JP4876814B2 - 位相差素子および光ヘッド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光の偏光状態を変化させる位相差素子およびこの位相差素子を備えてCD、DVDなどの光記録媒体(以下「光ディスク」という。)に対して記録または再生を行う光ヘッド装置に関する。
従来、この種の光ヘッド装置は、光源および光検出器と、光源から発せられた光ビームを光ディスクの方に導くよう反射すると共に光ディスクからの反射光を光検知器の方に導くよう透過させるビームスプリッタなどの光路分離素子と、光ディスクの情報記録面に対向配置される対物レンズとを備えている。そして特に、対物レンズと光路分離素子との間に、光ビームの偏光状態を変化させる、すなわち光ディスクの情報記録面に照射される光束と情報記録面により反射された光束の偏光面を回転させる1/4波長板を備えるのが一般的である。
前述のような1/4波長板を備えた光ヘッド装置においては、情報記録面上に照射された光スポットのうち予め設定された所定の強度以上の領域(すなわち、光スポットにおけるいわゆるファーフィールド領域)の形状は楕円形状である。そして、この楕円形状における長軸の方向が、情報記録面上に情報ピットにより形成されている記録トラックの方向と直交または平行となるよう設定されている。
前述のように構成された光ヘッド装置が、光ディスクを再生する際に生じうる問題として、情報記録面における複屈折によって、再生信号のS/Nが低下する問題が知られている。このような複屈折は、光ディスクに係る保護層などの透明層において、反射光を構成する光が二重になる現象を起こす。この複屈折の発生は、スタンパなどを用いた光ディスクの製法プロセスに起因しており、光ディスクの内周と外周とにおいて、情報記録面内で屈折率の分布にムラが生じるためである。これにより、ジッタ量、すなわち再生信号が有する時間軸方向のゆらぎが許容範囲を外れ、情報の正しい再生が困難になるという問題が生じる。
この問題の解決を図るものとして、例えば特許文献1に示された光ヘッド装置が提案されている。特許文献1に示された光ヘッド装置は、直線偏光の光ビームを出射する半導体レーザと、反射ミラーやハーフミラーからなる光学系とを備え、半導体レーザは、光ビームの出射方向を中心として所定の角度で回転されて配置され、反射ミラーやハーフミラーの反射光に対する位相差を制御することにより、半導体レーザから出射された光の偏光方向を情報記録面上の情報ピットにより形成されている記録トラックの方向に対して45度の角度に設定して、光ディスクの再生特性を改善するようになっている。
特開2004−259328号公報
しかしながら、特許文献1に示された光ヘッド装置では、反射ミラーやハーフミラーでのS偏光成分およびP偏光成分の位相差を制御する構成となっているが、当該位相差を精度よく制御することは困難であり、偏光方向のばらつきが大きくなりやすいという課題があった。また、互いに異なる複数の波長を用いる場合には、当該複数の波長に対してそれぞれの位相差を制御するのはさらに困難であり、歩留の低下やコストアップを招くという課題があった。また、光ビームの偏光方向を制御する偏光板を用いる方法もあるが、偏光板を用いた場合は、不要な偏光方向の光を偏光板が吸収してしまうので、光の利用効率が低下するという課題があった。
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、製造コストの増大や光の利用効率の低下を招くことなく、光ディスクの再生特性を向上させることができる位相差素子および光ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、少なくとも2つの位相板を組み合わせた位相差素子について種々の検討を行った結果、所定の条件を満たす位相差素子を用いることにより、位相差素子に入射される2つの波長λおよびλの直線偏光の光は楕円偏光となり、入射光の偏光方向に対して位相差素子透過後の楕円偏光の長軸方向が、波長λの光に対しては概ね45度または概ね135度を示し、波長λの光に対しては概ね0度または概ね90度を示すことを見出し、従来の課題を解決した。なお、本明細書において、概ねという文言で示した角度は、その角度が±15度の範囲内にあることを意味している。例えば、概ね45度とは、30度から60度までの範囲の角度をいう。
すなわち、本発明の光ヘッド装置は、少なくとも2つの異なる波長λ およびλ の直線偏光の光を出射する光源と、前記光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、前記光記録媒体からの反射光を検出する検出器と、前記光源と前記対物レンズとの間に設けられて前記光を透過させる位相差素子とを備え、前記位相差素子は、複屈折を有する第1および第2の位相板を含む複数の位相板を備えていて、前記波長λの光に対する前記第1の位相板の位相差角Rd11が90±15度で、前記波長λの光に対する前記第2の位相板の位相差角Rd22が180±15度であって、前記第1の位相板の側から入射した前記波長λの入射光を、入射光の偏光方向に対して概ね45度または概ね135度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光に変換して出射させ、前記第1の位相板の側から入射した前記波長λの入射光を、入射光の偏光方向に対して概ね0度または概ね90度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光に変換して出射させるものであり、前記第1の位相板は、前記第2の位相板よりも前記光源に近い側にある構成を有している。
この構成により、本発明の光ヘッド装置が備える位相差素子は、波長λおよびλの直線偏光の光が、第1および第2の位相板のうち第1の位相板側から入射した場合、入射光をともに楕円偏光に変化させて出力させる。位相差素子透過後の楕円偏光の長軸方向は、波長λの光に対しては概ね45度または概ね135度を示し、波長λの光に対しては概ね0度または概ね90度を示すこととなる。したがって、本発明の光ヘッド装置が備える位相差素子は、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、製造コストの増大や光の利用効率の低下を招くことなく、光ディスクの再生特性を向上させることができる。よって、本発明の光ヘッド装置は、記録再生波長が互いに異なる複数の種類の光ディスクに対応することができる。また、本発明の光ヘッド装置は、位相差素子が、互いに異なる複数の波長の光の偏光方向をそれぞれ最適な方向に回転させ、かつ楕円の偏光を生成するので、光ディスクの再生特性を向上させることができる。
ここで、本発明の光ヘッド装置は、前記位相差素子は、前記波長λの入射光の偏光方向と前記第1の位相板の進相軸のなす角をθ前記波長λの入射光の偏光方向と前記第2の位相板の進相軸のなす角をθ、としたときに、(θ、θ)=(45±10度、0±10度)、(θ、θ)=(45±10度、90±10度)、(θ、θ)=(135±10度、0±10度)および(θ、θ)=(135±10度、90±10度)のいずれかの関係を満たすことが好ましい。
また、本発明の光ヘッド装置は、前記波長λおよび前記波長λが、405±20nm帯、660±20nm帯および790±20nm帯から選ばれた2つの異なる波長である構成を有している。
この構成により、本発明の光ヘッド装置は、Blu−ray、HD−DVD、DVD、CDなどの記録再生波長が互いに異なる光ディスクに対応することができる。また、本発明の光ヘッド装置は、位相差素子が、互いに異なる複数の波長の光の偏光方向をそれぞれ最適な方向に回転させ、かつ楕円の偏光を生成するので、光ディスクの再生特性を向上させることができる。
さらに、本発明の光ヘッド装置は、前記複数の位相板は、積層されて一体化されている構成を有している。
この構成により、本発明の光ヘッド装置は、位相差素子が、第1および第2の位相板を含む複数の位相板を1つの部品として扱えるものとなるので、一体化されていないものよりも部品点数を削減することができて好ましい。また、第1および第2の位相板を予め精度よく貼り合わせることにより、本発明の光ヘッド装置は、位相差素子が、精度よく偏光状態を変換できるので好ましい。
さらに、本発明の光ヘッド装置は、前記位相差素子を透過した光は、前記位相差素子に入射する際の直線偏光の偏光方向に対し、前記波長λの光は概ね45度または概ね135度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光であり、前記波長λの光は概ね0度または概ね90度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光である構成を有している。
この構成により、本発明の光ヘッド装置は、光ディスク面上での偏光方向が、波長λの光においては概ね45度または概ね135度に傾き、波長λの光においては0度または概ね90度に傾く楕円偏光を位相差素子が出射するので、互いに異なる2つの波長の光に対して光ディスクの再生特性を向上させることができる。
さらに、本発明の光ヘッド装置は、前記位相差素子を透過した光は、楕円率が0.10ないし0.90の楕円偏光である構成を有している。
この構成により、本発明の光ヘッド装置は、光ディスク面上での偏光状態を楕円形状とするので、光ディスクの複屈折などに対する信号光量変動を抑制することができる。
本発明は、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、製造コストの増大や光の利用効率の低下を招くことなく、光ディスクの再生特性を向上させることができるという効果を有する位相差素子および光ヘッド装置を提供することができるものである。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態における位相差素子10の構成例を概念的に示す概念図である。
図1に示すように、本実施の形態における位相差素子10は、複屈折性を有する第1の位相板11および第2の位相板12と、第1の位相板11と第2の位相板12とを接着する接着層13とを備えている。
第1の位相板11および第2の位相板12は、複屈折性を有する複屈折材料、例えば液晶を重合した高分子液晶で構成されている。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、水晶やLiNbOのような複屈折性を有する単結晶材料で構成してもよい。また、複屈折性を有する樹脂のフィルム、例えばポリカーボネートやオレフィン系樹脂で構成することもできる。なお、第1の位相板11および第2の位相板12を高分子液晶や樹脂のフィルムで構成することにより、単結晶材料で構成するものよりも厚さを薄くすることができて好ましい。
接着層13は、例えば粘着フィルム、UV硬化型接着剤、熱硬化型接着剤などで構成される。位相差素子10の波面収差の低減、温度特性および信頼性の向上のためには、接着層13はできるだけ薄いことが好ましく、接着層13の厚さを10μm以下にすることが特に好ましい。
なお、図1においては、接着層13によって、第1の位相板11と第2の位相板12とを接着する構成としているが、接着層13を設けなくても、第1の位相板11と第2の位相板12とを光路中に配置する構成とすることもできる。
また、図1においては、第1の位相板11および第2の位相板12の2つの位相板で位相差素子10を構成した例を示したが、本発明の位相差素子はこれに限定されるものではなく、3つ以上の位相板を組み合わせて構成することもできる。例えば、第1の位相板11を2つの位相板11aおよび11bで構成し、位相板11aの位相差と位相板11bの位相差とを組み合わせた位相差が、第1の位相板11による位相差と等しくなる構成とすることもできる。また、例えば、図1に示された位相差素子10に、1/2λ位相板やλ位相板を追加して3つ以上の位相板で構成することもできる。
さらに、本発明に係る位相差素子は、例えば図2に示すように構成することもできる。すなわち、図2に示された位相差素子20は、2枚の透明基板21に位相差素子10が挟持されたものである。ここで、透明基板21は、例えばガラスや樹脂などを用いて構成することができ、複屈折が小さいものが好ましい。この構成により、位相差素子20は、位相差素子10と比較して、剛性が向上するので製造工程上においてハンドリングが行いやすくなるとともに、表面の平坦性が向上するので透過波面収差が改善され、さらに、信頼性も向上するので好ましい。
また、2枚の透明基板21を1枚のみとし、この1枚の透明基板21の片面または両面に位相板を設ける構成としてもよい。この構成により、透明基板21の枚数を削減することができるので、位相差素子20の製造コストの低減化を図ることができて好ましい。
次に、第1の位相板11および第2の位相板12の具体的な構成について説明する。
一般に、複屈折性を有する位相板の位相差Rdは、位相板の光学軸(進相軸)に平行で光学軸に直交する偏光方向の光に対する屈折率の差(Δn)と複屈折層の厚さdとの積Δn・dを光の波長λで除算し、Rd=(Δn・d/λ)×360(度)で表すことができる。通常、1つの複屈折層からなる位相板では、波長により位相差が異なるが光学軸方向は等しいため、波長が互いに異なる2つ以上の光に対し、それぞれに対する所望の偏光状態をともに実現することは困難であった。
そこで、本発明の発明者は、少なくとも2つの位相板を組み合わせた位相差素子について種々の検討を重ね、下記条件を満たす第1の位相板11および第2の位相板12によって位相差素子10を構成することにより、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、それぞれに対する所望の偏光状態をともに実現することができることを見出すに至った。
まず、位相差素子10に入射する互いに異なる2つの光の波長をそれぞれ波長λおよびλとする。第1の位相板11の波長λの光に対する位相差Rd11を式(1)に示す値とする。
Rd11=90±15(度) ・・・ (1)
波長λと波長λとは異なるので、第1の位相板11の波長λの光に対する位相差Rd12は、位相差Rd11とは異なる。
一方、第2の位相板12の波長λの光に対する位相差Rd22を式(2)に示す値とする。
Rd22=180±15(度) ・・・ (2)
波長λと波長λとは異なるので、第2の位相板12の波長λの光に対する位相差Rd21は、位相差Rd22とは異なる。
なお、第1の位相板11および第2の位相板12における位相差は、それぞれ式(1)および式(2)に示すものに限定されるものではなく、例えば第2の位相板12における位相差Rd22は、180+360×i(度)でもよい(iは整数)。
波長λの入射光の偏光方向と第1の位相板11の進相軸がなす角θ、波長λの入射光の偏光方向と第2の位相板12の進相軸がなす角θは、式(3)〜(4)に示す4つの組み合わせが可能である。なお、式(3)〜(4)においては、角θおよびθがなす方向を特に定めていない。角θおよびθは同一方向とすることが好ましいが、互いに異なる方向としてもよい。
(θ、θ)=(45±10度、0±10度) ・・・ (3)
(θ、θ)=(45±10度、90±10度) ・・・ (4)
(θ、θ)=(135±10度、0±10度) ・・・ (5)
(θ、θ)=(135±10度、90±10度) ・・・ (6)
具体的には、Blu−ray(またはHD−DVD)に用いられる405±20nm帯の光をBD光、DVDに用いられる660±20nm帯の光をDVD光、CDに用いられる790±20nm帯の光をCD光と表すと、例えば以下のような組み合わせが可能である。なお、以下に記載の「45±10度」を「135±10度」と置き換えることもできる。
1)BD光でのθ=45±10度、CD光でのθ=0±10度または90±10度
2)DVD光でのθ=45±10度、CD光でのθ=0±10度または90±10度
3)BD光でのθ=45±10度、DVD光でのθ=0±10度または90±10度
4)DVD光でのθ=45±10度、BD光でのθ=0±10度または90±10度
5)CD光でのθ=45±10度、DVD光でのθ=0±10度または90±10度
次に、本発明に係る位相差素子の具体的な設計例のいくつかを表1〜3に示す。表1および表2に示された位相差素子の設計例は、波長λ=660nm、波長λ=790nmの光が同じ方向の直線偏光で位相差素子に入射した場合のものである。表1は、位相差Rd11について90度を中心に、位相差Rd22について180度を中心に変化させた場合の設計例を示すものである。また、表2は、位相差Rd11が90度、位相差Rd22が180度の場合の設計例を示すものであり、表1に示された例1のものも重複して掲載している。また、表3に示された位相差素子の設計例は、405nm、660nmおよび790nmの波長から2つの波長を選択して組み合わせ、当該波長の光が同じ方向の直線偏光で入射した場合のものであり、表1に示された例1のものも重複して掲載している。
Figure 0004876814
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例えば表1において、例1のものは、第1の位相板11の波長λの光に対する位相差Rd11=90度、第2の位相板12の波長λの光に対する位相差Rd22=180度、第1の位相板11の進相軸の入射偏光方向に対する角度θ=45度、第2の位相板12の進相軸の入射偏光方向に対する角度θ=90度の位相差素子である。この例1の位相素子を透過した波長λの透過光は楕円偏光となり、入射偏光方向に対する楕円偏光の長軸方向の角度は45度で楕円率=0.52である。例1の位相差素子を同様に透過した波長λの透過光は楕円偏光となり、入射偏光方向に対する楕円偏光の長軸方向の角度は0度で楕円率=0.77である。ここで、楕円率とは、楕円偏光の長軸に対する短軸の比(短軸/長軸)をいい、楕円率=1は円偏光を、楕円率=0は直線偏光を示す。
表1〜3に示すように、入射偏光方向に対し、波長λの光は概ね45度または概ね−45度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光であり、波長λの光は概ね0度または概ね90度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光である。また、位相差素子を透過した光は、楕円率が概ね0.10ないし0.90の楕円偏光である。
なお、複数の波長から波長λおよび波長λを決定する場合、両者の大小関係は、波長λ<波長λとするのが好ましいが、波長λ>波長λとしてもよい。表3の例12および13に示すように、波長λ>波長λの場合、楕円偏光の長軸方向は、波長λ<波長λの場合に対して90度回転したものとなっている。
以上のように、本実施の形態における位相差素子10は、互いに異なる2つの波長λおよびλの直線偏光の光が入射されたとき、ともに楕円偏光を出射することができ、入射偏光方向に対して各楕円偏光の向きをそれぞれ概ね45度または概ね135度、および概ね0度または概ね90度の方向とすることができる。
また、波長λおよび波長λの入射光の偏光方向は、互いに平行とすることが好ましいが、互いに直交させることもできる。
次に、本実施の形態における位相差素子10を光ヘッド装置に適用した場合について説明する。図3は、本発明に係る光ヘッド装置の一例を示す模式図である。
図3に示すように、本実施の形態における光ヘッド装置30は、互いに異なる波長のレーザ光線をそれぞれ出射する光源31および32と、光源31および32からの光を合波する合波プリズム33と、入射光を光ディスク37または光検出系38に導くビームスプリッタ34と、入射光を平行光に変換するコリメータレンズ35と、入射光を楕円偏光に変換する位相差素子10と、光ディスク37に集光する対物レンズ36と、光ディスク37からの再生光を検出する光検出系38とを備えている。
光源31および32は、例えば半導体レーザで構成され、直線偏光のレーザ光を合波プリズム33に出射するようになっている。ここで、例えば、光源31が出射するレーザ光の波長λは660±20nm帯、光源32が出射するレーザ光の波長λは790±20nm帯である。なお、1つの半導体レーザから2つの波長を発光するいわゆるツインレーザを用いてもよい。また、波長λおよびλとは異なる第3の波長の光を出射する光源を追加する構成としてもよい。
合波プリズム33は、透光性を有する材料、例えばガラスや樹脂などで構成され、光源31からのレーザ光を透過し、光源32からのレーザ光を反射する反射面を備えている。この構成により、合波プリズム33は、光源31および32からのレーザ光を合波してビームスプリッタ34に出射するようになっている。
ビームスプリッタ34は、透光性を有する材料、例えばガラスや樹脂などで構成され、光源31および32からのレーザ光を透過し、光ディスク37からの再生光を反射する反射面を備えている。
コリメータレンズ35は、透光性を有する材料、例えばガラスや樹脂などで構成され、入射されたレーザ光を平行光に変換するようになっている。
位相差素子10は、前述のように図1に示した第1の位相板11および第2の位相板12を備えている。図3においては図示を省略したが、第1の位相板11は、第2の位相板12よりも光源31および32に近い側になるよう配置されている。なお、位相差素子10に代えて図2に示した位相差素子20を用いる構成としてもよい。また、位相差素子10の配置場所としては、図3に示された位置に限定されず、光源31および32と対物レンズ36との間の光路中に配置してあればよい。
対物レンズ36は、例えば所定のNA(開口数)を有する樹脂製のレンズで構成され、位相差素子10から入射された楕円偏光の光を光ディスク37の記録層に集光し、記録層からの反射光を捕捉するようになっている。なお、位相差素子10は、対物レンズやその他の回折素子、開口制限素子と一体にしてもよい。
光検出系38は、例えばレンズやフォトダイオードなどを含み、ビームスプリッタ34の反射面によって反射された光ディスク37からの再生光を電気信号に変換するようになっている。
以上のように、本実施の形態における光ヘッド装置30は、位相差素子10を備え、位相差素子10は、互いに異なる2つの波長λおよびλの直線偏光の光が入射されたとき、ともに楕円偏光を出射し、その時の入射偏光方向に対して各楕円偏光の長軸の方向をそれぞれ概ね45度または概ね135度、および概ね0度または概ね90度の方向とすることができる。すなわち、光ディスク37のピットに対する楕円偏光の角度を好適に設定することができる。
次に、楕円偏光の角度の設定に関し、図4を用いて説明する。図4は、光ディスク37のピットに対する楕円偏光の状態を模式的に示したものである。
本発明の発明者の検討結果によれば、図4に示すように、特にDVDや、青色レーザを用いる高密度の光記録媒体である光ディスクのピットの長手方向に対して、45度に傾いた偏光の光を照射することで、光ディスクの再生特性(例えばCNR)が向上することがわかった。一方、光ディスク37に照射される光の偏光状態としては、直線偏光(楕円率=0)より円偏光(楕円率=1)に近いほうが光ディスクの複屈折に対してジッタの低下が抑制されて好ましいことがわかった。したがって、光ディスクのピットの長手方向に対して概ね45度または概ね135度傾いた楕円偏光であって、その楕円率が0.10〜0.90の光を光ディスク37に照射することが、光ディスク37の複屈折が比較的大きな場合でも信号強度の変化が小さくなり、ジッタの低下が抑制され好ましい。また、さらに楕円率を0.20ないし0.80とするのがより好ましく、0.3ないし0.75とするのが最も好ましいことがわかった。
したがって、例えばDVDに用いられる波長λ=660±20nm帯の光については、図4の左側に示すように光ディスクの半径方向またはピット方向に対して概ね45度または概ね135度に長軸方向をなす楕円偏光として光ディスクに照射することで、光ディスクの再生特性、特にジッタやCNRを改善できるので好ましい。なお、比較的記録密度が小さいCDなどの場合は、光ディスクのピットに対して偏光方向を変えることによるディスクの再生特性の改善効果はそれほど大きくはない。
一方、図3において図示を省略しているが、例えば位相差素子10と対物レンズ36との間には立ち上げミラーが設置され、この立ち上げミラーの表面には反射膜が設けられる。この構成の場合、ミラー表面の反射膜による位相差によって偏光状態が変化することがあり、問題となる場合があるが、ミラーの反射膜による位相差を互いに異なる2つの波長に対してそれぞれ適性に制御することは特に難しい。ミラーに対する偏光方向をP偏光かS偏光に近づけるとミラーの反射膜による位相差による偏光状態の変化を受けにくくすることができる。このP偏光またはS偏光は光ディスクの半径方向または接線方向と平行、すなわち長軸方向が0度または90度の方向となる。つまり、図4に示された第2の偏光状態の光を光ディスクに照射することによって、ミラーの反射膜による位相差の影響を受けにくくすることができるので、ミラーの設計が容易になりコストダウンにつながり好ましい。
次に、本実施の形態における光ヘッド装置30の動作について説明する。
まず、光源31および32によって、互いに異なる波長λおよびλの直線偏光の光が出射される。
次いで、合波プリズム33によって、光源31が出射した波長λのレーザ光と、光源32が出射した波長λのレーザ光とが合波され、ビームスプリッタ34に出射される。
さらに、ビームスプリッタ34によって、波長λおよびλのレーザ光が透過されてコリメータレンズ35に出射され、コリメータレンズ35によって、平行光に変換されて位相差素子10に出射される。
続いて、位相差素子10によって、波長λおよびλの直線偏光の光が楕円偏光に変換されて対物レンズ36に出射される。ここで、位相差素子10を透過した波長λの透過光は楕円偏光となり、例えば、入射偏光方向に対する楕円偏光の長軸方向の角度は45度で楕円率は=0.52である。また、波長λの透過光も楕円偏光となり、例えば、入射偏光方向に対する楕円偏光の長軸方向の角度は0度で楕円率=0.77である。
次いで、対物レンズ36によって、位相差素子10から出射された楕円偏光の光が光ディスク37に集光され、光ディスク37上のピットに応じた反射光が光ディスク37から反射される。光ディスク37からの反射光は、対物レンズ36、位相差素子10およびコリメータレンズ35を順次透過してビームスプリッタ34に入射される。
そして、ビームスプリッタ34の反射面によって、光ディスク37からの反射光が反射され、光検出系38に入射され、光検出系38によって、光ディスク37に記録された情報が電気信号として取得される。
以上のように、本実施の形態における光ヘッド装置30によれば、位相差素子10は、互いに異なる2つの波長λおよびλの直線偏光の光が入射されたとき、ともに楕円偏光を出射することができ、入射偏光方向に対して楕円偏光の向きをそれぞれ45度および0度の方向とすることができるので、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、製造コストの増大や光の利用効率の低下を招くことなく、光ディスク37の再生特性を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る位相差素子および光ヘッド装置は、互いに異なる複数の波長を用いる場合でも、製造コストの増大や光の利用効率の低下を招くことなく、光ディスクの再生特性を向上させることができるという効果を有し、光の偏光状態を変化させる位相差素子や、CD、DVDなどの光ディスクに対して記録または再生を行う光ヘッド装置等として有用である。
本発明の一実施の形態における位相差素子の構成例を概念的に示す断面図 本発明の一実施の形態における位相差素子の他の構成例を概念的に示す断面図 本発明の一実施の形態における光ヘッド装置の構成例を示す模式図 本発明の一実施の形態における光ヘッド装置において、光ディスクのピットと偏光状態との関係を模式的に示す図
符号の説明
10、20 位相差素子
11 第1の位相板
12 第2の位相板
13 接着層
21 透明基板
30 光ヘッド装置
31、32 光源
33 合波プリズム
34 ビームスプリッタ
35 コリメータレンズ
36 対物レンズ
37 光ディスク
38 光検出系

Claims (6)

  1. 少なくとも2つの異なる波長λ およびλ の直線偏光の光を出射する光源と、前記光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、前記光記録媒体からの反射光を検出する検出器と、前記光源と前記対物レンズとの間に設けられて前記光を透過させる位相差素子とを備え、
    前記位相差素子は、複屈折を有する第1および第2の位相板を含む複数の位相板を備えていて、前記波長λの光に対する前記第1の位相板の位相差角Rd11が90±15度で、前記波長λの光に対する前記第2の位相板の位相差角Rd22が180±15度であって、
    前記第1の位相板の側から入射した前記波長λの入射光を、入射光の偏光方向に対して概ね45度または概ね135度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光に変換して出射させ、
    前記第1の位相板の側から入射した前記波長λの入射光を、入射光の偏光方向に対して概ね0度または概ね90度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光に変換して出射させるものであり、
    前記第1の位相板は、前記第2の位相板よりも前記光源に近い側にあることを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 前記位相差素子は、前記波長λの入射光の偏光方向と前記第1の位相板の進相軸のなす角をθ前記波長λの入射光の偏光方向と前記第2の位相板の進相軸のなす角をθ、としたときに、
    (θ、θ)=(45±10度、0±10度)
    (θ、θ)=(45±10度、90±10度)
    (θ、θ)=(135±10度、0±10度)
    および
    (θ、θ)=(135±10度、90±10度)
    のいずれかの関係を満たす請求項1記載の光ヘッド装置。
  3. 前記波長λおよび前記波長λが、405±20nm帯、660±20nm帯および790±20nm帯から選ばれた2つの異なる波長である請求項1または2記載の光ヘッド装置。
  4. 前記複数の位相板は、積層されて一体化されている請求項1ないし3のいずれか1項記載の光ヘッド装置。
  5. 前記位相差素子を透過した光は、前記位相差素子に入射する際の直線偏光の偏光方向に対し、前記波長λ の光は概ね45度または概ね135度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光であり、前記波長λ の光は概ね0度または概ね90度傾いた方向に長軸を有する楕円偏光である請求項1ないし4のいずれか1項記載の光ヘッド装置。
  6. 前記位相差素子を透過した光は、楕円率が概ね0.10ないし0.90の楕円偏光である請求項1ないし5のいずれか1項記載の光ヘッド装置。
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