JP4898288B2 - 吹抜け補強構造 - Google Patents
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Description
このユニット式建物では、下階建物ユニットの対向する上梁間に補強梁が架設されるとともに、上階ユニットの対向する下梁間にも補強梁が架設され、これらの吹抜け空間を横断する上下二段の補強梁は、その周囲が化粧板で被覆されて構造材としての補強梁が室内空間に露出しないように構成されている。
すなわち、図面も参照して説明すると、本発明の吹抜け補強構造は、四隅の柱11,21、上梁12,22および下梁13,23から略直方体状に形成された骨組み14,24を有する建物ユニット10,20を複数配置して構成されるユニット式建物1における吹抜け補強構造であって、互いに隣接配置されるとともに隣接部の上梁が省略された一対の下階建物ユニット10Bと、これらの各下階建物ユニットの上側に配置されるとともに隣接部の下梁が省略された一対の上階建物ユニット20Bとで形成される吹抜け部5に配置される補強部材30,40を備え、前記補強部材は、略水平面内に延びる板状部31,41を有して形成され、前記一対の下階建物ユニットにおける前記省略された上梁と対向する第1上梁12Aに当該補強部材の両端部が結合されるとともに、前記省略された上梁と交差する一方の第2上梁12Bに沿って当該補強部材の一側端縁が配置されるか、または、前記一対の上階建物ユニットにおける前記省略された下梁と対向する第1下梁23に当該補強部材の両端部が結合されるとともに、前記省略された下梁と交差する一方の第2下梁23に沿って当該補強部材の一側端縁が配置され、前記補強部材は、前記第2上梁または前記第2下梁に沿った端縁と反対側の前記板状部の端縁に略鉛直に折れ曲がった補強片32,42を有して形成され、前記補強片はパイプ状とされ、かつ、その両端部が前記第1上梁に固定されたブラケットに接合され、前記補強部材は、前記第2上梁または前記第2下梁に沿った端縁の側に前記柱と接合する接合片34を有して形成されることを特徴とする。
さらに、補強部材を略水平面内に延びる板状部を有して形成するとともに、その両端部を下階建物ユニットの第1上梁または上階建物ユニットの第1下梁に結合したので、水平面内での高い剛性により建物ユニットを補強することができ、吹抜け部における天井や床が省略されていても、ユニット式建物全体の剛性や強度を確保することができる。
また、下階建物ユニットおよび上階建物ユニットをそれぞれ一対で隣接させ、これらの隣接部の上梁および下梁を省略して吹抜け部を形成した場合には、吹抜け空間をより広く開放的にすることができるとともに、隣接した一対の下階建物ユニットや上階建物ユニットに跨る補強部材によって、建物ユニットを確実に補強することができる。
しかも、板状部の端縁に略鉛直に折れ曲がった補強片を設けたことで、板状部の水平面内剛性に加えて面外方向の曲げ剛性を高めることができ、補強効果を向上させることができる。その上、接合片を建物ユニットの柱に接合することで、建物ユニットと補強部材との一体性を高め、ユニット式建物全体の剛性や強度を向上させることができる。
この構成によれば、板状部における第2上梁または第2下梁側の端縁に略鉛直に折れ曲がったリブ状の第2補強片を設けたことで、板状部の面外方向の剛性をより一層高めることができるとともに、第2補強片を隣接する上梁同士または下梁同士の間に挟持することで、建物ユニットと補強部材との一体性を一層高めることができる。
この構成によれば、板状部を上下階の建物ユニットの上梁と下梁との間に挟持することで、上下階の建物ユニットと補強部材との一体性も高めて建物全体の補強効果を一層向上させることができる。
この構成によれば、下階建物ユニットを建設現場に設置した後に、その上方から補強部材を設置して両端部を第1上梁に結合することで、補強部材の設置作業や結合作業が容易になり、施工性を向上させることができる。すなわち、補強部材を複数の建物ユニットに跨って配置するような場合であっても、複数の下階建物ユニットを配置してから補強部材を設置すれば容易に作業が実施でき、また複数の上階建物ユニットの下部に補強部材を取り付ける場合と比較しても、設置作業を格段に容易化することができる。
図1から図6には、本発明の第1実施形態に係る吹抜け補強構造を適用したユニット式建物が示されている。
図1は、本実施形態のユニット式建物1を示す断面図であり、主に構造体を示す断面図である。図2は、ユニット式建物1の下階建物ユニット10を示す平面図である。図3は、ユニット式建物1における吹抜け部を構成する建物ユニットを示す斜視図である。図4は、吹抜け部における吹抜け補強構造を示す斜視図である。図5および図6は、それぞれ吹抜け補強構造を拡大して示す断面図である。
補強部材30,40は、それぞれ吹抜け空間5を形成する一対の吹抜け用下階建物ユニット10Bに跨って設けられており、補強部材30は、吹抜け用下階建物ユニット10Bに隣接配置される下階の標準建物ユニット10A側(屋内側)に配置され、補強部材40は、吹抜け空間5における外壁側(屋外側)に配置されている。これらの補強部材30,40は、それぞれ略水平面内に延びる板状部31,41を有して形成されるとともに、その両端部が吹抜け用下階建物ユニット10Bにおける省略された上梁と対向する第1上梁12A(図2中、左右に延びる長辺方向の上梁12)に結合され、かつ当該補強部材30,40の一側端縁が省略された上梁と交差する一方の第2上梁12B(図2中、上下に延びる短辺方向の上梁12)に沿って配置されている。そして、補強部材30,40の板状部31,41は、吹抜け用下階建物ユニット10Bの上梁12と、吹抜け用上階建物ユニット20Bの下梁23との間に挟持されるようになっている。
(1)補強部材30,40が吹抜け空間5の端部に設置され、補強部材30,40の一側端縁が吹抜け用下階建物ユニット10Bの第2上梁12Bに沿って配置されているので、中央に障害物がなく連続した広い吹抜け空間5を形成することができ、吹抜け空間5の開放感および意匠性を向上させることができる。
第2実施形態は、補強部材の設置位置が第1実施形態と相違するもので、他の構成は第1実施形態と同じである。
図7および図8は、それぞれ第2実施形態に係るユニット式建物1A,1Bの下階建物ユニット10を示す平面図である。
図7において、ユニット式建物1Aは、第1実施形態における補強部材40と同一の補強部材40が吹抜け空間5に設置され、第1実施形態の補強部材30が省略されたものである。
なお、図7においては、第1実施形態の補強部材30を省略した形態について説明したが、ユニット式建物1Aとしては、第1実施形態における補強部材30と同一の補強部材を吹抜け空間5に設置し、第1実施形態の補強部材40が省略した形態であってもよい。
すなわち、補強部材40A,40Bは、L字形の交差部において、板状部41同士が一体的に結合されるとともに、補強片42同士が十字形に交差接合されている。そして、補強部材40Aは、その両端部が一対の吹抜け用下階建物ユニット10Bにおける省略された上梁と対向する第1上梁12A(図8中、左右に延びる長辺方向の上梁12)に結合され、かつ当該補強部材40Aの一側端縁が省略された上梁と交差する一方(屋外側)の第2上梁12B(図8中、上下に延びる短辺方向の上梁12)に沿って配置されている。一方、補強部材40Bは、その両端部が一方(図8中、下側)の吹抜け用下階建物ユニット10Bにおける第1上梁12C(図8中、上下に延びる短辺方向の上梁12)に結合され、かつ当該補強部材40Bの一側端縁が第2上梁12D(図8中、左右に延びる長辺方向の上梁12)に沿って配置されている。つまり、補強部材40A,40BがL字形に配置される場合には、吹抜け用下階建物ユニット10Bにおける上梁12は、一方の補強部材40Aに対する第1上梁12Aとなり、かつ他方の補強部材40Bに対する第2上梁12Dともなるとともに、一方の補強部材40Aに対する第2上梁12Bとなり、かつ他方の補強部材40Bに対する第1上梁12Cともなり得る。
例えば、前記実施形態では、吹抜け用下階建物ユニット10Bおよび吹抜け用上階建物ユニット20Bがそれぞれ一対で隣接配置され、これらの隣接部の上梁および下梁を省略して吹抜け空間5が形成されていたが、これに限らず、上梁12が省略されずに天井が省略された1つの吹抜け用下階建物ユニットと、下梁23が省略されずに床が省略された1つの吹抜け用上階建物ユニットとで吹抜け部が形成されていてもよい。この場合には、吹抜け用下階建物ユニット(または、吹抜け用上階建物ユニット)の短辺方向の上梁12(下梁23)を第1上梁(第1下梁)とし、長辺方向の上梁12(下梁23)を第2上梁(第2下梁)として、補強部材を設置すればよい。
さらに、前記実施形態では、吹抜け用下階建物ユニット10Bに補強部材30,40,40A,40Bを設置したが、これに限らず、補強部材を吹抜け用上階建物ユニット20Bに設置してもよい。この場合には、第1や第2の補強片32,33,42を板状部31,41の端縁から略鉛直上方に折れ曲げて形成すればよい。そして、第2補強片が吹抜け用上階建物ユニット20Bの第2下梁と隣接する標準建物ユニット20Aの下梁23との間に挟持されるように構成すればよい。
5 吹抜け空間(吹抜け部)
10 下階建物ユニット
10B 吹抜け用下階建物ユニット
20 上階建物ユニット
20B 吹抜け用上階建物ユニット
11,21 柱
12,22 上梁
12A,12C 第1上梁
12B,12D 第2上梁
13,23 下梁
14,24 骨組み
30,40,40A,40B 補強部材
31,41 板状部
32,42 補強片(第1補強片)
33 第2補強片
34 接合片。
Claims (4)
- 四隅の柱、上梁および下梁から略直方体状に形成された骨組みを有する建物ユニットを複数配置して構成されるユニット式建物における吹抜け補強構造であって、
互いに隣接配置されるとともに隣接部の上梁が省略された一対の下階建物ユニットと、これらの各下階建物ユニットの上側に配置されるとともに隣接部の下梁が省略された一対の上階建物ユニットとで形成される吹抜け部に配置される補強部材を備え、
前記補強部材は、略水平面内に延びる板状部を有して形成され、
前記一対の下階建物ユニットにおける前記省略された上梁と対向する第1上梁に当該補強部材の両端部が結合されるとともに、前記省略された上梁と交差する一方の第2上梁に沿って当該補強部材の一側端縁が配置されるか、または、
前記一対の上階建物ユニットにおける前記省略された下梁と対向する第1下梁に当該補強部材の両端部が結合されるとともに、前記省略された下梁と交差する一方の第2下梁に沿って当該補強部材の一側端縁が配置され、
前記補強部材は、前記第2上梁または前記第2下梁に沿った端縁と反対側の前記板状部の端縁に略鉛直に折れ曲がった補強片を有して形成され、前記補強片はパイプ状とされ、かつ、その両端部が前記第1上梁に固定されたブラケットに接合され、
前記補強部材は、前記第2上梁または前記第2下梁に沿った端縁の側に前記柱と接合する接合片を有して形成されることを特徴とする吹抜け補強構造。 - 請求項1に記載された吹抜け補強構造において、
前記補強部材は、前記第2上梁または前記第2下梁に沿った側の前記板状部の端縁に略鉛直に折れ曲がった第2補強片を有して形成され、
前記第2補強片は、前記第2上梁と、この第2上梁側に隣接して配置される下階建物ユニットの上梁とで挟持されるか、または、前記第2下梁と、この第2下梁側に隣接して配置される上階建物ユニットの下梁とで挟持されていることを特徴とする吹抜け補強構造。 - 請求項1または請求項2に記載された吹抜け補強構造において、
前記補強部材の板状部は、前記下階ユニットの上梁と前記上階ユニットの下梁とで挟持されていることを特徴とする吹抜け補強構造。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載された吹抜け補強構造において、
前記補強部材は、前記下階建物ユニットの上方から前記第2上梁に当該補強部材の一側端縁を沿わせて配置されるとともに、前記第1上梁に当該補強部材の両端部が結合されることを特徴とする吹抜け補強構造。
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