JP4910311B2 - 熱可塑性透明樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は熱可塑性透明樹脂、該熱可塑性透明樹脂を用いた熱可塑性樹脂シート、該熱可塑性樹脂シートの加工品、及び該熱可塑性透明樹脂の射出成形によって製造された光学物品に関する。
熱可塑性樹脂シートは各種ディスプレイ機器の透明シート基板やディスプレイ前面パネル、病院のグレージングなどに応用されている。用いられる熱可塑性樹脂としては、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリカーボネート樹脂(PC)、塩化ビニル樹脂(PVC)などが挙げられる。PMMAは表面硬度、耐候性には優れるものの、耐熱変形性、低吸水性に乏しく、PETは耐衝撃性には優れるものの、表面硬度が十分とは言えない。また、PCは耐熱変形性、耐衝撃性には優れるが、表面硬度、耐候性、耐薬品性が不十分であり、PVCは低コスト、難燃性等の特徴を有するが、耐熱変形性に乏しいといった問題がある。
メタクリル樹脂を共重合によって改質し、低吸水性を付与したメタクリル酸メチル−スチレン共重合体(以下MS樹脂と略す。)は各種ディスプレイ機器の透明シート基板として広く使用されているが、芳香環骨格を有するため、メタクリル樹脂に比べると透明性が劣り、用途が限定される場合があった。またその寸法安定性、耐熱変形性に関してもさらなる改善が求められている。
一方、プラスチックレンズや導光板といった射出成形で製造されるプラスチック製光学物品では、上で述べた物性の他にも高い溶融流動性が要求されてきている。樹脂自身の溶融時の流動性を高めることによって金型細部にまで樹脂を到達させ、キャビティ形状を精密に転写するためである。
溶融樹脂の流動性は樹脂の構造、分子量、成形温度によってある程度コントロールすることができる。しかし樹脂の一次構造を変えて、ガラス転移温度を低下させる設計をすると、成形体の耐熱変形性が得られない。分子量を低くすることでも流動性は改善されるが、機械物性の面から限界がある。成形温度は高いほど溶融樹脂の流動性が高くなるが、熱劣化により機械物性が低下したり、着色したり、揮発成分から発生したガスによって成形体の外観が不良となるため、成形温度の範囲は限定される。
特に着色による色調の悪化は光学物品用途において最も重大な問題である。また、成形端材を回収、破砕し、再成形して有効利用する点からも、高度な耐熱分解性が要求されている。これまで添加剤により耐熱分解を改善することが試みられているが、光学物品用途では出来る限り添加物等を排除して光学的な純度を高めることが必要である。従って、分解等による着色がおこらないよう、樹脂自身の耐熱分解性を改善することが求められている。
スチレン系樹脂の芳香環を水素化(芳香族二重結合の水素化)する技術は古くから知られており、ポリスチレンから得られるポリビニルシクロヘキサンは、機械強度に劣るという欠点はあるものの、透明性と耐熱変形性に優れた樹脂である。その優れた透明性と耐熱変形性から、光ディスク基板への応用が検討されてきた(特許文献1参照。)。MS樹脂の芳香族二重結合を水素化して得た特定のモノマー組成を有する樹脂を、光ディスク用途やプラスチックレンズ用途に応用した例が開示されている(特許文献2、特許文献3参照。)。しかしこれらに開示されている樹脂は、ビニルシクロヘキサン繰り返し単位を全繰り返し単位の50%以上含むので、金属との密着性が不足し、耐熱変形性が必ずしも十分ではない。そのため、光ディスク基板に要求される性能を十分に発揮することができないことがあった。また、プラスチックレンズなどにおいては機械物性の面においても実用性能を満足しない場合があった。
光学物品の具体例としては面発光装置のバックライト型導光板がある。20インチ以下の導光板は射出成形で製造されることが多く、20インチを越える大型の面発光装置に使用される導光板は熱可塑性樹脂シートから切り出して製造されることが多い。特に近年は液晶表示装置が大型化し、高輝度で輝度ムラのない均一な発光性能を有する面発光装置が要求されている。また、カラー表示の要求が高まる中で、色調再現性や色調安定性にも優れた面発光装置が要求されているのが現状である。さらに近年では、輝度を向上させる為、面発光装置はより過酷な条件下で操作されるので、導光板が劣化して着色し、出射光の色調が変化してしまうことが大きな問題となっている。
これらの解決策として、種々の酸化防止剤や紫外線吸収剤の添加や、添加剤による色調補正が数多く試みられているが、輝度ムラや色ムラを招くことになってしまい、精細なカラー表示を困難にしている。
また画面の大型化に伴い、さらなる低吸水性が要求されてきている。これは樹脂が吸水することにより、反りが生じ、輝度ムラや色ムラにもつながるためである。
プロジェクションテレビの透過型スクリーンのような光学スクリーンは、通常フレネルレンズシートやレンチキュラーレンズシートのようなレンズユニットから構成されている。フレネルレンズシートは熱可塑性樹脂基板にフレネルレンズを形成したものであり、レンチキュラーレンズシートは熱可塑性樹脂基板にレンチキュラーレンズを形成したものである。フレネルレンズとは、レンズ面を連続状ではなく階段状にしたレンズであり、同心円状のプリズムと考えることもできる。また、レンチキュラーレンズとは半円筒型のレンズを縦軸が平行になるように横に並べた板状のレンズアレイのことである。これらの基板用樹脂としては、透明性の観点からアクリル系樹脂が採用されており、多層構造のゴム成分が添加されたアクリル樹脂(特許文献4参照。)、メタクリル酸ターシャリーブチルシクロヘキシル単位を含むメタクリル系樹脂(特許文献5参照。)、スチレンを36重量%の割合で共重合させたメタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(特許文献6参照。)などが開示されている。
基板用樹脂として、例えばPMMAのような吸水性が高い樹脂を用いるとスクリーンの寸法変化が起こりやすく、逆にポリスチレンのような極性の低い樹脂を選択すると、吸水性は小さいものの、表面の密着性が不足するために、基板上に形成する紫外線硬化型樹脂製のレンズが剥離する場合がある。また、近年では発光源がCRTから液晶表示装置に変わってきており、基板には複屈折性がないことが強く要求されている。すなわち低吸水性、低複屈折性、紫外線硬化型樹脂との良密着性のバランスに優れる基板用樹脂が要求されている。
さらに、光学物品例としてディスプレイ装置の前面パネルがある。反射防止性能、耐擦傷性能、防汚性能などが重要である。また吸水によって反りを生じないことはもちろん、可視光領域においてはできるだけ均質な透過光が得られることが必須である。
一方、サイズの小さい導光板のような板形状や複雑な構造を要する光学物品は、主に射出成形によって製造される。
射出成形によって製造されるその他の光学物品の例としてはプラスチックレンズがある。材料は、薄肉部の転写性(キャビティ形状の再現性)が良好であることが重要である。さらに近年では光情報記録媒体の記録密度向上のため、情報の記録、再生用のレーザー波長を短くすること、特に、350〜450nmにすることが検討されており、これに対応できるレンズが要求されている。
プラスチックレンズに適した樹脂、とりわけ405nm付近のブルーレーザーに対応できる樹脂として、ビニル脂環式炭化水素系樹脂(特許文献7参照。)が開示されているが、成形性、透明性、耐光性の面で不十分である。また、レンズ形状に問題なく成形された場合でも、実装時にレンズの保持部分が割れるなど、実用上の機械物性の低さが問題となっている。
光学物品の他の具体例である光記録媒体基板にはポリカーボネートが主に用いられているが、光磁気記録ディスクの大容量化やデジタル多用途ディスクの開発、ブルーレーザーの開発に代表される記録密度の高密度化の進展に伴い、複屈折や反りが問題になってきている。ポリカーボネートの代替材料として、水素化ポリスチレンが提案されている(特許文献8参照。)。また、スチレンにイソプレンやブタジエンなどの共役ジエンをブロック共重合させてゴム成分を導入したスチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素化物も報告されている(特許文献9参照。)。しかしこれらの水素化スチレン系芳香族炭化水素重合体は、その水素化が不完全だとヘイズが高くなる場合があり、光記録媒体基板として用いるには問題がある。
特開昭63−43910号公報 特開平6−25326号公報 特開平4−75001号公報 特開平1−128059号公報 特開平2−254434号公報 特開平9−302176号公報 特開2001−272501号報 特公平7−114030号公報 特許第2730053号公報
本発明は上で述べた熱可塑性透明樹脂に要求されている透明性、耐熱変形性、耐熱分解性、機械物性、低吸水性、耐候性、耐光性のバランスに優れた熱可塑性透明樹脂を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、該熱可塑性透明樹脂を用いてなる透明性、耐熱変形性、耐熱分解性、機械物性、低吸水性、耐候性、耐光性などのバランスに優れたプラスチック製光学物品を提供することである。
上記、特許文献2および特許文献3で開示されているMMA共重合率の低いMS樹脂(MMA構成単位/スチレン構成単位=0.92以下)の芳香族二重結合を水素化した樹脂は、機械強度が必ずしも十分ではなく、実用に耐えない場合があった。本発明者らは上記事情に鑑み鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを含むモノマー組成物を重合して得られる、特定の構成単位組成からなる共重合体の芳香族二重結合の70%以上を水素化することによって得られる熱可塑性樹脂が、きわめて良好な透明性、耐熱変形性、耐熱分解性、機械物性、低吸水性、耐候性、耐光性の物性バランスを有していることを見出し、本発明に到った。
すなわち本発明は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと少なくとも1種の芳香族ビニルモノマーとを含むモノマー組成物を重合して得られ、かつ、芳香族ビニルモノマー由来の構成単位(Bモル)に対する(メタ)アクリル酸エステルモノマー由来の構成単位(Aモル)のモル比(A/B)が1〜4である共重合体の芳香族二重結合の70%以上を水素化して得られることを特徴とする熱可塑性透明樹脂に関する。
さらに本発明は、該熱可塑性透明樹脂からなる熱可塑性樹脂シート、該熱可塑性透明樹脂からなる層を有する多層熱可塑性樹脂シート、及び該熱可塑性透明樹脂を用いて製造した、バックライト型導光板、レンズユニット、ディスプレイ前面パネル、導光板、プラスチックレンズ、光記録媒体基板などの光学物品に関する。
本発明により得られる熱可塑性透明樹脂は、特に耐熱分解性に優れている。該熱可塑性透明樹脂を含有する光学材料組成物を成形する際、熱劣化などによる成形不良が少なく、色調に優れた光学物品などの成形体を製造することができる。さらに透明性、耐熱変形性、機械物性、低吸水性、低複屈折性、耐候性、耐光性などのバランスが優れているため、高品質の光学物品を製造することができる。
本発明で用いる(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリル酸アルキル類;(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)や(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)などの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類;(メタ)アクリル酸(2−メトキシエチル)、(メタ)アクリル酸(2−エトキシエチル)などの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル類;(メタ)アクリル酸ベンジルや(メタ)アクリル酸フェニルなどの芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル類;および2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどのリン脂質類似官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル類などをあげることができるが、物性のバランスから、メタクリル酸アルキルを単独で用いるか、あるいはメタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルを併用することが好ましい。さらに、メタクリル酸メチル80〜100モル%およびアクリル酸アルキル0〜20モル%を用いることが好ましい。アクリル酸アルキルのうち、特に好ましいものはアクリル酸メチルまたはアクリル酸エチルである。本発明にいて、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を示す。
本発明で用いる芳香族ビニルモノマーとしては、具体的にスチレン、α―メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、アルコキシスチレン、およびクロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物があげられるが、スチレンが好適に用いられる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーの重合には、公知の方法を用いることができるが、工業的にはラジカル重合による方法が簡便でよい。ラジカル重合は塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法など公知の方法を適宜選択することができる。例えば、塊状重合法や溶液重合は、モノマー、連鎖移動剤、及び重合開始剤を含むモノマー組成物を完全混合槽に連続的にフィードし、100〜180℃で重合する連続重合法などにより行われる。溶液重合法ではトルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒;酢酸エチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;メタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒などの溶媒を、モノマー組成物と共に重合槽にフィードする。重合後、反応液を重合槽から抜き出し、押出機や減圧槽で揮発分を除去して共重合体を得ることができる。
メタクリル系共重合体の場合、共重合体の構成単位比は仕込みモノマー比とは必ずしも一致せず、重合反応によって実際に共重合体に取り込まれたモノマーの量によって決定される。共重合体の構成単位比は、モノマーの重合変換率が100%であれば仕込みモノマー比と一致するが、実際には50〜80%の重合変換率で製造する場合が多く、反応性の高いモノマーほどポリマーに取り込まれ易いため、モノマー仕込み比と共重合体の構成単位比に違いが生じる。このため、仕込みモノマー比を適宜調整して所望の構成単位比を得る。
本発明で水素化反応に用いる共重合体の構成単位モル比((メタ)アクリル酸エステルモノマー単位/芳香族ビニルモノマー単位=A/B)は、1〜4である。1未満であると機械強度が劣り実用に耐えない場合がある。4を超えると、水素化される芳香族二重結合が少ないため、水素化反応によるガラス転移温度の向上などの効果が不足する場合がある。構成単位モル比(A/B)は、物性バランスの面から、1〜2.5が好ましく、1〜2がより好ましい。
上記共重合体は、適当な溶媒に溶解して水素化反応を行う。水素化反応溶媒と重合溶媒は、同じでも良いし、異なっていても良い。水素化反応溶媒としては、水素化反応前後の共重合体及び水素に対する溶解能が高く、かつ、水素化反応に不活性な溶媒が好ましい。例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒;酢酸エチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;メタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒が用いられる。
水素化反応は、バッチ式反応や連続流通式反応などの公知の手法を用いて、3〜30MPaの水素圧、60〜250℃の反応温度で行うのが好ましい。反応温度が低すぎると反応が進行しにくく、反応温度が高すぎると分子鎖の切断による分子量の低下が起こったり、エステル部位も水素化されることがある。分子鎖の切断による分子量低下を防ぎかつ円滑に反応を進行させるには、用いる触媒の種類および反応系中の濃度、共重合体の反応系中の濃度、分子量などに応じて、温度、水素圧を適宜選択することが好ましい。
公知の水素化触媒を使用することができる。具体的にはニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ルテニウム、ロジウムなどの金属、または該金属の酸化物、塩、錯体などの化合物をカーボン、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、珪藻土等の多孔性担体に担持した固体触媒が挙げられる。これらのなかでもニッケル、パラジウム、白金をカーボン、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、珪藻土に担持した触媒が好ましく用いられる。担持量は、担体の0.1〜30wt%が好ましい。
水素化率は、全芳香族二重結合の70%以上であり、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上(100%を含む)である。70%未満の場合には、樹脂が白濁して透明性が低下する場合があり、ガラス転移温度の向上などによる性能向上効果も小さい。
本発明の熱可塑性透明樹脂は、可視光領域の光線を良好に透過するため外観は透明である。成形品表面の反射による損失が免れないため、この全光線透過率の上限は屈折率(n)に依存する。表面の反射率Rは垂直入射の場合R=(n−1)/(n+1)であり、屈折率nで表される材料の全光線透過率は、表裏の二回の反射があるため、100×(1−2R)%が上限となるのである。本発明の3.2mm厚の成形品の全光線透過率は好ましくは90%以上である。光学材料として使用される場合にはさらに高度な透明性が要求される場合があり、全光線透過率はさらに好ましくは91%以上、最も好ましくは92%以上である。
本発明の熱可塑性透明樹脂は、特に窒素雰囲気下での耐熱分解性に優れている。メタクリル系樹脂が射出成形や押出成形で実際に成形される260℃付近では、メタククリル系樹脂特有のジッパー分解が起こる。これは末端の二重結合が起点となり進行することが知られている。この260℃付近での熱分解を抑えることで、シルバーストリークスの発生や発泡などの成形不良を低減でき、また色調を悪化させることなく、安定した光学物品の製造が実現できる。本発明において耐熱分解性は熱重量分析装置を用いて評価した。樹脂5mgを白金パン上に置き、300ml/min.の窒素気流中、260℃(±2.0℃)で3時間保持した際の重量減量変化を測定し、熱重量減少率を耐熱分解性として評価した。熱重量減少率は5wt%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3wt%以下、最も好ましくは2wt%以下(ゼロを含む)である。前述したとおり、本発明の熱可塑性透明樹脂の水素化率は全芳香族二重結合の70%以上であるが、水素化率は耐熱分解性の発現に深く関与している。末端二重結合の水素化が芳香族二重結合の水素化よりも優先して進行するので、芳香族二重結合の水素化率が70%以上であれば、耐熱分解性が良好になる。
本発明の熱可塑性透明樹脂の曲げ強さは、好ましくは70〜130MPa、さらに好ましくは74〜130MPaであり、光学材料として使用する上で十分な機械物性を有している。
本発明の熱可塑性透明樹脂は、加熱溶融して所望の形状にすることができる。成形は、公知の射出成形法や押出成形法によって行うことができる。本発明の熱可塑性透明樹脂はとりわけ耐熱分解性に優れているため、いずれの方法によっても熱劣化などによる成形不良が少なく、色調に優れた成形品を製造することができる。成形品の具体的な用途としては、各種導光板、各種導光体、光ファイバー、ディスプレイ前面パネル、プラスチックレンズ、プリズム、レンズユニットの基板、光学フィルター、光学フィルム、光記録媒体基盤など、光線を透過させて使用する光学物品をあげることができる。
また本発明の熱可塑性透明樹脂は複屈折率が低いので、前記光学物品は、成形手段、形状によらず、偏光を透過させる必要がある用途に最適である。具体的には、液晶ディスプレイの導光板、プラスチックレンズ、レンズユニットの基板、光記録媒体基盤などで特に好適に用いることができる。
本発明の熱可塑性透明樹脂は、含有する異物粒子の数が極力少ないことが好ましい。異物とは、外部から混入した不純物のほか、重合体の製造工程で混入する触媒残渣、ゲル化物、副反応物など、樹脂に相溶しない物質である。光拡散剤などを添加して、あえて透過光を散乱させて使用する場合を除き、散乱光を利用しない用途においては、異物粒子の数が多いと透過光の損失が大きくなるため好ましくない。熱可塑性透明樹脂は、粒径1μm以上の異物粒子を実質上含まないことが好ましく、また、粒径が0.5μm以上で1μm未満の異物粒子の含有量が3×10個/g以下であることが好ましく、2×10個/g以下であることがより好ましい。粒径は、光散乱式微粒子検出器を用いて測定される。特に高度の透明性を求められる場合は、粒径が0.5μm以上で1μm未満の異物粒子の含有量は5×10個/g以下であるのが好ましい。異物粒子の含有量を低減させる方法は特に限定されないが、熱可塑性透明樹脂の製造工程において、重合体を含有する溶液を、孔径が0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下のメンブランフィルターで、少なくとも1回以上濾過する方法や、電荷的補足機能を有する濾過フィルターで濾過する方法などを挙げることができる。また押出機から溶融吐出するストランドを冷却する工程、ペレタイジング工程、シート化工程、ペレットを射出成形機に導入する工程など、大気にさらされる工程を極力清浄な環境下で行うことにより異物粒子の含有量を低減させることができる。これらの工程の少なくとも一工程を、ISO14644−1で定めるクラス5以上の清浄度を持つ環境下で行うことが好ましい。
本発明の熱可塑性透明樹脂の各種添加剤以外の揮発性成分の含有量は、好ましくは3000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下(ゼロを含む)である。特に高品質の光学物品を得るためには、揮発成分の含有量を、好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下、特に好ましくは200ppm以下に低減させる。揮発成分としては、有機溶剤、未反応モノマーまたはその変性物などが挙げられる。揮発成分が多いと、成形時にフローマーク、ボイド、表面欠陥などが発生し易く、得られた光学物品の均質性が損なわれる。揮発性成分を低減させる方法は特に限定されないが、重合体の押出工程などを、溶剤除去に適した条件で行うことなどが挙げられる。
(A)熱可塑性樹脂シート
本発明の熱可塑性透明樹脂の最も重要な使用形態は、押出成形して得られた熱可塑性樹脂シートである。一般に熱可塑性樹脂シートは、樹脂を溶剤に溶解して流延し、溶剤を揮発させるキャスト法や、樹脂ペレットを板状の型の中に入れて熱し、圧力をかける熱プレス成形法などで製造することもできるが、単軸押出機ないし二軸押出機にTダイ(フラットダイともいう。)を装着したシート押出機によって樹脂を溶融押出成形して製造することが好ましい。
熱可塑性樹脂シートは、厚みが0.01〜10mmの範囲であることが好ましい。上記範囲であると、機械強度が十分であり、熱成形による二次加工性も良好である。厚みは用途に応じて異なるが、より好ましくは0.1〜8mm、さらに好ましくは0.5〜5mmである。
押出時の樹脂温度は200〜300℃である。200℃未満では樹脂の流動性が不足し、ロール表面の形状が転写されずに、シート表面の転写性が劣ったものとなってしまう。一方300℃を超えると、樹脂が分解し、着色、耐熱変形性の低下、臭気による作業環境の悪化等の原因となるので好ましくない。押出時の樹脂温度は220〜280℃がさらに好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂シートは、光拡散剤や顔料などの添加剤を添加したり、表面を荒らしたりしない限り、可視光領域の光線を良好に透過するため外観は透明である。熱可塑性樹脂のみからなるブランクシート(厚さ3.2mm)の全光線透過率は90%以上である。成形品表面の反射による光の損失が免れないため、この全光線透過率の上限は屈折率に依存するが、光学材料として使用される場合にはさらに高度な透明性が要求される場合があり、さらに好ましくは91%以上、最も好ましくは92%以上である。
本発明の熱可塑性樹脂シートは、幅広い波長領域における透明性が優れているため、良好な耐候性および耐光性を有している。これは長期に渡り屋内外で使用する際に、色調変化を小さくしたいという市場の要求に応えるものである。色調の変化は、YI値の変化(ΔYI)を用いて評価できる。YI値の変化が少ないことが耐候性および耐光性に優れていることを示す。YIは黄色味を評価する手法であるため、着色剤を添加することによってΔYIをある程度小さくすることは可能であるが、色調が黒色味をおびてくるため、光線透過率が低下してしまう問題がある。また、紫外線吸収剤や酸化防止剤の添加によっても耐候性および耐光性は向上するが、本発明では調色や添加剤を配合していない熱可塑性樹脂シートを用いて評価した。耐侯性と耐光性とはからなずしも同一ではないが、光線による樹脂劣化に耐える性能という点で共通している。従って、本発明においては水銀灯照射により耐光性を測定し、これにより耐候性を見積もることにした。サンプルまでの距離30cm、0.8mW/cm、サンプル表面の温度60℃の条件下で600時間水銀灯を照射した場合、本発明の熱可塑性樹脂シートの2.0mm光路長のΔYIは、好ましくは2未満である。
本発明の熱可塑性樹脂シートは、表面硬度が高く、耐擦傷性に優れている。耐擦傷性が低い熱可塑性樹脂シートは製造時または施工時に表面が容易に傷付いてしまうので、ハードコート処理を施すことが多い。もちろん本発明の熱可塑性樹脂シートにハードコートを施すことも可能である。ハードコートの性能はシート表面の硬度にも依存するため、ハードコートを施すことにより、本発明の熱可塑性樹脂シートは特に高い耐擦傷性を示す。本発明において、表面硬度は鉛筆硬度により評価した。ハードコート処理を施していない本発明の熱可塑性樹脂シートの表面硬度は好ましくは2H以上、さらに好ましくは3H以上である。ハードコート処理を施した場合、表面硬度は好ましくは4H以上、さらに好ましくは5H以上である。
本発明の熱可塑性樹脂シートは、耐熱変形性にも優れている。実用上の耐熱温度は成形体の形状や成形時の歪みによっても異なるが、主として原料のガラス転移温度によって決定される。本発明の熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、好ましくは110〜140℃である。
本発明の熱可塑性樹脂シートは、飽和吸水率が小さく、寸法安定性に優れている。一般的にシート状の成形体においては、厚み方向に吸水量の分布が発生すると反りやたわみが起こるため、飽和吸水率が低いことが求められる。本発明の熱可塑性樹脂シートの飽和吸水率は、好ましくは0.1〜1.2wt%、さらに好ましくは0.2〜0.8wt%である。
本発明の熱可塑性樹脂シートは酸化防止剤などを配合しなくても、高い耐熱分解性を有しているが、適当な酸化防止剤を配合することにより耐酸化分解性を向上させることができる。酸化防止剤としては公知のものを使用することができるが、具体的にはヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤などが挙げられ、これを単独または併用して用いると良い。添加量は樹脂に対して50〜10000ppm程度が好ましい。
また、必要に応じて本発明の熱可塑性透明樹脂の物性バランスを損なわない程度に他の添加剤たとえば帯電防止剤、顔料や染料などの着色剤、光拡散剤、紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、防菌剤などを配合しても良い。
本発明の熱可塑性透明樹脂は耐熱分解性に優れているので、熱可塑性樹脂シート製造時に排出する端材を破砕し、原料樹脂に混合して用いることができるため、製品の歩留まりを大きく向上させることができる。通常、熱可塑性樹脂は熱成形を繰り返すと熱履歴により劣化して着色したりするが、本発明の熱可塑性透明樹脂では劣化着色を最小限度にとどめることができる。もちろん熱可塑性樹脂シート製造時に排出される端材のみから熱可塑性樹脂シートを再成形することも可能ではあるが、熱可塑性樹脂シートの品質を安定させるため、原料樹脂に混合して用いると良い。端材を混合する割合は、前記樹脂および該端材の合計に対して20重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。
本発明の熱可塑性樹脂シートは、単層であってもよいが、共押出成形により多層構造を構成しても良い。層の構成、すなわち層の数や用いる樹脂の種類は任意に決定することができるが、たとえば二種三層の多層シートにおいては、本発明の樹脂を表面層(スキン層)として用いると、耐擦傷性などの表面特性が向上する。この際、耐侯性および耐光性、低複屈折性についても優れたシートが得られるが、特に、共押出成形によりコア層をベンゼン環を有する樹脂で形成し、スキン層を本発明の樹脂で形成すると、機械物性や低吸水性の物性バランスが優れる上に、耐侯性、耐光性、低複屈折性に優れた多層シートが得られる。このように、表面層を本発明の樹脂で形成すると、わずかな厚みであっても、多層シートの耐侯性、耐光性、低複屈折性を著しく向上させることができる。これは、耐侯性、耐光性、低複屈折性が、表面層の樹脂の性質に強く依存することによる。ベンゼン環を有する樹脂としては具体的に、スチレン樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂などが挙げられるが、中でも物性バランスの面から、MS樹脂を用いるのが最適である。
共押出成形は公知の方法により行われるが、複数の押出機と溶融樹脂合流部のあるダイスを備えた共押出成形機を用い、各種樹脂と本発明の樹脂を共押出した後、冷却することにより得ることができる。スキン層の厚みは、特に限定されないが、10〜1000μmが好ましく、より好ましくは50〜500μm、さらに好ましくは70〜300μmである。コア層の厚みは、0.01〜10mmが好ましく、より好ましくは0.1〜8mm、さらに好ましくは0.5〜5mmである。
(B)導光板
本発明の熱可塑性樹脂シートは、様々な光学物品の製造に使用される。例えば、熱可塑性樹脂シートまたは多層熱可塑性樹脂シートを切り出して、バックライト型導光板を作製できる。本発明の導光板は、線光源ないし点光源を面状に発光させる目的で使用する。均質に面発光させ(拡散性)、かつ光源の像を出光面に映し出さない(隠蔽性)ようにするためには、熱可塑性樹脂シートに微粒子を分散させて、入射した光を散乱させる公知の技術を用いる。微粒子の種類やサイズ、添加量については様々な検討がなされている(特開平7−214684号公報参照。)
微粒子の種類は特に限定されないが、例えばメタクリル酸メチル重合体架橋粒子、スチレン重合体架橋粒子、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体架橋粒子等の有機系微粒子、架橋シロキサン系微粒子、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン等の無機系微粒子が挙げられ、これらの中から1種以上を任意に選択して用いることができる。この微粒子は樹脂との屈折率差が大きいと光拡散性能が大きく、添加量が少なくて済むが、光拡散性と隠蔽性のバランスを考えると、好ましい屈折率の差は0.05〜0.15の範囲である。微粒子の平均粒径は、好ましくは0.1〜20μmである。0.1μm未満では光拡散性能が得られないばかりか、導光板発光面の色調が黄色に変化してしまうために好ましくない。20μmを超えると光拡散性が低下するほか、表面の平滑性が劣る場合がある。平均粒径は、より好ましくは0.1〜15μm、さらに好ましくは2〜10μmである。
本発明のバックライト型導光板は、耐光性に優れており、特に酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加する必要がないが、色調再現性や色調安定性に悪影響を与えない範囲で公知の酸化防止剤や紫外線吸収剤を使用することができる。具体的にはヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤などが挙げられ、これを単独または併用して用いると良い。添加量は樹脂に対して50〜500ppm程度が好ましい。
また、グリセリンモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、ステアリン酸などの高級脂肪酸を離型剤として添加してもよいし、着色剤、帯電防止剤、耐衝撃性改良剤などを添加してもよい。添加量は本発明の目的を損なわない範囲であり、通常5000ppm以下が好ましい。
(C)熱可塑性樹脂シートを基板とするレンズユニット
前記熱可塑性樹脂シートまたは多層熱可塑性樹脂シートはレンズユニットの基板として使用することができる。該シートから切り出した基板(シート)の片側又は両面に少なくとも一種類のレンズを形成することによりレンズユニットが得られる。基板とは、具体的に、光学スクリーン、例えばプロジェクションテレビの透過型スクリーンのレンズユニットに用いる基板である。
レンズユニットがフレネルレンズシートである場合、シート(基板)の熱プレス成形により該シートの表面にフレネルレンズを形成してもよいし、該シートの表面に紫外線硬化型樹脂を硬化させてフレネルレンズを形成してもよい。また、レンチキュラーレンズシートの場合、レンチキュラーレンズの形状を有するキャビティを設けた金型ロールを介して押出成形することによって、シート成形と同時にシート表面にレンチキュラーレンズを形成することもできる。生産性の面からは、あらかじめレンズが形成されたフィルムを貼り付けたり、紫外線硬化型樹脂を用いてレンズを形成したりするのが好ましい。
本発明のレンズユニット用基板は、必要に応じて、シート成形時に光拡散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、可塑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、耐衝撃性改良剤等の添加剤を1種または2種以上配合することもできる。
(D)前面パネル
前記の熱可塑性樹脂シートまたは多層熱可塑性樹脂シートから切り出して、ディスプレイ前面パネルを作製できる。前述したように、ハードコートは基材表面の表面硬度をある程度反映することが知られている。すなわち表面硬度の低い材料にハードコートを施しても、十分な硬度のハードコートが得られない場合がある。本発明のディスプレイ前面パネルはそれ自体の表面硬度が高く、耐擦傷性能を有していることから、表面をハードコート処理することによって、表面特性をさらに向上させることができる。必要に応じて、シート成形時に光拡散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、可塑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、耐衝撃性改良剤等の添加剤を1種または2種以上配合することもできる。
ハードコート層はこの用途に用いられる公知のもので良い。ハードコート層は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含んだ多官能重合性化合物を紫外線、電子線等の活性化エネルギー線によって重合硬化させる方法、およびシリコン系、メラミン系、エポキシ系の架橋性樹脂原料を熱によって硬化させる方法などによって形成することができる。ハードコート層には、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、一酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの無機酸化物の粒子を添加しても良い。ハードコート層を形成するには、スピンコート法やロールコート法などの公知の方法によって基板にハードコート原料液を塗布したのち、紫外線、電子線、もしくは熱によってハードコート原料を硬化させる。この際、塗膜を密着しやすくするために、あるいは塗膜の膜厚を調整するためにハードコート原料液を種々の溶剤で希釈して用いても良い。
前面パネルに反射防止層を形成してもよい。形成方法は特に限定されるものではなく公知の方法で形成される。反射防止層としては、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの公知の方法により形成された、無機酸化物、無機ハロゲン化物の単層または多層の薄膜、含フッ素重合体をコーティングしてなる薄層などが挙げられる。
また、近赤外光吸収能、電磁波遮断能を付与する目的で、銅塩などの金属塩を含有させたり、導電性を有する層を設けたりすることもできる。
本発明の熱可塑性樹脂シートは、上記したように、そのままシート状の形態で使用してもよいが、真空圧空成形などの公知の熱成形によりさらに所望の形状のシート成形体に加工してもよい。シート成形体の具体的な例としては、先に示した光学物品や、自動車や航空機の計器パネル、ラミネートシート基材、医療機器のハウジング、建材などをあげることができる。
(E)射出成形光学物品
本発明の樹脂の成形方法としてシート状成形体を製造する押出成形について述べたが、もうひとつの重要な成形方法として、射出成形がある。射出成形のシリンダー温度は、好ましくは220〜320℃、より好ましくは230〜300℃である。シリンダー温度が高すぎると樹脂の分解や劣化等が起こって強度特性が低下したり着色したりする場合があり、低すぎると成形体に残留応力が発生して複屈折が大きくなったり、キャビティ形状の転写性が悪くなったりする。金型温度は好ましくは50〜180℃、より好ましくは80〜150℃である。金型温度が高すぎると離型不良が発生したり、成形サイクルが長くなり生産性が悪くなったりする。低すぎると複屈折が大きくなったり、転写性が悪くなったりする。射出圧力は、好ましくは30〜200MPa、より好ましくは60〜150MPaである。保圧時間は、好ましくは1〜300秒間、より好ましくは5〜150秒間である。保圧時間が、長すぎると樹脂の分解、劣化等が起こり、短すぎると成形収縮が大きくなる。冷却時間は、好ましくは5〜300秒間、より好ましくは10〜150秒間である。冷却時間は、長すぎると生産性が低下し、短すぎると複屈折が大きくなったり、転写性が悪くなったりする。成形条件が上記範囲にある場合、光学物品の機械強度、複屈折、離型性、転写性、生産性等がバランスされて好適である。
(F)射出成形導光板
前述したように、20インチ以下のサイズのディスプレイ用導光板は射出成形で製造されることが多い。このサイズの面状発光装置では、直下方式は採用されず、楔状に射出成形した板の端面から線光源である冷陰極管やLED光源を敷設して入射方向から垂直方向に光を出射させるエッジライト(サイドライトともいう)方式の面状発光装置が一般的である。
この導光板には入射した光を出射面に面状に均一に出光させるために、さまざまな加工が施されるが、例えば、光出射面に出射光を均一にするための光拡散処理や、光出射面と反対の面に出射光を均一化させるため白色インクを用いたドット印刷したり、プリズム形状の微細加工を施したりする。また導光体の光出射面以外の周囲に、銀蒸着のシートや白色フィルムなどの光反射層を貼り付けるなどの加工を施しても良い。射出成形後に加工する場合もあるが、成形時に金型にパターンを施すことによって、同時に表面形状も形成する方が効率的で好ましい。
本発明の樹脂を射出成形して得た導光板は、可視光線の透過度が高いので、該導光体を組み込見込むことにより、出射光輝度の高い高性能な面状発光装置を提供することが可能である。面状発光装置は、導光板と光源とを備えて成る。例えば、楔形の導光板の厚肉端部に光源を配置した、携帯電話、携帯端末、カメラ、時計、ノートパソコン、ディスプレイ、照明、信号、自動車のテールランプ、電磁調理器の火力表示などに使用されるエッジ式の面光源体が挙げられる。光源としては、蛍光ランプの他、冷陰極管、LED、その他有機EL等の自己発光体を使用することが出来る。
(G)射出成形プラスチックレンズ
本発明の樹脂を射出成形してプラスチックレンズを製造することができる。本発明のプラスチックレンズは、光ディスクや光磁気ディスクなどの光学式情報記録媒体や、情報の記録、再生を行う光学式記録再生装置のピックアップ装置用の光学レンズに最適である。
一般に、射出成形により製造された光学物品には残留応力が発生し、複屈折が発生する。複屈折が大きいプラスチックレンズを光ピックアップ装置に用いると、スポット形状が楕円形状に変形してしまい、光情報記録媒体の記録、再生を良好に行うことができない。本発明の樹脂を用いると複屈折の小さな成形品が得られるため、本用途において特に好適である。
(H)射出成形光記録媒体基板
また、本発明の樹脂は、光記録媒体基板の射出成形による製造にも好適に使用される。本発明の樹脂を用いると、高光線透過率、低ヘイズ、低吸水率、低複屈折率といった性能を兼ね備えた、優れた光記録媒体用基板を製造することができる。
光記録媒体基板製造用の本発明の樹脂の示差走査熱量測定(DSC)装置を用いて10℃/min.で測定されたガラス転移温度は105〜140℃が好ましく、110〜140℃であることがさらに好ましい。上記範囲内であると、高温環境下での使用、例えば80℃の高温においても、光記録媒体基板に施した微細構造すなわちランド−グルーブ構造やピットが安定に保たれる。
また本発明における光記録媒体基板の光線透過率は90%以上であることが望ましい。ここで、光線透過率とはJISK7105−1981(測定法A)に従い、厚さ2mmの成形板の全光線透過率を測定したものである。光線透過率が90%未満の場合には、樹脂内に光が吸収されるため、光線を透過する用途での光記録媒体基板としては適さない。
また本発明における光記録媒体基板のヘイズは1%以下である事が望ましい。ここでヘイズとはJISK7105に従い、厚さ2mmの成形板のヘイズを測定したものである。ヘイズが1%より大きい場合には光が散乱し、情報の読み取りが困難になるため光記録媒体基板としては適さない。
本発明の光記録媒体基板は、その目的に応じた記録層、反射層、保護層等を設けた後、場合に応じて貼りあわされて利用される。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によりその範囲を限定されるものではない。なお、熱可塑性透明樹脂、熱可塑性樹脂シート、多層熱可塑性樹脂シート、バックライト型導光板、レンズユニット、射出成形導光板、光記録媒体基板の評価方法は次の通りである。
I 熱可塑性透明樹脂の評価方法
(1)共重合体中の構成単位のモル比
H―NMR(400MHz:CDCl)の測定値から計算した。
(2)水素化率
水素化反応前後のUVスペクトル測定における260nmの吸収の減少率により求めた。水素化反応前の樹脂の濃度Cにおける吸光度A、水素化反応後の樹脂の濃度Cにおける吸光度Aから、以下の式より算出した。
水素化率=100×[1−(A×C)/(A×C)]
(3)耐熱分解性
樹脂5mgを白金パン上に置き、300ml/min.の窒素気流中、260℃(±2.0℃)で3時間保持した際の重量減量を測定し、熱重量減少率を耐熱分解性とした。数値が少ないほど熱分解が生じていないことを示しており、耐熱分解性に優れる。熱重量分析は、セイコー電子工業(株)製RTG220型熱重量測定(TGA)装置を用いて行った。
(4)ガラス転移温度(Tg)
セイコー電子工業(株)製DSC220型示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、樹脂量10mg、10℃/min.の条件で測定し、中点法で算出した。
(5)全光線透過率
日本電色工業製Z−SensorΣ80NDHを用いて、3.2mm厚の平板を透過法で測定した。
(6)曲げ試験
射出成形によって得られた126×12×3.4(mm)の直方体の試験片をそれぞれTgより20℃低い温度で16時間アニールし、23℃、50RH条件下にて88時間以上調湿した後に行った。曲げ強さ、曲げ弾性率はJIS K7203に従って測定した。
II 熱可塑性樹脂シートの評価方法
(7)全光線透過率およびヘイズ
日本電色工業製色度・濁度測定機COH−300Aを用いて、溶融押出成形によって得られた2.0mm厚の熱可塑性樹脂シートについて透過法で全光線透過率およびヘイズを測定した。
(8)耐光性
溶融押出成形によって得られた2.0mm厚の熱可塑性樹脂シートから、150mm×70mmの形状に切り出した試験片を、フェードメーターのサンプルホルダに設置した。フェードメーターの光源にはハリソン東芝ライティング社製褪色試験用水銀ランプH400−Fを用い、光源からサンプルまでの距離は30cm、0.8mW/cmの照射強度で600時間照射したサンプルの照射前後のYI値の差(ΔYI)を求めた。YI値の測定は、日本電色工業製色度・濁度測定機COH−300Aを用いて測定した。照射中のサンプル表面の温度は60℃であった。
(9)表面硬度
溶融押出成形によって得られた2.0mm厚の熱可塑性樹脂シートを試験片として用いて、JIS K−5400に基づいた鉛筆硬度試験を行って評価した。
(10)飽和吸水率
溶融押出成形によって得られた2.0mm厚の熱可塑性樹脂シートから50mm角の試験片を切り出した。試験片を重量変化がなくなるまで80℃の熱風乾燥機で乾燥させ、乾燥重量を求めた。常温の蒸留水に浸漬させ吸水量が飽和した後、試験片の重量を求めた(吸水重量)。飽和吸水率を以下の式で計算した。
飽和吸水率(%)=[(吸水重量)―(乾燥重量)]/(乾燥重量)×100
(11)リサイクル性
熱可塑性樹脂シート製造時に排出した端材を破砕し、原料の樹脂に所定の量を混合して2.0mmの押出樹脂シート(リサイクル成形体)を成形した。リサイクル成形体と元の成形体(端材を含まない)のYI値を測定し、その差、ΔYI、によりリサイクル性を評価した。YI値は、日本電色工業製色度・濁度測定機COH−300Aを用いて測定した。一般的に樹脂は熱履歴を受けることによって、黄色に着色するため、ΔYIが小さいほどリサイクル性に優れている。
III 多層熱可塑性樹脂シートの評価方法
(12)シートの複屈折性(レタデーション)
多層熱可塑性樹脂シートから150mm×150mmに切り出した試験片を(株)オーク製作所社製自動複屈折測定装置ADR−130Nを用いて、異なる箇所9点のレタデーションを測定した。測定値の平均値を複屈折性として評価した。数値が小さいほど低複屈折性であることを示す。
なお、全光線透過率および耐光性は、熱可塑性樹脂シートの評価方法と同様に評価した。
IV バックライト型導光板の評価方法
光拡散剤を添加して作製した熱可塑性樹脂シートを切り出して導光板用熱可塑性樹脂シートを得た。
なお、全光線透過率、ヘイズ、飽和吸水率および耐光性は、熱可塑性樹脂シートの評価方法と同様に評価した。
V レンズユニットの評価方法
予めクロムメッキを施したフレネルレンズ作製用金型にディスペンサーを用いて紫外線硬化型ウレタン系樹脂を50〜150μmに塗工した。次いで、熱可塑性樹脂シートを、上記金型に充填した樹脂の上から空気が入らないように加圧積層した。高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して紫外線硬化型ウレタン系樹脂を硬化させた後に、離型しフレネルレンズユニットを得た。得られたフレネルレンズの密着性を次の方法で評価した。
(13)密着性
硬化した紫外線硬化型ウレタン系樹脂にナイフで1mm幅に碁盤目(10×10)を入れ、セロハンテープを貼り付けた。セロハンテープをはがしたときの、熱可塑性樹脂シートから剥離した碁盤目(硬化樹脂)の個数を数えた。ゼロ個の場合をA、1〜10個の場合をB、11個以上の場合をCとした。Aであれば問題はないが、Bが実用上の限界であり、Cでは製造時に剥離が起こる場合があり、また長期使用時の品質の信頼性が欠けるため使用に耐えない。
なお、耐光性は熱可塑性樹脂シートの評価方法と同様に評価した。
VI 射出成形導光板の評価方法
(14)キャビティ形状の転写性
成形した導光板のプリズム面を光学顕微鏡で観察し、ヒケ、カケ、荒れなどの欠陥があるものを不良品とした。生産した100個の導光板のうち、不良品がない場合をA、不良品が1〜10個である場合をB、不良品が11個以上である場合をCとした。
(15)出射光均一性
上記評価で良品と判断した成型片を用い、凹凸パターン形成面の下側に白色のポリエステル製反射板を敷き、厚肉端部に冷陰極管を配置して、面状発光装置を作成した。凹凸パターン非形成面側の上方30cmの位置に輝度計を設置し、輝度を測定した。異なる9点を測定し、その最大と最小の輝度の差をもって出射光均一性を評価した。
VII プラスチックレンズの評価方法
(16)キャビティ形状の転写性
成形したプラスチックレンズを光学顕微鏡で観察し、ヒケ、表面の凹み、荒れなどの欠陥があるものを不良品とした。生産した100個の円盤のうち、不良品がない場合をA、不良品が1〜10個の場合をB、不良品が11個以上の場合をCとした。
VIII 光記録媒体基板の評価方法
(17)キャビティ形状の転写性
成形した円盤を光学顕微鏡で観察し、ヒケ、表面の凹み、荒れなどの欠陥があるものを不良品とした。生産した100個の円盤のうち、不良品がない場合をA、不良品が1〜10個の場合をB、不良品が11個以上の場合をCとした。
(18)耐熱性
前記円盤を80℃で24時間保持した後、もう一度転写性評価と同様の観察を行った。微細構造が保たれていた場合をA、一つでも欠陥が見られた場合をCとして評価した。
製造例1 共重合体の製造
モノマー成分としてメタクリル酸メチル59.9モル%とスチレン39.9モル%、重合開始剤として2.1×10-3モル%のt−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエートからなるモノマー組成物を、ヘリカルリボン翼付き10リットル完全混合槽に1kg/時間で連続的にフィードし、平均滞留時間2.5時間、重合温度150℃で連続重合を行った。
重合槽液面が一定となるように、底部から重合液をギヤポンプで抜き出し、150℃に維持しながら、ベント口を備えた押出機に導入して揮発分を脱揮し、ストランド状に押出し、切断してペレットとした(樹脂A1)。このとき共重合体中の構成単位のモル比(A/B)は1.5であった。
得られた樹脂A1のNMRチャートを図2に示す。6.5〜7.3ppmにかけて芳香環のプロトンに由来する強いシグナルが見られる。また、樹脂A1の16.4mgをクロロホルム15mLに溶解させ、測定した260nmの吸光度は1.093であった。
実施例1 熱可塑性透明樹脂
上記、樹脂A1をジオキサンに溶解し、10wt%ジオキサン溶液を調製した。1000mLオートクレーブ装置に10wt%ジオキサン溶液を500重量部、10wt%Pd/C(NEケムキャット社製)を1重量部仕込み、水素圧10MPaで200℃、15時間保持して水素化反応した。フィルターにより触媒を除去した後、ジオキサンを加熱留去して反応液を50wt%まで濃縮した。トルエンで再び10wt%まで希釈することを繰り返して溶媒置換し、50wt%トルエン溶液を得た。これを再びベント口を備えた押出機に導入して揮発分を脱揮し、ストランド状に押出し、切断して熱可塑性透明樹脂のペレットを得た(樹脂A2)。水素化反応率は96%であった。
樹脂A2のNMRチャートを図3に示す。図2に示した樹脂A1の6.5〜7.3ppmにかけての芳香環のプロトンに由来する強いシグナルが、図3では面積が大きく減少し、芳香族二重結合が水素化されたことを示している。また、樹脂A2の62.5mgをクロロホルム5mLに溶解させ、測定した260nmの吸光度は0.521であった。前記樹脂A1の260nmの吸光度、測定試料の濃度から、水素化率は96%と計算された。
樹脂A2の耐熱分解性を測定した。結果を第1表に示す。また、樹脂A2を用いて射出成形機(ファナック製AUTOSHOT100B)により、シリンダー温度260℃で種々の試験片を作製し、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第1表に示す。
実施例2 熱可塑性透明樹脂
樹脂A1の水素化反応時間を10時間に短縮した以外は実施例1と同様にして、水素化率の異なる熱可塑性透明樹脂(水素化率72%、樹脂A3)を得た。樹脂A3を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第1表に示す。
比較例1 共重合体の特性
樹脂A1を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第2表に示す。
比較例2 熱可塑性樹脂
樹脂A1の水素化反応時間を3時間に短縮した以外は実施例1と同様にして、水素化率の異なる熱可塑性樹脂(水素化率52%、樹脂A4)を得た。樹脂A4を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第2表に示す。
製造例2 共重合体の製造
モノマー成分としてメタクリル酸メチル80.0モル%とスチレン19.8モル%を用いた以外は製造例1と同様にして共重合体を合成した(樹脂B1)。共重合体中の構成単位のモル比(A/B)は4.0であった。
実施例3 熱可塑性透明樹脂
樹脂B1を用いた以外は実施例1と同様にして、水素化反応して熱可塑性透明樹脂を得た(樹脂B2)。水素化率は100%であった。樹脂B2を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第1表に示す。
実施例4 熱可塑性透明樹脂
樹脂B1の水素化反応の時間を3時間に短縮した以外は実施例3と同様にして、水素化率の異なる熱可塑性透明樹脂(水素化率76%、樹脂B3)を得た。樹脂B3を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第1表に示す。
比較例3 共重合体の特性
樹脂B1を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第2表に示す。
比較例4 熱可塑性樹脂
樹脂B1の水素化反応の時間を1.5時間に短縮した以外は実施例3と同様にして、水素化率の異なる熱可塑性樹脂(水素化率45%、樹脂B4)を得た。樹脂B4を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第2表に示す。
製造例3 共重合体の製造
モノマー成分としてメタクリル酸メチル50.7モル%、アクリル酸メチル9.3モル%とスチレン39.8モル%を用いた以外は製造例1と同様にして共重合体を合成した(樹脂C1)。共重合体中の構成単位のモル比(A/B)は1.6であった。
実施例5 熱可塑性透明樹脂
樹脂C1を用いた以外は実施例1と同様にして、水素化反応して熱可塑性透明樹脂を得た(樹脂C2)。水素化率は97%であった。樹脂C2を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第1表に示す。
実施例6 熱可塑性透明樹脂
樹脂C1の水素化反応時間を3時間に短縮した以外は実施例5と同様にして、水素化率の異なる熱可塑性透明樹脂(水素化率72%、樹脂C3)を得た。樹脂C3を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第1表に示す。
比較例5 共重合体の物性
樹脂C1を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第2表に示す。
比較例6 熱可塑性樹脂
樹脂C1の水素化反応時間を1.5時間に短縮した以外は実施例5と同様にして、水素化率の異なる熱可塑性樹脂(水素化率50%、樹脂C4)を得た。樹脂C4を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第2表に示す。
製造例4 共重合体の物性
モノマー成分としてメタクリル酸メチル20.4モル%とスチレン79.4モル%を用いた以外は製造例1と同様にして共重合体を合成した(樹脂D1)。共重合体中の構成単位のモル比(A/B)は0.25であった。
比較例7 熱可塑性樹脂
上記、樹脂D1を用いた以外は実施例1と同様にして、水素化反応して熱可塑性樹脂を得た(樹脂D2)。水素化率は95%であった。樹脂D2を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第2表に示す。
比較例8 熱可塑性樹脂
樹脂D1の水素化反応時間を3時間に短縮した以外は比較例7と同様にして、水素化率の異なる熱可塑性樹脂(水素化率76%、樹脂D3)を得た。樹脂D3を用い、実施例1と同様にして、耐熱分解性、ガラス転移温度、全光線透過率、曲げ強さ、曲げ弾性率を評価した。結果を第2表に示す。
Figure 0004910311
Figure 0004910311
実施例7 熱可塑性樹脂シート
樹脂A2を用い、Tダイを装着したベント付き直径65mmのシート押出機を用いて、樹脂温度265℃で、2.0mm厚の単層シートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第3表に示す。
実施例8 熱可塑性樹脂シート
樹脂A3を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第3表に示す。
実施例9 熱可塑性樹脂シート
樹脂B2を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第3表に示す。
実施例10 熱可塑性樹脂シート
樹脂B3を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第3表に示す。
実施例11 熱可塑性樹脂シート
樹脂C2を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第3表に示す。
実施例12 熱可塑性樹脂シート
樹脂C3を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第3表に示す。
比較例9 熱可塑性樹脂シート
樹脂A1を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第4表に示す。
比較例10 熱可塑性樹脂シート
樹脂A4を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第4表に示す。
比較例11 熱可塑性樹脂シート
樹脂B1を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第4表に示す。
比較例12 熱可塑性樹脂シート
樹脂B4を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第4表に示す。
比較例13 熱可塑性樹脂シート
樹脂C1を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第4表に示す。
比較例14 熱可塑性樹脂シート
樹脂C4を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第4表に示す。
比較例15 熱可塑性樹脂シート
樹脂D1を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第4表に示す。
比較例16 熱可塑性樹脂シート
樹脂D2を用い、実施例7と同様にして、2.0mm厚のシートを作製し、全光線透過率、飽和吸水率、耐光性、表面硬度を評価した。結果を第4表に示す。
Figure 0004910311
Figure 0004910311
実施例13 リサイクル熱可塑性樹脂シート
実施例7と同様にして、樹脂A2を用いて2.0mm厚のシートを成形した。このとき排出された端材を破砕しフレーク状にした後、樹脂A2および端材の合計に対し10重量%の端材を混合(ドライブレンド)し、2.0mm厚のシート(リサイクル成形体)を成形した。得られたシートのリサイクル性(ΔYI)を測定し得られた結果を第5表に示す。
実施例14 リサイクル熱可塑性樹脂シート
樹脂A2の代わりに樹脂B2を用いた以外は実施例7と同様にして2.0mm厚のシート(リサイクル成形体)を成形し、リサイクル性(ΔYI)を評価した。結果を第5表に示す。
実施例15 リサイクル熱可塑性樹脂シート
樹脂A2の代わりに樹脂C2を用いた以外は実施例7と同様にして2.0mm厚のシート(リサイクル成形体)を成形し、リサイクル性(ΔYI)を評価した。結果を第5表に示す。
比較例17 リサイクル熱可塑性樹脂シート
樹脂A2の代わりに樹脂A1を用いた以外は実施例7と同様にして2.0mm厚のシート(リサイクル成形体)を成形し、リサイクル性(ΔYI)を評価した。結果を第5表に示す。
比較例18 リサイクル熱可塑性樹脂シート
樹脂A2の代わりに樹脂B1を用いた以外は実施例7と同様にして2.0mm厚のシート(リサイクル成形体)を成形し、リサイクル性(ΔYI)を評価した。結果を第5表に示す。
比較例19 リサイクル熱可塑性樹脂シート
樹脂A2の代わりに樹脂C1を用いた以外は実施例7と同様にして2.0mm厚のシート(リサイクル成形体)を成形し、リサイクル性(ΔYI)を評価した。結果を第5表に示す。
Figure 0004910311
実施例16 多層熱可塑性樹脂シート
Tダイを装着したベント付き直径65mmのシート単軸主押出機、直径30mmの単軸副押出機、転写ロール、および巻取装置から構成された押出成形機を用いて多層シートを作成した。単軸主押出機(バレル温度250℃)からコア層樹脂としてMS樹脂(新日鐵化学(株)社製:エスチレンMS200)を吐出量20kg/hrで押し出し、単軸副押出機(バレル温度250℃)からスキン層樹脂として、樹脂A2を吐出量2kg/hで押し出してコア層の両側にスキン層を形成し、総厚みが2.0mm(コア層1.8mm、スキン層0.1mm)の二種三層の多層シートを成形した。得られた多層シートを用いて、全光線透過率、耐光性、複屈折性を評価した。結果を第6表に示す。
実施例17 多層熱可塑性樹脂シート
スキン層樹脂として樹脂A3を用いた以外は実施例16と同様にして多層シートを作成し、全光線透過率、耐光性、複屈折性を評価した。結果を第6表に示す。
実施例18 多層熱可塑性樹脂シート
スキン層樹脂として樹脂B2を用いた以外は実施例16と同様にして多層シートを作成し、全光線透過率、耐光性、複屈折性を評価した。結果を第6表に示す。
実施例19 多層熱可塑性樹脂シート
スキン層樹脂として樹脂C2を用いた以外は実施例16と同様にして多層シートを作成し、全光線透過率、耐光性、複屈折性を評価した。結果を第6表に示す。
比較例20 多層熱可塑性樹脂シート
スキン層樹脂として樹脂A1を用いた以外は実施例16と同様にして多層シートを作成し、全光線透過率、耐光性、複屈折性を評価した。結果を第6表に示す。
比較例21 多層熱可塑性樹脂シート
スキン層樹脂として樹脂A4を用いた以外は実施例16と同様にして多層シートを作成し、全光線透過率、耐光性、複屈折性を評価した。結果を第6表に示す。
比較例22 多層熱可塑性樹脂シート
スキン層樹脂として樹脂D2を用いた以外は実施例16と同様にして多層シートを作成し、全光線透過率、耐光性、複屈折性を評価した。結果を第6表に示す。この多層シートの製造時には、シート切断時に一部の端が欠けるなどの不具合が生じた。
比較例23 多層熱可塑性樹脂シート
スキン層樹脂およびコア層樹脂として同じMS樹脂を用いた以外は実施例16と同様にして多層シートを作成し、全光線透過率、耐光性、複屈折性を評価した。結果を第6表に示す。
Figure 0004910311
実施例20 バックライト型導光板
樹脂A2のペレット100部に対し、シロキサン架橋光拡散性微粒子(平均粒径2μm、屈折率1.43)を0.6重量部配合し、実施例7と同様にして、2.0mm厚の熱可塑性樹脂シートを作製し、切り出してバックライト型導光板用熱可塑性樹脂シートを得た。全光線透過率、ヘイズ、飽和吸水率および耐光性を評価した結果を第7表に示す。
実施例21 バックライト型導光板
実施例20で用いた樹脂を樹脂A3に変えた他は同様にしてバックライト型導光板用熱可塑性樹脂シートを作成し、全光線透過率、ヘイズ、飽和吸水率および耐光性を評価した結果を第7表に示す。
実施例22 バックライト型導光板
実施例20で用いた樹脂を樹脂B2に変えた他は同様にしてバックライト型導光板用熱可塑性樹脂シートを作成し、全光線透過率、ヘイズ、飽和吸水率および耐光性を評価した結果を第7表に示す。
実施例23 バックライト型導光板
実施例20で用いた樹脂を樹脂C2に変えた他は同様にしてバックライト型導光板用熱可塑性樹脂シートを作成し、全光線透過率、ヘイズ、飽和吸水率および耐光性を評価した結果を第7表に示す。
比較例24 バックライト型導光板
実施例20で用いた樹脂を樹脂A1に変え、光拡散性微粒子を屈折率1.46、粒径2μmのシロキサン架橋光拡散性微粒子に変えた他は同様にして熱可塑性樹脂シートを作成し、全光線透過率、ヘイズ、飽和吸水率および耐光性を評価した結果を第7表に示す。
比較例25 バックライト型導光板
実施例20で用いた樹脂を樹脂B1に変えた他は同様にして熱可塑性樹脂シートを作成し、全光線透過率、ヘイズ、飽和吸水率および耐光性を評価した結果を第7表に示す。
比較例26 バックライト型導光板
実施例20で用いた樹脂を樹脂C1に変え、光拡散性微粒子を屈折率1.46、粒径2μmのシロキサン架橋光拡散性微粒子に変えた他は同様にして熱可塑性樹脂シートを作成し、全光線透過率、ヘイズ、飽和吸水率および耐光性を評価した結果を第7表に示す。
比較例27 バックライト型導光板
実施例20で用いた樹脂を市販のPMMA(クラレ(株)製EH−1000S)に変えた他は同様にして熱可塑性樹脂シートを作成し、全光線透過率、ヘイズ、飽和吸水率および耐光性を評価した結果を第7表に示す。
Figure 0004910311
実施例24 レンズユニット
実施例16で作製した多層熱可塑性樹脂シートを用いてレンズユニットを作製した。耐光性、密着性を評価した結果を第8表に示す。
実施例25 レンズユニット
実施例17で作製した多層熱可塑性樹脂シートを用いてレンズユニットを作製した。耐光性、密着性を評価した結果を第8表に示す。
実施例26 レンズユニット
実施例18で作製した多層熱可塑性樹脂シートを用いてレンズユニットを作製した。耐光性、密着性を評価した結果を第8表に示す。
実施例27 レンズユニット
実施例19で作製した多層熱可塑性樹脂シートを用いてレンズユニットを作製した。耐光性、密着性を評価した結果を第8表に示す。
比較例28 レンズユニット
比較例20で作製した多層熱可塑性樹脂シートを用いてレンズユニットを作製した。耐光性、密着性を評価した結果を第8表に示す。
比較例29 レンズユニット
比較例21で作製した多層熱可塑性樹脂シートを用いてレンズユニットを作製した。耐光性、密着性を評価した結果を第8表に示す。
比較例30 レンズユニット
比較例22で作製した多層熱可塑性樹脂シートを用いてレンズユニットを作製した。耐光性、密着性を評価した結果を第8表に示す。
Figure 0004910311
実施例28 前面パネル
実施例7〜12で得られた樹脂シートを切り出し、そのままプロジェクションテレビの前面パネルとした。第3表に示すとおり、いずれのシートを用いた場合にも表面硬度が高いため傷がつきにくく、吸水による反りが少なく、また画像の色むらなどを生じることのない前面パネルを作製することができた。
実施例29〜34 射出成形導光板
射出成形機(ファナック社製、AUTOSHOT100B)を用いて、樹脂温度290℃で幅40mm、長さ60mm、薄肉部0.7mm、厚肉部1.0mmで、傾斜面にプリズム形状の凹凸パターンを形成して成る楔型断面形状の導光板を成形した。プリズム形状は、ピッチ200μm、深さ5μmとした。種々成形条件を変更しながら導光板を製造し、プリズム面と反対側の鏡面の様子を目視観察し、ひけやシルバーのないものを良品として転写性、出射光均一性を評価した。結果を第9表に示す。
Figure 0004910311
実施例35〜40 プラスチックレンズ
射出成形機(ファナック社製、AUTOSHOT100B)により、樹脂温度260℃、金型温度100℃にて、光学有効径2.8mm、最小肉厚0.45mm、光軸上肉厚1.8mmの両凸レンズを成形した。得られたプラスチックレンズについて転写性を評価した。結果を第10表に示す。
Figure 0004910311
実施例41〜46 光記録媒体基板
射出成形機(ファナック社製、AUTOSHOT100B)により、120mmDVD用金型(スタンパーのグルーブ深さ:160nm、スタンパーのグルーブピッチ:0.80μm)を用い、厚み0.6mmの円盤(光記録媒体基板)を作製した。転写性、耐熱性を評価した。結果を第11表に示す。
Figure 0004910311
本発明の実施例1および比較例1の耐熱分解性評価で得られた熱重量減少曲線を示す。 製造例1で製造した樹脂A1のNMRチャートを示す。 実施例1で製造した樹脂A2のNMRチャートを示す。

Claims (4)

  1. ベンゼン環を有する樹脂からなるコア層、および該コア層の片面又は両面に形成された、下記樹脂(X)からなるスキン層からなる共押出成形多層熱可塑性樹脂シート。
    樹脂(X):少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと少なくとも1種の芳香族ビニルモノマーとを含むモノマー組成物を重合して得られ、かつ、芳香族ビニルモノマー由来の構成単位(Bモル)に対する(メタ)アクリル酸エステルモノマー由来の構成単位(Aモル)のモル比(A/B)が1〜4である共重合体の芳香族二重結合の70%以上を水素化して得られることを特徴とする熱可塑性透明樹脂。
  2. 請求項に記載の熱可塑性樹脂シートからなるバックライト型導光板。
  3. 請求項に記載の熱可塑性樹脂シートからなる基板、および該基板の片面又は両面に形成された少なくとも一種類のレンズからなるレンズユニット。
  4. 請求項に記載の熱可塑性樹脂シートからなるディスプレイ前面パネル。
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