本発明の実施形態1を図1ないし図22によって説明する。
1.全体構成
図1は表面実装装置の平面図、図2は基台及び支持脚の斜視図である。図1、図2に示すように、表面実装装置10は基台11の上面に搬送系、実装系など各種の装置を配置している。以下、基台11における、手前寄りの部分(図1に示す下側)を基台前部12と呼び、奥方寄りの部分(図1に示す上側)を基台奥部13と呼ぶ。また、図1の左右方向をX方向と呼ぶものとし、Y方向、Z方向をそれぞれ図1〜図2の向きに定めるものとする。
基台前部12はX方向に延びる横長な形状をなすとともに、同基台前部12には基板搬送路Lが設けられている。基板搬送路Lは実装対象となる基板Pが搬送される路を構成するものであり、X方向に延びている。
図1に示すように基板搬送路L上には、X方向の左右両側に基板停止位置A、基板停止位置Cが設定され、また、基板停止位置A、基板停止位置Cとの間に位置して中継位置Uが設定されている。
一方、基台奥部13はX方向の左右が所定幅に渡って大きく切り欠かれており、同基台奥部13の横幅(X方向の幅)は基台前部12の横幅に比べかなり幅狭となっている。当基台奥部13は基台前部12の中継位置Uに対応してX方向のほぼ中央に設けられており、中継位置Uに向かい合うようにして基板停止位置Bを設けている。
表面実装装置10では、中継位置Uと基板停止位置Bとの間で基板PをY軸方向に往復移動出来るように構成しており、搬送系の各種装置を作動させると、基板長の短い通常基板Pであれば、各基板停止位置A〜Cに順に送ることが出来る構成になっている。
そして、基台11上には各基板停止位置A〜Cに対応してそれぞれ部品実装部30A〜30Cが設けられている。ここで、部品実装部30A〜30Cを構成する各装置を支える支持脚の構成を説明する。図2に示すように、基台前部12にはX方向の左右両側と中央に支持脚32、33、34が配置されている。3つの支持脚32、33、34は共にY方向に延びる形状をなしている。
3つの支持脚のうち、中央とX方向右側の両支持脚32、33は、基板停止位置Aの両側に位置しており、両間にベース部材51Aが架設されている。このベース部材51Aは、基板停止位置Aに停止した基板Pに対して実装作業を行うヘッドユ二ット(図2上は省略)60Aを支持する機能を担っている。
同様にして、中央とX方向左側の両支持脚33、34は、基板停止位置Cの両側に位置しており、両間にベース部材51Cが架設されている。このベース部材51Cは、基板停止位置Cに停止した基板Pに対して実装作業を行うヘッドユ二ット(図2上は省略)60Cを支持する機能を担っている。
そして、これら支持脚32〜34のうち中央の支持脚33はL字状をなすとともに、X方向の両側に位置する支持脚32、34は基板搬送路Lを取り囲むような門型をなし、いずれも内部空間を開放している。このような構成とすることで、支持脚32、33、34に干渉することなく、基板Pを基板搬送路Lに沿って搬送することが可能となる。
一方、基台奥部13には2つの支持脚35、36が設けられている。両支持脚35、36は共にY方向に延びる形状をなし、基板停止位置Bの両側に位置している。これら両支持脚35、36の間には、ベース部材51Bが架設されている。このベース部材51Bは、基板停止位置Bに停止した基板Pに対して実装作業を行うヘッドユ二ット(図2上は省略)60Bを支持する機能を担っている。
また、これら2つの支持脚35、36は、先端35F、36Fが内向きに屈曲して、全体が平面視L字状をなしており、両先端35F、36Fの上面間に連結部材37を渡している。そして、係る連結部材37の下面壁に、基台前部12の中央に位置する支持脚33の先端33Fが固定されている。
本実施形態のものは、支持脚33の下方領域が基台奥部13に連通するトンネルになっており、支持脚33の直下に設定される中継位置Uと基台奥部13の基板停止位置Bとの間において、基板Pを出入りさせる基板通路を形成している。
2.部品実装部の構造
部品実装部30A〜30Cの基本構成は同じであるので、ここでは、部品実装部30Bを代表して説明を行う。
図1に示すように支持脚35、36には、Y方向に延びるガイドレール42が支持脚上面に設置されると共に、これら左右のガイドレール42に長手方向の両端部を嵌合させつつベース部材51Bが取り付けられている。
また、各支持脚35、36の上面にはガイドレール42の内側に位置して、Y方向に延びるY軸ボールねじ45、46が装着され、更にY軸ボールねじ45、46にはボールナットが螺合されている。そして、Y軸ボールねじ45、46の軸端部には、Y軸モータ47が付設されると共に、各Y軸ボールねじ45、46に螺合するボールナット48、49はベース部材51BのX方向両端部にそれぞれ固定されている(図4参照)。
以上のことから、Y軸モータ47を通電操作すると、左右のY軸ボールねじ45、46が同期回転する。すると、両ボールナット48、49が同期を保ってY方向に進退する結果、ベース部材51Bがガイドレール42に沿ってY方向に水平移動する(Y軸サーボ機構)。
図3に示すように、ベース部材51B上には、X方向に長いブロック状をなすヘッド支持体52Bが固定されている。係るヘッド支持体52BにはX方向に延びるガイド部材53が設置され、更に、ガイド部材53に対してヘッドユ二ット60Bが、ガイド部材53の軸に沿って移動自在に取り付けられている。このヘッド支持体52Bには、X方向に延びるX軸ボールねじ55が装着されており、更にX軸ボールねじ55にはボールナットが螺合されている。
そして、X軸ボールねじ55にはX軸モータ57Bが付設されており、同モータ57Bを通電操作すると、X軸ボールねじ55に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッドユ二ット60Bがガイド部材53に沿ってX方向に移動する(X軸サーボ機構)。
従って、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を複合的に制御することで、ヘッドユ二ット60Bを、基台奥部13の上方領域近辺について水平方向(XY方向)に移動操作出来る構成となっている。尚、X軸モータ57B、X軸サーボ機構、Y軸モータ47、Y軸サーボ機構が、本発明の「駆動装置」に相当するものである。
係るヘッドユ二ット60Bには上部側にZ軸モータ65、バルブユ二ット66が設けられると共に、下部には実装動作を行う吸着ノズル64を先端に設けた吸着ヘッド(本発明の「実装ヘッド」に相当)63が列状をなして複数個搭載されている(図3、図7を参照)。
Z軸モータ65はヘッドユ二ット60Bのフレーム61に対して吸着ヘッド63を昇降させるものであり、また、バルブユ二ット66は各吸着ノズル64に負圧を供給させ、ヘッド先端に吸引力を生じさせるものである。
このような構成とすることで、次に説明する部品供給部80B上にヘッドユ二ット60Bを移動させつつ、その状態から吸着ヘッド63を昇降させることで部品供給部80Bに設置されるテープフィーダFから部品を取り出すことができる。
そして、部品を取り出した後、吸着ヘッド63を基板停止位置Bの上方に移動させつつ、所定の部品搭載位置に達したところで同吸着ヘッド63を基板上面の高さに下降させることで基板停止位置Bに停止した基板Pに対して部品を実装できる。
尚、図3に示す符号67は各吸着ヘッド63を軸周りに回転させるR軸モータである。また、符号69は取り付けフレームである。同取り付けフレーム69には取り出した部品の側面画像を撮像するカメラ68が取り付けられている(図7を参照)。
そして、各部品実装部30A〜30Cのヘッドユ二ット60A〜60Cの移動領域(以下、作業領域とも言う)は、図14に示すように各基板停止位置A〜Cより一回り大きく、各基板停止位置A〜Cにて部品の実装作業を個別に行うことができるように構成されている。
3.部品供給部
当実施形態では、図1に示すように、3つの部品実装部30A〜30Cに対応して、基台11上に3つの部品供給部80A〜80Cが設けられている。部品実装部30Aに対応する部品供給部80Aと、部品実装部30Cに対応する部品供給部80Cは、共に基台前部12のY方向手前側に設定され、部品実装部30Bに対応する部品供給部80Bは基台奥部13のY方向奥側に設定されている。
これら各部品供給部80A〜80Cには2台の台車91、92がX方向に並んで固定されている。台車91、92はテープフィーダFを横並び状に多数設置させ、かつ基台11から脱着可能な取り付け部材としての機能を担うものである(図1上では、テープフィーダを省略してある)。このような構成とすることで、フィーダFを複数個、一括して同時交換できる。
テープフィーダFは一方向に長い形状をなすとともに、台車91、92に対して、部品供給位置Oが設定されたフィーダ前部を基板搬送路L側に向けた状態で取り付けられる。係るテープフィーダFは部品供給テープ(部品を一定間隔おきに保持したテープ)を、リールから引き取りつつフィーダ前部に送ることで、部品供給位置Oに部品を一定間隔で供給するものである(図7参照)。
4.搬送系の構成
次に、実装対象の基板Pを搬送する搬送系について説明を行う。本実施形態では基板Pを基板搬送路Lに沿ってX方向に搬送するX軸搬送装置100と、基板Pを中継位置Uと基板停止位置Bとの間でY方向に往復搬送するY軸搬送装置200の2種の装置を備えている。
(a)X軸搬送装置
図4、図5に示すように、基板搬送路L上には3つの搬送コンベア110、120、130が一列状に配置されている。各コンベア110〜130の基本構成は同じであり、いずれのコンベアも一対の支持部材BM、BFを備えている。
各搬送コンベア110〜130の支持部材BM、BFはX軸方向に延びる縦長な形状をなしており、Y軸方向に向かい合っている。
そして、各支持部材BM、BFの内壁であって、上部寄りの位置には搬送ローラ140がX軸方向に複数個設けられ、これら各搬送ローラ140間に無端状の搬送ベルト150が掛け渡されている。
本実施形態では、各搬送コンベア110〜130毎にコンベアモータ(図7参照)155を設けており、これを作動させると、各搬送コンベア110〜130を構成する搬送ベルト150が循環駆動する。
そして、図5にて示すように、全搬送コンベア110〜130の搬送ベルト150は同じ高さに合って、隣接するもの同士が段差なく連続している。
そのため、隣接する2つの搬送コンベアを作動させると、上流側の搬送コンベアから下流側の搬送コンベアに順々に基板Pを搬送できるようになっている。
尚、図4にもあるように搬送コンベア110、130は共に、基台前部12の端からX方向外側にコンベア先端を突出させており、実装機に隣接する上流機(半田印刷装置、ディスペンサ装置)或いは下流機(表面実装装置や、リフロー装置など)との間で基板Pを搬入/搬出する構成となっている。
また、図4、図5に示すように、各搬送コンベア110〜130には基板ストッパ161、162、163が設けられている。基板ストッパ161〜163はエアシリンダを駆動源として有し、シリンダロッドの先端にストッパピン166を備えている。
係る基板ストッパ161、162、163は図5の紙面奥側に位置する支持部材BFの内壁に、ストッパピン166を上に向けて固定されている。
そして、エアの給排によりストッパピン166を上昇させると、図6の(b)に示すようにピン先端が基板Pの搬送高さの上方に位置する(以下、上昇位置)。そのため、搬送コンベア110に付設される基板ストッパ161を作動させると、図4にもあるようにコンベア上を搬送される基板Pを基板停止位置Aにて停止させることが出来る。
又搬送コンベア120に付設される基板ストッパ162Rを作動させると、コンベア上を搬送される基板Pを中継位置Uにて停止させることが出来、又搬送コンベア130に付設される基板ストッパ163を作動させると、コンベア上を搬送される基板Pを基板停止位置Cにて停止させることが出来る。
一方、ストッパピン166を下降させると、図6の(a)に示すようにピン先端が基板Pの搬送高さの下方に位置(以下、下降位置)するから、この状態であれば、途中で停止することなく各搬送コンベア110〜130により基板Pを搬送出来る。
また、各基板ストッパ161〜163の近傍(上流側近傍)には、各位置(基板停止位置A、中継位置U、基板停止位置C)における基板Pの有無を、検出する基板センサ171〜173がそれぞれ設けられている。
本基板センサ171〜173は検出光軸を形成する一対の投光素子、受光素子を、基板Pの搬送経路を間に挟んで上下に対向配置したものである。検出動作について簡単に説明すると、基板Pが各位置(基板停止位置A、中継位置U、基板停止位置C)に停止していれば、検出光軸は基板Pによって遮られた状態になるから、基板センサ171〜173の出力は、例えば「Lレベル」の状態になる。
一方、基板Pが各位置(基板停止位置A、中継位置U、基板停止位置C)に無ければ、検出光軸が透光状態となるから、基板センサ171〜173の出力は、例えば「Hレベル」の状態になる。よって、基板センサ171〜173の出力より、各位置(基板停止位置A、中継位置U、基板停止位置C)における基板の有無を検出できる。
そして、上記基板センサ171〜173の出力の変化タイミングは、次動作に対するトリガとなっており、本実施形態では、基板センサ171〜173の出力が透光状態に対応する「Hレベル」から遮光状態に対応する「Lレベル」に変化した後、所定時間が経過すると、各搬送コンベア110〜130を駆動停止させる処理を行われ、その後、次に説明するバックアップ装置180を作動させる処理が自動的に行なわれる構成となっている。
尚、上記所定時間については、各基板センサ171〜173の検出光軸を横切った基板の先端が、各基板ストッパ161〜163に到達するのに必要とされる時間に、誤差分の時間を加算した時間に設定しておくことが好ましい。
バックアップ装置180は、複数本のバックアップピン181を起立姿勢に保持したテーブル185を昇降可能に支持したものであり(図5参照)、昇降装置188を作動させることでテーブル185と共にバックアップピン181を昇降できるようになっている。
係るバックアップ装置180は各搬送コンベア110〜130にそれぞれ設けられており、テーブル185を上昇させると、各基板停止位置A〜Cにて停止した基板Pの下面をバックアップピン181が下から持ち上げる。これにより、支持部材BM、BFの上部に設けられる基板押さえ片190との間に挟みこんで各基板停止位置A〜Cにて停止した基板Pを移動不能にクランプできる(以下、拘束状態と呼ぶ)。
また、クランプされた基板Pの下面はバックアップピン181により支持された状態となるから、実装により加わる圧力に抗することが可能となる。
そして、上記の如く構成された搬送コンベア110〜130のうち、中央に位置する第二搬送コンベア120は、以下に説明するY軸搬送装置200のスライドテーブル210上に搭載されており、図4に示す中継位置Uと、図8に示す基板停止位置Bとの間を往復移動する構成となっている。
(b)Y軸搬送装置
図8に示すように、基台11上には、Y軸ボール螺子軸260が軸をY軸方向に向けつつ、中継位置Uと基板停止位置Bとを渡すように配置されるとともに、Y軸ボール螺子軸260のX方向の両側にガイドレール270が一対設けられている。
そして、Y軸ボール螺子軸260の基台手前の軸端にはカップリング261を介してモータ265が連結されている。
また、図9に示す符号210は本発明の基板搬送ステージとして機能するスライドテーブルである。係るスライドテーブル210は平板状をなすとともに、ガイドレール270に沿ってY軸方向に移動可能な構成とされ、上面にバックアップ装置180を含む第二搬送コンベア120の全体を支持している。
そして、スライドテーブル210の下面にはボールナット215が固定され、これがY軸ボール螺子軸260に螺合している。
これにより、モータ265を通電操作すると、ガイドレール270の案内作用を受けつつ、スライドテーブル210がY軸ボール螺子軸260に沿って直線往復移動する。
以上のことから、第二搬送コンベア120、バックアップ装置180を含むスライドテーブル210の全体を、中継位置Uと基板停止位置Bとの間で往復移動させることが出来る。
5.異種基板への対応
また、本実施形態では幅、長さなどサイズの異なる異種基板についても部品の実装を可能とするべく、以下の構成をとっている。尚、以下の説明において基板幅とはY軸方向に関する基板の寸法を指すものとし、また基板長とはX軸方向に関する基板の寸法を指すものとする。
まず、基板幅の異なる基板については、コンベア幅を調整することで、基台11上における搬送をX軸方向、Y軸方向のいずれの方向についても可能とし、通常通り各部品実装部30A〜30Cにて部品の実装を行うこととしている。
図7を参照して搬送コンベア130に設けられるコンベア幅調整装置310を例に挙げて説明を行うと、基台11の基台端にあたる図7の右寄りの位置には、モータ330と支持ブロック320とが設置されている。支持ブロック320は上下に長い形状をなし、下部寄りの位置にはY軸方向に軸を向けつつ、ボール螺子軸340が不図示の軸受け部材により軸受けされている。
そして、ボール螺子軸340の軸端とモータ軸が共に、ギヤボックス350に差し込まれており、モータ側の動力をボール螺子軸340に伝達できる構成となっている。
一方、支持部材BMの下部寄りの位置にはボールナット360が固定され、これがボール螺子軸340の外周に螺合している。
以上のことから、モータ330を作動させるとボール螺子軸340に沿って、ボールナット360、ひいては支持部材BMがY軸方向に位置を変える結果、搬送コンベア130のコンベア幅を調整出来る。
このようなコンベア幅調整装置310を各搬送コンベア110〜130がそれぞれ備えることで、基板幅(Y軸方向に関する基板の大きさ)の異なる基板についても、X軸搬送装置100、Y軸搬送装置200を用いて基板Pを各基板停止位置A〜Cに搬送することが出来る。よって、全3つの部品実装部30A〜30Cにて実装作業を行うことが出来る。
次に、基板長が長い基板、特に全長が可動式の第二搬送コンベア120の全長より長く搬送コンベア120内に収まらない長基板PLであるが、これは、基板を第二搬送コンベア120上に載せると、基板端が前後の搬送コンベア110、130に干渉するから、Y軸搬送装置200を使用出来ない。よって、係る長基板PLに対しては制御パターンを変えることで部品の実装を可能としている。
具体的には、基板搬送路L上において長基板PLを、隣接する2つの搬送コンベアに跨るように停止させる制御を行うこととしている。
図16に示すように、長基板PLを搬送コンベア120と搬送コンベア110に跨るように停止させると、搬送方向後側にあたる長基板の後半分が部品実装部30Aのヘッドユ二ット60Aの作業領域内に収まり、長基板PLを搬送コンベア130と搬送コンベア120に跨るように停止させると、搬送方向前側にあたる長基板の前半分が部品実装部30Cのヘッドユ二ット60Cの作業領域内に収まる。
よって、長基板PLに対して部品を実装するときには、全3つの部品実装部30A〜30Cのうち、基板搬送路L上に位置する部品実装部30A、部品実装部30Cにより長基板の後側の領域と、前側の領域をそれぞれ分担して作業を行うことで、基板上の全領域に対して部品の実装を支障なく行うことが出来る。
尚、本実施形態では、図4、図5に示すように、基台中央に位置する可動式の搬送コンベア120に対して搬送方向の前後2箇所に基板ストッパ162R、162F、基板センサ172R、172Fを設けている。
このように同一搬送コンベア120上に基板ストッパ、基板センサを複数個設けてあるのは、上記したように基板長の長短に応じて、基板搬送路L上における基板P、PLの停止位置を異ならせる必要があるからである。
6.表面実装装置の電気的構成
次に、上記の如く構成された表面実装装置10の電気的構成を説明する。表面実装装置10の電気的構成は図10に示す通りであり、実装装置全体を制御統括する制御装置500に、実装データ記憶装置510、実装プログラム記憶装置520、実装系、搬送系の各種装置が電気的に連なっている。
実装系の装置には30A〜30Cの3つの部品実装部がある。そして、これら各部品実装部30A〜30Cを構成するX軸モータ57、Y軸モータ47、Z軸モータ65、バルブユ二ット66、カメラ68、フィーダFが制御装置500に電気的に連なっている。
搬送系の装置には110〜130の3つの搬送コンベアがあり、例えば第一搬送コンベア110であれば、コンベア幅調整装置310、コンベアモータ155、基板ストッパ161、基板センサ171などの各装置が制御装置500に電気的に連なっている。
また、第二搬送コンベア120は、スライドテーブル210と一体的にY軸方向に移動可能とされているので、第一搬送コンベア110の備える電気的構成に加えてY軸搬送用のモータ265が電気的に連なっている。また、第二搬送コンベア120には、コンベア上の2箇所に基板ストッパと、基板センサが設けられているので、制御装置500にこれら2つの基板ストッパ162F、162Rと、2つの基板センサ172F、172Rが電気的に連なっている。
また、第三搬送コンベア130については、第一搬送コンベア110と同様に、コンベア幅調整装置310、コンベアモータ155、基板ストッパ163、基板センサ173などの各装置が制御装置500にそれぞれ電気的に連なっている。
実装データ記憶装置510には、基板長、基板幅などの基板サイズに関する情報の他、基板に実装される部品に関するデータ、すなわち実装される部品の種別、搭載位置、搭載方向などが記憶されている。
また、実装プログラム記憶装置520には、上記した実装系、搬送系の各装置を制御するプログラムが記憶されている。プログラムについては図17〜図22を参照して後に簡単に説明を行うが、大まかに言えば、基板長に応じた2つの制御パターン(通常基板の制御パターン、長基板の制御パターン)を含んでいる。
7.一連の動作
続いて、上記制御装置500の制御の下に行われる部品実装作業について説明を行う。制御装置500は実装作業を開始するにあたって、実装データ記憶装置510から実装処理の対象となる新規基板(基台上に新たに搬入される基板)に関する基板情報を読み出す処理を、まず行う。
その後、制御装置500は読み出した新規基板の基板情報を基に、必要に応じて各コンベア幅調整装置310を作動させて、新規基板の基板幅に合わせて各搬送コンベア110〜130のコンベア幅を変更する。
コンベア幅が新規基板の幅に調整されると、その後、基板長に応じた制御パターンが実行されて、以下の如く実装作業が進められる。
(A)基板長が短い通常基板Pの制御パターンの場合
通常基板Pの制御パターンの場合、各基板ストッパの初期位置は以下のように設定される。すなわち、搬送コンベア110の基板ストッパ161、搬送コンベア120の基板ストッパ162R、搬送コンベア130の基板ストッパ163の合計3つの基板ストッパについては、いずれも図6の(b)に示す上昇位置にストッパピン166がセットされる。
一方、搬送コンベア120の基板ストッパ162Fについては初期状態に加え、制御中においても、ストッパピン166が常に下降位置に留められ、基板センサ172Fについも制御要素に組み込まれないようになっている。
そして、印刷機等の上流機から通常基板Pが搬出されると、制御装置500の指令の下、搬送コンベア110が駆動される。これにより、一枚目の通常基板P1が、搬送コンベア110を介して入り口側となる図11の右側から機内に搬入される。
そして、制御装置500は基板の搬入と並行して、搬送コンベア110の基板センサ171、搬送コンベア120の基板センサ172R、搬送コンベア130の基板センサ173の出力状態を監視する。
機内に搬入された一枚目の基板P1は、搬送コンベア110上をX軸方向下流側へと搬送され、やがて、基板ストッパ161のストッパピン166に基板先端が当接し、基板停止位置Aに停止する。
一方、1枚目の基板P1が基板停止位置Aに達する直前には、検出光軸を基板先端が横切るから基板センサ171の出力が透光状態に対応する「Hレベル」から遮光状態に対応する「Lレベル」に変化する。
すると、この出力の変化タイミングをトリガとして、制御装置500は所定時間経過後、搬送コンベア110を一時停止させる処理を実行し、その後搬送コンベア110のバックアップ装置180を作動させる処理を実行する。
これにより、バックアップピン181が上昇する結果、基板停止位置Aに停止した基板P1は、基板下面をバックアップされ拘束状態となる。
尚、この状態では、基板停止位置Aに停止した通常基板P1の全体が部品実装部30Aのヘッドユ二ット60Aの作業領域内に、丁度位置した状態となる。
その後、制御装置500の指令の下、部品実装部30Aにより基板P1に対する部品の実装処理が行われる。
そして、部品実装部30Aの負担する部品実装処理が終了すると、制御装置500は基板P1の拘束を解くべく、バックアップ装置180を再び作動させる。これにより、バックアップピン181が下降する結果、基板P1は拘束を解かれ、基板搬送路L上を搬送可能な状態となる。
上記状態になると、制御装置500の指令の下、基板ストッパ161のストッパピン166を下降させる処理が行なわれ、同処理に続いて、搬送コンベア110、120が駆動される。これにより、一枚目の基板P1は両搬送コンベア110、120により基板搬送路Lを下流へと搬送されてゆく。
搬送開始後、一枚目の基板P1はX軸方向を下流に向かいつつ、搬送コンベア110の基板ストッパ161上を移動してゆき、やがて基板ストッパ161を完全に通過(より具体的には、基板後端が基板ストッパ161を通過)する。
すると、制御装置500は、搬送コンベア110に設けられた基板センサ171の出力に基づいて、下降状態にあった基板ストッパ161のストッパピン166を上昇位置に復帰させる処理を行なう。
このように、本実施形態では、基板Pを下流に向けて搬送する場合、搬送動作の開始直前に、基板ストッパのストッパピン166を一旦下降させ、移動を始めた基板Pが基板ストッパを完全に通過すると、下降状態にあるストッパピン166を上昇位置に復帰させる制御を行っている。
尚、上記動作を実現するには、基板ストッパ161であれば、基板センサ171の出力が遮光状態に対応する「Lレベル」から透光状態に対応する「Hレベル」に変化した後、所定時間(基板センサ171を通過した基板の後端が、基板ストッパ161を通過するまでの時間に誤差分を加えた時間)が経過したら、ストッパピン166を復帰動作させてやればよい。
さて、搬送コンベア110、120の駆動により、搬送開始された基板P1は、やがて搬送コンベア120の基板ストッパ162Rに基板先端が当接し、中継位置Uにて停止する。
そして、1枚目の基板P1が中継位置Uに達する直前には、基板センサ172Rの出力が透光状態に対応する「Hレベル」から遮光状態に対応する「Lレベル」に変化する。すると、この出力の変化タイミングをトリガとして、制御装置500は所定時間経過後、搬送コンベア120を一時停止させる処理を実行し、その後搬送コンベア120のバックアップ装置180を作動させる処理を実行する。
これにより、バックアップピン181が上昇する結果、中継位置Uに停止した基板P1は、基板下面をバックアップされ拘束状態となる。
そして一枚目の基板P1の搬送と並行して、二枚目の基板P2が搬送コンベア110を介して機内に搬入される。機内に搬入される二枚目の基板P2は、一枚目の基板P1と同じ要領、すなわち基板ストッパ161のストッパピン166に先端が当接して基板停止位置Aに停止される。
そして二枚目の基板P2が基板停止位置Aに達する直前には、基板センサ171の出力が透光状態に対応する「Hレベル」から遮光状態に対応する「Lレベル」に変化する。すると、この出力の変化タイミングをトリガとして、制御装置500は所定時間経過後、搬送コンベア110を一時停止させる処理を実行し、その後搬送コンベア110のバックアップ装置180を作動させる処理を実行する。
これにより、二枚目の基板P2は基板下面をバックアップされ、拘束された状態となる。そして、両基板P1、基板P2が拘束状態となると、基板制御装置500の指令の下、Y軸搬送装置200が駆動される。これにより、中継位置Uにある一枚目の基板P1は中継位置Uから基台奥部13の基板停止位置Bに運ばれる(図12参照)。
尚、この状態では、基板停止位置Bに停止した通常基板P1の全体が部品実装部30Bのヘッドユ二ット60Bの作業領域内に、丁度位置した状態となる。
かくして、各基板P1、P2が各基板停止位置A、Bに位置する状態になると、制御装置500の指令の下、部品実装部30A、30Bにより両基板P1、基板P2に対する部品の実装処理が並行して進められる。そして、各部品実装部30A、30Bの負担する実装処理が終了すると、Y軸搬送装置200が駆動され、一枚目の基板P1は基板搬送路L上の中継位置Uに戻される。
その後、制御装置500は基板の拘束を解くべく、搬送コンベア110のバックアップ装置180、搬送コンベア120のバックアップ装置180を再び作動させる。
これにより、各搬送コンベア110、120のバックアップピン181がいずれも下降する結果、基板P1、基板P2は拘束を解かれ、基板搬送路L上を搬送可能な状態となる。
上記状態になると、制御装置500の指令の下、搬送コンベア110の基板ストッパ161のストッパピン166、搬送コンベア120の基板ストッパ162Rのストッパピン166をそれぞれ下降させる処理が行なわれ、同処理に続いて、搬送コンベア110、120、130が駆動される。これにより、両基板P1、P2は基板搬送路Lに沿って下流へと搬送される。
その後、一枚目の基板P1が搬送コンベア120の基板ストッパ162Rを通過すると、基板ストッパ162Rを下降位置から上昇位置に復帰させる処理が行なわれ、また二枚目の基板P2が搬送コンベア110の基板ストッパ161を通過すると、基板ストッパ161を下降位置から上昇位置に復帰させる処理が行なわれる。
そして、基板搬送路Lを下流に向かって送られた一枚目の基板P1は基板先端が基板ストッパ163に当接して基板停止位置Cで停止され、二枚目の基板Pは基板先端が基板ストッパ162Rに当接して中継位置Uで停止される。
また、これら基板P1、P2の搬送と並行して、三枚目の基板P3が搬送コンベア110を介して搬入され、係る三枚目の基板P3は基板ストッパ161により基板停止位置Aにて停止される(図13参照)。
そして各基板P1〜P3が各位置(基板停止位置C、中継位置U、基板停止位置A)に達する直前には、各基板センサ171〜173の出力が透光状態に対応する「Hレベル」から遮光状態に対応する「Lレベル」に変化する。
すると、この出力の変化タイミングをトリガとして、制御装置500は所定時間経過後、各搬送コンベア110〜130を一時停止させる処理を実行し、その後各搬送コンベア110〜130のバックアップ装置180を作動させる処理を実行する。
これにより、各基板P1、P2、P3はいずれも基板下面をバックアップされ、拘束状態となる。
その後、Y軸搬送装置200が駆動され、中継位置Uにある二枚目の基板P2は基板停止位置Bに運ばれる(図14参照)。
尚、この状態では、基板停止位置Cに停止した通常基板P1の全体が部品実装部30Cのヘッドユ二ット60Cの作業領域内に丁度位置した状態となる。また、基板停止位置Bに停止した通常基板P2の全体が部品実装部30Bのヘッドユ二ット60Bの作業領域内に丁度位置した状態となり、更には基板停止位置Cに停止した通常基板P3の全体が部品実装部30Aのヘッドユ二ット60Aの作業領域内に丁度位置した状態となる。
そして、制御装置500の指令の下、各基板停止位置A〜Cに停止した各基板に対して部品の実装処理が、各部品実装部30A〜30Cにより並行して進められる。
そして、各部品実装部30A〜30Cの負担する部品実装処理が終了すると、制御装置500の指令の下、Y軸搬送装置200を駆動される処理が行われる。これにより、二枚目の基板P2が中継位置Uに戻され、全三枚の基板P1〜P3が基板搬送路L上に一列状に並ぶ状態となる(図13参照)。
その後、制御装置500は各基板P1〜P3の拘束を解くべく、搬送コンベア110のバックアップ装置180、搬送コンベア120のバックアップ装置180、搬送コンベア130のバックアップ装置180を再び作動させる。
これにより、各搬送コンベア110、120、130のバックアップピン181がいずれも下降する結果、基板P1、基板P2、基板P3は拘束を解かれ、基板搬送路L上を搬送可能な状態となる。
上記状態になると、制御装置500の指令の下、搬送コンベア110の基板ストッパ161のストッパピン166、搬送コンベア120の基板ストッパ162Rのストッパピン166、搬送コンベア130の基板ストッパ163のストッパピン166をそれぞれ下降させる処理が行なわれ、同処理に続いて、X軸搬送装置100を構成する全3つの搬送コンベア110、120、130を駆動される処理が行われる。
これにより、全三枚の基板P1、P2、P3は下流に向けて同時搬送され、全実装工程(部品実装部30A〜30Cによる各部品実装処理)を終えた一枚の基板P1は搬送コンベア130を介して機外に搬出される。
そして、二枚目の基板P2は基板停止位置Cにて停止され、三枚目の基板P3は中継位置Uにて停止される。また、これら基板P1〜P3の搬送と並行して、4枚目の基板P4が搬送コンベア110を介して機内に搬入され、基板停止位置Aにて停止される。
その後、Y軸搬送装置200が駆動され、中継位置Uにある三枚目の基板P3は基板停止位置Bに運ばれる。あとは、部品の実装、基板Pの搬送を交互に繰り返しつつ、上記要領に従って実装処理が進められることとなる。
(B)長基板PLの制御パターンの場合
長基板PLの制御パターンの場合、各基板ストッパの初期位置は以下のように設定される。すなわち、搬送コンベア120の基板ストッパ162F、搬送コンベア130の基板ストッパ163の2つの基板ストッパについては、いずれも図6の(b)に示す上昇位置にストッパピン166がセットされる。
一方、搬送コンベア110の基板ストッパ161、搬送コンベア120の基板ストッパ162Rについては初期状態に加え、制御中においても、ストッパピン166は常に下降位置に留められ、基板センサ171、基板センサ172Rの出力も制御要素に組み込まれないようになっている。
そして、印刷機等の上流機から基板が搬出されると、制御装置500の指令の下、搬送コンベア110、120が駆動される。これにより、一枚目の長基板PL1が、搬送コンベア110を介して入り口側となる図15の右側から機内に搬入される。
そして、制御装置500は基板の搬入と並行して、搬送コンベア120の基板センサ172F、搬送コンベア130の基板センサ173の出力状態を監視する。
機内に搬入された一枚目の長基板PL1は、搬送コンベア110、120によりX軸方向下流側へと搬送され、やがて基板の先端が搬送コンベア110を通過し搬送コンベア120上に達する。その後、基板先端が搬送コンベア120の基板ストッパ162Fのストッパピン166に当接し、長基板PL1は図15にて示すように、第二搬送コンベア120と第一搬送コンベア110の両コンベアに跨った第一跨り位置(本発明の「第一基板停止位置(基板搬送ステージに跨りつつ前記第一部品実装部の作業領域に重なる基板搬送路上の基板停止位置)」に相当)にて停止する。
この状態では、停止した長基板PL1の搬送方向後側にあたる後半分(図15中においては右半分)が部品実装部30Aのヘッドユ二ット60Aの作業領域内に、丁度位置した状態となる。
言い換えれば、このような位置関係となるように、基板ストッパ162Fの配置(X軸方向に関する位置)が長基板の基板長、ヘッドユニット60Aの作業領域の位置を考慮した上で設定してある。
一方、1枚目の長基板PL1が第一跨り位置に達する直前には、基板センサ172Fの出力が透光状態に対応する「Hレベル」から遮光状態に対応する「Lレベル」に変化する。
すると、この出力の変化タイミングをトリガとして、制御装置500は所定時間経過後、両搬送コンベア110、120を一時停止させる処理を実行し、その後搬送コンベア110のバックアップ装置180を作動させる処理を実行する。
これにより、バックアップピン181が上昇する結果、第一跨り位置に停止した長基板PL1は、基板下面をバックアップされ拘束状態となる。
その後、制御装置500の指令の下、部品実装部30Aのヘッドユニット60Aにより長基板PL1に対する部品の実装処理が行われる。係る部品実装処理により、長基板PL1の後半分(図15中においては右半分)の領域に部品が実装される。
そして、部品実装部30Aの負担する部品実装処理が終了すると、制御装置500は基板の拘束を解くべく、搬送コンベア110のバックアップ装置180を再び作動させる。
これにより、バックアップ装置180のバックアップピン181がいずれも下降する結果、長基板PL1は拘束を解かれ、基板搬送路L上を搬送可能な状態となる。
上記状態になると、制御装置500の指令の下、基板ストッパ162Fのストッパピン166を下降させる処理が行なわれ、同処理に続いて、搬送コンベア110、120、130が駆動される。これにより、一枚目の長基板PL1は搬送コンベア110〜130により基板搬送路Lを下流へと搬送されてゆく。
搬送開始後、一枚目の長基板PL1はX軸方向を下流へと搬送されつつ、搬送コンベア120の基板ストッパ162F上を移動してゆき、やがて基板ストッパ162Fを完全に通過(より具体的には、基板後端が基板ストッパ162Fを通過)する。
すると、制御装置500は、搬送コンベア120に設けられた基板センサ172Fの出力に基づいて、下降状態にあった基板ストッパ162Fのストッパピン166を上昇位置に復帰させる処理を行なう。
このように、本実施形態では、長基板PLを下流に向けて搬送する場合においても、搬送動作の直前にストッパピン166を一旦下降させ、移動を始めた長基板PLがストッパピン166を完全に通過(より具体的には、基板後端がストッパピン166を通過)すると、下降させたストッパピン166を上昇位置に復帰させる制御を行っている。
さて、搬送コンベア110、120、130の駆動により、搬送開始された一枚目の長基板PL1は、やがて搬送コンベア130の基板ストッパ163に基板先端が当接し、図16にて示すように、第三搬送コンベア130と第二搬送コンベア120の両コンベアに跨った第二跨り位置(本発明の「第二基板停止位置(前記基板停止位置にて作業領域からはみ出した長基板の一部を作業領域内に含める他の基板停止位置)」に相当)にて停止する。
この状態では、停止した長基板PL1の搬送方向前側にあたる前半分(図16中においては左半分)が部品実装部30Cのヘッドユ二ット60C作業領域内に、丁度位置した状態となる。
言い換えれば、このような位置関係となるように、基板ストッパ163の配置(X軸方向に関する位置)が長基板の基板長、ヘッドユニット60Cの作業領域の位置を考慮した上で設定してある。尚、本実施形態では、基板ストッパ163については通常基板Pの基板ストッパを兼用している。
そして一枚目の長基板PL1の搬送と並行して、二枚目の長基板PL2が搬送コンベア110、120を介して機内に搬入される。機内に搬入される二枚目の長基板PL2は、一枚目の基板P1と同じ要領、すなわち搬送コンベア120の基板ストッパ162Fのストッパピン166に基板先端が当接し、第二搬送コンベア120と第一搬送コンベア110の両コンベアに跨った第一跨り位置にて停止する。
そして、1枚目の長基板PL1が第二跨り位置に達する直前には、基板センサ173の出力が透光状態に対応する「Hレベル」から遮光状態に対応する「Lレベル」に変化し、また、2枚目の長基板PL2が第一跨り位置に達する直前には、基板センサ172Fの出力が透光状態に対応する「Hレベル」から遮光状態に対応する「Lレベル」に変化する。
すると、これら両基板センサ172F、173の出力が「Hレベル」から「Lレベル」に変化する変化タイミングのうち、遅い方の変化タイミングをトリガとして、制御装置500は所定時間経過後、搬送コンベア110〜130を一時停止させる処理を実行し、その後搬送コンベア110、130のバックアップ装置180を作動させる処理を実行する。
これにより、バックアップピン181が上昇する結果、搬送コンベア130と搬送コンベア120の両コンベアに跨って停止した長基板PL1は、搬送コンベア130のバックアップ装置180により基板下面をバックアップされ、拘束状態となる。
また、搬送コンベア120と搬送コンベア110の両コンベアに跨って停止した長基板PL2は、搬送コンベア110のバックアップ装置180により基板下面をバックアップされ、拘束状態となる。
その後、制御装置500の指令の下、部品実装部30Cによる長基板PL1に対する部品の実装処理と、部品実装部30Aによる長基板PL2に対する部品の実装処理が並行して進められる。
係る部品実装処理により、長基板PL2の後半分(図16中においては右半分)の領域に部品が実装される。また、長基板PL1については部品未実装の残る領域、すなわち前半分(図16中においては左半分)の領域に部品が実装される。これにて、長基板PL1については、基板上の全領域に部品が実装されることとなる。
そして、両部品実装部30A、30Cによる部品の実装処理が完了すると、制御装置500は各長基板の拘束を解くべく、各搬送コンベア110〜130のバックアップ装置180を再び作動させる。
これにより、各バックアップ装置110〜130のバックアップピン181がいずれも下降する結果、長基板PL1、PL2は拘束を解かれ、基板搬送路L上を搬送可能な状態となる。
その後、制御装置500の指令の下、搬送コンベア120の基板ストッパ162Fのストッパピン166、搬送コンベア130の基板ストッパ163のストッパピン166をそれぞれ下降させる処理が行なわれ、同処理に続いて、X軸搬送装置100を構成する全3つの搬送コンベア110、120、130を駆動させる処理が行われる。これにより、全二枚の長基板PL1、PL2は下流に向けて同時搬送される。
かくして、全実装工程を終えた一枚目の長基板PL1は搬送コンベア130を介して機外に搬出される。あとは、部品の実装、長基板PLの搬送を交互に繰り返しつつ、上記要領に従って実装処理が進められることとなる。
以上の述べたように、本実施形態においては、基板長の短い通常基板Pに対して部品を実装する場合には、基板搬送路LからY軸方向にオフセットした位置にある部品実装部30Bを含む全3つの部品実装部30A〜30Cを使用して部品の実装を行う一方、長基板PLに対して部品を実装する場合には、基板搬送路L上に位置する2つの部品実装部30A、30Cのみを使用して部品の実装を行うこととている。
すなわち、1枚の通常基板Pは基台11上の3箇所で順次実装が行われるとともに、表面実装機装置10としては、基台11上の3箇所にて同時に実装動作が実施され、かつ基板の搬送も3基板同時に実施されるので実装効率がよい。そして、1枚の長基板PLは基台11上の2箇所で順次実装が行われるとともに、表面実装装置10としては基台11上の2箇所で同時に実装動作が実施され、かつ基板の搬送も2基板同時に実行されるので実装効率がよい。
8.上記一連の動作を実行させる制御プログラム
本実施形態では、基台11上に3つの搬送コンベア110〜130と3つの部品実装部30A〜30Cを設けており、これらが独立して同時並行的に動作するから、基本的には3種の異なる動作プログラムが必要である。
本実施形態では、3種の異なる動作プログラムを「L」、「M」、「N」の3つの変数を用いて実装プログラムとして統合しており、統合された実装プログラムの3変数をそれぞれ以下のように書き換えると、各実装ユ二ット用の動作プログラムとして使用できる(図17参照)。
具体的には、変数「L」を「1」に書き換え、変数「M」を「1」に書き換え、変数「N」を「2」に書き換えると、第一搬送コンベア110と部品実装部30Aとからなる実装ユ二ット1用の動作プログラム1となる。
また変数「L」を「2」に書き換え、変数「M」を「2−1」に書き換え、変数「N」を「3」に書き換えると、第二搬送コンベア120と部品実装部30Bとからなる実装ユ二ット2用の動作プログラム2となる。
そして、変数「L」を「3」に書き換え、変数「M」を「3」に書き換え、変数「N」を「4」に書き換えると、第三搬送コンベア130と部品実装部30Cとからなる実装ユ二ット3用の動作プログラム3となる。
以下、図18〜図21を参照して、実装ユ二ット1用の動作プログラム1を、プログラムブロック毎に簡単に説明する。
尚、プログラム中に記載してある搬送コンベア1が図4中の搬送コンベア110に、搬送コンベア2が図4中の搬送コンベア120に、搬送コンベア3が図4中の搬送コンベア130にそれぞれ対応している。
また、基板センサ1が図4中の基板センサ171に、基板センサ2−1が図4中の基板センサ172Rに、基板センサ2−2が図4中の基板センサ172Fに、基板センサ3が図4中の基板センサ173にそれぞれ対応している。
また、基板ストッパ1が図4中の基板ストッパ161に、基板ストッパ2−1が図4中の基板ストッパ162Rに、基板ストッパ2−2が図4中の基板ストッパ162Fに、基板ストッパ3が図4中の基板ストッパ163にそれぞれ対応している。
さて、図18に示すプログラムブロック♯1は、基台11上に上流機(動作プログラム2、3の場合においては上流側の実装ユニット)から新規基板が搬入される際に実行される処理であり、まず、新規基板と既に基台11上に搬入され実装作業が進められている先行基板とが同種の基板であるかを照合する処理が行われる。照合結果に応じて処理は分岐し、新規基板が先行基板と同種であればプログラムブロック♯1を出て、処理はB1へと移行する。
一方、新規基板が先行基板と異なる種別のものであればプログラムブロック♯1を構成する各処理が順に実行され、基板長に応じて再び処理は分岐する。すなわち、基板長の短い通常基板Pであれば、プログラムブロック♯1を出て、処理はA4へと移行する。
一方、長基板PLであれば、プログラムブロック♯1を構成する残りの処理が順に実行され、必要に応じて搬送コンベア1、2の幅の変更する処理が実行される。
次に、図19において上段に示すプログラムブロック♯2について説明する。プログラムブロック♯2は、実装ユニット1において搬入された新規基板が長基板である場合に実行される処理である。
係るプログラムブロック♯2は長基板PLを基板搬送路L上の所定位置に停止させバックアップする処理を実行するためのプログラムであり、プログラムブロック♯2を構成する各処理を順に実行することで、基台上に搬入された長基板を図15に示す第一跨り位置に停止させ、バックアップ装置180によりバックアップ出来る。
尚、実装ユニット1用の動作プログラム1を識別するための変数「M」を「1」にしているが、実装ユニット1において長基板に対して実装処理を行う場合、このプログラムブロック♯2の中で、変数「M」を「2−2」に書き換え、更に変数「N」を「3」に書き換えることで、下記するプログラムブロック♯8との整合を取っている。
次に、図19において中段に示すプログラムブロック♯3について説明する。プログラムブロック♯3は、搬入された新規基板が長基板である場合に、実装ユ二ット2側にて実行される処理であり、係るプログラムブロック♯3を実行することで、実装ユ二ット2側の動作プログラム2が停止状態となる。
このような処理を設けてあるのは、長基板PLに部品を実装する際には、部品実装部30A、部品実装部30Cのみを使用し、実装ユニット2を構成する部品実装部30Bは使用されないからである。また、同処理によりY軸搬送装置200も停止状態となる結果、スライドテーブル210、ひいては第二搬送コンベア120は基板搬送路L上の中継位置Uに留まる状態となる。
次に、図19において下段に示すプログラムブロック♯4について説明する。プログラムブロック♯4は、長基板から通常サイズの基板に基板の種別が切り替る場合に実行される処理であり、必要に応じてコンベア幅の調整が行われる。
次に、図20において上段に示すプログラムブロック♯5について説明する。プログラムブロック♯5は、新規基板として通常サイズの基板が搬入された場合に実行される処理である。係るプログラムブロック♯5は基板Pを基板搬送路L上の所定位置に停止させバックアップする処理を実行するためのプログラムであり、プログラムブロック♯5を構成する各処理を順に実行することで、基台上に搬入された基板Pを図11に示す基板停止位置Aに停止させ、バックアップ装置180によりバックアップ出来る。
次に、図20において下段に示すプログラムブロック♯6について説明する。プログラムブロック♯6は、処理の初段に、実装動作プログラムが組み込まれている。実装動作プログラム(図22参照)は各部品実装部30が実装動作を実行するためのプログラムであり、係る実装動作プログラムを順に実行することで基板に対し部品が実装される。
プログラムブロック♯6は、上記した実装動作プログラムのほか、この実装動作プログラムによる実装動作が終了した実装ユニットを記録するためのフラブ処理、各種の判定処理を設けており、判定結果に応じて処理が分岐する。例えば、実装処理の対象となった新規基板が通常基板Pである場合には、プログラムブロック♯6を出て、処理はA7へと移行する
一方、実装処理の対象となった新規基板が長基板PLである場合には、プログラムブロック♯6を構成する後段の各処理が順に実行される。係るプログラムブロック♯6の後段の処理は、拘束を解除して長基板PLを下流側に搬送させるプログラムであり、プログラムブロック♯6を構成する各処理を順に実行することで、バックアップ装置180、基板ストッパ162Fによる拘束が解かれ、その後、各搬送コンベア110〜130が駆動される。これにより、実装処理済みの長基板PLは基板搬送路Lを下流へと搬送されることとなる。
尚、プログラムブロック♯6中にある文字Qとは、部品実装処理が完了した状態にあるか否かを判別するためのフラブであり、Q(1)→1であれば、実装ユ二ット1において実装処理が完了した状態にあることを意味し、Q(1)→0であれば、実装ユ二ット1において実装処理が完了していないことを意味している。
次に、図21に記載のプログラムブロック♯7、プログラムブロック♯8について説明する。両プログラムブロック♯7、♯8は、プログラムブロック♯6の後段の処理と同種の処理であり、これらプログラムブロック♯7、♯8を構成する各処理を順に進めることで、実装処理済みの基板(基板長の短い通常基板)は基板搬送路Lを下流へと搬送されることとなる。
実装ユニット1用の動作プログラム1において、変数「N」は、通常基板を対象に実装処理が行なわれる場合には「2」のままである。
そのため、プログラムブロック♯8におけるQ(N)=1の判定処理は、通常基板を対象に実装処理が行われる場合であれば、下流側となる実装ユニット2、或いは3を対象に実装が終了したか否か、すなわち実装ユニット1、或いは2から基板を搬出可能か否かが確認される。
尚、搬出が完了したかの確認は基板センサM(実装ユニット1用の動作プログラム1においては変数「M」は通常基板を対象に実装処理が行われる場合は「1」のまま、長基板を対象に実装処理が行われる場合には「2−2」に書き換えられる。)の出力に基づいて実施している。
上記では、各プログラムブロック♯1〜♯8の大まかな処理を、実装ユ二ット1を例にとって簡単に説明したが、実際には制御装置500が実装ユ二ット1の動作プログラム1、実装ユ二ット2の動作プログラム2、実装ユ二ット3の動作プログラム3を同時並行して処理し、各実装ユ二ット1〜3を構成する搬送系、実装系の各装置を適宜制御する。
これにより、基板長の長/短に応じて異なる制御パターンが実行され、通常基板Pに対して部品を実装する場合には、基板搬送路LからY軸方向にオフセットした位置にある部品実装部30Bを含む全3つの部品実装部30A〜30Cにより実装処理が行われ、また長基板PLに対して部品を実装する場合には、基板搬送路L上に位置する2つの部品実装部30A、30Cのみにより実装処理が行われる。
以上述べたように、本実施形態に適用の表面実装装置10によれば、制御装置500が基板長の長/短に応じて制御パターンを使い分けているから、同一の表面実装装置10により基板長の長い長基板PL、及び基板長の短い通常基板Pの双方に対応できる。
具体的には、通常基板Pの場合には、複数の部品実装部30A〜30Cにより同時並行的に実装処理が進められるから部品の実装効率がよく、タクトタイムの短縮に効果的である。
一方、長基板PLについては、搬送コンベア120と搬送コンベア110の両コンベアに跨る第一跨り位置に停止させると、長基板PLの後半分が部品実装部30Aの作業領域に収まり、また搬送コンベア130と搬送コンベア120の両コンベアに跨る第二跨り位置に停止させると、長基板PLの前半分が部品実装部30Cの作業領域に収まる。
よって、両部品実装部30A、30Cを用いて実装作業を行えば、長基板PLの全領域に漏れなく部品を実装することが可能となる。
また、本実施形態では、長基板PLを停止させる基板ストッパと、通常基板Pを停止させる基板ストッパが一部共用化されている。具体的には、搬送コンベア130に設けられる基板ストッパ163が共用化されている。このような構成であれば、基板ストッパ、引いては基板センサの設置個数を少なく出来る(部品点数の削減)。
また、本実施形態では、コンベア幅調整装置310を設けて、搬送コンベア110〜130のコンベア幅を調整できるようにしてある。このような構成としておけば、基板幅に拘わらず基台11上における基板の搬送、引いては基板P、PLに対する部品の実装が可能となるので、商品性が高い。
そして、実施形態1では、部品実装部30Bを構成するベース部材51Bを支持する一方の支持脚35を、上流側に位置する部品実装部30Aを構成するベース部材51Aを支持する両支持脚32、33の中間に位置させている。また、部品実装部30Bを構成するベース部材51Bを支持する他方の支持脚36についても、下流側の部品実装部30Cを構成するベース部材51Cを支持する両支持脚33、34の中間に位置させている。
このように、本実施形態では、部品実装部30A〜30Cの配置スペース(X軸方向の配置スペース)を、隣接する部品実装部30A〜30Cの配置スペース(X軸方向の配置スペース)に重ねている。このような構成であれば、基台11、ひいては表面実装装置10の全体をX軸方向に小型化できる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図23、図24によって説明する。
実施形態1では、基台11上に3つの部品実装部30A〜30CをX軸方向に並べて配置した例を挙げた。これに対して、実施形態2では、基台610上に2つの部品実装部620、630をX軸方向に並べて配置してある。具体的には、図23において右側(基板搬送方向の上流)に位置する部品実装部620は作業領域が基板搬送路L上にあり、また、図23において左側の部品実装部630は作業領域が基板搬送路LからY方向に離れた位置にある。
そして、各部品実装部620、630に対応して基台610上には2つの搬送コンベア650、660が設けられている。これら2つの搬送コンベア650、660のうち、部品実装部620に対応する搬送コンベア650は基板搬送路Lに固定的に設置されている固定式のコンベアとされている。
これに対して、部品実装部630に対応する搬送コンベア660はY軸方向に移動可能な可動とされた不図示のスライドテーブル(実施形態1のスライドテーブルと同種の構造)上に載置固定されており、基板Pを基板搬送路Lと部品実装部630との間にて移動できる構成となっている。
本例では、基板長の短い通常基板Pは、図23にて示すように、部品実装部620、部品実装部630の双方の部品実装部により部品の実装が行われる。
一方、基板長が長い長基板PLは、基板搬送路L上に作業領域を有する部品実装部620のみを利用して部品の実装が行われる。具体的には、長基板PLは基台610上に搬入されると、図24の上段に示す位置、すなわち基板先端Fが部品実装部620の作業領域から、はみださない位置にて、搬送コンベア650に設けられる基板ストッパ681により停止される。
そして、同位置に停止した長基板PLに対して、部品実装部620により、搬送方向前側にあたる基板の前半分(図24では左半分)の領域に部品の実装処理が行なわれる。
その後、前半分の実装を終えた長基板PLは基板搬送路Lを下流へと搬送され、今度は図24の下段に示すように、搬送コンベア660と搬送コンベア650に跨る位置に、搬送コンベア660に設けられる基板ストッパ682により停止される。そして、同位置に停止した長基板PLに対して、部品実装部620により、残り半分(図24では右半分)の領域に部品の実装処理が行なわれる。
そして、実施形態1では、部品実装部30Bを構成するベース部材51Bを支持する支持脚35を、上流側に位置する部品実装部30Aを構成するベース部材51Aを支持する支持脚32、33の中間に位置させ、また部品実装部30Aを構成するベース部材51Aを支持する支持脚33を、下流側の部品実装部30Bを構成するベース部材51Bを支持する支持脚35、36の中間に位置させ、部品実装部30Bの支持脚の配置スペースと、部品実装部30Aの支持脚の配置スペースとをX軸方向に重ねる構成をとっている。
図面上は省略してあるが、実施形態2も実施形態1と同様に、上流側に位置する部品実装部620を支持する支持脚の配置スペースと、下流側に位置する部品実装部630を支持する支持脚の配置スペースをX軸方向にて重ねている。
これにより、実施形態1と同様、表面実装装置のX軸方向の全長を短くすることが出来、更にはこの表面実装装置を1ないし複数台組み込んだ実装ラインをコンパクトに出来る。そして、更に、基板長の短い通常基板は基台610上の2箇所で順次実装が行われると共に、表面実装装置としては、基台610上の2箇所にて同時に実装動作が実施され、かつ基板の搬送も2基板同時に実施されるので実装効率がよい。そして、1枚の長基板PLは基台610上の2箇所で順次実装で基板上の全領域に部品の実装が可能である。
また、本実施形態では、長基板PLを停止させる基板ストッパと、通常基板Pを停止させる基板ストッパが一部共用化されている。具体的には、搬送コンベア650に設けられる基板ストッパ681が共用化されている。このような構成であれば、基板ストッパ、引いては基板センサの設置個数を少なく出来る(部品点数の削減)。
尚、図23、図24中において符号625は部品実装部620を構成するヘッドユ二ット、符号635は部品実装部630を構成するヘッドユ二ットである。
また、この実施形態の部品実装部620が本発明の「第一部品実装部」に相当し、部品実装部630が本発明の「第二部品実装部」に相当している。そして、図24において下段に示す長基板の停止位置が本発明における「基板搬送ステージに跨りつつ前記第一部品実装部の作業領域に重なる基板搬送路上の基板停止位置」に相当し、図24において上段に示す長基板の停止位置が本発明における「長基板の一部を作業領域内に含める他の基板停止位置」に相当している。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図25、図26によって説明する。
実施形態1では、基台11上に3つの部品実装部30A〜30CをX軸方向に並べて配置した例を挙げた。これに対して、実施形態3では、基台710上に2つの部品実装部720、730をX軸方向に並べて配置してある。具体的には、図25において左側(基板搬送方向の下流)に位置する部品実装部730は作業領域が基板搬送路L上にあり、また、図25において右側の部品実装部720は作業領域が基板搬送路LからY方向に離れた位置にある。
そして、各部品実装部720、730に対応して基台710上には2つの搬送コンベア750、760が設けられている。これら2つの搬送コンベア750、760のうち、部品実装部730に対応する搬送コンベア760は基板搬送路Lに固定的に設置されている固定式のコンベアとされている。
これに対して、部品実装部720に対応する搬送コンベア750は、Y軸方向に移動可能な可動とされた不図示のスライドテーブル(実施形態1のスライドテーブルと同種の構造のもの)上に載置固定されており、基板Pを基板搬送路Lと部品実装部720との間にて移動できる構成となっている。
本例では、基板長の短い通常基板Pは、図25にて示すように、部品実装部720、部品実装部730の双方の部品実装部により部品の実装が行われる。
一方、基板長が長い長基板PLは、基板搬送路L上に作業領域を有する部品実装部730のみを利用して部品の実装が行われる。具体的には、長基板PLは基台710上に搬入されると、図26の上段に示す位置、すなわち搬送コンベア760と搬送コンベア750に跨る位置に、搬送コンベア760に設けられる基板ストッパ782により停止される。そして、同位置に停止した長基板PLに対して、部品実装部730により、搬送方向前側にあたる基板の前半分(図26では左半分)の領域に部品の実装処理が行なわれる。
その後、前半分の実装を終えた長基板PLは基板搬送路Lを下流へと搬送され、今度は図26の下段に示すように、搬送コンベア760より基板先端を突出させた位置に、基板ストッパ781により停止される。そして、同位置に停止した長基板PLに対して、部品実装部620により、残り半分(図26では右半分)の領域に部品の実装処理が行なわれる。
そして図面上は省略してあるが、実施形態3も実施形態1と同様に、上流側に位置する部品実装部720を支持する支持脚の配置スペースと下流側に位置する部品実装部730を支持する支持脚の配置スペースとをX軸方向にて重ねている。
これにより、実施形態1〜2と同様、表面実装装置のX軸方向の全長を短くすることが出来、更にはこの表面実装装置を1ないし複数台組み込んだ実装ラインをコンパクトに出来る。そして、更に、基板長の短い通常基板は基台710上の2箇所で順次実装が行われると共に、表面実装装置としては、基台710上の2箇所にて同時に実装動作が実施され、かつ基板の搬送も2基板同時に実施されるので実装効率がよい。そして、1枚の長基板PLは基台710上の2箇所で順次実装で基板上の全領域に部品の実装が可能である。
また、本実施形態では、長基板PLを停止させる基板ストッパと、通常基板Pを停止させる基板ストッパが一部共用化されている。具体的には、搬送コンベア760に設けられる基板ストッパ782が共用化されている。このような構成であれば、基板ストッパ、引いては基板センサの設置個数を少なく出来る(部品点数の削減)。
尚、図26の下段の位置に長基板PLを停止させるには、長基板PLを図26の下段に位置を超えて更に下流まで搬送した後、コンベアの駆動方向を反転させて基板を搬送方向上流に送り、搬送コンベア730に設けられる基板ストッパ781に基板の後端を当ててやればよい。また、図25、図26中において符号725は部品実装部720を構成するヘッドユ二ット、符号735は部品実装部730を構成するヘッドユ二ットである。
また、この実施形態の部品実装部730が本発明の「第一部品実装部」に相当し、部品実装部720が本発明の「第二部品実装部」に相当している。そして、図26において上段に示す長基板の停止位置が本発明における「基板搬送ステージに跨りつつ前記第一部品実装部の作業領域に重なる基板搬送路上の基板停止位置」に相当し、図26において下段に示す長基板の停止位置が本発明における「長基板の一部を作業領域内に含める他の基板停止位置」に相当している。
<実施形態4>
実施形態4のものは、実施形態2の構成をやや変形させたものであり、図27において右側に位置する搬送コンベア850がY軸方向に移動可能な可動式のコンベアとなっている。
そして、このものでは、図27において右側に位置する部品実装部820の作業領域がY軸方向に延びており、基板搬送路Lの基板に対しても部品の実装を行うことが出来る構成としてある。
よって、基板長が長い長基板PLは、基板搬送路L上に作業領域を有する部品実装部820を利用することで、実施形態2の場合と同じように基板上の全領域に部品を実装できる。
具体的には、長基板PLは基台810上に搬入されると、図27の上段に示す位置、すなわち基板先端Fが部品実装部820の作業領域から、はみださない位置にて、搬送コンベア850に設けられる基板ストッパ881により停止される。そして、同位置に停止した長基板PLに対して、部品実装部820により、搬送方向前側にあたる基板の前半分(図27では左半分)に部品の実装処理が行なわれる。
その後、前半分の実装を終えた長基板PLは基板搬送路Lを下流へと搬送され、今度は図27の下段に示すように、搬送コンベア660と搬送コンベア850に跨る位置に、搬送コンベア660に設けられる基板ストッパ882により停止される。そして、同位置に停止した長基板PLに対して、部品実装部820により、基板の後半分(図27では右半分)に部品の実装処理が行なわれる。
そして図面上は省略してあるが、実施形態4も実施形態1と同様に、上流側に位置する部品実装部820を支持する支持脚の配置スペースと下流側に位置する部品実装部630を支持する支持脚の配置スペースとをX軸方向にて重ねている。
これにより、実施形態1〜3と同様、表面実装装置のX軸方向の全長を短くすることが出来、更にはこの表面実装装置を1ないし複数台組み込んだ実装ラインをコンパクトに出来る。そして、更に、基板長の短い通常基板は基台810上の2箇所で順次実装が行われると共に、表面実装装置としては、基台810上の2箇所にて同時に実装動作が実施され、かつ基板の搬送も2基板同時に実施されるので実装効率がよい。そして、1枚の長基板PLは基台810上の2箇所で順次実装で基板上の全領域に部品の実装が可能である。
また、本実施形態では、長基板PLを停止させる基板ストッパと、通常基板Pを停止させる基板ストッパが一部共用化されている。具体的には、搬送コンベア850に設けられる基板ストッパ881が共用化されている。このような構成であれば、基板ストッパ、引いては基板センサの設置個数を少なく出来る(部品点数の削減)。
また、この実施形態の部品実装部820が本発明の「第一部品実装部」に相当し、部品実装部630が本発明の「第二部品実装部」に相当している。そして、図27において下段に示す長基板の停止位置が本発明における「基板搬送ステージに跨りつつ前記第一部品実装部の作業領域に重なる基板搬送路上の基板停止位置」に相当し、図27において上段に示す長基板の停止位置が本発明における「長基板の一部を作業領域内に含める他の基板停止位置」に相当している。