JP4909236B2 - 媒体印字装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気データの読取部及び書込部を備えた媒体印字装置に関する。
従来、例えば銀行等の金融機関に預けてある預貯金の出し入れには、郵便局内、銀行内、又は街中等に設置されているATM(Automatic Teller Machine)のカード挿入口にキャッシュカードを挿入し、さらに通帳挿入口に預貯金の通帳を挿入して、預貯金の出し入れを行ない、通帳に残高を記録していた。
通常、上記キャッシュカードには裏面に帯状の磁気部が設けられており、この磁気部には少なくともキャッシュカードで取引を行うために必要な口座番号等のID(identification)コードが記録されている。
また、通帳の裏表紙側にも、キャッシュカードと同様に帯状の磁気部が形成されている。この磁気部には少なくとも通帳に対応する口座番号等のIDや印字行最終位置などを示すデータが記録されている。
この通帳をATMの通帳挿入口に挿入すると、ATM内部では、先ず通帳を内部に搬送し、磁気ヘッドが通帳の磁気部に当接して、磁気部の記録を読み取り、IDや印字行最終位置(つまり印字開始頁及び印字開始行)を確認する。
それから印字ヘッドが通帳への印字を開始する。印字ヘッドが通帳へ印字するときは、プラテンと印字ヘッドが相対的に密着方向に移動して通帳の印字行部分を挟持する形となる。
磁気ヘッドにも、印字ヘッドに対するプラテンと同様な機能を有する磁気ヘッド押さえという部材が設けられており、磁気ヘッドが通帳の磁気部の記録を読取り又は書込むときは、磁気ヘッドと磁気ヘッド押さえが相対的に密着方向に移動して通帳の磁気部を挟持する形となる。
上記の通帳のような綴じ合わせ冊子状の印字媒体に印字する印字装置としては、印字位置により印字媒体に厚さの変動が生じることを考慮し、印字媒体の厚さに応じて揺動可能に付勢された揺動プラテンと固定プラテンとを組み合わせて配置し、綴じ合わせ部近傍まで品質の高い印字を行う印字装置を開示した技術がある(例えば、特許文献1参照)。
また、通常、特に地方の郵便局や銀行の渉外員は、時間の自由が利かない又は足腰の自由が利かない得意先のために、預貯金のときは現金と通帳を預かって持ち帰り、預貯金を代行して通帳に預貯金の記録を印字した後、その通帳を得意先に出向いて手渡すということをしている。
また、預貯金の引き出しのときは、渉外員が通帳を預かって持ち帰り、預貯金の引き出しを代行して通帳に預貯金引き出しの記録を印字した後、その引き出した現金と通帳を得意先に出向いて手渡すということを行ってきた。
預貯金している本人が郵便局や銀行に出向いて預貯金の預け入れや引き出しをする場合は、郵便局又は銀行へ足を運ぶのは一度の往復で済むが、それを渉外員が代行する場合は、二度の往復が必要となり、労力的にも時間的にも極めて能率が良くない。
もし、渉外員が携帯可能な簡便な通帳印字装置があれば、預貯金の預け入れのときは、預け入れ金を受け取って、その場で通帳に預け入れの記録を印字して通帳を預け入れ本人に渡せばよく、また、預貯金の引き出しのときは、持ち歩いている予備の現金の中から支払いをして、その場で通帳に支払い記録を印字して通帳を支払い本人に渡せば済む。
単に小型の印字装置という点だけからみると、単一の回転駆動源の回転運動を、運動変換部で回動運動に変換し、複数の部材を駆動するようにしてプリンタの小型化を可能とした技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭61−279569号公報 特開平07−117303号公報
ところで、上記特許文献1の、綴じ合わせ冊子状の印字媒体に印字する印字装置は、もっぱら綴じ合わせ部近傍まで品質の高い印字を行うことを主眼としており、揺動プラテンを揺動可能に位置決めして保持するために、ソレノイド7A及び7Bという大型で且つ重量のある装置を用いている。
この特許文献1には、磁気部の記録の読取りや書込みに関する構成や動作の記載は一切見られないが、もしこの印字装置で磁気部の記録の読取りや書込みも行うものとすれば、磁気部の記録の読取りや書込みも、冊子状の印字媒体の厚さの変動に影響を受けるから、揺動プラテンと同様に、揺動式の磁気ヘッド押さえが必要となる。したがって、磁気読取り・書込み部にも、ソレノイド7A及び7Bと同様の大型で且つ重量のある装置を用いる必要がでてくる。
このことから、特許文献1の技術は、ATM等の床上設置型の大型装置内に配置される印字装置として用いるこが想定されていると考えられる。もっとも、特許文献1に開示されている大量の電力を必要とする専用ソレノイド等を用いる構造は、電池駆動を必須とする携帯型の小型な通帳印字装置には、到底採用できるものではない。
また、特許文献2の、単一の回転駆動源で複数の部材を駆動するプリンタは、単一の回転駆動源から変換された回動運動で4つの部材の移動、すなわち、幅寄せ、シャッタ開閉、搬送補助ガイド移動、及びプラテン昇降を行わせるものである。
特許文献2の図4によれば、幅寄せを行う幅寄せローラ314は、搬送ローラ311に従動して、媒体Pを搬送ガイドGの搬送基準面H側に常に幅寄するための装置であり、同じく図8によれば、シャッタ402は磁気読取り書込み用の開口部401を媒体Pの搬送時に部分的に遮蔽するシャッタであり、搬送補助ガイド501は、プラテン602が昇降する開口部を、媒体Pの搬送時に部分的に遮蔽して媒体Pを案内する部材である。
この特許文献2において、図2の形状を一見すると、小型化を謳っている通り床上設置型のように大型のプリンタでないことは分かる。しかし、幅寄せを行うということは、印字対象となる媒体のサイズが複数種類あることを示している。
したがって、規格の一定な通帳類の印字を目的としたものでないことは明らかであり、このことと図2ないし図8に示される構成とを考え合わせると、小型とはいっても、デスクトップ型のプリンタが最小限のところであって、渉外員が片手で小脇に抱えて持ち歩くような小型な装置として構成することはできないと考えられる。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、軽便な磁気読取書込装置及びその磁気読取書込装置を備え片手で小脇に抱えて持ち歩くことができるほど小型かつ軽量である携帯型の印字装置を提供することである。
本発明の媒体印字装置は、印字媒体に対して印字処理を行う印字部と、該印字部が前記印字処理を行うに際し、前記印字媒体を前記印字部とで挟み込むプラテンと、該プラテンを前記印字部に対して密着方向又は乖離方向に移動させる駆動部と、前記印字媒体が有する磁気記録部に記録された磁気データの読取又は書込を行う磁気ヘッド部と、該磁気ヘッド部が前記磁気データの読取又は書込を行うに際し、前記印字媒体を前記磁気ヘッド部とで挟み込む磁気ヘッド押さえ部材と、前記プラテンが前記印字部に対して乖離方向へ移動するに伴い、前記磁気ヘッド部が前記磁気ヘッド押さえ部材に対して密着方向に移動、又は、前記プラテンが前記印字部に対して密着方向へ移動するに伴い、前記磁気ヘッド部が前記磁気ヘッド押さえ部材に対して乖離方向に移動する連動機構と、を備え、前記連動機構は、前記プラテンの前記乖離方向に配置され、前記プラテンが前記印字部に対し前記乖離方向に移動するとき、前記プラテンの前記乖離方向の面に当接して前記乖離方向に押される当接部と、該当接部が正逆両方向に回動する際の支持軸と、該支持軸に対し前記当接部と反対方向に延在し、前記当接部と一体な前記磁気ヘッド部を有し、前記当接部が前記プラテンにより前記乖離方向に押されることに応じて前記支持軸を支点にして前記当接部と同一方向に回動し、前記磁気ヘッド部を前記磁気ヘッド押さえ部材の方向に付勢する引き上げ部と、を有して構成される。
上記連動機構は、例えば、上記磁気ヘッドを上記磁気ヘッド押さえ部材に対して、密着方向に移動させ、上記磁気データの読取又は書込み処理を行う位置と、上記プラテンを上記印字部に対して、密着方向に移動させ、上記印字処理を行う位置と、上記プラテン及び上記磁気ヘッドが媒体搬送路に突出しない媒体搬送処理を行う位置と、で位置決めされるように構成される。
記連動機構は、例えば、上記支持軸の軸方向に摺動可能に取り付けられている。
また、この媒体印字装置は、見開き中心部に折り目を有し、搬送方向と直交する位置に磁気記録部を有する冊子状媒体に対し、印字処理を行う場合であって、上記印字媒体の搬入/搬出口の近傍にて上記印字媒体を挟持して搬送する第1の搬送ローラ部と、該第1の搬送ローラ部よりも上記搬入/搬出口に対し離れた位置にて上記印字媒体を挟持して搬送する第2の搬送ローラ部と、を更に有し、該第2の搬送ローラ部は、上記印字媒体が最大移動位置に在るとき上記印字媒体の見開き中心部の折り目よりも最大移動方向側で上記印字媒体を挟持する位置に配置されているように構成される。
本発明によれば、移動するプラテンに連動して磁気ヘッドを磁気ヘッド押さえ部材方向に離接させる連動機構を有する軽便な磁気読取書込装置及びその磁気読取書込装置を備え片手で小脇に抱えて持ち歩くことができるほど小型かつ軽量である携帯型の印字装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a) は、一実施の形態における印字装置を印字媒体と共に示す外観斜視図であり、同図(b) は、左に印字媒体の見開き印字面、中央に印字媒体の見開き側面、右に見開き背面を示す図である。図1(a) に示すように、印字装置1は、基台2と、この基台2の上方を覆う筐体3を備えている。
筐体3は、後方上部に回動蓋4を備え、回動蓋4から前方両側には、斜め下に傾斜して延び出す迫り出し部5(5a、5b)が形成されている。一方の迫り出し部5aの傾斜がやや緩やかとなっている前部上面のオペレーションパネル6には、電源スイッチ7と、報知ランプ8が配設されている。報知ランプ8は、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)を発光するLED(light-emitting-diode)が一体となって構成されている。
また、両側の迫り出し部5に挟まれる形となる筐体3の回動蓋4より前方の中央部は、斜め下方に急傾斜する前面9と、その下方にほぼ水平な案内面10が形成されている。前面9の下端部と案内面10の後端部との間には、搬入/搬出口11が形成されている。
この印字装置1は、例えば、設置面積はA4判程度、すなわちA4判の用紙上に載せると、用紙の端部が印字装置1の下部四方からはみ出す程度であり、高さは80mm程度の大きさであり、片手で小脇に抱えることができる程度の重さである。すなわち、
銀行等の金融機関の渉外員等がノート型パーソナルコンピュータと一緒に鞄に入れて持ち運べるような大きさ、重量になっている。
印字媒体12は、例えば銀行の預金通帳または郵便局の貯金通帳等であり、案内面10により案内され、矢印aで示すように、搬入/搬出口11から筐体3の内部に搬入され、矢印bで示すように、筐体3から外部に搬出される。
印字媒体12の図1(b) の左に示す見開き印字面13には、図の横方向に印字行が形成され、その印字行には、例えば、日付、備考、預貯金の預け入れ金額、引き出し金額、及び残高が印字される。
また、印字媒体12の図1(b) の右に示す見開き背面は、上が表表紙14、下が裏表紙15となっており、裏表紙15の所定の位置に、印字面13の印字行に直交する方向に磁気記録部16が形成されている。
図2は、上記印字装置1の内部の主要部の構成を示す図である。尚、図2には、図1と同一の構成部分には図1と同一の番号を付与して示している。
図2に示すように、印字装置1は、筐体3の背面に、印字媒体12の搬入位置が最大移動位置となったときの搬送前端部の逃げ部となる搬送逃げ口17を備えている。そして、搬入/搬出口11と搬送逃げ口17との間に、印字媒体12の搬送を案内する上下二枚の板(すのこ状の板でもよい)からなる前部案内部18と後部案内部19を備えている。
搬入/搬出口11の内側近傍には、ローラ対からなる第1の搬送ローラ部21が配設されている。
この第1の搬送ローラ部21は、前部案内部18を一部突き抜けて配置されており、搬入/搬出口11から図1(a) の矢印aで示したように挿入される印字媒体12を挟持して搬送(搬入/搬出、以下同様)する。
また、この第1の搬送ローラ部21よりも搬入/搬出口11に対し離れた位置(図では搬送逃げ口17の内側に近接する位置)に、ローラ対からなる第2の搬送ローラ部22が配設されている。
この第2の搬送ローラ部22は、後部案内部19を一部突き抜けて配置されており、第1の搬送ローラ部21と協働して印字媒体12を挟持して搬送する。
上記の第1の搬送ローラ部21及び第2の搬送ローラ部22は、迫り出し部5bの内部に配設されているステッピングモータ20により、不図示のギア及び歯付きベルトからなる駆動系を介して回転駆動される。
上記の前部案内部18と後部案内部19の間には、印字部23が配置されている。印字部23は、印字ヘッド24、印字ヘッド24を保持するキャリッジ25、キャリッジ25をキャリッジ25の不図示のボールナットを介して摺動自在に保持するボールネジ26等からなる。
ボールネジ26は、印字部23よりも紙面奥行き方向の向う側に配置されているステッピングモータ27により不図示のギア系からなる駆動系を介して回転駆動される。これにより、キャリッジ25つまり印字部23が、紙面奥行き方向に往復移動する。
尚、キャリッジ25のボールナットを単なる丸孔とし、ボールネジ26を単なる丸棒又はパイプとし、ギア及び歯付きベルトからなる駆動系を介してキャリッジ25を往復移動させるようにしてもよい。
上記の印字部23及びリボンカセット27は、回動蓋4の裏面に固定して懸架されている。回動蓋4がヒンジ軸28を回動支点として内部開放位置4´に開成されると、この回動蓋4の開成移動に追随して、印字部23及びリボンカセット27は開放位置23´及び27´に移動する。
また、前部案内部18と後部案内部19で形成される印字媒体搬送路を挟み印字部23の印字ヘッド24と対向して、プラテン29が、紙面奥行き方向に延在して配置されている。
プラテン29は、不図示の切替機構によって切り替えられるステッピングモータ20の駆動伝達系により駆動されて、上下方向に移動する。すなわち、印字部23の印字ヘッド24に対し、密着方向及びと乖離方向とに移動する。
また、第1の搬送ローラ部21のほぼ軸線に沿う所定の位置に、磁気読取書込装置30が配置されている。
磁気読取書込装置30は、磁気ヘッド部31と、磁気ヘッド押さえ部材32と、印字部23(つまり印字ヘッド24)に対して、密着方向又は乖離方向に移動するプラテン29の移動に連動して磁気ヘッド部31を磁気ヘッド押さえ部材32に対し乖離方向又は密着方向に移動させる連動機構33を備えている。

磁気ヘッド押さえ部材32は、シャフト34に摺動可能に嵌合して所定の位置に位置決めされた後、シャフト34に固定される。
磁気ヘッド部31は、位置決めされた磁気ヘッド押さえ部材32に対向する位置で、後述する固定部材によって印字装置本体フレームに回動可能に位置固定される。
連動機構33は、連動回転軸35に嵌合し、連動回転軸35により摺動可能に且つ回動可能に支持されている。
この連動機構33は、印字ヘッド24に対してプラテン29の乖離方向に配置され、プ
ラテン29が印字部23に対し乖離方向に移動するとき、プラテン29の乖離方向の面29aに当接して乖離方向に押される当接部36を備えている。
また、連動機構33は、当接部36が正逆両方向に回動する際の上記の連動回転軸35に対して当接部36と反対方向に延在し、当接部36と一体をなす引き上げ部37を備えている。
引き上げ部37は、当接部36が印字ヘッド24に対してプラテン29の乖離方向に押されることに応じて、連動回転軸35を支点にして当接部36と同じ回り方向(図の時計回り方向)に回動し、詳しくは後述する付勢部材を介して磁気ヘッド部31を磁気ヘッド押さえ部材32の方向に付勢する。
また、基台2の底部には、制御装置等の電子部品が搭載された回路基板38が配設されている。この回路基板38には、搭載されている電子部品の他に、着脱自在に装着される内蔵電池39がケーブル接続されている。
図3は、上記構成の印字部23、プラテン29、磁気読取書込装置30のみを取り出して示す斜視図である。
図4(a),(b) は、それぞれ左に図3を矢印e方向に見た図を示し、右に、図3を矢印f方向に見た図を示している。
尚、図3及び図4(a),(b) には、図2と同一の構成部分には図2と同一の番号を付与して示している。また、説明に必要な最小限の付属部材も共に示している。
図3及び図4(a),(b) において、プラテン29は、前述したように、ステッピングモータ20の駆動伝達系の切替により駆動されて、印字部23の印字ヘッド24に対し、矢印cで示す密着方向と、矢印dで示す乖離方向とに移動する。この移動はプラテンセンサ40によって検知され、これにより、プラテン29は所定の位置に設定される。
図4(a) に示すように、プラテン29が印字ヘッド24から乖離する方向に移動すると、プラテン29の乖離方向の面29aに当接する連動機構33の当接部36がプラテン29の乖離方向に押される。これにより、当接部36及び当接部36と一体な引き上げ部37が、連動回転軸35を支点にして、矢印gで示す時計回り方向に回動する。
連動機構33が時計回り方向に回動することにより、引き上げ部37の端部に上端が係止する付勢部材(例えば図4(a),(b) に示すような引き螺旋バネ)41が上方に引き伸ばされる。
付勢部材41の下端部は、回動支持部材42の係止部43に係止している。したがって、付勢部材41が上方に引き伸ばされることによる付勢部材41の縮み方向の復元力により、回動支持部材42が上方に引き揚げられる。
これにより回動支持部材42は、支持軸44を支点にして図4(a) の矢印hで示すように反時計回り方向に回動する。支持軸44は固定部45に係合しており、固定部45は印字装置本体フレーム46の、溝状の長孔の上下から例えばビスとナットで挟めつけるようにして摺動可能に固定されている。
支持軸44を支点にして反時計回り方向に回動する回動支持部材42の回動自由端には磁気ヘッド31を保持する磁気ヘッド保持部材48が他の支持軸47により支持されている。
これにより、付勢部材41の上記の縮み方向の復元力により、上方に引き揚げられて矢印h方向に付勢されて回動する支持部材42により、磁気ヘッド31は、磁気ヘッド保持部材48を介し矢印iで示すように磁気ヘッド押さえ部材32に密着する方向へ付勢される。
尚、図3では、磁気ヘッド押さえ部材32には嵌合孔49のみ示し、この嵌合孔49に嵌入して磁気ヘッド押さえ部材32を支持するシャフト34(図3、図4(a),(b) 参照)の図示は省略している。
ところで、上記とは逆に、図4(b) に示すように、プラテン29が印字ヘッド24に密着する方向に移動すると、プラテン29の乖離方向の面29aに当接する連動機構33の当接部36がプラテン29の押圧から開放される。
これにより、連動機構33の引き上げ部37に係合する付勢部材41の縮み方向の復元力により、連動機構33が図4(b) の矢印jで示すように反時計回り方向に回動する。
また、これと共に、連動機構33からの引き上げ付勢力から開放された支持部材42が磁気ヘッド部31を伴って、不図示の付勢部材の付勢力により(又は自重を利用してもよい)矢印kで示すように時計回り方向に回動する。これにより、磁気ヘッド部31が、矢印mで示すように、磁気ヘッド押さえ部材32から乖離する方向へ移動する。
ここで、図4(a) に示す状態は、図1(b) の右に示した印字媒体12の裏表紙15に設けられている磁気記録部16に対して、磁気読取書込装置30により磁気データを読み取る又は書き込む場合の設定状態を示している。
そして、図4(b) に示すように、プラテン29´が印字ヘッド24と密着した状態は、図1(b) の左に示した印字媒体12の見開き印字面13に、印字部23によりプラテン29と協働して、日付、備考、預貯金の預け入れ金額、引き出し金額、残高等を印字する場合の設定状態を示している。
また、図4(b) に示すように、プラテン29が媒体搬送路をふさがない状態は、媒体を搬送路で搬送する搬送状態を示している。
図5は、上記の構成における、印字装置1の制御部の構成を示すシステムブロック図である。図5に示すように、印字装置1の制御システムは、送受信タスク51、システム管理タスク52、搬送制御/磁気制御タスク53、印字編集タスク54、印字制御タスク55等から構成される。
図中の両方向を往復する矢印は、データ又はコマンドの送受経路を示し、一方向矢印は制御の方向を示している。上記の各タスクはそれぞれ協働し、あるいは分担して、種々のドライバを制御する。
印字装置1には、少なくとも、ヘッドドライバ57、モータ制御ドライバ58、センサ制御ドライバ59、磁気制御ドライバ60、Bluetooth制御ドライバ61、シリアル制御ドライバ62、オペレーションパネル制御ドライバ63、フラッシュROM(read-only-memory)制御ドライバ64等のドライバが搭載されている。
印字編集タスク54はイメージバッファ56に印字イメージデータを展開し、印字制御タスク55は、イメージバッファ56に展開された印字イメージデータを参照しながらヘッドドライバ57及びセンサ制御ドライバ59を制御する。
搬送制御/磁気制御タスク53は、モータ制御ドライバ58、センサ制御ドライバ59
及び磁気制御ドライバ60を制御する。送受信タスク51は、Bluetooth制御ドライバ61及びシリアル制御ドライバ62を制御し、システム管理タスク52は、オペレーションパネル制御ドライバ63及びフラッシュROM制御ドライバ64を制御する。これらの各ドライバは、I/O(入出力インタフェース)65を介して各部を駆動する。
例えば、ヘッドドライバ57は、印字ヘッド24の印字素子を印字イメージデータに合わせて印字駆動する。これにより、図1(b) の左に示した印字媒体12の見開き印字面13に、印字部23により、日付、備考、預貯金の預け入れ金額、引き出し金額、残高等の印字が実行される。
また、モータ制御ドライバ58は、ステッピングモータ20を正逆回転駆動する。これにより、駆動伝達系の切替に応じて、あるときは第1の搬送ローラ部21及び第2の搬送ローラ部22が正逆回転駆動され、またあるときはプラテン29が上下に昇降する。
また、センサ制御ドライバ59は、プラテンセンサ40や図2では図示を省略した各部のセンサを駆動して、その出力を監視する。これにより、各部の回転量や移動量が所定の回転数又は所定の位置に制御される。
また、磁気制御ドライバ60は、磁気ヘッド31を制御する。これにより、図1(b) の右に示した印字媒体12の裏表紙15に設けられている磁気記録部16に対して、磁気読取書込装置30による磁気データの読み取りや書き込みや実行される。
また、Bluetooth制御ドライバ61は、無線送受信部70を駆動制御する。これにより、携帯型端末72との間でBluetooth規格の無線通信を行うことができ、携帯型端末72からの指示で印字装置1が動作するようになる。
また、シリアル制御ドライバ62は、図1及び図2では図示を省略したRC232Cインタフェース66の入出力を制御する。これにより、例えば印字装置1を使用した渉外員が帰還した事務所においてRC232Cインタフェース66に接続される外部機器と、印字装置1との間で印字データの通信が行われる。
また、オペレーションパネル制御ドライバ63は、オペレーションパネル6の報知ランプ8の出力を制御する。これにより、報知ランプ8において印字装置1の各部の動作に応じて所定の発光色のLEDにより、点灯、点滅、消灯による外部への報知が実行される。
図6は、上記の構成において、システム管理タスク52により実行される処理動作を説明するフローチャートである。
図7(a),(b),(c),(d) は、上記の処理動作における本実施形態の主要部の動作を説明する動作状態図である。尚、図7には、図1ないし図4に示した構成と同一の構成部分には図1ないし図4と同一の番号を付与して示している。また、図7(a),(b) に示す番号は、図7(c),(d) では記載を省略している。
図6において、処理Aは初期設定動作を示し、処理Bは磁気読取り動作を示し、処理Cは印字動作を示し、そして、処理Dは磁気書込み(書換え)動作を示している。尚、この印字装置1では、電源投入前の停止時には、印字部23は印字位置よりも上方にあり、プラテン29も、印字媒体搬送路よりも上方に位置して停止している。
先ず、処理Aの初期設定動作で、渉外員の手によって印字装置1の電源がオンとなると(ステップS1)、プラテン29の位置が検知される(ステップS2)。この処理は、プラテンセンサ20により、プラテン29がホームポジションに在るか否かを検出する処理
である。
尚、プラテン29のホームポジションは、図7(b) に示すように、プラテン29の上面が印字媒体搬送路と同じ高さになる位置、かつ、磁気ヘッドは印字媒体搬送路に突出しない位置である。
そして、プラテン29がまだホームポジションに来ていないときは(S2がNO)、プラテン29を下降させて(S3)、再びステップS2の検知処理を行う、ということを繰り返す。
そして、プラテン29がホームポジションに来たことが検知されることによって(S2がYES)、初期設定が完了する。
プラテン29がホームポジションで印字媒体搬送路と同じ高さに位置することによって、印字媒体搬送路を前部案内部18から後部案内部19へと搬送される印字媒体12の搬送方向先端が、後部案内部19の前端部に引っ掛かる不具合を防止することができる。
尚、図1(a) に示したように、搬入/搬出口11から挿入された印字媒体12は、図7(a),(b),(c) の矢印nで示すように、順逆両方向に搬送(搬入/搬出)される。
また、このようにプラテン29がこのホームポジションに在るときは、連動機構33の当接部36は、図7(d) の場合と同様に、プラテン29の押圧から開放されており、したがった、磁気ヘッド31は、図4(b) で説明したように、磁気ヘッド押さえ部材32から乖離する方向へ移動している。
これにより、前部案内部18及び後部案内部19とで形成される印字媒体搬送路は、印字媒体搬送のためにプラテン29からも磁気ヘッド31からも開放される。
ここで、ステッピングモータ20の駆動伝達系が切り替えられることにより、プラテン29がホームポジションで停止し、第1の搬送ローラ部21及び第2の搬送ローラ部22が順方向に回転駆動される。
次に、処理Bの磁気読み取り動作において、前部案内部18の近傍に設置された図示しない光学センサ71が媒体の挿入を検知すると、印字媒体の搬入動作が開始される(ステップS4)。そして、光学センサ71により、磁気記録部16の記録読取開始位置が磁気ヘッド31の位置に来たことが検知されることによって、ステッピングモータ20の駆動伝達系が切り替えられ、搬入動作が停止される(ステップS5)
図7(a),(b) に示す記録媒体12の位置は、上記のように磁気記録部16の記録読取開始位置が磁気ヘッド31の位置に来て停止した状態を示している。
続いて、プラテン29が下降する(ステップS6)。この処理では、図7(c) の矢印oで示すように、プラテン29が下降して連動機構33の当接部36を押し下げる。これにより、連動機構33が矢印pで示す時計回り方向に回動し、図4(a) でも説明したように、磁気ヘッド部31が、図7(c) の矢印qで示すように、磁気ヘッド押さえ部材32に密着する方向に付勢される。
ここで搬入動作が再開され、プラテンと印字ヘッド部が離れるため、邪魔されることなく、低速で搬送されることにより磁気ヘッド部31による印字媒体12の磁気記録部16の磁気部16aから磁気記録データを読み取る処理が開始される(ステップS7)。
そして、図7では示していないが、印字媒体12の搬入方向後端部が第1の搬送ローラ部21の位置まで来たときに、磁気部16aの記録読取終了位置が磁気ヘッド31の位置に来る。
また、このとき、印字媒体12の搬入方向にある表表紙14及びこれと重なる見開き印字面13の部分は、図2に示した搬送逃げ口17から外部に突出する。
この状態で、ステッピングモータ20の駆動伝達系が切り替えられ、印字媒体12の搬入動作が停止され(ステップS8)、代わってプラテン29が再びホームポジションの位置、すなわち印字媒体搬送路を遮らない高さまで上昇する(ステップS9)。
これにより、前述したように磁気ヘッド部31が下降し、印字媒体搬送路は、再び印字媒体の搬送(移動)のためにプラテン29からも磁気ヘッド31からも開放される。
続いて、処理Cの印字動作が開始される。すなわち、ステッピングモータ20の駆動伝達系が、プラテン29を上昇駆動し、所定の位置に停止させる。次に、不図示の搬送モータを駆動し、第1及び第2の搬送ローラ部21及び22の回転駆動に切り替により、印字媒体12の移動が開始され(ステップS10)、所定の位置で停止する(ステップS11)。
この処理では、処理Bの磁気読取り動作において、通帳所有者IDや預貯金の磁気データと共に、見開き印字面13の記録最終行を示すデータも読み取られており、この記録最終行を示すデータに基づいて、印字媒体12の今回の記録開始行が認識され、その記録開始行が印字部23の印字ヘッド24に対向する位置(所定の位置)に来た時点で印字媒体12の搬送(移動)が停止される。
ここで、プラテン29が、ホームポジションから、図7(d) の矢印rで示すように、印字媒体搬送路の中を印字ヘッド24の不図示の突き当て部に当接するまで上昇する(ステップS12)。これにより、ステッピングモータ20が脱調させた後、停止させ、プラテン29も停止する(ステップS13)。
その後、ステッピングモータ20が所定ステップ回転して、プラテン29が印字ヘッド24から規定距離だけ離れた位置まで下降させ、印字ヘッドとプラテンが適正な圧力となる位置に移動させる(ステップS14)。これにより、印字ヘッド24とプラテン29との間に所定の間隙が形成され、この間隙に印字媒体12の見開き印字面13の記録開始行の部分が挟持される。
続いて、印字動作が実行される(ステップS15)。この処理では、印字部23は印字媒体12の記録開始行に沿って移動しながら、印字ヘッド24により、記録開始行に、例えば、日付、備考、預け入れ金額又は引き出し金額、及び残高等が印字される。
また、この処理では、記録行が記録開始行の他に数行に及ぶときは、記録行の行数だけ搬送と印字動作が繰り返される。そして、必要な記録の印字が全て終了すると、印字動作が停止する。したがって、この場合、磁気ヘッド押さえ部と磁気ヘッドが乖離しているため、邪魔されることなく改行動作が行なわれるため、斜行などの影響を受けずに適正に印字処理が行なわれる。
また、図2〜図4では、特には図示しなかったが、印字時の標準位置において印字媒体12の見開き印字面の紙厚変化に対応できるように、プラテン29は、被保持部に設けられた付勢部材により、上下に揺動可能に構成されている。
上記に続いて、プラテン29が、図7(b) に示すように、ホームポジション、すなわち印字媒体搬送路を遮らない位置まで下降する(ステップS16)。
これにより、磁気ヘッド部31は下降したままの位置にあり、印字媒体搬送路は、再び印字媒体の搬送(移動)のためにプラテン29からも磁気ヘッド31からも開放される。
そして、最後に処理Dの磁気書込み(書換え)動作が開始される。先ず、第1及び第2の搬送ローラ部21及び22による印字媒体12の搬入方向への搬送が開始される(ステップS17)。
なお、磁気記録部16の記録書込開始位置は、図7(a),(b) に示す記録読取開始位置とは反対側端部になっている。つまり、磁気部16aの記録読取終了位置が記録書込開始位置となっている。
したがって、上記の処理Cの印字動作における最終印字位置がどの行であっても、磁気書込み処理では、最初の印字媒体12の搬送は搬入方向への搬送となる。
そして、光学センサ71により、磁気記録部16の記録書込開始位置が磁気ヘッド31の位置に来たことが検知されることによって、搬送動作が停止される(ステップS18)。
この場合も、印字媒体12の搬入方向にある表表紙14及びこれと重なる見開き印字面13の部分は、図2に示した搬送逃げ口17から外部に突出する。
続いて、プラテン29が下降する(ステップS19)。そして、連動機構33により、磁気ヘッド部31が、磁気ヘッド押さえ部材32に密着する方向に付勢される。
ここで搬出動作が開始され、磁気ヘッド部31による印字媒体12の磁気部16aへの磁気記録データの書込み処理が開始される(ステップS20)。尚、この処理では、磁気データは、逆方向に並べ替えられて書き込まれていく。
そして、磁気ヘッド31が磁気部16aの記録書込終了位置にくると、搬出動作が停止する(ステップS21)。
続いて、搬入動作が開始され、磁気ヘッド31によって、磁気部16aの磁気データの記録が読み取られる(ステップ22)。そして、読み取りが終了すると搬入が停止する(ステップS23)。これにより、いま書き込まれた磁気データの記録が正しく書き込まれているかが読取り・確認される。
上記の読取り・確認により、磁気データの記録が正しく書き込まれていると判断されたときは、プラテン29が図7(c) の位置から、図7(b) に示す印字媒体搬送路を遮らない位置まで上昇する(ステップS24)。また、磁気データが正しく書き込まれなかったと判断された場合は、再度、磁気記録データの書込み処理が行われる。
これにより、磁気ヘッド部31は下降し、印字媒体搬送路は、再び印字媒体の搬送(移動)のためにプラテン29からも磁気ヘッド31からも開放される。
そして、第1及び第2の搬送ローラ部21及び22が回転駆動され、印字媒体12が搬入/搬出口11から外部に排出されて(ステップS25)、搬出動作が停止する(ステップS26)。
このように、プラテン29の位置により、搬送動作(図7(b) 参照)、磁気読取動作(図7(c) 参照)、印字動作(図7(d) 参照)のそれぞれの動作が行われる。
すなわち、一般に通帳等の印字媒体に印字する印字装置は、印字媒体の搬送、磁気データの読取りと書込み、印字媒体への印字という三通りの処理動作を実行する。
印字媒体の搬送では、搬送ローラで印字媒体を挟み、搬送ローラを回転させることにより印字媒体を搬送する。その際、プラテンは印字媒体の搬送路に突出したりして搬送を妨げてはならない。
また、磁気データの読取りと書込みでは、磁気記録部に磁気ヘッドを押圧した状態で上記の搬送動作を行い且つ磁気データの読取りや書込みを行う。その際にも、プラテンは印字媒体の搬送路に突出したりして搬送を妨げてはならない。
また、印字媒体への印字では、搬送動作で所定位置に印字媒体を移動させて停止させた後、プラテンを動作させて印字ヘッドとプラテンの間に印字媒体を挟むが、印字ヘッドは印字面に一定の間隔で位置する必要がある。
本例では、これらの動作を、全てプラテンの三通りの昇降動作に連動して実行することができる。
そして、従来は、プラテンと磁気ヘッドの移動を駆動するには、それぞれ固有の動力源を必要としていたが、本実施例の連動機構によって、1個のモータで駆動することができ、これにより、印字装置の小型軽量化に貢献できる。
したがって、片手で小脇に抱えて持ち歩くことができるほど小型で軽量の携帯印字装置が実現できる。また、プラテンと磁気ヘッドの移動に駆動モータを共通で使用しているため、電源電池の消費電力を低く抑えることができ、長時間の駆動が可能となる。これにより、渉外員は携帯印字装置の電池残量を気にせずに、一日中外回りを行なうことができるため、より多くの顧客を回ることができ、顧客のサービス向上を図ることが出来る。
また、磁気ヘッド部31は、連動回転軸35の軸方向に摺動可能なように取り付けられているので、印字媒体12によって磁気記録部16の位置が異なっていても、磁気ヘッド部31を移動させることで容易に対処することができる。これは、金融機関毎に通帳の磁気記録部の位置が異なっている場合が多いためであり、顧客先で必要に応じて適切な位置に磁気ヘッド部を移動させることができる。例えば、金融機関の統合により新旧複数種類の通帳を扱う場合においては、顧客が保有する通帳の種類に応じて、磁気ヘッドの位置を適切に変更することにより、迅速な処理が行なえ、運用性が向上する。
また、磁気ヘッドは、一定の圧力で磁気ヘッド押え部材に押圧する必要があるが、本例の連動機構では、連動機構の回動の動きに従い、付勢部材で磁気ヘッドを磁気ヘッド押え部材方向に付勢して、適宜に適切な圧力で磁気ヘッドを磁気ヘッド押え部材に容易に押圧することができるため、確実に通帳の磁気記録部に磁気データの読取や書込を行なうことが可能となる。例えば、通帳が撓んでいたり、シワなどが発生していたりする場合であっても、付勢部材により磁気ヘッドを適切な圧力で、かつ、柔軟に押さえつけているため、客先での磁気データの読込や書込の不良を低く抑えることができる。
また、連動機構は、磁気ヘッドによる磁気データの読取又は書込時はプラテンを印字ヘッドに対して乖離方向に移動し、媒体への印字処理時は磁気ヘッド部を磁気ヘッド押さえ部材に対して乖離方向へ移動する様に動作する。これにより、それぞれの処理時において印字ヘッド及び磁気ヘッドが邪魔にならない位置に位置決めされるため、磁気記録部や冊子の綴り部の媒体の厚み変化の影響を受けずに処理を行うことが可能となる。
図8(a),(b) は、上記構成の印字装置1における第1及び第2の搬送ローラ部21及び22の配置状態の特徴を説明する図である。同図(a),(b) は、いずれも上に図7(a) と同様の配置関係を示し、中央に図7(c) と同様の配置関係を示し、下に磁気ヘッドと磁気記録部との位置関係を示している。
また、図8(a) には、説明に必要な最小限の構成部分に図1ないし図4と同一の番号を付与して示し、図8(b) には、図8(a) を参照できる部分には番号の記載を省略している
また、図8(a),(b) には、印字媒体12の綴じ込み部68、第2の搬送ローラ部22のローラ把持部69、及び磁気ヘッド部31の読み書き位置sを示している。
ここで図8(a) は、磁気ヘッド部31が印字媒体12の磁気部16aの読取開始位置(書込終了位置でもある)にあるときの各部の配置関係を示している。
また、図8(b) は、磁気ヘッド部31が印字媒体12の磁気部16aの読取終了位置(書込開始位置でもある)にあるときの各部の配置関係を示している。また、図8(b) に示す状態は、印字媒体12が最大移動位置に在るときの状態でもある。
図8(b) に示すように、第2の搬送ローラ部22は、印字媒体12が最大移動位置に在るとき印字媒体12の見開き中心部の折り目(綴じ込み部68)よりも最大移動方向側(図の右方向側)で印字媒体12を挟持(ローラ把持部69参照)する位置に配置されている。
磁気ヘッド部31が磁気部16aの磁気データの読み書き中に、綴じ込み部68で厚さが変化する見開き印字面に、第2の搬送ローラ部22が乗り上げたり逆に紙面から離れると、磁気データを読み書きする磁気ヘッド部31の特性に悪影響を及ぼすという不具合が発生する。
しかし、上記のように第2の搬送ローラ部22が常に見開き中心部の折り目(綴じ込み部68)よりも最大移動方向側(図の右方向側)に位置するように配置されていると、磁気データの読み書き動作の開始から動作終了までの間に、綴じ込み部68で厚さが変化する見開き印字面に、第2の搬送ローラ部22が乗り上げたり逆に紙面から離れるようなことがなく、したがって、磁気ヘッド部31の特性に悪影響を及ぼす不具合が解消される。
このように、本例の印字装置1の搬送ローラ部の配置構成では、搬送ローラと磁気ヘッドの安定した動作が保証される。
(a) は一実施の形態における印字装置を印字媒体と共に示す外観斜視図、(b) は左に印字媒体の見開き印字面、中央に印字媒体の見開き側面、右に見開き背面を示す図である。 一実施の形態における印字装置の内部の主要部の構成を示す図である。 一実施の形態における印字装置の印字部、プラテン、磁気読取書込装置のみを取り出して示す斜視図である。 (a),(b) はそれぞれ左に図3を矢印e方向に見た図を示し、右に図3を矢印f方向に見た図を示している。 一実施の形態における印字装置の制御部の構成を示すシステムブロック図である。 一実施の形態における印字装置においてシステム管理タスクにより実行される処理動作を説明するフローチャートである。 図6に示す処理動作における本実施形態の主要部の動作を説明する動作状態図である。 (a),(b) は一実施の形態の印字装置における第1及び第2の搬送ローラ部の配置状態の特徴を説明する図である。
符号の説明
1 印字装置
2 基台
3 筐体
4 回動蓋
5(5a、5b) 迫り出し部
6 オペレーションパネル
7 電源スイッチ
8 報知ランプ
9 前面
10 案内面
11 搬入/搬出口
12 印字媒体
13 見開き印字面
14 表表紙
15 裏表紙
16 磁気記録部
16a 磁気部
17 搬送逃げ口
18 前部案内部
19 後部案内部
20 ステッピングモータ
21 第1の搬送ローラ部
22 第2の搬送ローラ部
23 印字部
24 印字ヘッド
25 キャリッジ
26 ボールネジ
27 リボンカセット
28 ヒンジ軸
29 プラテン
29a 乖離方向の面
30 磁気読取書込装置
31 磁気ヘッド部
32 磁気ヘッド押さえ部材
33 連動機構
34 シャフト
35 連動回転軸
36 当接部
37 引き上げ部
38 回路基板
39 内蔵電池
40 プラテンセンサ
41 付勢部材(例えば引き螺旋バネ)
42 回動支持部材
43 係止部
44 支持軸
45 固定部
46 印字装置本体フレーム
47 支持軸
48 磁気ヘッド保持部材
49 嵌合孔
51 送受信タスク
52 システム管理タスク
53 搬送制御/磁気制御タスク
54 印字編集タスク
55 印字制御タスク
57 ヘッドドライバ
58 モータ制御ドライバ
59 センサ制御ドライバ
60 磁気制御ドライバ
61 Bluetooth制御ドライバ
62 シリアル制御ドライバ
63 オペレーションパネル制御ドライバ
64 フラッシュROM(read-only-memory)制御ドライバ
65 I/O(入出力インタフェース)
66 RC232Cインタフェース
67 フラッシュROM
68 綴じ込み部(ミシン目)
69 ローラ把持部
70 bluetooth(無線送受信部)
71 光学センサ
72 携帯型端末

Claims (4)

  1. 印字媒体に対して印字処理を行う印字部と、
    該印字部が前記印字処理を行うに際し、前記印字媒体を前記印字部とで挟み込むプラテンと、
    該プラテンを前記印字部に対して密着方向又は乖離方向に移動させる駆動部と、
    前記印字媒体が有する磁気記録部に記録された磁気データの読取又は書込を行う磁気ヘッド部と、
    該磁気ヘッド部が前記磁気データの読取又は書込を行うに際し、前記印字媒体を前記磁気ヘッド部とで挟み込む磁気ヘッド押さえ部材と、
    前記プラテンが前記印字部に対して乖離方向へ移動するに伴い、前記磁気ヘッド部が前記磁気ヘッド押さえ部材に対して密着方向に移動、又は、前記プラテンが前記印字部に対して密着方向へ移動するに伴い、前記磁気ヘッド部が前記磁気ヘッド押さえ部材に対して乖離方向に移動する連動機構と、
    を備え、
    前記連動機構は、
    前記プラテンの前記乖離方向に配置され、前記プラテンが前記印字部に対し前記乖離方向に移動するとき、前記プラテンの前記乖離方向の面に当接して前記乖離方向に押される当接部と、
    該当接部が正逆両方向に回動する際の支持軸と、
    該支持軸に対し前記当接部と反対方向に延在し、前記当接部と一体な前記磁気ヘッド部を有し、前記当接部が前記プラテンにより前記乖離方向に押されることに応じて前記支持軸を支点にして前記当接部と同一方向に回動し、前記磁気ヘッド部を前記磁気ヘッド押さえ部材の方向に付勢する引き上げ部と、
    を有するように構成される、
    とを特徴とする媒体印字装置。
  2. 前記連動機構は、
    前記磁気ヘッドを前記磁気ヘッド押さえ部材に対して、密着方向に移動させ、前記磁気データの読取又は書込み処理を行う位置と、
    前記プラテンを前記印字部に対して、密着方向に移動させ、前記印字処理を行う位置と、
    前記プラテン及び前記磁気ヘッドが媒体搬送路に突出しない媒体搬送処理を行う位置と、
    で位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の媒体印字装置。
  3. 前記連動機構は、前記支持軸の軸方向に摺動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項に記載の媒体印字装置。
  4. 見開き中心部に折り目を有し、搬送方向と直交する位置に磁気記録部を有する冊子状媒体に対し、印字処理を行う場合であって、
    前記印字媒体の搬入/搬出口の近傍にて前記印字媒体を挟持して搬送する第1の搬送ローラ部と、
    該第1の搬送ローラ部よりも前記搬入/搬出口に対し離れた位置にて前記印字媒体を挟持して搬送する第2の搬送ローラ部と、
    を更に有し、
    該第2の搬送ローラ部は、前記印字媒体が最大移動位置に在るとき前記印字媒体の見開き中心部の折り目よりも最大移動方向側で前記印字媒体を挟持する位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の媒体印字装置。
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