二外側ディスクに相当する第
一、第二両入力側ディスク17、18を、互いの内側面
2a、2a同士を対向させた状態で、それぞれボールス
プライン19、19を介して支持している。従って、上
記第一、第二両入力側ディスク17、18は、上記ケー
シング5の内側に、互いに同心に且つ互いに同期した回
転自在に支持されている。
【0009】又、上記伝達軸16の中間部の周囲には、
請求項に記載した第一、第二内側ディスクに相当する第
一、第二両出力側ディスク20、21を、スリーブ22
を介して支持している。このスリーブ22は、中間部外
周面に出力歯車23を一体に設けたもので、上記伝達軸
16の外径よりも大きな内径を有し、上記ケーシング5
内に設けた支持壁24に、1対の転がり軸受25、25
により、上記伝達軸16と同心に、且つ回転のみ自在に
支持している。上記第一、第二両出力側ディスク20、
21は、この様に上記伝達軸16の中間部周囲に、この
伝達軸16に対し回転自在に支持したスリーブ22の両
端部に、それぞれの内側面4a、4aを互いに反対に向
けた状態で、スプライン係合させている。従って、上記
第一、第二両出力側ディスク20、21は、それぞれの
内側面4a、4aを上記第一、第二何れかの入力側ディ
スク17、18の内側面2a、2aに対向させた状態で
これら第一、第二両入力側ディスク17、18と同心
に、且つこれら第一、第二両入力側ディスク17、18
とは独立した回転自在に支持されている。
【0010】又、前記ケーシング5の内面で上記第一、
第二両出力側ディスク20、21の側方位置には、これ
ら両出力側ディスク20、21を両側から挟む状態で、
1対のヨーク26a、26bを支持している。これら両
ヨーク26a、26bはそれぞれ、鋼等の金属板にプレ
ス加工を施す事により、或は鋼等の金属材料に鍛造加工
を施す事により、矩形枠状に形成している。これら各ヨ
ーク26a、26bは、それぞれの四隅部に、後述する
第一、第二両トラニオン27、28の両端部に設けた第
一、第二両枢軸29、30を揺動自在に支持する為の円
形の支持孔31、31を、上記伝達軸16の軸方向(図
12の左右方向)両端部の幅方向(図13〜14の左右
方向)中央部に、円形の係止孔32、32を、それぞれ
形成している。それぞれがこの様な形状を有する上記1
対のヨーク26a、26bは、上記ケーシング5の内面
で互いに対向する部分に形成した支持ポスト33a、3
3bに、若干の変位自在に支持している。これら各支持
ポスト33a、33bはそれぞれ、第一入力側ディスク
17の内側面2aと第一出力側ディスク20の内側面4
aとの間部分である第一キャビティ34、第二入力側デ
ィスク18の内側面2aと第二出力側ディスク21の内
側面4aとの間部分である第二キャビティ35に、それ
ぞれ対向する状態で設けている。従って、上記各ヨーク
26a、26bを上記各支持ポスト33a、33bに支
持した状態で、これら各ヨーク26a、26bの一端部
は上記第一キャビティ34の外周部分に、他端部は上記
第二キャビティ35の外周部分に、それぞれ対向する。
【0011】又、上記第一キャビティ34内で第一入力
側ディスク17及び第一出力側ディスク20の直径方向
反対位置には1対の第一トラニオン27、27を、上記
第二キャビティ35内で第二入力側ディスク18及び第
二出力側ディスク21の直径方向反対位置には1対の第
二トラニオン28、28を、それぞれ配置している。こ
のうち、上記各第一トラニオン27、27の両端部に互
いに同心に設けた、各第一トラニオン27、27毎に2
本ずつ、合計4本の第一枢軸29、29は、図13に示
す様に、上記1対のヨーク26a、26bの一端部に、
揺動並びに軸方向に亙る変位自在に支持している。即
ち、これら各ヨーク26a、26bの一端部に形成した
支持孔31、31の内側に上記各第一枢軸29、29
を、ラジアルニードル軸受36、36により支持してい
る。これら各ラジアルニードル軸受36、36はそれぞ
れ、外周面が球状凸面であり内周面が円筒面である外輪
37と複数本のニードル38、38とから成る。従って
上記各第一枢軸29、29は、上記各ヨーク26a、2
6bの一端部の幅方向両側に、各方向の揺動並びに軸方
向に亙る変位自在に支持されている。又、上記各第二ト
ラニオン28、28の両端部に互いに同心に設けた1対
ずつの第二枢軸30、30は上記第二キャビティ35内
に、図14に示す様に、上記第一トラニオン27、27
に設けた上記各第一枢軸29、29と同様の構造により
支持している。
【0012】上述の様にして前記ケーシング5の内側
に、揺動及び上記第一、第二各枢軸29、30の軸方向
に亙る変位自在に支持した、上記第一、第二各トラニオ
ン27、28の中間部にはそれぞれ、図13〜14に示
す様に円孔39、39を形成している。そして、これら
各円孔39、39部分に、第一、第二各変位軸40、4
1を支持している。これら第一、第二各変位軸40、4
1はそれぞれ、互いに平行で且つ偏心した支持軸部4
2、42と枢支軸部43、43とを、それぞれ有する。
このうちの各支持軸部42、42を上記各円孔39、3
9の内側に、ラジアルニードル軸受44、44を介し
て、回転自在に支持している。又、上記各枢支軸部4
3、43の周囲に第一、第二各パワーローラ45、46
を、別のラジアルニードル軸受47、47を介して、回
転自在に支持している。
【0013】尚、前記第一、第二各キャビティ34、3
5毎に1対ずつ設けた、上記第一、第二各変位軸40、
41は、上記第一、第二各キャビティ34、35毎に、
前記入力軸1a及び伝達軸16に対して180度反対側
位置に設けている。又、これら第一、第二各変位軸4
0、41の各枢支軸部43、43が各支持軸部42、4
2に対し偏心している方向は、前記第一、第二入力側、
出力側各ディスク17、18、20、21の回転方向に
関して同方向(図13〜14で上下逆方向)としてい
る。又、偏心方向は、上記入力軸1aの配設方向に対し
ほぼ直交する方向としている。従って、上記各第一、第
二各パワーローラ45、46は、上記入力軸1a及び伝
達軸16の配設方向に亙る若干の変位自在に支持され
る。この結果、トロイダル型無段変速機により伝達する
トルクの変動に基づく、構成各部材の弾性変形量の変動
等に起因して、上記各第一、第二各パワーローラ45、
46が上記入力軸1a及び伝達軸16の軸方向(図12
の左右方向、図13〜14の表裏方向)に変位する傾向
となった場合でも、構成各部材に無理な力を加える事な
く、この変位を吸収できる。
【0014】又、上記各第一、第二各パワーローラ4
5、46の外側面と前記第一、第二各トラニオン27、
28の中間部内側面との間には、第一、第二各パワーロ
ーラ45、46の外側面の側から順に、スラスト玉軸受
48、48と、滑り軸受或はニードル軸受等のスラスト
軸受49、49とを設けている。このうちのスラスト玉
軸受48、48は、上記各第一、第二各パワーローラ4
5、46に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、こ
れら各第一、第二各パワーローラ45、46の回転を許
容する。又、上記各スラスト軸受49、49は、上記第
一、第二各パワーローラ45、46から上記各スラスト
玉軸受48、48の外輪50、50に加わるスラスト荷
重を支承しつつ、前記枢支軸部43、43及び上記外輪
50、50が前記支持軸部42、42を中心に揺動する
事を許容する。
【0015】更に、上記第一、第二各トラニオン27、
28の一端部(図13〜14の下端部)にはそれぞれ駆
動ロッド51、51を結合し、これら各駆動ロッド5
1、51の中間部外周面に駆動ピストン52、52を固
設している。そして、これら各駆動ピストン52、52
を、それぞれ駆動シリンダ53、53内に油密に嵌装し
ている。これら各駆動ピストン52、52と駆動シリン
ダ53、53とが、それぞれ上記第一、第二各トラニオ
ン27、28を第一、第二各枢軸29、30の軸方向に
亙って変位させる為のアクチュエータを構成する。又、
上記各駆動シリンダ53、53内には、図示しない制御
弁の切り換えに基づいて、圧油を給排自在としている。
【0016】更に、前記入力軸1aと前記第一入力側デ
ィスク17との間には、ローディングカム式の押圧装置
10を設けている。この押圧装置10は、上記入力軸1
aの中間部にスプライン係合すると共に軸方向に亙る変
位を阻止された状態で支持されて、上記入力軸1aと共
に回転するカム板11と、保持器12に転動自在に保持
された複数のローラ13とを含んで構成している。そし
て、上記入力軸1aの回転に基づいて上記第一入力側デ
ィスク17を、第二入力側ディスク18に向け押圧しつ
つ回転させる。
【0017】上述の様に構成する、ダブルキャビティ型
のトロイダル型無段変速機の運転時、入力軸1aの回転
は押圧装置10を介して第一入力側ディスク17に伝え
られ、この第一入力側ディスク17と第二入力側ディス
ク18とが、互いに同期して回転する。そして、これら
第一、第二両入力側ディスク17、18の回転が、前記
第一、第二両キャビティ34、35内にそれぞれ1対ず
つ設けた第一、第二各パワーローラ45、46を介し
て、第一、第二両出力側ディスク20、21に伝えら
れ、更にこれら第一、第二両出力側ディスク20、21
の回転が、前記出力歯車23より取り出される。入力軸
1aと出力歯車23との間の回転速度比を変える場合に
は、上記制御弁の切り換えに基づいて、上記第一、第二
両キャビティ34、35に対応してそれぞれ1対ずつ設
けた駆動ピストン52、52を、各キャビティ34、3
5毎に互いに逆方向に同じ距離だけ変位させる。
【0018】これら各駆動ピストン52、52の変位に
伴って上記1対ずつ合計4個のトラニオン27、28
が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図13〜14の右
側の第一、第二両パワーローラ45、46が各図の下側
に、図13〜14の左側の第一、第二両パワーローラ4
5、46が各図の上側に、それぞれ変位する。この結
果、これら各第一、第二各パワーローラ45、46の周
面9a、9aと上記第一、第二両入力側ディスク17、
18及び第一、第二両出力側ディスク20、21の内側
面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向
きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って前
記第一、第二各トラニオン27、28が、ヨーク26
a、26bに枢支した第一、第二各枢軸29、30を中
心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の
図10〜11に示した様に、上記各第一、第二各パワー
ローラ45、46の周面9a、9aと上記各ディスク1
7、18、20、21の内側面2a、4aとの当接位置
が変化し、上記入力軸1aと出力歯車23との間の回転
速度比が変化する。
【0019】上述の様なトロイダル型無段変速機には、
前記駆動ロッド51、51、駆動ピストン52、52、
駆動シリンダ53、53等を含んで構成される油圧駆動
装置の故障時にも、上記第一、第二各トラニオン27、
28の揺動を互いに同期させる為の機構を組み込んでい
る。そして、上記油圧駆動装置の故障時にも、上記各デ
ィスク17、18、20、21の内側面2a、4aと各
パワーローラ45、46の周面9a、9aとの間に過大
な摩擦力が作用する事を防止して、トロイダル型無段変
速機が致命的な損傷を受ける事を防止し、しかも最低限
の動力伝達を確保できる様にしている。
【0020】この様な機構として従来から、特開昭63
−67458号公報、特開平4−327051号公報、
実開昭62−200852号公報等に記載されたものが
知られている。図15〜16は、このうちの特開平4−
327051号公報に記載された構造の2例を示してい
る。これら図15〜16により、ダブルキャビティ型の
トロイダル型無段変速機に於ける、上記第一、第二各ト
ラニオン27、28の揺動を互いに同期させる為の機構
に就いて説明する。
【0021】同期機構を構成すべく、第一、第二各トラ
ニオン27、28の軸方向(図15〜16の表裏方向)
端部に、プーリ54、54を固定している。これら各プ
ーリ54、54の外周面は、枢軸29、30(図13〜
14参照)と同心の円弧面としている。そして、これら
各プーリ54、54の外周面に形成した凹溝にケーブル
55、55a、55bの一部を、嵌合させる様にして掛
け渡し、上記1対ずつ、合計4個の第一、第二各トラニ
オン27、28を同期して揺動させる様にしている。即
ち、何れの構造の場合も、各組を構成する1対の第一、
第二各トラニオン27、28の端部に固定した1対のプ
ーリ54、54同士の間に上記ケーブル55、55を、
たすき掛けに掛け渡している。従って、各組を構成する
(同一キャビティ内に存在する)1対ずつの第一、第二
各トラニオン27、28は、逆方向に同一角度だけ回動
自在であり、対角線位置に存在する(異なるキャビティ
内で入力軸1aの円周方向反対側に存在する)プーリ5
4、54は、同方向に同一角度だけ回動自在である。
【0022】この為に図15に示した第1例の構造で
は、上記対角線位置に存在するプーリ54、54同士の
間にのみ、ケーブル55aを掛け渡し、止め具56、5
6によって、このケーブル55aと上記対角線位置に存
在するプーリ54、54とを結合している。一方、図1
6に示した第2例の構造では、ケーブル55bを総ての
プーリ54、54に掛け渡す代わりに、対角線位置に存
在する1対のプーリ54、54にのみ、止め具56、5
6により、このケーブル55bを結合している。残りの
プーリ54、54とケーブル55bとの間には滑り板5
7、57を介在させて、このケーブル55bの動きがこ
の残りのプーリ54、54に伝わらない様にしている。
図16に示した構造は、ケーブル55bが、第一、第二
各出力側ディスク20、21及び大径の出力歯車23
等、トロイダル型無段変速機を構成する他の部材と干渉
する事を防止する為に採用する。尚、入力側ディスクと
出力側ディスクとを、それぞれ1個ずつ設けた、所謂シ
ングルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の場合
も、図15〜16に示したたすき掛けのケーブル55を
設ける事で、複数のトラニオンの揺動を同期させる様に
している。又、図示は省略するが、実公平4−5251
2号公報、特開平6−117515号公報、同7−24
3496号公報には、複数のトラニオンの傾斜角度を同
期させる機構を、歯車伝達機構により構成する技術が記
載されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従来の同期機構は何れ
も、駆動ロッド51、51の軸方向変位の結果として生
じる、各トラニオン7、27、28の傾斜角度を互いに
一致させる事を考慮したものであって、上記各駆動ロッ
ド51、51の軸方向変位そのものを同期させるもので
はなかった。又、同期機構そのものが、あくまでも非常
用のものであって、ケーブル55、55a、55bの伸
びや歯車のバックラッシュの存在に基づき、上記各トラ
ニオン7、27、28の傾斜角度を厳密に一致させられ
るものではなかった。上記各駆動ロッド51、51の軸
方向変位を同期させるのは、各駆動シリンダ53、53
内に導入する油圧を制御する事により行なっている。こ
の為、変速動作開始直後の過渡期には、上記各トラニオ
ン7、27、28の傾斜角度が微妙に異なり、各パワー
ローラ9、45、46の周面9a、9aと各ディスク
2、4、17、18、20、21の内側面2a、4aと
の当接部に滑りが発生する可能性がある。
【0024】この様な原因で各面同士の当接部に発生す
る滑りは、素早い変速動作を行なうべく、上記各トラニ
オン7、27、28を各枢軸6、29、30の軸方向に
亙り早く移動させた場合に著しくなり易い。そして、上
記滑りが発生した場合には、動力の伝達効率が悪化する
だけでなく、上記各面の転がり疲れ寿命を低下させる
為、好ましくない。そこで、伝達効率の悪化や転がり疲
れ寿命の低下を防止しつつ、素早い変速動作を行なえる
様にする為には、上記各駆動ロッド51、51の軸方向
変位そのものを厳密に同期させる構造を実現する必要が
ある。本発明のトロイダル型無段変速機は、上述の様な
事情に鑑みて発明したものである。
【0025】
【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段
変速機のうち、請求項1に記載したトロイダル型無段変
速機は、従来から知られているトロイダル型無段変速機
と同様に、ケーシングと、このケーシングの内側に互い
の内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且つ互
いに独立した回転自在に支持された入力側ディスク及び
出力側ディスクと、これら入力側ディスクと出力側ディ
スクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸と交差す
る事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向とな
る捻れの位置に存在する、互いに同心若しくは平行な4
本以上で偶数本の枢軸と、これら各枢軸を中心として揺
動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンの内側
面から突出した変位軸と、これら各変位軸の周囲に回転
自在に支持された状態で、上記入力側ディスクの内側面
と出力側ディスクの内側面との間に挟持された、上記各
トラニオンと同数のパワーローラと、これら各トラニオ
ンを上記各枢軸の軸方向に亙って変位させる、これら各
トラニオンと同数のアクチュエータとを備える。
【0026】又、請求項2に記載したトロイダル型無段
変速機は、従来から知られているダブルキャビティ型の
トロイダル型無段変速機と同様に、ケーシングと、この
ケーシングの内側に互いの内側面同士を対向させた状態
で、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持さ
れた第一、第二外側ディスクと、その内側面を第一外側
ディスクの内側面に対向させた状態でこれら第一、第二
外側ディスクと同心に、且つこれら第一、第二外側ディ
スクとは独立した回転自在に支持された第一内側ディス
クと、その内側面を第二外側ディスクの内側面に対向さ
せた状態で上記第一内側ディスクと同心に、且つこの第
一内側ディスクと同期した回転自在に支持された第二内
側ディスクと、上記第一外側ディスクと第一内側ディス
クとの間部分で、これら各ディスクの中心軸と交差する
事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向となる
捻れの位置に存在する、互いに同心若しくは平行な4本
以上で偶数本の第一枢軸と、これら各第一枢軸を中心と
して揺動する複数の第一トラニオンと、これら各第一ト
ラニオンの内側面から突出した第一変位軸と、これら各
第一変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記
第一外側ディスクの内側面と第一内側ディスクの内側面
との間に挟持された複数個の第一パワーローラと、上記
第二外側ディスクと第二内側ディスクとの間部分で、こ
れら各ディスクの中心軸と交差する事はないが、この中
心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位置に存在す
る、互いに同心若しくは平行な4本以上で偶数本の第二
枢軸と、これら各第二枢軸を中心として揺動する複数の
第二トラニオンと、これら各第二トラニオンの内側面か
ら突出した第二変位軸と、これら各第二変位軸の周囲に
回転自在に支持された状態で、上記第二外側ディスクの
内側面と第二内側ディスクの内側面との間に挟持された
複数個の第二パワーローラと、上記各トラニオンを上記
各枢軸の軸方向に亙って変位させる、これら各トラニオ
ンと同数のアクチュエータとを備える。
【0027】特に、本発明のトロイダル型無段変速機に
於いては、上記各アクチュエータによる上記各枢軸の軸
方向に亙る上記各トラニオンの変位を機械的に同期させ
る同期機構を設けている。この様な同期機構として例え
ば、これら各トラニオンの端部にそれぞれの基端部を結
合固定し、それぞれがアクチュエータにより軸方向に変
位させられて上記各トラニオンを枢軸の軸方向に亙り変
位させる駆動ロッドの先端部にそれぞれ固定された受片
と、その端部をこれら各受片に揺動変位のみ自在に係合
させ、その中央部を固定の部分に、各ディスクの回転中
心に対し平行に設けた第二の枢軸に枢支した揺動腕とか
ら成るものを使用する。
【0028】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様の作用に基づき、入力側ディスクと出力側ディスクと
の間、或は第一、第二両外側ディスクと第一、第二両内
側ディスクとの間で回転力の伝達を行ない、更にトラニ
オンの傾斜角度を変える事により、これら両ディスクの
回転速度比を変える。特に、本発明のトロイダル型無段
変速機の場合には、各アクチュエータによる各枢軸の軸
方向に亙る上記各トラニオンの変位を機械的に同期させ
る為、素早い変速動作を行なった場合でも、これら各ト
ラニオンの傾斜角度を厳密に一致させる事ができる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1〜6は、請求項2〜3に対応
する、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本
例の構造の特徴は、各第一トラニオン27、27及び各
第二トラニオン28、28(図14参照)の傾斜角度を
確実に同期させる為の構造、並びに上記各第一トラニオ
ン27、27の両端部に設けた第一枢軸29、29及び
上記各第二トラニオン28、28の両端部に設けた第二
枢軸30、30(図14参照)をケーシング5に対し支
持する部分の構造にある。その他の部分の構造及び作用
は、前述の図12〜14に示した従来構造と同様である
から、同等部分に関する図示並びに説明は省略若しくは
簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0030】上記ケーシング5内の互いに対向する部分
には1対のヨーク58、59を、このケーシング5に対
し直接、互いに平行に結合固定している。これら各ヨー
ク58、59の四隅部で互いに整合する位置には、それ
ぞれ円形の支持孔31、31を形成している。そして、
これら各支持孔31、31の内側に上記各第一枢軸2
9、29を、それぞれボールスプライン60、60とラ
ジアルニードル軸受61、61とにより、軸方向に亙る
変位及び揺動自在に支持している。
【0031】このうちのボールスプライン60、60を
構成するボールスプライン用外輪62、62は、上記各
支持孔31、31の内側に、軸方向に亙る変位を制限し
た状態で内嵌支持している。これら各ボールスプライン
用外輪62、62の内周面には複数本の外輪側ボールス
プライン溝63、63を、それぞれ軸方向(図1〜2の
上下方向)に亙って形成している。そして、この様な各
ボールスプライン用外輪62、62の内径側に、上記各
ラジアルニードル軸受61、61の外輪でもある、ボー
ルスプライン用内輪64、64を、これら各ラジアルニ
ードル軸受61、61と同心に配置している。これら各
ボールスプライン用内輪64、64の外周面で上記各外
輪側ボールスプライン溝63、63に対向する部分に
は、それぞれ内輪側ボールスプライン溝65、65を、
それぞれ軸方向に亙って形成している。そして、これら
各内輪側ボールスプライン溝65、65と上記各外輪側
ボールスプライン溝63、63との間に、それぞれ複数
個ずつのボール66、66を配置して、前記各ボールス
プライン60、60を構成している。尚、上記各ボール
スプライン用外輪62は、皿板ばね90等の弾性材によ
り、がたつき防止を図っている。
【0032】又、上記各ボールスプライン用内輪64、
64の内周面には、上記各ラジアルニードル軸受61、
61の為の、円筒面状の外輪軌道67、67を設けてい
る。そして、これら各外輪軌道67、67と、前記各第
一トラニオン27、27の両端部に設けた第一枢軸2
9、29の外周面に形成した円筒面状の内輪軌道68、
68との間に、それぞれ複数本ずつのニードル69、6
9を配置して、上記各ラジアルニードル軸受61、61
を構成している。
【0033】又、上記各第一トラニオン27、27の両
端部に設けた上記各第一枢軸29、29のうち、一端側
にそれぞれの基端部(図1の上端部)を結合固定した駆
動ロッド51、51は、前記ケーシング5内に固定した
バルブボディー70に形成した通孔71、71を貫通し
ている。そして、上記各駆動ロッド51、51の先端部
(図1の下端部)で、上記バルブボディー70の外側面
(図1の下面)から突出した部分に、図3に示す様な受
片72、72を結合固定している。これら各受片72、
72はそれぞれ、互いに平行な1対の円輪部73a、7
3bの周縁部の円周方向一部同士を、部分円筒状の連結
部74により互いに連結して成るもので、この連結部7
4から外れた部分を開口部75としている。又、上記各
円輪部73a、73bのうち、一方(図1、3の上方)
の円輪部73aの内径は比較的小さくして、上記駆動ロ
ッド51の端部に形成した雄ねじ部のみを挿通自在とし
ている。これに対して、他方(図1、3の下方)の円輪
部73bの内径は比較的大径として、上記雄ねじ部に螺
合するナット76及びこのナット76を緊締する為の工
具を挿通自在としている。
【0034】又、上記バルブボディー70の外側面に固
定した取付基板77、77に、それぞれが第二の枢軸7
8、78を有する枢支ブラケット79、79を設けてい
る。これら第二の枢軸78、78は、第一、第二の入力
側ディスク17、17及び第一、第二の出力側ディスク
20、21(図12参照)の回転中心に対し平行で、第
一、第二キャビティ34、35(図12参照)の側方に
対向する位置に設けている。そして、上記各第二の枢軸
78、78は、図4に示す様な全体を略四角枠状に形成
した揺動腕80の長さ方向(図4の上下方向)両端部の
幅方向(図4の左右方向)中央部を、揺動自在に枢支し
ている。従って、上記揺動腕80の幅方向両端部は、前
記各駆動ロッド51、51の軸方向に関して互いに逆方
向に同じ距離だけ変位する。
【0035】そして、上記揺動腕80の幅方向両端部の
長さ方向両端部を、前記各受片72、72を構成する1
対の円輪部73a、73b同士の間の開口部75に、上
記各第二の枢軸78、78を中心とする揺動変位に拘ら
ず、がたつきなく係合させている。この為に本例の場合
には、上記揺動腕80の幅方向両端部の長さ方向両端部
の両面で、上記各円輪部73a、73bに対向する部分
に、それぞれ小突起81、81を形成し、これら各小突
起81、81の先端を、上記各円輪部73a、73bの
互いに対向する面に当接させている。従って、上記各受
片72、72及び前記駆動ロッド51、51を介してこ
れら各受片72、72と結合固定された第一、第二各ト
ラニオン27、28の、第一、第二各枢軸29、30の
軸方向に亙る変位は、機械的に厳密に同期する。尚、何
れかのトラニオン又は何れかのトラニオンに結合固定し
た駆動ロッドにプリセスカムを固定し、このプリセスカ
ムによって、駆動シリンダ53、53への圧油の給排を
行わせるコントロールバルブを動かす、フィードバック
制御を行なう様にしている。
【0036】更に、本例の場合には、上記第一、第二各
トラニオン27、28同士を、歯車伝達機構82により
結合している。この歯車伝達機構82を設ける為、一方
(図1の下方)のヨーク59に、凹部84を設けてい
る。従って、このヨーク59とシリンダケース85とを
重ね合わせた状態で、これら両部材59、85同士の間
には、上記歯車伝達機構82を収納する為の空間89が
形成される。この空間89内に収納される上記歯車伝達
機構82は、互いに同形で且つ同じ歯数を有する1対の
ピニオン83、83と、両端縁に互いに同ピッチの歯を
形成した4個のラック87a、87bとから成る。この
うちの各ピニオン83、83は、それぞれ上記第一、第
二各トラニオン27、28の端部に設けた第一、第二各
枢軸29、30の先端部に形成した非円筒部に外嵌固定
している。従って、上記第一、第二トラニオン27、2
8は、上記各ピニオン83、83と同期して回転する。
尚、変速比を変える際に上記第一、第二各トラニオン2
7、28は、それぞれ上記第一、第二各枢軸29、30
の軸方向に変位する。従って、上記各ピニオン83、8
3とラック87a、87bとの噛合部に適度の(上記傾
斜角度を一致させる事に就いて問題を生じない程度の)
バックラッシュを設けて、上記各ピニオン83、83と
ラック87a、87bとの相対変位を可能にする。
【0037】又、上記ラック87a、87bは、入力軸
1aの軸方向(図1の表裏方向或は左右方向、図6の左
右方向或は上下方向)に亙る変位のみを自在として、上
記空間89内に支持している。この為に図示の例では、
上記ラック87a、87bをヨーク59に対して、それ
ぞれ1対ずつの直動式の転がり軸受(リニアベアリン
グ)88、88により、平行移動自在に支持している。
従って、上記ラック87a、87bは、傾斜したりする
事なく、軽い力で円滑に変位自在である。又、上記ラッ
ク87a、87bに、変位方向に対し直角方向の力が加
わった場合には、このラック87a、87bに付設した
1対の転がり軸受88、88のうちの何れか一方の転が
り軸受88が上記力を支承し、上記ラック87a、87
bの円滑な変位を補償する。
【0038】それぞれを上述の様に支持したピニオン8
3、83とラック87a、87bとは、これら各ピニオ
ン83、83の外周縁に形成した歯とラック87a、8
7bの両側縁に形成した歯とを互いに噛合させた状態に
組み合わせて、上記歯車伝達機構82を構成する。この
歯車伝達機構82は、バックラッシュを極力抑えると共
に、上記各ピニオン83、83のピッチ円直径を或る程
度(他の部材との干渉防止を図れる範囲内で)大きくし
たものとしている。従って、これら各ピニオン83、8
3を固定した第一、第二各トラニオン27、28、並び
にこれら第一、第二トラニオン27、28に支持した第
一、第二各パワーローラ45、46の傾斜角度を互いに
一致させる事ができる。
【0039】以上に述べた通り、本発明のトロイダル型
無段変速機の場合には、上記第一、第二各トラニオン2
7、28の、第一、第二各枢軸29、30の軸方向に亙
る変位を、前記揺動腕80により機械的に且つ厳密に同
期させている。従って、変速操作時に上記第一、第二各
トラニオン27、28の変位量を、迅速に且つ厳密に一
致させて、変速動作時に第一、第二両入力側ディスク1
7、18及び第一、第二両出力側ディスク20、21の
内側面2a、4a(図12参照)と第一、第二各パワー
ローラ45、46の周面9a、9a(図1、13、14
参照)との当接部に発生する滑りを抑える事ができる。
【0040】この点に就いて、本発明の効果を確認する
為に行なった実験の結果を示す図8〜9により説明す
る。実験は、図7に示す様な、各キャビティ毎に1対ず
つのパワーローラを有するダブルキャビティ型のトロイ
ダル型無段変速機を使用して行なった。実験では、押圧
装置10に近いフロント右側(FR)、同じく左側(F
L)、押圧装置から遠いリヤ右側(RR)、同じく左側
(RL)の、合計4個のパワーローラ45、46を支持
している4個のトラニオン27、28のそれぞれに就い
て、変速動作時に、駆動シリンダ内に所定の圧油を導入
してからの、上記各トラニオン27、28の軸方向変位
と揺動角度とを、経過時間と共に測定した。図8は、本
発明のトロイダル型無段変速機の場合を示しており、
(A)は各トラニオンの軸方向変位量を、(B)は同じ
く揺動角度を、それぞれ示している。又、図9は、油圧
調整のみでトラニオンの変位を調整する場合を示してお
り、(A)は各トラニオンの軸方向変位量を、(B)は
同じく揺動角度を、それぞれ示している。この様な実験
の結果を示す図8〜9から明らかな通り、本発明によれ
ば、迅速な変速動作を行なっても、各トラニオンの変位
を確実に同期させる事ができる。
【0041】更に、本例のトロイダル型無段変速機の場
合には、第一、第二両支持手段を構成する部材である前
記各ヨーク58、59を、前記ケーシング5の内面に直
接支持固定している。この為、前述した従来構造で必要
としていた支持ポスト33a、33b(図13〜14)
が不要になり、部品点数の低減による、部品製作、部品
管理、組立作業の簡略化を図ると同時に、高さ寸法を小
さくして、耐久性を確保しつつ、小型・軽量化を図れ
る。
【0042】又、上記各第一枢軸29、29とヨーク5
8、59との間に、ボールスプライン60とラジアルニ
ードル軸受61とを設けているので、これら各ヨーク5
8、59に対する前記第一、第二各トラニオン27、2
8の変位を、円滑且つ正確に行なえる。即ち、前述の説
明から明らかな通り、トロイダル型無段変速機の変速動
作時に、上記第一、第二各トラニオン27、28は、前
記第一、第二各枢軸29、30の軸方向に変位し、この
軸方向変位に基づいてこれら第一、第二各枢軸29、3
0を中心に揺動変位する。本例の場合、これら各変位の
うちの軸方向変位を、上記ボールスプライン60によ
り、揺動変位をラジアルニードル軸受61により、それ
ぞれ円滑に行なわせて、これら各変位に基づく、上記ト
ロイダル型無段変速機の変速動作を、迅速且つ正確に行
なわせる事ができる。
【0043】更に、図示の例の様に、歯車伝達機構82
を設けている為、前述の駆動シリンダ52、52への油
圧供給回路が故障した場合でも、第一、第二各パワーロ
ーラ45、45の傾斜角度を互いに一致させる事ができ
る。この為、故障時にも、これら第一、第二各パワーロ
ーラ45、45の周面9a、9aと各ディスク17、1
8、20、21の内側面2a、4aとの当接部で著しい
滑りが発生するのを防止して、トロイダル型無段変速機
が損傷するのを防止できる。尚、本発明を実施する場合
に、各トラニオン同士の傾斜角度を一致させる為の機構
は、上記歯車伝達機構82に限らず、前述の図15〜1
6に示した様な、ケーブルによるものであっても良い。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、耐久性を確保しつつ、迅速な変速動作を行な
わせる事が可能になり、スポーツカーを中心とする高性
能車への搭載の可能性を広げる等、トロイダル型無段変
速機の実用化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図11のA
−A断面に相当する図。
【図2】図1のB部拡大図。
【図3】受片の斜視図。
【図4】駆動ロッドの軸方向変位を同期させる為の機構
を示す、図1の下方から見た図。
【図5】図1のC矢視図。
【図6】歯車伝達機構を取り出して図1の下方から見た
図。
【図7】本発明の効果を確認する為の行なった実験の測
定部位を説明する為の、トロイダル型無段変速機の略平
面図。
【図8】本発明のトロイダル型無段変速機を構成する各
トラニオンの変位状態を示す線図。
【図9】従来のトロイダル型無段変速機を構成する各ト
ラニオンの変位状態を示す線図。
【図10】従来から知られているトロイダル型無段変速
機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図11】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図12】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図13】図11のA−A断面図。
【図14】同D−D断面図。
【図15】従来から知られた、ケーブルによりトラニオ
ンの傾斜角度を一致させる機構の第1例を示す断面図。
【図16】同第2例を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 ケーシング 6 枢軸 7 トラニオン 8 変位軸 9 パワーローラ 9a 周面 10 押圧装置 11 カム板 12 保持器 13 ローラ 14 カム面 15 カム面 16 伝達軸 17 第一入力側ディスク 18 第二入力側ディスク 19 ボールスプライン 20 第一出力側ディスク 21 第二出力側ディスク 22 スリーブ 23 出力歯車 24 支持壁 25 転がり軸受 26a、26b ヨーク 27 第一トラニオン 28 第二トラニオン 29 第一枢軸 30 第二枢軸 31 支持孔 32 係止孔 33a、33b 支持ポスト 34 第一キャビティ 35 第二キャビティ 36 ラジアルニードル軸受 37 外輪 38 ニードル 39 円孔 40 第一変位軸 41 第二変位軸 42 支持軸部 43 枢支軸部 44 ラジアルニードル軸受 45 第一パワーローラ 46 第二パワーローラ 47 ラジアルニードル軸受 48 スラスト玉軸受 49 スラスト軸受 50 外輪 51 駆動ロッド 52 駆動ピストン 53 駆動シリンダ 54 プーリ 55、55a、55b ケーブル 56 止め具 57 滑り板 58 ヨーク 59 ヨーク 60 ボールスプライン 61 ラジアルニードル軸受 62 ボールスプライン用外輪 63 外輪側ボールスプライン溝 64 ボールスプライン用内輪 65 内輪側ボールスプライン溝 66 ボール 67 外輪軌道 68 内輪軌道 69 ニードル 70 バルブボディー 71 通孔 72 受片 73a、73b 円輪部 74 連結部 75 開口部 76 ナット 77 取付基板 78 第二の枢軸 79 枢支ブラケット 80 揺動腕 81 小突起 82 歯車伝達機構 83 ピニオン 84 凹部 85 シリンダケース 86 空間 87a、87b ラック 88 転がり軸受 89 空間 90 皿板ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 尚 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA03 BA03 BB01 BD02 BE09 CA03 CB06 DA01 FA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、このケーシングの内側に
    互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且
    つ互いに独立した回転自在に支持された入力側ディスク
    及び出力側ディスクと、これら入力側ディスクと出力側
    ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸と交
    差する事はないが、この中心軸の方向に対して直角方向
    となる捻れの位置に存在する、互いに同心若しくは平行
    な4本以上で偶数本の枢軸と、これら各枢軸を中心とし
    て揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンの
    内側面から突出した変位軸と、これら各変位軸の周囲に
    回転自在に支持された状態で、上記入力側ディスクの内
    側面と出力側ディスクの内側面との間に挟持された、上
    記各トラニオンと同数のパワーローラと、これら各トラ
    ニオンを上記各枢軸の軸方向に亙って変位させる、これ
    ら各トラニオンと同数のアクチュエータとを備えたトロ
    イダル型無段変速機に於いて、これら各アクチュエータ
    による上記各枢軸の軸方向に亙る上記各トラニオンの変
    位を機械的に同期させる同期機構を設けた事を特徴とす
    るトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 ケーシングと、このケーシングの内側に
    互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且
    つ互いに同期した回転自在に支持された第一、第二外側
    ディスクと、その内側面を第一外側ディスクの内側面に
    対向させた状態でこれら第一、第二外側ディスクと同心
    に、且つこれら第一、第二外側ディスクとは独立した回
    転自在に支持された第一内側ディスクと、その内側面を
    第二外側ディスクの内側面に対向させた状態で上記第一
    内側ディスクと同心に、且つこの第一内側ディスクと同
    期した回転自在に支持された第二内側ディスクと、上記
    第一外側ディスクと第一内側ディスクとの間部分で、こ
    れら各ディスクの中心軸と交差する事はないが、この中
    心軸の方向に対して直角方向となる捻れの位置に存在す
    る、互いに同心若しくは平行な4本以上で偶数本の第一
    枢軸と、これら各第一枢軸を中心として揺動する複数の
    第一トラニオンと、これら各第一トラニオンの内側面か
    ら突出した第一変位軸と、これら各第一変位軸の周囲に
    回転自在に支持された状態で、上記第一外側ディスクの
    内側面と第一内側ディスクの内側面との間に挟持された
    複数個の第一パワーローラと、上記第二外側ディスクと
    第二内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中
    心軸と交差する事はないが、この中心軸の方向に対して
    直角方向となる捻れの位置に存在する、互いに同心若し
    くは平行な4本以上で偶数本の第二枢軸と、これら各第
    二枢軸を中心として揺動する複数の第二トラニオンと、
    これら各第二トラニオンの内側面から突出した第二変位
    軸と、これら各第二変位軸の周囲に回転自在に支持され
    た状態で、上記第二外側ディスクの内側面と第二内側デ
    ィスクの内側面との間に挟持された複数個の第二パワー
    ローラと、上記各トラニオンを上記各枢軸の軸方向に亙
    って変位させる、これら各トラニオンと同数のアクチュ
    エータとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、こ
    れら各アクチュエータによる上記各枢軸の軸方向に亙る
    上記各トラニオンの変位を機械的に同期させる同期機構
    を設けた事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 同期機構は、各トラニオンの端部にそれ
    ぞれの基端部を結合固定し、それぞれがアクチュエータ
    により軸方向に変位させられて上記各トラニオンを枢軸
    の軸方向に亙り変位させる駆動ロッドの先端部にそれぞ
    れ固定された受片と、その端部をこれら各受片に揺動変
    位のみ自在に係合させ、その中央部を固定の部分に、各
    ディスクの回転中心に対し平行に設けた第二の枢軸によ
    り枢支した揺動腕とから成るものである、請求項1〜2
    の何れかに記載したトロイダル型無段変速機。
JP12909799A 1999-04-07 1999-05-10 トロイダル型無段変速機 Expired - Fee Related JP4078752B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12909799A JP4078752B2 (ja) 1999-05-10 1999-05-10 トロイダル型無段変速機
US09/395,216 US6592491B1 (en) 1999-04-07 1999-09-14 Toroidal type continuously variable transmission
DE19964349A DE19964349B4 (de) 1999-04-07 1999-10-05 Stufenlos verstellbares Toroidgetriebe
DE1999147851 DE19947851C2 (de) 1999-04-07 1999-10-05 Stufenlos verstellbares Toroidgetriebe
US10/437,193 US6902509B2 (en) 1999-04-07 2003-05-14 Toroidal type continuously variable transmission

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12909799A JP4078752B2 (ja) 1999-05-10 1999-05-10 トロイダル型無段変速機

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000320634A true JP2000320634A (ja) 2000-11-24
JP2000320634A5 JP2000320634A5 (ja) 2005-09-02
JP4078752B2 JP4078752B2 (ja) 2008-04-23

Family

ID=15001009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12909799A Expired - Fee Related JP4078752B2 (ja) 1999-04-07 1999-05-10 トロイダル型無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4078752B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7004882B2 (en) 2001-01-30 2006-02-28 Nsk. Ltd. Toroidal-type continuously variable transmission
US7335130B2 (en) 2002-05-23 2008-02-26 Nsk Ltd. Toroidal-type continuously variable transmission

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11628808B1 (en) 2022-03-09 2023-04-18 Valeo North America, Inc. Wiper arm head dual knuckle

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7004882B2 (en) 2001-01-30 2006-02-28 Nsk. Ltd. Toroidal-type continuously variable transmission
US7335130B2 (en) 2002-05-23 2008-02-26 Nsk Ltd. Toroidal-type continuously variable transmission

Also Published As

Publication number Publication date
JP4078752B2 (ja) 2008-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5569724B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2008095874A (ja) トロイダル型無段変速機
JPH11303961A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4078752B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2003214516A (ja) トロイダル変速機構
JP4206724B2 (ja) トロイダル型無段変速機の組立方法
JP4103228B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4941712B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4019549B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2007292145A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3424354B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5294035B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4244512B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPH1151136A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4089085B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPH08135746A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2000193056A (ja) トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット
JPH1163133A (ja) トロイダル型無段変速機
JPH0814350A (ja) トロイダル型無段変速機
JPH10196751A (ja) トロイダル型無段変速機
JPH1151137A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4099889B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPH1144352A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4656409B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2007170592A (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050225

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070320

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080128

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140215

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees