JP2013113744A - 騒音監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮音性に優れた仕切材を用いる代わりに騒音を自覚させることによって空気音による騒音の発生を抑止させ、しかも、既存の建物において簡易に設置可能にする。
【解決手段】評価装置10は、部屋で生じた空気音を音センサ20の出力から検出する空気音検出部11と、空気音の発生位置までの距離を求める距離推算部13と、空気音の発生位置での音圧を推算する発生音推算部12とを備える。さらに、評価装置10は、空気音の音圧と仕切材の遮音性能との関係を用いて発生音推算部12で推算した音圧から隣接空間に伝達される音波の音圧を推算する伝達音圧推算部14と、伝達音圧推算部14で推算した隣接空間の音圧を規定の閾値と比較することにより隣接空間の音圧を評価し評価結果を通知装置30から通知させる比較判定部15と、伝達音圧推算部14が用いる遮音性能がパラメータとして設定されるパラメータ設定部16とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、室内で発生した騒音が周囲に与える影響を可視化して報知する騒音監視装置に関するものである。
一般に、壁材や床材のような仕切材により仕切られた空間において発生した音は、仕切材を通して隣接空間に伝達されることがある。すなわち、音が発生した空間が、集合住宅の住戸のような部屋である場合、家の中の区画である部屋である場合、部屋の中に区画を形成する防音室のような部屋である場合に、部屋の外側の空間である隣接空間に音が伝達されることがある。隣接空間に伝達される音は、隣接空間に居る人にとって時に騒音と認識される。したがって、隣接空間に居る人に伝達される音は、たとえば、音圧レベルが40dB以下であることが要求される。
この種の問題を解決するために、壁材や床材のような仕切材において遮音性を高める技術が種々提案されている(たとえば、特許文献1、2参照)。
また、自室から発生する騒音に対する自覚がなく、騒音が発生していることに気付かない場合がある。その一方で、自室から発生して隣接空間に伝達される騒音の大きさに気遣う人もまた多く存在する。
上述の事情から、自室から隣接空間に伝達される騒音の大きさを推定することが要望されている。この種の技術としては、仕切材である床の振動を検知して振動の大きさを騒音の値に換算し、さらに騒音の値が閾値より大きいときに警告メッセージを出力する構成も知られている(たとえば、特許文献3参照)。
特開平9−195490号公報 特開2007−205071号公報 特開2006−29859号公報
特許文献1、2に記載された技術のように、遮音性を高める仕切材を用いることは、有効な手段であるが、遮音性を高める仕切材は概して高価であって、コスト高になるという問題を有している。また、遮音性に優れた高価な仕切材を用いたとしても、隣接空間に伝達される音を皆無にすることは困難であるから、騒音が隣接空間に伝達される可能性が残される。
一方、特許文献3に記載された技術のように、仕切材に伝達された振動を検出し、この振動から騒音の大きさを推定して、警告メッセージを出力する技術を採用すると、隣接空間に伝達される騒音を自覚させることが可能になる。また、遮音性に優れた仕切材を用いる場合と比較すると、騒音を自覚させるほうが低コストで実現可能になると考えられる。しかも、騒音を発生させる行為を抑止する効果があるから、騒音が隣接空間に伝達される可能性を大幅に低減できることになる。
しかしながら、特許文献3に記載された技術を採用するには、仕切材に伝達された振動を検出するために、床材や天井材あるいは壁材などの仕切材の内部に衝撃力や振動を検出するためのセンサを配置する必要がある。そのため、専用の仕切材が必要になるから、コスト高になる上に、新築やリフォームの際にしか設置することができないという問題を有している。
また、特許文献3に記載された技術では、床の振動を検出しているから、床上ではない場所で発生した音(いわゆる、空気音)については評価することが困難である。つまり、特許文献3に記載された技術では、壁材を通して隣家に伝達される空気音について騒音になるか否かを評価することができない。
本発明は、遮音性に優れた仕切材を用いる代わりに騒音を自覚させることによって空気音による騒音の発生を抑止させ、しかも、既存の建物において簡易に設置可能にした騒音監視装置を提供することを目的とする。
本発明は、建物の部屋で発生した音を検出する音センサと、音センサの出力を用いて特定音を検出し特定音に起因して隣接空間に伝達される音波の音圧を評価する評価装置と、評価装置の評価結果を前記部屋に通知する通知装置とを備え、評価装置は、前記部屋で生じる空気音を音センサの出力から検出する空気音検出部と、空気音検出部が検出した空気音の発生位置までの距離を求める距離推算部と、距離推算部が求めた距離と音センサの出力とから空気音の発生位置での音圧を推算する発生音推算部と、発生音推算部で推算した音圧から前記部屋の平均音圧を求めるとともに前記部屋と前記隣接空間との間の遮音性能を用いて前記隣接空間に伝達される音波の音圧を推算する伝達音圧推算部と、伝達音圧推算部で推算した前記隣接空間の音圧を規定の閾値と比較することにより前記隣接空間の音圧を評価し評価結果を通知装置から通知させる比較判定部と、伝達音圧推算部が用いる遮音性能がパラメータとして設定されるパラメータ設定部とを備えることを特徴とする。
この騒音監視装置において、比較判定部に設定される前記閾値は、空気音の周波数域における最小可聴値と、音センサが検出している暗騒音の音圧とに基づいて設定されることが好ましい。
この騒音監視装置において、音センサは複数本のマイクロホンを備え、距離推算部はマイクロホンにそれぞれ音波が入射する時間差に基づいて空気音の発生位置までの距離を求めることが好ましい。
本発明の構成によれば、遮音性に優れた床材を用いる代わりに騒音を自覚させることによって空気音による騒音の発生を抑止させ、しかも、既存の建物において簡易に設置することができるという効果が得られる。
実施形態を示すブロック図である。 同上の動作例を示す図である。 音圧と距離との関係を示す図である。 最小可聴値の周波数特性を示す図である。 同上の外観を示す正面図である。
以下に説明する実施形態は、集合住宅における住戸における隣家を隣接空間として例示するが、集合住宅の住戸内の部屋あるいは戸建て住宅における部屋、室内に設置される防音室のような部屋であっても本実施形態の技術思想を適用することが可能である。すなわち、「隣接空間」は、壁や床のような仕切材を隔てた家、家の中の区画である部屋、部屋の中に設けた区画(防音室など)の外側空間などを意味する。集合住宅の場合の隣接空間は、同じ階で隣接している住戸だけではなく、異なる階で上下のいずれかに位置する住戸も含む。上階と下階との住戸では、下階の住戸がとくに重要である。
本実施形態は、部屋で発生する音のうち、部屋の空間を規定する壁や床から離れて発生する音(いわゆる「空気音」)が騒音の原因となる場合について説明する。空気音は、話し声、映像機器や音響機器から出力される音、楽器の音、電気機器(掃除機、洗濯機、電動工具など)の使用時に発生する音などであって、主として壁材を通して隣家の住戸に伝達される。
すなわち、図2に示すように、空気音を発生する部屋1aと、部屋1aからの空気音が騒音として伝達される隣室の部屋1bとを想定して説明する。部屋1aには、後述する器体40が配置される。器体40には、室内で発生する音を検出する音センサ20と、部屋1aで発生した空気音が隣家の部屋1bへの騒音になるか否かを評価する評価装置10と、評価装置10による評価結果を通知する通知装置30とが設けられる(図1参照)。
評価装置10は、後述するように、音センサ20が検出した音を分析し、他の部屋1bに居る人にその音が聞こえる程度を評価する。さらに、評価装置10は、部屋1aで発生した音が他の部屋1bに居る人に騒音として聞こえる可能性があるか否かを判断する。通知装置30は、部屋1aに居る人に評価装置10の評価結果を通知し、評価装置10において、部屋1aで発生した音が他の部屋1bに居る人に騒音として伝達される可能性があると判断されたときに、その旨を通知する。すなわち、騒音の発生を可視化することにより、部屋1aに居る人に、自室からの騒音の発生を気付かせることができる。
通知装置30としては、点灯と消灯とのみを行う報知灯、色が変化する報知灯、文字や図形を表示する表示器、それらの組み合わせなどを選択することができる。たとえば、報知灯であれば、常時は消灯しており、騒音と判断されると点灯する構成を採用することができる。あるいは、文字を表示する表示器としてバックライト付きの液晶表示器を用いるとすれば、常時は非表示であって、騒音と判断されると文字メッセージにより騒音の発生を通知するとともに、バックライトを点灯させる構成を採用することができる。
通知装置30は、視覚的ではなく聴覚的に通知するように構成してもよい。すなわち、通知装置30は、通知音や音声メッセージを用いて評価装置10の評価結果を通知するように構成してもよい。たとえば、評価装置10により騒音の発生と判断されると、ビープ音を出力する構成や音声メッセージにより通知する構成などを通知装置30として採用することが可能である。さらに、視覚的通知と聴覚的通知をと組み合わせて行う通知装置30を採用してもよい。
音センサ20は、複数個のマイクロホン21を備える。複数本のマイクロホン21を用いることにより、評価装置10では、各マイクロホン21に入射する音波の音圧や位相に基づいて音の発生位置を推定することが可能になる。音の発生位置を推定する技術については後述する。マイクロホン21は、どの動作原理のものを用いてもよいが、一般的には、コンデンサ型、ダイナミック型、圧電型から選択される。
音センサ20を構成するマイクロホン21は、部屋1aでの空気音の発生位置を検出するために、離間して3個以上設けられる。音の発生位置がわかれば、音の発生位置での音圧を、音センサ20で検出した音圧と音の発生位置までの距離とから推定することが可能になる。音の発生位置までの距離を正確に求めるためには、隣接する各一対のマイクロホン21の間隔は大きいほうが望ましいが、音センサ20として許容されるサイズを考慮して通常は5〜30cm程度に設定される。
以下では、音センサ20が3個のマイクロホン21を備え、マイクロホン21が一平面上で三角形の頂点に位置するように配置されている構成を想定して説明する。マイクロホン21は一直線上に並んでいなければよいが(つまり、三角形の頂点に位置していればよいが)、正三角形の各頂点にマイクロホン21が配置されることが好ましい。とくに、正三角形の1つの頂点を通る上下方向の直線を挟んで残りの2つの頂点が線対称の位置に配置されることが好ましい。
評価装置10は、マイクロコンピュータ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などから選択されるプロセッサを備えたデジタル信号処理デバイスを用いて構成される。すなわち、評価装置10は、以下の機能を実現するためのプログラムを実行する。また、評価装置10は、音センサ20の出力をデジタル信号に変換するために図示しないアナログ−デジタル変換器を備える。
評価装置10は、図1に示すように、音センサ20の出力信号を用いて空気音を検出する空気音検出部11を備える。空気音検出部11は、音センサ20の出力信号から所要の特徴量を抽出した後、抽出した特徴量を用いて空気音を検出するとともに、空気音の音圧を算出する。空気音検出部11が音声信号から抽出する空気音の特徴量は、音センサ20の出力信号に関する振幅、周波数分布などから選択される。空気音検出部11は、特徴量が規定値であるときに検出対象の空気音が発生していると判断する。
特徴量としては、空気音の伝達を特徴付ける周波数成分を実測して求めるか、特定の周波数域の平均値や最小値のような統計値を用いることが好ましい。あるいはまた、可聴周波数域を複数の区間に区分し、区間ごとの代表値を特徴量に用いてもよい。この場合、1区間は、たとえば、1/3オクターブに設定すればよい。
ところで、音センサ20に入力される空気音の音圧は、空気音が発生した場所と音センサ20との距離に応じて変化する。したがって、隣家の部屋1bに壁を通して伝達される空気音を見積もるには、空気音の発生場所での音圧を評価する必要がある。そのため、評価装置10は、空気音検出部11が検出した空気音について、空気音の発生位置における音圧を推定する発生音圧推算部12を備える。発生音圧推算部12は、音センサ20の出力から求められる空気音の音圧を、後述する距離推算部13が推算した空気音の発生位置までの距離によって補正し、空気音の発生位置における空気音の音圧を推算する。
すなわち、空気音の音圧は空気音が発生した位置から音センサ20までの距離が大きいほど小さくなるから、発生音圧推算部12では、距離と音圧との関係を実測あるいは理論式によって規定しておくことにより、空気音の発生場所での音圧を推定することが可能になる。ここに、部屋1aが狭いほど距離変化に対する音圧の減衰が少なく、また部屋1aの残響時間が長いほど距離変化に対する音圧の減衰が少ないと考えられる。
そこで、部屋1aの容積および残響時間から求められる評価値を、距離に対する音圧の減衰特性に対応付けている。具体的には、部屋1aの容積および残響時間から求められる「R値」という評価値を用い、図3に示すように、距離に対する音圧の減衰特性をR値ごとに分類する。R値は、部屋1aの容積が小さく、残響時間が長いほど小さい値になる。一般的な居住用の部屋1aでは、R値は20〜50程度になる。
R値は部屋1aの容積および残響時間から求められるが、空気音の発生場所における空気音の音圧を求めるには、音センサ20から空気音の発生場所までの距離を求める必要がある。そのため、評価装置10は、音センサ20の出力から音の発生位置までの距離を推定する距離推算部13を備える。本実施形態の距離推算部13は、空気音検出部11が検出した検知対象の空気音について、評価装置10に規定した座標系における3次元の座標位置を求め、空気音が発生した座標位置を用いて音センサ20から空気音の発生位置までの距離を求める。
距離推算部13は、マイクロホン21に入射する音波を用いて空気音の発生位置の推定を行うために、たとえば、2D−CSP法(Two-Dimensional Cross-Power Spectrum Phase Analysis)を採用する。2D−CSP法は、音センサ20に入射する音波を球面波と仮定するから、音の発生位置が音センサ20から比較的近距離である場合でも音の発生位置が精度よく検出される。なお、2D−CSP法の詳細は、文献(林田亘平ほか,「近接音源位置推定のための2D−CSP法の評価」,信学技報,SIP2010-09,pp.49-54,電子情報通信学会)などに記載されている。
距離推算部13は、音センサ20の出力を用いて空気音の発生位置を、音センサ20に対する3次元の相対位置として特定するから、空気音の発生位置から音センサ20までの距離が求められる。したがって、発生音圧推算部12は、距離推算部13が求めた空気音の発生場所までの距離を用いて、実際に空気音が発生した場所での音圧を算出することが可能になる。すなわち、発生音圧推算部12は、空気音検出部11で求められた音圧および距離推算部13で求められた空気音の発生場所までの距離を用いて、空気音が発生した場所での実際の音圧を推定する。
ところで、部屋1aで生じた空気音は、壁材を透過して隣家の部屋1bに伝達されるから、壁材を透過する際の減衰量を推定する必要がある。壁材に関しては、D値(遮音性能等級)が知られており、D値がわかれば遮音特性として壁材の透過損失の周波数特性を知ることができる。D値は、音波を壁材に透過させたときの音圧の減衰量の平均値をdBで表した値であって、たとえば、平均音圧が70dBである音波が壁材を透過することにより平均音圧が20dBに減衰したとすれば、減衰量は50dBであるから、D値は50になる。すなわち、D値が求められると、平均音圧の減衰量がわかる。
最近では、D値は50に設定されることが多いから、D値として50を仮の値として与えてもよい。ただし、建物の設計値からD値が既知である場合には、設計値を用いてもよい。近年、住宅性能表示制度や建築環境総合性能評価システム(CASBEE)のような住宅性能を表示する制度が普及してきているので、この種の設計値は図面情報から比較的容易に取得可能である。また、設計値ではなく、D値を実測によって求めてもよい。D値の計測方法は、JIS規格として定められている(JIS A1417)。
D値を可変に設定するために、評価装置10は、D値をパラメータとして入力するパラメータ設定部16を備える。パラメータ設定部16は、DIPスイッチのような機械接点を備えるスイッチ、またはメモリスイッチを構成するメモリが用いられる。メモリスイッチを用いる場合、別に設けた設定装置を接続してメモリスイッチの内容を設定する。ここに、設定装置は、専用機以外に、適宜のプログラムを実行して動作しているコンピュータ、タブレット端末、スマートホンなどから選択してもよい。
上述したように、パラメータ設定部16にD値が設定されると、D値の定義から、部屋1aにおける平均室内音圧と部屋1bにおける平均室内音圧との関係は、D値で表される関係になる。部屋1aから部屋1bに伝達される音圧を算出する演算は、評価装置10に設けられた伝達音圧推算部14が行う。すなわち、部屋1aで生じた空気音による室内平均音圧は、上述したように、音センサ20で検出した音波に基づいて発生音圧推算部12において求められているから、伝達音圧推算部14は、発生音圧推算部12の出力値とD値とを用いて部屋1bに伝達される音波の音圧を算出する。
以上説明したように、空気音検出部11において音センサ20の出力を用いて部屋1aで生じた空気音が検出されると、距離推算部13が音センサ20の出力を用いて推定した距離と音センサ20の出力とから発生音圧推算部12が空気音の発生場所での音圧を推算する。こうして発生音圧推算部12が推算した空気音の音圧は、伝達音圧推算部14に入力され、隣接する部屋1bに伝達される音波の平均音圧が推算される。
評価装置10は、部屋1bに伝達された音波の音圧が部屋1bの住人にとって騒音になるか否かを判断するための比較判定部15を備える。比較判定部15は、人の最小可聴値に基づいて音圧に対する閾値が設定され、設定された閾値を超える場合は、部屋1bの住人に対する騒音の発生と判断する。比較判定部15において騒音の発生と判断されたときには、通知装置30を通して部屋1aの住人に騒音が発生したことを通知する。つまり、部屋1aで生じた空気音が隣接する部屋1bの騒音になっていることを部屋1aの住人に通知することによって注意を喚起することになる。
ここにおいて、人の最小可聴値は、雑音が存在しない環境における純音の音圧に対する周波数特性として表されている。また、最小可聴値には個人差があるから、人数の割合に応じて最小可聴値は統計的に定められている。すなわち、図4に示すように、可聴と非可聴との境界値を最小可聴値とし、境界値が得られた人数の割合ごとに最小可聴値が定められる。たとえば、1%の最小可聴値の特性は、この特性が得られる人数が全体の1%であることを意味し、50%の最小可聴値の特性は、この特性が得られる人数が全体の50%であることを意味する。言い換えると、図4において下側の特性ほど、その特性を最小可聴値とする人数が少ないことになる。
上述のように、比較判定部15に設定される閾値は、最小可聴値に基づいて設定されるから、どの程度の割合の人にとって可聴である場合に閾値とするかは、上述したパラメータ設定部16で設定される。パラメータ設定部16に設定する割合は、たとえば50%などとすればよい。
また、空気音の周波数成分は、広域に分布しているから、広域での最小可聴値を用いて閾値が定められる。ただし、最小可聴域となる音圧は周波数によって異なるから、上述した周波数域における音圧の代表値を閾値として用いる。代表値は、上述した周波数域における音圧の最小値あるいは平均値を用いる。
ところで、比較判定部15における閾値を最小可聴値のみに基づいて設定すると、環境音(暗騒音)の音圧が比較的高い時間帯と、環境音の音圧が比較的小さい時間帯とのどちらにも同じ閾値が適用されることになる。一般的には、環境音の音圧が小さい時間帯のほうが小さい音圧であっても騒音と感じられる可能性が高いから、環境音の音圧に応じて閾値を調節することが望ましい。
したがって、比較判定部15は、現場における環境音の音圧に関する時間帯別の計測結果に基づいて閾値を調節する機能を備えていることが好ましい。すなわち、時間帯に応じて環境音の音圧が高いほど比較判定部15の閾値を高く設定するのである。このように閾値を時間帯に応じて動的に設定することにより、部屋1aで生じた空気音が隣接する部屋1bの住人に騒音として感じられるか否かが的確に評価されることになる。具体的には、比較判定部15は、環境音の音圧に応じた既知のM′曲線を用いて空気音に対する閾値を定める。すなわち、あらかじめ計測した環境音の音圧、あるいは環境省が制定している住宅区域情報による環境音の音圧をM′曲線に当てはめることにより、空気音に対する閾値が定められる。
評価装置10、音センサ20、通知装置30は、たとえば、図5に示すように、1つの器体40に設けられる。この器体40は、部屋1aの壁面に取り付けることが想定されている。したがって、先行配線が可能である場合は、埋込型の配線器具と同様に、器体40の一部が壁面に埋め込まれ、壁内に配線された電源線から給電されることになる。また、電源として電池を用いる場合は、器体40に電池を内蔵させておけば、壁面の所望の位置に器体40を配置することが可能になる。
音センサ20および通知装置30は器体40の前面に配置される。器体40の前面は角を落とした正方形状に形成される。また、音センサ20の3個のマイクロホン21は正三角形の頂点となる位置に配置される。2個のマイクロホン21は、器体40の前面における下辺の両端付近に配置される。また、残りの1個のマイクロホン21は、器体40の前面における上部に配置される。
図5に示す構成例は、通知装置30としてLEDまたは有機EL光源を備えた報知灯が用いられている。通知装置30の点灯状態は変更可能とすることが望ましい。点灯状態は、連続点灯と点滅点灯との別で表すほか、調光レベル、発光色などによって表すようにしてもよい。また、比較判定部15は、隣接する部屋1bへの騒音になるか否かの2段階の判断だけではなく、騒音の程度を3段階以上に分類してもよい。たとえば、騒音の音圧を「大」「中」「小」の3段階に設定し、通知装置30では、「大」のときに赤色、「中」のときに黄色、「小」のときに消灯などとすればよい。点灯状態は、比較判定部15の判定結果が変化してから5秒程度でよい。
この構成を採用すれば、隣接する部屋1bに伝達される音圧が、通知装置30に設けたLEDあるいは有機EL光源の点灯状態で段階別に表されるから、たとえば、予備的警告を行う段階と、実際の警告を行う段階とに分けて通知することが可能になる。すなわち、空気音が隣接する部屋1bに伝達されて騒音になる可能性がある場合に、通知装置30の点灯状態によって部屋1aの住人に知らせることになる。
なお、床材の遮音性能は、周波数に依存性があることが知られているから、隣接する部屋1bへの音の伝達量を推定する際に、周波数成分も考慮すれば、推定の精度を高めることが可能である。
1a 部屋
1b 部屋
10 評価装置
11 空気音検出部
12 発生音圧推算部
13 距離推算部
14 伝達音圧推算部
15 比較判定部
16 パラメータ設定部
20 音センサ
21 マイクロホン
30 通知装置
40 器体

Claims (3)

  1. 建物の部屋で発生した音を検出する音センサと、
    前記音センサの出力を用いて特定音を検出し特定音に起因して隣接空間に伝達される音波の音圧を評価する評価装置と、
    前記評価装置の評価結果を前記部屋に通知する通知装置とを備え、
    前記評価装置は、
    前記部屋で生じる空気音を前記音センサの出力から検出する空気音検出部と、
    前記空気音検出部が検出した空気音の発生位置までの距離を求める距離推算部と、
    前記距離推算部が求めた距離と前記音センサの出力とから空気音の発生位置での音圧を推算する発生音推算部と、
    前記発生音推算部で推算した音圧から前記部屋の平均音圧を求めるとともに前記部屋と前記隣接空間との間の遮音性能を用いて前記隣接空間に伝達される音波の音圧を推算する伝達音圧推算部と、
    前記伝達音圧推算部で推算した前記隣接空間の音圧を規定の閾値と比較することにより前記隣接空間の音圧を評価し評価結果を前記通知装置から通知させる比較判定部と、
    前記伝達音圧推算部が用いる前記遮音性能がパラメータとして設定されるパラメータ設定部と
    を備えることを特徴とする騒音監視装置。
  2. 前記比較判定部に設定される前記閾値は、空気音の周波数域における最小可聴値と、前記音センサが検出している暗騒音の音圧とに基づいて設定されることを特徴とする請求項1記載の騒音監視装置。
  3. 前記音センサは複数本のマイクロホンを備え、前記距離推算部は前記マイクロホンにそれぞれ音波が入射する時間差に基づいて空気音の発生位置までの距離を求めることを特徴とする請求項1又は2記載の騒音監視装置。
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