JP4894098B2 - 液晶組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学的液晶表示材料として有用なネマチック液晶組成物及び、これを用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子の代表的なものにTN-LCD(ツイスティッド・ネマチック液晶表示素子)があり、時計、電卓、電子手帳、ポケットコンピュータ、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどに使用されている。一方、OA機器の処理情報の増加に伴い、シェファー(Scheffer)等[SID '85 Digest, p.120 1985年]、衣川等[SID '86 Digest, p.122 1986年]によって、STN(スーパー・ツイスティッド・ネマチック)-LCDが開発され、携帯端末、電子手帳、ポケットコンピュータ、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、あるいはモニター表示などの高情報処理用の表示に広く普及しはじめている。
【0003】
最近、STN-LCDの応答特性改善を目的にアクティブアドレッシング駆動方式[Proc.12th IDRC p.503 1992年]やマルチラインアドレッシング駆動方式[SID'92 Digest, p.232 1992年]が提案されている。また、より明るい表示やより高いコントラスト比を達成する目的で、カラーフィルター層の代わりに、液晶と位相差板の複屈折性を利用した新規反射型カラー液晶表示方式[テレビジョン学会技術報告 vol.14 No10.p.51 1990年]や基板電極側に小さな放物面を施した反射面有した液晶表示装置が提案されている。
【0004】
特に、表示面積の大型化の用途では、バックライトの温度分布に対する表示の均一性や高コントラストが求められており、より安定な配向性やより温度依存性の小さい液晶材料が、あるいはセル厚のばらつきを押さえるために所定の値に対応した複屈折率が求められている。また、画素数の増加により高いデューティー駆動が行われているため、これに対応した応答性、階調性等も重視されている。一方、中小型の携帯用表示では、使用環境温度に対する表示の安定性が重要なポイントとなっており、応答性や消費電力を低減できるより低い駆動電圧の液晶材料、あるいは-30〜0℃や40〜80℃の温度域での駆動電圧、急峻性や所望のデューティー駆動の周波数依存性等がより小さいこと等が求められている。更に、液晶の電気的抵抗(比抵抗)は、消費電力を少なくするために低すぎることは避ける必要があるものの、焼き付き現象を無くすために高くなり過ぎないように所定の値にすることが求められている。この様に現在も、より詳細に差別化され少しでも改良された液晶材料が要望されている。
【0005】
これに適した液晶材料として、複屈折率、弾性定数、誘電率異方性、より低い粘性、より広いネマチック温度、化学的な安定性、電気的な安定性(所望の比抵抗、電圧保持率)等の物性特性や、配向性に関わる所定のプレチルト角、より広いd/pマージン等の個々の特性を総合的に最適化したものが必要とされており、現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物の提案が要求されている。
【0006】
更に、その表示品質が優れていることから、アクティブ・マトリクス形液晶表示装置が携帯端末、液晶テレビ、プロジェクター、コンピューター等の市場に出されている。アクティブ・マトリクス表示方式は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)あるいはMIM(メタル・インシュレータ・メタル)等が使われており、この方式には高電圧保持率であることが重要視されている。また、更に広い視角特性を得るためにIPSモードと組み合わせたスーパーTFT[Asia Display '95 Digest, p.707 1995年]が近藤等によって提案されている。これ以外にもMVA、OCB(Optically Compensated Birefringence mode;特開平7-84254号公報、SID93DIGEST,p277)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、PC、PSCT等にアクティブ・マトリクス表示方式を用いることが報告されている(以下、これらアクティブ・マトリクス表示方式の液晶表示素子を総称してTFT-LCDと呼称する)この様な表示素子に対応するために、現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物、例えば特開平2-233626号公報、特表平4-501575号公報等の提案がなされている。
これらの表示方式や駆動方式に応じて、液晶材料としても種々の特性が要求されているが、現在実用化されているTN-LCD、STN-LCDおよびTFT-LCDにおいては、近年の携帯化に伴いバックライトを用いない反射型の液晶表示素子が実用化されている。
【0007】
液晶表示素子においては、干渉縞の発生による着色やむらを防止するために、セル厚(d)と屈折率異方性(Δn)の積(Δn・d)をある値(0.5、1.0、1.6、2.2、通常前二者が用いられることが多い。)に設定する必要があるが、これはバックライトを使用したときのことであり、前述の反射型液晶表示素子においては、反射光をみるため同じセル厚であれば光路長が往復となるためdの値は2倍となり、その結果Δnとしては1/2の値が必要となる。セル厚を薄くすることにより、その干渉縞の発生による着色やむらを防止することはできるが限界があり、その結果として小さなΔnを有する液晶材料が必要となる。しかし、Δnの比較的小さな化合物に単純に置き換えた組成物ではΔnを十分に低減することはできず、前述のその他の液晶諸特性を悪化させてしまうなどの問題があり、新しい液晶組成物の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電気光学表示素子、特に上記の液晶表示素子に求められる種々の特性を満足し、かつ、広い液晶温度範囲を持ちΔnが十分に低い液晶組成物及びこれを使用した液晶表示素子(TN、STN、AM-LCD)を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、種々の液晶化合物を用いた液晶組成物を検討した結果以下の液晶組成物を見いだした。
【0010】
一般式(I)
【化10】
(式中R1は、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基もしくは少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数1〜15のアルキル基を表し、これらの基中に存在する1個もしくは2個以上のCH2基はそれぞれ独立してO原子が相互に直接結合しないものとして -O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-により置き換えられても良く、
【0011】
環A及び環Bはそれぞれ独立して、
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基もしくは隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及びもしくは -S- に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基もしくは隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はCNもしくはハロゲンで置換されていても良く、
lは、0、1もしくは2であり、
L1及びL2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH2)4-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH- もしくは単結合であり、
Y1は、-H、-F、-Cl-、CNもしくはR1と同じ定義であり、
Q1は、単結合、-CF2-もしくは-OCF2- であり、環A及びL2が複数存在する場合はそれらは同一でも良く異なっていても良い。)から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含有し、さらに一般式(II)
【0012】
【化11】
(式中、R2、R3はそれぞれ独立的にフッ素置換されていても良い炭素原子数1〜16のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、もしくは炭素原子数1〜10のアルコキシル基で置換された炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、環C、環D及び環Eはそれぞれ独立的にフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-1,4-フェニレン基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン-2,6-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいフェナントレン-2,7-ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいフルオレン-2,7-ジイル基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、フッ素原子により置換されていてもよい1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基もしくはピリダジン-2,5-ジイル基を表し、mは0、1もしくは2を表し、L3及びL4はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-もしくは-C≡C-を表し、環E及びL4が複数存在する場合はそれらは同一でも良く異なっていても良い。)、一般式(IIIa)、一般式(IIIb)、一般式(IIIc)からなる群
【0013】
【化12】
(式中R4はフッ素置換されていても良い炭素原子数1〜16のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、もしくは炭素原子数1〜10のアルコキシル基で置換された炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、環F及び環Gはそれぞれ相互に独立して、
【0014】
(d) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基もしくは隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及びもしくは -S- に置き換えられてもよい)
(e) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基もしくは隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(f) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル及びデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(d)、基(e)、基(f)はCNもしくはハロゲンで置換されていても良いが、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルを表す場合、無置換であるか、少なくとも2つ以上のハロゲンによって置換されており、
L5、L6はそれぞれ相互に独立して一般式(I)におけるL1、L2と同じ定義であり、
X3、X4、X5、X6、X7、はそれぞれ独立してHもしくはFであり、
nは、0、1もしくは2であり、kは、0もしくは1であり、
Y2は、-H、-F、-Cl-もしくはCNであり、
Q2は、単結合、-CF2-もしくは-OCF2- である。)から選ばれる1種もしくは2種以上の化合物を含有することを特徴とする液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一例について説明する。
本発明において、第一成分として一般式(I)から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含有するが、1種〜8種が好ましく、1種〜6種がより好ましく、1種〜4種が特に好ましい。また、R1は、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシル基が好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシル基がより好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜5のアルキル基が特に好ましい。環Aはトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基もしくは3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基が好ましく、1,4-フェニレン基もしくはトランス-1,4-シクロへキシレン基がより好ましく、環Bはトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基もしくは3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基が好ましく、1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基もしくは3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基がより好ましく、特に好ましい。L1及びL2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH2)4-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH- もしくは単結合であるが、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-C≡C-、-(CH2)4-もしくは単結合が好ましく、-CH2CH2-、-C≡C-もしくは単結合がより好ましく、-CH2CH2-もしくは単結合が特に好ましい。lは0から2であるが、0もしくは1が好ましい。Y1は、-H、-F、-Cl-、CNもしくはR1と同じ定義であるが、-F、CN、未置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシル基が好ましい。具体的な構造として以下の一般式で示される構造が特に好ましい。
【0016】
【化13】
【0017】
【化14】
【0018】
(式中、R1aは水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシル基を表しX1及びX2はそれぞれ独立して水素原子もしくはフッ素原子を表し、Y1aはCN、F、Cl、-CF3、-OCF3、-OCHF2もしくはR1aと同じ意味を表す。)これらの一般式(I)から選ばれる化合物のうち少なくとも1種以上の組成物の誘電率異方性(Δε)が1.5以上の化合物を含有することが好ましく、5以上を示すことがより好ましい。
【0019】
第二成分として一般式(II)、一般式(IIIa)、一般式(IIIb)、一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含有するが、1種〜20種が好ましく、1種〜15種がより好ましく、1種〜10種が特に好ましい。また、これらの含有率は10質量%〜80質量%が好ましい。
【0020】
R2、R3は、未置換の直鎖状炭素数1〜15のアルキル基もしくは炭素数2〜15のアルケニル基が好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基がより好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜6のアルケニル基が特に好ましく、アルケニル基では以下の式(a)〜(e)の構造がさらに好ましい。
【0021】
【化15】
(構造式は右端で環に連結しているものとする。)また、R2、R3は同一でも異なっていても良いが、同一分子中のR2、R3は異なっていることがより好ましい。L3、L4は、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-C≡C-、-(CH2)4-もしくは単結合が好ましく、-CH2CH2-、-C≡C-もしくは単結合がより好ましく、-CH2CH2-もしくは単結合が特に好ましく、L3、L4が複数存在する場合少なくとも一つは単結合であることが好ましい。mは、0もしくは1が好ましい。環C、環D、環Eはそれぞれ独立してトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基もしくは3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基が好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基もしくは1,4-フェニレン基より好ましく、環C、環D、環Eの内少なくとも一つはトランス-1,4-シクロへキシレン基であることが好ましい。
【0022】
R4は、未置換の直鎖状炭素数1〜15のアルキル基もしくは炭素数2〜15のアルケニル基が好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基がより好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜6のアルケニル基が特に好ましく、アルケニル基では式(a)〜(e)の構造がさらに好ましい。L5、L6は、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-C≡C-、-(CH2)4-もしくは単結合が好ましく、-CH2CH2-、-C≡C-もしくは単結合がより好ましく、-CH2CH2-もしくは単結合が特に好ましく、L5、L6が複数存在する場合少なくとも一つは単結合であることが好ましい。nは、0もしくは1が好ましい。環F、環Gはそれぞれ独立してトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基もしくは3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基が好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基もしくは1,4-フェニレン基より好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基が特に好ましい。
Q2は、単結合、-CF2-、-OCF2-を表すが、-OCF2-もしくは単結合が好ましく、単結合がより好ましく、一般式(IIIb)、一般式(IIIc)においては前述の式(f)、式(g)、式(h)もまた好ましく、式(g)、式(h)が特に好ましい。Y2は、-H、-F、-Cl-、CNであるが、-Fもしくは-CNが好ましい。
【0023】
一般式(II)は具体的な構造として以下の一般式で示される構造が好ましく、
【化16】
(式中、R6、R8は炭素原子数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基を表す。)で示される構造が好ましく、以下の一般式(IIa)で示される構造が特に好ましい。
【0024】
【化17】
(式中、R2a、R3aは炭素原子数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基を表し、環Hは1,4-フェニレン基もしくはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、pは0もしくは1を表す。)
【0025】
一般式(IIIa)は具体的な構造として以下の一般式
【化18】
【0026】
【化19】
【0027】
【化20】
(式中、R7は炭素原子数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、X3及びX4はそれぞれ独立してHもしくはFを表し、Y4はCN、F、Cl、-CF3、-OCF3もしくは-OCHF2を表す。)で示される構造が好ましく、以下の一般式(IIIa-1)で示される構造が特に好ましい。
【0028】
【化21】
(式中、R7は炭素原子数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L5、L6はそれぞれ独立して、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH2)4-もしくは単結合を表し、環Iは1,4-フェニレン基もしくはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、X6はHもしくはFを表し、nは0もしくは1を表し、Y4はCN、F、Cl、-CF3、-OCF3もしくは-OCHF2を表す。)
本発明の実施形態として、第二成分として一般式(II)から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上含有し、さらに第三成分として一般式(IIIa)、一般式(IIIb)、一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含有することが好ましい。この場合、第二成分を1種〜12種含有し第三成分を1種〜10種含有することが好ましく、第二成分を2種〜10種含有し第三成分を1種〜8種含有することがより好ましく、第二成分を2種〜8種含有し第三成分を1種〜5種含有することが特に好ましい。
【0029】
本発明の液晶組成物は広い液晶温度範囲(TN-I−T→ N)を有するが、液晶温度範囲が80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましく、100℃以上が特に好ましい。また、TN-Iは70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。さらに、T→ Nは-20℃以下が好ましく、-30℃以下がより好ましい。
【0030】
上記ネマチック液晶組成物はAM-LCDやSTN-LCDに有用であるがAM-LCDに特に有用であり、透過型あるいは反射型の液晶表示素子に用いることができる。本発明の液晶組成物は、上記の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶などを含有していてもよい。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
TN-I :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
T→ N :固体相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度(℃)
Vth :セル厚6μmのTN-LCDを構成した時のしきい値電圧(V)
Δε :誘電異方性
Δn :複屈折率
τr=τd :応答速度 (ms)
【0032】
(実施例1、比較例1)
以下に示す液晶組成物(M-1)を作成した。
【化22】
また、比較例として液晶組成物(M-R1)を調整した。
【0033】
【化23】
を調整しその物性値を測定し、その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
表1に示すように、実施例1の液晶組成物は、広い液晶温度範囲を有し、比較例1の液晶組成物に較べ極めて低いΔnを有することが解る。
この液晶組成物を用いて、表示品位の優れたTFT液晶表示素子を作成することができた。
【0035】
(実施例2、3、比較例2)
一般式(I)の化合物として(I-1)を、一般式(II)の化合物として(II-1)を、一般式(IIIa)の化合物として(IIIa-2)、(IIIa-3)を用いて実施例2、3及び比較例2の液晶組成物を調整した。
【化24】
【0036】
調整した液晶組成物の組成比及び物性値を表2に示す。
【表2】
表2に示すように、一般式(I)と一般式(II)で構成した低閾値電圧の実施例2の液晶組成物及び液晶相上限温度を重視した実施例3の何れにおいても、比較例3の液晶組成物に較べ極めて低いΔnを有することが解る。
【0037】
(実施例4、比較例3)
極めて低い閾値電圧を有する液晶組成物として実施例4の液晶組成物(M-2)、比較例3として液晶組成物(MR-2)を調整した。
【化25】
【0038】
【化26】
調整した液晶組成物の物性値を表3に示す。
【0039】
【表3】
表3に示すように、極めて低い閾値電圧を要求するような液晶組成物においても、本発明の液晶組成物はΔnを明らかに低減することが解る。この液晶組成物を用いて、表示品位の優れたSTN液晶表示素子を作成することができた。
【0040】
【発明の効果】
本発明の液晶材料及び液晶材料の組み合わせによって、液晶表示素子に求められる種々の特性を改善するもしくは悪化させることなく、広い液晶温度範囲を有し、Δnが十分に低い液晶組成物及びこれを使用した液晶表示素子を提供することができる。この液晶組成物を用いた液晶ディスプレイはSTNおよびAM-LCDもしくは反射型の液晶ディスプレイとして非常に実用的である。
Claims (16)
- 一般式(I)
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基もしくは隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及びもしくは -S- に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基もしくは隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はCNもしくはハロゲンで置換されていても良く、lは、0、1もしくは2であり、L1及びL2はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH2)4-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH- もしくは単結合であり、X 1 はフッ素原子であり、X 2 は水素原子もしくはフッ素原子であり、Y 1a はCN、F、Cl、-CF 3 、-OCF 3 もしくは-OCHF 2 であり、環A及びL2が複数存在する場合はそれらは同一でも良く異なっていても良い。)から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含有し、さらに一般式(IIIa)
(d) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基もしくは隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及びもしくは -S- に置き換えられてもよい)
(e) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基もしくは隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(f) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル及びデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(d)、基(e)、基(f)はCNもしくはハロゲンで置換されていても良いが、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルを表す場合、無置換であるか、少なくとも2つ以上のハロゲンによって置換されており、L5、L6はそれぞれ相互に独立して一般式(I)におけるL1、L2と同じ定義であり、X3、X 4 はそれぞれ独立してHもしくはFであり、nは、0、1もしくは2であり、Y2は、-H、-F、-ClもしくはCNであ
り、Q2は、単結合、-CF2-もしくは-OCF2- である。)から選ばれる1種もしくは2種以上の化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。 - 一般式(II)
- 一般式(I)の化合物の含有率が5〜40質量%の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶組成物。
- 少なくとも2種以上の一般式(II)の化合物を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の液晶組成物。
- 一般式(IIIa)から選ばれる化合物を少なくとも2種以上含有することを特徴とする請求項1、3または4に記載の液晶組成物。
- 一般式(IIa)の化合物の含有率が10〜80質量%の範囲であることを特徴とする請求項6に記載の液晶組成物。
- 少なくとも2種以上の一般式(IIa)の化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載の液晶組成物。
- 一般式(IIIa-1)の化合物を、少なくとも2種以上含むことを特徴とする請求項9記載の液晶組成物。
- 一般式(IIIa-1)の含有率が10〜50質量%の範囲であることを特徴とする請求項9記載の液晶組成物。
- 式(Ia-1)〜(Ia-2)、(Ib-1)〜(Ib-5)もしくは(Ic-1)〜(Ib-4)の中から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%の範囲で、なおかつ一般式(IIa)の化合物を1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が10〜60質量%の範囲で、なおかつ一般式(IIIa)から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜50質量%の範囲であることを特徴とする請求項12記載の液晶組成物。
- 請求項1〜13の何れかに記載の液晶組成物を用いた液晶表示素子。
- 請求項1〜13の何れかに記載の液晶組成物を用いた、ねじれ角が180°〜300°であることを特徴とする超捩れネマチック(STN)液晶表示素子。
- 請求項1〜13の何れかに記載の液晶組成物を用いたアクティブマトリックス(AM)液晶表示素子。
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