JP4910649B2 - 報知装置及びマスキング装置 - Google Patents
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Description
このように、隣室の者が透過音を不快に感じるか否かは、透過音のレベルだけではなく、隣室における暗騒音のレベルによっても左右される。しかしながら、従来の技術では、透過音のレベルによって警報がでてしまうため、隣室の暗騒音のレベルが大きいことにより透過音が隣室に居る者に聞こえておらず、隣室に居る者が不快感を感じていなくても警報が発せられてしまう。また、警報が発せられていなくても隣室の暗騒音のレベルが小さいことにより透過音が隣室に居る者に聞こえてしまい、隣室に居る者が不快感を感じる虞がある。
また本発明は、第1部屋内における音を収音し、収音した音を表す第1オーディオ信号を出力する第1収音手段と、第2部屋内における音を収音し、収音した音を表す第2オーディオ信号を出力する第2収音手段と、前記第1オーディオ信号に基づいて前記第1部屋の音の第1音圧を求め、前記第2オーディオ信号に基づいて前記第2部屋の音の第2音圧を求める音圧解析手段と、前記第1音圧と、前記第1部屋と前記第2部屋との間の遮音性能に関する遮音情報とに基づいて、前記第1オーディオ信号で表される音の前記第2部屋への透過後の第3音圧を求める透過音解析手段と、前記第1部屋に配置された操作子と、前記操作子にされた操作に応じて、前記第2音圧に加算する値である判断基準を変更する変更手段と、前記変更手段で変更された判断基準に基づいて、前記第2音圧に前記判断基準を加算した結果と前記第3音圧との関係を判断する判断手段と、前記第1部屋に設けられ、前記判断手段の判断結果を報知する報知手段とを有する報知装置を提供する。
また、この報知装置においては、前記マスキング音信号出力手段は、前記判断手段の判
断結果に応じて前記マスキング音の音圧を変化させてもよい。
また本発明は、第1部屋内における音を収音し、収音した音を表す第1オーディオ信号を出力する第1収音手段と、第2部屋内における音を収音し、収音した音を表す第2オーディオ信号を出力する第2収音手段と、前記第1オーディオ信号に基づいて前記第1部屋の音の第1音圧を求め、前記第2オーディオ信号に基づいて前記第2部屋の音の第2音圧を求める音圧解析手段と、前記第1音圧と、前記第1部屋と前記第2部屋との間の遮音性能に関する遮音情報とに基づいて、前記第1オーディオ信号で表される音の前記第2部屋への透過後の第3音圧を求める透過音解析手段と、前記第2部屋に配置された操作子と、前記操作子にされた操作に応じて、前記第2音圧に加算する値である判断基準を変更する変更手段と、前記変更手段で変更された判断基準に基づいて、前記第2音圧に前記判断基準を加算した結果と前記第3音圧との関係を判断する判断手段と、前記第1部屋及び前記第2部屋に設けられ、前記判断手段の判断結果を報知する報知手段と、前記判断手段の判断結果に応じてマスキング音信号を出力するマスキング音信号出力手段と、前記第2部屋に配置され、前記マスキング音信号出力手段から出力されたマスキング音信号に応じてマスキング音を出力する音出力手段とを有するマスキング装置を提供する。
また本発明は、第1部屋内における音を収音し、収音した音を表す第1オーディオ信号を出力する第1収音手段と、第2部屋内における音を収音し、収音した音を表す第2オーディオ信号を出力する第2収音手段と、前記第1オーディオ信号に基づいて前記第1部屋の音の第1音圧を求め、前記第2オーディオ信号に基づいて前記第2部屋の音の第2音圧を求める音圧解析手段と、前記第1音圧と、前記第1部屋と前記第2部屋との間の遮音性能に関する遮音情報とに基づいて、前記第1オーディオ信号で表される音の前記第2部屋への透過後の第3音圧を求める透過音解析手段と、前記第1部屋に配置された操作子と、前記操作子にされた操作に応じて、前記第2音圧に加算する値である判断基準を変更する変更手段と、前記変更手段で変更された判断基準に基づいて、前記第2音圧に前記判断基準を加算した結果と前記第3音圧との関係を判断する判断手段と、前記第1部屋に設けられ、前記判断手段の判断結果を報知する報知手段と、前記判断手段の判断結果に応じてマスキング音信号を出力するマスキング音信号出力手段と、前記第2部屋に配置され、前記マスキング音信号出力手段から出力されたマスキング音信号に応じてマスキング音を出力する音出力手段とを有するマスキング装置を提供する。
まず、本発明の一実施形態に係る報知システム1の構成について説明する。図1は、同報知システム1の全体構成と、報知システム1が配置された部屋を模式的に示した図である。同図において、部屋RAと部屋RBは所定の遮音性能を備えた界壁Cにより仕切られている。報知システム1は、報知装置10、報知装置10に接続されたマイクロホン20A,20B、報知装置10に接続された表示装置30A,30Bを有しており、マイクロホン20A,20Bにより部屋RAおよび部屋RBの音を収音し、部屋内で発生して界壁Cを透過した透過音が、隣室に居る者にどのように聞こえるか報知するシステムである。
信号出力部107は、表示装置30A,30Bに接続されており、CPU102の制御の下、表示装置30A,30Bが備える表示灯を点灯させるための信号を表示装置30A,30Bへ出力する。
(部屋RA,RBにおける音が暗騒音のみのときの動作)
まず、部屋RA,RBにおける音が暗騒音のみであるときの報知システム1の動作について説明する。まず、図示せぬ電源より報知装置10の各部に電力が供給されると、CPU102は、ROM103に記憶されている制御プログラムを実行する。また、マイクロホン20Aにおいては部屋RAの音が収音されてオーディオ信号が出力され、マイクロホン20Bにおいても部屋RBの音が収音されてオーディオ信号が出力される。ここで、部屋RA、部屋RBにおける音は暗騒音のみであるため、部屋RAにおける暗騒音を表すオーディオ信号がマイクロホン20Aから出力され、部屋RBにおける暗騒音を表すオーディオ信号がマイクロホン20Bから出力される。
また、CPU102は、音圧レベルAと音圧レベルB1とを比較する。ここで、音圧レベルB1が音圧レベルAより小さい場合(部屋RAの暗騒音の音圧レベルより部屋RBから界壁Cを透過した透過音の音圧レベルのほうが小さい場合)、CPU102は、信号出力部107を制御し、表示装置30Bの表示灯31Bのみを点灯させるための信号を信号出力部107から表示装置30Bへ出力させる。この信号が表示装置30Bに入力されると、表示装置30Bは入力された信号に従って青色の表示灯31Bのみを点灯させる。
次に、部屋RA,RBにおける暗騒音の音圧レベルが一定であり、部屋RAにおける音の音圧レベルが変化したときの動作について説明する。まず、表示灯31A,31Bが点灯している状態で部屋RAに居る者が会話を行うと、この会話の音声がマイクロホン20Aにより収音され、収音された音を表すオーディオ信号が出力される。ここで、部屋RBにおいては会話が行われていないため、マイクロホン20Bにおいては、部屋RBの暗騒音のみが収音され、収音された暗騒音を表すオーディオ信号が出力される。
部屋RAに居る者が、赤色の表示灯が点灯したことにより、自室内の会話音声が部屋RBに居る者にはっきりと聞こえていることを知り、会話の音声を小さくすると、この会話の音声がマイクロホン20Aにより収音されてオーディオ信号が出力され、信号入力部106においては、マイクロホン20Aで収音された音の音圧レベルAを表す音圧データD1と、マイクロホン20Bで収音された音の音圧レベルBを表す音圧データD2とがCPU102へ出力される。
次に、部屋RAにおいて黄色の表示灯が点灯している状態において、部屋RBの暗騒音の音圧レベルが大きくなった場合の動作について説明する。
まず、部屋RAにおいては、部屋RAに居る者により会話が行われており、この会話の音声がマイクロホン20Aにより収音され、収音された音を表すオーディオ信号がマイクロホン20Aから出力される。ここで、部屋RBにおいて、例えば、空調設備を動作させたことにより、暗騒音が大きくなると、マイクロホン20Bにより部屋RBの大きくなった暗騒音が収音され、収音された暗騒音を表すオーディオ信号がマイクロホン20Bから出力される。そして、各オーディオ信号が入力される信号入力部106においては、マイクロホン20Aで収音された音の音圧レベルAを表す音圧データD1と、マイクロホン20Bで収音された音の音圧レベルBを表す音圧データD2とがCPU102へ出力される。
次に、部屋RAにおいて黄色の表示灯が点灯している状態において、部屋RBの暗騒音の音圧レベルが小さくなった場合の動作について説明する。
まず、部屋RAにおいては、部屋RAに居る者により会話が行われており、この会話の音声がマイクロホン20Aにより収音され、収音された音を表すオーディオ信号がマイクロホン20Aから出力される。ここで、部屋RBにおいて、例えば、空調設備を停止させたり電気機器を停止させたりしたことにより暗騒音が小さくなる。この小さくなった暗騒音は、マイクロホン20Bにより収音され、収音された暗騒音を表すオーディオ信号がマイクロホン20Bから出力される。そして、各オーディオ信号が入力される信号入力部106においては、マイクロホン20Aで収音された音の音圧レベルAを表す音圧データD1と、マイクロホン20Bで収音された音の音圧レベルBを表す音圧データD2とがCPU102へ出力される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明に係る実施形態の一例であり、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
また、上述した実施形態においては、暗騒音の音圧レベル+6[dB]以上で、透過音がはっきりと聞き取れると判断しているが、この判断に使用されている+6[dB]の値を記憶部105に記憶させておき、操作子によりこの値を変更できるようにしてもよい。
この場合、ユーザは、記憶されている値を、部屋の使用時刻(昼間、夜間)や部屋の使用目的(雑談、重要な会議)に応じて変更させることができる。
また、ユーザは、記憶されている値を、部屋を使用する人の嗜好(隣室からの騒音に敏感である、会話の秘密を重視する)に応じて変更させることもできる。
そして、例えば、暗騒音の音圧レベル+5[dB]以上であると、透過音がはっきりと聞き取れると判断してもよいし、暗騒音の音圧レベル+7[dB]以上であると、透過音がはっきりと聞き取れると判断するようにしてもよい。また、このように、判断基準を変更できる態様においては、透過音を不快であると感じた側が操作子を操作して、上述した判断に使用される値(記憶部105に記憶されている値)を変更できるようにしてもよい。
図4は、各部屋への透過音をマスキングする構成を備えた報知システム1Aの全体構成を示した図であり、図5は、この報知システム1Aに係る報知装置10Aのハードウェア構成を示したブロック図である。図4,図5に示したように、この変形例においては、部屋RAにスピーカSPA、部屋RBにスピーカSPBが設けられている点、報知装置10Aがマスキング部108を備えている点が上述した実施形態と異なる。なお、これ以外の構成については上述した実施形態と同じであるため、図4,図5において上述した実施形態と同じ構成要素については図1,図2と同じ符号を付し、その説明を省略する。
また、上述した実施形態においては、界壁の遮音性能を表すD値を用いて透過音の音圧レベルを求めているが、D値以外にも、隣室の音響条件を表す値を使用して透過音の音圧レベルを求めるようにしてもよい。即ち、複数の周波数帯域(例えば、63[Hz]〜4[KHz]までの1/1オクターブバンド毎)における界壁の遮音性能の実測値または計算値でもよいし、他の遮音等級(STC曲線)でもよい。
上述した実施形態においては、部屋RAから部屋RBに透過した透過音の聞こえ方を部屋RAで報知しているが、部屋RAから部屋RBに透過した透過音の聞こえ方を部屋RAと共に部屋RBで報知するようにしてもよい。
また、各部屋は隣合わせでなくてもよく、部屋RAと部屋RBは透過音が伝播する経路に配置された関係でもよい。即ち、上述した実施形態においては、部屋RAと部屋RBとの間に他の空間(例えば、廊下、広間、応接室、休憩所、階段室などの空間)が一つ以上介在して部屋RAと部屋RBとが配置された関係でも本発明は適用することができる。
Claims (6)
- 第1部屋内における音を収音し、収音した音を表す第1オーディオ信号を出力する第1収音手段と、
第2部屋内における音を収音し、収音した音を表す第2オーディオ信号を出力する第2収音手段と、
前記第1オーディオ信号に基づいて前記第1部屋の音の第1音圧を求め、前記第2オーディオ信号に基づいて前記第2部屋の音の第2音圧を求める音圧解析手段と、
前記第1音圧と、前記第1部屋と前記第2部屋との間の遮音性能に関する遮音情報とに基づいて、前記第1オーディオ信号で表される音の前記第2部屋への透過後の第3音圧を求める透過音解析手段と、
前記第2部屋に配置された操作子と、
前記操作子にされた操作に応じて、前記第2音圧に加算する値である判断基準を変更する変更手段と、
前記変更手段で変更された判断基準に基づいて、前記第2音圧に前記判断基準を加算した結果と前記第3音圧との関係を判断する判断手段と、
前記第1部屋及び前記第2部屋に設けられ、前記判断手段の判断結果を報知する報知手段と
を有する報知装置。 - 第1部屋内における音を収音し、収音した音を表す第1オーディオ信号を出力する第1収音手段と、
第2部屋内における音を収音し、収音した音を表す第2オーディオ信号を出力する第2収音手段と、
前記第1オーディオ信号に基づいて前記第1部屋の音の第1音圧を求め、前記第2オーディオ信号に基づいて前記第2部屋の音の第2音圧を求める音圧解析手段と、
前記第1音圧と、前記第1部屋と前記第2部屋との間の遮音性能に関する遮音情報とに基づいて、前記第1オーディオ信号で表される音の前記第2部屋への透過後の第3音圧を求める透過音解析手段と、
前記第1部屋に配置された操作子と、
前記操作子にされた操作に応じて、前記第2音圧に加算する値である判断基準を変更する変更手段と、
前記変更手段で変更された判断基準に基づいて、前記第2音圧に前記判断基準を加算した結果と前記第3音圧との関係を判断する判断手段と、
前記第1部屋に設けられ、前記判断手段の判断結果を報知する報知手段と
を有する報知装置。 - 前記判断手段の判断結果に応じてマスキング音信号を出力するマスキング音信号出力手段と、
前記第2部屋に配置され、前記マスキング音信号出力手段から出力されたマスキング音信号に応じてマスキング音を出力する音出力手段と、
を有する請求項1又は請求項2に記載の報知装置。 - 前記マスキング音信号出力手段は、前記判断手段の判断結果に応じて前記マスキング音の音圧を変化させること
を特徴とする請求項3に記載の報知装置。 - 第1部屋内における音を収音し、収音した音を表す第1オーディオ信号を出力する第1収音手段と、
第2部屋内における音を収音し、収音した音を表す第2オーディオ信号を出力する第2収音手段と、
前記第1オーディオ信号に基づいて前記第1部屋の音の第1音圧を求め、前記第2オーディオ信号に基づいて前記第2部屋の音の第2音圧を求める音圧解析手段と、
前記第1音圧と、前記第1部屋と前記第2部屋との間の遮音性能に関する遮音情報とに基づいて、前記第1オーディオ信号で表される音の前記第2部屋への透過後の第3音圧を求める透過音解析手段と、
前記第2部屋に配置された操作子と、
前記操作子にされた操作に応じて、前記第2音圧に加算する値である判断基準を変更する変更手段と、
前記変更手段で変更された判断基準に基づいて、前記第2音圧に前記判断基準を加算した結果と前記第3音圧との関係を判断する判断手段と、
前記第1部屋及び前記第2部屋に設けられ、前記判断手段の判断結果を報知する報知手段と、
前記判断手段の判断結果に応じてマスキング音信号を出力するマスキング音信号出力手段と、
前記第2部屋に配置され、前記マスキング音信号出力手段から出力されたマスキング音信号に応じてマスキング音を出力する音出力手段と
を有するマスキング装置。 - 第1部屋内における音を収音し、収音した音を表す第1オーディオ信号を出力する第1収音手段と、
第2部屋内における音を収音し、収音した音を表す第2オーディオ信号を出力する第2収音手段と、
前記第1オーディオ信号に基づいて前記第1部屋の音の第1音圧を求め、前記第2オーディオ信号に基づいて前記第2部屋の音の第2音圧を求める音圧解析手段と、
前記第1音圧と、前記第1部屋と前記第2部屋との間の遮音性能に関する遮音情報とに基づいて、前記第1オーディオ信号で表される音の前記第2部屋への透過後の第3音圧を求める透過音解析手段と、
前記第1部屋に配置された操作子と、
前記操作子にされた操作に応じて、前記第2音圧に加算する値である判断基準を変更する変更手段と、
前記変更手段で変更された判断基準に基づいて、前記第2音圧に前記判断基準を加算した結果と前記第3音圧との関係を判断する判断手段と、
前記第1部屋に設けられ、前記判断手段の判断結果を報知する報知手段と、
前記判断手段の判断結果に応じてマスキング音信号を出力するマスキング音信号出力手段と、
前記第2部屋に配置され、前記マスキング音信号出力手段から出力されたマスキング音信号に応じてマスキング音を出力する音出力手段と
を有するマスキング装置。
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