JP2013003422A - 音響システム - Google Patents

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Masayoshi Yamashita
正芳 山下
Yasuaki Takano
泰明 高野
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Abstract

【課題】横一列に並べた静電型スピーカのうちのある静電型スピーカの正面に居る受聴者にその隣の静電型スピーカから放音された音を聴こえ難くする。
【解決手段】静電型スピーカ10−k(k=1〜3)が並べられた室内の暗騒音のレベルが低い場合には、制御装置40は、各静電型スピーカ10−kの隣の静電型スピーカから放音されて各静電型スピーカ10−kの正面の受聴基準点Pに到達する音の聴き取りを妨げるマスカ音Mを広告音声Aとともに各静電型スピーカ10−kから放音させる。これにより、例えば静電型スピーカ10−2の正面方向に居る受聴者Hが、隣の静電型スピーカ10−1及び10−3から放音される広告音声Aを聴き取り難くなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電型スピーカ等の平面スピーカを用いた音響システムに関する。
静電型スピーカと呼ばれる平面スピーカが知られている。静電型スピーカの基本構成及び駆動原理は次の通りである。図4に示すように、静電型スピーカ80は、1枚の振動板81と、この振動板81を両側から挟む2枚の電極板82F及び82Bとを有する。振動板81と両側の電極板82F及び82Bの各々は同じ距離dだけ離れている。振動板81の表面は導電物質によってコーティングされている。電極板82F及び82Bには音波を通過させるための複数の孔が穿設されている。振動板81には直流バイアス電圧Vが印加される。そして、電極板82F及び82Bの各々には正逆2相の入力オーディ信号V及び−V(|V|<V)が印加される。
ここで、振動板81及び電極板82F間の電界強度F1は、振動板81及び電極板82F間の電位差V−Vに依存し、振動板81及び電極板82B間の電界強度F2は、振動板81及び電極板82B間の電位差V−(−V)に依存する。そして、静電型スピーカ80では、正相の入力オーディオ信号Vの極性が正であり、逆相の入力オーディオ信号−Vの極性が負である場合には、V−V<V−(−V)となり、F1<F2となるので、振動板81は電極82B側に向かって変位する。逆に正相の入力オーディオ信号Vの極性が負であり、逆相の入力オーディオ信号−Vの極性が正である場合には、V−V>V−(−V)となり、F1>F2となるので、振動板81は電極82F側に向かって変位する。このように入力オーディオ信号V及び−Vに応じて振動板81が電極82B方向または電極82F方向に変位し、振動板81と電極板82F及び82Bの各々との間に入力オーディオ信号V及び−Vに応じた空気の粗密波である音波が発生し、この音波が電極板82F及び82Bの孔を突き抜けて外側に放射される。以上が、静電型スピーカ80の基本構成及び駆動原理である。
この静電型スピーカ80における振動板81から電極板82Fに向かう方向を正面方向とし、振動板81から電極板82Bに向かう方向を裏面方向とすると、静電型スピーカ80の振動板81から発生した音波の多くは、振動板82F及び82Bの孔を突き抜けた後もほとんど拡散せずに正面方向及び裏面方向に伝わる。よって、静電型スピーカ80から放音される音波は正面方向及び裏面方向に強い指向性を持った平面波となる。静電型スピーカ80に関する技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1がある。
特開2009−232405号公報
ところで、以上のような静電型スピーカを利用したシステムとして、図5(A)及び図5(B)に示すように、複数個の静電型スピーカ80−m(m=1,2…:図5(A)及び図5(B)の例では、m=3)を横一列に並べて各静電型スピーカ80−mから異なる広告音声を放音させる音響システムが考えられる。このシステムによると、各静電型スピーカ80−mから放音する広告音声の音量レベルを同レベルにしたとしても、各静電型スピーカ80−mの正面では各々から放音された広告音声のレベルに比べて隣の静電型スピーカ80−mから放音された広告音声のレベルが小さくなる。このため、このシステムによると、静電型スピーカ80−1の前に居る受聴者Hには静電型スピーカ80−1から放音される広告音声だけを聴かせ、隣の静電型スピーカ80−2の前の居る受聴者Hには静電型スピーカ80−2から放音される広告音声だけを聴かせ…というように、受聴者Hの位置に応じて聴かせる広告音声を分けることができる。よって、高い広告効果を創出することができる。
しかしながら、このシステムでは、次のような問題がある。静電型スピーカ80−mの正面に居る受聴者Hが隣の静電型スピーカ80−mから放音された広告音声をどの程度明瞭に聴き取れるかは、隣り合う静電型スピーカ80−mの各々から放音された広告音声の音量レベル差だけでなく、静電型スピーカ80−mが並べられた空間内の暗騒音BKにも依存する。例えば、図6(A)に示すように、静電型スピーカ80−2の正面に受聴者Hが居り、静電型スピーカ80−2から放音された広告音声の音量レベルLV、その隣の静電型スピーカ80−3から放音された広告音声の音量レベルLV、及び暗騒音BKの音量レベルLVBKの大小関係がLV>LVBK>LVである場合、この受聴者Hは隣の静電型スピーカ80−3から放音された広告音声は聴こえない。これに対し、図6(B)に示すように、大小関係がLV>LV>LVBKである場合、受聴者Hは隣の静電型スピーカ80−3から放音された広告音声が聴き取れてしまう。よって、複数個の静電型スピーカ80−kを横一列に並べたにすぎない構成は、暗騒音BKのレベルLVBKが低い静謐な空間内において十分な効果を発揮できないという問題があった。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、横一列に並べた静電型スピーカのうちのある静電型スピーカの正面に居る受聴者に、隣の静電型スピーカから放音された音を聴こえ難くすることを目的とする。
本発明は、ほぼ同一方向を向き、隣り合って配置された複数のスピーカと、複数のオーディオ信号を前記複数のスピーカに各々供給して前記複数のスピーカから放音させるとともに、各スピーカの隣のスピーカから放音されて各スピーカの正面の受聴基準点に到達する音の聴き取りを妨げる音量レベルを有するマスカ音を各スピーカから放音させる制御手段とを具備する音響システムを提供する。
本発明によると、複数のスピーカの各々から、隣のスピーカから放音されて各スピーカの正面の受聴基準点に到達する音の聴き取りを妨げるマスカ音が放音される。よって、本発明によると、マスカ音が放音されるスピーカの正面に居る受聴者に隣のスピーカから放音される音を聴こえ難くすることができる。
本発明の第1及び第2実施形態である音響システムの構成を示す図である。 同システムにおける静電型スピーカの配置の態様を示す図である。 同システムの動作を説明するための図である。 従来の静電型スピーカの構成を示す図である。 図4に示す静電型スピーカを複数利用したシステムの構成例を示す図である。 同システムの問題点を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態である音響システムの構成を示す図である。図2は、同システムにおける静電型スピーカ10−k(k=1〜3)の配置の態様を示す図である。この音響システムは、各々の最外殻をなす保護部材3F,3Bに各言語(例えば、英語、日本語、中国語とする)の広告がプリントされた静電型スピーカ10−k(k=1〜3)と、英語、日本語、中国語の広告音声A(k=1〜3)のオーディオ信号X(k=1〜3)を出力する音源50と、音源50と静電型スピーカ10−k(k=1〜3)との間に介挿された制御装置20と、暗騒音BKの収音に利用するマイクロホン60とを有する。図2に示すように、この音響システムにおける静電型スピーカ10−k(k=1〜3)は、各々の保護部材3F,3Bを同方向(以下、保護部材3Fが向いた方向を正面方向とし、保護部材3Bが向いた方向を裏面方向とする)に向けて横一列に並べられている。この音響システムでは、広告音声A(k=1〜3)を静電型スピーカ10−k(k=1〜3)から各々放音させるとともに、各静電型スピーカ10−kの隣の静電型スピーカから放音されて各静電型スピーカ10−kの正面の受聴基準点に到達する音の聴き取りを妨げるマスカ音M(例えば、広帯域ノイズをマスカ音Mとする)を各静電型スピーカ10−kから放音させる。
図1において、各静電型スピーカ10−kは、スピーカユニット11−kと入力端子12−k,13−k,及び14−kとを有する。スピーカユニット11−kは、1枚の振動板1と、振動板1を外側から挟む2枚の電極板2F及び2Bと、両電極板2F及び2Bを外側から挟む2枚の保護部材3F及び3Bと、振動板1と電極板2Fの間、振動板1と電極板2Bの間、電極板2Fと印刷板3Fの間、及び電極板2Bと印刷板3Bの間に各々介挿された弾性部材4F,4B,5F,及び5Bとからなる。
より詳細に説明すると、振動板1は、PET(polyethylene terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)またはPP(polypropylene:ポリプロピレン)などの絶縁性および柔軟性を有する合成樹脂のフィルム(絶縁層)を基材とし、フィルムの一方の面に導電性のある金属を蒸着して導電膜(導電層)を形成したシート状の構成となっている。なお、本実施形態においては、振動板1の導電膜は、フィルムの一方の面に形成されているが、フィルムの両面に形成されていてもよい。また、振動板1のフィルムは、PETやPPに限定されず、他の合成樹脂のフィルムに導電性を有する金属を蒸着あるいは導電性塗料を塗布したものであってもよい。また、振動板1は、導電性を有する金属を圧延して膜状にした導電膜の構成であってもよい。また、電極板2F及び2Bは、PETまたはPPなどの絶縁性を有する合成樹脂のフィルム(絶縁層)を基材とし、フィルムの一方の面に導電性のある金属を蒸着して導電膜(導電層)を形成した構成となっている。電極板2F及び2Bは、正面から見て(図1の矢印A方向から見て)矩形となっており、表面から裏面に貫通する孔を複数有しており、空気および音の通過が可能となっている。なお、図面においては、この孔の図示を省略している。電極板2F及び2Bは、導電性を有する金属を圧延して膜状にした導電膜の構成であってもよい。なお、本実施形態では、電極板2F及び2Bの縦方向の長さは振動板1の縦方向の長さより長く、電極板2F及び2Bの横方向の長さは振動板1の横方向の長さより長くなっている。
弾性部材4F,4B,5F,及び5Bは、本実施形態においては、繊維で形成された不織布であって、空気および音の通過が可能となっており、その形状は正面から見て(図1の矢印A方向から見て)矩形となっている。また、弾性部材4F,4B,5F,及び5Bは、弾性を有しており、外部から力を加えられると変形し、外部から加えられた力が取り除かれると元の形状に戻る。なお、本実施形態においては、弾性部材4F,4B,5F,及び5Bの縦方向及び横方向の長さは、電極板2F,2Bの縦方向及び横方向の長さと同じになっている。弾性部材4F及び4Bを間に挟んで支持されることにより、振動板1及び電極板2F間と振動板1及び電極板2B間には一定の距離が確保される。
保護部材3F及び3Bは、絶縁性を有する布である。保護部材60は、正面から見て(図1の矢印A方向から見て)矩形となっており、空気及び音の通過が可能となっている。保護部材3Fと保護部材3Bには、上述した広告がプリントされている。なお、本実施形態においては、保護部材3F及び3Bの縦方向及び横方向の長さは、弾性部材4F,4B,5F,及び5Bの縦方向及び横方向の長さと同じになっている。また、入力端子12−kは電極板2Bと接続されている。入力端子13−kは電極板2Fと接続されている。入力端子14−kは振動板1と接続されている。
制御装置20は、入力端子21−k(k=1〜3)と、出力端子22−k(k=1〜3),23−k(k=1〜3)及び24−k(k=1〜3)と、マイク端子25と、加算部26−k(k=1〜3)と、パワーアンプ27−k(k=1〜3)と、保護抵抗28−k(k=1〜3)及び29−k(k=1〜3)と、トランス30−k(k=1〜3)と、バイアス電源31−k(k=1〜3)と、保護抵抗32−k(k=1〜3)と、制御部40とを有する。
制御装置20における入力端子21−k(k=1〜3)は音源50と接続されている。出力端子22−k(k=1〜3)における各出力端子22−kは、静電型スピーカ10−kの入力端子12−kと接続されている。出力端子23−k(k=1〜3)における各出力端子23−kは、静電型スピーカ10−kの入力端子13−kと接続されている。出力端子24−k(k=1〜3)における各出力端子24−kは、静電型スピーカ10−kの入力端子14−kと接続されている。マイク端子25は、マイクロホン60と接続されている。このマイクロホン60は、音響システムが設置された環境の暗騒音BKを収音するためのものである。加算部26−k、パワーアンプ27−k、保護抵抗28−k及び29−k、並びにトランス30−kは入力端子21−kと出力端子22−kの間に直列に介挿されている。より具体的に説明すると、加算部26−kの一方の入力端子は入力端子22−kと接続されており、同部26−kの出力端子はパワーアンプ27−kの入力端子と接続されている。また、加算部26−kの他方の入力端子は制御部40と接続されている。パワーアンプ27−kの正極出力端子は保護抵抗28−kを介してトランス30−kの入力側コイルの一端と接続されている。パワーアンプ27−kの負極出力端子は保護抵抗29−kを介してトランス30−kの入力側コイルの他端と接続されている。トランス30−kの出力側コイルの一端と他端の間の中点は、保護抵抗39−kを介してグランドと接続されている。トランス30−kの出力側コイルの一端は出力端子22−k及び静電型スピーカ10−kの入力端子12−kを介して静電型スピーカ10−kの電極板2Bと接続されている。トランス30−kの出力側コイルの他端は出力端子23−k及び静電型スピーカ10−kの入力端子13−kを介して静電型スピーカ10−kの電極板2Fと接続されている。
バイアス電源31−k及び保護抵抗32−kは、出力端子24−kとグランドの間に介挿されている。バイアス電源31−kは、トランス30−kの出力側コイルの中点と同じ電圧レベルを持った直流バイアス電圧Vを発生する。この直流バイアス電圧Vは保護抵抗32−kと端子24−k及び14−kを介して振動板1に印加される。バイアス電圧Vを振動板1に印加した状態において、トランス30−kの入力側コイルの一端及び他端間にオーディオ信号Xが供給された場合、そのオーディオ信号Xの電圧を入力側コイルの巻回数N1と出力側コイルの巻回数N2の比N1/N2に応じて増幅した電圧Vがトランス30−kの出力側コイルの一端から端子22−k及び12−kを介して電極板2Bに印加される。また、電圧Vと逆の位相を持った電圧−Vがトランス30−kの出力側コイルの他端から端子23−k及び13−kを介して電極板2Fに印加される。これにより、振動板1と電極板2Fの間の電界強度及び振動板1と電極板2Bの間の電界強度の大小関係が変化して振動板1が振動し、オーディオ信号Xと同じ波形を有する音波が正面方向及び裏面方向に向けて放出される。
制御部40は、A/D変換部41と、ノイズ発生源42と、マイコン43とを有する。制御部40は、静電型スピーカ10−k(k=1〜3)の正面方向に向かって所定距離だけ離間した各点を受聴基準点とし、各静電型スピーカ10−kから放音される音Aの受聴基準点における音量レベルよりも小さく隣の静電型スピーカから放音される音の受聴基準点における音量レベルよりも大きな音量レベルをもったマスカ音Mを各静電型スピーカ10−kから各々放音させる。
以下、静電型スピーカ10−k(k=1〜3)のうち真中の静電型スピーカ10−2を基準スピーカとした場合を例にとり、制御部40の動作を具体的に説明する。図3に示すように、この例では、静電型スピーカ10−2の保護部材3Fの中心から正面方向に距離D(D=5m)だけ離れた点が受聴基準点Pであるものとし、マイクロホン60はこの基準点Pにおける音を収音する。制御部40内のA/D変換部41は、マイクロホン60の出力信号をデジタル形式の音信号Yに変換して出力する。マイコン43は、音源50からのオーディオ信号X(k=1〜3)の出力が始まる直前にA/D変換部41から出力された音信号Yを暗騒音BKの音信号YBKとして取り込み、この音信号YBKから暗騒音BKの音量レベルLVBKを求める。また、制御部40内のノイズ発生源42は、広帯域ノイズ音の音信号Zを発生する。
マイコン43は、音源50からのオーディオ信号X(k=1〜3)の出力が始まると、基準スピーカである静電型スピーカ10−2に隣接する静電型スピーカ10−1及び10−3に関して、以下の処理を行う。即ち、マイコン43は、静電型スピーカ10−1及び受聴基準点P間の位置関係に応じた補正係数をオーディオ信号Xに乗算することにより、オーディオ信号Xを受聴基準点Pにおける音Aの音量レベルLVに変換する。また、マイコン43は、静電型スピーカ10−3及び受聴基準点P間の位置関係に応じた補正係数をオーディオ信号Xに乗算することにより、オーディオ信号Xを受聴基準点Pにおける音Aの音量レベルLVに変換する。次に、マイコン43は、音量レベルLVと音量レベルLVBKとの音量レベル差LV−LVBK、及び音量レベルLVと音量レベルLVBKとの音量レベル差LV−LVBKを求める。次に、マイコン43は、音量レベル差LV−LVBK及びLV−LVBKと閾値THとを比較し、音量レベル差LV−LVBK及びLV−LVBKのいずれか一方が閾値THを上回っている場合には、受聴基準点Pに居る受聴者Hが静電型スピーカ10−1の放出音Aまたは静電型スピーカ10−3の放出音Aを聴き取れてしまう程度にまで暗騒音BKの音量レベルLVBKが低下していると判定する。ここで、上述したように、受聴基準点Pに居る受聴者Hが自身の正面のスピーカ10−2の隣のスピーカ10−1,10−3の放出音A,Aを聴き取れてしまう状態であるか否かは、暗騒音BKの音量レベルLVBK,隣のスピーカ10−1,10−3の放出音A,Aの音量レベルLV,LV、及び正面のスピーカ10−2の放出音Aの音量レベルLVの関係に依存する。よって、この判定における閾値THは、オーディオ信号Xのスピーカ10−2への供給によって同スピーカ10−2から放音されるであろう音Aの音量レベルLV(推定値)などを考慮して設定するとよい。マイコン43は、音量レベル差LV−LVBK及びLV−LVBKと閾値THとを比較した結果を踏まえ、次のような処理を行う。
a1.音量レベル差LV−LVBK及びLV−LVBKのうち一方または両方が閾値THより大きい場合
この場合、マイコン43は、静電型スピーカ10−1及び10−3の中から当該スピーカ10−kの放出音Aの音量レベルLVと音量レベルLVBKとの音量レベル差LV−LVと閾値THとの大小関係がLV−LVBK>THであるもの(例えば、静電型スピーカ10−1とする)を特定する。次に、マイコン43は、信号X,X,及びYBKの振幅から、受聴基準点Pにおける静電型スピーカ10−1の放出音Aの音圧レベルLV,静電型スピーカ10−2の放出音Aの音圧レベルLV,及び暗騒音BKの音量レベルLVBKとマスカ音Mの音量レベルLVのエネルギー和である音量レベルLVBK+Mの大小関係がLV>LVBK+M>LVとなるようなマスカ音Mの目標音量レベルLVを求める。その上で、マイコン43は、ノイズ発生源42から出力される信号Zをこの目標音量レベルLVに応じた利得Rで増幅し、増幅した信号Z×Rを加算部26−2に供給する。加算部26−2では、オーディオ信号Xと音信号Z×Rとが加算され、この加算結果である加算信号X+Z×Rがパワーアンプ27−2に出力される。これにより、静電型スピーカ10−2からは広告音声Aとマスカ音M(広帯域ノイズ)とを含む音が放音される。このマスカ音Mは受聴基準点Pにおけるマスキング効果を高める。この結果、静電型スピーカ10−2の正面方向における隣の静音型スピーカ10−1から放音されて受聴基準点Pの方に回り込む音の明瞭度が低下する。
b2.音量レベル差LV−LVBK及びLV−LVBKの両方が閾値THより小さい場合
この場合、マイコン43は、ノイズ発生源42の出力信号Zの加算部26−2への供給を止める。
以上、真中の静電型スピーカ10−2を例に制御部40の動作を説明したが、制御部40は他の静電スピーカ10−1、10−3についても同様なマスカ音Mの発生/消音の制御および発生時における音量の制御を行う。ここで、各静電型スピーカ10−k(k=1〜3)は、同じ音量で音A(k=1〜3)の放音を行う場合もあるが、異なる音量で音A(k=1〜3)の放音を行う場合もある。後者の場合、各静電型スピーカ10−kの隣の静電型スピーカから放音されて各々の正面の受聴基準点Pに到達する音の音量レベルは、各静電型スピーカ10−k(k=1〜3)間で異なったものとなる。例えば、静電型スピーカ10−1が大音量での放音を行っており、静電型スピーカ10−2が小音量での放音を行っている場合、静電型スピーカ10−2から放音されて静電型スピーカ10−1の正面の受聴基準点に到達する音の音量レベルは小さくなるが、静電型スピーカ10−1から放音されて静電型スピーカ10−2の正面の受聴基準点に到達する音の音量レベルは大きくなる。このような場合、制御部40は、静電型スピーカ10−2からは大きな音量のマスカ音Mを放音させるが、静電型スピーカ10−1からは小さな音量のマスカ音Mを放音させるか、あるいはマスカ音Mを放音させない、という制御を行うこととなる。
以上説明したように、本実施形態では、静電型スピーカ10−k(k=1〜3)が配置された室内における暗騒音BKのレベルLVBKが、静電型スピーカ10−kの放出音Aに比べて小さく、隣の静電型スピーカから放音されて各静電型スピーカ10−kの正面の受聴基準点Pに到達する音の聴き取りが行われる可能性が高い場合に、各静電型スピーカ10−kから隣の静電型スピーカからの音の聴き取りを妨げる音量を有するマスカ音Mを放音させる。よって、本実施形態によると、各静電型スピーカ10−kの正面に居る受聴者Hに隣の静電型スピーカから放音された音を聴こえ難くすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態の制御装置20内のマイコン43に対して、各静電型スピーカ10−k(k=1〜3)から放音させるマスカ音M(広帯域ノイズ)の周波数帯域を調整する機能を設けたものである。静電型スピーカ10−2から放音させるマスカ音Mを例に挙げると、本実施形態では、静電型スピーカ10−1及び10−3から放音される音A及びAの周波数成分が属する周波数帯域に周波数成分を有するマスカ音Mを、静電型スピーカ10−2から放音させる。より具体的には、マイコン43は、上述したa1.の処理において、静電型スピーカ10−1及び10−3を供給先とするオーディオ信号X及びXの周波数成分を解析する。そして、マイコン43は、ノイズ発生源42が発生させた広帯域ノイズの信号Zからオーディオ信号X及びXに含まれるものと同じ帯域の周波数成分のみを選択し、この選択した周波数成分だけを加算器26−2に供給する。以上、静電型スピーカ10−2から放音させるマスカ音Mを例に説明したが、マイコン43は、静電型スピーカ10−1および10−3から放音させる各マスカ音Mについても同様な周波数帯域の調整を行う。本実施形態によると、静電型スピーカ10−k(k=1〜3)の各々の正面に居る受聴者Hに与える違和感を最小限に抑えつつ、各々の隣の静電型スピーカから放音された音を聴こえ難くすることができる。
以上、この発明の第1乃至第2実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば、以下の通りである。
(1)上記第1及び第2実施形態において、制御部40内のマイコン43は、音量レベル差LV−LVBK及びLV−LVBKのうち一方または両方が閾値THより大きい場合(上述したa1.の場合)は、音量レベル差LV−LVBK及びLV−LVBKと閾値THとの差の大きさにかかわらず、所定の音量レベルの音信号Zを加算部26−kに供給するようにしてもよい。
(2)上記第1及び第2実施形態において、静電型スピーカ10−k(k=1〜3)の数は3つであったが、この個数を2つにしてもよいし、4つ以上にしてもよい。また、静電型スピーカ10−k(k=1〜3)を横一列に並べる必要はない。たとえば、各々の正面方向が重ならないようにハの字状に並べてもよい。
(3)上記第1及び第2実施形態では、静電型スピーカ10−k(k=1〜3)の各々について個別的にマスカ音Mの放音/放音停止の制御および音量の制御を行ったが、測定した暗騒音BのレベルLVBKが閾値未満である場合に、全ての静電型スピーカ10−k(k=1〜3)から一定音量のマスカ音Mを放音させ、閾値以上である場合には全ての静電型スピーカ10−k(k=1〜3)からのマスカ音Mの放音を停止させるようにしてもよい。
(4)上記第1及び第2実施形態では、平面スピーカとして静電型スピーカを用いたが、平面音波を放音可能なものであれば、静電型スピーカ以外のスピーカを用いてもよい。
(5)上記第1及び第2実施形態では、マスカ音Mとして広帯域ノイズを用いたが、広帯域ノイズ以外の音、例えば人の音声を加工することにより得られた音をマスカ音Mとして用いてもよい。また、ノイズ発生源42の出力信号Z(広帯域ノイズの音信号)の周波数成分を受聴基準点Pにおける暗騒音BKと同等の周波数特性を有するように補正した信号Z’をマスカ音Mとしてもよい。このようにすれば、マスカ音M自体の喧騒感を和らげつつ隣の静音型スピーカ10−1及び10−3の放出音A及びAを効率よくマスキングすることができる。
1…振動板、2…電極板、3…保護部材、4,5…弾性部材、10…静電型スピーカ、20…制御装置、27…パワーアンプ、28,29,39,32…保護抵抗、30…トランス、31…バイアス電源、40…制御部、41…A/D変換部、42…ノイズ発生源、43…マイコン、50…音源、60…マイクロホン。

Claims (5)

  1. ほぼ同一方向を向き、隣り合って配置された複数のスピーカと、
    複数のオーディオ信号を前記複数のスピーカに各々供給して前記複数のスピーカから放音させるとともに、各スピーカの隣のスピーカから放音されて各スピーカの正面の受聴基準点に到達する音の聴き取りを妨げる音量レベルを有するマスカ音を各スピーカから放音させる制御手段と
    を具備することを特徴とする音響システム。
  2. 前記制御手段は、各スピーカの隣のスピーカから放音されて各スピーカの正面の受聴基準点に到達する音の音量レベルよりも大きく、各スピーカから放音されて各スピーカの正面の受聴基準点に到達する音の音量レベルよりも小さい音量レベルをもったマスカ音を各スピーカから放音させることを特徴とする請求項1に記載の音響システム。
  3. 前記制御手段は、各スピーカの隣のスピーカから放音されて各スピーカの正面の受聴基準点に到達する音の音量レベルが暗騒音の音量レベルよりも小さい場合に、マスカ音を放音させることを特徴とする請求項1または2に記載の音響システム。
  4. 前記受聴基準点の音を収音する収音手段を具備し、
    前記制御手段は、前記スピーカへのオーディオ信号の供給が始まる前に前記収音手段が出力した音信号から前記暗騒音の音量レベルを求めることを特徴とする請求項3に記載の音響システム。
  5. 前記制御手段は、各スピーカの隣のスピーカから放音させる音の周波数成分が属する周波数帯域に周波数成分を有するマスカ音を各スピーカから放音させることを特徴とする請求項1または2に記載の音響システム。
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