JP5310506B2 - オーディオミキサ - Google Patents

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Description

本発明は、オーディオミキサに関し、詳しくは、入力元の種類に応じた入力チャンネルの設定を制御する技術に関する。
《5.1チャンネルサラウンド》
5.1チャンネルサラウンド(以下、「チャンネル」を「ch」とも表記する)は、6chのサラウンド環境に対応する音特性(音像定位等)が設定された6chのオーディオ信号(サラウンド信号)を、各chに対応する6個のスピーカを用いてオーディオ信号を再生することで、臨場感のあるサラウンド環境を実現するオーディオ信号の出力システムの構成である。サラウンド信号は、当該信号の聴取者の左前方用(L)、同右前方用(R)、同正面用(C)、同左後方用(Ls)、同右後方用(Rs)、及び低音出力サブウーファー用(LFE(Low Frequency Effects))という出力先の種類に応じた6種類のオーディオ信号を供給する。
すなわち、5.1chサラウンドでは、6個の入力元は1組にまとめて扱うもので、所定のサラウンド環境を再現するために、音量レベルや音像定位等の音特性のパラメータに関して、6個の入力元間で相互の関連性が予め決められている。
従来のオーディオミキサにおいて、例えば、5.1chサラウンド用の6個1組の入力元のオーディオ信号を入力する場合には、6個の入力元にそれぞれ1chずつ入力チャンネルが割り当てられ、6本の入力chの1ch毎にサラウンド用の信号が1つずつ入力される。そして、該各入力chを1つずつミキシングバスに接続し、各入力ch毎にバスに対する信号入力レベルの調整等を行い、それら6本のバスのオーディオ信号を、各バスに対応する6個のスピーカへ出力することにより、該5.1chサラウンド用のオーディオ信号をサラウンド環境で再生したり、5.1chサラウンド構成で録音したりしていた。
すなわち、従来のオーディオミキサでは、5.1chサラウンド等のように、複数の入力元間で相互の関連性が予め決められている複数の入力元を、それぞれ別々の入力chに割り当て、それぞれ独立した、相互に関連性のない入力元として取り扱うことしかできなかった。したがって、オペレータは、各入力chのパラメータの調整を、入力元の関連性を注意しながら各入力ch毎に行う必要があった。
また、サラウンド環境で再生されるべき複数の信号は所定の複数の出力先へ1チャンネルずつ出力されるべきものであるところ、従来のオーディオミキサでは、各入力ch毎のミキシングバスへの接続設定、及び、入力ch毎のバスへの出力レベル調整等の作業もまた、オペレータ自らが、入力元の関連性を注意しながら各入力ch毎に手動で行う必要があった。
従来のオーディオミキサにおいて、5.1chサラウンドなど、サラウンド環境を構成する複数の出力先へオーディオ信号を出力する機能(サラウンドモード)はあった。しかし、この機能は、1つの入力chのオーディオ信号を、所定の複数本のサラウンド用バスに出力することでサラウンド環境を実現する機能だった(下記非特許文献1の141ページ等)。
また、従来のオーディオミキサにおいて、複数の入力チャンネルを1組まとめて扱う機能として、ステレオペア設定という機能があった。これは、2つの入力chをペアに設定し、ステレオペアに設定した2つの入力chのパラメータを連動させる機能だった(下記非特許文献1の53ページ等)。
"PM5D/PM5D-RH V2,DSP5D 取扱説明書"、[online]、ヤマハ株式会社、[平成21年3月13日検索]、インターネット〈URL:http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/pa/japan/mixers/pm5dv2_ja_om_g0.pdf〉
従来のオーディオミキサでは、もともとサラウンド用に作られた複数chのオーディオ信号をまとめて扱う設定を、ミキサの入力chで行うことができなかった。このため、5.1chサラウンド等のように、1組で扱うべき複数の入力元から供給された複数chのオーディオ信号について、入力元の関連性を注意しながら各入力ch毎のパラメータを調整し、且つ、これら1組で扱うべき複数chのオーディオ信号を、所定の関連性を持つ複数chのオーディオ信号として出力する(例えばサラウンド再生する)ためには、煩雑で手間のかかる作業が必要だった。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、複数個の入力元を1つのまとまりとして容易に扱えるようにしたオーディオミキサを提供することを目的とする。
この発明は、入力元から供給されたオーディオ信号が1つずつ入力される(詳しくは、オーディオ信号が1つずつ入力され、当該オーディオ信号に対して各種の信号処理を行う)複数の入力チャンネル(21)と、複数本のバスで構成されるサラウンドバスグループ(22)と、前記複数の入力チャンネルのうち、前記サラウンドバスグループを構成するバスの本数に対応する個数(詳しくは、バスの本数と同じ個数)の入力チャンネルを、サラウンドチャンネルグループに設定し(fig5,6,S2)、当該サラウンドチャンネルグループに属する入力チャンネルの少なくとも1つを、パラメータ非連動チャンネルとする(詳しくは、前記サラウンドチャンネルグループに属する各入力チャンネルを、パラメータ連動チャンネルもしくはパラメータ非連動チャンネルのいずれかとする)(S2)チャンネルグループ設定手段と、前記サラウンドバスグループに属する各バスに対して、前記サラウンドチャンネルグループに属する入力チャンネルを1つずつ接続する(詳しくは、1つずつ排他的に接続する)接続手段(S12,S13)と、前記サラウンドチャンネルグループに属する1つの入力チャンネルに対して、パラメータの値を変更する変更指示を受け付ける指示受付手段(13,14,10,S20)と、前記変更指示を受け付けた入力チャンネルが、パラメータ非連動チャンネルであるかを確認する確認手段(S22,S23)と、前記確認手段においてパラメータ非連動チャンネルでないと確認された場合、前記サラウンドグループ内の入力チャンネルのうち(詳しくは、前記変更指示を受け付けた入力チャンネルが属するサラウンドグループ内の入力チャンネルのうち)、パラメータ非連動チャンネルではない入力チャンネル(詳しくは、パラメータ非連動チャンネルではないすべての入力チャンネル、あるいは、パラメータ連動チャンネルであるすべての入力チャンネル)のパラメータの値を、前記変更指示に基づいて制御し、前記確認手段においてパラメータ非連動チャンネルであると確認された場合、前記変更指示を受け付けた入力チャンネルのみのパラメータの値を、前記変更指示に基づいて制御するパラメータ制御手段(S24-28)とを備えるオーディオミキサである。
チャンネルグループ設定手段により、1組で扱うべき複数の入力元からの信号(例えば、5.1chサラウンド用信号)を割り当てた複数の入力chをサラウンドチャンネルグループに設定し、接続手段によりサラウンドチャンネルグループに属する各入力チャンネルと、サラウンドバスグループに属する各バスを1対1で排他的に接続する。これにより、1組で扱うべき複数chのオーディオ信号(例えば5.1ch構成のサラウンド信号)を、サラウンドバスグループに対応する複数の出力チャンネルから所定の関連性を持つ複数chのオーディオ信号のまとまりとして出力すること(例えばサラウンド再生する)ことができる。
また、サラウンドチャンネルグループに属する各入力チャンネルには、パラメータ連動チャンネル及びパラメータ非連動チャンネルのいずれかのチャンネルタイプが設定される。或る入力チャンネルにおいてパラメータの変更が指示されたとき、その入力チャンネルに設定されたチャンネルタイプ(パラメータ連動又は非連動チャンネル)に応じて、サラウンドチャンネルグループ内でパラメータを連動制御するか、連動制御しないかを自動的に区別することができる。
本発明によれば、1組で扱うべき複数chのオーディオ信号(例えば5.1ch構成のサラウンド信号)を、所定の関連性を持つ複数chのオーディオ信号として出力する(例えばサラウンド再生する)ように設定することが、チャンネルグループ設定という極めて簡単な操作を行うだけで、可能となる。また、サラウンドチャンネルグループ内でパラメータを連動制御するか、連動制御しないかが自動的に区別されるので、1組で扱うべき複数chのオーディオ信号(例えば5.1ch構成のサラウンド信号)を取り扱う入力chのパラメータの調整において、入力元の相互の関連性についてオペレータが過度の注意を払うことなしに、入力元の相互の関連性を保ちながらパラメータの調整をできる。すなわち、複数個の入力元を1つのまとまりとして容易に扱えるようになるという優れた効果を奏する。
本発明に係るオーディオミキサの一実施形態であるミキシングシステムの構成例を示すブロック図。 図1のミキシングシステムの信号処理構成を説明するブロック図。 入力チャンネルブロックのブロックタイプにノーマルブロックが設定されたときに、各入力チャンネルに設定されるチャンネルタイプの組み合わせを説明する図。 入力チャンネルブロックのブロックタイプにステレオブロックが設定されたときに、各入力チャンネルに設定されるチャンネルタイプの組み合わせを説明する図。 入力チャンネルブロックのブロックタイプにサラウンドブロックが設定されたときに、各入力チャンネルに設定されるチャンネルタイプの組み合わせを説明する図であって、(a)は第1サラウンドブロックが設定された場合、(b)は第2サラウンドブロックが設定された場合。 コンソールの表示部に表示されるブロックタイプ設定画面の一例を示す図。 ブロックタイプ設定処理を示すフローチャート。 ノーマルチャンネルが設定された場合の入力チャンネルと各種バスの接続態様を説明する図。 ステレオチャンネルが設定された場合のステレオチャンネルグループに属する入力チャンネルと各種バスの接続態様を説明する図。 サラウンドチャンネルが設定された場合のサラウンドチャンネルグループに属する各入力チャンネルと各種バスの接続態様を説明する図。 サラウンドチャンネルグループに属する1つの入力チャンネルのパラメータ変更指示があったときに行われる処理を示すフローチャート。 第2の実施形態に係る説明図であって、コンソールの操作パネルにおける「セレクテッドチャンネル部」を示す概念図。 (a)〜(d)は、図12の操作パネルにおけるセンドレベル表示領域の構成を説明する概念図であって、(a)は「基本タイプ」、(b)は「ノーマルch」、(c)は「ステレオch」、(d)は「サラウンドch」。 基本タイプにおける入力chとバスの接続態様を説明するブロック図。 センドレベル表示領域の表示切替処理を示すフローチャート。 ノーマルチャンネルが設定された場合の入力チャンネルと各種バスの接続態様を説明する図。 ステレオチャンネルが設定された場合のステレオチャンネルグループに属する入力チャンネルと各種バスの接続態様を説明する図。 サラウンドチャンネルが設定された場合のサラウンドチャンネルグループに属する各入力チャンネルと各種バスの接続態様を説明する図。 セレクテッドチャンネル部の物理ノブ操作子を用いたパラメータ調整処理を示すフローチャート。 (a),(b)は、ステレオチャンネルが設定された場合のステレオチャンネルグループに属する入力チャンネルとステレオバスグループの接続態様の別の例を説明する図。 (a),(b)は、サラウンドチャンネルが設定された場合のサラウンドチャンネルグループに属する各入力チャンネルとステレオバスグループの接続態様の別の例を説明する図。
《第1の実施形態》
以下に、本発明に係るオーディオミキサを適用したミキシングシステムについて、添付図面を参照して、説明する。
《ミキシングシステムの概要》
図1は、本発明に係るオーディオミキサを適用したミキシングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図1のミキシングシステムは、オペレータの操作に基づきシステム全体を制御するミキシングコンソール1、複数チャンネルのオーディオ信号を入出力可能な入出力装置(I/O装置(波形I/O))2、及びオーディオ信号に対するミキシング処理を行うミキシングエンジン(信号処理部(DSP))3により構成されている。少なくともコンソール1と、I/O装置2及びミキシングエンジン3の間がリモート制御用の制御データを通信可能に接続され、また、少なくともI/O装置2とミキシングエンジン3の間がデジタルオーディオ信号の通信可能に接続される。コンソール1、I/O装置2、及びエンジン3の全ての装置が互いに制御データ及びデジタルオーディオ信号を通信可能に接続されていてもよい。
コンソール1、I/O装置2及びエンジン(DSP)3からなるミキシングシステムは、ミキシング処理等のオーディオ信号に対する信号処理を、デジタル信号処理によって実現するデジタルミキシングシステムである。コンソール1、I/O装置2及び信号処理部(DSP)3がそれぞれ独立した装置からなるミキシングシステムの構成を採用することで、極めて大規模な(チャンネル数の多い)システムを構築することができる。
ミキシングコンソール1は、複数のチャンネルに対応する複数本のチャンネルストリップが設けられており、チャンネルストリップ毎にオペレータによるパラメータの変更指示を受け付けることが可能な音響調整卓である。コンソール1は、CPU10、フラッシュメモリ11及びRAM12からなる制御部と、操作子13と、音量レベル調整用操作子(電動フェーダ)14と、表示部15と、その他インターフェース(その他I/O)16とを含み、各部がデータ及び通信バス17を介して接続される。
CPU10は、フラッシュメモリ11又はRAM12に記憶された制御プログラムを実行して、コンソール1の全体動作を制御する。また、フラッシュメモリ11には、当該ミキシングシステムの現在の構成及び動作状態を記憶したカレントメモリが設けられている。該カレントメモリの記憶内容に基づき、コンソール1からミキシングシステム内の他の装置(エンジン3及びI/O装置2)を制御することができる。
操作子13及び音量レベル調整用操作子14は、コンソール1の操作パネルに設けられた操作子であり、複数のチャンネルストリップに設けられた各種パラメータ調整用の操作子を含む。音量レベル調整用操作子14は、各チャンネルストリップに設けられた操作子の1つで、そのチャンネルの信号の音量レベルを調整する操作子である。この実施例では、音量レベル調整用操作子14は、CPU10から与えられる駆動信号に基づきツマミ部の操作位置が電動制御される、いわゆる「電動フェーダ」により構成される。操作子13及び音量レベル調整用操作子14の操作に応じた検出信号はバス17を介してCPU10に供給される。CPU10は、該供給された検出信号に基づく各種データを発生する。
表示部15は、例えば液晶ディスプレイ等の表示器であって、CPU10からバス17を介して与えられた表示制御信号に基づき各種情報を表示する。オペレータは、ミキシングシステムの各種機能の設定等を、表示部15に表示された画面から行うことができる。また、コンソール1は、その他I/O16を介して、例えばパーソナルコンピュータ等の周辺機器を接続することができる。なお、コンソール1にも、オーディオI/OやDSPが具備されるが、それらの図示及び説明は省略した。
I/O装置2は、アナログオーディオ信号入力端子、アナログオーディオ出力端子及びデジタルオーディオ端子をそれぞれ複数有し、各入力端子から入力されたアナログオーディオ信号をデジタル信号に変換して、エンジン3に供給するアナログ入力部の機能と、エンジン3から供給された複数チャンネルのデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換して各出力端子へ出力するアナログ出力部の機能と、デジタルオーディオ端子を介してデジタルオーディオ信号を入出力するデジタル入出力部の機能を有する。I/O装置2が有する複数の入力端子及びデジタルオーディオ端子のそれぞれに接続された入力元からのオーディオ信号は、該I/O装置2を介してエンジン3に供給される。また、エンジン3から出力された複数のオーディオ信号は、I/O装置2を介して、該I/O装置2が有する複数の出力端子及びデジタルオーディオ端子のそれぞれに接続された出力先に供給される。
前記入力元は、オーディオ信号をミキシングシステムに供給する何らかの機器であって、例えばマイクやオーディオ信号の再生機器等である。入力元には、1chのオーディオ信号を供給するための1個の独立した入力元、2chで構成されたステレオ信号を供給するための2個で1組となる入力元、或いは、所定の複数chで構成されたサラウンド信号(例えば、6chのオーディオ信号からなる5.1chサラウンド)を供給するための該所定の複数個で1組となる入力元がある。
また、前記出力先は、本ミキシングシステムから出力されたオーディオ信号を供給する何らかの機器であって、アンプやスピーカからなるサウンドシステムや、オーディオレコーダー等である。ステレオ信号をステレオ出力する場合、或いはサラウンド信号をサラウンド出力する場合には、1組となるオーディオ信号のチャンネル数に応じた複数個の出力先へオーディオ信号を供給する。
ミキシングエンジン(DSP)3は、コンソール1から与えられた制御データに基づき、マイクロプログラムを実行して、I/O装置2から供給された複数のデタジルオーディオ信号に対して、ミキシング処理、エフェクト付与処理等の信号処理を行い、該信号処理したデジタルオーディオ信号をI/O装置2へ出力する。DSP3が実行する信号処理の構成の詳細は、図2を参照して後述する。
なお、I/O装置2及びエンジン3はそれぞれCPU及びメモリを含む制御部や簡単なユーザインタフェース等の構成要素を有するが、それら構成要素の図示は省略した。
《ミキシング処理の構成》
図2は、ミキシングシステムにおけるミキシング処理の構成を説明するブロック図である。図2において、各部の動作は、ミキシングエンジン(DSP)3が実行するマイクロプログラムの処理により実現される。
入力パッチ部20は、I/O装置2が有する複数の物理的入力端子を、後段に設けられた入力チャンネル21に接続する設定(入力元と入力chのパッチ設定)を行う。これにより、I/O装置2の1つの入力端子から入力されたオーディオ信号(1つの入力元からの1つのオーディオ信号)が、入力チャンネル21の1chに対して割り当てられる。なお、1つの入力元のオーディオ信号を複数の入力チャンネルに割り当てることは可能だが、複数の入力元のオーディオ信号を1つの入力チャンネルに割り当てることはできない。
なお、本明細書に用いる用語「パッチ」とは、オーディオ信号の入力元を、オーディオ信号の供給先に割り当てることをいう。「パッチ」を設定することにより、入力元とそのオーディオ信号の供給先が接続される。
入力チャンネル21は、DSP3の信号処理により実現される論理的な信号処理チャンネルであって、所定の複数本(本実施例では128ch)設けられている。128本の入力ch21は、それぞれ固有のチャンネル番号(「1ch」〜「128ch」)を有する。各入力ch21には、入力パッチ部20により割り当てられた1つの入力元(入力端子)から入力されたオーディオ信号が入力される。各入力ch21では、コンソール1において各チャンネル毎に設定された各種パラメータの値に基づき、該入力されたオーディオ信号に対する信号処理が行われる。
入力ch21には、ヘッドアンプゲイン、アッテネータ、ディレイ、フェーズ切り替え、EQ(イコライザ)、コンプレッサ、音量レベル、チャンネルオン・オフ、及びパン等のパラメータが含まれる。これらパラメータのうち、ヘッドアンプゲイン、アッテネータ、ディレイ、フェーズ切り替えは、各入力chに入力されるオーディオ信号の音特性の調整等を目的としたパラメータといえる。これに対して、EQ(イコライザ)、コンプレッサ、音量レベル、チャンネルオン・オフ、及びパンは、各入力chから出力するオーディオ信号の音特性の調整等を目的としたパラメータといえる。なお、入力chが、前記の目的で各種パラメータを有すること自体は、従来の技術と同様である。また、先に挙げた入力ch21に具備されたパラメータの具体例は一例に過ぎず、これに限定されない。
本実施例において、複数の入力ch21のそれぞれに対して、その入力ch21に割り当てられた入力元に応じた「チャンネルタイプ」が設定される。チャンネルタイプには、1つの入力元のオーディオ信号を、1つの入力chを使って、単独の信号として取り扱う「ノーマルチャンネル」と、2つ1組の入力元のステレオ信号を、2つの入力chを使って、2つをひとまとまりの信号として相互に関連付けて取り扱う「ステレオチャンネル」と、6つ1組の入力元の5.1チャンネルのサラウンド信号を、6つの入力chを使って、6つをひとまとまりの信号として相互に関連付けて取り扱う「サラウンドch」とがある。
入力ch21の後段には、所定の複数(本実施例では128本)のバス22が設けられている。128本のバス22は、それぞれ固有のバス番号(「バス1」〜「バス128」)を有する。各バス22は、それぞれ、入力されたオーディオ信号を混合して、該混合した信号を、それぞれ対応する出力チャンネル23へ出力する。
128本のバス22のそれぞれには、前記3通りのチャンネルタイプに対応する3種類のバスタイプのいずれかが固定的に設定されている。128本のバス22のうち96本には、バスタイプとして、各バスを1つずつ独立したバスとして使用する「ノーマルバス」が設定される。バス22のうち20本には、バスタイプとして、2本のバスを1つのステレオバスグループとして扱う「ステレオバス」が設定される。すなわち、ステレオバスグループは、2本の「ステレオバス」により構成されるもので、ミキシングシステム全体で10組用意される。バス22のうち12本には、バスタイプとして、6本のバスを1つのサラウンドバスグループとして扱う「サラウンドバス」が設定される。すなわち、サラウンドバスグループは、6本のサラウンドバスにより構成されるもので、ミキシングシステム全体で2組用意される。なお、本実施例に示す各バスタイプに配分するバスの本数は一例であって、これに限定されない。また、実施例では説明をわかりやすくするために、各バスのバスタイプが固定的に設定されるものとしたが、これに限らず、ユーザが各バスのバスタイプを任意に設定できてもよい。
出力チャンネル23は、DSP3の信号処理により実現される論理的な信号処理チャンネルであって、前記128本のバス22のそれぞれに対応して、128本設けられている。各出力チャンネル23は、それぞれ固有のチャンネル番号(「1ch」〜「128ch」)を有する。各出力チャンネル23は、それぞれ、コンソール1において各チャンネル毎に設定された各種パラメータの値に基づき、対応するバス22から出力されたオーディオ信号に対する信号処理を行う。
出力パッチ部24は、出力ch23を、I/O装置2が有する複数の物理的出力端子に接続する設定を行う(出力chと出力端子のパッチ設定を行う)。これにより、I/O装置2の1つの出力端子に対して、出力ch23の1chから出力されたオーディオ信号が割り当てられる。言い換えれば、1つの出力ch23から出力されたオーディオ信号は、1つの出力端子を介して1つの出力先の機器(例えばスピーカ)へ供給される。なお、出力ch23の1chを、複数の出力端子に割り当てることは可能であるが、複数の出力ch23のオーディオ信号を1つの出力端子に割り当てることはできない。
《チャンネルタイプの設定》
オペレータは、128本の全ての論理的入力chに対して、「ノーマルチャンネル」、「ステレオチャンネル」又は「サラウンドチャンネル」のいずれかの「チャンネルタイプ」を設定することができる。本実施例では、各入力chに対するチャンネルタイプの設定は、所定数の入力chを1グループとする入力chブロック単位でまとめて行う。すなわち、ユーザが、入力chブロックごとにブロックタイプを設定すると、CPU10の処理により、該設定されたブロックタイプに基づいて、入力chブロック内の各チャンネルに対するチャンネルタイプが自動的に設定される。
ブロックタイプは、チャンネルタイプの組み合わせを規定するパラメータである。チャンネルタイプの組み合わせとは、1個の入力chブロックに含まれる複数の入力chの、それぞれに割り当てるチャンネルタイプを規定するもの(1個の入力chブロックに含まれる複数の入力chのグループ構成を規定するもの)である。
本実施例では、1つの入力chブロックは8つの入力chで構成されるものとする。本実施例では、128本の入力chを具備するミキシングシステムを想定しているので、128本の入力chを16個の入力chブロックに分けることができる。入力chのチャンネル番号の先頭から順に8つの入力チャンネルずつを1組の入力chブロックとして扱う。例えば、1番〜8番が1つの入力chブロックであり、9番〜16番が別の1つの入力chブロックである。この構成では、オペレータは、16個の入力chブロックに対してブロックタイプを設定するだけでよいので、128本の入力chの1つずつに個別に設定を行うよりも格段に負担が少ない。
1つの入力chブロックを構成する入力chの数は、少なくとも「サラウンドチャンネル」のチャンネル数と同数以上に設定される。通常、「サラウンドチャンネル」の個数と「サラウンドバスグループ」の本数は同数に設定されるので、「1つの入力chブロックを構成する入力chの数は、少なくとも「サラウンドバスグループ」を構成するバスの本数以上とする」とも定義できる。また、1つの入力chブロックを構成する入力chの数は、コンソール1の操作パネルに設けられたチャンネルストリップ(物理的操作子)の本数に対応する数に設定されることが望ましい。一般に、デジタルオーディオミキサのコンソールの操作パネルには、DSPが具備する全ての論理的チャンネル数よりも少ない所定数の物理的チャンネルストリップが設けられており、該所定数の物理的チャンネルストリップに対して、複数の論理的チャンネルを予め決められた組み合わせで呼び出すようになっている。したがって、1つの入力chブロックを構成する入力chの数を、チャンネルストリップの本数に対応する数に設定すれば、1つの入力chブロックを構成する入力chをまとめて操作パネルの所定数のチャンネルストリップに呼び出すことが可能となり、オペレータにとってチャンネルストリップと入力chブロックの関係を理解しやすい。更に、本実施例のように、1つの入力chブロックを構成する入力chの数を8本とすることは、8チャンネルからなる7.1チャンネルのサラウンドチャンネルの構成にも対応できるので好ましい。
図3〜図5は、入力chブロックにブロックタイプが設定されたときに、該ブロックに属する各入力チャンネルに設定されるチャンネルタイプの組み合わせを説明する図である。
《ノーマルブロック》
図3は、ブロックタイプとしてノーマルブロックが設定されたときに、入力chブロック内の各入力チャンネルに設定されるチャンネルタイプの組み合わせを説明する図である。図3において縦線は1つの入力chを示す(この点は後述する図4及び図5においても同様である)。入力chブロックのブロックタイプにノーマルブロックが設定された場合、当該入力chブロックを構成する各入力ch(例えば、チャンネル番号1ch〜8ch)には、それぞれチャンネルタイプとして「ノーマルチャンネル」が設定される。「ノーマルチャンネル」が設定された各入力chは、それぞれ独立して制御される(相互にパラメータ非連動で制御される)。すなわち、オペレータがコンソール1において1つのチャンネルストリップのパラメータを変更すると、DSP3において、該変更指示に応じて、そのチャンネルストリップに割り当てられた1つの入力chのパラメータのみが制御される。
《ステレオブロック》
図4は、ブロックタイプとしてステレオチャンネルが設定されたされたときに、入力chブロック内の各入力チャンネルに設定されるチャンネルタイプの組み合わせを説明する図である。入力chブロックのブロックタイプとしてステレオブロックが設定された場合、当該入力chブロックを構成する8本の入力chのそれぞれには、チャンネルタイプとして「ステレオチャンネル」が設定される。ステレオチャンネルに設定された入力chブロック内の各入力chは、必ず、1組のステレオバスグループを構成するバスの本数(本実施例では2本)に対応する数(本実施例では2個)の入力chを1組とするステレオチャンネルグループを形成する。本実施例では、入力chブロックを構成する8本の入力chは、チャンネル番号の順に先頭から2個ずつを1組のペアとする4個のステレオチャンネルグループを形成する。例えば、チャンネル番号1ch〜8chの入力chブロックであれば、1chと2ch、3chと4ch、5chと6ch、及び7chと8chがそれぞれステレオチャンネルグループになる。
さらに、1つのステレオチャンネルグループに設定された2つの入力chのいずれか一方(例えば奇数番号の入力ch)は、2チャンネルステレオ信号を供給する2個の入力元のうちのLチャンネルを取り扱うチャンネルとして設定され、他方(偶数番号の入力ch)は前記2個の入力元のRチャンネルを取り扱うチャンネルとして設定される。図において、各入力chを示す線に付記された「L」又は「R」は、前述したように設定された各入力chで取り扱うステレオ信号の入力元の区別、つまり、Lチャンネル/Rチャンネルの区別を示す。
1つのステレオchグループを構成する2つの入力ch(チャンネルタイプとして「ステレオチャンネル」が設定された入力ch)は、双方ともにパラメータ連動チャンネルとなり、当該2つの入力chのパラメータの一部が相互に関連付けて制御される。すなわち、オペレータがコンソール1において、ステレオchグループに設定された入力chが割り当てられた1つのチャンネルストリップのパラメータを変更すると、該変更指示に応じて、そのチャンネルストリップに割り当てられた入力chのパラメータの一部と、該入力chとステレオchグループに組まれた入力chのパラメータの一部が、連動して制御される。これにより、ステレオ化された2つの入力元から供給された各オーディオ信号に予め与えられていたステレオ関係を保持したまま、各信号が割り当てられた2つの入力chのパラメータを制御できる。なお、各ステレオchグループは、グループ毎に独立して制御される。
前述の通り、入力chには、ヘッドアンプゲイン、アッテネータ、ディレイ、フェーズ切り替え、EQ、コンプレッサ、音量レベル、チャンネルオン・オフ、及びパン等のパラメータが含まれる。このうちで前記連動して制御される一部のパラメータは、EQ(イコライザ)、コンプレッサ、音量レベル、及びチャンネルオン・オフである。また、ステレオchグループの2つの入力chの音量レベルの左右バランスを設定するバランスパラメータも、連動して制御されるパラメータの1つである。これら複数の入力chで連動して制御されるパラメータとは、その入力chからバスに出力する信号の音特性を調整することを目的としたパラメータである。一方、ヘッドアンプゲイン(及びヘッドアンプに関するその他のパラメータ)、アッテネータ、ディレイ、フェーズ切り替えは、連動しない。これら複数の入力chで連動して制御しないパラメータとは、入力元から入力chに対して入力される信号の音特性を調整することを目的としたパラメータである。
《サラウンドブロック》
図5(a),(b)は、ブロックタイプとしてサラウンドブロックが設定されたされたときに、入力chブロック内の各入力チャンネルに設定されるチャンネルタイプの組み合わせを説明する図である。本実施例においては、サラウンドブロックとして、(a)に示す第1のサラウンドブロック、あるいは、(b)に示す第2のサラウンドブロックのいずれかを、オペレータは選択できる。
(a)に示す第1のサラウンドブロックが選ばれた場合、当該入力chブロックを構成する8本の入力chのうち、チャンネル番号の順に先頭から6個の入力chがサラウンドチャンネルに設定され、該6個の入力chで1組のサラウンドチャンネルグループを形成する。そして、残りの2個の入力chはそれぞれノーマルチャンネルに設定される。
(b)に示す第2のサラウンドブロックが選ばれた場合、当該入力chブロックを構成する8本の入力chのうち、チャンネル番号の順に先頭から6個の入力chがサラウンドチャンネルに設定され、該6個の入力chで1組のサラウンドチャンネルグループを形成する。そして、残りの2個の入力chがステレオチャンネルに設定され、該2個の入力chで1組のステレオチャンネルグループとなる。
サラウンドチャンネルに設定された入力chは、後述のブロックタイプ設定処理において、必ず、1組のサラウンドバスグループを構成するバスの本数(本実施例では6本)に対応する数の入力ch(本実施例では6個)をひとまとまりとする1つの「サラウンドチャンネルグループ(サラウンドchグループ)」を形成する。(a)に示す第1のサラウンドブロック及び(b)に示す第2のサラウンドブロックの違いは、1つの入力chブロック内のサラウンドchグループ以外の2つの入力chを、ノーマルchに設定するか、又は、ステレオchに設定するかの違いである。
さらに、1つのサラウンドchグループに設定された6本の入力chのそれぞれに、各入力chで取り扱うサラウンド信号として、5.1chサランドシステムを構成する左前方用(L)、右前方用(R)、正面用(C)、左後方用(Ls)、右後方用(Rs)、及び低音出力サブウーファー用(LFE(Low Frequency Effects))の6個の入力元の信号が設定される。本実施例では、当該サラウンドchグループに属する6本の入力chのうちチャンネル番号の若いものから順に、Lチャンネル、Rチャンネル、Cチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル、及びLFEチャンネルが設定される。図において、各入力chを示す線に付記された「L」、「R」、「C」、「Ls」、「Rs」、及び「LFE」は、前記各入力chで取り扱うサラウンド信号の入力元の区別、つまり、Lチャンネル/Rチャンネル/Cチャンネル/Lsチャンネル/Rsチャンネル/LFEチャンネルの区別を示す。
1つのサラウンドchグループに設定された6本の入力chのうち、「L」、「R」、「C」、「Ls」及び「Rs」の各信号を取り扱う入力chは、オペレータの変更指示に応じてお互いのパラメータの一部を連動して変更する「パラメータ連動チャンネル」となる。1つのサラウンドchグループに設定された6本の入力chのうち、「LFE」の信号を取り扱う入力chは、同じグループの他の入力chとパラメータを連動させない「パラメータ非連動チャンネル」となる。
なお、「L」、「R」、「C」、「Ls」及び「Rs」の各パラメータ連動チャンネルにおいて、連動して制御されるパラメータの種類は、前記ステレオchの場合と同様に、その入力chからバスに出力する信号の音特性を調整することを目的としたパラメータ、すなわちEQ(イコライザ)、コンプレッサ、音量レベル、及びチャンネルオン・オフ等である。また、各パラメータ連動チャンネルにおいて、連動して制御されないパラメータもステレオchの場合と同様で、入力元から入力chに対して入力される信号の音特性を調整することを目的としたパラメータ、すなわちヘッドアンプゲイン(及びヘッドアンプに関するその他のパラメータ)、アッテネータ、ディレイ、フェーズ切り替え等である。
チャンネルタイプとしてサラウンドchが入力chに設定された場合、サラウンドchグループを構成する6つの入力chが、相互に関連付けて制御される。すなわち、詳しくは後述する通り、オペレータがパラメータの変更指示を行った入力chが前記「パラメータ連動チャンネル」の場合には、その入力chが属するサラウンドchグループ内の全てのパラメータ連動チャンネル(「L」、「R」、「C」、「Ls」及び「Rs」)の前記パラメータの値が、オペレータによる変更指示に基づいて制御され、一方、変更指示を行った入力chがパラメータ非連動チャンネル(「LFE」)の場合には、当該入力ch「LFE」のパラメータの値のみが、オペレータによる変更指示に基づいて制御される。
なお、図5(a)において、サラウンドchグループに属さない各ノーマルチャンネル(右側の2つの入力ch)は、上述図3の説明と同様にそれぞれ独立して制御される。勿論、サラウンドchグループと各ノーマルチャンネルは、それぞれ独立して制御される。また、図5(b)において、サラウンドchグループに属さないステレオch(図において右側の2つの入力ch)は、上述図4の説明と同様に1つのスレテオchグループとして、これら2つの入力chでパラメータが連動して制御される。また、サラウンドchグループとステレオchは、それぞれ独立して制御される。
《ブロックタイプ設定画面》
オペレータは、図3〜5を参照して説明したブロックタイプの設定を、コンソール1の表示部15に表示された画面から行うことができる。図6は、コンソール1の表示部15に表示される入力chのブロックタイプ設定画面の一例である。オペレータが、入力chに関する各種設定機能のうちの1つであるブロックタイプ設定モードを起動すると、表示部15には図6の画面が表示される。
図6において、画面下部には、チャンネルブロック選択部30が設けられている。チャンネルブロック選択部30には複数のブロック選択ボタン31が設けられている。ブロック選択ボタン31は、128本の入力chを8チャンネル単位で区分した16個の入力chブロックにそれぞれ対応して用意されている。ブロック選択部30では、1度に5つだけブロック選択ボタン31を表示し、スクロール表示によって画面上に現れるブロック選択ボタン31を変更できる。オペレータは、ブロック選択ボタン31を操作することで、画面に表示する入力chブロックを選択できる。選択されたブロック選択ボタン31の表示態様が変更され、その選択状態が明示される。図では、選択されたボタン31が網掛け表示の表示態様で明示されている。
画面上部に設けられたブロックタイプ選択部32には、「ノーマルブロック」、「ステレオブロック」、「第1のサラウンドブロック」及び「第2のサラウンドブロック」のそれぞれに対応する4つのブロックタイプ選択ボタン33が設けられている。オペレータは、ブロックタイプ選択ボタン33を操作することにより、前記ブロック選択ボタン31により現在選択されている1つの入力chブロックに対して設定する1つのブロックタイプを、選択できる。選択されたブロックタイプ選択ボタン33は、その表示態様が、非選択状態とは異なる態様(図では、網掛け表示)に変更される。これにより、表示態様の違いによって選択中のブロックタイプ選択ボタン33を明示することができる。
チャンネル表示部34には、前記ブロック選択ボタン31により現在選択されている入力chブロックに属する8つの入力chのそれぞれに対応するチャンネルボタン35が表示される。チャンネルボタン35には、チャンネル番号と入力元の種類を表示する。入力元の種類とは、チャンネルタイプとしてスレテオチャンネルが設定されている入力chについてはL/Rの区別、チャンネルタイプとしてサラウンドチャンネルが設定されている入力chについてはL/R/C/Ls/Rs/LFEの区別のことである。なお、チャンネルタイプとしてノーマルチャンネルが設定されている入力chについては入力元の種類の表示無しとする。また、図に示していないが、チャンネルに割り当てられている入力元の名称等(信号の名称であって、例えば楽器の名称等)、その他情報をチャンネルボタン35に表示してもよい。
ブロック選択ボタン31により「第1のサラウンドブロック」が選択された場合、チャンネル表示部34においてサラウンドchグループに設定された6本の入力chに対応するボタン35の上部に、6つのボタンを結びつける線と、文字列「SURROUND5.1」とを表示して、これら6本の入力chが1つのサラウンドチャンネルグループを構成していることを明示する。残りの2つはノーマルチャンネルとなるので格別の表示は不要である。図6は「第1のサラウンドブロック」が選択された状態を示している。
ブロック選択ボタン31により「第2のサラウンドブロック」が選択された場合、チャンネル表示部34においてサラウンドchグループに設定された6本の入力chに対応するボタン35の上部に、図6に示すものと同様な表示によりサラウンドchグループを明示する。また、残りの2つの入力chはステレオchグループとなるので、それらのボタン35の上部に、2つのボタンを結びつける線と、文字列「STEREO」と表示して、これら2個の入力chが1つのステレオチャンネルグループを構成していることを明示する(図示略)。
また、ブロック選択ボタン31により「ステレオブロック」が選択された場合、ステレオchグループに設定された各入力chのペアに対応する2つのボタン35の上部に、それぞれ、該2つのボタンを結びつける線と、文字列「STEREO」と表示して、ステレオchグループを明示する(図示略)。この場合、4つのステレオchグループについてステレオchグループを明示する表示が行われることになる。
《ブロックタイプの設定》
図7は、ブロックタイプを設定するために、コンソール1のCPU10が実行する処理を示すフローチャートである。この処理は、オペレータがブロックタイプ設定モードを起動して、表示部15には図6の画面が表示されたときに起動する処理である。以下に述べる処理は、1つの入力chブロックを処理対象としている。したがって、オペレータは、本ミキシングシステム(DSP3)に設けられた全ての入力chブロックについて1つずつブロックタイプを設定するために、該全ての入力chブロックそれぞれに対して図7の処理を行う。
ステップS1において、コンソール1のCPU10は、ブロック選択ボタン31により選択された処理対象の入力chブロックに対して設定するブロックタイプを受け付ける。オペレータは、図6に示す画面において、4つのブロックタイプ選択ボタン33のいずれか1つを選択して、当該処理対象の入力chブロックに設定するブロックタイプを指定する。
ステップS2において、コンソール1のCPU10は、前記ステップS1において受け付けたブロックタイプを、処理対象の入力chブロックに設定されたブロックタイプとして、フラッシュメモリ11又はRAM12に記録する。また、コンソール1のCPU10は、当該設定されたブロックタイプによって規定されるチャンネルタイプの組み合わせに基づいて、処理対象の入力chブロックに属している8つの入力chのそれぞれに対してチャンネルタイプを設定し、該設定された各入力chとチャンネルタイプの関係をフラッシュメモリ11又はRAM12に記録する。
さらに、チャンネルタイプとしてステレオチャンネルが設定された各入力chについて、CPU10は、グループ化すべき2つの入力chをひとまとまりとするステレオチャンネルグループを設定する。そして、CPU10は、該設定されたステレオチャンネルグループに属する入力chのそれぞれに入力元の種類(L/Rの区別)を設定し、且つ、該ステレオチャンネルグループに属する各入力chをパラメータ連動チャンネルに設定する。これら設定された関係(各入力chにおける「ステレオチャンネルグループ」設定、「入力元の種類」設定、及び「パラメータ連動チャンネル」設定に関する設定内容)はフラッシュメモリ11又はRAM12に記録される。
また、チャンネルタイプとしてサラウンドチャンネルが設定された各入力chについて、CPU10は、グループ化すべき6つを入力chひとまとまりとするサラウンドチャンネルグループを設定する。そして、CPU10は、当該サラウンドチャンネルグループに属する入力chのそれぞれに入力元の種類(L/R/C/Ls/Rs/LFEの区別)し、且つ、入力元の種類として「L」、「R」、「C」、「Ls」及び「Rs」が設定されたすべての入力chをパラメータ連動チャンネルに設定し、それ以外の入力ch(入力元の種類として「LFE」が設定された入力ch)をパラメータ非連動チャンネルに設定する。これら設定された関係(各入力ch毎の「サラウンドチャンネルグループ」設定、「入力元の種類」設定、及び「パラメータ連動チャンネル」設定に関する内容)はフラッシュメモリ11又はRAM12に記録される。すなわち、ブロックタイプとして「第1のサラウンドブロック」又は「第2のサラウンドブロック」が選択されたとき、ステップS2の処理により、処理対象の入力chブロック内の所定の6本の入力chをサラウンドチャンネルグループに設定し、当該サラウンドチャンネルグループに属する入力chの少なくとも1つを、パラメータ非連動チャンネルとするチャンネルグループ設定が行われる。
そして、コンソール1のCPU10は、ステップS3以下の処理により、前記ステップS2で設定されたチャンネルタイプに応じて、当該入力chブロックに属する全ての入力chと各種バスの接続を設定する。また、コンソール1のCPU10は、該設定した接続を示す制御データをエンジン(DSP)3に送信して、エンジン(DSP)3が有する入力chと各種バスの接続をリモート制御する。DSP3は、該送信された制御データに基づき、各入力chと各種バス22の接続を設定する。なお、ここでいう入力chと各種バスとの接続を設定するとは、入力chから信号出力できるバスと同信号出力できないバスを設定することである。信号出力できるように設定することを「接続する」と呼び(例えば、当該入力chから当該バスへ信号を送るための線をDSPの内部的に設けること)、信号出力できないように設定することを「接続しない」と呼ぶ(例えば、当該入力chから当該バスへ信号を送るための線をDSPの内部的に設けないこと)。この設定は入力chからバスへの信号出力を行うか否かを設定するための、いわゆる、入力chの各種バスに対するセンドレベルのパラメータや、チャンネルオン・オフのパラメータを使った設定とは異なる。当該設定によって「接続する」と設定されたバスに対しては、センドレベルのパラメータやチャンネルオン・オフのパラメータを使って、当該入力chから当該バスへ信号出力するか、又は、同出力しないかを設定できる。逆に、「接続しない」と設定されたバスに対しては、センドレベルのパラメータやチャンネルオン・オフのパラメータの設定に関係なく、当該入力chから当該バスへ信号出力することはできないようになる。
《ノーマルブロックの場合》
前記ステップS2でノーマルブロックが設定された場合(ステップS3のYES)、コンソール1のCPU10は、当該入力チャンネルブロック内の全ての入力ch(8つの入力ch)とノーマルバスの接続及び該全ての入力chとステレオバスの接続を、図8に示すノーマルチャンネル用の態様で設定する(ステップS4)。また、CPU10は、当該入力チャンネルブロック内の全ての入力chとサラウンドバスの接続を、図8に示すノーマルチャンネル用の態様(サラウンドパン機能を介して接続する態様)で設定する(ステップS5)。
図8は、ノーマルchが設定された1つの入力ch(「X」)と、各種バスの接続態様(ノーマルチャンネル用の態様)を説明するブロック図である。本実施例では、図では1本のノーマルバスのみを図示し、他を省略した。また、ステレオバスについては、図では1組のステレオバスグループ(2本のステレオバス)のみを図示し、他を省略した。また、サラウンドバスについては、図では1組のサラウンドバスグループ(6本のサラウンドバス)のみを図示し、他を省略した。
図8に示す通り、ノーマルバスについては、1つの入力ch「X」が1つのノーマルバスに接続される。図では、1つの入力ch「X」が1つのノーマルバスに接続される様子のみを描いているが、1つの入力ch「X」は、96本の全てのノーマルバスに接続される。また、ステレオバスについては、1つの入力ch「X」が、ステレオパン設定部40(「Pan」)を介して、1組のステレオバスグループを構成する2本のステレオバス(L及びR)に接続される。具体的には、ステレオパン設定部40は、Lch及びRchに対応する2本の出力ラインを有しており、ステレオパン設定部40の各出力ラインがそれぞれ対応するステレオバスに接続される。1つの入力ch「X」の信号は、ステレオパン設定部40を介して該2本の出力ラインに分配され、該2本の出力ラインを介してステレオバス(L及びR)に供給される。ステレオパン設定部40のパラメータ(パン)の値に応じて、入力chから2本のステレオバスに送られる信号のパンが調節される。
サラウンドバスについては、1つの入力ch「X」をサラウンドパン設定部41(「Surround Pan」)を介して、1組のサラウンドバスグループを構成する6本のサラウンドバス(L,R,C,Ls,Rs及びLFE)のそれぞれに接続する。具体的には、サラウンドパン設定部41はL,R,C,Ls,Rs及びLFEに対応する6本の出力ラインを有しており、サラウンドパン設定部41の各出力ラインが、それぞれ対応する1つのサラウンドバス(L,R,C,Ls,Rs及びLFE)に接続される。1つの入力ch「X」の信号は、サラウンドパン設定部41を介して該6本の出力ラインに分配され、該6本の出力ラインを介して6本のサラウンドバス(L,R,C,Ls,Rs及びLFE)に供給される。サラウンドパン設定部41のパラメータ(サラウンドパン)の値に応じて、入力chから6本のサラウンドバスに送られる信号のパンが調節される。
《ステレオブロックの場合》
前記ステップS2でステレオブロックが設定された場合(ステップS3のNO、ステップS6のYES)、ステップS7において、コンソール1のCPU10は、当該入力chブロック内の全ての入力ch(8つの入力ch)とノーマルバスの接続及び該全ての入力chとステレオバスの接続を、図9に示すステレオchグループ用の態様で設定する。また、ステップS8において、CPU10は、当該入力チャンネルブロック内の全ての入力chとサラウンドバスの接続を、図9に示すステレオchグループ用の態様(サラウンドパン機能を介して接続する態様)で設定する。
図9は、入力chにステレオchが設定された場合の、1つのステレオchグループに属する2つの入力ch(L及びR)と各種バスの接続態様(ステレオchグループ用の態様)を説明する図である。バスの構成は図8と同様である。
図9に示す通り、ノーマルバスについては、ステレオchグループに組まれた2つの入力ch「L」及び「R」の両方が共に同じノーマルバスに接続される。したがって、ノーマルバスで該2つの入力ch「L」及び「R」の信号が混合される。また、ステレオバスグループについては、ステレオchグループに組まれた2つの入力ch「L」及び「R」が、ステレオバスグループを構成する2つのステレオバス「L」及び「R」のうちの、それぞれ対応する1つのバスに排他的に接続される。すなわち、入力元の種類として「L」が設定されている入力chは、バス「L」に接続され、バス「R」には接続しない(スレテオバス「L」にのみ接続する)。また、入力元の種類として「R」が設定されている入力chは、バス「R」に接続され、バス「L」には接続しない(スレテオバス「R」にのみ接続する)。また、サラウンドバスについては、2つの入力ch「L」及び「R」のそれぞれが、ノーマルchの場合と同様な接続態様で、1組のサラウンドバスグループを構成する6本のサラウンドバスに接続される。つまり、1つの入力chが、サラウンドパン設定部41を介して6本のサラウンドバスのそれぞれに接続される。
《バランスパラメータ》
なお、図9に示す通り、入力chにステレオchが設定された場合、ステレオバスグループの前段には、ステレオchグループ化された2つの入力ch「L」及び「R」に対して1つのバランス設定部42が挿入される。バランス設定部42は、ステレオchグループ化された2つの入力ch「L」及び「R」の音量レベルのバランスを調節するモジュールである。バランス設定部42のパラメータ(バランス)の値に応じて入力ch「L」及び「R」の音量レベルを調節することで、2つの信号をステレオ再生したときの音像定位(パン)を変更する。ステレオchグループに組まれた2つの入力ch「L」及び「R」に入力される信号は、2つの信号の間でステレオ定位が付くよう予め調整されたステレオ信号(2つの入力元間で相互の関連性が予め決められたステレオ信号)であるため、バランス設定部42により、2つの入力チャンネルの音量レベルのバランスを調節して、前記予め設定されたステレオ定位を調整する。なお、バランス設定部42のパラメータの値は、2つの入力チャンネルの音量レベルのバランス(両者の相対的な割合)を示す値となる。
《第1のサラウンドブロックの場合》
前記ステップS2で第1のサラウンドブロック(サラウンドブロック1)が選択された場合(ステップS3のNO、ステップS6のNO、ステップS9のYES)、図5(a)に示すように、当該入力chブロック内の入力チャンネルのうちでサラウンドchグループに属していない2つの入力chはノーマルチャンネルに設定されている。したがって、ステップS10において、コンソール1のCPU10は、前記サラウンドchグループに属していない2つの入力chとノーマルバスの接続及び、該2つの入力chとステレオバスの接続を、それぞれ、前記ステップS4と同様の処理により、ノーマルチャンネル用の態様で設定する。また、ステップS11において、CPU10は、前記サラウンドchグループに属していない2つの入力chとサラウンドバスの接続を、前記ステップS5と同様の処理により、ノーマルチャンネル用の態様(サラウンドパン機能を介して接続する態様)で設定する。
ステップS12において、コンソール1のCPU10は、当該入力chブロック内のサラウンドchグループに属する6つの入力chとノーマルバスの接続及び、同6つの入力chとステレオバスグループの接続を、それぞれ、図10に示すサラウンドchグループ用の態様で設定する。また、ステップS13において、コンソール1のCPU10は、当該入力chブロック内のサラウンドchグループに属する6つの入力chとサラウンドバスの接続を、図10に示すサラウンドchグループ用の態様で設定する。
図10は、入力chにサラウンドchが設定された場合の、1つサラウンドchグループに属する6つの入力ch(「L」、「R」、「C」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」)と、各種バスの接続態様(サラウンドchグループ用の態様)を説明するブロック図である。バスの構成は図8と同様である。
図10に示す通り、ノーマルバスについては、サラウンドchグループに組まれた6つの入力ch「L」、「R」、「C」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」のすべてが同じノーマルバスに接続される。したがって、該6つの入力chの信号はノーマルバスで混合される。また、ステレオバスについては、6つの入力ch「L」、「R」、「C」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」のそれぞれが、図8のノーマルchの場合と同様な態様で接続される。つまり1つの入力chが、ステレオパン設定部40を介して、ステレオバスグループを構成する2本のステレオバスに接続される。図10では、2つの入力ch「L」及び「R」のみが、ステレオパン設定部40を介して、ステレオバスに接続された様子を描いているが、他の入力ch「C」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」も同様にステレオパン設定部40を介して、2本のステレオバスに接続される。
サラウンドバスについては、サラウンドchグループに組まれた6つの入力ch「L」、「R」、「C」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」が、サラウンドバスグループを構成する6つのサラウンドバス「L」、「R」、「C」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」のうちの、それぞれ対応する1つのバスに排他的に接続される。すなわち、入力元の種類として「L」が設定された入力chがサラウンドバス「L」に接続され、他の5つのサラウンドバス「R」、「C」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」には接続されない(サラウンドバス「L」にのみ接続される)。同様に、入力元の種類として「R」が設定された入力chは、サラウンドバス「R」に接続され、他の5つのサラウンドバス「L」、「C」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」には接続されない(サラウンドバス「R」にのみ接続される)。入力元の種類として「C」が設定された入力chは、サラウンドバス「C」に接続され、他の5つのサラウンドバス「L」、「R」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」には接続されない(サラウンドバス「C」にのみ接続される)。入力元の種類として「Ls」が設定された入力chは、サラウンドバス「Ls」に接続され、他の5つのサラウンドバス「L」、「R」、「C」、「Rs」及び「LFE」には接続されない(サラウンドバス「Ls」にのみ接続される)。入力元の種類として「Rs」が設定された入力chは、サラウンドバス「Rs」に接続され、他の5つのサラウンドバス「L」、「R」、「C」、「Ls」及び「LFE」には接続されない(サラウンドバス「Rs」にのみ接続される)。入力元の種類として「LFE」が設定された入力chは、サラウンドバス「LFE」に接続され、他の5つのサラウンドバス「L」、「R」、「C」、「Ls」及び「Rs」には接続されない(サラウンドバス「LFE」にのみ接続される)。
第1のサラウンドブロックが設定された入力chブロックに属する各入力chのうちサラウンドchグループに属する6つの入力ch「L」、「R」、「C」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」には、前述のとおり、各入力chで取り扱うサラウンド信号として、5.1chサラウンド構成の「L」、「R」、「C」、「Ls」、「Rs」及び「LFE」の6個の入力元の信号が設定される。そして、サラウンドchグループの各入力chはそれぞれ対応するサラウンドバスに接続されるので、各サラウンドバスに対応する6個の出力チャンネルから、5.1chサラウンド信号を取り出すことができる。
図10に明らかな通り、入力chにサラウンドchを設定した場合(サラウンドブロックが選択された場合)、各入力chとサラウンドバスの接続態様は、図8に示す1つの入力chに対して6本のサラウンドバス(1組みのサラウンドバスグループ)を接続する設定(従来のサラウンドモード設定)と比べて、「1つの入力チャンネルに対して1つのサラウンドバスを接続する」という点で異なる。また、図10に示すサラウンドchグループ用の接続態様によれば、6つの入力元の間で相互の関連性が予め決められた信号(5.1chサラウンド構成における定位(サラウンドパン)が予め決められた6ch1組のサラウンド信号)を、6本1組とするサラウンドバスグループの各バスに、1つずつ入力するので、入力chとサラウンドバスの間にサラウンドパン設定部41が挿入されることもない。
なお、本実施例では、図10に示す通り、入力chにサラウンドchが設定された場合、入力chとサラウンドバスの間にバランス設定部42を挿入せず、6ch1組のサラウンド信号に予め設定されたサラウンドパンの設定状態を調整しない構成とする。しかし、これに限らず、パラメータ連動チャンネルである入力ch「L」、「R」、「C」、「Ls」、及び「Rs」のラインにバランス設定部42を挿入する構成であってもよい。この場合、バランス設定部42のパラメータの値に応じて、入力ch「L」、「R」、「C」、「Ls」、及び「Rs」の音量レベルの相互のバランスを調整し、サラウンドのパンを付けることになる。入力ch「LFE」が除外されているのは、「LFE」(サブウーファー)がパラメータ非連動チャンネルだからである。「LFE」(サブウーファー)は、その性質上、音像定位(サラウンドパン)の設定は重要ではなく、他の入力chとの間に音像定位に関する関連性がない。
《第2のサラウンドブロックの場合》
前記ステップS2で第2のサラウンドブロック(サラウンドブロック2)が選択された場合(ステップS3のNO、ステップS6のNO、ステップS9のNO)、当該入力chブロック内の入力チャンネルのうちでサラウンドchグループに属していない2つの入力chは、図5(b)に示すように、1つのステレオチャンネルグループを構成するステレオチャンネルとなる。ステップS14
において、コンソール1のCPU10は、前記ステップS7と同様の処理により、サラウンドchグループに属していない2つの入力chとノーマルバスの接続及び同2つの入力chとステレオバスの接続を、ステレオchグループ用の態様で設定する。また、ステップS15において、CPU10は、前記ステップS8と同様の処理により、サラウンドchグループに属していない2つの入力chとサラウンドバスの接続を、ステレオchグループ用の態様(サラウンドパン機能を介して接続する態様)で設定する。そして、CPU10は、前記ステップS12及びS13により、当該入力chブロック内のサラウンドchグループに属する6つの入力chとノーマルバスの接続、同6つの入力chとステレオバスグループの接続、及び同6つの入力chとサラウンドバスの接続を、図10に示すサラウンドチャンネルグループ用の態様で設定する。
以上の構成により、入力chブロック単位でブロックタイプを設定することで、該設定したブロックタイプに応じて、該入力chブロック内の各入力chとバスの接続を設定することができる。かかる構成において、ブロックタイプとしてサラウンドブロックが設定された場合には、入力chブロック中の6本の入力chは、1組のサラウンドchグループを形成するサラウンドchとなる。そして、1組のサラウンドchグループを形成する6本のサラウンドchが、それぞれ、6本のサラウンドバス(サラウンドバスグループに属するバス)に1対1で接続される。すなわち、コンソール1のCPU10は、1組のサラウンドバスグループに属する各バスに対して、1組のサラウンドchグループに属する入力チャンネルを1つずつ接続する接続手段の動作を行う。
したがって、複数の入力元を1組とする信号(例えば、6chのオーディオ信号からなる5.1chサラウンド信号)を割り当てた複数の入力chをサラウンドチャンネルグループに設定するだけで、6chで1組みのサラウンド用信号を、6本1組のサラウンドバスのそれぞれに対応する出力先から1チャンネルずつ取り出すこと(例えばサラウンド再生用の複数chのスピーカから出力すること)ができるようになる。
《パラメータの変更》
次に、第1又は第2のサラウンドブロックが設定された入力chブロックにおいて、オペレータが1つの入力chのパラメータの値を変更する変更指示を入力したときの動作について説明する。図11は、1つの入力chのパラメータの値を変更する変更指示をコンソール1のCPU10が受け付けたときにCPU10が実行する処理を示すフローチャートである。この処理の起動機会は、コンソール1で1つのチャンネルストリップの操作子13,14が操作されたとき、表示部15を含むGUI(Graphical User Interface)を用いて入力チャンネルのパラメータの値の変更が指示されたとき、或いは、その他I/O16を介して接続されたPC等の外部装置から入力chのパラメータの値を変更する変更指示を受信したときなどである。ステップS20において、CPU10は、1つの入力chのパラメータの値を変更する変更指示を受け付ける。
ステップS21において、コンソール1のCPU10は、前記ステップS2においてメモリ(フラッシュメモリ11又はROM12)に記録された入力chとチャンネルタイプとの関係に基づき、当該変更指示を受け付けた処理対象となる入力chが、サラウンドchグループに属しているか否か(チャンネルタイプとしてサラウンドチャンネルが設定されているか否か)を調べる。指示対象の入力チャンネルがサラウンドchグループに属している場合(ステップS22のYES)、コンソール1のCPU10は、ステップS23において、当該変更指示の対象となるパラメータの種類が連動するタイプであるかどうかを調べる。
入力chに備わるパラメータのうち、連動する種類のパラメータとは、前述の通り、基本的には、その入力chからバスに出力する信号の音特性(入力chからの出力特性)を調整することを目的としたパラメータであり、具体的にはEQ(イコライザ)、コンプレッサ、音量レベル、及びチャンネルオン・オフ等である。一方、連動しない種類のパラメータとは、前述の通り、基本的には、入力元から入力chに対して入力される信号の音特性(入力chへの入力特性)を調整することを目的としたパラメータであり、具体的にはヘッドアンプゲイン(及びヘッドアンプに関するその他のパラメータ)、アッテネータ、ディレイ、フェーズ切り替え等である。なお、連動するパラメータ種類及び非連動のパラメータ種類は、従来から知られるステレオペア機能において、ペア化された入力chで相互に連動するパラメータ種類と同様であってよい。すなわち、連動するパラメータ種類及び非連動のパラメータ種類は、上記具体例に限定されない。
今回変更指示されたパラメータが「連動する種類」である場合(ステップS24のYES)、コンソール1のCPU10は、ステップS25においてメモリ(フラッシュメモリ11又はROM12)に記録されている入力chとパラメータ連動/非連動チャンネルとの関係に基づき、当該指示対象の入力chがパラメータ連動チャンネルとパラメータ非連動チャンネルのいずれであるかを調べる。
当該指示対象の入力chがパラメータ連動チャンネルの場合(ステップS26のYES)、コンソール1のCPU10は、パラメータ制御を連動する他の入力ch、すなわち、同じサラウンドchグループに属する他の4個のパラメータ連動チャンネルを抽出する(ステップS27)。パラメータ連動チャンネルは、前述の通り、サラウンドchグループのうちの5つの入力ch「L」、「R」、「C」、「Ls」、及び「Rs」である。ここまでの処理により、今回のパラメータ変更指示において、どの入力chの、どのパラメータの値を変更するかが特定される。
ステップS28において、コンソール1のCPU10は、前記ステップS27で抽出したすべての入力ch(4個の入力ch)と、今回変更指示を受け付けた処理対象の入力chとに設定された処理対象のパラメータの値を、オペレータによって指示された内容に基づいてまとめて変更する(この「まとめて変更する」ことが連動に相当する)。すなわち、コンソール1のフラッシュメモリ11又はRAM12に設けられたカレントメモリに記憶された当該サラウンドchグループ内の当該5つの入力chにおける当該パラメータの値を上書きするとともに、新たな値をDSP3に送信する。DSP3は、該新たな値を受信し、当該サラウンドchグループ内の当該5つの入力chにおける当該パラメータの値に該受信した新たな値を設定する。
ここで、各入力チャンネルにおけるパラメータの値の変更の仕方は、処理対象のパラメータの種類に応じて、該変更指示された値に対する絶対値で変更される場合と、該変更指示された値に対する相対値で変更される場合との2通りの場合がありうる。したがって、当該ステップS28において、コンソール1のCPU10は、まず、処理対象のパラメータの種類が、絶対値で変更されるパラメータであるか、相対値で変更されるパラメータであるかを判断する。そして、絶対値で変更されるパラメータの場合には、CPU10は、前記すべての入力chに設定された処理対象のパラメータの値を、オペレータの指示に応じた絶対値で変更し、また、相対値で変更されるパラメータの場合には、前記すべての入力chに設定された処理対象のパラメータの値を、オペレータの指示に応じた相対値で変更する。
前記「オペレータの指示に応じた絶対値で」パラメータの値を変更することとは、オペレータによって指示された値を、各入力チャンネルの新たなパラメータの値として設定することである。つまり、オペレータの変更指示によってパラメータの値「a」が設定された場合、各入力チャンネルのパラメータの値として「a」を設定する。連動するパラメータのうちで、「絶対値で」パラメータの値が変更されるものは、上記の具体例の中では、EQ(イコライザ)、コンプレッサ、音量レベル、及びチャンネルオン・オフである。
一方、前記「オペレータの指示に応じた相対値で」パラメータの値を変更することとは、オペレータによって指示された値に応じて、各入力チャンネルのパラメータの値を相対的に変化させることである。例えば、オペレータの変更指示によってパラメータの値「a」が設定されたとすると、パラメータ連動chのうちの或る入力chの当該パラメータの値を「b」だけ増やして、別の入力chの当該パラメータの値を「c」だけ減らすという制御を行う。
連動するパラメータのうちで、その値が相対値で変更されるものの具体例としては、前記バランス設定部42のバランスがある。本実施例では、入力chにサラウンドchが設定された場合にはバランス設定部42を挿入しない構成を想定しているが、これを挿入する構成も可能であることは、既に述べたとおりである。バランス設定部42を挿入する構成の場合には、オペレータの指示によりバランスパラメータの値が変更されると、変更されたバランスパラメータの値に応じて、「L」、「R」、「C」、「Ls」、及び「Rs」の各入力チャンネルの音量バランスを調整して、これら5つの入力元に予め設定されたサラウンドパンの定位を調整することができる。よって、バランスパラメータとは、複数入力チャンネルで連動して制御されるパラメータであり、且つ、オペレータの指示に応じた相対値で変更されるものである。
今回変更指示されたパラメータが「連動しない種類」の場合(ステップS24のNO)、又は、当該指示対象の入力chがパラメータ非連動チャンネルの場合(ステップS26のNO)、コンソール1のCPU10は、ステップS29において、今回変更指示を受け付けた処理対象の入力chのみについて、変更指示されたパラメータの値を変更指示の内容に基づいて単独で変更する(この単独で変更することが非連動に相当する)。すなわち、コンソール1のフラッシュメモリ11又はRAM12に設けられたカレントメモリに記憶された当該パラメータの値を、当該入力chについてのみ更新するとともに、新たな値をDSP3に送信する。DSP3は、該新たな値を受信し、当該入力chのパラメータの値だけを、該受信した新たな値に変更する。なお、パラメータが連動しない種類とは、前述のとおり、ヘッドアンプゲイン(及びヘッドアンプに関するその他のパラメータ)、アッテネータ、ディレイ、及びフェーズ切り替え等である。また、パラメータ非連動チャンネルとは、前述のとおり、入力元の種類としてLFEが設定された入力chである。
また、指示対象の入力chがサラウンドchグループに属していない場合(ステップS22のNO)、指示対象の入力chに設定されたチャンネルタイプがノーマルchならば、コンソール1のCPU10は指示対象の入力chにおける指示対象のパラメータのみを制御する。これにより、カレントメモリの記憶内容が上書きされるとともに、DSP3の当該入力chにおける当該パラメータの値にのみ新たな値が設定される(ステップS30の処理)。また、指示対象の入力chに設定されたチャンネルタイプがステレオチャンネルの場合、コンソール1のCPU10は、指示対象のパラメータが「連動する種類」ならば、当該指示対象の入力chの当該パラメータと、該指示対象の入力chと同じステレオchグループに属するもう一方の入力chの当該パラメータを連動して制御する。また、指示対象のパラメータが「連動しない種類」ならば、コンソール1のCPU10は、当該指示対象の入力chにおける当該パラメータの値のみを制御する。これにより、カレントメモリの記憶内容が上書きされるとともに、DSP3の当該パラメータの値に新たな値が設定される(ステップS30の処理)。
なお、ノーマルブロック又はステレオブロックが設定された入力chブロックにおいて、オペレータが1つの入力chのパラメータの値を変更する変更指示を入力したときの動作は、説明を割愛する。
この図11の処理により、オペレータは、5.1chサラウンド用の6個の入力元からのオ−ディオ信号が割り当てられた6本の入力chのパラメータを、各入力元の相互の関連性について過度の注意を払うことなく、各入力元間の相互の関連性を保ちながら調整できるようになる。
以上、説明したとおり、本実施例に係るミキシングシステムによれば、第1に、所定の複数chで構成されたサラウンド信号(例えば、6chのオーディオ信号からなる5.1chサラウンド)を取り扱う複数の入力chについて、ブロックタイプ設定を行うだけで、該複数の入力chをサラウンドチャンネルグループに設定し、サラウンドチャンネルグループに属する入力チャンネルをサラウンドバスグループに属する各バスに接続できる。よって、1組で扱うべき複数chのオーディオ信号(例えば5.1ch構成のサラウンド信号)を、所定の関連性を持つ複数chのオーディオ信号として出力する(例えばサラウンド再生する)ように設定することが、ブロックタイプ設定という極めて簡単な操作を行うだけで、可能となる。
第2に、サラウンドチャンネルグループに属する各入力chに、パラメータ連動チャンネル(「L」、「R」、「C」、「Ls」、及び「Rs」のいずれか)及びパラメータ非連動チャンネル(「LFE」)のいずれかのチャンネルタイプを設定することにより、サラウンドチャンネルグループ内でパラメータを連動制御するか、連動制御しないかが自動的に区別できる。したがって、複数入力chのオーディオ信号(例えば5.1ch構成のサラウンド信号)を取り扱う入力chのパラメータの調整において、オペレータは、所定の複数chで構成されたサラウンド信号(例えば、6chのオーディオ信号からなる5.1chサラウンド)の相互の関連性について過度の注意を払うことなしに、各入力元間の相互の関連性を保ちながらパラメータを調整することができる。
すなわち、本実施例に係るミキシングシステムによれば、複数個の入力元を1つのまとまりとして容易に扱えるようになるという優れた効果を奏する。
なお、上記実施例では、入力chブロック単位でチャンネルタイプ(ブロックタイプ)を設定する構成(複数の入力chのチャンネルタイプを一括して設定する構成)について説明したが、入力chのチャンネルタイプを設定する構成は実施例のものに限られない。例えば、入力ch毎に個別にユーザがチャンネルタイプを設定する構成であってもよい。この構成において、チャンネルタイプとしてステレオチャンネルやサラウンドチャンネルを設定する場合には、予め、ユーザがステレオチャンネルグループにまとめたい2つの入力ch、もしくは、サラウンドチャンネルグループにまとめたい6つの入力chを選び、当該選んだ入力ch群をひとまとまりとして、ステレオチャンネルもしくはサラウンドチャンネルを設定するよう構成するとよい。この場合、ステレオチャンネルやサラウンドチャンネルに設定された入力chに対しては、ユーザが選択した順番やチャンネル番号順などに応じて自動的に入力元の種類を設定するとよい。もちろん、入力元の種類をユーザが直接に設定する構成でもよい。
なお、上記実施例では、サラウンド信号として5.1chサラウンドを使った構成を説明しているが、サラウンド信号としてその他の6.1chや7.1chを使うことも当然考えられる。5.1chサラウンド以外のサラウンド信号に対して本発明を適用する場合には、適用するサラウンド信号を構成する入力元のチャンネル数にあわせて、サラウンドチャンネルグループを構成する入力chの数、および、サラウンドバスを構成するバスの数を変更して対応すればよい。
なお、上記実施例では、入力chとバスの接続を設定する構成(「接続する」/「接続しない」を設定する構成)として、センドレベルのパラメータやチャンネルオン・オフのパラメータとは別に、入力chと各種バスとをつなぐ線を利用する構成を説明したが、これに限らず、センドレベルのパラメータやチャンネルオン・オフのパラメータを利用して構成してもよい。つまり、「接続する」場合には、入力chからバスへのセンドレベルの現在値を保持するか、あるいは、チャンネルオン・オフのパラメータをオンとする。また、「接続しない」場合には、当該入力chから当該バスへのセンドレベルの現在値を−∞dBに上書きする、あるいは、チャンネルオン・オフのパラメータをオフにする(さらに−∞dBを固定してユーザが調整できないようにする)。入力chと各種バスとの接続を設定する構成の変更例には、このような構成がある。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態として、液晶ディスプレイ(表示部15)に表示される「セレクテッドch用表示領域」の表示デザイン(同領域におけるGUI部品の構成)を、入力chに設定されたチャンネルネルタイプに応じて変更する実施形態を説明する。
《セレクテッドチャンネル部》
図12において、コンソール1の操作パネルにおける「セレクテッドチャンネル部」を抽出して示す。「セレクテッドch部」は、複数の物理操作子群が設けられた物理操作子領域50と、液晶ディスプレイ(表示部15)内の一部に確保されたセレクテッドch用の表示領域51からなる。液晶ディスプレイは、タッチパネル式の表示器で構成され、画面上に表示された各種GUI部品(操作子画像など)を用いて各種指示を入力できる。
「セレクテッドch部」は、操作パネルの一部であって、オペレータによって選択された1つのチャンネル(セレクテッドch)について、物理操作子領域50に設けられた物理操作子や表示領域51に表示された各種GUI部品を用いて、各種パラメータを詳細に調整するための領域である。なお、デジタルオーディオミキサにおいて、複数チャンネルのうちの選択された1つを「セレクテッドch部」に呼び出す機能は、従来から知られている。なお、以下の説明では、入力chを「セレクテッドch部」に呼び出す実施形態を想定するが、「セレクテッドch部」に呼び出すことができるチャンネルは入力chに限定されない。
《物理操作子領域》
物理操作子領域50において、複数のノブ型物理操作子52は、ユーザによって選択された1つの入力ch(セレクテッドch)から、後述するバス群選択用スイッチ53により選択されたバス群に含まれるバスへ送出されるオーディオ信号に関するパラメータ(基本的には、センドレベル)を調整する物理操作子である。図12の例では、16個のノブ型物理操作子52が横2列縦8段に整列されている。
複数のバス群選択用スイッチ53(図12では8個)は、16個のノブ型物理操作子52及び後述するセンドレベル表示領域54に割り当てるバス群を切り替えるスイッチである。各バス群選択用スイッチ53には、16個のバスを1組とするバス群が割り当てられている。バス群の組み合わせは、例えば、バス番号順に16本を1組とする組み合わせ(バス番号1〜16、17〜32、33〜48、49〜64・・・)である。バス群選択用スイッチ53は、押しボタンスイッチにより構成され、8個のうち1つのみが排他的にオンになる。オペレータは、8個のバス群選択用スイッチ53うち任意の1つをオンにすることで、16個のノブ型物理操作子52に割り当てる16本のバス群を選択することができる。
16個のノブ型物理操作子52には、それぞれ、バス群選択用スイッチ53により現在選択された16本のバス群に含まれるバスが1つずつ割り当てられる。そして、ノブ型物理操作子52の制御対象のパラメータとして、セレクテッドch部に現在選択されている1つの入力chから、前記割り当てられたバスへ送出するオーディオ信号の音特性を調整するパラメータが割り当てられる。各ノブ型物理操作子52に割り当てるパラメータの種類は、後述する通り、センドレベル表示領域の表示デザイン(選択中のチャンネルタイプ及び選択中のバスタイプの組み合わせ)に応じて、決定される。
《センドレベル表示領域》
セレクテッドch用表示領域51には、ユーザによって選択されたチャンネルについて各種パラメータを詳細に調整するためのパラメータ画像(GUI部品)が配置される。セレクテッドch用表示領域51には、図13(a)〜(d)に示すセンドレベル表示領域54が設けられている。センドレベル表示領域54は、セレクテッドch部に現在選択されている1つの入力chから、バス群選択用スイッチ53により現在選択されているバス群に含まれる各バスへ送出されるオーディオ信号に関するパラメータを、パラメータ画像により一覧表示する領域である。センドレベル表示領域54の表示デザイン(同領域に表示するパラメータ画像及びパラメータの種類)は、詳しくは後述する通り、セレクテッドch部に選択された入力chのチャンネルタイプ(ノーマルch、ステレオch及びサラウンドch)と、現在選択されているバス群に含まれる各バスに設定されているバスタイプ(ノーマルバス、ステレオバス、サラウンドバス)の組み合わせに応じて変更される。
《基本タイプ》
図13(a)に示す「基本タイプ」のセンドレベル表示領域54は、選択された入力chに設定されたチャンネルタイプが「ノーマルch」であり、且つ、選択されたバス群の全てのバスに設定されたバスタイプが「ノーマルバス」である場合を想定している。
図14は、「基本タイプ」における入力chとバスの接続形態と、入力chとバスの間に挿入されるパラメータの種類を説明するブロック図である。図14に示す「基本タイプ」の場合、1つの入力ch21(ノーマルチャンネル)は、全てのバス22(ノーマルバス)の1つずつに並列に接続される。そして、入力chと各バス22の間に、その入力chからそのバスへのセンドレベルを調整するセンドレベルパラメータ70と、該バスへの信号送出オン・オフを設定するセンド・オン/オフパラメータ71が設けられている。センドレベルパラメータ70の初期値は、マイナス無限大デシベル(入力された音量を完全に絞る状態)に設定される。また、センド・オン/オフパラメータ71の初期値は、オンに設定される。つまり、入力chと各バスの接続の初期設定は、センドレベルパラメータ70の初期値により「接続しない」設定になっている。
図13(a)に示す通り、「基本タイプ」のセンドレベル表示領域54には、パラメータ画像として、図14に示すセンドレベルパラメータ70を表すノブ型仮想操作子画像(センドレベル用操作子画像)55が表示される。センドレベル表示領域54には、バス群選択用スイッチ53により現在選択されているバス群(16本のバス)に含まれるバスの1つずつに対応する16個のセンドレベル用操作子画像55が一覧表示される。
オペレータは、センドレベル用操作子画像55を用いて、その画像に割り当てられたパラメータ(センドレベル)の設定値を調整することができる。センドレベル用操作子画像55を用いたパラメータの調整の仕方(操作方法)は、タッチパネル式ディスプレイ上で画像を指摘して、当該画像を仮想的に操作する(例えば画面上でノブを回す動作をする)方法や、画像を指摘した後に、操作パネル上の何らかの物理操作子(例えば、テンキーやノブ型物理操作子など)を用いて値を変更する方法等、従来から知られるいかなる方法で実現してもよい。また、センドレベル用操作子画像55は、その画像に割り当てられたパラメータの設定値を識別できる表示形態で表示することができる。その表示形態の具体例としては、パラメータの設定値に応じて、操作子画像の回転位置を変更することや、或いは、操作子画像の近傍にパラメータの設定値を数字で表示することなどがある。なお、以下に説明する全てのノブ型仮想操作子画像は、上記と同様に、その画像に割り当てられたパラメータの設定値を調整することや、表示形態により該設定値を識別させることができるものである。
オペレータは、バス群選択用スイッチ53を用いて、センドレベル表示領域54の16個のセンドレベル用操作子画像55(領域54に一覧表示する16本のバス)を切り替えることができる。なお、図13において、説明の便宜上、センドレベル表示領域54に一覧表示するバス群(16本のバス)としてバス番号1〜16のバスが選択された状態を想定し、各センドレベル用操作子画像55の近傍に、各画像55に割り当てられたバスのバス番号を示す。
また、「基本タイプ」のセンドレベル表示領域54において、16個のセンドレベル用操作子画像55は横2列縦8段に整列されている。画像55の配列は、物理操作子領域50に設けられた16個のノブ型物理操作子52の配列に対応している。そして、対応する位置にあるセンドレベル用操作子画像55とノブ型物理操作子52には、同じパラメータ(同じバス番号のバス)が割り当てられる。したがって、オペレータは、ノブ型物理操作子52を操作することで、その物理操作子52に対応するセンドレベル用操作子画像55に割り当てられたパラメータ(バスへのセンドレベル)の値を変更することができる。なお、当該「基本タイプ」の表示デザインでセンドレベル表示領域54を表示することは、従来のデジタルミキサにおいても行われていた。
《センドレベル表示領域の表示デザイン切り替え》
図15は、センドレベル表示領域の表示デザイン切り替え処理の手順を説明するフローチャートである。コンソール1のCPU10は、セレクテッドch部に選択する入力ch(セレクテッドch)として新たな入力chを選択する指示を検出したとき、又は、バス群選択用スイッチ53を用いたバス群の変更指示を検出したとき(新たなバス群を選択する指示を検出したとき)に、図15の処理を起動する。
ステップS31において、CPU10は、前記ステップS2においてフラッシュメモリ11又はRAM12に記録した入力chとチャンネルタイプの関係に基づいて、「セレクテッドチャンネル部」に呼び出すべき入力chに設定されたチャンネルタイプを確認する。CPU10は、本処理の起動時に新たな入力chを選択する指示を検出した場合には、新たに選択された入力chに設定されたチャンネルタイプを確認し、本処理の起動時に新たなバス群を選択する指示を検出した場合には、現在選択されている入力chに設定されたチャンネルタイプを確認する。
ステップS32において、CPU10は、センドレベル表示領域に表示すべきバス群に含まれる各バスに設定されたバスタイプ(バスの種類)を確認する。CPU10は、本処理の起動時に新たな入力chを選択する指示を検出した場合には、現在選択されているバス群に含まれる各バスに設定された各バスタイプを確認し、また、本処理の起動時に新たなバス群を選択する指示を検出した場合には、新たに選択されたバス群に含まれる各バスに設定された各バスタイプを確認する。
ステップS33において、CPU10は、ステップS31及びS32で確認したチャンネルタイプ及びバスタイプの組み合わせに応じて、センドレベル表示領域54の表示デザイン(GUI部品(パラメータ画像)の構成)を切り替える。具体的には、CPU10は、チャンネルタイプ及びバスタイプの組み合わせに応じて、センドレベル表示領域54に表示すべきパラメータ(各パラメータ画像に割り当てるパラメータ)を決定し、該決定したパラメータに応じたパラメータ画像を表示する。また、CPU10は、セレクテッドch部に具わる16個のノブ型物理操作子52の1つずつに対して、ステップS31及びS32で確認したチャンネルタイプ及びバスタイプの組み合わせに応じた(つまりセンドレベル表示領域54の表示デザインに応じた)パラメータを割り当てる。また、CPU10は、センドレベル表示領域54の各パラメータ画像、及び、各ノブ型物理操作子52に割り当てられるパラメータの種類をメモリ(フラッシュメモリ11又はRAM12)に記憶する。
以下に、図13(b)〜(c)、図16、図17、及び、図18を参照して、チャンネルタイプ及びバスタイプの組み合わせに応じたセンドレベル表示領域54の表示デザインと、センドレベル表示領域54に表示されるパラメータの種類について説明する。なお、バス番号1〜16の16本のバス群がバス群選択用スイッチ53により選択されているものとし、これら16本のバスには、バスタイプとして、バス番号1〜8にノーマルバス、バス番号9、10の2本のバスに1組のステレオバスグループを形成するステレオバス、バス番号10〜16の6本のバスに1組のサラウンドバスグループを形成するサラウンドバスがそれぞれ設定されているものとする。
《ノーマルチャンネルの場合》
選択された入力chに設定されたチャンネルタイプがノーマルチャンネルの場合、センドレベル表示領域54は、図13(b)に示す表示デザインで表示される。図16は、ノーマルチャンネルが設定された入力ch「X」と各バスの接続態様、及び、入力ch「X」と各バスの間に挿入されるパラメータ(センドレベル表示領域54に表示されるパラメータ)の種類を説明する図である。なお、図16において、入力ch「X」と、ノーマルバス、ステレオバス及びサラウンドバスの接続態様は、図8を参照して説明したものと同様である。
《ノーマルchとノーマルバスの組み合わせ》
図16に示す通り、チャンネルタイプとしてノーマルチャンネルが設定された入力ch「X」は、センドレベルパラメータ72を介して、8本のノーマルバスの1つずつに並列に接続するよう設定される。すなわち、バス毎に1つのセンドレベルパラメータ72を設定する。センドレベルパラメータ72は、入力ch「X」からノーマルバスへのセンドレベルを調整するパラメータである。なお、図示省略したが、図14と同様に、各センドレベルパラメータ72の後段に、バス毎のセンド・オン/オフパラメータを設けてもよい。
図13(b)において、ノーマルバス領域56には、パラメータ画像として、図16のセンドレベルパラメータ72を表す8つのノブ型仮想操作子画像(センドレベル用操作子画像)59が表示される。オペレータは、8つのセンドレベル用操作子画像59のそれぞれを用いて、現在選択されている入力chから、現在選択されているバス群に含まれる8本のノーマルバス(バス番号1〜8)のうちの、その画像に対応するバスへのセンドレベルを調整することができる。各センドレベル用操作子画像59の近傍に、各画像59に対応するノーマルバスのバス番号を示す。
《ノーマルchとステレオバスの組み合わせ》
図16に示す通り、1つの入力ch「X」は、レベルパラメータ73及びパンパラメータ74を介して、2本1組のステレオバスL,Rに接続するよう設定される。すなわち、2つのバスに対して1つのレベルパラメータ73と1つのパンパラメータ74を設定する。なお、図8では、入力ch「X」とステレオバスグループを接続するラインに挿入されるパラメータを、「パン40」という1つのブロックで表現していた。パンパラメータ74は、入力ch「X」からステレオバスグループ(ステレオバスL及びRの2本)へのステレオパンを調整するパラメータである。レベルパラメータ73は、パンパラメータ74の前段に設けられており、入力ch「X」からパンパラメータ74に供給するオーディオ信号のレベルを調整することで、2本のステレオバスL及びRの両方へ送出するオーディオ信号を同時に調整するパラメータである。
図13(b)のステレオバス領域57には、パラメータ画像として、図16のステレオバスへのパンパラメータ74を表すノブ型仮想操作子画像(パン用操作子画像)60と、図16のレベルパラメータ73を表すノブ型仮想操作子画像(レベル用操作子画像)61が表示される。オペレータは、パン用操作子画像60を用いて、現在選択されている入力chから、現在選択されているバス群に含まれるステレオバスグループ(バス番号9のステレオバスL及びバス番号10のステレオバスR)へのステレオパンを調整することができる。また、オペレータは、レベル用操作子画像61を用いて、現在選択されている入力chから、現在選択されているバス群に含まれるステレオバスグループへのレベルを調整することができる。パン用操作子画像60及びレベル用操作子画像61の近傍には、これら画像に割り当てられたパラメータがステレオバスに関するものであることを表す文字列「ST」が表示される。
《ノーマルchとサラウンドバスの組み合わせ》
図16に示す通り、1つの入力ch「X」は、レベルパラメータ75及びサラウンドパンパラメータ76を介して、サラウンドバスグループのうちの5本のサラウンドバスL,R,C,Ls,Rsに接続するよう設定され、且つ、LFEレベルパラメータ77を介して、サラウンドバスグループのうちの1本のサラウンドバスLFEに接続するよう設定される。すなわち、5本のサラウンドバスL,R,C,Ls,Rsに対して1つの1つのレベルパラメータ75と1つのパンパラメータ76を設定し、且つ、残りの1本のサラウンドバスLFEに対して、1つのLFEレベルパラメータ77を設定する。なお、図8では、入力ch「X」とサラウンドバスグループを接続するラインに挿入されるパラメータを、「サラウンドパン41」という1つのブロックで表現していた。サラウンドパンパラメータ76は、入力ch「X」から5本のサラウンドバス(L,R,C,Ls,Rs)へのサラウンドパンの定位を調整するパラメータである。レベルパラメータ75は、サラウンドパンパラメータ76の前段に設けられており、入力ch「X」からサラウンドパンパラメータ76へ供給するオーディオ信号のレベルを調整することで、5本のサラウンドバス(L,R,C,Ls,Rs)へ送出するオーディオ信号のレベルを同時に調整するパラメータである。LFEレベルパラメータ77は、入力ch「X」から1本のバス(LFE)へ送出するオーディオ信号のレベルを調整するパラメータである。
図13(c)のサラウンドバス領域58には、パラメータ画像として、図16のサラウンドパンパラメータ76を示す定位画像62と、図16のLFEレベルパラメータ77を表すノブ型仮想操作子画像(LFEchのレベル用操作子画像)63と、図16のレベルパラメータ75を表すノブ型仮想操作子画像(サラウンドchのレベル用操作子画像)64が表示される。定位画像62は、現在選択されている入力chについて、サラウンドパンパラメータ76の設定値に応じた定位の設定状態を、2次元座標上に表示する。なお、定位画像62を用いて(例えば、2次元座標上で定位の位置を指定する操作等により)、サラウンドパンパラメータ76の設定値を調整できてもよい。オペレータは、LEFレベル用操作子画像63を用いて、現在択されている入力chから、現在選択されているバス群に含まれるサラウンドバスLFE(バス番号16)へのレベルを調整することができる。また、オペレータは、レベル用操作子画像64を用いて、現在選択されている入力chから、現在選択されているバス群に含まれるサラウンドバスL,R,C,Ls,Rs(バス番号11〜15)へのレベルを調整することができる。レベル用操作子画像63及びレベル用操作子画像64の近傍には、これら画像に割り当てられたパラメータがサラウンドバスに関するものであることを表す文字列「SURR」が表示される。
《ステレオチャンネルの場合》
選択された入力chに設定されたチャンネルタイプがステレオチャンネルの場合、センドレベル表示領域54は、図13(c)に示す表示デザインで表示される。図17は、ステレオチャンネルが設定された2本の入力ch(L及びR)と各バスの接続態様、及び、各入力chと各バスの間に挿入されるパラメータ(センドレベル表示領域54に表示されるパラメータ)の種類を説明する図である。なお、図17において、入力ch(L及びR)と、ノーマルバス、ステレオバス及びサラウンドバスの接続態様は、図9を参照して説明したものと同様である。
《ステレオchとノーマルバスの組み合わせ》
図17に示す通り、1組のステレオchグループを形成する各入力ch(L及びR)は、それぞれ、前述したノーマルchとノーマルバスの組み合わせと同様に(図16参照)、センドレベルパラメータ72を介して、8本のノーマルバスの1つずつに接続するよう設定される。
図13(c)に示す通り、ステレオchとノーマルバスの組み合わせに関するノーマルバス領域56の表示デザインは、図13(b)に示すノーマルバス領域56の表示デザインと概ね同様に、パラメータ画像として、図17のセンドレベルパラメータ72を表す8つのセンドレベル用操作子画像59を表示するものである。オペレータは、各センドレベル用操作子画像59を用いて、現在選択されている入力ch(L又はR)から、現在選択されているバス群に含まれる8本のノーマルバス(バス番号1〜8)のうちの、その画像に割り当てられたバスへのセンドレベルを調整することができる。
《ステレオchとステレオバスの組み合わせ》
図17に示す通り、ステレオ入力ch「L」は、レベルパラメータ78及びバランスパラメータ79を介して、ステレオバスLに接続するよう設定され、また、ステレオ入力ch「R」は、レベルパラメータ78及びバランスパラメータ79を介して、ステレオバスRに接続するよう設定される。なお、図9では、入力ch「L」及び「R」とステレオバスグループを接続するラインに挿入されるパラメータを、「バランス設定部42」という1つのブロックで表現していた。
バランスパラメータ79は、入力ch「L」からステレオバスLへ送出するオーディオ信号及び及び入力ch「R」からステレオバスRへ送出するオーディオ信号の音量レベルのバランスを、入力ch「L」及び「R」で同時に(連動して)調整するパラメータである。このバランスパラメータ79の動作は、図9に示すバランス設定部42の動作と同じものである。レベルパラメータ78は、バランスパラメータ79の前段に設けられており、その入力ch(L又はR)から、対応するステレオバス(L又はR)へ送出するオーディオ信号(バランスパラメータ79に供給するオーディオ信号)のレベルを調整するパラメータである。なお、レベルパラメータ78は、ステレオ関係にある2つの入力ch「L」及び「R」からステレオバスL及びRへのレベルを同時に(連動して)調整するよう構成されてもよい。
図13(c)において、ステレオバス領域57には、パラメータ画像として、図17のバランスパラメータ79を表すノブ型仮想操作子画像(バランス用操作子画像)65と、図17のレベルパラメータ78を表すノブ型操仮想作子画像(レベル用操作子画像)66が表示される。オペレータは、バランス用操作子画像65を用いて、現在選択されている入力ch及びその入力chとステレオ関係にある別の入力ch(L及びR)から、現在選択されているバス群に含まれる2本のステレオバス(バス番号9、10)へ送出するオーディオ信号の音量レベルのバランスを、入力ch「L」及び「R」で同時に(連動して)調整することができる。また、オペレータは、レベル用操作子画像66を用いて、現在選択されている入力chから、現在選択されているバス群に含まれる2本のステレオバス(バス番号9、10)へのレベルを調整できる。なお、レベルパラメータ78がステレオバスL及びRで連動する構成の場合は、レベル用操作子画像66の操作により、現在選択されている入力ch及びその入力chとステレオ関係にある別の入力ch(L及びR)」の両chからステレオバスL及びRへのレベルを同時に(連動して)調整することができる。
《ステレオchとサラウンドバスの組み合わせ》
図17に示す通り、2つの入力ch「L」、「R」は、それぞれ、前述したノーマルchサラウンドバスの組み合わせと同様に(図16参照)、レベルパラメータ75及びサラウンドパンパラメータ76を介して、サラウンドバスグループのうちの5本のバス(L,R,C,Ls,Rs)に接続するよう設定され、且つ、LFEレベルパラメータ77を介して、サラウンドバスグループのうちの1本のバス(LFE)に接続するよう設定される。なお、図9では、入力ch「L」、「R」とサラウンドバスグループを接続するラインに挿入されるパラメータを、「サラウンドパン41」という1つのブロックで表現していた。なお、ステレオchとサラウンドバスの組み合わせの場合、レベルパラメータ75、及び、LFEレベルパラメータ77は、ステレオ関係にある2つの入力ch「L」及び「R」のパラメータを同時に(連動して)調整するよう構成されてもよい。
図13(c)に示す通り、ステレオchとサラウンドバスの組み合わせに関するサラウンドバス領域58の表示デザインは、図13(b)に示すサラウンドバス領域58の表示デザインと概ね同様に、パラメータ画像として、定位画像62と、LFEchのレベル用操作子画像63と、レベル用操作子画像64を表示するものである。オペレータは、レベル用操作子画像63を用いて、現在選択されている入力ch(L又はR)から、現在選択されているバス群のうちのサラウンドバスLFE(バス番号16)へのレベルを調整できる。また、オペレータは、レベル用操作子画像64を用いて、現在選択されている入力ch(L又はR)から、現在選択されているバス群のうちの5本のサラウンドバスL,R,C,Ls,Rs(バス番号11〜15)へのレベルを調整できる。また、定位画像62は、現在選択されている入力ch及びその入力chとステレオ関係にある別の入力ch(ステレオ入力ch「L」及び「R」)のそれぞれについて、サラウンドパンパラメータ76の設定値に応じた定位の設定状態を、2次元座標上に表示する。したがって、定位画像62に2ch分の定位の設定状態が表示される点が図13(b)とは異なる。
なお、ステレオchとサラウンドバスの組み合わせの場合、レベル用操作子画像63を用いて、現在選択されている入力ch及びその入力chとステレオ関係にある別の入力ch(ステレオ入力ch「L」及び「R」)から、現在選択されているバス群のうちのサラウンドバスLFE(バス番号16)へのレベルを同時に(連動して)調整できるよう構成してもよい。また、レベル用操作子画像64を用いて、現在選択されている入力ch及びその入力chとステレオ関係にある別の入力ch(ステレオ入力ch「L」及び「R」)から、現在選択されているバス群のうちの5本のサラウンドバスL,R,C,Ls,Rs(バス番号11〜15)へのレベルを同時に(連動して)調整できるよう構成してもよい。
《サラウンドchの場合》
選択された入力chに設定されたチャンネルタイプがサラウンドチャンネルの場合、センドレベル表示領域54は、図13(d)に示す表示デザインで表示される。図18は、サラウンドchが設定された6本の入力ch(L,R,C,Ls,Rs及びLFE)と各バスの接続態様、及び、各入力chと各バスの間に挿入されるパラメータ(センドレベル表示領域54に表示されるパラメータ)の種類を説明する図である。なお、図18において、入力chと、ノーマルバス、ステレオバス及びサラウンドバスの接続態様は、図8を参照して説明したものと同様である。
《サラウンドchとノーマルバスの組み合わせ》
図18に示す通り、1組のサラウンドchグループを形成する各入力ch(L,R,C,Ls,Rs及びLFE)は、それぞれ、前述したノーマルchとノーマルバスの組み合わせと同様に(図16参照)、センドレベルパラメータ72を介して、8本のノーマルバスの1つずつに接続するよう設定される。
図13(d)に示す通り、サラウンドchとノーマルバスの組み合わせに関するノーマルバス領域56の表示デザインは、図13(b)に示すノーマルバス領域56の表示デザインと概ね同様に、パラメータ画像として、図18のセンドレベルパラメータ72を表す8つのセンドレベル用操作子画像59を表示するものである。オペレータは、各センドレベル用操作子画像59を用いて、現在選択されている入力ch(L,R,C,Ls,Rs及びLFEのいずれか1つ)から、現在選択されているバス群に含まれる8本のノーマルバス(バス番号1〜8)のうちの、その画像に対応するバスへのセンドレベルを調整できる。
《サラウンドchとステレオバスの組み合わせ》
図18に示す通り、1組のサラウンドchグループを形成する各入力ch(L,R,C,Ls,Rs及びLFE)は、それぞれ、前述したノーマルchとステレオバスの組み合わせと同様に(図16参照)、レベルパラメータ73及びパンパラメータ74を介して、2本1組のステレオバスL,Rに接続するよう設定される。
図13(d)に示す通り、サラウンドchとステレオバスの組み合わせに関するステレオバス領域57の表示デザインは、図13(b)に示すノーマルバス領域56の表示デザインと概ね同様に、パラメータ画像として、図18のパンパラメータ74を表すパン用操作子画像60と、図18のレベルパラメータ73を表すレベル用操作子画像61を表示するものである。オペレータは、パン用操作子画像60を用いて、現在選択されている入力ch(L,R,C,Ls,Rs及びLFEのいずれか1つ)から、現在選択されているバス群に含まれるステレオバスグループ(バス番号9のステレオバスL及びバス番号10のステレオバスR)へのステレオパンを調整できる。また、オペレータは、レベル用操作子画像61を用いて、現在選択されている入力ch(L,R,C,Ls,Rs及びLFEのいずれか1つ)から、現在選択されているバス群に含まれるステレオバスグループへのレベルを調整できる。
《サラウンドchとサラウンドバスの組み合わせ》
図18に示す通り、1組のサラウンドchグループを形成する6本の入力ch(L,R,C,Ls,Rs及びLFE)のうちの5本の入力ch(L,R,C,Ls及びRs)は、それぞれ、レベルパラメータ80を介して、対応するサラウンドバス(L,R,C,Ls及びRs)に接続するよう設定される。また、1組のサラウンドchグループを形成する6本の入力chのうちの1つの入力ch(LFE)は、LFEレベルパラメータ81を介して、サラウンドバスグループのうちの1本のバス(LFE)に接続するよう設定される。各入力chに設けられたレベルパラメータ80は、入力ch「L」からサラウンドバスLへ、入力ch「R」からサラウンドバスRへ、入力ch「C」からサラウンドバスCへ、入力ch「Ls」からサラウンドバスLsへ、及び、入力ch「Rs」からサラウンドバスRsへ、送出する各オーディオ信号のレベルを、同時に(連動して)調整するパラメータである。したがって、各入力chに設けられたレベルパラメータ80は、5つとも同じ値に設定される。5本の入力ch(L,R,C,Ls及びRs)に予め設定されているサラウンドパン(定位)の設定状態を保持するためである。LFEレベルパラメータ81は、入力ch「LFE」からサラウンドバスLFEへ送出するオーディオ信号のレベルを調整するパラメータである。
図13(d)において、サラウンドバス領域58には、パラメータ画像として、図18のLFEレベルパラメータ81を表すノブ型操仮想作子画像(LFEレベル用操作子画像画像)66と、図18のレベルパラメータ80を表すノブ型仮想操作子画像(レベル用操作子画像)67が表示される。サラウンドchグループの場合、6本の入力chの間で相互の関連性(サラウンドパン(定位)の設定状態)が予め決められているため、図18に示す通り、サラウンドバスの前段にサラウンドパンパラメータが入らない。したがって、サラウンドバス領域58には定位画像が表示されない。
また、図13(d)において、レベル用操作子画像66は、現在選択されている入力chがサラウンドchグループ内のいずれの入力chであっても、常に、LFE用入力chから現在選択されているバス群のうちのサラウンドバスLFE(バス番号16)へのレベルを表示する。オペレータは、レベル用操作子画像66を用いて、現在選択されている入力chが属するサラウンドchグループ内のLFE用入力chから、現在選択されているバス群のうちのサラウンドバスLFE(バス番号16)へのレベルを調整できる。また、レベル用操作子画像67は、現在選択されている入力chがサラウンドchグループ内のいずれの入力chであっても、該入力chが属するサラウンドchグループ内の5本の入力ch(L,R,C,Ls及びRs)から5本のサラウンドバス(L,R,C,Ls及びRs)へのレベルを表示する。したがって、レベル用操作子画像67は、現在選択されている入力chがサラウンドchグループ内のいずれの入力chであっても、レベルパラメータとして同じ値を表示する。オペレータは、レベル用操作子画像67を用いて、現在選択されている入力chが属するサラウンドchグループ内の5本の入力ch(L,R,C,Ls及びRs)から5本のサラウンドバス(L,R,C,Ls及びRs)へのレベルを、同時に(連動して)調整できる。このように、サラウンドchとサラウンドバスの組み合わせの場合は、例外的に、レベル用操作子画像66又はレベル用操作子画像67に割り当てられたパラメータが、セレクテッドch部に現在選択されている入力chに関するものになるとは限らない。
《物理操作子へのパラメータ割り当て》
セレクテッドch部に具わる16個のノブ型物理操作子52に対するパラメータの割り当ては、前記図15のステップS33の処理により、ステップS31及びS32で確認したチャンネルタイプ及びバスタイプの組み合わせに応じて(つまりセンドレベル表示領域54の表示デザインに応じて)、CPU10が決定する。前述の通り、図13(a)に示す「基本タイプ」で表示される16個の仮想操作子画像55の配列は、物理操作子領域50に設けられた16個のノブ型物理操作子52の配列に対応しており、対応する位置にある画像55とノブ型物理操作子52に同じパラメータ(同じバス番号のバス)が割り当てられる。図13(b)、(c)又は(d)に示す表示デザインの場合も同様に、対応する位置にあるパラメータ画像と物理操作子52に同じパラメータ(同じバス番号のバス)が割り当てられる。
図13(b)、(c)又は(d)に示す表示デザインでセンドレベル表示領域54が表示される場合、バス番号1〜8の各物理操作子52の制御対象は、ノーマルバス領域56に表示されたバス番号1〜8のセンドレベル用操作子画像59に割り当てられたセンドレベルパラメータである。例えば、バス番号1の物理操作子52の制御対象として、バス番号1のセンドレベル用操作子画像59に割り当てられたセンドレベルパラメータが割り当てられる。
また、図13(b)、(c)又は(d)に示す表示デザインでセンドレベル表示領域54が表示される場合、バス番号9、10の各物理操作子52の制御対象として、ステレオバス領域57に表示されたパラメータ画像に割り当てられたパラメータが割り当てられる。図13(b)の「ノーマルch」及び図13(c)の「サラウンドch」の表示デザインでセンドレベル表示領域54が表示される場合、バス番号9の物理操作子52の制御対象は、パン用操作子画像60に割り当てられたパンパラメータであり、バス番号10の物理操作子52の制御対象は、レベル用操作子画像61に割り当てられたレベルパラメータである。また、図13(c)の表示デザインでセンドレベル表示領域54が表示される場合、バス番号9の物理操作子52の制御対象は、バランス用操作子画像65に割り当てられたバランスパラメータであり、バス番号10の物理操作子52の制御対象は、レベル用操作子画像61に割り当てられたレベルパラメータである。
また、図13(b)、(c)又は(d)に示す表示デザインでセンドレベル表示領域54が表示される場合、バス番号11〜16の各物理操作子52の制御対象として、サラウンドバス領域58に表示されたパラメータ画像に割り当てられたパラメータが割り当てられる。図13(b)、(c)又は(d)に示す通り、バス番号11、12、13及び14の4つの各物理操作子52に対応する位置には、定位画像62が表示されるか、又は、何も表示されないかである。定位画像62に割り当てられたサラウンドパン(定位)は、ノブ操作子では操作しない。従って、バス番号11,12,13及び14の4つの各物理操作子52には、制御対象となるパラメータが割り当てられない。バス番号15の物理操作子の制御対象は、レベル用操作子画像63又は66に割り当てられたLFEレベルパラメータである。また、バス番号16の物理操作子の制御対象は、レベル用操作子画像64又は67に割り当てられたレベルパラメータである。
《物理操作子の操作に応じてパラメータの調整》
図19は、物理操作子52の操作に応じたパラメータの調整処理の手順を説明するフローチャートである。コンソール1のCPU10は、セレクテッドch部に具わる16個のノブ型物理操作子52のいずれかの操作を検出したときに、図19の処理を起動する。
いずれかのノブ型物理操作子52の操作を検出すると、CPU10は、ステップS34において、該操作されたノブ型物理操作子52の制御対象であるすべての入力ch及びパラメータを検出する。ノブ型物理操作子52の制御対象のパラメータは、前述の通りセレクテッドch部に現在選択されている1つの入力ch(セレクテッドch)のチャンネルタイプと、バスタイプの組み合わせに応じて決定される。
前記ステップS34において、ノブ型物理操作子52の制御対象として検出される入力chは、原則的には、セレクテッドch部に現在選択されている1つの入力ch(セレクテッドch)である。現在選択されている入力chがサラウンドchグループに属する場合、例外的に、セレクテッドchとは別の入力chを制御対象として検出するか、又は、セレクテッドchが属するサラウンドchグループ内の複数の入力chを制御対象として検出する。すなわち、LFEレベルパラメータが割り当てられたノブ型物理操作子52(図13(d)の例ではバス番号15に対応するもの)が操作された場合は、セレクテッドchがサラウンドchグループ内のいずれの入力chであっても、常に、制御対象として、LFE用入力chを検出する。また、レベルパラメータが割り当てられたノブ型物理操作子52(図13(d)の例ではバス番号16に対応するもの)が操作された場合は、セレクテッドchがサラウンドchグループ内のいずれの入力chであっても、常に、制御対象として、サラウンドchグループ内の5本の入力ch(L,R,C,Ls及びRs)が検出される。
ステップS35において、CPU10は、検出したすべての入力chの、検出したパラメータの設定値を、検出したノブ型物理操作子52の操作内容(操作量、操作向き等)に応じて、変更する。そして、該変更されたパラメータの設定値に基づいて、フラッシュメモリ11に設けられたカレントメモリの記憶内容が更新される。
《ステレオchとステレオバスの組み合わせに関する変更例》
図20(a)、(b)は、図17に示したステレオチャンネルとステレオバスの接続形態の変更例を説明する図である。図17において、1つのステレオchグループに属する入力ch「L」がステレオバスLに接続され、また、同入力ch「R」がステレオバスRに接続されていたところ、図20(a)に示す接続形態では、1つのステレオchグループに属する入力ch「L」及び「R」が、それぞれステレオバスL及びRの両方に接続される。この場合、図17におけるバランスパラメータ79がパンパラメータ82、83に置き換わる。すなわち、ステレオchグループの入力チャンネルLは、レベルパラメータ78及びパンパラメータ82を介して、2系統に分配され、ステレオバスL及びRに供給される。ステレオchグループの入力チャンネルRも同様に、レベルパラメータ78及びパンパラメータ83を介して、2系統に分配され、ステレオバスL及びRに供給される。パンパラメータ82、83は、それぞれ、対応する入力ch(L又はR)からステレオバスL及びRへのパンを調整する。
この接続形態を適用した場合、「ステレオch」用のステレオバス領域57の表示デザインは、図20(b)に示す通り、図13(c)におけるバランス用操作子画像65をパン用操作子画像84に置換したものとなる。パン用操作子画像84は、制御対象として、現在選択されている入力ch(「L」又は「R」)から、ステレオバスL及びRへのパンを表示する。
《サラウンドchとステレオバスの組み合わせに関する変更例》
図21(a)、(b)は、図18に示したステレオチャンネルとステレオバスの接続形態の変更例を説明する図である。図18において、サラウンドchグループを形成する6本の入力ch(L,R,C,Ls、Rs及びLFE)が、それぞれ個別に、ステレオバス(L及びR)に接続されていたところ、図21(a)に示す接続形態では、サラウンドchグループを形成する6本の入力ch(L,R,C,Ls、Rs及びLFE)はダウンミキシング部85を介して、2chステレオ信号にミックスダウンされる。そして、該ミックスダウンされた2chステレオ信号のうちLchの信号がステレオバスLに供給され、同Rchの信号がステレオバスRに供給される。ダウンミキシング部85からステレオバスLの間には、ミックスダウンされた2chステレオ信号のうちLchの信号をステレオバスLに送出するセンドレベルを調整するためのLch用センドレベル86が挿入される。また、ダウンミキシング部85からステレオバスRの間には、ミックスダウンされた2chステレオ信号のうちRchの信号をステレオバスRに送出するセンドレベルを調整するためのRch用センドレベル87が挿入される。
この接続形態を適用した場合、「サラウンドch」用のステレオバス領域57の表示デザインは、図20(b)に示す通り、図13(d)におけるLFEchのレベル用操作子画像66及びサラウンドchのレベル用操作子画像67を、それぞれ、Lchのセンドレベル用操作子画像88及びRchのセンドレベル用操作子画像89に置換したものとなる。Lchのセンドレベル用操作子画像88は、現在選択されている1つの入力ch(セレクテッドch)がサラウンドchグループ内のいずれの入力chであっても、常に、ミックスダウンされた2chステレオ信号のうちLchの信号をステレオバスLに送出するセンドレベルを調整するLch用センドレベルを表示する。また、Rchのセンドレベル用操作子画像89は、現在選択されている1つの入力ch(セレクテッドch)がサラウンドchグループ内のいずれの入力chであっても、常に、ミックスダウンされた2chステレオ信号のうちRchの信号をステレオバスRに送出するセンドレベルを調整するRch用センドレベルを表示する。
以上説明した第2実施例に示すセンドレベル領域の表示構成(図13(b)、(c)及び(d)に示す表示デザイン)によれば、セレクテッドch部に選択された入力chからバスへの経路に挿入されるパラメータを、入力chのチャンネルタイプとバスタイプの組み合わせに応じて、オペレータにとってわかり易い形態で効率的に表示することができる。また、図13(b)、(c)及び(d)に示す表示デザインにおいて、ステレオバス領域57の表示位置はバス番号9,10の物理操作子に対応しており、また、サラウンドバス領域58の表示位置はバス番号11〜16に対応している。このため、センドレベル表示領域54に表示されたパラメータが、いずれのバス番号のバスに関するものであるのか、及び、いずれの物理操作子52に対応するものであるのかを、オペレータが、視覚的に理解しやすいという利点がある。
なお、上記実施例では、コンソール1、I/O装置2、及びエンジン3からなるミキシングシステムに本発明を適用する例について説明したが、本発明は、コンソール1、I/O装置2、及びエンジン3の機能を1つの筐体に搭載したデジタルオーディオミキサにより構成及び実施することができる。また、CPUが実行するソフトウェアプログラムの処理により、本発明を適用したデジタルオーディオミキサの動作を構成及び実現することも可能である。
なお、上記実施例のミキシングシステムは、例えば、コンサート会場や大規模イベントなどのPA(Public Address(パブリック・アドレス))システムに用いるもの、デパート、学校など施設内における構内放送用のシステム、音楽レコーディングスタジオのレコーディングシステムなど、種々のシーンで利用されるオーディオミキシング用システム(音響システム)であってよい。
1 ミキシングコンソール、2 ミキシングエンジン、3 I/O装置、6 オーディオネットワーク、7 PC、10 CPU、11 フラッシュメモリ、12 RAM、13 操作子、14 音量レベル調整用操作子、15 表示部、16 その他I/O、17 データ及び通信バス、20 入力パッチ部、21 入力チャンネル、22 バス、23 出力チャンネル、24 出力パッチ部、30 チャンネルブロック選択部、31 ブロック選択ボタン、32 ブロックタイプ選択部、33 ブロックタイプ選択ボタン、34 チャンネル表示部、35 チャンネルボタン、40 ステレオパン設定部、41 サラウンドパン設定部、42 バランス設定部、50 物理操作子領域、51 表示領域、52 センドレベル調整用操作子、53 バス群選択用スイッチ、54 センドレベル表示領域、55 センドレベル用操作子画像、56 ノーマルバス領域、57 ステレオバス領域、58 サラウンドバス領域、59 センドレベル用操作子画像、60 パン用操作子画像、61 レベル用操作子画像、62 定位画像、63、66 LFEchのレベル用操作子画像、64、67 サラウンドchのレベル用操作子画像、65 バランス用操作子画像、70 センドレベルパラメータ、71 センドオン・オフパラメータ、72 センドレベルパラメータ、73 ステレオchのレベルパラメータ、74 パンパラメータ、75 サラウンドchのレベルパラメータ、76 サラウンドパンパラメータ、77 LFEchのレベルパラメータ、78 ステレオchのレベルパラメータ、79 バランスパラメータ、80 サラウンドchのレベルパラメータ、81 LFEchのレベルパラメータ、82、83 パンパラメータ、84 パン用操作子画像、85 ダウンミキシング部、86、87 センドレベル、88、89 センドレベル用操作子画像

Claims (2)

  1. 入力元から供給されたオーディオ信号が1つずつ入力される複数の入力チャンネルと、
    複数本のバスで構成されるサラウンドバスグループと、
    前記複数の入力チャンネルのうち、前記サラウンドバスグループを構成するバスの本数に対応する個数の入力チャンネルを、サラウンドチャンネルグループに設定し、当該サラウンドチャンネルグループに属する入力チャンネルの少なくとも1つを、パラメータ非連動チャンネルとするチャンネルグループ設定手段と、
    前記サラウンドバスグループに属する各バスに対して、前記サラウンドチャンネルグループに属する入力チャンネルを1つずつ接続する接続手段と、
    前記サラウンドチャンネルグループに属する1つの入力チャンネルに対して、パラメータの値を変更する変更指示を受け付ける指示受付手段と、
    前記変更指示を受け付けた入力チャンネルが、パラメータ非連動チャンネルであるかを確認する確認手段と、
    前記確認手段においてパラメータ非連動チャンネルでないと確認された場合、前記サラウンドグループ内の入力チャンネルのうち、パラメータ非連動チャンネルではない入力チャンネルのパラメータの値を、前記変更指示に基づいて制御し、前記確認手段においてパラメータ非連動チャンネルであると確認された場合、前記変更指示を受け付けた入力チャンネルのみのパラメータの値を、前記変更指示に基づいて制御するパラメータ制御手段と
    を備えるオーディオミキサ。
  2. 前記複数の入力チャンネルは、前記サラウンドチャンネルグループを構成する入力チャンネルの個数以上の個数をひとつのブロックとして、複数の入力チャンネルブロックに分けられており、
    前記チャンネルグループ設定手段は、
    いずれか1つの入力チャンネルブロックを指定するチャンネルブロック指定手段と、
    前記指定された入力チャンネルブロックに対して、当該入力チャンネルブロックに属する複数の入力チャンネルのグループ構成を規定するための、ブロックタイプを指定するブロックタイプ指定手段とを更に備え、
    前記指定されたブロックタイプに基づいて、前記指定された入力チャンネルブロックに属する複数の入力チャンネルのうち、前記サラウンドバスグループを構成するバスの本数に対応する個数の入力チャンネルを、サラウンドチャンネルグループに設定し、当該サラウンドチャンネルグループに属する入力チャンネルの少なくとも1つを、パラメータ非連動チャンネルとする
    ことを特徴とする請求項1に記載のオーディオミキサ。
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