請求項1に記載の発明は、外箱と内箱と前記外箱と前記内箱との間に設けた断熱材とよりなる断熱箱体と、前記断熱箱体内部を冷却する冷却サイクルを構成する圧縮機と、前記断熱箱体外郭部に前記圧縮機を収容する機械室と、前記機械室の床面を構成する樹脂製の床板とを備える冷蔵庫であって、前記床板の上面に一体に樹脂で突設された複数の支承壁を備え、複数の防振体が前記支承壁で囲まれる内部空間に配置されて、前記圧縮機を防振支持し、前記支承壁が前記防振体の外表面に相対するとともに、前記床板の裏面から前記支承壁に至る内部空間は、前記断熱材で発泡充填されることにより、使用される部品点数と重量が減少した冷蔵庫であるにもかかわらず、冷蔵庫の通常使用状態においては、床板と一体に設けられる支承壁により防振体の可動範囲が規制されると共に、防振体の上に圧縮機が載置された状態となるため、有効に防振性能や防音性能を発揮することが可能となる。
また、冷蔵庫の運搬、移動時に受ける振動や衝撃、さらに、冷蔵庫を横倒しに傾斜させた場合の圧縮機にかかるモーメントや横向きの荷重等に対し、防振体は、支承壁により受け止められるため、従来の中心部に位置するピンだけで受け止める場合に比べ、衝撃力や荷重を分散させることができ、かつ応力が集中しやすい床板との接合部も防振体の内部に配置するピンと比べて、断面積を大きくとることが可能であり、衝撃力や荷重を分散させることができる。
また、支承壁の内部空間に断熱材が充填されることから、支承壁の剛性が高くなり、万が一、ピンが折れたり、ピンの先端に取り付けられる有頭ピンが外れたりしても、圧縮機の脚体は支承壁でおさえられ、圧縮機が不安定になるのを防止することができる。
また、支承壁の内部空間に樹脂が充填される場合に比べ、軽量化できることとなり、冷蔵庫本体の安定性をよくできるとともに、冷蔵庫本体の振動を低減できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記支承壁から所定の距離をおいて前記支承壁の内側に前記床板の上面に一体に突設された複数のピンを備え、複数の防振体が前記ピンと前記支承壁との間に配置されて、前記圧縮機を防振支持することにより、使用される部品点数と重量が減少した冷蔵庫であるにもかかわらず、冷蔵庫の通常の使用状態においては、床板と一体に設けられる複数のピンと支承壁により防振体の可動範囲が規制されると共に、防振体の上に圧縮機が載置された状態となるため、有効に防振性能や防音性能を発揮することが可能となる。
また、中央のピンと周囲の支承壁の両方で、冷蔵庫の運搬、移動時に受ける振動や衝撃、さらに、冷蔵庫を横倒しに傾斜させた場合の圧縮機にかかるモーメントや横向きの荷重等に対し、防振体は、支承壁により受け止められるため、従来の中心部に位置するピンだけで受け止める場合に比べ、衝撃力や荷重を分散させることができ、かつ支承壁は応力が集中しやすい床板との接合部の設計自由度が高く大きな面積を確保できるので、衝撃力や荷重を分散させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記支承壁は、前記ピンに面する側と反対側に前記支承壁を支える支持部を備えることにより、支承壁の耐衝撃性能を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記支持部は、前記ピンよりも背が高いものとなされ、さらに、前記脚体との干渉を回避する切欠を備えることにより、万が一、ピンが折れたり、ピンの先端に取り付けられる有頭ピンが外れたりしても、圧縮機の脚体は支持部でおさえられ、圧縮機が不安定になるのを防止することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記機械室は、冷蔵庫本体の上部に配置されたことにより、従来の機械室の床板に金属板からなるベースを用いた場合と比べて、機械室の床板に金属板を廃止することにより機械室を軽量化できることとなり、冷蔵庫本体の安定性をよくできるとともに冷蔵庫本体の振動を低減できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、前記支承壁に連通孔を設けたことにより、ウレタン発泡時の発泡圧力により収縮された空気が連通穴から外部へ放出され、これと同時に、断熱材が支承壁の内部へ充填されることとなり、支承壁の内部空間に占める断熱材の充填率が大幅に向上されることから、支承壁の剛性が高くなり、万が一、ピンが折れたり、ピンの先端に取り付けられる有頭ピンが外れた
りしても、圧縮機の脚体は支承壁でおさえられ、圧縮機が不安定になるのを防止することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記連通孔は、前記支承壁の上面部に設けたことにより、支承壁の先端に位置する上面部まで断熱材が充填されることから、支承壁の剛性が高くなり、万が一、ピンが折れたり、ピンの先端に取り付けられる有頭ピンが外れたりしても、圧縮機の脚体は支承壁でおさえられ、圧縮機が不安定になるのを防止することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の発明において、前記連通孔の直径は、0.5mm以上3.0mm以下としたことにより、支承壁の内部の空気層による断熱材の空洞化を防止し、断熱材を効率よく充填、発泡させることができることから、支承壁の剛性が高くなり、圧縮機からの振動伝播を抑制し、機械室の騒音を防止できる。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の発明において、前記ピンの根元部断面にR部を設けたことにより、ピンに簡単な加工を行うだけで、ピンの剛性高めることができることから、冷蔵庫の輸送等による圧縮機の水平荷重に対して防振体も荷重を受けるが、これらの荷重に耐え、ピン部の折損等の破壊を防止でき、圧縮機の変位による配管破損や騒音振動現象を抑制することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の発明において、前記床板の前記ピンの裏面に相当する部位に凸部を設けたことにより、ピンの剛性高めることができることから、冷蔵庫の輸送等による圧縮機の水平荷重に対して防振体も荷重を受けるが、これらの荷重に耐え、ピン部の折損等の破壊を防止でき、圧縮機の変位による配管破損や騒音振動現象を抑制することができる。
さらに、ピンの実質長さが長くなることから、有頭ピンの長さを延長し、凸部まで有頭ピンを締めこむことにより、ピンの剛性を更に高めることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の発明において、前記床板の前記ピンが投影する裏面から前記ピンに向けて支持部材を埋設させたことにより、ピンの剛性を更に高めることができることから、冷蔵庫の輸送等による圧縮機の水平荷重に対して防振体も荷重を受けるが、これらの荷重に耐え、ピン部の折損等の破壊を防止でき、圧縮機の変位による配管破損や騒音振動現象を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる冷蔵庫100は、観音開き式の扉を上部に備える冷蔵庫100であり、冷蔵庫100の内部空間と外部空間とを断熱状態で隔てる断熱箱体101内に複数に区画された貯蔵室を備えている。
冷蔵庫100の内の複数に区画された貯蔵室は、その機能(冷却温度)によって冷蔵室102、製氷室105、庫内の温度が変更できる切換室106、野菜室103、および冷凍室104等と称される。
冷蔵室102の前面開口部には、例えばウレタンのような発泡断熱材を発泡充填した回転式の断熱扉107が設けられている。
また、製氷室105、切換室106、野菜室103、および冷凍室104にはそれぞれ引出の断熱扉108が設けられ、これらにより冷気の漏れがないように貯蔵室を密閉している。
断熱箱体101は、金属製の外箱と樹脂製の内箱との間に例えば硬質発泡ウレタンなどの断熱材を充填して形成される少なくとも一面が開口した直方体の箱体である。この断熱箱体101は、外部の雰囲気(大気)から断熱箱体101内部に流入しようとする熱を遮断する機能を有している。
冷蔵室102は、冷蔵保存のために凍らない程度の低い温度に維持される貯蔵室である。具体的な温度の下限としては、通常1〜5℃で設定されている。
野菜室103は、冷蔵室102と同等もしくは若干高い温度設定となされる貯蔵室である。具体的には2℃〜7℃で設定される。なお、低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。
冷凍室104は、冷凍温度帯に設定される貯蔵室である。具体的には、冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、たとえば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
製氷室105は、内部に製氷機(図示せず)を設け製氷機で氷を作りその氷を保存する貯蔵室である。
切換室106は、冷蔵庫100に取り付けたれた操作盤により、用途に応じ冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで切り換えることができる。
図2は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫を背面から示す斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の機械室内部を示す斜視図である。
図4は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の圧縮機の取り付け態様を分解して示す斜視図である。
図2に示すように、冷蔵庫100の天面部には、冷蔵庫100の背面方向に向かって下りの階段状となるように凹部113が形成されており、当該凹部113内に機械室201が形成されている。なお、通常は騒音防止や部品保護のために機械室201はカバー202で覆われている。
また、図3及び図4に示すように、冷蔵庫100は、機械室201の内部に、圧縮機203と、床板204と、防振体205と、有頭ピン206とを備えている。
機械室201は、圧縮機203や、圧縮機203を冷却するためのファン211等の他、主として冷却サイクルの高圧側の構成部品が収納される空間である。機械室201は、断熱箱体101の外郭部の最上部後方領域に食い込んだ状態で形成されている。
ここで、機械室201が冷蔵庫100の最上方の後方に配置される態様は、従来一般的であった断熱箱体101の最下部の貯蔵室後方領域に圧縮機203が配置される冷蔵庫に比べ、野菜室103等最下方の貯蔵室の容量を格段に向上させることができると共に、冷蔵室102の最上方で手の届きにくいデッドスペースを機械室201として使用できるため、冷蔵庫100の実際の収納容積を向上させることができる。
圧縮機203は、配管部品で環状に接続され、内部に冷媒や冷凍機油を封入してなる冷却サイクルを形成する構成部品の一つであり、冷媒を圧縮する装置である。冷媒にはノン対応のため自然冷媒であるR600aが使用されており、冷凍機油には例えば鉱油が使われている。フロン配管部品は圧縮機203の振動を直接受けないようにたわみ部を設けて接続されている。圧縮機203はレシプロ式のインバーターで可変速に制御させるタイプを用いており、往復圧縮振動によるモーメントは一般的に他の圧縮方式に比べて大きく、防振を強化する必要がある。
また、圧縮機203の下部には、外方突出状に脚体231が4本(内1本は図示せず)設けられている。脚体231は、圧縮機203を機械室201内に取り付けるための部材であり、後述のピン243と係合する孔状の係合部232を先端に備えている。また、脚体231は、脚体231の先端が圧縮機203の底面よりも上方に位置する形状となされている。これは、圧縮機203をできる限り低い状態で機械室201内部に取り付けるためであり、これにより、機械室201の高さを低く抑え、断熱箱体101の内部の収容空間を広くすることが可能となる。さらに、圧縮機203の重心が後述の床板204に対してより近くなるので、防振体205(ピン243、支承壁244含む)と圧縮機203の重心との距離が縮まることにより、圧縮機203が揺れたときに発するモーメントを小さくすることが可能である。
床板204は、奥側に奥壁241が一体に設けられ、両側に側壁242が一体に設けられた樹脂製の部材であり、凹部113全体を覆うものとなっている。また、床板204は、奥壁241と側壁242と共に機械室201を囲っており、ピン243と、支承壁244とを一体に備えている。具体的には、床板204は、ポリプロピレン(PP)である。
支承壁244は、床板204から上方突出状に一体に設けられた円筒状の部材であり、床板204の上面の4箇所に設けられている。また、支承壁244は、ピン243に面する側と反対側に支持部245を備えている。すなわち、支承壁244は、支承壁244の外面側に支持部245を備えている。
ピン243は、支承壁244から所定の距離をおいて支承壁244の内側に床板204の上面に一体に突設された円柱状の部材であり、床板204の上面の4箇所に間隔をおいて設けられている。ピン243は、圧縮機203に設けられる脚体231の先端にある係合部232に挿通され、圧縮機203の水平方向(床板204と平行な方向)の可動範囲を規制する機能を有している。
支持部245は、矩形板状の部材(リブ)であり、支承壁244の外周面と上下方向に沿って一体に取り付けられていると共に、床板204の上面と支承壁244の放射方向外向きに沿って一体に接続されている。支持部245は、四つの支承壁244全てに設けられており、全て冷蔵庫100の背面に向かって延びる態様となっている。当該態様の支持部245により、冷蔵庫100を運搬のため倒す場合、通常は、冷蔵庫100の背面を下にするため、当該方向で冷蔵庫100を倒したときの圧縮機203から受ける衝撃に対し支承壁244の強度を増強することができ、支承壁244の周りの形状を単純化して床板204の成形性の向上や軽量化を図ることが可能となる。
なお、圧縮機203から受ける衝撃に対し支承壁244の強度を増強する手段としては、先に述べた矩形板状の部材(リブ)である支持部245を用いる以外に、支承壁244の板厚を増すことでも簡単に可能である。
なお、ピン243と支承壁244及び防振体205は互いの接触面を曲面からなる円柱や円筒形状であるので、外力の方向によらず、高い保持耐久性を確保することができる。
なお、床板204とピン243と支承壁244と支持部245は、樹脂により一体成形されることが好ましい。これは、ピン243や支承壁244の取り付け強度を高くすることができ、かつ、部品点数の減少に寄与し、製造工程を簡略化することができるためである。また、床板204とピン243と支承壁244と支持部245の成型方法は、真空成型や射出成形など既存の成型方法を採用することが可能である。
防振体205は、運転状態の圧縮機203から発生する振動を減衰させ、冷蔵庫100に圧縮機203の振動を伝わり難くし、これに伴う音の発生を防止するための部材であり、本実施の形態の場合、円筒形状のゴムが採用されている。防振体205は、圧縮機203と床板204との間に介在配置され、圧縮機203の脚体231を下方から支持するものとなっている。また、防振体205は、円筒形状でありピン243が挿通された状態で配置されているため、圧縮機203の振動を受けてもずれ動かない。また、防振体205の外周面は、支承壁244で囲われた状態で配置されている。すなわち、複数の防振体205が支承壁244の内部に配置されて、圧縮機203を防振支持し、支承壁244が防振体205の外表面に相対している。
有頭ピン206は、ピン243の先端に取り付けられる部材であり、ピン243に挿通される脚体231がピン243から抜け出すのを防止する孔状の係合部232より広いつばを備えている。
上記構成を備えた冷蔵庫100の通常の使用状態において、圧縮機203の稼動により発生する振動は、防振体205により減衰されるため、冷蔵庫100全体の振動としては許容範囲となる。また、当該振動に伴い発生する音も許容範囲となる。圧縮機203の振動により、圧縮機203自体が床板204に対し、ずり動こうとする。しかし、防振体205の上面にある膨出状の突起が脚体231先端にある孔状の係合部232と係合し、防振体205とピン243とが係合することにより、ピン243は、圧縮機203の可動範囲を間接的に規制するため、圧縮機203が防振体205上から落下したり、防振体205と共に床板204上を動き回ったりすることはない。また、ピン243は、圧縮機203のずり動きにより発生する衝撃力には抗することが可能であり、長期間にわたりピン243が前記衝撃力を受け続けることになるが、当該衝撃力は防振体205及び支承壁244にも分散して受け止められるため、長期間に渡る衝撃力にも十分抗することが可能である。
また、冷蔵庫100を倒した際に発生する圧縮機203からの衝撃力は、係合部232からピン243の上部に伝わり、ピン243は撓もうとするが、ピン243の撓みは防振体205を介し支承壁244で支えられているため、ピン243が大きく撓むことはない。さらに、ピン243が受けた前記衝撃力は、防振体205により減衰しつつ分散して支承壁244に伝えられるため、前記衝撃力をピン243ばかりでなく支承壁244でも支えるため、通常使用以外の突発的な衝撃力にも十分に対応することが可能となる。
なお、本実施の形態において、冷媒は他の冷媒であるR134aなどでも問題ないが、たとえば非共沸混合冷媒を用いるならば、配管損傷によるガスリークが少量であっても組成成分が変化し冷媒物性が変化するために、ガスリークを防止する効果は大きい。
なお、冷凍サイクルを構成する圧縮機はレシプロ式圧縮機やロータリー式の他にスクロール式などいずれにおいても、比較的重量物であり、加振源となるものであれば、いずれの場合においても同様の効果を有するものである。また、スターリングサイクルなど他の冷凍サイクルで用いる膨張機なども同様である。
なお、圧縮機203の脚部は4つで支持されているが、最低3つ以上の脚部で機能を果たすことは可能である。
なお、支承壁244は防振体205を受ける面積が広いほど、荷重や衝撃力を分散することができる。しかし、圧縮機203の下部は圧縮機203や吐出パイプのファン211による冷却風路を構成するので、風路阻害とならないように複数の支承壁244が各々独立して、圧縮機203の下部を支承壁244で閉塞することがないよう設計されている。これにより風路が十分に確保されて圧縮機203の下部や吐出パイプの空冷が可能となる。特に圧縮機203の下部は冷凍機油が内部に滞留保持されており、冷凍機油温度の上昇を防止することは冷凍サイクルの信頼性を確保する上で重要である。
なお、冷蔵室や冷凍室など各室のレイアウトは他の組合せであっても同様の効果を得ることが可能である。例えば、冷凍室を最下部にし冷凍室の上方に野菜室としてもよく、また、切換室を冷凍室として用いたレイアウトでもよく、同様の効果が得られる。
なお、機械室201は、冷蔵庫本体の上部に配置されたことにより、従来の機械室の床板に金属板からなるベースを用いた場合と比べて、機械室201の床板204に金属板を廃止することにより機械室201を軽量化できることとなり、冷蔵庫本体の安定性をよくできるとともに冷蔵庫本体の振動を低減できる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の圧縮機の取り付け態様を分解して示す斜視図である。
図5に示すように、冷蔵庫100の天面部には、冷蔵庫100の背面方向に向かって下りの階段状となるように凹部113が形成されており、当該凹部113内に機械室201が形成されている。なお、通常は騒音防止や部品保護のために機械室201はカバー202で覆われている。機械室201の内部には、圧縮機203と、床板204と、防振体205とを備えている。
機械室201は、圧縮機203や、圧縮機203を冷却するためのファン211等の他、主として冷却サイクルの高圧側の構成部品が収納される空間である。機械室201は、断熱箱体101の外部の最上部後方領域に食い込んだ状態で形成されている。
ここで、機械室201が冷蔵庫100の最上方の後方に配置される態様は、従来一般的であった断熱箱体101の最下部の貯蔵室後方領域に圧縮機203が配置される冷蔵庫に比べ、野菜室103等最下方の貯蔵室の容量を格段に向上させることができると共に、冷蔵室102の最上方で手の届きにくいデッドスペースを機械室201として使用できるため、冷蔵庫100の実際の収納容積を向上させることができる。
圧縮機203は、配管部品で環状に接続され、内部に冷媒や冷凍機油を封入してなる冷却サイクルを形成する構成部品の一つであり、冷媒を圧縮する装置である。配管部品は圧縮機203の振動を直接受けないようにたわみ部を設けて接続されている。また、圧縮機203の下部には、外方突出状に脚体231が4本(内1本は図示せず)設けられている。
脚体231は、圧縮機203を機械室201内に取り付けるための部材であり、後述の防振体205と係合する孔状の係合部232を先端に備えている。また、脚体231は、脚体231の先端が圧縮機203の底面よりも上方に位置する形状となされている。これは、圧縮機203をできる限り低い状態で機械室201内部に取り付けるためであり、これにより、機械室201の高さを低く抑え、断熱箱体101の内部の収容空間を広くすることが可能となる。さらに、脚体231が立体的に曲げられた構成となるので、脚体231の剛性を高め圧縮機の振幅を抑制することが可能となる。
床板204は、奥側に奥壁241が一体に設けられ、両側に側壁242が一体に設けられた樹脂製の部材であり、凹部113全体を覆うものとなっている。また、床板204は、奥壁241と側壁242と共に機械室201を囲っており、一体に成型してなる支承壁244を備えている。
支承壁244は、床板204から上方突出状に設けられた円筒状の部材であり、床板204の上面の4箇所に設けられている。また、支承壁244は、支承壁244の外面側に支持部245を備えている。
支持部245は、矩形板状の部材(リブ)であり、支承壁244の外周面と上下方向に沿って一体に取り付けられていると共に、床板204の上面と支承壁244の放射方向外向きに沿って一体に接続されている。支持部245は、四つの支承壁244全てに設けられており、全て冷蔵庫100の背面に向かって延びる態様となっている。当該態様の支持部245により、冷蔵庫100を運搬のため倒す場合、通常は、冷蔵庫100の背面を下にするため、当該方向で冷蔵庫100を倒したときの圧縮機203から受ける衝撃に対し支承壁244の強度を増強することができ、支承壁244の周りの形状を単純化して床板204の成形性の向上や軽量化を図ることが可能となる。
なお、床板204と支承壁244と支持部245は、樹脂により一体成形されることが好ましく、部品点数の減少に寄与し、製造工程を簡略化することができる。また、床板204と支承壁244と支持部245の成型方法は、真空成型や射出成形など既存の成型方法を採用することが可能である。
防振体205は、可動状態の圧縮機203から発生する振動を減衰させ、冷蔵庫100に圧縮機203の振動を伝わり難くし、これに伴う音の発生を防止するための部材であり、本実施の形態の場合、円柱形状のゴムが採用されており、中空構造でないので減衰特性を向上させて防振性を向上させることができる。防振体205は、圧縮機203と床板204との間に介在配置され、圧縮機203の脚体231の孔状の係合部232に防振体205の先端突出部が勘合して保持されている。また、防振体205は、円筒形状であり、外周面を支承壁244で囲われた状態で配置されているので、圧縮機203が振動を受けても、水平方向にずれ動かない。すなわち、複数の防振体205が支承壁244の内部に配置されて、圧縮機203を防振支持し、支承壁244が防振体205の外表面に相対している。
また、圧縮機203の上下方向へのずれは、機械室201を覆うカバー202が圧縮機203上方に相対する位置に防振材を貼り付けた状態で近傍に設けられているので、所定の変位量より大きく変動することを防止できる。
カバーで強く固定すると、音や振動の伝播が大きいので、防振体を介して変位抑制することが望ましい。
上記構成を備えた冷蔵庫100の通常の使用状態において、圧縮機203の稼動により発生する振動は、防振体205により減衰されるため、冷蔵庫100全体の振動としては許容範囲となる。また、当該振動に伴い発生する音も許容範囲となる。
また、圧縮機203の振動による圧縮機203自体が床板204に対しずり動こうとする動きや、運搬時など冷蔵庫100を倒した際に発生する圧縮機203の荷重や衝撃力が生じても、防振体205が支承壁244により圧縮機203の可動範囲を間接的に規制するため、圧縮機203が大きく変位したり、防振体205と共に床板204上を動き回ったりすることはない。
また、圧縮機203のずり動きにより発生する衝撃力は、細いピンなどのみで衝撃力をうけるのではなく、防振体205の広い外表面積と支承壁244の広い受け面積で分散して受け止めることが可能であるので、長期間に渡る振動や荷重や突発的な衝撃力にも十分抗することが可能である。
なお、本実施の形態では、カバー202により圧縮機203の上下方向の位置ずれを規制したが、圧縮機203の脚体231の上下変位を規制する規制部材246を設けることでも同様の効果を得ることができる。また、規制部材246は奥壁241から圧縮機203側の方向に樹脂部材を一体で突出成型させて構成することで部品点数の増加を抑制できる。
(実施の形態3)
次に、支持部245の別態様を説明する。なお、支持部245以外は前記実施の形態1および実施の形態2と同じであるためその説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の機械室内部を示す要部斜視図である。
図7は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の圧縮機の取り付け態様を分解して示す斜視図である。
図8は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の圧縮機を取り付けた状態の支持部の近傍を示す断面図である。
図9(a)は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の圧縮機を取り付けた状態の他の支持部の近傍を示す断面図、図9(b)は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の圧縮機を取り付けた状態の他の支持部の近傍を示す断面図である。
特に図8に示すように、支持部245は、矩形箱状の外枠部245aと、当該外枠の上部から支承壁244の上部とをなだらかな曲線で接続する接続部245bとを備えている。
外枠部245aは、支承壁244の外側を所定の距離を隔てて囲むように配置されており、床板204から一体に突設される部材である。外枠部245aの高さはピン243よりも高く設定されている。なお、圧縮機203の脚体231が通過する部分は、切欠245cが設けられている。
これにより、万が一、ピン243が折れたり、ピン243の先端に取り付けられる有頭ピン206が外れたりしても、圧縮機203の脚体231は支持部245でおさえられ、圧縮機がずれたりして不安定になるのを防止することができる。
接続部245bは、支承壁244の上部と外枠部245aの上部とを一体に接続する部分である。
以上の構成とすることで、支承壁244と支持部245との間には空間が形成されることとなる。
当該態様の支持部245により、支承壁244は外方周囲全体から強固に支持されるため、冷蔵庫100の背面を下にして倒される場合ばかりでなく、あらゆる方向に倒された場合でも圧縮機203から受ける衝撃力に対し支承壁244の強度を増強することができる。
なお、支承壁244と支持部245との間に空間を設けるのは軽量化および樹脂の流動成型性向上のためであり、空間のない中実構造を除外するものではない。
なお、ピン243と支承壁244と防振体205は常時密着していると減衰されているとは言え、わずかに振動伝播されてしまうので、図8や図9に示すように、ピン243と防振体205の内表面との間や、防振体205の外表面と支承壁244との間に所定のクリアランスを設けることが望ましい。
防振体205は圧縮機203が載置されると、防振体205は太鼓状にふくらんで保持するので、このたわみ量を含めた所定のクリアランスを設けることが必要である。クリアランスを取るための手段は、図9(a)に示すように、ピン243及び支承壁244にテーパ部を設けることで下部に比べて上部に大きなクリアランスをとることで可能である。これによれば、簡単に防振体205を乗せるだけで自重で防振体205の位置決めができるので、防振体205の設置状態を簡単に良い状態に維持できる。
なお、クリアランスを取るための手段は、図9(b)に示すように、ピン243及び支承壁244の下方部に設けられた凸部であっても良い。
なお、クリアランスを取るための手段は、ピン243の下方部に凸部を設け、支承壁244にテーパ部を設ける組合せとしてもよく、また、ピン243にテーパ部を設け、支承壁244の下方部に凸部を設ける組合せとしてもよい。
なお、クリアランスを取るための手段は、本実施の形態では、ピン243や支承壁244にテーパ部を設けたり、ピン243や支承壁244の下方部に凸部を設けたが、防振体205自体にテーパ部を設けてもよい。
なお、上記実施の形態では、機械室201を冷蔵庫100の上部後方に配置する場合について説明したが、本願発明はこれに限定されるものではない。例えば、機械室201は、冷蔵庫100の上部において後方に限定されず例えば天面上のいずれの場所に設置されても構わない。また、冷蔵庫100の下部後方や中央後方に配置されるものでもよい。
また、防振体205や、ピン243、支承壁244の形状は円柱や円筒ばかりでなく特許請求の範囲の記載から逸脱しない限りあらゆる形状を採用することができる。
また、支承壁244は防振体205の外表面を受ける構成であれば、一体の連続面でなく、複数の支承壁(すなわち間欠的に支承壁が設けられた)で一つの防振体205を保持する構成であってもよい。
(実施の形態4)
次に、ピン243及び支承壁244の別態様である、ピン443及び支承壁444を説明する。なお、ピン443及び支承壁444以外は、上記した、実施の形態1から実施の形態3と同じであるため、その説明を省略する。
図10は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の機械室内部を示す要部断面斜視図である。
図11は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の圧縮機の設置される床板の要部斜視図である。
図12は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の圧縮機の設置される床板の要部拡大斜視図である。
図10から図12に示すように、支承壁444の上面部には、円形状の微小な孔である連通孔460が設けられ、この連通孔460は、床板404の表側から裏側に連通している。本実施の形態では、この連通孔460の直径は、1.0mmである。
ところで、冷蔵庫の発泡工程時において、樹脂製の内箱451と金属製の外箱450との内部空間に硬質発泡ウレタンなどの断熱材452が充填される。この断熱材452は、冷蔵庫の断熱性能を確保すると同時に、冷蔵庫全体の強度を向上させることを目的として、床板404の裏面から支承壁444の内部空間に充填される。より具体的には、断熱材452が床板404の底面部に到達し、その後、支承壁444の内部空間に侵入する。このとき、ウレタン発泡時の発泡圧力により収縮された空気が、外部と連通した連通穴460から外部へ放出され、これと同時に、断熱材452が支承壁444の内部へ充填される。このように、連通孔460は、断熱材452の流動性を向上させるための空気抜き孔として、支承壁444に設けられている。ここでは、一つの支承壁444に対して、二個の連通孔460を設けている。
なお、本実施の形態では、連通孔460の直径は、1.0mmとしたが、以下の理由により、0.5mm以上3.0mm以下であればよい。
具体的には、この連通孔460の直径は、0.5mmより小さくなると、流動抵抗が増大するために、支承壁444の内部に滞留した圧縮空気が外部へ完全に放出されるまでの時間を要し、その間に断熱材452が完全に固化してしまうことから、支承壁444の内部に空気の空洞ができる。その結果、支承壁444の剛性が低下するという不具合が生じる可能性が高い。
また、3.0mmより大きくなると、支承壁444の内部の圧縮空気が外部へ放出されると同時に、断熱材452も流動抵抗が小さくなった連通孔460から外部へ放出されてしまうこととなり、その結果、ウレタンの断熱材452が冷蔵庫の表面に曝露されるため、これらの断熱材452を除去する工数が増大するという課題がある。さらに、ウレタン使用量が大幅に低下することから、冷蔵庫内部の断熱材の充填率が低下するため、冷蔵庫自体の断熱性能が著しく低下するという不具合が生じる。
よって、この連通孔460の直径は、0.5mm以上3.0mm以下が好ましい。
また、支承壁444は、例えば、ポリプロピレン材で成型され、この支承壁444の内部は空洞形状であるが、この空間にウレタンの断熱材452が発泡充填されることにより、例えば、支承壁444の全体(内部空間も含む)が樹脂で成型される場合に比べ、ウレタンはポリプロピレンと比較すると比重が小さいため、この比重の差の分だけ、ウレタンの断熱材を支承壁の内部に充填すると軽量化できることとなり、冷蔵庫本体の安定性をよくできる。さらに冷蔵庫本体の重心が相対的に低くなることから、圧縮機による冷蔵庫全体の振動を低減できる。
連通孔がない場合は、支承壁444の内部に空気が滞留し(空気溜りが生じ)、断熱材が、支承壁444の上面部に充填されにくくなる。
しかしながら、本実施の形態のように、支承壁444に連通孔460を設けたことにより、連通孔がない場合に比べ、支承壁444の内部に滞留している空気が少なくなり、支承壁444の内部空間に占める断熱材の充填率が大幅に向上されることから、支承壁の剛性が高くなり、万が一、ピンが折れたり、ピンの先端に取り付けられる有頭ピンが外れたりしても、圧縮機の脚体は支承壁でおさえられ、圧縮機が不安定になるのを防止することができる。
また、連通孔460は、支承壁444の上面部に設けたことにより、支承壁の内部圧力は、連通孔460の外側圧力より高圧圧力のため差圧が発生し、滞留している空気並びに断熱材が、連通孔460が設けられた支承壁444の上面部に導かれる。その結果、比較的断熱材が充填されにくい(すなわち流動抵抗が高い)支承壁444の先端部まで断熱材が充填されることから、支承壁444の剛性が高くなり、万が一、ピンが折れたり、ピンの先端に取り付けられる有頭ピンが外れたりしても、圧縮機の脚体は支承壁でおさえられ、圧縮機が不安定になるのを防止することができる。
また、特に、連通孔460は、支承壁444の上面部のコーナー(角)部近傍に設けたことにより、流動抵抗が高いコーナー部にウレタンの断熱材を誘導することが可能になることから、支承壁444の剛性が更に高くなり、万が一、ピンが折れたり、ピンの先端に取り付けられる有頭ピンが外れたりしても、圧縮機の脚体は支承壁でおさえられ、圧縮機が不安定になるのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、連通孔460は、一つの支承壁444に対して、二個設けたが、必ずしも二個でなくてもよく、例えば、一個、あるいは、三個以上の連通孔460を設けてもよい。
なお、本実施の形態では、連通孔460は、円形状の微小な孔としたが、例えば、矩形状の孔としてもよい。
図13は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫のピン周辺の要部断面図である。
図13に示すように、ピン443の根元断面部において、ピン根元に行くに従いピン径を拡大するようにR部470を設けた。
この結果、冷蔵庫の運搬、移動時に受ける振動や衝撃、さらに、冷蔵庫を横倒しに傾斜させた場合の圧縮機にかかるモーメントや横向きの荷重等に対して、防振体205が支承壁444に接触する場合でも、支承壁444の剛性が増加していることから、従来の中心部に位置するピンだけで受け止める場合に比べ、衝撃力や荷重を分散させることができる。よって、冷蔵庫配管やピンの折損、曲げを防止するとともに、これらによる騒音抑制・冷媒ガス漏れ防止による安全性が確保できる。
このように、ピン443の根元部断面にR部を設けたことにより、ピン部の最も応力集中しやすい根元部の剛性高めることができることから、冷蔵庫の輸送等による圧縮機の水平荷重に対して防振体も荷重を受けるが、これらの荷重に耐え、ピン部の折損等の破壊を防止でき、圧縮機の変位による配管破損や騒音振動現象を抑制することができる。
尚、ピン443においても、支承壁と同様に連通孔を設けることにより、ピン強度が増大し、ピン折れによる騒音や配管折れ等を防止し、安全性の高い冷蔵庫を実現できる。
(実施の形態5)
次に、ピン243及び床板204の別態様である、ピン543及び床板504を説明する。なお、ピン543及び床板504以外は、上記した、実施の形態1から実施の形態3と同じであるため、その説明を省略する。
図14は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫のピン周辺の要部断面図である。
図14に示すように、床板504のピン543裏側の肉厚を増加させるように、床板504と一体になった凸部590を設ける。この結果、ピン543本体の剛性が増加し、ピン543にかかる荷重に対して強度を確保し、ひび、折損等の破損現象を防止することができる。これにより安全性の高い冷蔵庫を実現させることができる。
このように、床板504のピン543の裏面に相当する部位に凸部590を設けたことにより、ピンの剛性高めることができることより、冷蔵庫の輸送等による圧縮機の水平荷重に対して防振体も荷重を受けるが、これらの荷重に耐え、ピン部の折損等の破壊を防止でき、圧縮機の変位による配管破損や騒音振動現象を抑制することができる。
さらに、ピンの実質長さが長くなることから、有頭ピンの長さを延長し、凸部まで有頭ピンを締めこむことにより、ピンの剛性を更に高めることができる。
なお、本実施の形態では、凸部590は床板504と一体に設けたが、床板504と別体で凸部を設けてもよい。
(実施の形態6)
次に、ピン243及び床板204の別態様である、ピン643及び床板604を説明する。なお、ピン643及び床板604以外は、上記した、実施の形態1から実施の形態3と同じであるため、その説明を省略する。
図15は、本発明の実施の形態6における冷蔵庫のピン周辺の要部断面図である。
図15に示すように、床板604のピン643の裏側からピン643に向けて、支持部材であるネジ680を埋設固定させたのち、断熱材452の発泡を行う。この結果、ピン643本体の剛性が更に増加し、ピン643にかかる荷重に対して強度を確保し、ひび、折損等の破損現象を防止することができる。これにより安全性の高い冷蔵庫を実現させることができる。
このように、床板604のピン643が投影する裏面からピン643に向けて支持部材を埋設させたことにより、ピンの剛性を更に高めることができることから、冷蔵庫の輸送等による圧縮機の水平荷重に対して防振体も荷重を受けるが、これらの荷重に耐え、ピン部の折損等の破壊を防止でき、圧縮機の変位による配管破損や騒音振動現象を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、支持部材としてネジ680を用いたが、金属やその他の材質で剛性が高い部材であれば、ネジ以外を用いてもよい。