JP4893385B2 - ミキシングシステム - Google Patents

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Description

この発明は、複数台のミキシング装置をカスケード接続してなるミキシングシステムに関し、詳しくは該ミキシングシステムにおける各ミキシング装置の制御方法の改良に関する。
オーディオミキサは、複数チャンネル分のオーディオ信号の混合や効果付与等のミキシング処理を行う装置である。近年では、マイク等の入力機器から入力されたアナログオーディオ信号がディジタル信号に変換し、該ディジタル信号に対してミキシング処理を施すディジタルミキサが普及している。ディジタルミキサにおいて、ミキサの操作者(ユーザ)はミキシング処理の各種パラメータを操作するための多数の操作子が配備された操作部(コンソール部)から該ミキシング処理のパラメータの値を設定する。ミキシング処理の各種パラメータ値の現在の設定状態は、カレントメモリという記憶領域に保持される。そして、該カレントメモリに保持されている各パラメータの設定状態に基づきDSPアレイ(信号処理部)がミキシング処理を実行する。
また、従来から知られるディジタルミキサにおいて、カレントメモリに保持されている現在のパラメータ設定状態を1つのシーンとしてシーンメモリに保存(ストア)しておき、該シーンメモリにストアしたシーンをカレントメモリに読み出す(リコール)ことで、或るミキシングパラメータの設定状態を一括して再現することができた。この機能を「シーンストア/リコール」といい、シーンメモリには複数シーン分のシーンデータを記憶させておくことができた。
複数の演奏者がかわるがわるステージ上で出し物(音楽演奏等)を披露する音楽フェスティバル等のイベント会場において、ステージにおいて1つの出し物(音楽演奏等)について、音楽の演奏者が乗る台(山台)と該山台における音楽演奏のミキシングを行うためのミキサとを1つのセットにしたものを2セット用意しておき、2つのセットを交互に使用することで、ステージ進行を円滑にすることが従来から行われている。この従来から知られる2つの山台A及び山台BからなるPAシステム構成例を図19に示す。図19において、「山台A」400aに対応してミキサ「mixA」410が設けられており、「mixA」410にて「山台A」おける音楽演奏のミキシング作業が行われる。また、「山台B」400bに対応して別のミキサ「mixB」411が設けられており、「mixB」411にて「山台B」おける音楽演奏のミキシング作業が行われる。
「mixA」410と「mixB」411の出力信号は出力切替装置(「SW」)412に入力されており、出力切替装置412はアンプ500に出力するオーディオ信号を、「mixA」410の出力信号か「mixB」411の出力信号のいずれかに切り替えることで、該出力切替装置412の選択に応じたオーディオ信号がスピーカ600から放音される。例えば、「山台A」400aに準備された出し物の本番をステージ上で披露している最中には、該「山台A」400aの出し物のオーディオ信号(「mixA」410の出力信号)をスピーカ600から放音させつつ、他方の「山台B」400bでは後続の出し物の準備(ミキシング作業、サウンドチェック等)を行うことができた。
図19に示す通り、イベント会場等において「mixA」410と「mixB」411は客席側に設けられたミキシングブース内に設置されるのが一般的である。これは、ミキサのユーザ(操作者)が、スピーカ600から客席側に放音されているオーディオ信号のバランスを聞きながらミキシング作業を行えるようにするためである。周知の通り、ミキサの操作部(コンソール部)にはチャンネル毎にオーディオ信号を処理するための複数本のチャンネルストリップが設けられており、コンサート会場等で使用する処理能力(チャンネル数)の大きいミキサほど、コンソール部を含めたミキサ本体の物理的サイズも大きい。従って、図19に例示する従来のPAシステムでは、2台のミキサ410,411により客席の多くのスペースが占有されてしまうという不都合があった。
また、従来のPAシステムにおいては、ステージ側の山台400a,400b上の音響機器と客席側のミキサ410,411の間には、それぞれ「マルチケーブル」と呼ばれる複数のケーブルを束ねた太く重たいオーディオケーブル413が配線されていた。また、出力切替装置412とアンプ500の間にはステレオ信号伝送用のステレオオーディオケーブル414が配線されていた。従って、ステージ側と客席側の長距離に、複数本のマルチケーブル413とステレオオーディオケーブル414を配線しなければならなかった。特に、マルチケーブル413は太く重たいため扱い難い上に、ミキサ近傍に配置された接続装置(コネクタボックス)を介して複数チャンネル分のオーディオ信号を個々のチャンネル毎に分岐させて、該コネクタボックスからミキサの複数系統の入力部の各々へ接続する必要があったため、その配線がとても煩雑且つ面倒であった。さらに、マルチケーブルは比較的高価な品物であるため、従来のPAシステムでその配線コストが嵩んでしまうという不都合があった。
また、従来のPAシステムにおいては、「mixA」410と「mixB」411とで別々にミキシング作業が行われていた。両ミキサ410,411のミキシング作業を、1台のミキサのコンソール部で制御対象を交互に切り替えて行えれば便利であろう。複数台のミキサにおけるミキシング作業を1つのコンソール部から制御する技術として従来から知られるものには、例えば、互いにカスケード接続された複数台のミキサにおいて、該カスケード接続された複数台のミキサにおいてはバスを連結させて入力チャンネル数を拡張させると共に、一部のパラメータ設定(シーンリコール指示など)をリンク(連動)させる技術があった(例えば、下記特許文献1等を参照)。しかしながら、特許文献1に開示された技術では、連動制御されるのは一部のパラメータ設定(シーンリコール指示など)に限られており、例えば或るミキサのチャンネル毎のミキシング処理パラメータを別のミキサのコンソール部から制御することはできなかった。
特開2005‐277649号公報
また、別の観点から見れば、1台のミキサにおいて内部DSPアレイが実行中のミキシング状態(カレントメモリの記憶内容)を保持したまま、シーンメモリに記憶された1つのシーンのパラメータ設定状態を当該ミキサのコンソール部に呼び出して、当該シーンの各パラメータ設定をコンソール部で確認したり、あるいは、編集したりする機能があった(例えば下記特許文献2等を参照)。
該特許文献2の技術を仮に図19に示すシステムに応用したとすると、1つのミキサにおいて現在スピーカから放音されているオーディオ信号の、当該ミキサのコンソール部に別のミキサで準備されている後続の出し物のためのミキシング処理のパラメータ設定状態を呼び出して、調整することができるであろう。しかしながら、特許文献2に開示された技術では、コンソール部にて後続の出し物のためのミキシング処理のパラメータ設定値を調整したとしても、該調整の結果を前記別のミキサの内部DSPの制御に反映させることはできず、該調整の結果に応じた音を聞くことができなかった。従って、上記特許文献2の技術をもってしても、一方のミキサのコンソール部の操作により別のミキサでの後続の出し物のための準備(ミキシング作業、サウンドチェック等)を行うことはできなかった。
特開平7‐122944号公報
この発明は上記の点に鑑みてなされたもので、複数台のミキシング装置の各々におけるミキシング作業を効率的に行えるようにすることを目的とし、より具体的には、イベント会場等において2台のミキシング装置の各々のミキシング作業を効率よく交互に行うことができるにしたミキシングシステムを提供することを目的とする。
この発明は、複数のミキシング装置をカスケード接続してなるミキシングシステムであって、ミキシング操作を行うための主操作部を備えた主ミキシング装置と、第1の入力源からのオーディオ信号が入力される第1のミキシング装置と、第2の入力源からのオーディオ信号が入力される第2のミキシング装置と、前記主操作部とは別のミキシング操作を行うための副操作部と、サウンドシステムへオーディオ信号を出力するための主出力と、確認用のオーディオ信号を出力するための副出力と、前記第1の入力源の信号を前記主出力から出力させる第1の制御モードと前記第2の入力源の信号を前記主出力から出力させる第2の制御モードの何れかを選択するモード選択手段と、前記第1の制御モードにおいて、前記主操作部の操作に応じて前記第1のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を前記主出力から出力させると共に、前記副操作部の操作に応じて前記第2のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を前記副出力から出力させる第1の制御手段と、前記第2の制御モードにおいて、前記主操作部の操作に応じて前記第2のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を主出力から出力させると共に、前記副操作部の操作に応じて前記第1のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を前記副出力から出力させる第2の制御手段とを備える。
この発明に係るミキシングシステムよれば、第1の制御モードにおいては、主操作部の操作に応じて第1のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を主出力から出力させ、一方で、副操作部の操作に応じて第2のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を副出力から出力させることができる。また、第2の制御モードにおいては、主操作部の操作に応じて第2のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を主出力から出力させ、一方で、副操作部の操作に応じて第1のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を副出力から出力させることができる。
従って、例えばイベント会場等において2台のミキシング装置を演目毎に交互に使用する場合、現在の出し物のための信号を第1又は第2のミキシング装置の一方に入力して、主操作部の操作に応じて該現在の出し物のためのオーディオ信号をミキシング制御して主出力へ出力(メインスピーカで放音)しながら、次の出し物のための信号を第1又は第2のミキシング装置の他方に入力して、副操作部の操作に応じて該次の出し物のためのオーディオ信号をミキシング処理して副出力へ出力(ヘッドフォン等で確認)することができる。また、現在の出し物のためのオーディオ信号の入力先(第1又は第2のミキシング装置)に応じて、第1の制御モードと第2の制御モードとを簡単に切り替えることができるので、主ミキシング装置の主操作部を用いて2通りのミキシング作業を効率的に行うことができるようになるという優れた効果を奏する。
以下、この発明の実施の形態のミキシングシステムについて添付図面を参照して詳細に説明する。なお、この明細書において、ミキシングシステムを構成するミキシング装置のうちコンソール部(操作パネル)を有する装置を「ミキサ」、コンソール部を持たない装置を「ミキサエンジン(又は単にエンジン)」と呼ぶ。
図1はこの発明の一実施例に係るミキシングシステムを構成するディジタルオーディオミキサとミキサエンジンの電気的ハードウェア構成例を示すブロック図である。本実施例に係るミキシングシステムは、少なくとも1台のミキサ100と少なくとも1台のミキサエンジン200をカスケード接続して構成される。
図1に示す通り、ミキサ100は、CPU1、フラッシュメモリ2、RAM3、信号処理部(DSP)4、波形入出力インターフェース(波形I/O)5、カスケードインターフェース(CascadeI/O)6、表示器7、操作子群8、電動フェーダ9及びその他インターフェース(その他I/O)10を含み、各部がバス1Bを介して接続される。CPU1、フラッシュメモリ2及びRAM3を含むマイクロコンピュータは、フラッシュメモリ2又はRAM3に記憶された制御プログラムを実行し、当該ミキサ100の全体的な動作制御を行う。また、RAM3には、ミキシング処理の各種パラメータ値の現在の設定状態を記憶するためのカレントメモリ領域が設けられている。
信号処理部4は、オーディオ信号に対するディジタル信号処理を担うDSPアレイにより構成される。波形I/O5は、アナログ入力ポート、アナログ出力ポート及びディジタル入出力ポートを含み、波形I/O5を介して入力されたアナログオーディオ信号はディジタル変換された後にDSP4に供給される。DSP4は該供給されたディジタルオーディオ信号に対してCPU1から与えられる指示に基づく信号処理を施す。また、DSP4における信号処理の結果として生成されたディジタルオーディオ信号は波形I/O5を介してアナログ変換されて外部に出力される。また、波形I/O5を介して接続されたディジタル音響機器との間でディジタルオーディオ信号の送受信を行うこともできる。また、操作者用モニタ11(例えばヘッドフォン等)は波形I/O5から供給されたモニタ用のオーディオ信号を出力する。
表示器7、操作子群8及び電動フェーダ9は、ユーザ(ミキサの操作者)がミキシング操作を行うためのコンソール部を構成するユーザインターフェースである。これらユーザインターフェース7〜9は、ミキサ100のコンソール部の上面に配置される。
電動フェーダ9は、上下にスライドする「つまみ」の操作位置に応じて、割り当てられたパラメータ値を連続的に変化させる操作子であって、コンソール部に設けられた複数のチャンネルストリップ(後述図6参照)の各々に1つずつ設けられている。電動フェーダ9には、つまみの操作位置を自動駆動するためのモータが内蔵されされており、必要に応じてCPU1の制御に基づき該モータを駆動することで、該電動フェーダ9のつまみ位置を自動制御できる。すなわち、電動フェーダ9は「つまみ」の操作位置により、当該ふぇーだ9に割り当てられたパラメータの値をユーザに表示することができる。表示器7は、例えば液晶表示パネル等により構成され、CPU1の制御に基づきユーザに対して各種の情報を表示する。また、操作子群8には各種パラメータの設定や、各種動作モードの切り替え、あるいは、各種機能の起動指示等を行うための多数の操作子が含まれる。
ミキサ100は、カスケードI/O6を介して、他の装置(ミキサ又はミキサエンジン)とカスケード接続されている。この実施例において、カスケード接続すべき機器間に配線するケーブルとしては、例えばCAT5ケーブルなど、汎用のLANケーブル12を使用することができる。カスケード接続された機器の間では、例えば、EtherSound(登録商標)プロトコルやCobraNet(登録商標)のプロトコル等、複数チャンネル分のディジタルオーディオ信号と制御信号とを1本のLANケーブル経由で通信できる通信プロトコルを使って、複数チャンネル分のオーディオ信号とリモート制御用の制御信号とを、双方向伝送することができる。この実施例において、前記通信プロトコルは、一例としてEtherSound(登録商標)プロトコルを適用するものとする。前記EtherSoundプロトコルによれば、64チャンネル分のオーディオ信号(例えば上り下り各32chずつ)を含むパケットと制御信号を含むパケットとを含むイーサネットフレーム単位でデータを双方向通信することができる。前記リモート制御用の制御信号は、カスケード接続された他のミキシング装置のミキシング処理に関する各種パラメータ値の変更指示や、変更結果を示す情報等を含む。すなわち、ミキサ100は、カスケード接続された他の装置との間で、オーディオ信号と共に、ミキシング処理に関する各種パラメータ値の変更指示や、変更結果を示す情報等を含む制御信号を送受信することができる。
また、その他I/O10には、パーソナルコンピュータ(PC)や、外部MIDI機器、レコーダ、USBメモリ等のその他機器を接続するための各種インターフェースが含まれてよい。その他I/O10にミキサ100を制御するアプリケーションプログラムを実装したPCを接続し、該PCからミキサ100を制御することも可能である。
ミキサエンジン200は、信号処理に関するハードウェア構成は上記ミキサ100と同等であり、ユーザがミキシング操作を行うためのコンソール部を持たない点がミキサ100と異なる。すなわち、エンジン200は、CPU13、フラッシュメモリ14、RAM15からなるマイクロコンピュータ及びミキシング処理の動作を担うDSP16、該オーディオ信号を入出力するための波形I/O17及びミキサ100を含む他の機器とカスケード接続するためのカスケードI/O18を有し、各部がバス13Bを介して接続される。また、操作者用モニタ22は波形I/O17から供給されたモニタ用のオーディオ信号を出力する。また、図1においてエンジン200の構成要素として描かれている表示器19及び操作子20は、ミキサのコンソール部を構成するものではなく、至極簡単なスイッチ類やLEDランプ等に相当するものである。
エンジン200は、カスケードI/O18に接続されたLANケーブル12を介して、ミキサ100を含む他のミキシング装置とカスケード接続する。エンジン200においては、該カスケードI/O18を介してミキサ100から送信されたリモート制御用の制御信号を受信し、該受信した制御信号に基づき各種パラメータ値の変更などミキシング処理に関するDSP16の制御が行われると共に、該各種パラメータ値の変更などミキシング処理に関する制御結果をカスケードI/O18を介してミキサ100に対して返信することができる。
また、エンジン200には、その他I/O21を介して当該エンジン200を制御するためのアプリケーションプログラムを実装したPC300が接続されてよい。その他I/O21は、例えば、RS−232C等のシリアルポートや、USB、IEEE1394、Ethernetなど従来から知られるいかなる通信規格に準拠するインターフェースであってよい。従来から知られるとおり、ユーザは、PC300において当該エンジン200を制御するためのアプリケーションプログラムを実行し、PC300のユーザインターフェースの操作に応じて上述したリモート制御用の制御信号を生成し、エンジン200に供給して制御することができる。この場合、カスケード接続をしなくても、PC300とエンジン200とで1つの独立したミキサとしての動作を行うことができる。PC300によるエンジン200の制御はPC300のディスプレイに表示される操作画面から行う。該操作画面は、後述図6に示すミキサコンソール部の構成を模擬したものであって、複数のチャンネルストリップが備わり、各チャンネルストリップ毎にフェーダ操作子、CUE指示ボタン等のパラメータ設定を行うためのGUI部品が備わる。
図2は、この発明の一実施例に係るミキシングシステムを含むPAシステム構成例を模擬的に示す図である。図2に示すPAシステムは、複数組の出演者による出し物(音楽演奏など)が披露される音楽フェスティバル会場等において構築されるPAシステムを想定している。図2において、ミキサ100(「dmix」)、エンジン200a(「meA」)及びエンジン200b(「meA」)が汎用のLANケーブル12(例えばCAT5ケーブル)によってカスケード接続されており、カスケード接続された各ミキシング装置間では、EtherSound(登録商標)プロトコルを使って複数チャンネル分のオーディオ信号とリモート制御用の制御信号とを、双方向伝送することができる。
図2において、符号400a,400bは音楽演奏者など1組の出演者を乗せる「山台」であって、「山台A」と「山台B」の2つの山台が用意されている。エンジン200a(「meA」)は、山台400a(「山台A」)の近傍に配設されており、該「山台A」上に配備された音響機器(第1の入力源)とオーディオケーブルで接続されている。また、エンジン200b(「meB」)は山台400b(「山台B)の近傍に配設されており、該「山台B」上に配備された音響機器(第2の入力源)とオーディオケーブルで接続されている。また、エンジン200b(「meB」)には、アンプ500とステレオスピーカ600を含むサウンドシステムが接続されており、エンジン200bのオーディオ信号出力経路(波形I/O17)から出力されたオーディオ信号が、アンプ500を介して適宜増幅され、スピーカ600から客席に向けて放音される。また、エンジン200a,200bには、それぞれPC300a,300bを接続し、該PC300a,300bからエンジン200a,200bを制御できてよい。PC300a,300bは、ステージ袖などエンジン200a,200bの近傍に配置されるものとする。
図2に示す通り、ミキサ100(「dmix」)は、例えば音楽フェスティバル会場等において、例えば客席後方等適宜の位置に設置されたミキシングブース内に配置されており、ミキサ100のユーザ(操作者)は、該ミキシングブースにて、サウンドシステムから客席側に放音されているオーディオ信号のバランスを聞きながら、ミキシング作業を行うことができるようになっている。一方、エンジン200a(「meA」),200b(「meB」)は、夫々対応する山台400a,400bの近傍、すなわちステージ側に配置されている。ここで、ミキサ100、エンジン200a及び200bの間の配線は、1本のLANケーブル12によってなされている。従来、この種の音楽フェスティバル会場等においては、ステージ上の機器と客席側のミキシングブース内に設置されたミキシング装置とをつなぐケーブルは、マルチケーブルと呼ばれる複数のケーブルを束ねた太く重たいものが使用されていた。従って、ステージ側と客席側のミキシングブースとの長距離に、このマルチケーブルを1本若しくは複数本配線しなければならず、その配線がとても煩雑且つ面倒であり、コストが高かった。これに対して、図2に示すミキシングシステムによれば、客席側に設置されたミキサ100と、ステージ側に設置されたエンジン200aと、同じくステージ側に設置されたエンジン200bとの間のカスケード接続は、1本の汎用LANケーブル12を配線するだけでよいので、ミキシングシステムの配線作業が従来と比較して飛躍的に簡便であり、また、LANケーブルはマルチケーブルに比べて大幅に安価であるため配線コストも大幅に縮小することができる。
ここで、音楽フェスティバル等、複数の出し物(音楽演奏など)がステージ上で連続して披露されるイベントにおける2台の山台400a,400bの使用方法を説明しよう。2台の山台400a,400bのうちの一方(例えば「山台B」)をステージ中央に移動させて、該ステージ上の「山台B」にて或る出し物が披露されている最中に、もう一方(例えば「山台A」)をステージ袖で待機させておき、該ステージ袖の「山台A」で後続の出し物の準備をしておく。つまり、先行する出し物がステージ上で披露されている最中に、エンジン200aを用いて「山台A」に準備された後続の出し物についてミキシング設定、サウンドチェック等をしておく。そして、先行する出し物が終わったらステージ中央の「山台B」をステージ袖に下げて、ステージ袖で待機中の「山台A」をステージ中央に移動させる。そして、ステージ上の「山台A」にて或る出し物が披露されている最中に、ステージ袖の「山台B」において後続の出し物の準備を行う。このように、2つの山台400a,400bを交互に使用することで、音楽フェスティバル等の複数の出し物(音楽演奏など)がステージ上で連続して披露されるイベントにおけるステージ進行を円滑にすることができる。
この実施例に係るミキシングシステムにおいては、上記イベント(音楽フェスティバル等)におけるミキシングシステムの使用方法に対応すべく、「山台A」の出し物に関するミキシング作業と、「山台B」の出し物に関するミキシング作業とを、1台のミキサ100「dmix」のコンソール部において交互に切り替えてリモート制御できるようになっている。すなわち、「dmix」には前記リモート制御を行うための特殊な動作モード(これを「フェスティバルモード」という)が用意されている。
この「フェスティバルモード」では、ステージ上で披露される出し物のためのオーディオ信号を一方のエンジン(200a又は200b)に入力し、該オーディオ信号に対するミキシング処理をミキサ100のコンソール部の操作によりリモート制御して、そのミキシング処理の結果をサウンドシステム(スピーカ600)から放音させると共に、後続の出し物のためのオーディオ信号を他方のエンジン(200a又は200b)に入力し、そのミキシング処理をPC(300a又は300b)から制御して、その処理結果を該PCのオペレータがヘッドフォン等でモニタすることができる。すなわち、「フェスティバルモード」においては、ミキサ100のコンソール部は、ステージ上で披露される出し物のためのオーディオ信号のミキシング処理を制御するための「主操作部」として機能し、これに対して、PC(300a又は300b)は、後続の出し物のためのオーディオ信号のミキシング処理を制御する「副操作部」として機能する。また、「フェスティバルモード」において、ステージ上で披露される出し物のためのオーディオ信号をサウンドシステムへ出力する出力経路を「主出力」と称し、後続の出し物のためのオーディオ信号を操作者用モニタ(図1の符号11,22)へ出力する出力経路を「副出力」と称する。
上記「フェスティバルモード」に対して、当該ミキシングシステムにおいて通常のカスケード接続、すなわち、カスケード接続された「dmix」,「meA」及び「meB」の各々の対応するバス同士を連結して、入力チャンネルを拡張する場合の動作モードを、この明細書においては「ノーマルモード」と呼ぶものとする。
この実施例に係るミキシングシステムを構成する1台のミキシング装置の信号処理アルゴリズムの構成例を図3に示す。この実施例において、ミキシングシステムを構成する各ミキシング装置(ミキサ100、エンジン200a又はエンジン200b)の信号処理アルゴリズムは互いに同じ構成要素(入力チャンネル数、バスの本数、出力チャンネル数あるいはエフェクト数等)で構成されるものとする。
図3において、オーディオ信号入力部30は、複数チャンネル分のオーディオ入力ポートを有し、各入力ポートに接続された外部の音響機器から複数チャンネル分のアナログオーディオ信号乃至ディジタルオーディオ信号を取り込む。入力部30においてアナログオーディオ信号はディジタルオーディオ信号に変換される。入力パッチ31は、後段の複数の入力チャンネル(入力ch)32の1ch毎に、入力部30から取り込んだ1つの入力信号を割り当てる。なお、この明細書において、入力ポートと入力系チャンネルを接続すること、或いは、出力ポートと出力系チャンネルを接続することを「パッチ」という。また、入出力ポートと入出力系チャンネルの各パッチ設定を示すデータは「パッチデータ」としてフラッシュメモリ或いはRAM等適宜のメモリに保管される。
各ミキシング装置(ミキサ100,エンジン200a及び200b)には、複数の入力ch32が備わる。この実施例では、一例として、チャンネル番号CH1〜CH48の48本の入力ch32が具備されるものとする。複数の入力ch32の各々では、各チャンネル毎のパラメータ設定に基づき、入力されたディジタルオーディオ信号の特性(音量レベル設定や各種エフェクタのパラメータ値設定など)を制御する。
複数の入力ch32の各々は、所定の複数本のバス33の各々に接続されている。各バス33にはバス番号が割り当てられており、各入力ch32毎に該バス番号を指定することで各入力ch32の信号を所望のバス33へ出力することができる。複数のバス33には、複数の混合バス(この例では24本のモノラル混合バスと、左右1本ずつのステレオ混合バス)と、2種類のCUEバス(主CUEバスと副CUEバス)が含まれる。混合バスは、入力されたオーディオ信号を、各入力チャンネル32毎の信号出力レベルに応じたミキシング比で混合(ミキシング)するためのバスである。また、CUEバスはユーザによって指定されたチャンネルのオーディオ信号をモニタ出力へ直接送り出すためのバスであって、主CUEバスは前記「フェスティバルモード」における「主出力」のオーディオ信号をミキサ100のモニタ出力へ直接送り出すためのバスであり、また、副CUEバスは同モードにおける「副出力」のオーディオ信号をエンジン200a又は200bモニタ出力へ送り出すためのバスである。
複数の出力ch34においては、各チャンネル毎のパラメータ設定に基づき、各々に供給されたオーディオ信号の特性(音量レベル設定や各種エフェクタのパラメータ値設定など)の制御が行われる。複数の出力ch34は、前記複数のバス33のうちの混合バス(24本のモノラル混合バス及びステレオ混合バス)に1つずつ対応して設けられている。すなわち、複数の出力ch34には、24本のモノラル出力chと、1系統のステレオ出力ch(左右1chずつの計2本)が含まれており、各出力ch34には、それぞれ対応する混合バス33から出力されたオーディオ信号が後述するカスケード制御部40を介して供給される。また、出力パッチ35は、出力パッチデータに基づき、複数の出力ch34の各チャンネルごとの出力信号をオーディオ出力部36に含まれる複数のアナログ出力ポート又は複数のディジタル出力ポートに1つずつ割り当てる。かくして、出力部36からは、ユーザ所望のミキシング処理が施されたオーディオ信号が出力されることになる。
また、モニタ回路37は、モニタ出力部38に確認用(モニタ用)のオーディオ信号を出力する回路である。モニタ回路37は、通常(CUEオフの場合)は、出力部36から出力されるオーディオ信号をモニタ出力部38に出力している。ユーザが特定のチャンネルの信号をCUE対象に指定(CUEオン)した場合には、一時的に、該指定された特定のチャンネルの信号(CUE信号)をモニタ出力部38に出力する。図3においてCUE信号の流れを点線で示している。ユーザは、複数の入力ch32及び複数の出力ch34の各チャンネル毎にCUEオン/オフ設定することができる。該CUEオン指示されたチャンネルのオーディオ信号は、複数のバス33のうちのCUEバスに出力され、CUEバスの出力信号が後述するカスケード制御部40を介してモニタ回路37に供給され、モニタ出力部38から出力される。なお、ユーザは、入力ch32及び出力ch34からCUEバスに送出するCUE信号として、各チャンネル毎に、音量フェーダによる音量調整前の信号(プリフェーダ)か、音量フェーダによる音量調整後の信号(ポストフェーダ)のいずれかを選ぶことができる。
図3において、符号40はカスケード制御部(図において一点鎖線で囲む部分)である。カスケード制御部40は前記複数のバス33の各々に対応して設けられているものであるが、図3においては図示及び説明の便宜上、1つのバス33に対応する1つのカスケード制御部40のみを図示して他を代表するものとする。
カスケード制御部40において、符号50は、カスケード接続前段のミキシング装置(ミキサ又はエンジン)から入力されたオーディオ信号を同後段のミキシング装置に出力する信号経路であり、また、符号51はカスケード接続後段のミキシング装置から入力されたオーディオ信号を同前段のミキシング装置へ出力する(戻す)信号経路である。なお、この明細書において、カスケード接続を介してミキサ間で送受信されるオーディオ信号(信号経路50,51を流れるオーディオ信号)を「カスケード信号」と称する。
加算部41は、信号経路50においてカスケード接続前段のミキサから送信されたカスケード信号と、自機のバス33から出力されたオーディオ信号を加算する。加算部41においては、カスケード接続された各装置の対応するバス同士の出力信号が加算される。例えば、ミキサ100におけるバス番号B1の混合バス、エンジン200aにおけるバス番号B1の混合バス及びエンジン200bにおける同番号B1の混合バスの各出力信号同士が加算部41において混合される。従って、カスケード接続された各ミキシング装置の対応するバス33同士が連結されることになる。
スイッチ部42は、自機の内部バス33から出力されたオーディオ信号の前記加算部41に対する入力オン・オフを切り替えるスイッチである。スイッチ部42がオフの場合は、バス33の出力信号は信号経路50のカスケード信号に加算されない、すなわち、当該バス33はカスケード接続された他のミキシング装置の対応するバス33に連結されないことになる。なお、スイッチ部42の前段に設けられた遅延時間を可変の遅延部43は、カスケード信号とバス33の出力信号を加算部41で加算する際のカスケード接続による遅延を補正するために設けられている。
また、スイッチ部44は、自機がカスケード接続の最後段(カスケードマスタに相当する位置)の場合に「オン」状態となり、信号経路50と信号経路51を結線するためのスイッチである。なお、加算部41及びスイッチ部44の機能は、ミキシング装置の通常のカスケード接続において従来から知られる機能である。
セレクタ部45は、当該ミキシング装置からカスケード接続前段の装置に対して出力するカスケード信号を、自機のバス33から出力されたオーディオ信号、又は、信号経路51を流れるカスケード信号(カスケード接続後段の装置から出力されたカスケード信号)のいずれかに切り替える。また、セレクタ部46は、複数の出力ch34又はモニタ回路37に供給するオーディオ信号を、自機のバス33から出力されたオーディオ信号、信号経路50を流れるカスケード信号(カスケード接続前段の装置から出力されたカスケード信号、つまり自機のバス出力信号を加算していないもの)、又は、信号経路51を流れるカスケード信号(カスケード接続後段の装置から出力されたカスケード信号)のいずれかに切り替える。
なお、セレクタ部46の後段に設けられた遅延部47は、オーディオ信号出力経路にオーディオ信号を出力する際に、多段にカスケード接続された各ミキシング装置の間で生じるカスケード接続による遅延を補正するために設けられている。
上記構成からなるカスケード制御部40によれば、スイッチ部42、セレクタ部45及び46の設定状態を切り替えることで、各装置の各バス33毎のオーディオ信号(カスケード信号を含む)の信号送出先を各装置の各バス33毎に制御することができる。すなわち、上記2種類の動作モード(「ノーマルモード」又は「フェスティバルモード」)に応じて、スイッチ部42、セレクタ部45又は46の設定状態を切り替えることで、ユーザによって指定されたモードに応じた複数種類の信号経路の結線を実現することができる。なお、動作モードに応じた信号経路の結線のヴァリエーションについては、図4及び図5を参照して説明する。
図4はこの実施例に係るミキシングシステムを前記「ノーマルモード」で使用する場合のオーディオ信号処理の構成例を示す図である。図4の例では、「dmix」100が、「meA」200a及び「meB」200bに対して、カスケードマスタに相当する位置に接続されており、「meA」及び「meB」の各々のバス33の出力信号(カスケード信号)を受ける。図4に示す通り、「meA」の複数バス33の各出力信号は、信号経路50を経由して「meB」に入力され、該「meB」の加算部41において「meB」の対応するバス33の出力信号と混合される。「meB」の加算部41の出力信号は、信号経路50を経由して「dmix」に入力され、該「dmix」の加算部41において、「dmix」の対応するバス33の出力信号と混合される。このように、各ミキシング装置(「dmix」,「meA」及び「meB」)に備わる複数のバス33のうち、対応するバス同士の出力信号を混合することで、結果的に、各ミキシング装置の対応するバス同士を相互に連結することとなる。カスケード接続により連結されたバス33の最終出力は、信号経路51を経由して各装置の出力ch34に供給されうる。従って、「ノーマルモード」でミキシングシステムを使用する場合、カスケード接続された各ミキシング装置の複数のバス33同士を連結して、1台で扱う入力チャンネル数を拡張することができる。なお、このこと自体は従来から知られるカスケード接続の機能に同様である。
詳しくは後述する通り、この実施例に係るミキシングシステムを「ノーマルモード」で使用する場合、「dmix」のコンソール部60を用いて、自機の各チャンネル毎のミキシング制御のみならず、各エンジン(「meA」,「meB」)の各チャンネル毎のミキシング制御を行うことができ、その制御結果を「dmix」のコンソール部60で確認できるようになる。なお、この明細書において、「dmix」のコンソール部60による自機のミキシング制御を「ローカル制御」と称し、「dmix」のコンソール部60による各エンジン(「meA」,「meB」)のミキシング制御を「リモート制御」と称している。
図5(a),(b)は、この実施例に係るミキシングシステムを「フェスティバルモード」で使用する場合の信号処理の構成例であって、(a)は、エンジン200a(「meA」)にステージ上で披露される出し物のためのオーディオ信号が入力される場合(これを「モードA」と呼ぶ)、また、(b)は、エンジン200b(「meB」)にステージ上で披露される出し物のためのオーディオ信号が入力される場合(これを「モードB」と呼ぶ)である。このミキシングシステムにおいては、前述の通り、「meB」に対してサウンドシステム(スピーカ600)が接続さている。すなわち、「meB」の複数の出力ch34が当該ミキシングシステムの「主出力」の出力経路として利用される。
先ず、説明の便宜上、(b)に示す「モードB」の信号処理の構成から説明する。
「モードB」を使用する場合、ステージ上で披露される出し物のためのオーディオ信号が「meB」の複数の入力ch32に入力される。従って、この場合は、「meB」に入力されたオーディオ信号が「主出力」の出力経路すなわち「meB」の複数の出力ch34に供給されねばならぬ。従って、(b)に示す通り、「meB」と「dmix」の混合バス52同士が連結され、該連結された混合バス52の出力先に「dmix」及び「meB」の各出力ch34が結線される。かくして、「meB」と「dmix」の各混合バス52の出力信号同士を混合したオーディオ信号(典型的には「meB」に入力されたオーディオ信号のみ)がスピーカ600から放音される。
また、「meB」及び「dmix」の主CUEバス53同士がカスケード接続を介して互いに連結されており、該主CUEバス53に対する入力として「meB」及び「dmix」の各入力ch32及び各出力ch34が結線され、主CUEバス53の出力先として「dmix」のモニタ出力部38が結線されている。ユーザは「dmix」のモニタ出力部38aに接続されたヘッドフォン(HP)61を用いて主CUEバス53から出力されるオーディオ信号(主出力のオーディオ信号)をモニタできる。
一方、後続の出し物のためのオーディオ信号は「meA」の複数の入力ch32に入力される。この「meA」の各混合バス52の出力信号はそれぞれ当該「meA」の複数の出力ch34に供給されている。また、「meA」及び「meB」の副CUEバス54同士がカスケード接続を介して互いに連結されており、この副CUEバス54に対する入力として「meA」の複数の入力ch32及び複数の出力ch34が結線されており、また、該副CUEバス54の出力先に「meA」及び「meB」のモニタ出力部38bが結線される。図の例では「meB」のモニタ出力部38bに接続されたヘッドフォン(HP)61を用いて副CUEバス54から出力されるオーディオ信号(副出力のオーディオ信号)をモニタできる。
すなわち、「モードB」の場合、混合バス52に対応するカスケード制御部40については「meB」と「dmix」のみを連結させるようカスケード設定する点に主要な特徴がある。
次に、(a)に示す「モードA」の信号処理の構成について説明する。「モードA」を使用する場合、ステージ上で披露される出し物のためのオーディオ信号が「meA」の複数の入力ch32に入力される。従って、この場合は、「meA」に入力されたオーディオ信号が「主出力」のオーディオ信号出力経路すなわち「meB」の複数の出力ch34に供給されねばならぬ。従って、(a)に示す通り、「meA」と「dmix」の混合バス52同士が連結され、該連結された混合バス52の出力先に「dmix」及び「meB」の各出力ch34が結線される。かくして、「meA」と「dmix」の各混合バス52の出力信号同士を混合したオーディオ信号(典型的には「meA」に入力されたオーディオ信号のみ)がスピーカ600から放音される。
また、主CUEバス53については、「meA」,「meB」及び「dmix」の主CUEバス53が互いに連結されており、主CUEバス53に対する入力として、「meA」及び「dmix」の各入力ch32と、「meB」及び「dmix」の各出力ch32とが結線され、主CUEバス53の出力先として「dmix」のモニタ出力部38が結線される。ユーザは「dmix」のモニタ出力部38aに接続されたヘッドフォン(HP)61を用いて主CUEバス53から出力されるオーディオ信号(主出力のオーディオ信号)をモニタできる。
一方、後続の出し物のためのオーディオ信号は「meB」の複数の入力ch32に入力される。この「meB」の各混合バス52の出力信号は、カスケード接続を介して「meA」の複数の出力ch34に供給される。また、「meA」及び「meB」の副CUEバス54同士がカスケード接続を介して互いに連結されており、この副CUEバス54に対する入力として「meB」の各入力ch32と「meA」の各出力ch34が結線され、また、該副CUEバス54の出力先に「meA」及び「meB」のモニタ出力部38bが結線される。図の例では「meB」のモニタ出力部38bに接続されたヘッドフォン(HP)61を用いて副CUEバス54から出力されるオーディオ信号(副出力のオーディオ信号)をモニタできる。
すなわち、「モードA」の場合、混合バス52に対応するカスケード制御部40については「meA」と「dmix」が連結され、その出力が「meB」と「dmix」から出力される、つまり「meA」と「dmix」ではスイッチ部42がオンに設定され、「meB」ではスイッチ部42がオフに設定されると共に、「meB」と「dmix」のセレクタ部46の出力信号として信号経路51を流れるカスケード信号が選択し且つ「meB」のセレクタ部45では自機の混合バス52の出力信号を「meA」にカスケード出力するよう設定されている点に主要な特徴がある。
ミキシングシステムを「フェスティバルモード」で使用する場合、ユーザは、「dmix」のコンソール部60の操作に応じて、ステージ上で現在披露されている出し物のためのオーディオ信号が供給されたチャンネルの制御を行うことができ、一方で、「meB」に接続されたPC300(副操作部)の操作に応じて後続の出し物のためのオーディオ信号が供給されたチャンネルの制御を行うことができる。図5(b)に示す「モードB」の場合、「dmix」のコンソール部60の操作によるリモート制御の対象は、「meB」の各入力ch32及び各出力ch34であり、PC300の操作によるリモート制御の対象は、「meA」の各入力ch32及びの各出力ch34である。また、図5(a)に示す「モードA」の場合、「dmix」のコンソール部60の操作によるリモート制御の対象は、「meA」の各入力ch32及び「meB」の各出力ch34であり、PC300の操作による制御の対象は、「meB」の各入力ch32及び「meA」の各出力ch34である。
「フェスティバルモード」を利用したミキシング作業は以下に述べる要領で行われる。2台の山台400a,400bのうちの一方(例えば「山台B」)にてステージ上で出し物が披露されている場合には、「モードB」に設定して「dmix」のコンソール部60を用いて「meB」の各入力ch32及び各出力ch34のミキシング処理を制御することで、ステージ上で現在披露されている出し物のためのオーディオ信号の特性の制御を行う。また、「dmix」のコンソール部60における特定のチャンネルのCUE指示操作に応じて、「meB」の各入力ch32及び各出力ch34のうちの該CUE指示されたチャンネルの信号を「dmix」のモニタ出力部38aからモニタすることができる。他方、PC300(副操作部)を用いて「meA」の各入力ch32及び各出力ch34のミキシング処理を制御することで、ステージ袖で待機中の「山台A」に関する後続の出し物のオーディオ信号の特性を制御する。また、PC300における特定のチャンネルのCUE指示操作に応じて、「meA」の各入力ch32及び各出力ch34のうちの該CUE指示されたチャンネルの信号を「meB」のモニタ出力部38bからモニタすることができる。
また、「山台A」にてステージ上で出し物が披露されている場合には、「モードA」に切り替えて、「dmix」のコンソール部60を用いて「meA」の各入力ch32及び「meB」の各出力ch34のミキシング処理を制御することで、ステージ上で現在披露されている出し物のためのオーディオ信号の特性の制御を行う。また、「dmix」のコンソール部60における特定のチャンネルのCUE指示操作に応じて、「meA」の各入力ch32及び「meB」の各出力ch34のうちの該CUE指示されたチャンネルの信号を「dmix」のモニタ出力部38aからモニタすることができる。他方、PC300(副操作部)を用いて「meB」の各入力ch32及び「meA」各出力ch34のミキシング処理を制御することで、ステージ袖で待機中の「山台B」に関する後続の出し物のオーディオ信号の特性を制御する。また、PC300における特定のチャンネルのCUE指示操作に応じて、「meB」の各入力ch32及び「meA」各出力ch34のうちの該CUE指示されたチャンネルの信号を「meB」のモニタ出力部38bからモニタすることができる。
このように、「モードA」と「モードB」の切り替えにより、「山台A」の出し物に関するミキシング作業と「山台B」の出し物に関するミキシング作業とを、1台のミキサ100「dmix」のコンソール部において交互に切り替えてリモート制御できるようになっている。従って、フェスティバル等のイベントにおいて、山台とミキサのセットを2つ用意して交互に使用する(山台Aである出し物の本番中に、山台Bで次の出し物の準備を行う)場合のミキシング作業を効率的に行うことができる。
図6は、ミキサ(「dmix」)100のコンソール部の主要部を抽出して示す概略外観図である。ミキサ100のコンソール部には、表示器7(図1参照)、複数のモノラルのチャンネルストリップ70、ステレオ出力チャンネル(「ST出力ch」)のチャンネルストリップ71、モード切替スイッチ72,73,74、制御対象切替スイッチ75,76,77、レイヤ切替スイッチ78,79,80等が備わる。
モノラルchストリップ70は、モノラルチャンネル(入力ch32又は出力ch34)のミキシング操作を行うためのモジュールである。また、ST出力chストリップ71は、ステレオ出力ch(出力ch34に含まれる)のミキシング操作を行うためのモジュールである。「dmix」のコンソール部には、一例として24本のモノラルchストリップ70と、として、右チャンネルと左チャンネルの2本のST出力chストリップ71が搭載される。各モノラルchストリップ70及びST出力chストリップ71には、音量調整するための電動フェーダ9(図1参照)や、当該チャンネルのオーディオ信号をCUEバスに送るCUE指示(CUEオン)を行うためのCUEスイッチ81、当該チャンネルのパラメータを詳細に展開させる選択スイッチ82、当該チャンネルのオン・オフ(ミュート)スイッチ83、割り当てられたパラメータ(例えば混合バスへのセンドレベル、ゲイン或いはパン等)を調整するノブ型操作子84などが具備されている。ユーザは、各チャンネルストリップ70,71毎に、各チャネルストリップに割り当てられたチャンネルのミキシング処理に関する各種パラメータ設定を行い、該割り当てられたチャンネルのオーディオ信号の特性を制御することができる。なお、チャンネルストリップ70,71に対するチャンネル割り当ての具体例については後述する。
モード切替スイッチ72〜74、制御対象切替スイッチ75〜77及びレイヤ切替スイッチ78〜80の各々には、例えばLED等からなる発光素子が組み込まれており、スイッチに対応する機能やパラメータがオン状態のスイッチを発光させることで、現在選択しているモード、制御対象及びレイヤを表示することができる。図6においては、スイッチ点灯状態の一例として、「フェスティバルモードA」、「Remo1」及び「レイヤ1」が選択されているものとし、各スイッチ点灯状態を網掛け表示により表現している。また、各chストリップ70,71のスイッチ81,82,83にもLED等からなる発光素子が組み込まれており、当該スイッチに対応する機能やパラメータがオン状態のスイッチを発光させる。また、ノブ型操作子84の周囲にはLED等からなる発光素子が配列されており、該発光素子の発光によりノブ型操作子84の現在の設定値を表示できる。
また、「dmix」のコンソール部には、ヘッドフォン端子85と該ヘッドフォン端子用の音量調整操作子86が備わる。ヘッドフォン端子85は、図1の操作者用モニタ11乃至図3等のモニタ出力部38に相当する。また、ユーザは、表示器7に各種表示画面を呼び出して、該呼び出した表示画面上のGUI部品を用いて各種パラメータを設定することができる。前記各種表示画面には、例えば、入力パッチ乃至出力パッチの表示画面や、複数のチャンネルストリップ画像の主要なパラメータを制御する画面や、特定のチャンネルについてパラメータを詳細に展開して詳細なパラメータ設定を行う画面等がある。
「dmix」のコンソール部には、また、「シーンストア/リコール」機能を制御するためのモジュールとして、シーン番号表示部87、シーン番号を切り替えるための番号インクリメント(UP)スイッチ88及びデクリメント(DOWN)スイッチ89、シーンを保存(ストア)を指示するストアスイッチ90、シーン呼び出し(リコール)指示するリコールスイッチ91が備わる。
モード切替スイッチ72〜74は、ミキシング処理のモードを切り替えるスイッチであって、「フェスティバルモード」の「モードA」を選択するスイッチ72、同「モードB」を選択するスイッチ73及び「ノーマルモード」を選択するスイッチ74で構成される。ユーザは、モード切替スイッチ72〜74を用いて、ミキシングシステムの使用形態に応じた適切な動作モードを選択することができる。通常のカスケード接続によりミキサ(又はエンジン)の入力ch数を拡張させる場合には「ノーマルモード」を選択する(「normal」スイッチ74が点灯)。また、前記図2に示すような状況(音楽フェスティバル等)で使用する場合には、「フェスティバルモード」を選択する(「A」スイッチ72又は「B」スイッチ73が点灯)。「フェスティバルモード」においては、ステージ上で披露される出し物のオーディオ信号が入力される装置(「meA」又は「meB」)に応じて、「モードA」と「モードB」とを切り替える。
制御対象切替スイッチ75〜77は、ミキサ100のコンソール部の制御対象を切り替えるためのスイッチであって「Local」スイッチ75の選択時(「Local」スイッチ点灯)には、コンソール部の操作に応じてミキサ100内のカレントメモリの記憶内容(DSP4を制御する)のローカル制御が行われる。また、「Remo1」スイッチ76又は「Remo2」スイッチ77の選択時(「Remo1」スイッチ又は「Remo2」スイッチ点灯)には、コンソール部の操作に応じて当該ミキサ100にカスケード接続された他のミキシング装置(図2のエンジン200a又はエンジン200b)内のカレントメモリの記憶内容(DSP16を制御する)のリモート制御が行われる。
レイヤ切替スイッチ78〜80は、24本のモノラルchストリップ70に対して割り当てるチャンネル群を切り替えるためのスイッチであって、「マスタ1」78の選択時(「マスタ1」スイッチ点灯)には、何れかの装置のチャンネル番号「1」〜「24」の24本のモノラル出力ch(図3の複数の出力ch34に相当)からなるレイヤが割り当てられる。また、「レイヤ1」79の選択時(「レイヤ1」スイッチ点灯)には、何れかの装置のチャンネル番号「1」〜「24」の24本の入力ch(図3の複数の入力ch32に相当)からなるレイヤが定義されている。また、「レイヤ2」78には、チャンネル番号「25」〜「48」の24本の入力ch(図3の複数の入力ch32に相当)からなるレイヤが割り当てられる。
従って、この実施例に係る「dmix」においては、モード切替スイッチ72〜74、制御対象切替スイッチ75〜77及びレイヤ切替スイッチ78〜80の設定状態の組み合わせより、コンソール部(モノラルchストリップ70、ST出力chストリップ71を含む)の制御対象を特定することができる。
モノラルchストリップ70の制御対象となるチャンネル割り当て態様の具体例について説明すると、「ノーマルモード」の場合、「Local」75の選択時には「dmix」自身が制御対象となり、「Remo1」76の選択時には「meB」が制御対象となり、また、「Remo2」77の選択時には「meA」が制御対象に選択されるものとする。そして、制御対象切替スイッチ75〜77で選択されている制御対象について、レイヤ切替スイッチ78〜80にて選択されたレイヤに定義されたチャンネル群が割り当てられる。また、ST出力chストリップ71の制御対象については、制御対象切替スイッチ75〜77の選択に応じる。なお、「Remo1」76に「meA」を割り当て、「Remo2」77に「meB」を割り当ててもよいし、「Remo1」76及び「Remo2」77とエンジンとの対応付けをユーザが設定できてもよい。
また、「ノーマルモード」の場合(「normal」スイッチ74点灯)は、「Remo1」スイッチ76が操作されると、「meB」のDSP16が制御対象となり、対応する「Remo1」スイッチ76が点灯する。「Remo2」スイッチ77が操作されると、「meA」のDSP16が制御対象となり、対応する「Remo2」スイッチ77が点灯する。「Local」スイッチ75が操作されると、ミキサ100のDSP4が制御対象となり、対応する「Local」スイッチ75が点灯する。
「フェスティバルモード」において、「Local」75の選択時には、「モードA」又は「モードB」いずれの場合も、自機のDSP4のローカル制御を行うので、図7(a)に示す通り、レイヤ切替スイッチ78〜80で選択されたレイヤに定義された「dmix」のチャンネル群がモノラルchストリップ70に割り当てられる。
また、「フェスティバルモード」において、「Remo1」76の選択時には、「モードA」又は「モードB」に応じたモノラルchストリップ70による制御対象は、図7(b)に示す通りとなる。すなわち、「モードA」の場合、「マスタ1」には「meB」のモノラル出力ch「CH1」〜「CH24」が割り当てられる。また、「レイヤ1」には「meA」の入力ch「CH1」〜「CH24」、また、「レイヤ2」には「meA」の入力ch「CH25」〜「CH48」がそれぞれ割り当てられる。このように、「モードA」の場合、レイヤ1及び2には「meA」の複数の入力ch32がそれぞれ割り当てられ、マスタ1には「meB」の複数の出力ch34が割り当てられるので、前記図5(b)においては「dmix」のコンソール部60のリモート制御用の制御信号ライン(矢印)が「meA」と「meB」の双方に結線されている。また、「モードA」の場合(「A」スイッチ72点灯)は、「マスタ1」が選択されている状態(「マスタ」スイッチ78点灯)で「Remo1」スイッチ76ないし「Remo2」スイッチ77が操作されると、「meB」のDSP16が制御対象となり、該制御対象に対応する「Remo1」スイッチ76が点灯する。また、「レイヤ1」ないし「レイヤ2」が選択されている状態(「レイヤ1」スイッチ79ないし「レイヤ2」スイッチ80点灯)で「Remo1」スイッチ76ないし「Remo2」スイッチ77が操作されると、「meA」のDSP16が制御対象となり、該制御対象に対応する「Remo2」スイッチ77が点灯する。「Local」スイッチ75が操作されると、レイヤの選択状態に関係なくミキサ100のDSP4が制御対象となり、「Local」スイッチ75が点灯する。すなわち、フェスティバルモードAにおいては、「Remo1」スイッチ76ないし「Remo2」スイッチ77は、選択されているレイヤに応じて制御対象に選択する機器が「meB」と「meA」とで自動的に切り替わる。
一方、「モードB」の場合、「マスタ1」には「meB」のモノラル出力ch「CH1」〜「CH24」が割り当てられる。また、「レイヤ1」には「meB」の入力ch「CH1」〜「CH24」、また、「レイヤ2」に「meB」の入力ch「CH25」〜「CH48」がそれぞれ割り当てられる。このように、「モードB」の場合、レイヤ1及び2には「meB」の複数の入力ch32が割り当てられ、マスタ1には「meB」の複数の出力ch34が割り当てられるので、前記図5(b)においては「dmix」のコンソール部60のリモート制御用の制御信号ライン(矢印)が「meB」に結線されている。また、「モードB」の場合(「B」スイッチ73点灯)は、「Remo1」スイッチ76ないし「Remo2」スイッチ77が操作されると、レイヤの選択状態に関係なく「meB」のDSP16が制御対象となり、該制御対象に対応する「Remo1」スイッチ76が点灯する。また、「Local」スイッチ75が操作されると、レイヤの選択状態に関係なくミキサ100のDSP4が制御対象となり、「Local」スイッチ75が点灯する。すなわち、フェスティバルモードBでは、「Remo1」スイッチ76ないし「Remo2」スイッチ77は、何れを操作しても制御対象に選択する機器が「meB」になる。
このように、本実施態様では、選択されているモードやレイヤに応じてモノラルchストリップ70の制御対象の機器が変化する場合があるが、スイッチ75〜77の点灯状態により、何れの機器のDSPが制御対象であるかを確認することができる。
また、「フェスティバルモード」における2本のST出力chストリップ71に対しては、図7(c)に示す通り、「Local」75の選択時には「dmix」のST出力chが割り当てられ、また、「Remo1」76の選択時には「モードA」,「モードB」いずれの場合も、主出力として利用される「meB」のST出力chが割り当てられる。
また、「フェスティバルモード」が選択されている場合、「meA」乃至「meB」に接続されたPC300(図2、図5(a),(b)を参照)に実装されたアプリケーションプログラムによる制御の対象もまた、「モードA」又は「モードB」に応じて切り替わる。PC300による制御の対象は、「モードA」の場合、「meB」の各入力ch「CH1」〜「CH48」と「meA」の各出力ch(モノラル出力ch「CH1」〜「CH24」及びST出力ch)とであり、また、「モードB」の場合は、「meA」の各入力ch「CH1」〜「CH48」と「meA」の各出力ch(モノラル出力ch「CH1」〜「CH24」及びST出力ch)とである(図7(d)参照)。
図8は、ミキサ100、エンジン200a及び200bの各々に具備されるカレントメモリの構成及び「ノーマルモード」におけるカレントメモリ内のパラメータ編集動作を説明するための図である。図8に示す通り、ミキサ100(「dmix」)のRAM3(図1参照)には、当該「dmix」のミキシング処理の各種パラメータ値の現在の設定状態を記憶するローカルカレントメモリ(Local)101と、「dmix」にカスケード接続された「meB」をリモート制御するための各種パラメータ値の現在の設定状態を記憶するリモートカレントメモリ(Bin’、Bout’)102と、「dmix」にカスケード接続された「meA」をリモート制御するための各種パラメータ値の現在の設定状態を記憶するリモートカレントメモリ(Ain’、Aout’)103が設けられている。ローカルカレントメモリ101に記憶されたパラメータ群は、「dmix」のミキシング処理の制御(DSP4の制御)と、当該「dmix」のミキシング処理パラメータの現在値を「dmix」のコンソール部に読み出した際の表示制御の双方に利用される。また、リモートカレントメモリ102,103の各々に記憶されたパラメータ群は対応するエンジンのリモート制御用、すなわち、対応するエンジンのミキシング処理パラメータの現在値を「dmix」のコンソール部に読み出した際の表示制御に利用される。
また、エンジン200b(「meB」)のRAM15(図1参照)には、当該「meB」のミキシング処理の各種パラメータ値の現在の設定状態を記憶するためのローカルカレントメモリ(Bin、Bout)201が設けられており、また、エンジン200a(「meA」)のRAM15には当該「meA」のミキシング処理の各種パラメータ値の現在の設定状態を記憶するためのローカルカレントメモリ(Ain、Aout)202が設けられている。各エンジンのローカルカレントメモリ201,202に記憶されたパラメータ群は各エンジンにおけるミキシング処理の制御(DSP16の制御)に利用される。
なお、図8においてリモートカレントメモリ102,103及びローカルカレントメモリ201,202においては、入力chに関するパラメータ群を記憶するカレントメモリ(Ain、Bin、Ain’及びBin’)と、出力chに関するパラメータ群を記憶するカレントメモリ(Aout、Bout、Aout’及びBout’)とが区別して描かれている。これは、詳しくは後述する通り、「meA」,「meB」の入力ch乃至出力chとが別々にコンソール部によるリモート制御対象として選択され、制御されることを強調するためである。
図9は、新たなカスケード接続が検出されたときに「dmix」が実行するカスケード接続検出イベント処理の手順の一例を示すフローチャートである。「dmix」では、自機のカスケードI/O6(図1参照)に対する他の装置の接続状況を常時チェックしているものとする。「dmix」は、カスケード接続を検出すると、ステップS1において、「dmix」の各バス(図3において複数のバス33)毎にカスケード制御部40のカスケード設定、すなわち、スイッチ部43、セレクタ部45及び46の設定を行う。これにより、カスケード接続された装置との間でオーディオ信号の送受信を行う信号経路を確立する。ここでは、一例として、カスケード接続の初期設定では「ノーマルモード」でミキシングシステムを動作させるものとする。すなわち、ステップS1では「ノーマルモード」のカスケード設定が行われる。
ステップS2において、カスケード接続された装置がミキサエンジンであるかどうかを判断する。エンジン以外の装置(コンソール部を有するミキサ)がカスケード接続された場合は、その装置をミキサ100からカスケード越しにリモート制御するより、その装置のコンソール部を用いて制御したほうが操作性がよいので、この実施例では、ミキサ100に対してエンジンがカスケード接続された場合(ステップS2のYES)にのみ、ステップS3以下の処理を実行して、該エンジンをリモート制御できるよう処理を構成している。そして、エンジン以外の装置がカスケード接続された場合(ステップS2のNO)、該ミキサをリモート制御の対象として扱わずに、当該処理を終了するものとする。勿論、エンジン以外の装置もリモート制御の対象として扱うよう構成してもよく、その場合は、当該ステップS2の判断処理は不要である。また、エンジン以外の装置をリモート制御対象として扱うかどうかの設定をユーザが行えるよう構成してもよい。
ステップS3において、「dmix」のRAM3に、カスケード接続されたエンジンのリモートカレントメモリを準備(領域確保等)する。これにより、「dmix」において「meB」のリモートカレントメモリ102及び「meA」のリモートカレントメモリ103を作成する。ステップS4において、接続先エンジンから当該エンジンのカレントメモリ内の全てのパラメータ設定値のデータをカスケード接続経由で受信し、該受信したデータを当該エンジンのリモートカレントメモリに書き込む。これにより、カスケード接続されたエンジンのリモートカレントメモリ102,103の記憶内容がカスケード接続先のエンジンに備わるローカルカレントメモリ201,202の記憶内容とが一致されることで、「dmix」によるリモート制御機能が有効になる。以降、リモート制御が行われている間は、ローカルカレントメモリの記憶内容に加えられる変更が、リモートカレントメモリに伝達され、リモートカレントメモリの記憶内容に同様の変更が加えられることにより、両カレントメモリの記憶内容が同じになるよう制御される。
そして、ステップS5において、「ノーマルモード」選択スイッチ74を点灯させる。これは、先に述べたとおり、この実施例では「ノーマルモード」を初期設定とするためである。なお、このとき、カスケード接続先のエンジンに対して、「dmix」はカレント設定指示を送信して、該エンジンの各バス毎のスケード制御部40にノーマルモードのカスケード設定を行わせるものとする。
図10は、モード切替スイッチ72〜74の操作によりモード変更が指示された際に「dmix」が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。モード切替スイッチ72〜74の操作によりモード変更が指示されると、まず、カスケード接続された全エンジンに対して、該指示されたモードに応じたカスケード設定変更指示を送信する(ステップS6)。そして、S7において、該指示されたモードに応じて「dmix」の各バス(図3において複数のバス33)毎にカスケード制御部40のカスケード設定を行う。カスケード接続された全エンジンにおいても、受信したカスケード設定変更指示に基づき、自身の各バス毎にカスケード制御部40のカスケード設定が行われる。これにより、ユーザが選択したモードに応じたミキシングシステムの信号経路が結線される(前記図4,図5を参照)。
図11は、「dmix」のコンソール部に備わる操作子の操作イベント発生に応じて該「dmix」が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここで、「操作子の操作イベント」とは、ミキシング処理に関するパラメータの値の変更を行うための操作子操作(例えば、電動フェーダ9やノブ型操作子84の操作や、表示器7のGUI部品を用いて各種パラメータを設定操作など)である。「dmix」のコンソール部において操作子の操作イベントが検出されると、まず、図11のステップS8において、現在の制御対象(制御対象切替スイッチ75〜77の選択状態)を判断する。
現在の制御対象が「Local」の場合(ステップS8のYES)、「dmix」のコンソール部におけるミキシング操作(図8に示す「Localの制御操作」)が行われると、ステップS9において、ローカルカレントメモリ101に記憶されたパラメータ群のうちの、当該ミキシング操作に対応するパラメータの値が更新される。そして、ローカルカレントメモリ101の該更新された記憶内容に基づきDSP4による信号処理が制御されることになる。また、ステップS10において、前記ステップS9で更新されたパラメータの値に基づき、コンソール部の対応するパラメータの値の表示が更新される。前記ステップS10による表示更新には、ノブ型操作子84の周囲に設けられた発光素子の発光制御や、表示器7の表示画面における対応するパラメータの表示更新(数値ボックス内の数字や操作子画像の操作位置等、GUI部品の表示更新等)や、フェーダ操作子6の操作位置の電動制御等が含まれる。
一方、現在の制御対象がリモートの場合(ステップS8のNO)、ステップS11において、制御対象のエンジンを特定する。そして、ステップS12において、前記ステップS11で特定された送り先のエンジンに対して、前記「dmix」のコンソール部におけるミキシング操作に対応するパラメータの値の変更指示信号(リモート制御用の制御信号)をカスケード接続経由で送信する。すなわち、前記パラメータ値の変更指示信号には、送り先のエンジンを指定する情報が含まれており、カスケード接続されたエンジンでは、該送り先のエンジンを指定する情報に基づき、自身に宛てて送信されたパラメータ値の変更指示信号をカスケード接続を介して受信することができる。
前記図8においては、「ノーマルモード」におけるリモート制御によるパラメータ編集動作の一例として、「dmix」のコンソール部において「meA」の入力chに関するパラメータ設定値の変更を行った場合の動作例を示している。すなわち、図8では「ノーマルモード」でにおいて、制御対象に「Remo2」が選択され(「Remo2」スイッチ77点灯)、レイヤには「レイヤ1」又は「レイヤ2」が選択されている例を示している(「レイヤ1」スイッチ79又は「レイヤ2」スイッチ80点灯)。この状態で、「dmix」のコンソール部のモノラルchストリップ70の操作子が操作されると、「meA」の入力chに関するパラメータ設定値の変更(「Ainの制御操作」)が行われる。すると、該「Ainの制御操作」に応じたパラメータ値の変更指示信号が、カスケード接続経由で「meA」に送信される。「meA」では、前記受信したパラメータ値の変更指示信号に基づき、ローカルカレントメモリ202の対応するパラメータ(「Ain」に含まれるパラメータの1つ)の値を更新する。このローカルカレントメモリ202の更新は、エンジン「meA」のDSP16における信号処理に反映される。前記ローカルカレントメモリ202の更新が行われると、エンジン「meA」は、更新後の当該パラメータの現在値、すなわち、「パラメータ値の変更結果」を「dmix」宛に送信する。
図12は、カスケード接続先のエンジンから「パラメータ値の変更結果」を受信した際に「dmix」が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。「dmix」では、「meA」から受信した「パラメータ値の変更結果」に基づき、「meA」のリモートカレントメモリ103の対応するパラメータ(「Ain’」に含まれるパラメータの1つ)の値を更新する(ステップS13)。そして、ステップS14において、前記ステップS13で更新されたパラメータの値に基づき、「dmix」のコンソール部において、該パラメータの値の表示を更新する。該ステップS14による表示更新には、前述のステップS10と同様に、ノブ型操作子84の周囲に設けられた発光素子の発光制御や、表示器7の表示画面における対応するパラメータの表示更新(数値ボックス内の数字や操作子画像の操作位置等、GUI部品の表示更新等)や、フェーダ操作子6の操作位置の電動制御等が含まれる。この図12の処理により、カスケード接続先のエンジンにおける「パラメータ値の変更結果」をミキサ「dmix」のコンソール部に反映させることができる。
なお、PC300からエンジン(「meA」又は「meB」)を制御した場合も、ローカルカレントメモリ201又は202の記憶内容が更新されるので、該更新による「パラメータ値の変更結果」が「dmix」宛に送信される。従って、「dmix」では、該受信した「パラメータ値の変更結果」に基づき図12を参照して説明した処理が行われる。この場合、コンソール部のローカル/リモートの設定状態乃至レイヤの設定状態によっては、つまり現時点でコンソール部に当該エンジン及びそのレイヤが制御対象に選択されていない場合には、「dmix」の内部においては、対応するリモートカレントメモリの値が更新される(前記図12のステップS13)が、当該「パラメータ値の変更結果」に応じたコンソール部の表示更新(前記図12のステップS14)は現時点では行われないことに留意されたい。
次に、図13(a),(b)を参照して、「フェスティバルモード」におけるリモート制御によるパラメータ編集動作の一例を説明する。(a)に「フェスティバルモード」の「モードA」におけるリモート制御によるパラメータ編集動作の例を示し、(b)に「モードB」におけるリモート制御によるパラメータ編集動作の例を示している。「フェスティバルモード」のリモート制御によるパラメータ編集動作も、基本的には、上記図8及び図12を参照して説明した「ノーマルモード」での動作と同様であるが、図7(b)を参照して前述した通り、「フェスティバルモード」ではリモート制御の制御対象の設定が特徴的である。
図13(a)において、「dmix」のコンソール部の制御対象にレイヤ1又はレイヤ2が選択されている場合(「レイヤ1」スイッチ79又は「レイヤ2」スイッチ80点灯、かつ、「Remo2」スイッチ77点灯)、「dmix」のコンソール部のモノラルchストリップ70の操作子が操作されると、「meA」の入力chに関するパラメータ設定値の変更(「Ainの制御操作」)が行われる。そして、該「Ainの制御操作」に応じたパラメータ値の変更指示信号が、カスケード接続経由で「meA」に送信され(前記図11のステップS12)、「meA」では前記受信したパラメータ値の変更指示信号に基づき、ローカルカレントメモリ202の対応するパラメータ(「Ain」に含まれるパラメータの1つ)の値を更新する。このローカルカレントメモリ202の更新は、エンジン「meA」のDSP16における信号処理に反映される。「meA」は、該更新後の当該パラメータの現在値、すなわち、「パラメータ値の変更結果」を「dmix」に送信する。「dmix」では、受信した「パラメータ値の変更結果」に基づきカレントメモリ「Ain’」103の対応するパラメータの値を更新し(前記図12のステップS13)、また、該更新に基づき「dmix」のコンソール部における該パラメータ値の表示を更新する(前記図12のステップS14)。
また、「dmix」のコンソール部の制御対象にマスタ1が選択されている場合(「マスタ」スイッチ78点灯、かつ、「Remo1」スイッチ76点灯)、「dmix」のコンソール部のモノラルchストリップ70の操作子が操作されると、「meB」の出力chに関するパラメータ設定値の変更(「Boutの制御操作」)が行われる。そして、該「Boutの制御操作」に応じたパラメータ値の変更指示信号がカスケード接続経由で「meB」に送信され、「meB」では前記受信したパラメータ値の変更指示信号に基づき、ローカルカレントメモリ201の対応するパラメータ(「Bout」に含まれるパラメータの1つ)の値を更新し、該ローカルカレントメモリ201の更新を「meB」のDSP16における信号処理に反映させる。そして、「パラメータ値の変更結果」が「meB」から「dmix」に送信される。「dmix」は該受信した「パラメータ値の変更結果」に基づきカレントメモリ「Bout’」102の対応するパラメータの値を更新すると共に、該更新に基づき「dmix」のコンソール部における該パラメータの値の表示を更新する。
一方、「モードB」の場合、図13(b)に示す通り、レイヤ1又はレイヤ2が選択されていれば(「レイヤ1」スイッチ79又は「レイヤ2」スイッチ80点灯、かつ、「Remo1」スイッチ76点灯)、「dmix」のコンソール部のモノラルchストリップ70の操作子が操作されると、「meB」の出力chに関するパラメータ設定値の変更(「Binの制御操作」)が行われる。そして、該「Binの制御操作」に応じたパラメータ値の変更指示信号が、カスケード接続経由で「meB」に送信され、「meB」では該変更指示信号に基づき、ローカルカレントメモリ201の対応するパラメータ(「Bin」に含まれるパラメータの1つ)の値が更新され、カレントメモリ「Bin」201の「パラメータ値の変更結果」が「dmix」宛に返送される。「dmix」では、受信した「パラメータ値の変更結果」に基づきカレントメモリ「Bin’」102の対応するパラメータを更新し、該更新に基づき「dmix」のコンソール部における該パラメータの値の表示を更新する。「Boutの制御操作」についても同様に、マスタが選択されていれば(「マスタ」スイッチ78点灯、かつ、「Remo1」スイッチ76点灯)、「dmix」のコンソール部の操作に応じた変更指示に基づきローカルカレントメモリ201の対応するパラメータ(「Bout」に含まれるパラメータの1つ)の値が変更され、該変更の結果が、「dmix」側に戻されて、「dmix」のコンソール部の表示に反映される。
なお、図13(a)においては、「モードA」における「dmix」のリモート制御対象外の「meB」の入力chに対応するリモートカレントメモリ「Bin’」と「meA」の出力chに対応するリモートカレントメモリ「Aout’」の図示を省略した。前述の通り、「モードA」では、これら「meB」の入力chと「meA」の出力chのミキシング処理(つまり、後続の出し物に関するオーディオ信号のミキシング処理)はPC300(副操作部)から制御できる(図5(a)等を参照)。また、図13(b)においては、「モードB」における「dmix」のリモート制御対象外の「meA」の入力chに対応するリモートカレントメモリ「Ain’」と「meA」の出力chに対応するリモートカレントメモリ「Aout’」の図示を省略した。「モードB」では、これら「meA」の入力chと「meA」の出力chのミキシング処理はPC300から制御できる(図5(b)等を参照)。
上記図8、図11、図12及び図13(a),(b)を参照して説明した通り、この実施例に係るミキシングシステムによれば、制御対象にリモート制御が指定(「Remo1」スイッチ76又は「Remo2」スイッチ72が指定)されている場合に、ミキサ100(「dmix」)のコンソール部の操作が行われると、該操作に応じた制御信号(変更指示信号)がリモート制御対象のエンジン(「meA」又は「meB」)に送信され、該変更指示信号に応じて該リモート制御対象のエンジン(「meA」又は「meB」)のローカルカレントメモリ201又は202のパラメータ値が変更され、該エンジン(「meA」又は「meB」)のローカルカレントメモリ201又は202における該パラメータの値の変更結果を示す変更結果信号が「dmix」側に送信されることで、リモート制御対象のエンジン(「meA」又は「meB」)において行われたパラメータの値の変更結果を「dmix」のコンソール部に反映させることができる。ここで、「コンソール部に反映させる」とは、コンソール部における表示器7の表示画面における対応するパラメータの表示更新や、操作子類に付随する表示の更新(LED点灯など)や、電動フェーダ9の操作位置制御等を含む。
図14及び図15を参照して、制御対象切替スイッチ75〜77の操作に応じた制御対象の変更動作について説明する。制御対象が「Remo1」又は「Remo2」から「Local」に変更された場合、ローカルカレントメモリ101の記憶内容に応じてコンソール部の表示更新や、各チャンネルストリップ70,71の電動フェーダ9の操作位置の電動制御を行う(図14のステップS15)。制御対象が「Local」からリモート(「Remo1」又は「Remo2」)に変更された場合には、まず、図15のステップS16において、「dmix」のコンソール部に読み出すべきパラメータ群を記憶したリモートカレントメモリ(カレントメモリ102又は103のいずれか)を特定する。そして、ステップS17において、前記特定されたリモートカレントメモリ102又は103のいずれかの記憶内容に応じてコンソール部の表示更新や、各チャンネルストリップ70,71の電動フェーダ9の操作位置制御を行う。
従って、この実施例に係るミキシングシステムによれば、ミキサ100(「dmix」)において制御対象を変更したときには、新たな制御対象となる装置の現在のパラメータ設定状態を、「dmix」のコンソール部に反映させることができる。また、「dmix」において、ローカルカレントメモリ101、「meB」のリモートカレントメモリ102及び「meA」のリモートカレントメモリ103の3つのカレントメモリを設け、制御対象に応じて該3つのカレントメモリを切り替えるように構成したことで、制御対象の切り替えに応じた表示更新・切り替え動作が迅速に行える。
最後に、この実施例に係るミキシングシステムにおけるシーンストア/リコール機能の装置間のリンク(連動)制御について説明する。シーンストア/リコール機能とは、前述の通り、カレントメモリに保持されている現在のパラメータ設定状態を1シーン分のシーンデータとしてシーンメモリに保存(ストア)し、また、該シーンメモリにストアされたシーンデータをカレントメモリに読み出す(リコール)ことで、或るミキシングパラメータの設定状態を一括して再現する機能である。
図16(a),(b)は、シーンメモリの構成とシーンリコール動作を説明するための図であって、(a)は「ノーマルモード」におけるシーンリコール動作を説明するための図、また、(b)は「フェスティバルモードA」におけるシーンリコール動作を説明するための図である。図16(a),(b)に示す通り、「dmx」100,「meB」200b及び「meA」200aの各々のフラッシュメモリ2,14には、シーンメモリ110、210及び211が設けられている。各シーンメモリ110、210及び211の各々には、各装置毎の複数シーン分のシーンデータ(図の例では6シーン分)が保存されている。各シーンメモリ110、210及び211において保存された複数のシーンデータには、それぞれシーン番号1〜6が付与されており、該シーン番号により各シーンデータが管理される。また、図において、添え字「i」を付与した入力ch群に関するシーンデータ(例えば「S4i」)と、添え字「o」を付与した出力ch群に関するシーンデータ(例えば「S4o」)が別々に描かれている。これは、後述する通り、「フェスティバルモード」でのシーンリコールに際して、入力ch群に関するシーンデータのみ、あるいは、出力ch群に関するシーンデータのみをリコールすべきケースがあるためである。従って、この実施例においては、1つのシーンにおいても、入力ch群に関するシーンデータと、出力ch群に関するシーンデータとは別々に管理される。本実施態様において、コンソールを有さないエンジン「meB」200b及び「meA」200a側にシーンメモリ210及び211を設けているのは、該エンジンをミキサ100にカスケード接続しないでも使用できるようにするためである。また、ミキサ「dmx」100側にはリモートのカレントメモリ103及び102のみを設け、シーンメモリ210及び211のリモートのシーンメモリを設けないのは、(1)シーンメモリはサイズが大きく、仮にミキサ100側にリモートのシーンメモリを設けたとしても、エンジン側のシーンリコール速度は変わらず、シーンリコール時のミキサ100側の表示が速くなる程度の効果しかないため、及び、(2)サイズの大きいリモートのシーンメモリを設けると、カスケード接続の開始時の同期処理(ステップS5)にかかる時間が長くなってしまうためである。
ユーザがシーンのストア乃至リコールを指示する際の操作手順について前記図6に示すコンソール部の構成を参照して説明する。まず、「dmix」を操作するユーザがインクリメントスイッチ88及びデクリメントスイッチ89を用いてシーン番号を指定すると、該指定したシーン番号がシーン番号表示部87に点滅表示される。ついで、ユーザがシーンストアスイッチ90を操作すれば、ミキシングシステムの各装置の現在のパラメータ設定状態を、前記指定したシーン番号のシーンデータとして保存する指示を行うことができる。また、ユーザがシーンリコールスイッチ91を操作すれば、前記指定したシーン番号のシーンデータをミキシングシステムの各装置(「dmix」,「meA」及び「meB」)にリコールすることができる。
次にシーンデータストア指示に応じて「dmix」が実行する動作について、図17のフローチャートを参照して説明する。ユーザによるシーンストアスイッチ90の操作に応じてシーンストア指示イベントが発生すると、ステップS18において「dmix」は該シーンストア指示を送信すべきカスケード接続先の装置(送り先)を特定すると共に、該送り先におけるシーンストアの内容を特定する処理が行われる。ここで、「シーンストア指示」の送り先とは、当該シーンストアの動作を連動すべき他の装置(「meA」及び「meB」)である。また、「シーンストアの内容」とは、該送り先にてストアすべきシーンが、入力ch群のみに関するカレントメモリ記憶内容か、出力ch群のみに関するカレントメモリ記憶内容か、あるいは、入力ch群及び出力ch群の双方のカレントメモリ記憶内容かを指示する情報である。
ステップS19では、前記特定された送り先に対して、前記指示されたシーンストアの内容を、ユーザによって指定されたシーン番号(s)にストアさせる指示を送信する。また、「dmix」側では、ステップS20において、現在のローカルカレントメモリ101の記憶内容をユーザによって指定されたシーン番号(s)のシーンデータとしてシーンメモリ110に保存する。
一方、送り先の装置(「meA」及び「meB」)側では、前記ステップS18において「dmix」から送信されたシーンストアの内容指示を受信し、該受信したシーンストアの内容指示に応じて、ローカルカレントメモリ201及び202の現在の記憶内容の一部(入力ch群関連のみ又は出力ch群関連のみ)又は全部を、シーン番号(s)のシーンデータとして自機のシーンメモリ210及び211にそれぞれ保存する。これにより、「dmix」、「meA」及び「meB」の各々において、現時点での各々のローカルカレントメモリの記憶内容を、同一のシーン番号のシーンデータとして保存することができる。すなわち、シーンストア動作を連動させることができる。
次にシーンデータリコール指示に応じて「dmix」が実行する動作について、図18のフローチャート及び図16(a),(b)を参照して説明する。ユーザによるシーンリコールスイッチ91の操作に応じてシーンリコール指示イベントが発生(図16の「シーン4リコールの制御操作」)すると、ステップS21において「dmix」は該シーンリコール指示の送り先を特定すると共に、該送り先におけるシーンリコールの内容を特定する処理が行われる。ここで、「シーンリコールの内容」とは、該送り先にてリコールすべきシーンが、入力ch群のみに関するシーンデータか、出力ch群のみに関するシーンデータか、あるいは、入力ch群及び出力ch群の双方のシーンデータかを指示する情報である。
ステップS22では、前記特定された送り先に対して、ユーザによって指定されたシーン番号(s)のシーンデータについて、前記指示されたシーンリコールの内容でリコールさせる指示を送信する。図16ではシーン番号4のシーンデータがリコール指示された例を示す(図16の「シーン4リコール指示」)。また、「dmix」側では、ステップS23において、シーンメモリ110からユーザによって指定されたシーン番号(s)のシーンデータを読み出し、該読み出したシーンデータをローカルカレントメモリ101に書き込む処理を行う。シーンデータによって変更されたローカルカレントメモリ101の記憶内容は、DSP4の信号処理の制御、及び、ローカルカレントメモリ101の記憶内容を「dmix」のコンソール部に呼び出した際の表示制御に反映される。
一方、前記送り先の装置(「meA」及び「meB」)側では、図16(a),(b)に示す通り、「dmix」から送信された「シーン4リコールの制御操作」を受信し、該受信した「シーン4リコール指示」に基づき、指定されたシーン番号(図の例ではシーン4)のシーンデータを各々のシーンメモリ211,210から読み出し、該読み出したシーンデータを各々のローカルカレントメモリ202,201に書き込む。シーンデータによって変更されたローカルカレントメモリ202,201の記憶内容は、「meA」及び「meB」の各DSP16の信号処理の制御に反映される。
ここで、図16(a)に示す「ノーマルモード」の場合、「meA」及び「meB」に対する「シーン4リコール指示」には入出力ch群の双方のシーンデータ(S4i,S4o)を指示する内容指示が含まれており、「meA」及び「meB」においては、各シーンメモリ211,210から各ローカルカレントメモリ202,201に「S4i」及び「S4o」のシーンデータがリコールされる。
他方、図16(b)に示す「フェスティバルモードA」の場合、「meB」に対する「シーン4リコール指示」には、出力ch群のみに関するシーンデータ(S4o)を指示する内容指示が含まれており、また、「meA」に対する「シーン4リコール指示」には、出力ch群のみに関するシーンデータ(S4o)を指示する内容指示が含まれている。従って、「フェスティバルモードA」の場合、「meB」では「S4o」のシーンデータのみをシーンメモリ210から読み出し、該読み出した「S4o」のシーンデータをローカルカレントメモリ「Bo」201にリコールすると共に、「meA」では「S4i」のシーンデータのみをシーンメモリ211から読み出し、該読み出した「S4i」のシーンデータをローカルカレントメモリ「Ai」202にリコールする。
「meA」及び「meB」においては、シーンリコールにより各々のローカルカレントメモリ202,201の記憶内容が変更されると、各パラメータ設定値の変更結果を「dmix」に返信する処理を行う(図16の「リコール結果」)。図16(a)に示す「ノーマルモード」の場合、「meA」及び「meB」からは各ローカルカレントメモリ202,201の記憶内容全部(1シーン全体分)が「リコール結果」として「dmix」に返信される。一方、図16(b)に示す「フェスティバルモードA」の場合、「meB」からは、ローカルカレントメモリ「Bo」201の記憶内容(1シーンのうち出力ch群のみに関する部分のみ)が「リコール結果」として「dmix」に返信され、また、「meA」からは、ローカルカレントメモリ「Ai」201の記憶内容(1シーンのうち入力ch群のみに関する部分のみ)が「リコール結果」として「dmix」に返信される。
図18に戻ると、「dmix」は、ステップS24において前記「リコール結果」(パラメータ設定値の変更結果)をカスケード接続先の各装置(「meA」及び「meB」)から受信し、ステップS25において該受信したパラメータ設定値の変更結果に基づき、リモートカレントメモリ102,103の対応するパラメータ値を更新する。図16(a)に示す「ノーマルモード」の場合には、「meB」からの「リコール結果」に基づき、「meB」に対応するリモートカレントメモリ「B’」102の記憶内容が更新され、また、「meA」からの「リコール結果」に基づき、「meA」に対応するリモートカレントメモリ「A’」103記憶内容が更新される。一方、図16(b)に示す「フェスティバルモードA」の場合、「meB」からの「リコール結果」に基づき、「meB」のリモートカレントメモリの出力chに関する部分「Bo’」102の記憶内容が更新され、「meA」からの「リコール結果」に基づき、「meA」のリモートカレントメモリの入力chに関する部分「Ai’」103の記憶内容が更新される。
そして、ステップS26においては、現在の「dmix」のコンソール部の制御対象に対応するカレントメモリ(ローカルカレントメモリ101又はリモートカレントメモリ102又は103のいずれか)の記憶内容に基づき、コンソール部における表示更新制御及び各チャンネルストリップ70,71の電動フェーダ9の操作位置の電動制御を行う。
このように、この実施例に係るミキシングシステムによれば、「dmix」でのシーンリコール指示に連動して、カスケード接続先の他の装置(「meA」,「meB」)のシーンリコールを実行し、該他の装置のシーンリコール結果を「dmix」に戻すことで、他の装置でのリコール結果を「dmix」のコンソール部に反映させること(コンソール部の画面表示、パラメータの設定値表示、或いは、操作子の操作位置等を変更すること)ができるようになる。
なお、上記図16(a),(b)を参照して説明したシーンリコールの連動制御は、カスケード接続先のエンジン「meA」及び「meB」においてカスケード接続先の他の装置とシーンリコールを連動させるか否かを設定するパラメータ(「シーンリコールリンク」)がそれぞれオンに設定されている場合とする。すなわち、「シーンリコールリンク」)がオフに設定されているエンジンは、「dmix」にて指示された「シーンリコール」に連動しない。また、「シーンリコールリンク」がオフに設定されているエンジンにおいて個別にシーンリコールが行われた場合は、当該シーンリコールによるカレントメモリの記憶内容の変更結果(リコール結果)を「dmix」に返信し、「dmix」において該シーンリコールが行われたエンジンのリモートカレントメモリを、該返信されたリコール結果に基づき更新するものとする。
エンジン200のその他I/O21ないしミキサ100のその他I/O10にPC300を接続し、PC300からのリモート制御をしている場合も、図8、図13、及び図16に関連して説明した動作と基本的に同じような動作を行う。この場合、PC300の内部には、ミキサ100のカレントメモリ101をリモート制御するためのリモートのカレントメモリと、エンジン200b及びエンジン200aのカレントメモリ201及び202をリモート制御するための2つのリモートのカレントメモリとが設けられている。
ミキサ100のコンソール部での操作に応じて、ミキサ100、エンジン200bないし200aの各カレントメモリ201ないし202の記憶内容の更新される場合は、上述した「パラメータ値の変更結果」がPC300にも送信され、それを受けてPC300内の対応するリモートのカレントメモリも更新される。
PC300の操作画面で操作(例えば、「Ainの制御操作」)が行われた場合は、その操作に応じたパラメータ値の変更指示がI/O21ないしI/O10やカスケード接続を経由してエンジン(例えば、200a)に送信され、該エンジン内のカレントメモリの対応するパラメータが更新される。該エンジンからは、「パラメータ値の変更結果」がPC300とミキサ100に送信され、受信したPC300とミキサ100は、それぞれ内部に設けられた対応するリモートのカレントメモリの記憶内容を更新する。
ここで、PC300は、「ノーマルモード」において、ミキサ100、エンジン200b、および200aの全てのカレントメモリをリモート制御の制御対象とすることができるが、「フェスティバルモード」では、ミキサ100のコンソール部の制御対象にならない、限られた一部のカレントメモリのみをリモート制御の制御対象とすることができる。すなわち、PC300は、「モードA」において、エンジン200bのカレントメモリBinとエンジン200aのカレントメモリAoutをリモート制御の制御対象とすることができ、「モードB」において、エンジン200aのカレントメモリAinおよびAoutをリモート制御の制御対象とすることができる。
以上説明したとおり、この実施例に係るミキシングシステムによれば、ミキサ100(「dmix」)のコンソール部から、カスケード接続されたミキサエンジン200a,200b(「meA」,「meB」)のミキシング処理をリモート制御し、その制御結果をミキサ100のコンソール部に反映させることで、該制御結果をミキサ100のコンソール部で確認する。また、制御対象が変更されたときには、ミキサ100のコンソール部に、新たな制御対象となる装置のカレントメモリ(ローカルカレントメモリ101又はリモートカレントメモリ102,103)の現在の記憶内容を反映させることができ、また、シーンリコール制御によりカスケード接続されたミキサエンジン200a,200b側のパラメータ設定値が変更された場合にも、該変更結果(すなわち、現在のパラメータ設定状態)を「dmix」のコンソール部に反映させることができる。従って、この実施例に係るミキシングシステムによれば、リモート制御対象のエンジン(第2のミキシング装置)の現在のパラメータ設定状態(カレントメモリの記憶内容)をミキサ(第1のミキシング装置)のコンソール部に反映させつつ、エンジン(第2のミキシング装置)のミキシング処理をリモート制御できるようになという優れた効果を奏する。
また、ユーザは、ミキサ100のコンソール部のチャンネルストリップ70,71を用いて、自身のミキシング処理のパラメータを調整するのと同様な操作態様で他の装置(「meA」,「meB」)の各チャンネル毎のミキシング処理のパラメータ群を調整することができる。従って、この実施例に係るミキシングシステムによれば、当該ミキシングシステムのミキシング処理を統一的な操作で制御することができるようになるという優れた効果を奏する。
また、「フェスティバルモード」によれば、現在の出し物のための信号を一方のエンジン(「meA」又は「meB」のいずれか)に入力して、「dmix」のコンソール部の操作に応じて該現在の出し物のためのオーディオ信号をミキシング制御して主出力へ出力(メインスピーカで放音)しながら、次の出し物のための信号を他方のミキサエンジン(「meA」又は「meB」のいずれか)に入力して、該PC300(副操作部)の操作に応じて該次の出し物のためのオーディオ信号をミキシング処理して副出力へ出力(ヘッドフォンで確認)することができる。また、現在の出し物のためのオーディオ信号の入力先(「meA」又は「meB」)に応じて、「モードA」と「モードB」とを切り替えることで、1台のミキサを用いて2通りのミキシング作業を効率的に行うことができるようになる。
なお、上記実施例において、ミキシングシステムは、コンソール部を備える1台のミキサ100と、コンソール部を具えていないエンジン200a,200bとから構成され、コンソール部を備える1台のミキサ100からコンソール部を持たないエンジンをリモート制御する例について説明したが、リモート制御の対象となるミキシング装置はエンジンに限らずコンソール部を備えたミキサであっても差し支えない。また、ミキシングシステムを構成するミキシング装置の台数も上記実施例に示す3台に限定されるものではない。
また、上記実施例においては、図3を参照して説明したとおり、ミキサ100(「dmix」)とエンジン200a,200b(「meA」,「meB」)のミキシング処理の信号処理構成が相互に同じ構成(入力ch数、混合バス数、出力ch数、エフェクト数などが同じ)としたが、これに限らず、ミキサとエンジンとの信号処理の構成が異なっていても良い。例えば、エンジンに備わる入力ch数が、ミキサに備わる入力ch数よりも多くても良いし、少なくても良い。又、エンジンに備わる混合バス数(=出力ch数)が、ミキサに備わる混合バス数より多くても良いし、少なくても良い。なお、何れかのミキシング装置に搭載された混合バス数が、他のミキシング装置に搭載された混合バス数より多い場合(各ミキシング装置の混合バス数が不等の場合)、対応する混合バスがない混合バス(余分なバス)についてはカスケード接続によるバス同士の連結を行わず、最終出力については該余分なバスを具えたミキシング装置の出力chからのみ出力されるようにすればよい。
また、上記図4においては、ノーマルモードの場合、カスケード接続により互いに連結された混合バスの最終出力は、各ミキシング装置(「dmix」,「meA」及び「meB」)の何れからでも出力できるようになっていたが、最終出力は必ずしもすべての装置の出力系統に結線される必要はなく、どれか1台の装置(例えばサウンドシステムに接続された「meB」)から出力できれば充分である。
また、上記図4に示すノーマルモードのカスケード接続においては、コンソール部を備えるミキサ100を「カスケードマスタ」にあたる位置に接続していたが、ミキサ100の接続位置は「カスケードスレーブ」の位置にあったとしても本実施例の実施に差し支えない。カスケードスレーブ、カスケードマスタの区別は単にカスケード信号の送り側と受け側の区別に過ぎないので、ミキサ100が「カスケードスレーブ」の位置に接続された場合でも、ミキサ100のコンソール部から他の装置のミキシング処理をリモート制御することができる。なお、ミキサ100は、エンジン200をカスケード接続しない状態においては、コンソール部での操作に応じて自身の信号処理部4のミキシング処理を制御できる単独動作可能である。
また、上記実施例に示すミキシングシステムにおいては、フェスティバルモードの副操作部がPC300で構成される例を示したが、副操作部はPCに限らず、PDAや小型の専用リモート操作パネル等その他適宜のユーザインターフェースにより構成されてもよい。また、副操作部(PC300)とエンジン200との接続ラインは、有線接続に限らず、無線接続(無線LANや無線USBなど)を適用してもよい。その場合、必要な強度の無線波が届くのであれば、該無線接続用のI/Oは副操作部(PC300)の近傍に配置される必要はなく、例えば、ミキサ100に無線接続のI/Oを具えるよう構成してもよい。
また、上記図5(a),(b)に示す例では「meB」のモニタ出力部38bにヘッドフォン62を接続して副CUEバス54の信号をモニタする構成例を示したが、これに限らず、「meA」のモニタ出力部38bにヘッドフォン62を接続して副CUEバス54の信号をモニタする構成としてもよい。また、「フェスティバルモード」の副出力をミキサエンジン側に設ける構成に限らず、副出力を副操作部(PC300)に設ける構成であってもよい。この場合、副操作部(PC300)とエンジン200との接続ラインに制御信号とオーディオ信号を一緒に流し、副操作部(PC300)のオーディオ出力部から該オーディオ信号を出力するよう構成すればよい。例えば、ミキサエンジン200とPC300との接続ラインとしてUSBを適用していれば、該接続ライン経由で副出力のオーディオ信号を副操作部(PC300)に伝送することができる。また、ミキサエンジン200とPC300との接続ラインがEthernetで構成されている場合は、例えばVoIP(Voice Over Internet Protocol)等の周知のオーディオ信号伝送技術を利用すればよい。
また、上記図5(a),(b)に示す例では、ミキサエンジン「meB」の出力経路が主出力として機能する(「meB」にサウンドシステムを接続する)ようになっていたが、カスケード接続された何れのミキサ乃至ミキサエンジンのいずれの信号出力経路が主出力として機能してもよい。従って、「フェスティバルモードA」乃至「フェスティバルモードB」のそれぞれにおける主出力の信号出力経路(どのミキサ乃至ミキサエンジンの出力ch34に最終的なバス出力信号が供給されるか)も上記実施例に限定されるものではない。また、「フェスティバルモードA」乃至「フェスティバルモードB」における主出力の信号出力経路をユーザが設定できてもよい。
また、上記図6に示す「dmix」のコンソール部においては、モード切替スイッチ72,73,74、制御対象切替スイッチ75,76,77、レイヤ切替スイッチ78,79,80が該コンソール部上に配置された機械的スイッチで構成される例を示したが、これらスイッチ72〜80は、表示器7上の表示画面から操作されるGUI部品(スイッチ画像)からなる仮想的スイッチで構成されていてもよい。
この発明の一実施例に係るミキシングシステムを構成するディジタルオーディオミキサとミキサエンジンの電気的ハードウェア構成例を示すブロック図。 同実施例に係るミキシングシステムを含むPAシステム構成例を模擬的に示す図。 同実施例に係るミキシングシステムを構成する1台のミキシング装置の信号処理アルゴリズムの構成例を示すブロック図。 同実施例に係るミキシングシステムを「ノーマルモード」で使用する場合のオーディオ信号処理の構成例を示すブロック図。 同実施例に係るミキシングシステムを「フェスティバルモード」で使用する場合のオーディオ信号処理の構成例を示すブロック図であって、(a)は「モードA」の場合、(b)は「モードB」の場合をそれぞれ示す。 同実施例に係るミキシングシステムに含まれるミキサのコンソール部の構成例を示す図。 同実施例に係るミキシングシステムを「フェスティバルモード」で使用する際のチャンネルストリップに対する制御対象の割り当てを説明するための図であって、(a)はローカル制御におけるモノラルチャンネルストリップに対する制御対象の割り当て、(b)はリモート制御におけるモノラルチャンネルストリップに対する制御対象の割り当て、(c)はステレオ出力チャンネルストリップに対する制御対象の割り当て、また、(d)はPCによるリモート制御対象の割り当てをそれぞれ示す。 同実施例に係るミキシングシステムに含まれる各ミキシング装置に具備されるカレントメモリの構成及び「ノーマルモード」におけるカレントメモリ内のパラメータ編集動作を説明するための図。 同実施例に係るミキサにおいて、新たなカスケード接続が検出されたときに実行されるカスケード接続検出イベント処理の手順の一例を示すフローチャート。 同実施例に係るミキサにおけるモード変更イベント処理の手順の一例を示すフローチャート。 同実施例に係るミキサにおける操作子操作イベント処理の手順の一例を示すフローチャート。 同実施例に係るミキサにおけるパラメータ値変更結果受信イベント処理の手順の一例を示すフローチャート。 同実施例に係るミキシングシステムを「フェスティバルモード」で使用する際のリモート制御によるパラメータ編集動作を説明するための図であって、(a)は「モードA」の場合、(b)は「モードB」の場合を示す。 同実施例に係るミキサの制御対象をリモートからローカルに切り替える際の処理の手順の一例を示すフローチャート。 同実施例に係るミキサの制御対象をリモートに切り替える際の処理の手順の一例を示すフローチャート。 同実施例に係るミキシングシステムにおけるシーンストア/リコール機能の連動制御を説明するための図であって、(a)は「ノーマルモード」の場合、(b)は「フェスティナルモードA」の場合をそれぞれ示す。 同実施例に係るミキサにおけるシーンストアイベント処理の手順の一例を示すフローチャート。 同実施例に係るミキサにおけるシーンリコールイベント処理の手順の一例を示すフローチャート。 従来から知られるPAシステム構成例。
符号の説明
100 ミキサ、200(200a,200b) エンジン、300(300a,300b) PC、400a,400b 山台、600 スピーカ、32 入力チャンネル、33 バス、34 出力チャンネル、38 モニタ出力部、40 カスケード制御部、42 スイッチ部、45 セレクタ部、46 セレクタ部、52 混合バス、53 主CUEバス、54 副CUEバス、60 コンソール部、7 表示器、70 モノラルチャンネルストリップ、71 ステレオ出力チャンネルストリップ、72〜74 モード切替スイッチ、75〜77 制御対象切替スイッチ、78〜80 レイヤ切替スイッチ、101 ローカルカレントメモリ、201,202 ローカルカレントメモリ、102,103 リモートカレントメモリ

Claims (7)

  1. 複数のミキシング装置をカスケード接続してなるミキシングシステムであって、
    ミキシング操作を行うための主操作部を備えた主ミキシング装置と、
    第1の入力源からのオーディオ信号が入力される第1のミキシング装置と、
    第2の入力源からのオーディオ信号が入力される第2のミキシング装置と、
    前記主操作部とは別のミキシング操作を行うための副操作部と、
    サウンドシステムへオーディオ信号を出力するための主出力と、
    確認用のオーディオ信号を出力するための副出力と、
    前記第1の入力源の信号を前記主出力から出力させる第1の制御モードと前記第2の入力源の信号を前記主出力から出力させる第2の制御モードの何れかを選択するモード選択手段と、
    前記第1の制御モードにおいて、前記主操作部の操作に応じて前記第1のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を前記主出力から出力させると共に、前記副操作部の操作に応じて前記第2のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を前記副出力から出力させる第1の制御手段と、
    前記第2の制御モードにおいて、前記主操作部の操作に応じて前記第2のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を主出力から出力させると共に、前記副操作部の操作に応じて前記第1のミキシング装置のミキシング処理を制御して該ミキシング処理結果を前記副出力から出力させる第2の制御手段と
    を備えることを特徴とするミキシングシステム。
  2. 前記主ミキシング装置、前記第1のミキシング装置及び前記第2のミキシング装置は、それぞれ、ユーザが行ったミキシング操作に応じて、チャンネル毎に入力されたオーディオ信号の特性を制御して該チャンネル毎の出力信号を混合バスで混合するミキシング処理を実行するものであり、
    前記第1の制御モードにおいて前記主ミキシング装置の混合バスと前記第1のミキシング装置の混合バス同士を連結させ、また、前記第2の制御モードにおいて前記主ミキシング装置の混合バスと前記第2のミキシング装置の混合バス同士を連結させるカスケード制御手段を更に備え、
    前記第1の制御手段は、前記主操作部の操作に応じて前記主ミキシング装置及び前記第1のミキシング装置のミキシング処理を制御し、且つ、前記カスケード制御手段により連結された該主ミキシング装置と該第1のミキシング装置の混合バスの最終的な出力信号を前記主出力から出力させる制御を行うものであり、また、前記第2の制御手段は、前記主操作部の操作に応じて前記主ミキシング装置及び前記第2のミキシング装置のミキシング処理を制御し、且つ、前記カスケード制御手段により連結された該主ミキシング装置と該第2のミキシング装置の混合バスの最終的な出力信号を前記主出力から出力させる制御を行うものであることを特徴とする請求項1に記載のミキシングシステム。
  3. 前記主操作部におけるミキシング操作に応じた制御対象としてローカル制御とリモート制御の何れかを指定する制御対象指定手段を更に備え、
    前記ローカル制御が指定されている場合には、前記主操作部の操作に応じて前記主ミキシング装置のミキシング処理が行われ、また、前記リモート制御が指定されている場合には、前記主操作部の操作に応じて前記第1のミキシング装置のミキシング処理又は前記第2のミキシング装置のミキシング処理のいずれか一方が前記モード選択手段の選択に応じて行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のミキシングシステム。
  4. 前記主出力は、前記主ミキシング装置、前記第1のミキシング装置又は前記第2のミキシング装置のいずれか1つに備わるオーディオ信号出力チャンネルを含んで構成され、
    前記第1の制御手段及び前記第2の制御手段のいずれにおいても、前記主操作部の操作に応じて前記主出力を構成するオーディオ信号出力チャンネルに入力されたオーディオ信号の特性を制御しうることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のミキシングシステム。
  5. 前記主ミキシング装置に備わる主モニタ出力部に接続される主モニタバスと、
    前記第1又は第2のミキシング装置に備わる副モニタ出力部に接続される副モニタバスと、
    前記主操作部及び前記副操作部においてCUE指示を行うCUE指示手段と、
    前記主操作部におけるCUE指示に応じて、前記第1の制御モードにおいては第1ミキシング装置のオーディオ信号を前記主モニタバスから前記主モニタ出力部へ出力し、前記第2の制御モードにおいては第2ミキシング装置のオーディオ信号を該主モニタバスから該主モニタ出力部へ出力する主CUE制御手段と、
    前記副操作部におけるCUE指示に応じて、前記第1の制御モードにおいては第2ミキシング装置のオーディオ信号を前記副モニタバスから前記副モニタ出力部へ出力し、前記第2の制御モードにおいては第1ミキシング装置のオーディオ信号を該副モニタバスから該副モニタ出力部へ出力する副CUE制御手段と
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のミキシングシステム。
  6. 前記第1及び第2のミキシング装置は、ミキシング操作を行うための操作部を持たずに外部から与えられた制御信号に応じてミキシング処理を実行するミキサエンジンにより構成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のミキシングシステム。
  7. 前記副操作部は前記第1及び第2のミキシング装置を制御するためのアプリケーションプログラムを実装したパーソナルコンピュータで構成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のミキシングシステム。
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