JP4882829B2 - ブローバイガスの還流量を調整するバルブ - Google Patents

ブローバイガスの還流量を調整するバルブ Download PDF

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Description

本発明は、エンジンのクランクケース内に生じるブローバイガスを吸気管へ還流する技術に関し、特に、ブローバイガスの還流量を調整するバルブに関する。
車両に搭載されるエンジンには、一般的に、エンジンのシリンダとピストンの隙間からクランクケース内に抜けるガス(以下、ブローバイガスとも記載する)を、大気中に放出せずに、吸気管に還流させて再燃焼させるブローバイガス還元装置が設けられている。このようなブローバイガス還元装置に関する技術が、たとえば特開2005−240605号公報(特許文献1)や実開平3−112508号公報(特許文献2)に開示されている。
特許文献1は、計量部でのブローバイガスの流れをスムーズにし、計量部やスプリングにブローバイガスが付着堆積することを抑制するPCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブを開示する。このPCVバルブは、エンジンのクランクケース側とインテークマニホールド側とを連通するブローバスガス通路に設けられる。このPCVバルブは、ボデー内に貫通するように形成され、ブローバイガスの流入口がクランクケース側に、流出口がインテークマニホールド側に設けられた体内通路と、クランクケース側に対してインテークマニホールド側の負圧が大きいときに、ブローバイガスの流入口を開口するように体内通路内を移動するバルブ本体と、体内通路の途中に、ボデーの一部で形成される計量通路面と、バルブ本体に形成された計量面とで形成された計量部とを含む。ボデー側の計量通路面の軸方向の断面に、上流側端を体内通路の軸心と反対側に中心を有する曲面が形成される。
特許文献1に開示されたPCVバルブによると、計量通路面の上流側を曲面に形成したことにより、計量部におけるブローバイガスの流通抵抗が、角状のものに比べて少なくなり、ブローバイガスが体内通路内をスムーズに流れる。そのため、ブローバイガス中のスラッジが計量部やスプリングなどに付着堆積することを抑制できる。
特許文献2は、エンジンオイルの消費を増大することなく、優れたエンジン出力を確保することができるブローバイガスの還流装置を開示する。この還流装置は、クランクケース内のブローバイガスをエンジンの吸気管内に還流させるため吸気管に装着されかつ吸気流に対して下流側の管壁にブローバイガス流出口を備えたブローバイガス還流管と、ブローバイガス還流管内のブローバイガス流出口に隣接する下流部分に形成され吸気流に略正対する動圧取入口を備えた動圧室と、ブローバイガス還流管内のブローバイガス通路と動圧室とを区画する仕切壁に摺動自在に加装されブローバイガス通路内の受圧ヘッドの上昇によってブローバイガス流出口の開口面積を減少させるピストン部材とを含む。ピストン部材のブローバイガス通路内の受圧ヘッドの受圧面積は、ピストン部材の動圧室内における受圧ヘッドの受圧面積より大きく形成される。
特許文献2に開示された還流装置によると、ブローバイガス還流管の下流側の吸気管内に動圧室が設けられ、動圧室内に生じる吸気流速に基づく正圧とブローバイガス還流管内のブローバイガス圧との差圧によってピストン部材が変位し、ブローバイガス通路内におけるピストン部材の受圧ヘッドの変位によってブローバイガス流出口の開口面積が制御されブローバイガス圧力が調整される。吸気流速が増大すると、動圧室内に生じる吸気流速に基づく正圧がブローバイガス還流管内のブローバイガス圧より高くなるので、ピストン部材が上昇し、ブローバイガス流出口の開口面積が減少する。そのため、ブローバイガスの流量が制限される。これにより、吸気流速が増大する高負荷時において、ブローバイガスに含まれて排出されるオイル量が低減されるので、オイル消費の増大を確実に防止することができる。
特開2005−240605号公報 実開平3−112508号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたPCVバルブは、クランクケース側とインテークマニホールド側の負圧が略等しくなると、ブローバイガスの流入口がバルブ本体により遮断される。高負荷時にこのような状態になると、高負荷時に多量に発生するブローバイガスを吸気管側へ還流することができない。さらに、エンジン停止時はクランクケース側の圧力とインテークマニホールド側の圧力が大気圧になり等しくなるので、ブローバイガスの流入口が遮断される。そのため、寒冷時にエンジン停止状態を長時間継続すると、流入口が遮断された状態で、ブローバイガス中に混入されてバルブ本体に付着した水分が凍結し、流入口を開口する方向にバルブ本体が移動できなくなる場合がある。この場合、エンジンを始動しても、バルブ本体に付着した水分が解凍するまでは、ブローバイガスを吸気管側へ還流することができない。
また、特許文献2に開示された還流装置は、吸気流速が増大すると、ブローバイガス流出口の開口面積が徐々に減少し、吸気流速が所定値を越えるとブローバイガス流出口は遮断される。そのため、吸気流速が大きい高負荷時に、ブローバイガスを吸気管側へ還流することができない場合がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、クランクケース内に生じるブローバイガスを吸気管へ還流する内燃機関において、内燃機関の高負荷時および始動時にブローバイガスを確実に還流させることができるバルブを提供することである。
第1の発明に係るバルブは、クランクケースと、吸気管と、吸気管に設けられ内燃機関へ供給される吸気量を制御するスロットルバルブと、クランクケース内に生じるブローバイガスを吸気管のスロットルバルブよりも下流側へ還流する還流路とを備えた内燃機関において、ブローバイガスの還流量を調整する。このバルブは、スロットルバルブよりも上流側の圧力とスロットルバルブよりも下流側の圧力との差に応じて移動する第1の部材と、還流路に設けられ、第1の部材の移動に伴って、還流路の流路面積を変化させる第2の部材とを含む。第2の部材は、上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しい場合、還流路を遮断しないように流路面積を変化させる。
第1の発明によると、クランクケース内に生じるブローバイガスを吸気管へ還流する内燃機関に、ブローバイガスの還流量を調整するバルブが設けられる。このバルブには、第1の部材と第2の部材とが含まれる。内燃機関の高負荷時においては、スロットルバルブが略全開状態となり、スロットルバルブよりも上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しくなる。上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しくなったことに応じて第1の部材が移動すると、第1の部材の移動に伴って、第2の部材は、還流路を遮断しないように流路面積を変化させる。そのため、ブローバイガスが多量に発生する高負荷時において、ブローバイガスを確実に還流させることができる。さらに、内燃機関の停止時においては、スロットルバルブが略全閉状態となるが、スロットルバルブよりも上流側の圧力と下流側の圧力とはいずれも大気圧となり両者の差はなくなる。そのため、高負荷時と同様に、第2の部材は、還流路を遮断しないように流路面積を変化させる。これにより、たとえば内燃機関の停止時に第1の部材や第2の部材が移動できない状態で凍結しても、還流路は遮断されない。そのため、内燃機関の始動時において、ブローバイガスを確実に還流させることができる。その結果、クランクケース内に生じるブローバイガスを吸気管へ還流する内燃機関において、内燃機関の高負荷時および始動時にブローバイガスを確実に還流させることができるバルブを提供することができる。
第2の発明に係るバルブにおいては、第1の発明の構成に加えて、第2の部材は、平板状のプレートである。このプレートは、第1の部材の移動に伴って還流路の軸方向と略垂直な方向に移動可能に設けられ、還流路をクランクケース側と吸気管側とに分割する平面部と、平面部に設けられ、上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しい場合に還流路と重なる開口部とを含む。
第2の発明によると、プレートの平面部により、還流路はクランクケース側と吸気管側とに分割される。上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しくなったことに応じて第1の部材が移動すると、還流路の軸方向と略垂直な方向にプレートが移動し、プレートの平面部に設けられた開口部が還流路と重なる。そのため、上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しくなる内燃機関の高負荷時および始動時において、開口部を経由させてブローバイガスを還流させることができる。
第3の発明に係るバルブにおいては、第1の発明の構成に加えて、第2の部材は、上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しい場合、上流側の圧力より下流側の圧力が小さい場合に比べて、流路面積を増大させるように変化させる。
第3の発明によると、高負荷時においては、スロットルバルブよりも上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しくなる。一方、低負荷時においては、スロットルバルブ開度が小さくかつ吸気管の空気が内燃機関に供給されるため、スロットルバルブよりも下流側(内燃機関側)の負圧が増大する。すなわち、低負荷時においては、上流側の圧力より下流側の圧力が小さくなる。第2の部材は、上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しい場合、上流側の圧力が下流側の圧力より小さい場合に比べて、流路面積を増大させる。これにより、高負荷時は低負荷時に比べて、流路面積が増大される。そのため、高負荷時に多量に発生するブローバイガスを、低負荷時より多く還流させることができる。
第4の発明に係るバルブにおいては、第3の発明の構成に加えて、第2の部材は、平板状のプレートである。このプレートは、第1の部材の移動に伴って還流路の軸方向と略垂直な方向に移動可能に設けられ、還流路をクランクケース側と吸気管側とに分割する平面部と、平面部に設けられ、上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しい場合、上流側の圧力より下流側の圧力が小さい場合に比べて、還流路と重なる面積が増大するように設けられた開口部とを含む。
第4の発明によると、プレートの平面部により、還流路はクランクケース側と吸気管側とに分割される。上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しくなったことに応じて第1の部材が移動すると、還流路の軸方向と略垂直な方向にプレートが移動し、プレートの平面部に設けられた開口部と還流路と重なる面積が増大する。そのため、高負荷時に多量に発生するブローバイガスを、低負荷時より多く還流させることができる。
第5の発明に係るバルブにおいては、第1の発明の構成に加えて、第2の部材は、上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しい場合に、還流路を遮断しないように流路面積を変化させることに加えて、上流側の圧力より下流側の圧力が大きい場合に、還流路を遮断するように流路面積を変化させる。
第5の発明によると、第2の部材は、上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しい場合に、還流路を遮断しないように流路面積を変化させる。そのため、内燃機関の高負荷時および始動時において、ブローバイガスを確実に還流させることができる。さらに、第2の部材は、上流側の圧力より下流側の圧力が大きい場合に、還流路を遮断する。そのため、内燃機関の燃焼室に供給された混合気が吸気管に戻って燃焼する現象(以下、バックファイヤ現象とも記載する)が生じた場合、上流側の圧力より下流側の圧力が大きくなり、第2の部材により還流路が遮断される。これにより、バックファイヤ現象が生じた場合に、火炎が還流路を通ってクランクケース側に広がることを抑制することができる。
第6の発明に係るバルブにおいては、第5の発明の構成に加えて、第2の部材は、平板状のプレートである。このプレートは、第1の部材の移動に伴って還流路の軸方向と略垂直な方向に移動可能に設けられ、還流路をクランクケース側と吸気管側とに分割する平面部と、平面部に設けられ、上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しい場合に還流路と重なり、上流側の圧力より下流側の圧力が大きい場合に還流路と重ならない開口部とを含む。
第6の発明によると、開口部は、上流側の圧力と下流側の圧力とが略等しい場合に還流路と重なる。そのため、内燃機関の高負荷時および始動時に、開口部を経由させてブローバイガスを還流させることができる。さらに、開口部は、上流側の圧力より下流側の圧力が大きい場合に還流路と重ならない。そのため、バックファイヤ現象が生じた場合に、火炎が還流路を通ってクランクケース側に広がることを、プレートの平面部で抑制することができる。
第7の発明に係るバルブにおいては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、第1の部材は、一方の面がスロットルバルブよりも上流側に接続された部屋に接し、他方の面がスロットルバルブよりも下流側に接続された部屋に接するように設けられたピストン部材である。
第7の発明によると、第1の部材は、一方の面がスロットルバルブよりも上流側に接続された部屋に接し、他方の面がスロットルバルブよりも下流側に接続された部屋に接するように設けられたピストン部材である。そのため、スロットルバルブよりも上流側の圧力と下流側の圧力との差によって直接ピストン部材を移動させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係るPCV装置が実装されたエンジン100について説明する。図1に示すように、このエンジン100は、主として、クランクケース102と、シリンダ104と、ピストン106と、吸気バルブ108と、排気バルブ110と、吸気管112と、排気管114と、シリンダヘッド116とから構成される。
吸気管112には、電子スロットルバルブ118が設けられる。電子スロットルバルブ118にてエンジン100へ供給される吸気量が調整され、調整された量の吸気が吸気管112を通って吸気バルブ108からエンジン100の内部の燃焼室に供給される。供給された吸気により燃料が燃焼され、排気バルブ110および排気管114を経由して燃焼ガスがエンジン100の外部に排出される。
ブローバイガスは、ピストンリングとシリンダ104との隙間からクランクケース102へ漏れる混合ガスのことである。ブローバイガスには多量の炭化水素や水分が含まれており、かつ強酸性であるため、あまり多いとエンジンオイルの劣化やエンジン内部の錆の原因になる。また、炭化水素が含まれているため、このまま大気に排出することは環境によくない。
そのため、クランクケース102の内部とシリンダヘッド116の内部とが連通される。さらに、シリンダヘッド116の内部が、吸気管112における電子スロットルバルブ118より上流側(以下、吸気管112の上流側とも記載する)と管路124により連通され、吸気管112における電子スロットルバルブ118より下流側(以下、吸気管112の下流側とも記載する)と還流路122A,122Bにより連通される。なお、シリンダヘッド116の内部が、管路124によって、吸気管112の上流側とクランクケース102の内部と直接連通されるようにしてもよい。
図1に示す矢印は、ブローバイガスおよび新気の流れを示す。エンジン100に吸気が供給されると、吸気管112の下流側の負圧が大きくなる。そのため、吸気管112の上流側から管路124を通ってシリンダヘッド116の内部に新気が導入される。これにより、クランクケース102内のブローバイガスがシリンダヘッド116の内部に流れるとともに、管路124を通って導入された新気がシリンダヘッド116内部のブローバイガスと混合されて、還流路122A,122Bを流れて吸気管112の下流側に還流される。
還流路122Aと還流路122Bとの間には、PCVバルブ200が設けられている。PCVバルブ200は、吸気管112の下流側に還流されるブローバイガスの還流量を調整する。PCVバルブ200は、ピストン部210と、プレート220と、バネ230と、上流側接続管240と、下流側接続管250とを含む。
ピストン部210は、ピストン212と、上流室214と、下流室216とを含む。ピストン212は、ピストン部210のシリンダ内部に、ピストン212の一方の面は上流室214に、他方の面は下流室216に接するように設けられる。上流室214は、上流側接続管240により、吸気管112の上流側に接続される。下流室216は、下流側接続管250により、吸気管112の下流側に接続される。
プレート220は、一端がピストン212に接続された平板である。プレート220は、ピストン212の移動に伴って、還流路122Aと還流路122Bとの間を、還流路122A,122Bの軸方向と略垂直な方向に移動可能に設けられる。なお、プレート220については後に詳述する。
バネ230は、一端がピストン212に接続される。バネ230の他端は、下流室216の壁面に接続される。なお、バネ230は、下流室216に設けられることに限定されず、上流室214に設けられてもよい。
図2および図3を参照して、PCVバルブ200を構成するプレート220について説明する。なお、図2および図3は、図1における2−2断面図である。
図2に示すように、プレート220の平面部222には、開口部224が設けられる。開口部224は、ピストン212の移動に伴って還流路122A,122Bと重なる面積が変化するように設けられる。
上流室214の圧力と下流室216の圧力とが略等しい場合、図3(A)に示すように、ピストン212は、バネ230の弾性力によりピストン部210のシリンダの中央に保持される。このとき、図3(A)に示すように、開口部224と還流路122A,122Bとが重なる面積(図3の斜線部)は最大となる。
上流室214の圧力より下流室216の圧力が小さい場合、ピストン212には、上流室214と下流室216との圧力差に応じた大きさの力が紙面左方向に作用する。そのため、図3(B)に示すように、ピストン212は、圧力差に応じた大きさの力とバネ230の弾性力とが釣り合う位置まで紙面左側に移動する。このとき、図3(B)に示すように、開口部224と還流路122A,122Bとが重なる面積は、上流室214の圧力と下流室216の圧力とが等しい場合に比べて小さくなる。
上流室214の圧力より下流室216の圧力が大きい場合、ピストン212には、上流室214と下流室216との圧力差に応じた大きさの力が紙面右方向に作用する。そのため、図3(C)に示すように、ピストン212は、圧力差に応じた大きさの力とバネ230の弾性力とが釣り合う位置まで紙面右側に移動する。このとき、図3(C)に示すように、開口部224と還流路122A,122Bとは重ならなくなる。
以上のような構造に基づく、本実施の形態に係るPCVバルブ200の動作について説明する。
エンジン100の低負荷時においては、電子スロットルバルブ118の開度が小さく、かつ吸気管112からエンジン100には空気が供給されるため、吸気管112の上流側の負圧が増大する。そのため、上流室214の圧力より下流室216の圧力が小さくなり、ピストン212は、図3(B)に示す位置まで紙面左側に移動する。このとき、ブローバイガスは、還流路122Aから、開口部224と還流路122A,122Bとが重なる部分(図(B)の斜線部)を通って、還流路122Bへ流れて、吸気管112の上流側へ還流される。
エンジン100の高負荷時においては、電子スロットルバルブ118が略全開状態となり、吸気管112全体(吸気管112の上流側および吸気管112の下流側)の負圧が増大する。そのため、上流室214の圧力と下流室216の圧力とが略等しくなり、ピストン212は、図3(A)に示すように、ピストン部210のシリンダの中央に保持される。このとき、開口部224と還流路122A,122Bとが重なる面積(図3(A)の斜線部)は最大値となり、低負荷時よりも大きくなる。これにより、高負荷時に多量に発生するブローバイガスを、低負荷時より多く還流させることができる。
さらに、エンジン100の停止時においては、電子スロットルバルブ118が略全閉状態となるが、吸気管112の上流側の圧力と吸気管112の下流側の圧力とはいずれも大気圧となり両者の差はなくなる。そのため、開口部224と還流路122A,122Bとが重なる面積が、高負荷時と同様に最大値となる(図3(A)の斜線部参照)。これにより、たとえばエンジン100の停止時にピストン212やプレート220が移動できない状態で凍結しても、還流路122Aと還流路122Bとは遮断されない。そのため、エンジン100の始動時において、ブローバイガスを確実に還流させることができる。
さらに、エンジン100においてバックファイヤ現象が生じた場合、エンジン100の燃焼室に供給された混合気が吸気管112に戻って燃焼する。これにより、吸気管112の上流側の圧力より、エンジン100に近い吸気管112の下流側の圧力が瞬間的に大きくなる。そのため、上流室214の圧力より下流室216の圧力が大きくなり、ピストン212は、図3(C)に示す位置まで紙面右側に移動する。このとき、図3(C)に示すように、開口部224と還流路122A,122Bとが重ならず、還流路122Aと還流路122Bとが遮断される。そのため、バックファイヤ現象が生じた場合に、火炎が還流路122A,122Bを通ってシリンダヘッド116およびクランクケース102の内部に広がることを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係るPCVバルブによれば、スロットルバルブよりも上流側の圧力と下流側の圧力に応じて移動するプレートにより、ブローバイガスの還流路の流路面積を変化させる。スロットルバルブよりも上流側の圧力と下流側の圧力が略等しい場合には、還流路を遮断しないようにプレートを移動させる。これにより、ブローバイガスが多量に発生する高負荷時にブローバイガスを確実に還流させることができるとともに、たとえばエンジンの停止時にプレートが移動できない状態で凍結しても、エンジンの始動時にブローバイガスを確実に還流させることができる。
なお、本発明に係るPCVバルブに搭載されるプレート220の開口部224の形状は、図2および図3に示す形状に限定されない。たとえば、図4に示すように、低負荷時に還流路122A,122Bと重なる面積をより小さくした開口部1224であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係るPCVバルブが搭載されるエンジンの構造を示す図である。 本発明の実施の形態に係るPCVバルブの断面図(その1)である。 本発明の実施の形態に係るPCVバルブの断面図(その2)である。 本発明の実施の形態の係るPCVバルブの断面図(その3)である。
符号の説明
100 エンジン、102 クランクケース、104 シリンダ、106 ピストン、108 吸気バルブ、110 排気バルブ、112 吸気管、114 排気管、116 シリンダヘッド、118 電子スロットルバルブ、122A,122B 還流路、124 管路、200 PCVバルブ、210 ピストン部、212 ピストン、214 上流室、216 下流室、220 プレート、222 平面部、224,1224 開口部、230 バネ、240 上流側接続管、250 下流側接続管。

Claims (6)

  1. クランクケースと、吸気管と、前記吸気管に設けられ内燃機関へ供給される吸気量を制御するスロットルバルブと、前記クランクケース内に生じるブローバイガスを前記吸気管の前記スロットルバルブよりも下流側へ還流する還流路とを備えた内燃機関において、前記ブローバイガスの還流量を調整するバルブであって、
    前記スロットルバルブよりも上流側の圧力と前記スロットルバルブよりも下流側の圧力との差に応じて移動する第1の部材と、
    前記還流路に設けられ、前記第1の部材の移動に伴って、前記還流路の流路面積を変化させる第2の部材とを含み、
    前記第2の部材は、前記上流側の圧力と前記下流側の圧力とが略等しい場合、前記還流路を遮断しないように前記流路面積を変化させるとともに、前記上流側の圧力より前記下流側の圧力が大きい場合に前記還流路を遮断するように前記流路面積を変化させる、バルブ。
  2. 前記第2の部材は、平板状のプレートであり、
    前記プレートは、
    前記第1の部材の移動に伴って前記還流路の軸方向と略垂直な方向に移動可能に設けられ、前記還流路を前記クランクケース側と前記吸気管側とに分割する平面部と、
    前記平面部に設けられ、前記上流側の圧力と前記下流側の圧力とが略等しい場合に前記還流路と重なる開口部とを含む、請求項1に記載のバルブ。
  3. 前記第2の部材は、前記上流側の圧力と前記下流側の圧力とが略等しい場合、前記上流側の圧力より前記下流側の圧力が小さい場合に比べて、前記流路面積を増大させるように変化させる、請求項1に記載のバルブ。
  4. 前記第2の部材は、平板状のプレートであり、
    前記プレートは、
    前記第1の部材の移動に伴って前記還流路の軸方向と略垂直な方向に移動可能に設けられ、前記還流路を前記クランクケース側と前記吸気管側とに分割する平面部と、
    前記平面部に設けられ、前記上流側の圧力と前記下流側の圧力とが略等しい場合、前記上流側の圧力より前記下流側の圧力が小さい場合に比べて、前記還流路と重なる面積が増大するように設けられた開口部とを含む、請求項3に記載のバルブ。
  5. 前記第2の部材は、平板状のプレートであり、
    前記プレートは、
    前記第1の部材の移動に伴って前記還流路の軸方向と略垂直な方向に移動可能に設けられ、前記還流路を前記クランクケース側と前記吸気管側とに分割する平面部と、
    前記平面部に設けられ、前記上流側の圧力と前記下流側の圧力とが略等しい場合に前記還流路と重なり、前記上流側の圧力より前記下流側の圧力が大きい場合に前記還流路と重ならない開口部とを含む、請求項に記載のバルブ。
  6. 前記第1の部材は、一方の面が前記スロットルバルブよりも上流側に接続された部屋に接し、他方の面が前記スロットルバルブよりも下流側に接続された部屋に接するように設けられたピストン部材である、請求項1〜のいずれかに記載のバルブ。
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