JP2015109455A - 有機薄膜トランジスタ - Google Patents

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浩昭 中村
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浩史 近藤
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雅俊 齊藤
裕基 中野
Hironori Nakano
裕基 中野
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Abstract

【課題】応答速度(駆動速度)が高速で、しかもオン/オフ比が大きく,低電圧で駆動できる有機薄膜トランジスタ及びそれを利用した有機薄膜発光トランジスタを提供する。
【解決手段】 基板上に少なくともゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層及び有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体層及びソース電極間並びに前記有機半導体層及びドレイン電極間にそれぞれ電荷注入層を有し、前記電荷注入層が下記式(1)で表される化合物を含む有機薄膜トランジスタ。
式中、Arは、下記式(2)で表される置換基である。Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜60の2価の芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい炭素数2〜60の2価の芳香族複素環基である。Arは、下記式(3)で表される置換基である。nは、1〜20の整数である。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機薄膜トランジスタに関する。さらに詳しくはソース電極及びドレイン電極と接合する電荷注入層が、低い接触抵抗を有する化合物を含むことにより、高速動作及び低電圧駆動が可能である有機薄膜トランジスタに関する。
薄膜トランジスタ(TFT)は、液晶表示装置等の表示用のスイッチング素子として広く用いられている。代表的なTFTの断面構造を図1に示す。図1に示すように、TFTは、基板上にゲート電極、絶縁体層、有機半導体層をこの順に有し、有機半導体層上に、所定の間隔をあけて形成されたソース電極及びドレイン電極を有している。有機半導体層がチャネル領域を成しており、ゲート電極に印加される電圧でソース電極とドレイン電極の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。
従来、このTFTは、アモルファスや多結晶のシリコンを用いて作製されていたが、シリコンを用いたTFTの作製に用いられるCVD(Chemical Vapor Deposition)装置は、非常に高額であるため、TFTを用いた表示装置等の大型化は、製造コストの大幅な増加を伴うという問題点があった。また、アモルファスや多結晶のシリコンを成膜するプロセスは非常に高い温度下で行われるので、基板として使用可能な材料の種類が限られてしまい、軽量な樹脂基板等は使用できないという問題があった。
上記問題を解決するために、アモルファスや多結晶のシリコンに代えて有機物を用いたTFTが提案されている。有機物でTFTを形成する際に用いる成膜方法として、真空蒸着法や塗布法等が知られているが、これらの成膜方法によれば、製造コストの上昇を抑えつつ素子の大型化が実現可能になり、成膜時に必要となるプロセス温度を比較的低温にすることができる。このため、有機物を用いたTFTでは、基板に用いる材料の選択時の制限が少ないといった利点があり、その実用化が期待されている。
有機物を用いたTFTは盛んに報告されており、例えば非特許文献1〜16等を挙げることができる。
TFTの有機化合物層に用いる有機物としては、p型では共役系ポリマーやチオフェン等の多量体(特許文献1〜5等)、金属フタロシアニン化合物(特許文献6等)、ペンタセン等の縮合芳香族炭化水素(特許文献7及び8等)等が、単体又は他の化合物との混合物の状態で用いられている。
また、n型の材料では、例えば特許文献9には、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジアンヒドライド(NTCDA)等が開示されており、特許文献10には、フッ素化フタロシアニンが開示されている。
これら有機TFTには、ソース電極及びドレイン電極と有機半導体との接触抵抗が大きく、駆動電圧が高いという問題があった。さらに、接触抵抗が大きくなりすぎると電界効果移動度が低下し、ON/OFF比も低下するという欠点があった。
一般に有機TFTにおいては、電界効果移動度の算出には下記式(1)及び(2)が使われる。式(1)は、線形領域と呼ばれるドレイン電圧が小さい領域で成り立つ式であり、式(2)は飽和領域と呼ばれるドレイン電圧が大きい領域で成り立つ式である。
Figure 2015109455
(式中、I:ドレイン電流,V:ドレイン電圧,V:ゲート電圧,Vth:閾値電圧,μ:電界効果移動度,C:単位面積当たりの絶縁膜容量,L:チャネル長,W:チャネル幅である。)
上記式は、有機半導体とソース電極及びドレイン電極との接合がオーミック接合であり、電荷注入障壁が存在しない理想的な場合には、μが物質固有の値と近くなる。しかしながら、一般に有機半導体と金属電極との間には接触抵抗が存在するため、ドレイン電圧が小さな領域では電流と電圧の関係が(1)の式からのずれを生じ、この領域のスィッチング特性が良好でない。さらに、金属/有機半導体界面での電圧降下が生じ、その分だけ有機半導体にかかる実効的な電圧が低下するため、式(1)及び(2)の電界効果移動度が小さく算出され、応答速度やオンオフ比の低下、駆動電圧の上昇等の問題があった。
この問題を解決するため、ソース電極及びドレイン電極と有機半導体の間に中間層(電荷注入層)を挿入することが一般に行われている。当該中間層の材料として、例えば特許文献11では、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の正孔注入材料(4,4’−ビス[フェニル(3−メチルフェニル)アミノ]ビフェニル)(TPD)及び電子注入材料2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)が用いられている。
特許文献12は、ソース電極及びドレイン電極が、それぞれキャリア中継膜とキャリア伝導膜を含み、有機半導体と接したキャリア中継膜を構成する金属は、その仕事関数が有機半導体のイオン化ポテンシャルの近傍であることを開示する。また、特許文献13は、ソース電極及びドレイン電極と有機半導体膜の間に無機物からなる電荷注入層を挿入した有機薄膜トランジスタを開示する。そのほか特許文献14では、電極と有機半導体層との間にカーボンナノチューブを設けている。特許文献15では、銅フタロシアニン等からなる中間層を形成し,特許文献16では、ポリフッ化ビニリデン等の永久双極子モーメントを有する中間層を形成している。特許文献17では、ヘキサアザトリフェニレン系の材料を用いて中間層を形成している。
非特許文献17において、電極をペンタフルオロチオフェノールにて処理することによって、電極と有機半導体との間の電荷注入効率を向上させようといった試みがなされている。
また、上記技術の組み合わせも考えられ、特許文献18ではそれぞれ正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物を含む層、並びに電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む層が、電極と有機半導体の間に挿入されている。
しかしながら、これら開示の材料を用いたのでは、若干の低電圧化は可能なものの、実用的に不十分な性能であった。
別の低電圧化技術として、非特許文献18では、ソース電極、有機半導体層及びドレイン電極を縦方向に積層し、ゲート電極をソース電極とドレイン電極の間に挿入している。縦型トランジスタ構造を用いると、有機EL素子と同様の電荷輸送材料を用いることができるため(非特許文献18、電荷輸送材料として銅フタロシアニンを使用)、電極との接触抵抗を小さくして電荷注入を促進し、低電圧化が試みられている。
しかしながら、上記縦型トランジスタ構造では、電極からの電荷注入をよくすると、OFF電流が大きくなりON/OFF比が低下するという問題があった。
また、特許文献19には、有機薄膜トランジスタの有機半導体層に使用する材料として、両末端がフェニル基であって、その間に2以上の三重結合と1以上の2価の芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基が交互に結合する化合物が開示されている。しかし、この化合物を、有機半導体層及びソース電極間並びに前記有機半導体層及びドレイン電極間にそれぞれ設置された電荷注入層に使用することについては開示も示唆もない。
ここで、有機半導体層は、ソース電極からドレイン電極に電荷を移動する機能を担うため、移動度の大きな材料からなることが要求される。そして、電荷注入層を有する有機薄膜トランジスタにおいては、有機半導体層に移動度以外の機能が求められる程度は低い。特に、本発明の有機薄膜トランジスタのように、電荷注入層に有機化合物を使用する場合には、有機物同士の接触となるため、界面間でのスムーズな電荷移動が起こり易い。このため、移動度以外の機能の重要性は更に低いものとなる。
一方、電荷注入層には、電極から電荷を注入する機能が求められる。電荷注入層の移動度も重要ではあるが、好ましくは5μm〜100μmとされるチャネル長と比較して極端に短い0.3nm〜100nmを好適とする電荷注入層の膜厚を考慮すると、有機半導体層に求められる場合よりも移動度の重要性は低い。例えば、特許文献11で中間層材料に使用されるTPDやPBD、そして特許文献15で使用される銅フタロシアニンの移動度は高いものではない。
電荷注入層には、金属等の無機材料からなる電極との接触抵抗を低減する機能が求められる。また、電荷の授受によりソースおよびドレイン電極は、電荷注入層との界面で酸化還元を繰り返す。このため、電荷注入層用の材料には、酸化還元に対する耐性が要求される。
このように、有機半導体層用として優れた材料が、電荷注入層用の材料に容易に転用できるものではない。
特開平8−228034号公報 特開平8−228035号公報 特開平9−232589号公報 特開平10−125924号公報 特開平10−190001号公報 特開2000−174277号公報 特開平5−55568号公報 特開2001−94107号公報 特開平10−135481号公報 特開平11−251601号公報 特開平10−125924号公報 特開2004−55652号公報 特開2005−327797号公報 特開2004−356530号公報 特開2005−72495号公報 特開2005−109028号公報 特開2007−520075号公報 特開2006−324655号公報 WO2008/044695号パンフレット
A.Assadiら,Applied Physics Letter,53巻,195頁,1988年 G.Guillaudら,Chemical Physics Letter,167巻,503頁,1990年 X.Pengら,Applied Physics Letter,57巻,2013頁,1990年 G.Horowitzら,Synthetic Metals,41-43巻,1127頁,1991年 S.Miyauchiら,Synthetic Metals,41-43巻,1991年 F.Garnierら,Science,265巻,1684頁,1994年 A.R.Brownら,Synthetic Metals,68巻,65頁,1994年 A.Dodabalapurら,Science,268巻,270頁,1995年 T.Sumimotoら,Synthetic Metals,86巻,2259頁,1997年 K.Kudoら,Thin Solid Films,331巻,51頁,1998年 K.Kudoら,Synthetic Metals,102巻,900頁,1999年 K.Kudoら,Synthetic Metals,111-112巻,11頁,2000年 W.Geensら,Synthetic Metals,122巻,191頁,2001年 Lay-Lay Chuaら,Nature,434巻,2005年3月10日号,194頁 C.D.Dimitrakopoulosら,IBM J.RES.&DEV.,45巻,1号,11頁,2001年 A.R.Murphyら,Chemical Review,107巻,1066頁,2007年 Marcia M.PayneらJ.Am.Chem.Soc.,127巻,4986頁,2005年 K.KudoらJpn. J. Appl. Phys.,38巻,256頁,1999年
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、応答速度(駆動速度)が高速で、しかもオン/オフ比が大きく,低電圧で駆動できる有機薄膜トランジスタ及びそれを利用した有機薄膜発光トランジスタを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、有機薄膜トランジスタの電荷注入層に、下記一般式(1)で表される化合物を用いることにより、前記の目的を達成できることを見出し,本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の3端子、絶縁体層及び有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体層とソース-ドレイン間に電荷注入層を設置し,前記電荷注入層が下記式(1)で表される化合物を含む有機薄膜トランジスタを提供するものである。
Figure 2015109455
[式(1)式中、Arは下記式(2)で表され、Arは下記式(3)で表される。
Figure 2015109455
(式(2)及び(3)式中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、又はシアノ基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
〜R及びR〜R10は隣接するもの同士で飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよい。)
Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜60の2価の芳香族炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数2〜60の2価の芳香族複素環基である。
nは1〜20の整数である。]
また、本発明は、有機薄膜トランジスタにおいて、ソース−ドレイン間を流れる電流を利用して発光を得、ゲート電極に電圧を印加することによって発光を制御する有機薄膜発光トランジスタを提供するものである。
本発明の有機薄膜トランジスタは、応答速度(駆動速度)が高速化されており、しかもオン/オフ比が大きく、駆動電圧も低いのでトランジスタとしての性能が高いものであり、発光可能な有機薄膜発光トランジスタとしても利用できる。
薄膜トランジスタの代表的な構造を示す断面図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの一実施形態を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 実施例1の有機薄膜トランジスタの構成を示す図である。 実施例14の有機薄膜トランジスタの構成を示す図である。 実施例1の有機薄膜トランジスタの出力曲線を示す図である。 比較例1の有機薄膜トランジスタの出力曲線を示す図である。
本発明の有機薄膜トランジスタは、少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の3端子、絶縁体層及び有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体層とソース-ドレイン間に電荷注入層を設置し、前記電荷注入層が下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 2015109455
一般式(1)式において、Arは下記一般式(2)で表され、Arは下記一般式(3)で表される。
Figure 2015109455
一般式(2)及び(3)において、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、又はシアノ基であり、これら各基は置換基を有していてもよい。
〜R及びR〜R10は隣接するもの同士で飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよい。
以下、前記R〜R10が示す各基の具体例を説明する。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基等が挙げられる。
前記ハロアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、フルオロメチル基、1−フルオロエチル基,2−フルオロエチル基、2−フルオロイソブチル基、1,2−ジフロロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基は、−OXで表される基であり、Xの例としては、前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられ、前記ハロアルコキシ基は、−OXで表される基であり、Xの例としては、前記ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
前記アルキルチオ基は、−SXで表される基であり、Xの例としては、前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられ、前記ハロアルキルチオ基は、−SXで表される基であり、Xの例としては、前記ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
前記アルキルアミノ基は、−NHXで表される基であり、ジアルキルアミノ基は−NXで表される基であり、X及びXは、それぞれ前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。なお、ジアルキルアミノ基のアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよく、環構造としては、例えば、ピロール、ピロリジン、ピペリジン等が挙げられる。
前記アルキルスルホニル基は、−SOで表される基であり、Xの例としては、前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられ、前記ハロアルキルスルホニル基は、−SOで表される基であり、Xの例としては、前記ハロアルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ペリレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基等が挙げられる。
前記芳香族複素環基としては、例えば、チオフェニル基、ジチエノフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾチアジアゾニル基等が挙げられる。
前記アルキルシリル基としては、−SiXで表される基であり、X、X及びXは、それぞれ前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
前記飽和環状構造としては、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、1,4ジオキサン環等が挙げられる。
前記不飽和環状構造としては、前記芳香族炭化水素基で説明したものと同様の例が挙げられる。
一般式(1)において、Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜60の2価の芳香族炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数2〜60の2価の芳香族複素環基である。
前記炭素数6〜60の2価の芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基が好ましく、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン又はペンタセン等の2価の残基が挙げられ、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、ペンタセンの2価の残基が好ましい。
前記炭素数2〜60の2価の芳香族複素環基としては、炭素数6〜60(好ましくは炭素数8〜60)の縮合多環式芳香族複素環が好ましく、縮合多環式芳香族複素環基はベンゼン環又はナフタレン環を含む構造であると好ましく、ベンゼン環を含む構造であるとより好ましい。例えば、ピロール、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、チアゾール、ジチエノベンゼン、ベンゾチアジアゾール、キノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾジチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチエノベンゾチオフェン、ベンゾフラン又はジベンゾフラン等の2価の残基が挙げられ、ジチエノベンゼン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ジベンゾフランの2価の残基が好ましい。
Arの置換基としては、炭素数1〜30のアルキル基や炭素数1〜30のハロアルキル基が挙げられる。具体的な基としては、前記R〜R10が示すアルキル基やハロアルキル基で説明された基を挙げることができる。
一般式(1)において、nは1〜20の整数であり、1でも2以上の複数であってもよいが1〜5の整数であると好ましい。
前記一般式(2)、(3)において、R、R、R、R、R、R、R及びR10が全て水素原子であり、R及びRの少なくとも一方がハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のハロアルキル基、炭素数1〜8のハロアルコキシ基、又は炭素数2〜16のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、又はジアルキルアミノ基でない場合には水素原子であると好ましい。
また、R及びRの少なくとも一方が炭素数1〜12の直鎖状アルキル基であることも好ましい。
本発明において、一般式(1)で表される化合物が、下記の一般式(4)で表される化合物であると好ましい。
Figure 2015109455
一般式(4)において、R〜R14は、それぞれ一般式(1)におけるR〜R10と同様の基を示し、同様の具体例が挙げられ、R〜R、R〜R10、R11〜R12、R13〜R14は隣接するもの同士で飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよく、前記と同様の具体例が挙げられる。また、nは1〜20の整数であり、1〜5の整数であると好ましい。
前記一般式(4)において、R11〜R14が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のハロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキチオ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、又はシアノ基であると好ましい。
また、一般式(4)において、R、R、R、R、R、R及びR〜R14が全て水素原子であり、R及びRの少なくとも一方がハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のハロアルキル基、炭素数1〜8のハロアルコキシ基、又は炭素数2〜16のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、又はジアルキルアミノ基でない場合には水素原子であると好ましい。また、上記において、R及びRの少なくとも一方が炭素数1〜12の直鎖状アルキル基であることも好ましい。
さらに、一般式(4)において、R〜R14のいずれかが、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロエチル基であると好ましい。
本発明において、一般式(1)で表される化合物が、下記の一般式(5)で表される化合物であると好ましい。
Figure 2015109455
〜R10は、式(1)と同様である。
15〜R22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜30のアルキルシリル基、又はシアノ基であり、これら各基は置換基を有していてもよく、これら各基の具体例としては前記一般式(1)のR〜R10と同様の具体例が挙げられる。
また、R〜R及びR〜R10は隣接するもの同士で飽和の環状構造を形成していてもよく、環状構造の具体例としては、前記と同様の具体例が挙げられる。
一般式(5)において、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR15〜R22が全て水素原子であり、R及びRの少なくとも一方がハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基(特に直鎖状のアルキル基)、炭素数1〜8のハロアルキル基、炭素数1〜8のハロアルコキシ基、又は炭素数2〜16のジアルキルアミノ基(アルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、又はジアルキルアミノ基でない場合には水素原子であると好ましい。
さらに、一般式(5)において、R〜R22のいずれかが、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロエチル基であると好ましい。
以下、本発明の有機薄膜トランジスタの有機半導体層に用いられる一般式(1)、(4)及び(5)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2015109455
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式(1)で表される化合物は、好ましくはイオン化ポテンシャルが5.2eV以上であり、より好ましくは5.3eV以上である。また、式(1)で表される化合物のイオン化ポテンシャルの上限は、例えば7.0eVである。
式(1)で表される化合物のイオン化ポテンシャルが5.2eV以上である場合、酸化しにくく大気安定性が高い。
上記イオン化ポテンシャルは、例えば光電子分光法やサイクリックボルタンメトリ法により測定できる。
本発明の有機薄膜トランジスタのような電子デバイスにおいては材料の純度の高いものを用いることにより電界効果移動度やオン/オフ比の高いデバイスを得ることができる。従って、式(1)で表される化合物を必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇華等の手法により精製を加えることが望ましい。好ましくはこれらの精製方法を繰り返し用いたり、複数の方法を組み合わせることにより純度を向上させることが可能である。さらに必要に応じて精製の最終工程として昇華精製を少なくとも2回以上繰り返すことが望ましい。これらの手法を用いることによりHPLCで測定した式(1)で表される化合物の純度90%以上の材料を用いることが好ましく、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上の材料を用いることにより、有機薄膜トランジスタの電界効果移動度やオン/オフ比を高め、駆動電圧を下げて本来材料の持っている性能を引き出すことができる可能性がある。
以下、本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成について説明する。
本発明の有機薄膜トランジスタの素子構成としては、少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の3端子、絶縁体層、有機半導体層が設けられ、前記有機半導体層とソース-ドレイン間に電荷注入層を設置しソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する薄膜トランジスタであれば、限定されず、公知の素子構成を有するものであってもよい。これらのうち、代表的な有機薄膜トランジスタの素子構成として素子A〜Dを図2〜5に示す。このように、電極の位置、層の積層順等によりいくつかの構成が知られており、本発明の有機薄膜トランジスタは、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)構造を有している。有機薄膜トランジスタは、有機半導体層(有機化合物層)と、相互に所定の間隔をあけて対向するように形成されたソース電極及びドレイン電極と、ソース電極、ドレイン電極からそれぞれ所定の距離をあけて形成されたゲート電極とを有し、ゲート電極に電圧を印加することによってソース−ドレイン電極間に流れる電流を制御する。ここで、ソース電極とドレイン電極の間隔は本発明の有機薄膜トランジスタを用いる用途によって決定され、通常は0.1μm〜1mm、好ましくは1μm〜100μm、さらに好ましくは5μm〜100μmである。
素子A〜Dのうち、図4の素子Cを例としてさらに詳しく説明すると、素子Cの有機薄膜トランジスタ4は、基板10上に、ゲート電極70及び絶縁体層60をこの順に有し、絶縁体層60上に、有機半導体層50が形成され,その上に所定の間隔をあけて形成された一対のソース電極20及びドレイン電極30を有し、更にソース電極20及びドレイン電極30と有機半導体層50との間に電荷注入層40が挿入されている。有機半導体層50がチャネル領域を成しており、ゲート電極70に印加される電圧でソース電極20とドレイン電極30の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。本発明で、式(1)で表される化合物を含む電荷注入層40が、ソース電極20及び有機半導体層50間並びにドレイン電極30及び有機半導体層50間に積層していることにより、ソース電極20及びドレイン電極30と有機半導体層50との接触抵抗を小さくし、駆動電圧を低くすることができる。
(有機半導体層)
本発明で用いられる有機半導体としては特に制限を受けるものではない。一般に開示されているような、有機TFTに用いられる有機半導体を用いることができる。
以下に具体例を示す。
(有機半導体層に使用される材料)
高い電界効果移動度が得られるため、通常、結晶性の材料が用いられる。具体的には、次のような材料を例示することができる。
(1)ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン等の、置換基のついてもよいアセン類、例として1,4−ビススチリルベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン(4MSB)、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ポリフェニレンビニレン等C−CH=CH−Cで表されるスチリル構造を有する化合物、このような化合物のオリゴマーやポリマー
(2)以下に示すチオフェン環を含む化合物
(ア)α−4T、α−5T、α−6T、α−7T、α−8Tの誘導体等の置換基を有してもよいチオフェンオリゴマー
(イ)ポリヘキシルチオフェン、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル−コ−ビチオフェン)等のチオフェン系高分子等のチオフェン系高分子
(ウ)ビスベンゾチオフェン誘導体、α,α’−ビス(ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン)、ジチエノチオフェン−チオフェンのコオリゴマー、ペンタチエノアセン等の縮合オリゴチオフェン特にチエノベンゼン骨格又はジチエノベンゼン骨格を有する化合物、ベンゾチエノベンゾチオフェン誘導体
(3)また、セレノフェンオリゴマー、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、鉛フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、白金ポルフィリン、ポルフィリン、ベンゾポルフィリン等のポルフィリン類、テトラチアフルバレン(TTF)及びその誘導体、ルブレン及びその誘導体等
(4)テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン(TCNNQ)らのキノイドオリゴマー、C60、C70、PCBM等のフラーレン類、N,N’−ジフェニル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ジオクチル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(C8−PTCDI)、NTCDA、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジイミド(NTCDI)等のテトラカルボン酸類等が挙げられる。
尚、有機半導体層に使用される材料は、後述する電荷注入層に使用される材料とは異なる材料であることが好ましい。
(基板)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける基板は、有機薄膜トランジスタの構造を支持する役目を担うものであり、材料としてはガラスの他、金属酸化物や窒化物等の無機化合物、プラスチックフィルム(PET,PES,PC)や金属基板又はこれら複合体や積層体等も用いることが可能である。また、基板以外の構成要素により有機薄膜トランジスタの構造を十分に支持し得る場合には、基板を使用しないことも可能である。また、基板の材料としてはシリコン(Si)ウエハが用いられることが多い。この場合、Si自体を図6に示すゲート電極兼基板12として用いることができる。また、Siの表面を酸化し、SiOを形成して絶縁体層62として活用することも可能である。この場合、図6に示すように、基板兼ゲート電極のSi基板12にリード線接続用の電極として、Au等の金属層を成膜することもある。
(電極)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられ、これらはスパッタ法もしくは真空蒸着法により成膜を行う。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、ソース電極、ドレイン電極としては、上記の導電性材料を含む、溶液、ペースト、インク、分散液等の流動性電極材料を用いて形成したものも利用可能である。また、溶媒や分散媒体としては、有機半導体へのダメージを抑制するため、水を60質量%以上、好ましくは90質量%以上含有する溶媒又は分散媒体であることが好ましい。金属微粒子を含有する分散物としては、例えば、公知の導電性ペースト等を用いてもよいが、通常粒子径が0.5nm〜50nm、1nm〜10nmの金属微粒子を含有する分散物であると好ましい。この金属微粒子の材料としては、例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。
これらの金属微粒子を、主に有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や任意の有機溶剤である分散媒中に分散した分散物を用いて電極を形成するのも好ましい。このような金属微粒子の分散物の製造方法としては、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法等の物理的生成法や、コロイド法、共沈法等の、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられ、好ましくは、特開平11−76800号公報、同11−80647号公報、同11−319538号公報、特開2000−239853号公報等に示されたコロイド法、特開2001−254185号公報、同2001−53028号公報、同2001−35255号公報、同2000−124157号公報、同2000−123634号公報等に記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子の分散物である。
これらの金属微粒子分散物を用いて前記電極を成形し、溶媒を乾燥させた後、必要に応じて100℃〜300℃、好ましくは150℃〜200℃の範囲で形状様に加熱することにより、金属微粒子を熱融着させ、目的の形状を有する電極パターンを形成する。
さらに、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料として、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることも好ましく、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。
ソース電極及びドレイン電極を形成する材料は、前述した例の中でも電荷注入材料との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。この際の電気抵抗は、前述のようにすなわち電流制御デバイスを作製したとき電界効果移動度と対応しており、大きな電界効果移動度を得る為には出来るだけ抵抗が小さいことが必要である。接触抵抗の要因には種々ある。例えば,電極と有機化合物の付着力,付着面積,電極と有機化合物の界面での相互作用(界面での分極,電荷移動,鏡像効果等)等である。中でも重要なのが電極材料の仕事関数と電荷注入層とのエネルギー準位との大小関係である。
電極材料の仕事関数(W)をa、電荷注入層のイオン化ポテンシャルを(Ip)をb、電荷注入層の電子親和力(Af)をcとすると、以下の関係式を満たすことが好ましい。ここで、a,b及びcはいずれも真空準位を基準とする正の値である。
p型有機薄膜トランジスタの場合には、b−a<1.5eV(式(I))であることが好ましく、さらに好ましくはb−a<1.0eVである。電荷注入層との関係において上記関係が維持できれば高性能なデバイスを得ることができるが、特に電極材料の仕事関数はできるだけ大きいものを選ぶことが好ましく、仕事関数4.0eV以上であることが好ましく、さらに好ましくは仕事関数4.2eV以上である。
金属の仕事関数の値は、例えば化学便覧 基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.0eV又はそれ以上の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すればよく、高仕事関数金属は、主としてAg(4.26,4.52,4.64,4.74eV),Al(4.06,4.24,4.41eV),Au(5.1,5.37,5.47eV),Be(4.98eV),Bi(4.34eV),Cd(4.08eV),Co(5.0eV),Cu(4.65eV),Fe(4.5,4.67,4.81eV),Ga(4.3eV),Hg(4.4eV),Ir(5.42,5.76eV),Mn(4.1eV),Mo(4.53,4.55,4.95eV),Nb(4.02,4.36,4.87eV),Ni(5.04,5.22,5.35eV),Os(5.93eV),Pb(4.25eV),Pt(5.64eV),Pd(5.55eV),Re(4.72eV),Ru(4.71eV),Sb(4.55,4.7eV),Sn(4.42eV),Ta(4.0,4.15,4.8eV),Ti(4.33eV),V(4.3eV),W(4.47,4.63,5.25eV),Zr(4.05eV)である。これらの中でも、貴金属(Ag,Au,Cu,Pt),Ni,Co,Os,Fe,Ga,Ir,Mn,Mo,Pd,Re,Ru,V,Wが好ましい。金属以外では、ITO、ポリアニリンやPEDOT:PSSのような導電性ポリマー及び炭素が好ましい。電極材料としてはこれらの高仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(I)を満たせば特に制限を受けるものではない。
n型有機薄膜トランジスタの場合にはa−c<1.5eV(式(II))であることが好ましく,さらに好ましくはa−c<1.0eVである。電荷注入層との関係において上記関係が維持できれば高性能なデバイスを得ることができるが、特に電極材料の仕事関数はできるだけ小さいものを選ぶことが好ましく、仕事関数4.3eV以下であることが好ましく、さらに好ましくは仕事関数3.7eV以下である。
低仕事関数金属の具体例としては、例えば化学便覧基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.3eV又はそれ以下の仕事関数をもつ金属の前記リストから選別すればよく、Ag(4.26eV),Al(4.06,4.28eV),Ba(2.52eV),Ca(2.9eV),Ce(2.9eV),Cs(1.95eV),Er(2.97eV),Eu(2.5eV),Gd(3.1eV),Hf(3.9eV),In(4.09eV),K(2.28eV),La(3.5eV),Li(2.93eV),Mg(3.66eV),Na(2.36eV),Nd(3.2eV),Rb(4.25eV),Sc(3.5eV),Sm(2.7eV),Ta(4.0,4.15eV),Y(3.1eV),Yb(2.6eV),Zn(3.63eV)等が挙げられる。これらの中でも、Ba,Ca,Cs,Er,Eu,Gd,Hf,K,La,Li,Mg,Na,Nd,Rb,Y,Yb,Znが好ましい。電極材料としてはこれらの低仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(II)を満たせば特に制限を受けるものではない。ただし、低仕事関数金属は、大気中の水分や酸素に触れると容易に劣化してしまうので、必要に応じてAgやAuのような空気中で安定な金属で被覆することが望ましい。被覆に必要な膜厚は10nm以上必要であり、膜厚が厚くなるほど酸素や水から保護することができるが、実用上、生産性を上げる等の理由から1μm以下にすることが望ましい。
前記電極の形成方法としては、例えば、蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、大気圧プラズマ法、イオンプレーティング、化学気相蒸着、電着、無電解メッキ、スピンコーティング、印刷又はインクジェット等の手段により形成される。また、必要に応じてパターニングする方法としては、上記の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングする方法がある。また、導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、金属微粒子を含有する分散液等を直接インクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。さらに導電性ポリマーや金属微粒子を含有する導電性インク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
このようにして形成された電極の膜厚は電流の導通さえあれば特に制限はないが、好ましくは0.2nm〜10μm、さらに好ましくは4nm〜300nmの範囲である。この好ましい範囲内であれば、膜厚が薄いことにより抵抗が高くなり電圧降下を生じることがない。また、厚すぎないため膜形成に時間がかからず、保護層や有機半導体層等他の層を積層する場合に、段差が生じることが無く積層膜が円滑にできる。
また、本実施形態の有機薄膜トランジスタでは、例えば、電荷注入効率を更に向上させる目的で、電荷注入層とソース電極及びドレイン電極との間に、バッファ層を設けてもよい。バッファ層としてはn型有機薄膜トランジスタに対しては有機ELの陰極に用いられるLiF、LiO、CsF、NaCO、KCl、MgF、CaCO等のアルカリ金属、アルカリ土類金属イオン結合を持つ化合物が望ましい。また、Alq等有機ELで電子注入層、電子輸送層として用いられる化合物を挿入してもよい。
p型有機薄膜トランジスタに対してはFeCl、TCNQ、F4−TCNQ、HAT等のシアノ化合物、CFxやGeO、SiO、MoO、V、VO、V、MnO、Mn、ZrO、WO、TiO、In、ZnO、NiO、HfO、Ta、ReO、PbO等のアルカリ金属、アルカリ土類金属以外の金属酸化物、ZnS、ZnSe等の無機化合物が望ましい。これらの酸化物は多くの場合、酸素欠損を起こし、これが正孔注入に好適である。更にはTPDやNPD等のアミン系化合物やCuPc等有機EL素子において正孔注入層、正孔輸送層として用いられる化合物でもよい。また、上記の化合物二種類以上からなるものが望ましい。
(絶縁体層)
本発明の有機薄膜トランジスタにおける絶縁体層の材料としては、電気絶縁性を有し薄膜として形成できるものであるのなら特に限定されず、金属酸化物(珪素の酸化物を含む)、金属窒化物(珪素の窒化物を含む)、高分子、有機低分子等室温での電気抵抗率が10Ωcm以上の材料を用いることができ、特に、比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。
無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、ランタン酸化物、フッ素酸化物、マグネシウム酸化物、ビスマス酸化物、チタン酸ビスマス、ニオブ酸化物,チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、五酸化タンタル、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム及びこれらを組合せたものが挙げられ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンが好ましい。
また、窒化ケイ素(Si、SixNy(x、y>0))、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
さらに、絶縁体層は、アルコキシド金属を含む前駆物質で形成されていてもよく、この前駆物質の溶液を、例えば基板に被覆し、これを熱処理を含む化学溶液処理をすることにより絶縁体層が形成される。
前記アルコキシド金属における金属としては、例えば、遷移金属、ランタノイド、又は主族元素から選択され、具体的には、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、ジルコン(Zr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉛(Pb)、ランタン(La)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニオブ(Nb)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)等が挙げられる。また、前記アルコキシド金属におけるアルコキシドとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等を含むアルコール類、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ペントキシエタノール、ヘプトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、ペントキシプロパノール、ヘプトキシプロパノールを含むアルコキシアルコール類等から誘導されるものが挙げられる。
本発明において、絶縁体層を上記したような材料で構成すると、絶縁体層中に分極が発生しやすくなり、トランジスタ動作のしきい電圧を低減することができる。また、上記材料の中でも、特に、Si、SixNy、SiONx(x、y>0)等の窒化ケイ素で絶縁体層を形成することもできる。
有機化合物を用いた絶縁体層としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
その他、ワックス、ポリエチレン、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリサルホン、ポリイミドシアノエチルプルラン、ポリ(ビニルフェノール)(PVP)、ポリ(メチルメタクレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリイミド、ポリキシリレン、エポキシ樹脂に加え、プルラン等の高い誘電率を持つ高分子材料を使用することも可能である。
絶縁体層に用いる有機化合物材料、高分子材料として、特に好ましいのは撥水性を有する有機化合物であり、撥水性を有することにより絶縁体層と有機半導体層との相互作用を抑え、有機半導体が本来保有している凝集性を利用して有機半導体層の結晶性を高めデバイス性能を向上させることができる。このような例としては、YasudaらJpn.J.Appl.Phys. Vol.42 (2003) pp.6614-6618に記載のポリパラキシリレン誘導体やJanos Veresら Chem.Mater., Vol.16 (2004) pp.4543-4555に記載のものが挙げられる。
また、図2及び図5に示すようなトップゲート構造を用いるときに、このような有機化合物を絶縁体層の材料として用いると、有機半導体層に与えるダメージを小さくして成膜することができるため有効な方法である。
前絶縁体層は、前述したような無機又は有機化合物材料を複数用いた混合層であってもよく、これらの積層構造体であってもよい。この場合、必要に応じて誘電率の高い材料と撥水性を有する材料を混合したり、積層することによりデバイスの性能を制御することもできる。
また、前記絶縁体層は、陽極酸化膜、又は該陽極酸化膜を構成として含んでもよい。陽極酸化膜は封孔処理されることが好ましい。陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成される。陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウム又はタンタルを挙げることができ、陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行なうことにより、酸化被膜が形成される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができるものならばいかなるものでも使用でき、一般には、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸又はそれらの塩が用いられる。陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1〜80質量%、電解液の温度5〜70℃、電流密度0.5〜60A/cm、電圧1〜100ボルト、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は、電解液として硫酸、リン酸又はホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であるが、交流電流を用いることもできる。これらの酸の濃度は5〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度20〜50℃、電流密度0.5〜20A/cmで20〜250秒間電解処理するのが好ましい。
絶縁体層の厚さとしては、層の厚さが薄いと有機半導体に印加される実効電圧が大きくなるので、デバイス自体の駆動電圧、閾電圧を下げることができるが、逆にソースーゲート間のリーク電流が大きくなるので、適切な膜厚を選ぶ必要があり、通常1nm〜5μm、好ましくは5nm〜2μm、さらに好ましくは100nm〜1μmである。
また、前記絶縁体層と有機半導体層の間に、任意の配向処理を施してもよい。その好ましい例としては、絶縁体層表面に撥水化処理等を施し絶縁体層と有機半導体層との相互作用を低減させ有機半導体層の結晶性を向上させる方法であり、具体的には、シランカップリング剤、例えば、オクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸等の自己組織化配向膜材料を、液相又は気相状態で、絶縁膜表面に接触させ自己組織化膜を形成後、適度に乾燥処理を施す方法が挙げられる。また、液晶の配向に用いられるように、絶縁膜表面にポリイミド等で構成された膜を設置し、その表面をラビング処理する方法も好ましい。
前記絶縁体層の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報に記載の大気圧プラズマ法等のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェット等のパターニングによる方法等のウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤又は水に必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。
本発明の有機薄膜トランジスタにおける有機半導体層の膜厚は、特に制限されることはないが、通常、0.5nm〜1μmであり、2nm〜250nmであると好ましい。
また、有機半導体層の形成方法は特に限定されることはなく公知の方法を適用でき、例えば、分子線蒸着法(MBE法)、真空蒸着法、化学蒸着、材料を溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の印刷、塗布法及びベーキング、エレクトロポリマラインゼーション、溶液からのセルフ・アセンブリ、及びこれらの組合せた手段により、前記したような有機半導体層の材料で形成される。
有機半導体層の結晶性を向上させると電界効果移動度が向上するため、気相からの成膜(蒸着,スパッタ等)を用いる場合は成膜中の基板温度を高温で保持することが望ましい。その温度は50〜250℃が好ましく、70〜150℃であるとさらに好ましい。また、成膜方法に関わらず成膜後にアニーリングを実施すると高性能デバイスが得られるため好ましい。アニーリングの温度は50〜200℃が好ましく、70〜200℃であるとさらに好ましく、時間は10分〜12時間が好ましく、1〜10時間であるとさらに好ましい。
本発明において、電荷注入層には、一般式(1)、(4)又は(5)から選ばれる材料1種類を用いてもよく、複数を組み合わせたり、ペンタセンやチオフェンオリゴマー等の公知の半導体を用いて複数の材料からなる混合薄膜又はこれら材料単独からなる層あるいは混合膜を積層して用いてもよい。また、ソース電極、ドレイン電極それぞれに対して異なる電荷注入層を設けてもよい。電荷注入層の膜厚は好ましくは,0.1nm〜1μm,更に好ましくは0.3nm〜100nmであり,成膜法は有機半導体層と同様の成膜法を用いることが可能である。
また、電荷注入層は、図7の42に示すように、有機半導体層52とソース−ドレイン電極の間で、ソース−ドレイン電極が設けられていない部分にも設置する態様であってもよい。この場合、金属マスクを使用せずに電荷注入層を設置することができるので、生産性の面で利点がある。
本発明の有機薄膜トランジスタの形成方法としては、特に限定されず公知の方法によればよいが、所望の素子構成に従い、基板投入、ゲート電極形成、絶縁体層形成、有機半導体層形成、電荷注入層形成、ソース電極形成、ドレイン電極形成までの一連の素子作製工程を全く大気に触れることなく形成すると、大気との接触による大気中の水分や酸素等による素子性能の阻害を防止できるため好ましい。やむをえず、一度大気に触れさせなければならないときは、有機半導体層成膜以後の工程は大気に全く触れさせない工程とし、有機半導体層成膜直前には、有機半導体層を積層する面(例えば素子Bの場合は絶縁層に一部ソース電極、ドレイン電極が積層された表面)を紫外線照射、紫外線/オゾン照射、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ等で清浄化・活性化した後、有機半導体層を積層することが好ましい。
さらに、例えば、大気中に含まれる酸素、水等の有機半導体層に対する影響を考慮し、有機薄膜トランジスタ素子の外周面の全面又は一部に、ガスバリア層を形成してもよい。ガスバリア層を形成する材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレン等が挙げられる。さらに、前記絶縁体層で例示した、絶縁性を有する無機物も使用できる。
本発明はまた、前記有機薄膜トランジスタにおいて、ソース−ドレイン間を流れる電流を利用して発光を得、ゲート電極に電圧を印加することによって発光を制御する有機薄膜発光トランジスタを提供する。
本発明における、有機薄膜トランジスタはソース、ドレイン電極から注入した電荷を用いて発光素子として用いることもできる。すなわち、有機薄膜トランジスタを発光素子(有機EL)の機能を兼ねた有機薄膜発光トランジスタとして用いることができる。これは、ソース−ドレイン電極間に流れる電流をゲート電極で制御することにより発光強度を制御できる。発光を制御するためのトランジスタと発光素子を統合できるため、ディスプレイの開口率向上や作製プロセスの簡易化によるコストダウンが可能となり実用上の大きなメリットを与える。有機発光トランジスタとして用いるときは、上記詳細な説明で述べた内容で十分であるが本発明の有機薄膜トランジスタを有機発光トランジスタとして動作させるためにはソース、ドレインの一方から正孔、もう一方から電子を注入する必要あり、発光性能を向上させるため以下の条件を満たすことが好ましい。
(ソース,ドレイン)
本発明の有機薄膜発光トランジスタは、正孔の注入性を向上させるため、少なくとも一方は正孔注入性電極であることが好ましい。正孔注入電極とは上記仕事関数4.2eV以上の物質を含む電極である。
また、電子の注入性を向上させるため少なくとも一方は電子注入性電極であることが好ましい。電子注入性電極とは上記仕事関数4.3eV以下の物質を含む電極である。更に好ましくは一方が正孔注入性であり、かつ、もう一方が電子注入性である電極を備える有機薄膜発光トランジスタである。
さらに好ましくは一方の電極下に正孔注入層を備え、かつ、もう一方の電極下に電子注入層を備える有機薄膜発光トランジスタである。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。
合成例1(化合物(1)の合成)
上記化合物(1)を以下合成経路に従って合成した。
Figure 2015109455
300ミリリットルの3つ口フラスコに1,4−ジブロモベンゼン7.50g(31.7mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム1.83g(1.59mmol)、ヨウ化銅(I)0.604g(3.17mmol)を入れ、アルゴン置換した。これにトリエチルアミン150ミリリットル、エチニルベンゼン10.5ミリリットル(95.4mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、9時間加熱還流した。反応液に水100ミリリットル、塩化メチレン100ミリリットルを加え、有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターで減圧濃縮した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/へキサン=1/10)で精製し、化合物(1)を2.55g(9.16mmol,収率29%)得た。
得られた化合物が化合物(1)であることは、H−NMR(90MHz)及びFD−MS(フィールドディソープションマス分析)測定により確認した。
FD−MSの測定結果を以下に示す。
FD−MS,calcd for C4830=278,found,m/z=278(M+,100)
また、化合物(1)を220℃で昇華精製を行った結果、昇華精製により得られた化合物(1)の純度は99.5%であった。
上記FD−MS(フィールドディソープションマス分析)測定に用いた装置及び測定条件を以下に示す。
<FD−MS測定>
装置:HX110(日本電子社製)
条件:加速電圧 8kV
スキャンレンジ m/z=50〜1500
実施例1(有機薄膜トランジスタの製造)
Si基板(P型比抵抗1Ωcmゲート電極兼用)を熱酸化法にて表面を酸化させ、基板上に300nmの熱酸化膜を作製して絶縁体層とした。さらに基板の一方に成膜したSiO膜をドライエッチングにて完全に除去した後、スパッタ法にてクロムを20nmの膜厚で成膜し、さらにその上に金(Au)を100nmスパッタにて成膜し取り出し電極とした。
この基板を、中性洗剤,純水,アセトン及びエタノールで各30分超音波洗浄し、さらにオゾン洗浄を行った。
次に、上記基板を真空蒸着装置(ULVAC社製,EX−400)に設置し、絶縁体層上に1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン(4MSB)を0.05nm/sの蒸着速度で50nm膜厚の有機半導体層として成膜した。次いで、金属マスクを通して合成例1で調製した化合物(1)を0.05nm/sの蒸着速度で、20nm膜厚の電荷注入層を成膜した。さらに金を50nmの膜厚で成膜することにより、互いに接しない電荷注入層並びにソース電極及びドレイン電極を、間隔(チャンネル長L)が75μmになるように形成した。そのときソース電極とドレイン電極の幅(チャンネル幅W)は5mmとなるように成膜して有機薄膜トランジスタを作製した(図6参照)。
得られた有機薄膜トランジスタのゲート電極に0〜−100Vのゲート電圧を印加し、ソース−ドレイン間に電圧を印加して電流を流した。得られた有機薄膜トランジスタは、電子が有機半導体層のチャンネル領域(ソース−ドレイン間)に誘起され、p型トランジスタとして動作した。その結果、電流飽和領域でのソース−ドレイン電極間の電流のオン/オフ比は1×10であった。
有機薄膜トランジスタの正孔の電界効果移動度μ及び閾値電圧Vを式(2)より算出したところμ=0.15cm/Vs,V=−20Vであった。また、式(1)から、線形領域において電界効果移動度μを算出するとμ=0.15cm/Vsであった。
得られた有機薄膜トランジスタの出力曲線を図8に示す。図8から、ドレイン電圧が0V近傍領域(丸で囲われた部分)では、出力曲線が直線であり接触抵抗が低減されたことが判明した。
実施例2
化合物(1)の代わりに化合物(42)を用いて電荷注入層を成膜した他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例3
化合物(1)の代わりに化合物(162)を用いて電荷注入層を成膜した他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例4
化合物(1)の代わりに化合物(9)を用いて電荷注入層を成膜した他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例5
化合物(1)の代わりに化合物(43)を用いて電荷注入層を成膜した他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例6
化合物(1)の代わりに化合物(60)を用いて電荷注入層を成膜した他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例7
化合物(1)の代わりに化合物(70)を用いて電荷注入層を成膜した他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例8
化合物(1)の代わりに化合物(110)を用いて電荷注入層を成膜した他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例9
化合物(1)の代わりに化合物(171)を用いて電荷注入層を成膜した他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例10
1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼンの代わりにN,N’−ジオキシl−3,4,9,10−ペリレンジカルボキシイミド(PTCDI−C8)を用いて有機半導体層を成膜し、化合物(1)の代わりに化合物(65)を用いて電荷注入層を成膜し、Auの代わりにCaを0.05nm/sの蒸着速度で20nm真空蒸着し、その後Agを0.05nm/sの蒸着速度で50nm蒸着しCaを被覆してソース電極及びドレイン電極を成膜した他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造した。
得られた有機薄膜トランジスタのゲート電極に0〜+100Vのゲート電圧を印加してn型駆動させた他は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例11
MoOを0.05nm/sの蒸着速度で10nm真空蒸着してAuからなるソース電極及びドレイン電極と化合物(60)からなる電荷注入層の間にバッファ層として挿入した他は実施例6と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例12
化合物(65)の代わりに化合物(163)を用いて電荷注入層を成膜した他は実施例10と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例13
化合物(1)を蒸着する代わりに化合物(174)をトルエンに0.5質量%溶解させ、当該溶液を用いてスピンコート法により成膜し、窒素雰囲気下80℃にて乾燥させることにより電荷注入層を成膜した他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例14
実施例1の有機薄膜トランジスタ製造工程において、化合物(1)を用いた電荷注入層を成膜する際、金属マスクを通さず化合物(1)を0.05nm/sの蒸着速度で、10nm膜厚の電荷注入層を成膜し、図7に示すトランジスタを製造した。この素子の評価結果を表1に示す。
比較例1
電荷注入層を成膜しなかった他は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
また、得られた有機薄膜トランジスタの出力曲線を図9に示す。図9から、ドレイン電圧が0V近傍領域(丸で囲われた部分)では、出力曲線が折れ曲がり直線から外れ、接触抵抗が大きく、式(1)の特性から逸脱していることがわかった。
比較例2
電荷注入層を成膜しなかった他は実施例10と同様にして有機薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2015109455
実施例15(有機薄膜発光トランジスタの製造)
Si基板(P型比抵抗1Ωcmゲート電極兼用)を熱酸化法にて表面を酸化させ、基板上300nmの熱酸化膜を作製して絶縁体層とした。さらに基板の一方に成膜したSiO膜をドライエッチングにて完全に除去した後、スパッタ法にてクロムを20nmの膜厚で成膜し、さらにその上に金(Au)を100nmスパッタにて成膜し、取り出し電極とした。
この基板を、中性洗剤,純水,アセトン及びエタノールで各30分超音波洗浄した。
次に、真空蒸着装置(ULVAC社製,EX−900)に設置し、絶縁体層(SiO)上に4MSBを0.05nm/sの蒸着速度で100nm膜厚の有機半導体発光層として成膜した。次いで、チャンネル長75μm,チャネル幅5mmの金属マスクを設置し,化合物(180)を電荷注入層として蒸着速度0.05nm/sで10nm成膜した。次に基板を蒸発源に対して45度傾けた状態でマスクを通して金を50nmの膜厚で成膜した。次に基板を逆方向に45度傾けた状態でMgを100nm蒸着することにより、互いに接しないソース電極及びドレイン電極が実質的に正孔注入性電極(Au)と電子輸送性電極(Mg)を備えた有機薄膜発光トランジスタを作製した。
製造した有機薄膜発光トランジスタのソース−ドレイン電極間に−100Vを印加し、ゲート電極に−100V印加すると、50cd/mの青色発光が得られた。
実施例16(トップコンタクト型有機薄膜トランジスタの製造)
図4に示す構造を有するトップコンタクト型有機薄膜トランジスタを下記のようにして製造した。
シャドウマスクを用い、スパッタリングによって、ガラス基板上に100nmのITO膜を作製しゲート電極とした。さらにその上にポリ(クロロ−p−キシレン)(パリレンC)を熱化学蒸着で500nmの厚さに成膜し、ゲート絶縁層とした。
次に、上記基板を真空蒸着装置(ULVAC社製,EX−400)に設置し、絶縁体層上に2,7−ジフェニル[1]ベンゾチエノ[3,3−b]−[1]−ベンゾチオフェン(DPh−BTBT)を室温下、0.05nm/sの蒸着速度で40nm膜厚の有機半導体層として成膜した。次いで、金属マスクを通して化合物(60)(2,6−ビス(2−フェニルエチニル)アントラセン;DPEA)を0.05nm/sの蒸着速度で、10nm膜厚の電荷注入層を成膜した。さらに金を50nmの膜厚で成膜することにより、互いに接しない電荷注入層並びにソース電極及びドレイン電極を、間隔(チャンネル長L)が50μmになるように形成した。そのときソース電極とドレイン電極の幅(チャンネル幅W)は1mmとなるように成膜して有機薄膜トランジスタを作製した(図4参照)。
得られたトップコンタクト型有機薄膜トランジスタについて、ゲート電極に0〜−25Vのゲート電圧を印加し、ソース−ドレイン間に−25Vの電圧を印加して電流を流した以外は、実施例1と同様にして正孔の電界効果移動度μ及び閾値電圧Vを飽和領域特性に関する式(2)より算出した。結果を表2に示す。
比較例3及び4
電荷注入層を、それぞれ表2に示す化合物に代えた以外は実施例16と同様にして有機薄膜トランジスタを作製し、電界効果移動度μ及び閾値電圧Vを求めた。結果を表2に示す。
Figure 2015109455
表2の結果から、電荷注入層に化合物(60)(DPEA)を採用した実施例16の素子は、ペンタセン(比較例3)やMoO(比較例4)の素子よりも優れた電界効果移動度と閾値電圧を示した。特に、一般的な有機半導体として用いられるペンタセンを電荷注入層に用いた場合に、良好な電界効果移動度と閾値電圧が得られていないことから、有機半導体層を構成する材料に求められる特性と電荷注入材層を構成する材料に求められる特性が異なるものであることがわかる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、電荷注入層として特定構造の化合物を用いることにより、応答速度(駆動速度)が高速化,オン/オフ比が大きく、駆動電圧が低くなるトランジスタとしての性能が高いものであり、発光可能な有機薄膜発光トランジスタとしても利用できる。
また、本発明の有機薄膜トランジスタは、薄膜ディスプレイのための電子デバイスのような表示用電子機器、プラスチックICカードや情報タグのようなウエアラブル電子機器、バイオセンサーのような医療機器や測定装置に用いることができる。

Claims (19)

  1. 基板上に少なくともゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層及び有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する有機薄膜トランジスタにおいて、
    前記有機半導体層及びソース電極間並びに前記有機半導体層及びドレイン電極間にそれぞれ電荷注入層を有し、
    前記電荷注入層が下記式(1)で表される化合物を含む有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2015109455
    (式中、Arは、下記式(2)で表される置換基である。
    Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜60の2価の芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい炭素数2〜60の2価の芳香族複素環基である。
    Arは、下記式(3)で表される置換基である。
    nは、1〜20の整数である。)
    Figure 2015109455
    (式中、R〜R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。
    〜R及びR〜R10は、隣接する2つの基が互いに結合して、飽和又は不飽和の環状構造を形成してもよい。)
  2. 前記式(1)のArが、置換基を有してもよい炭素数6〜60の2価の芳香族炭化水素基である請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記式(1)のArが、置換基を有してもよいベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン又はペンタセンに対応する2価の残基である請求項1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 前記式(1)のArが、置換基を有してもよい炭素数6〜60の2価の縮合多環式芳香族複素環基である請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  5. 前記式(1)のArが、置換基を有してもよいピロール、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、チアゾール、ジチエノベンゼン、ベンゾチアジアゾール、キノリン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾフラン又はジベンゾフランに対応する2価の残基である請求項4に記載の有機薄膜トランジスタ。
  6. 前記式(1)のnが1である請求項1〜5のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
  7. 前記式(1)のnが2以上の整数である請求項1〜5のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
  8. 前記式(2)及び(3)において、R、R、R、R、R、R、R及びR10の全てが水素原子であり、
    及びRの少なくとも一方がハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のハロアルキル基、炭素数1〜8のハロアルコキシ基、又は炭素数2〜16のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、これらでないR又はRが水素原子である請求項1〜7のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
  9. 前記式(1)で表される化合物が、下記の式(4)で表される化合物である請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2015109455
    (式中、R〜R10及びnは、前記式(1)と同様である。
    11〜R14は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。
    11及びR12並びにR13及びR14は、それぞれ互いに結合して、飽和又は不飽和の環状構造を形成してもよい。)
  10. 前記式(4)のR11〜R14が、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のハロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキチオ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基又はシアノ基である請求項9に記載の有機薄膜トランジスタ。
  11. 前記式(4)において、R、R、R、R、R、R及びR〜R14の全てが水素原子であり、
    及びRの少なくとも一方が、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のハロアルキル基、炭素数1〜8のハロアルコキシ基、又は炭素数2〜16のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)であり、これらでないR又はRが水素原子である請求項9に記載の有機薄膜トランジスタ。
  12. 前記式(4)のR〜R14のいずれかがフッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基である請求項9又は10に記載の有機薄膜トランジスタ。
  13. 前記式(4)のnが1である請求項9〜12のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
  14. 前記式(4)のnが2以上の整数である請求項9〜12のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
  15. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(5)で表される化合物である請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2015109455
    (式中、R〜R10は、前記式(1)と同様である。
    15〜R22は、それぞれ水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のハロアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数1〜30のハロアルキルチオ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基(2つのアルキル基は互いに結合して窒素原子を含む環構造を形成してもよい)、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭素数1〜30のハロアルキルスルホニル基、炭素数6〜60の芳香族炭化水素基、炭素数1〜60の芳香族複素環基、炭素数3〜30のアルキルシリル基又はシアノ基であり、これらの基は置換基をさらに有していてもよい。)
  16. 前記電荷注入層と前記有機半導体層が、異なる材料から構成される請求項1〜15のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
  17. 前記ソース電極及び電荷注入層の間、並びに前記ドレイン電極及び電荷注入層の間に、それぞれバッファ層を有する請求項1〜16のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
  18. ソース−ドレイン間を流れる電流を利用して発光を得、ゲート電極に電圧を印加することによって発光を制御する請求項1〜17のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ
  19. 前記式(1)で表される化合物のイオン化ポテンシャルが5.2eV以上である請求項1〜18のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
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