JP4912579B2 - ハードコートフィルム - Google Patents

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Description

本発明はタッチパネル、液晶表示体、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ画面用のハードコートフィルムに関する。
近年、タッチパネル、液晶表示体、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等の表示機器が普及しており、これにともない反射防止性、透明性、硬度、耐擦傷性、汚れ防止性、払拭性、帯電防止性、リコート性、耐カール性などの性能に優れたハードコート材が求められている。
これらの性能を確保するための手段として、アクリル樹脂系ハードコート剤、ウレタンアクリレート樹脂系ハードコート剤、ポリエステル/メラミン樹脂系ハードコート剤、などが採用されてきた。
しかしながら、硬度、耐擦傷性、汚れ防止性、払拭性、耐カール性などのバランスの良いハードコート剤は開発されていないために性能向上が求められていた。
例えば、硬くて傷がつきにくい耐擦傷性を保有しつつ、指先のタッチにより指紋が付着しにくく、付着しても容易に払拭できるものであって、かつカール性の無いハードコートフィルムは得られていなかった。
汚れ防止性あるいは払拭性を確保せんとして提案されているものに、界面活性剤を硬化性樹脂に配合するもの、あるいはシリコン樹脂を硬化性樹脂に配合するもの、などが提案されているが、前者では効果の持続性に問題があり本格的な解決に至っていない。一方後者では、撥水性の高くなるため必ずしも指紋などが付着しにくいわけではなく、むしろ指紋などが目立ちやすい結果になっている。
特開2004−182765号公報 特開2004−98303号公報
前記のような課題に鑑みて、硬くて傷がつきにくい耐擦傷性を保有しつつ、指先のタッチにより指紋が付着しにくく、付着しても容易に払拭できるものであって、かつカール性の無いハードコートフィルムを実現しようとするものである。
本発明は、透明プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に硬化被膜層を設けたハードコートフィルムであって、前記硬化被膜層が、アミノトリアジン化合物、パラホルムアルデヒド、および水酸基含有(メタ)アクリレートから1工程で合成され、平均分子量200〜20000のトリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーを含む硬化物からなることを特徴とするハードコートフィルムである。
本発明になるハードコートフィルムは、硬くて傷がつきにくい耐擦傷性を保有しつつ、指先のタッチにより指紋が付着しにくく、付着しても容易に払拭できるものであり、かつカール性がないというバランスに優れるため、これまで使用されてきたハードコートフィルムに代わって、各種のディスプレ機器用などに有効利用できる。
本発明に係わるトリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーは、アミノトリアジン化合物、パラホルムアルデヒド、および水酸基含有(メタ)アクリレートから1工程で合成されるものであつて、該アミノトリアジン化合物はメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、ノルボルナンカルボグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、その他アミノトリアジンの各種誘導体が挙げられ、アミノトリアジン化合物とパラホルムアルデヒドとを水酸基含有(メタ)アクリレートに溶解させれば、溶剤を使用することなく合成することができる。
トリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーには、アミノトリアジン化合物にパラホルムアルデヒドにより導入されたメチロール基と、水酸基含有(メタ)アクリレート中のヒドロキシル基との反応により脱水縮合エーテル化されたもの、若しくはアミノトリアジン化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレ−トモノマ−〜ホルムアルデヒドヘミアセタールとの反応により脱水縮合エーテル化されたものがある。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)アルキレングリコ−ルモノアクリレ−ト、及びこれらのモノマ−とラクトン(例えば、ε−カプロラクトン等)との付加物、例えばカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トなどが包含される。
また、ブタンジオールモノアクリレート、グリシドールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等公知慣用のものも使用できる。更に、グリセリンモノアクリレートやペンタエリスリトールモノアクリレート等の2以上の水酸基を有するアクリレート、グリセリンジアクリレートやペンタエリスリトールジアクリレートなどの水酸基を有する多官能アクリレートなども使用できる。
さらには、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジグリセリンなどの繰り返し単位を有するポリオールの部分アクリル酸エステル等も使用できる。
アミノトリアジン化合物、パラホルムアルデヒド、および水酸基含有(メタ)アクリレートの仕込モル比は、アミノトリアジン化合物の代表的なメラミンを用い、無溶剤の条件にて合成する場合、メラミン:パラホルムアルデヒドは1:1以上が好ましく、およびメラミン:水酸基含有(メタ)アクリレートは1:1以上が好ましい。
メラミンに対するパラホルムアルデヒド比が低い場合、またはメラミンに対する水酸基含有(メタ)アクリレートの割合が低い場合は、メラミンの溶解性が悪くなり、メラミンの自己縮合によりゲル化が発生しやすい。
トリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーの合成反応は、無触媒下においても合成できるが、好ましくは原料のアミノトリアジン化合物の溶解性、あるいはエーテル化反応を進行させるため、仕込み時にカセイソーダ、アンモニア、炭酸ナトリウムなどアルカリあるいは仕込み時あるいは反応過程において、パラトルエンスルホン酸、塩酸など酸を用いて合成することができる。
このように合成されたトリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーは、トリアジン環に対して、(メタ)アクリレート基及びアルキルエーテル基および/またはメチロール基及び/またはメチレン基を含む化合物として調製されている。
合成されたトリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーの平均分子量は、反応工程を制御することにより200〜20000の範囲に納めることができる。
200未満ではハードコート用として十分な性能が得られず、20000を超えると粘度が高くなりすぎ使用が難しくなる。
不飽和結合含有化合物としてはアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、不飽和ニトリルモノマー、不飽和カルボン酸、アミド基含有モノマー、メチロール基含有モノマー、アルコキシメチル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、多官能性モノマー、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノまたはジエステル、ビニルエステル、など分子鎖中に反応性二重結合をもつ化合物が挙げられる。
アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルの例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレートなどが挙げられる。
不飽和ニトリルモノマーの例としてアクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例としてアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等がある。
アミド基含有モノマーの例として、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミドなど、メチロール基含有モノマーとして、例えばN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジメチロールアクリルアミド、ジメチロールメタクリルアミドなど、アルコキシメチル基含有モノマーの例として、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなど、エポキシ基含有モノマーの例として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレートなど、多官能性モノマーの例として、ジビニルベンゼン、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレート、ポリオキシプロピレンジアクリレート、ポリオキシプロピレンジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートなど、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノまたはジエステルの例として、マレイン酸モノブチルまたはジブチル、フマル酸モノオクチルまたはジオクチルなど、ビニルエステルの例として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど、ジエン化合物の例として、ブタジエン、イソプレンなど、塩素含有ビニルモノマーの例として、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレンなどを挙げることができる。
また、ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル系オリゴマー、などの低分子量体やオリゴマーなども使用できる。これら不飽和結合含有化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係わる硬化性組成物は、エチレン性不飽和結合を含有するため、ラジカル重合、光重合、電子線重合、或いはX線、α線、β線、γ線など放射線重合などの手段により硬化させることができる。これらの硬化手段のうちでも光重合による硬化は、簡便な設備により速い硬化ができることから好都合である。
重合開始剤には、過酸化物、アゾビス化合物等が挙げられ、過酸化物としては、例えば過酸化ジブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、クメンハイドロ過酸化物等、アゾビス化合物としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド等が挙げられる。
光重合開始剤には、例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのカルボニル化合物、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、テトラメチルチウラムシ゛スルフィドなどの硫黄化合物などを用いることがてきる。
これらの光重合開始剤の市販品としてはIrgacure184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750CGI1850、CG24−61(以上、チバガイギー社製);LucirinLR8728(BASF社製);Darocure1116、1173(以上、メルク社製);ユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。
電子線重合は、重合開始剤なくして重合することができる、重合開始剤が残留しない、ほぼ常温で硬化させることができる、などの利点があるため、基材フィルムが熱に弱かったり、薄くて熱変形しやすい場合には採用されることが好ましい。
放射線重合の開始剤には、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシドなどが挙げられ、これら放射線重合の開始剤の市販品としてはIrgacure184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61(以上、チバガイギー社製);LucirinLR8728(BASF社製);Darocure1116、1173(以上、メルク社製);ユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。
ハードコート用の塗工液には必要に応じて、アクリル樹脂、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢ビ樹脂、酢ビ樹脂、ロジン系、ロジン誘導体系、テルペン樹脂系、テルペン誘導体系等の天然系タッキファイヤーや、石油樹脂系、スチレン樹脂系、クマロンインデン樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系の合成樹脂系のタッキファイヤー、液状ニトリルゴム、シリコンゴム等のゴム成分、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ化合物、二酸化チタン、三酸化アンチモン等の体質顔料の他、殺菌剤、防腐剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、界面活性剤、レべリング調整剤、消泡剤、着色顔料、防錆顔料等の配合材料を添加してもよい。また、耐光性向上を目的に酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加しても良い。
その他配合材料として帯電防止剤を添加し帯電防止機能を付与することができる。ノニオン系としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸グリセリンエステル、アルキルポリエチレンイミン等を挙げることができる。カチオン系としてアルキルアミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリン誘導体等を挙げることができる。
以上のようにして調製したハードコート用の塗工液を樹脂フィルムなどの基材上に塗布し、乾燥被膜を設けるに際しては、公知のスプレーコート、グラビアコート、ロールコート、ナイフコート、ブレードコート、ダイコート、ワイヤーバー等の塗布法を用いることができる。
乾燥被膜の厚みは0.1〜20μmに調製することが好ましい。0.1μm以下では空気中の酸素による硬化阻害のために良好な硬化表面が得られず好ましくない。一方20μm以上では硬化収縮による反りが生じるためハードコートフィルムとして取り扱い性ならびにディスプレ表面などへの貼り付け性などがわるくなるため好ましくない。
ハードコート用の塗工液の粘度は、塗布性、レベリング性ならびに塗布方法などから、1〜50000mPa・s/20℃の範囲で使用でき、前記の配合材料の選択ならびに配合比率のほか、適宜溶剤あるいは重合反応を阻害しない各種添加物を添加して、塗布液の粘度を調整することができる。
このような目的で使用される溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、アセトン、MEK、MIBK、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を挙げられる。
なお、本発明に係わるトリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーを含む硬化被膜層は、濡れ性が38dyne/cm以上であることからリコート性に優れ、ハードコート層を複層させることもできる。
また、払拭性が良好な理由は必ずしも明らかではないが、トリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーのトリアジン環に起因するためと推定される。
本発明においては、例えば、光重合による硬化により硬化被膜層を形成させるには、樹脂フィルムの表面にハードコート用の塗工液を塗布したのち、若しくは更に加熱・乾燥したのち、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、無電極ランプ等の公知の光源を用いて紫外線を照射することにより、該被膜層を光硬化させる。
硬化は、例えば、出力80〜240W/cmのハロゲンランプを、5cmの距離から数秒間照射することによって容易に行うことができる。
本発明に使用する透明プラスチックフィルムは、特に限定されるものではなく、全光線透過率90%以上の市販されている厚み38〜250μmの公知の透明プラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることができる。
このような透明プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッソ樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができるが、本発明においては、特に全光線透過率が良好な点から、ポリエステルフィルムやトリアセチルセルロースフィルム(トリアセテートフィルム)が好ましい。
実施例
トリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーの合成例
攪拌装置、温度計、気体導入管、留分追出用冷却管、還流冷却管を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート781g(6モル)、メラミン126g(1モル)、95重量%パラホルムアルデヒド189g(ホルムアルデヒドとして6モル)、パラトルエンスルフォン酸3.0g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.2gを加え、空気を吹き込みながら昇温した。80〜100℃において、メラミンおよびパラポルムアルデヒドが2−ヒドロキシエチルメタクリレートに溶解したのち、内温を105〜115℃に保ちながら、水分の留出量が108g(6モル)になるまで反応した。得られたトノアジン環含有メタアクリレートプレポリマーは、20℃での粘度が2Pa・s、臭素価92.1(gBr/100g)であつた。
比較例
比較例のエポキシアクリレート樹脂
昭和高分子株式会社 リポキシR−802AT を使用し、以下の配合液を試験に供した。
配合:
リポキシR−802AT:60重量部
ブタンジオールジアクリレート:40重量部
メチルエチルケトン 300重量部
20℃での粘度20mPa・sであつた。
比較例
比較例のウレタンアクリレート樹脂
三井化学株式会社 オレスターRA1574を使用し、以下の配合液を試験に供した。
配合:
オレスターRA1574:60重量部
ブタンジオールジアクリレート:40重量部
メチルエチルケトン 300重量部
20℃での粘度15mPa・sであった。
以下本発明を実施例1〜4、比較例1〜4に従って、更に詳述するが、勿論、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、表1の配合は重量部で表し、試験結果を下記表1と2に示す。
100μmのポリエステルフィルム ♯コスモシャインA4300(東洋紡績株式会社製、全光線透過率92%)の表面に、ロールコーターによって、下記表1の組成の実施例1用の塗工液を膜厚が20μmとなるように塗工した。次に、100℃・1分間加熱乾燥した後、該塗工面に出力160W/cmの紫外線ランプで5cmの距離から1秒間照射して、硬化被膜厚5μmの実施例1のハードコートフィルムを作製した。
125μmのポリエステルフィルム ♯コスモシャインA4300(東洋紡績株式会社製、全光線透過率92%)の表面に、ロールコーターによって、下記表1の組成の実施例2用の塗工液を膜厚が28μmとなるように塗工した。次に、100℃・1分間加熱乾燥した後、該塗工面に出力160W/cmの紫外線ランプで5cmの距離から1秒間照射して、硬化被膜厚7μmの実施例2のハードコートフィルムを作製した。
250μmのポリエステルフィルム ♯コスモシャインA4300(東洋紡績株式会社製、全光線透過率92%)の表面に、ロールコーターによって、下記表1の組成の実施例3用の塗工液を膜厚が32μmとなるように塗工した。次に、100℃・1分間加熱乾燥した後、該塗工面に出力160W/cmの紫外線ランプで5cmの距離から1秒間照射して、硬化被膜厚8μmの実施例3のハードコートフィルムを作製した。
188μmのポリエステルフィルム ♯コスモシャインA4300(東洋紡績株式会社製、全光線透過率92%)の表面に、ロールコーターによって、下記表1の組成の実施例4用の塗工液を膜厚が60μmとなるように塗工した。次に、100℃・1分間加熱乾燥した後、該塗工面に出力160W/cmの紫外線ランプで5cmの距離から1秒間照射して、硬化被膜厚15μmの実施例4のハードコートフィルムを作製した。
比較例1
100μmのポリエステルフィルム ♯コスモシャインA4300(東洋紡績株式会社製、全光線透過率92%)の表面に、ロールコーターによって、下記表1の組成の比較例1用の塗工液を膜厚が20μmとなるように塗工した。次に、100℃・1分間加熱乾燥した後、該塗工面に出力160W/cmの紫外線ランプで5cmの距離から1秒間照射して、硬化被膜厚5μmの比較例1のハードコートフィルムを作製した。
比較例2
100μmのポリエステルフィルム ♯コスモシャインA4300(東洋紡績株式会社製、全光線透過率92%)の表面に、ロールコーターによって、下記表1の組成の比較例2用の塗工液を膜厚が20μmとなるように塗工した。次に、100℃・1分間加熱乾燥した後、該塗工面に出力160W/cmの紫外線ランプで5cmの距離から1秒間照射して、硬化被膜厚5μmの比較例2のハードコートフィルムを作製した。
比較例3
100μmのポリエステルフィルム ♯コスモシャインA4300(東洋紡績株式会社製、全光線透過率92%)の表面に、ロールコーターによって、下記表1の組成の比較例3用の塗工液を膜厚が20μmとなるように塗工した。次に、100℃・1分間加熱乾燥した後、該塗工面に出力160W/cmの紫外線ランプで5cmの距離から1秒間照射して、硬化被膜厚5μmの比較例3のハードコートフィルムを作製した。
比較例4
100μmのポリエステルフィルム ♯コスモシャインA4300(東洋紡績株式会社製、全光線透過率92%)の表面に、ロールコーターによって、下記表1の組成の比較例4用の塗工液を膜厚が20μmとなるように塗工した。次に、100℃・1分間加熱乾燥した後、該塗工面に出力160W/cmの紫外線ランプで5cmの距離から1秒間照射して、硬化被膜厚5μmの比較例4のハードコートフィルムを作製した。
得られた各ハードコートフィルムについて、下記の測定方法により諸物性を測定し評価した結果は表1と2に示した通りとなった。
Figure 0004912579
注:表1中の配合数値は重量部として表示する。
Figure 0004912579

試験・評価方法
(1)全光透過率(JIS K 7361−1(2000年版)3.2の規定に基づく):
株式会社東洋精機製作所 ヘイズガードΙΙにより測定した。
(2)ヘイズ度(JIS K 7136(2000年版)の規定に基づく)
入射する平行光のうち、前方散乱によって、入射光から0.044rad(2.5°)以上それた透過光の百分率:株式会社東洋精機製作所 ヘイズガードIIにより測定した。
(3)鉛筆硬度(JIS K 5600−5−4(1999年版)の規定に基づく):
株式会社東洋精機製作所 鉛筆引掻塗膜硬さ試験機 形式Pにより測定した。
(4)耐擦傷性:スチールウール#0000(日本スチールウール株式会社製)により摩擦して傷がつくかどうかにより評価した。○:傷がつかない、×:傷がつく
(5)耐薬品性:メタノール、トルエンを試薬として、直径10mmとなるように表面に滴下し3分後にガーゼで拭き取り、塗膜表面の変化を観察し官能評価する。○:両試薬とも変化ない。×:いずれの試薬でも何らかの異常が認められる。
(6)付着性試験:JIS K 5600−5−6(1999年版)に基づく:
碁盤目試験(塗工面に10×10にマス目を作成し、セロハンテープを貼り、上方に引っ張り剥離状況を確認する。剥がれなかったマス目数。
(7)払拭性:表面上に手垢を付着させ拭き取り性を評価する。
○:3回往復以内で拭き取り可能、△:10回往復以内で拭き取り可能、
×:完全に除去不可能
(8)濡れ性:濡れ性試験法 JIS K 6768(1999年版)による。
濡れ性標準試薬(和光純薬)を綿棒に浸し、それを被験体の表面に塗布した際に撥水することなしに、ベッタリ濡れる試薬番号の最小値を濡れ指数とする。
(9)カール性:10cm角のハードコートフィルムの塗布面を下にして平滑なガラス板上に静置し4端部の浮き(mm)を測定し合計値を表示する。
本発明になるハードコートフィルムは、硬度があり、耐擦傷性並びに耐薬品性が良好であって、しかもカール性がないため、タッチパネル、液晶表示体、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等の各種の表示機器用には好適であり、更に払拭性が良好で手垢などを簡単に拭き取ることができるため、これら表示機器には利用しやすい。

Claims (3)

  1. 透明プラスチックフィルムの少なくとも片方の面に硬化被膜層を設けたハードコートフィルムであって、前記硬化被膜層が、アミノトリアジン化合物、パラホルムアルデヒド、および水酸基含有(メタ)アクリレートから1工程で合成され、平均分子量200〜20000のトリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーを含む硬化物からなることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 水酸基含有(メタ)アクリレートが2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載のハードコートフィルム。
  3. 前記硬化皮膜層がトリアジン環含有(メタ)アクリレートプレポリマーおよび不飽和結合含有化合物との硬化物であることを特徴とする請求項1または2記載のハードコートフィルム。
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