JP4923841B2 - 電気接続箱に収容する回路材および該回路材を収容する車載用の電気接続箱 - Google Patents
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Description
しかしながら、プリント基板にリレー等を実装する場合、大電流が必要となり、その場合は、銅箔パターンの幅あるいは厚さを大きくすることで許容電流量を増加させる必要がある。
そこで、回路配索密度を低下させずに、部分的に銅箔パターンの回路幅1mmあたりの許容電流値を高くし、大電流回路部とすることが望まれている。
また、ショートバスバー2とプリント基板1の銅箔部1aとは電気部品3と接続するネジ止め部分では強固に固着されるが、他の離れた部分ではショートバスバー2は銅箔部1aに完全に接合されていない恐れもあり、また、外力によりネジ止め部分が緩むとショートバスバー2がプリント基板1から外れてしまう恐れもあり、電気接続信頼性が低い問題がある。
プリント基板の銅箔パターンの表面の少なくとも一部に、該銅箔パターンの幅以下で所要厚さとした半田層を介して導電性金属板からなるバスバーを固着した大電流回路部を設け、かつ、
前記バスバーの一部に折り曲げ加工して突設した端子部を一体的に設けると共に、該バスバーの側縁に沿って折り曲げ加工した仮止め用突起を一体的に設け、該仮止め用突起を前記プリント基板に形成した位置決め孔に挿入して、該バスバーをプリント基板に位置決めし、かつ、前記バスバーの端子部を前記プリント基板に設けたスルーホールを通して突出させていることを特徴とする電気接続箱に収容する回路材を提供している。
具体的には、銅箔パターンの表面にクリーム状の半田(以下、クリーム半田と略称する)を印刷し、その表面にバスバーを載置し、その後、加熱して半田を溶融して、銅箔パターンとバスバーとを半田層を介して固着するリフロー半田づけ方法で形成している。
かつ、バスバー取付部分での許容電流量は、半田層の通電量も加わり、銅箔パターン、半田およびバスバーの3つの導体の合計通電量とすることができ、許容電流量を大幅にアップすることができる。その結果、銅箔パターンやバスバーの幅を広げる必要はなく、銅箔パターンの回路パターンに影響を及ぼさず、かつ、銅箔パターンの厚さや半田層の厚さを大とする必要がないため、作業工程も増加させない。
さらに、バスバーの幅を銅箔パターンより小としていることで、バスバーを銅箔パターンとを固着する際に、バスバーの両側から溶融して若干はみ出してくる半田を確認することで、バスバーと銅箔パターンが確実に固着しているのか目視によって判断することができる。
特に、前記バスバーの端子部を前記プリント基板に設けたスルーホールを通して突出させている。
このように、バスバーから突設した端子部をプリント基板のスルーホールに挿入すると、プリント基板に対してバスバーを仮止めすることができ、バスバーと銅箔パターンとの間のクリーム半田を加熱溶融しても、バスバーと銅箔パターンとを端子部を介して位置決めしているため、相互の位置ずれが発生せず、バスバーの固着作業を容易とすることができる。また、半田後においてもバスバーの端子部がプリント基板の貫通孔に固着されているため、バスバーに外力が作用してもプリント基板に対してバスバーの位置ずれが防止でき、プリント基板とバスバーとの電気接続信頼性を高めることができる。
プリント基板の銅箔パターンの表面の少なくとも一部に、該銅箔パターンの幅以下で所要厚さとした半田層を介して導電性金属板からなるバスバーを固着した大電流回路部を設け、かつ、
前記バスバーの側縁に沿って折り曲げ加工した仮止め用突起を一体的に設け、該仮止め用突起を前記プリント基板に形成した位置決め孔に挿入して、該バスバーをプリント基板に位置決めし、かつ、前記バスバーと別体の端子材を備え、該端子材の基部は前記大電流回路部を構成するバスバー、半田層及びプリント基板に連通して設けた貫通孔に貫通し、前記プリント基板の貫通孔から突出した前記端子材の基部をランド部と半田付けしていることを特徴とする電気接続箱に収容する回路材を提供している。
具体的には、プリント基板の所要箇所の銅箔パターン上にクリーム半田を印刷した状態で、ランド部の貫通孔に端子材を挿入し、クリーム半田の表面から端子材を突出させておき、該クリーム半田から突出した端子材をバスバーの貫通孔に挿入し、その後、加熱してクリーム半田を溶融し、端子材をランド部と半田付けすると共に、銅箔パターンとバスバーとを溶融半田により固着している。
前記回路材を収容した電気接続箱では、バスバーを主たる回路材とした場合と比較して、プリント基板により信号回路等の小電流回路を高密度に設けることができると共に、前記半田層を介してバスバーを銅箔パターンに固着した大電流回路もプリント基板上に設けているため、プリント基板を主たる回路材とすることができ、回路材の簡素化および小型化を図ることができ、その結果、電気接続箱の小型化および軽量化することができる。
このように、プリント基板の銅箔パターンの幅を大きくさせることなく部分的に許容電流量を増大させることができるため、回路の配索効率を低下させることなく、プリント基板を小型化することができると共に、バスバー分厚みが増すため表面積が増加し、バスバーおよび銅箔パターンからの放熱性を向上させることができる。
図1乃至図3は本発明の回路材10の第1実施形態を示し、該回路材10は車載用の電気接続箱20に収容するものであり、回路材10表面にはリレーやヒューズ等の電子部品Pを実装している。
本実施形態では、銅箔パターン12の厚さ約105μm、幅10mmの銅箔パターン12に対して、厚さ0.1mm、幅9mmの半田層14を設け、該半田層14上に厚さ0.64mm、幅9mmのバスバー13を固着して、回路幅1mmあたりの許容電流値を20Aとしている。
前記電源回路となるパターン部分には、後述するバスバー13の端子部が挿通する貫通孔11cを設けていると共に、仮止め用突起を挿入する位置決め孔11dを設けている。
なお、電気接続箱20の内部では、図2、図3の回路材は上下逆転して、バスバー13を固着する銅箔パターン12の形成面を下面として収容し、バスバー13に形成した端子部13aをプリント基板11の貫通孔11cを通して上向きに突設している。なお、突出している端子部13aの数は図中では省略している。
具体的には、大電流回路部15とする銅箔パターン12の部分を切り抜いたメタルマスクをプリント基板11の表面に被せ、クリーム半田を大電流回路部15とする銅箔パターン12全面に塗布している。其の際、クリーム半田は前記プリント基板11の位置決め孔11dおよび貫通孔11cの部分にも塗布している。
クリーム半田は、熱伝導率は66.6W/m・Kの鉛フリー半田からなり、接着剤等に比べるとはるかに熱伝導率が高いものを用いている。
バスバー13の両端部には、電源入力部と電源出力部の端子を兼ねたタブ状の端子部13a、13aを折り曲げ加工して一体的に設けている。
この端子部13a、13aは、図3に示すように、プリント基板11に設けた貫通孔11cに貫通させて下面11b側に突出させている。
また、バスバー13の長さ方向に沿った側縁に折り曲げ加工した前記矩形状の仮止め用突起13bを一体的に設けており、該仮止め用突起13bをプリント基板11に形成した位置決め孔11dに挿入し、バスバー13をプリント基板11に、半田溶融時における仮止め用としている。
該仮止め用突起13bの長さはプリント基板11から殆ど突出しない長さとしている一方、端子部13aがプリント基板11から突出する所要の長さとしている。
まず、バスバー13を固着する銅箔パターン12の表面にクリーム半田を塗布する。
ついで、バスバー13の仮止め用突起13bをプリント基板11の位置決め孔11dに挿入すると共に、端子部13aを貫通孔11cに挿入する。
この状態で、プリント基板11をリフロー炉(図示せず)に挿入して、クリーム半田が溶融する温度で加熱し、銅箔パターン12の表面とバスバー13の裏面とを溶融した半田で固着する。かつ、溶融した半田はプリント基板11の貫通孔11cにも充填され、バスバー13の端子部13aおよび仮止め用突起13bをプリント基板11と固着する。溶融した半田は、固化して銅箔パターン12とバスバー13との間に半田層14を形成する。 その後、プリント基板11の全面にレジスト16を塗布している。
このように、銅箔パターン12の幅を広げることなく許容通電量を増加させ、しかも、半田層14およびバスバー13は銅箔パターン12よりはみ出さないようにして隣接する銅箔パターンの回路と導通させない構成としている。よって、大電流回路を備えたプリント基板を、銅箔パターン12の回路密度を低下させることなく形成でき、プリント基板の大型化を抑制できる。
この場合にも、プリント基板両面の銅箔パターン12−1、12−2の所要部分に、半田層14−1、14−2とバスバー13−1、13−2を積層して一体化した大電流回路部15−1、15−2を設けている。
この場合、銅箔パターン12の表面に塗布するクリーム半田を前記部分12a〜12cに部分的に塗布している。なお、クリーム半田を溶融した時に溶融した半田は若干他の部分にも流れて充填されるが、半田層14は前記部分12a〜12cに部分的に設けられた構成となる。
第2実施形態の回路材50は、バスバー13に端子部13aを一体的に設けた第1実施形態と相違し、電源入力部および電源出力部の端子としてバスバー51と別体の端子材52を設けている。また、バスバー13と別体の仮止めピン53を設けている。
ついで、プリント基板11の貫通孔11cに端子材52を挿入すると共に位置決め孔11dに仮止めピン53をして、端子材52および仮止めピン53を塗布したクリーム半田を貫通させて、その表面より大きく突出させる。その際、仮止めピン53は位置決め孔11dに密嵌状態で挿入している。
ついで、バスバー51の貫通孔51aに端子材52を貫通させると共に、バスバー51の貫通孔51bに仮止めピン53を挿入する。これにより、バスバー51はクリーム半田の表面に仮位置決めしている。
この状態で、リフロー炉に入れて加熱し、銅箔パターン12とバスバー51との間に塗布していたクリーム半田を溶融し、プリント基板11の銅箔パターン12とバスバー13とを半田で固着すると共に、プリント基板11の貫通孔11cと位置決め孔11dとに溶融した半田を流れ込み、端子材52と銅箔パターン12のランド部および仮止めピン53とプリント基板12とを半田固着する。同時に、バスバー51の貫通孔51a、51bにも溶融半田が流れ込み端子材52および仮止めピン53とバスバー51とを半田固着している。
なお、他の構成および作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
11 プリント基板
11c 貫通孔
11b 位置決め孔
12 銅箔パターン
13、51 バスバー
13a 端子部
13b 仮止め用突起
14 半田層
15 大電流回路部
52 端子材
53 仮止めピン
Claims (5)
- 車載用の電気接続箱に収容する回路材であって、
プリント基板の銅箔パターンの表面の少なくとも一部に、該銅箔パターンの幅以下で所要厚さとした半田層を介して導電性金属板からなるバスバーを固着した大電流回路部を設け、かつ、
前記バスバーの一部に折り曲げ加工して突設した端子部を一体的に設けると共に、該バスバーの側縁に沿って折り曲げ加工した仮止め用突起を一体的に設け、該仮止め用突起を前記プリント基板に形成した位置決め孔に挿入して、該バスバーをプリント基板に位置決めし、かつ、前記バスバーの端子部を前記プリント基板に設けたスルーホールを通して突出させていることを特徴とする電気接続箱に収容する回路材。 - 車載用の電気接続箱に収容する回路材であって、
プリント基板の銅箔パターンの表面の少なくとも一部に、該銅箔パターンの幅以下で所要厚さとした半田層を介して導電性金属板からなるバスバーを固着した大電流回路部を設け、かつ、
前記バスバーの側縁に沿って折り曲げ加工した仮止め用突起を一体的に設け、該仮止め用突起を前記プリント基板に形成した位置決め孔に挿入して、該バスバーをプリント基板に位置決めし、かつ、前記バスバーと別体の端子材を備え、該端子材の基部は前記大電流回路部を構成するバスバー、半田層及びプリント基板に連通して設けた貫通孔に貫通し、前記プリント基板の貫通孔から突出した前記端子材の基部をランド部と半田付けしていることを特徴とする電気接続箱に収容する回路材。 - 前記プリント基板の片面あるいは両面に設けている銅箔パターンで形成される電源回路の全面あるいは該回路の一部に前記半田層を介してバスバーを固着して前記大電流回路部としている請求項1または請求項2に記載の電気接続箱に収容する回路材。
- 前記バスバーと銅箔パターンとの間の全面に前記半田層を設け、あるいは部分的に半田層を設けている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気接続箱に収容する回路材。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回路材を収容している車載用の電気接続箱。
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