JP4918909B2 - 剥離用組成物および剥離方法 - Google Patents

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Description

本発明は剥離用組成物およびこれを用いた剥離方法に関する。
エレクトロニクス分野において、低誘電率の絶縁材料の開発が進んでいる。特に半導体素子の層間絶縁膜、再配線層の応力緩和層等への適用に優れた材料としてポリアリーレン樹脂が提案されている(特許文献1〜3参照。)。
またTFT(薄膜トランジスタ)の製造工程の中で、個々の画素を形成する際の埋め込み材料として、高透明、低誘電率のポリアリーレン樹脂が提案されている(特許文献4参照。)。透明性の高い低誘電率材料を適用することにより、素子の応答特性が向上し、かつ、開口数を大きくすることが可能となる。
さらにポリアリーレン樹脂に感光性を持たせた光硬化性組成物が提案されている(特許文献5、6参照)。感光性を有していると、例えばレジストと同様に、フォトリソグラフィによる微細加工が可能である。したがって、例えばポリアリーレン樹脂からなる層間絶縁膜にコンタクトホールを容易に形成できる等の利点がある。
なお、レジストは後工程で除去され最終製品に残らないプロセス材料であるのに対して、層間絶縁膜など、最終製品において機能する部材として残る材料を、本発明では直材という。
ところで、一般にフォトリソグラフィでレジストを加工する際には、感光工程から現像工程にかけて失敗が発生し、工程不良品が製造されることがある。この場合に感光した硬化物を剥離して除去することができれば製造コストを下げることができる。レジストの剥離用組成物は既に提案されている(特許文献7参照。)。
米国特許第6361926号明細書 国際公開第03/8483号パンフレット 特開平10−74750号公報 国際公開第2006/137327号パンフレット 特表平7−503740号公報 国際公開第2007/119384号パンフレット 特開2003−122028号公報
しかしながら、ポリアリーレン樹脂の光硬化物を剥離するための剥離用組成物は未だ知られていない。
また、直材は、レジストと異なり、最終製品に残るため、高い信頼性と耐久性が要求される。したがって、直材と基板との接着力が高いことが要求され、必要であれば接着促進剤が用いられる。このため、剥離力が弱い剥離用組成物では直材を剥離することができない。一方、剥離力が強すぎると、直材だけでなくその下層まで剥離されるおそれがあるため、直材の状態に合わせた好適な剥離用組成物が求められる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、ポリアリーレン樹脂を含有する硬化性組成物を光硬化せしめて得られる直材を、基材から剥離するのに好適な剥離用組成物、およびこれを用いた剥離方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明の剥離用組成物は、架橋性官能基を有するポリアリーレン樹脂を含有する硬化性組成物を光硬化せしめて得られる直材を剥離する剥離用組成物であって、下記の化合物群Xから選ばれる1種以上からなる溶剤Aを主成分とすることを特徴とする。
化合物群Xは、誘電率が7以上である環状エーテル系化合物、誘電率が7以上である非環状エーテルアルコール系化合物、および誘電率が7以上であるアミド系化合物からなる。
前記ポリアリーレン樹脂がフッ素原子を有することが好ましい。
前記化合物群Xが、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルからなることが好ましい。
また本発明の剥離方法は、本発明の剥離用組成物を用いて、架橋性官能基を有するポリアリーレン樹脂を含有する硬化性組成物を光硬化せしめて得られる直材を、基材から剥離することを特徴とする。
本発明の剥離用組成物は、これを用いてポリアリーレン樹脂を含有する硬化性組成物を光硬化せしめて得られる直材を、基材から良好に剥離できる。
本発明の剥離方法によれば、ポリアリーレン樹脂を含有する硬化性組成物を光硬化せしめて得られる直材を、基材から良好に剥離できる。
<ポリアリーレン樹脂>
本発明において、剥離する対象となる硬化物は、架橋性官能基を有するポリアリーレン樹脂の硬化物を含む。ポリアリーレン樹脂は、複数の芳香族環が単結合または連結基を介して結合している構造を有する樹脂である。該連結基は、例えばエーテル結合(−O−)、スルフィド結合(−S−)、カルボニル基(−CO−)、スルホン酸基から水酸基を除いた二価基(−SO−)等が挙げられる。該ポリアリーレン樹脂のうち、特に芳香族環どうしがエーテル結合(−O−)を含む連結基で結合されている構造を有する樹脂をポリアリーレンエーテル樹脂という。本発明における「ポリアリーレン樹脂」はポリアリーレンエーテル樹脂を含む概念である。
該エーテル結合を含む連結基の具体例としては、エーテル性酸素原子のみからなるエーテル結合(−O−)、炭素鎖中にエーテル性酸素原子を含むアルキレン基等が例示される。
本発明におけるポリアリーレン樹脂は架橋性官能基を有する。該架橋性官能基の少なくとも一部は、感光剤の存在下で光照射されることにより、架橋反応又は鎖延長反応を引き起こし、ポリアリーレン樹脂を硬化させる反応性官能基である。
架橋性官能基の具体例としては、ビニル基、アリル基、メタクリロイル(オキシ)基、アクリロイル(オキシ)基、ビニルオキシ基、トリフルオロビニル基、トリフルオロビニルオキシ基、エチニル基、1−オキソシクロペンタ−2,5−ジエン−3−イル基、シアノ基、アルコキシシリル基、ジアリールヒドロキシメチル基、ヒドロキシフルオレニル基、シクロブタレン環、オキシラン環等が挙げられる。反応性が高く、高い架橋密度が得られる点で、ビニル基、メタクリロイル(オキシ)基、アクリロイル(オキシ)基、トリフルオロビニルオキシ基、エチニル基、シクロブタレン環、オキシラン環が好ましく、得られる硬化物の耐熱性が良好となる点から、ビニル基、エチニル基が最も好ましい。
なおメタクリロイル(オキシ)基とは、メタクリロイル基またはメタクリロイルオキシ基を意味する。アクリロイル(オキシ)基も同様である。
ポリアリーレン樹脂は、芳香族環を有するため、耐熱性が良好であり、例えば半導体素子の構成部材に用いた場合に高い信頼性が得られる。
ポリアリーレン樹脂のうちでも、特に、ポリアリーレンエーテル樹脂は、エーテル性酸素原子を有ため、分子構造が柔軟性を有し、樹脂の可とう性が良好である点で好ましい。
ポリアリーレン樹脂はフッ素原子を有する含フッ素ポリアリーレン樹脂が好ましい。フッ素原子を有すると、該樹脂の硬化物の誘電率及び誘電損失が低くなりやすいため、絶縁膜を形成する樹脂として好ましい。絶縁膜の誘電率及び誘電損失が低いと、信号伝播速度の遅延を抑制でき、電気特性に優れた素子が得られる。
またフッ素原子を有すると、該樹脂の硬化物の吸水率が低くなるため、接合電極及びその周辺の配線部分等における接合状態の変化が抑制できる点、または金属の変質(錆等)が抑制できる点等において優れ、素子の信頼性向上という点で効果が大きい。
含フッ素ポリアリーレン樹脂の好適な例としては、ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)、ペルフルオロビフェニル等の含フッ素芳香族化合物と;1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のフェノール系化合物と;ペンタフルオロスチレン、アセトキシスチレン、クロルメチルスチレン等の架橋性化合物と;を炭酸カリウム等の脱ハロゲン化水素剤の存在下で反応させて得られるポリマーが挙げられる。
<硬化性組成物>
本発明における硬化性組成物は光硬化性を有する。具体的にはポリアリーレン樹脂と感光剤を含有する。さらに溶剤を含有することが好ましく、接着性向上剤等の添加剤を含有してもよい。
感光剤、溶剤および添加剤は、一般的な光硬化性組成物において公知のものを適宜用いることができる。
感光剤の具体例としては、IRGACURE 907(α−アミノアルキルフェノン系)、IRGACURE 369(α−アミノアルキルフェノン系)、DAROCUR TPO(アシルホスフィンオキサイド系)、IRGACURE OXE01(オキシムエステル誘導体)、IRGACURE OXE02(オキシムエステル誘導体)(いずれもチバスペシャリティーケミカルズ社製)等が挙げられる。これらのうちで、DAROCUR TPO、IRGACURE OXE01、IRGACURE OXE02が特に好ましい。
溶剤の具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PEGMEAともいう)等が挙げられる。
接着性向上剤としては、シランカップリング剤等が挙げられる。硬化性組成物に接着性向上剤を含有させると、該硬化性組成物の光硬化物(直材)と基材との接着性が向上するため好ましい。なお、基材に予め接着性向上剤を塗布する方法でも、基材と直材との接着性を向上させることができる。
本発明における硬化性組成物として、上記特許文献5に記載されているオリゴマー化シクロブタレーンと感光剤を含む組成物、または上記特許文献1、4、6に記載されている、ポリアリーレン樹脂と感光剤を含む組成物を用いることができる。
さらに、上記特許文献2、3に記載されているポリアリーレン樹脂と、公知の感光剤とを含む硬化性組成物を用いることもできる。
<直材>
本発明における直材は、前記硬化性組成物を光硬化せしめて得られる光硬化物である。該直材は基材上に形成される。直材は、好ましくは基材上に上記硬化性組成物を塗布し、光を照射して硬化させた膜である。
直材の具体例は、半導体等の基板上に直接またはパッシベーション膜(窒化ケイ素、ポリイミド等からなる)を介して形成された絶縁膜である。
なお、本発明における基材は、直材を形成する対象物であり、例えば基板上に直接絶縁膜を形成する場合は、該基板が本発明における基材である。基板上にパッシベーション膜を介して絶縁膜を形成する場合には、基板とパッシベーション膜の積層物が、本発明における基材である。
基材上に絶縁膜を形成するには、例えば、まず溶液状の硬化性組成物をスピンコート法等の塗工方法で基材上に塗布した後、必要に応じてプリベークを行い、露光する。露光には紫外線が多く採用される。露光部は光硬化し、未露光部は未硬化のままである。露光後に現像を行って、未露光部の硬化性組成物を除去する。現像液としては、硬化性組成物の溶剤と同じものを用いることができる。この後、必要に応じて加熱を行い、光硬化した樹脂をキュアする(キュア工程)。こうして基材上に絶縁膜(直材)を形成できる。絶縁膜の厚さは1〜100μm程度が好ましく、3〜50μmがより好ましい。さらに素子の設計に応じて、該絶縁膜の上に配線層を形成する。配線層に用いられる金属としては、銅、アルミニウム、チタン、金等が例示できる。絶縁膜を形成する工程と、配線層を形成する工程は、必要に応じて複数回繰り返される。
本発明において、剥離用組成物を用いて剥離する光硬化物(直材)は、キュア工程前のものである。具体的には、上記の露光後または現像後に検査を行い、不良品が発見された場合には、キュア工程の前に剥離用組成物を用いて該不良品の光硬化物(直材)を基材から剥離して除去することが好ましい。
<剥離用組成物>
本発明の剥離用組成物は溶剤Aを主成分とする。剥離用組成物における溶剤Aの含有率は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。該含有率の上限は100質量%であり、剥離用組成物が溶剤Aのみからなる組成物であってもよい。
溶剤Aは化合物群Xから選ばれる1種以上からなる。化合物群Xは、誘電率が7以上である環状エーテル系化合物、誘電率が7以上である非環状エーテルアルコール系化合物、および誘電率が7以上であるアミド系化合物からなる。
溶剤Aとして用いる化合物の誘電率が低いと、樹脂硬化物(直材)への浸透力が不充分になると考えられる。すなわち溶剤Aとして用いる化合物の誘電率が7未満であると、ポリアリーレン樹脂の光硬化物(直材)の剥離が充分に進行しない場合がある。該誘電率は10以上がより好ましい。上限は基材等への影響を抑制する点から50以下が好ましい。
さらに溶剤Aとしては、特定の化合物が選択される。すなわち溶剤Aとしては、所定の誘電率を有し、かつ、環状エーテル系化合物、非環状エーテルアルコール系化合物、およびアミド系化合物からなる群から選択される。これら以外の化合物では、樹脂硬化物(直材)への浸透力が不充分になると考えられ、ポリアリーレン樹脂の光硬化物(直材)の剥離が充分に進行しない場合がある。
溶剤Aとして用いる化合物は、使用時に液体であればよく、25℃において液体であることが好ましい。
上記環状エーテル系化合物の好ましい例としては、テトラヒドロフラン(誘電率ε=7.5)が挙げられる。
上記非環状エーテルアルコール系化合物の好ましい例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(ε=12.3)が挙げられる。
上記アミド系化合物の好ましい例としては、N−メチルピロリドン(ε=32)、ジメチルホルムアミド(ε=37)、ジメチルアセトアミド(ε=38)等が挙げられる。
これらのうち含フッ素ポリアリーレン樹脂の光硬化物(直材)への浸透力が高く剥離効果が高いことから、アミド系化合物がより好ましい。さらに剥離後の処理の容易さからジメチルホルムアミドおよび/またはジメチルアセトアミドが特に好適である。
溶剤Aは上記化合物群Xから選ばれる1種でもよく、2種以上を混合して用いてもよく、基材の材質や、必要とされる剥離力に応じて調整できる。
また剥離用組成物には溶剤Aの他に、他の溶剤を含有させてもよい。剥離用組成物における他の溶剤の含有率は10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。ゼロでもよい。
例えば剥離用組成物に添加剤として酸またはアルカリを含有させる場合に、他の溶剤としてプロピレングリコール(PG)、グリセリン等の多価アルコールを併用すると、酸またはアルカリによる金属への影響を低減させることができる。
また、例えば添加剤の溶解性を良好にする等、必要に応じて剥離用組成物に水を含有させてもよい。剥離用組成物の含水率は15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、ゼロが最も好ましい。含水率が15質量%より高いとポリアリーレン樹脂の光硬化物(直材)に対する剥離効果が不十分になりやすい。
剥離用組成物はさらに、剥離力向上のための添加剤、防食剤等を含んでもよい。
剥離力向上のための添加剤は、酸またはアルカリが好ましい。特に金属配線を表面に有する基材上に設けられた直材を剥離する場合には、金属原子または金属イオンのいずれも含まない、酸またはアルカリを用いることが好ましい。金属原子または金属イオンは基板の信頼性を低下させる原因となりうる。
具体的な酸としては、硫酸、硝酸、ドデシルベンゼンスルホン酸が例示できる。具体的なアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)が例示できる。特にTMAHの添加は剥離力の向上効果が大きい点で好ましい。剥離力向上のための添加剤としての酸またはアルカリの添加量は、剥離用組成物の0.1〜10質量%が好ましい。
剥離用組成物に防食剤を添加すると、配線を構成している金属を保護する効果が得られる。特に剥離用組成物が金属と接触しうる場合であって、剥離用組成物が酸またはアルカリを含む場合は、防食剤を添加することが好ましい。防食剤としては、安息香酸、安息香酸アンモニウム、カテコール、ベンゾトリアゾール、ソルビトール、アデニン、没食子酸、グリオキシサン、ピロガロール等が例示できる。防食剤の添加量は剥離用組成物の0.1〜5質量%が好ましい。
<剥離方法>
本発明の剥離方法は、基材上に形成された、ポリアリーレン樹脂を含有する硬化性組成物の光硬化物(直材)を、剥離用組成物を用いて剥離、除去する。
剥離処理は、直材が形成された基材を剥離用組成物に浸漬する方法で行うのが好ましい。剥離用組成物中で、基材を揺動させてもよく、または基材に対して超音波を照射してもよい。剥離処理は枚葉処理でもバッチ処理でもよい。浸漬時間は1〜60分が好ましく、5〜20分が好ましい。剥離用組成物は室温で用いることができるが、沸点未満に加温してもよい。剥離用組成物を加温すると光硬化物(直材)への浸透力が向上して好ましい。剥離用組成物の使用温度は、10〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましい。剥離処理後にリンス等の後処理を行ってもよい。その後、適切な乾燥処理を実施することが好ましい。
ポリアリーレン樹脂は溶剤に可溶であるが、光照射により硬化した光硬化物は不溶または難溶となるため、現像によって未硬化の樹脂のみを除去することができる。現像後に残った光硬化物(直材)は、本発明の剥離用組成物を用いて剥離処理を行うことにより、基材から良好に剥離させることができる。
また、ポリアリーレン樹脂よりも含フッ素ポリアリーレン樹脂の方が、直材の剥離が難しい傾向があるが、本発明の剥離用組成物によれば、後述の実施例に示されるように、含フッ素ポリアリーレン樹脂の光硬化物を良好に剥離できる。
また、剥離される直材が、窒化ケイ素またはポリイミドからなるパッシベーション膜上に形成された絶縁膜である場合には、該パッシベーション膜と直材との接着力が高くなりやすく、直材は剥離し難くなる傾向があるが、本発明の剥離用組成物によれば、後述の実施例に示されるように、窒化ケイ素またはポリイミドで処理された基材上の光硬化物(直材)であっても良好に剥離できる。
したがって、本発明における硬化性組成物は、半導体素子を構成する低誘電率材料として好適に用いることができ、露光工程から現像工程にかけて失敗が発生し、工程不良品が製造された場合には、光硬化物を剥離して除去することができる。これにより、工程不良品の再利用を可能とし、廃棄物の削減と製造コスト低減という効果が得られる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(調製例1)
含フッ素ポリアリーレンエーテル樹脂を含有する硬化性組成物(I)を調製した。
すなわち、ペルフルオロビフェニルと、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンと、ペンタフルオロスチレンとを炭酸カリウムの存在下に反応させて得られたポリマーを含むPEGMEA溶液に、感光剤としてIRGACURE OXE01(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を添加し、さらにシランカップリング剤を添加して硬化性組成物(I)を得た。
(剥離試験)
下記の3通りの条件(a)〜(c)で硬化性組成物(I)の光硬化物をそれぞれ作製した。
(a)下処理として窒化ケイ素処理を施したシリコンウエハー(6インチ)に、接着性向上剤としてシランカップリング剤をスピンコート法で塗布したものを基材として用い、該基材上に光硬化物を形成した。
(b)下処理としてポリイミド処理を施したシリコンウエハー(6インチ)上に、接着性向上剤としてシランカップリング剤をスピンコート法で塗布したものを基材として用い、該基材上に光硬化物を形成した。
(c)下処理を施さないシリコンウエハー(6インチ)上に、接着性向上剤としてシランカップリング剤をスピンコート法で塗布し、その上に調製例1で得た硬化性組成物(I)をスピンコート法により塗布した後、紫外線を全面に照射して光硬化させた。この後、窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱処理してキュア工程を行って厚さ7μmの光硬化膜(下層膜)を形成したものを基材として用い、該基材上に光硬化物を形成した。
光硬化物の形成は、以下の方法で行った。
まず調製例1で得た硬化性組成物(I)を、基材上にスピンコート法により塗布した後、ホットプレートにより80℃で90秒間加熱して、膜厚7μmの塗膜を形成した。該塗膜に対して、マスクを介してQuintel社製の露光機UL−7000(製品名)を用いて紫外線を照射し、露光を行った。照射量は360mJ/cmであった。この後、現像液としてPEGMEAを用い、パドル現像を行った後、乾燥してウエハーを2cm角に切り出した。
こうして、基材上に硬化性組成物(I)の光硬化物からなる、1辺が1cmの正方形状の均質膜(いわゆるベタ部)が形成されたが形成された試験片を得た。
得られた試験片に対して、下記11種類の剥離用組成物(試験No.1〜11)を用い、以下の方法で基材上の光硬化物を剥離する試験を行った。
すなわち、100mLビーカーに剥離用組成物を20mL入れ、表1に示す加熱温度に加熱したホットプレートに載せ、5分以上経過した後、試験片を10分間浸漬させて取り出した。
剥離の評価は目視で行い、光硬化物(面積1cmのベタ膜)が剥離したものを○、光硬化物(面積1cmのベタ膜)のうち面積0.5cm以上を剥離できたが剥離残りがあるものを△、剥離できなかったものを×とした。結果を表1に示す。
試験No.1〜11の剥離用組成物は以下の通りである。
No.1:トルエン、誘電率ε=2.4。
No.2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、誘電率ε=8.3。
No.3:アセトン、誘電率ε=21。
No.4:ジメチルスルホキシド(DMSO)、誘電率ε=49。
No.5:テトラヒドロフラン(THF)、誘電率ε=7.6。
No.6:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、誘電率ε=12.
No.7:アルカリとしてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の5質量%、PGMEの80質量%、プロピレングリコール(PG、誘電率ε=32)の10質量%、および水の5質量%からなる混合物。
No.8:PGME50質量%とジメチルアセトアミド(DMAc)50質量%の混合物。
No.9:N−メチルピロリドン(NMP)、誘電率ε=32。
No.10:ジメチルホルムアミド(DMF)、誘電率ε=37。
No.11:DMAc、誘電率ε=38。
Figure 0004918909
表1の結果に示されるように、本発明の剥離用組成物を用いた試験No.5〜11では、密着力の高い下処理が施されている場合(条件a、b)でも、含フッ素ポリアリーレンエーテル樹脂の光硬化物を良好に剥離することができた。またキュア工程を経た下層膜上に光硬化物を形成した場合(条件c)でも、含フッ素ポリアリーレンエーテル樹脂の光硬化物を良好に剥離することができ、下層膜への影響はなかった。

Claims (4)

  1. 架橋性官能基を有するポリアリーレン樹脂を含有する硬化性組成物を光硬化せしめて得られる直材を剥離する剥離用組成物であって、
    下記の化合物群Xから選ばれる1種以上からなる溶剤Aを主成分とすることを特徴とする剥離用組成物。
    化合物群Xは、誘電率が7以上である環状エーテル系化合物、誘電率が7以上である非環状エーテルアルコール系化合物、および誘電率が7以上であるアミド系化合物からなる。
  2. 前記ポリアリーレン樹脂がフッ素原子を有する、請求項1に記載の剥離用組成物。
  3. 前記化合物群Xが、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルからなる、請求項1または2に記載の剥離用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の剥離用組成物を用いて、架橋性官能基を有するポリアリーレン樹脂を含有する硬化性組成物を光硬化せしめて得られる直材を、基材から剥離することを特徴とする剥離方法。
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