JP4876599B2 - 突合せ溶接部の良否検出方法および装置 - Google Patents

突合せ溶接部の良否検出方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、突合せ溶接部の良否検出方法及び装置に係り、特に、鋼帯等をフラッシュバット法等の突合せ溶接する工程において、溶接によって生じる盛上がり部を除去した後に溶接部の良否を検査する方法及び装置に関する。
従来、冷延工程や酸洗工程ではプロセスへ鋼帯を連続的に供給するため、ルーパー等によりラインを停止させずに先行コイルと後行コイルを溶接により接続する設備、具体的にはフラッシュバット、シーム溶接、スポット溶接等の溶接機および肉盛り切削手段等の付帯装置が設けられているのが一般的である。この肉盛りは溶接時に鋼帯突合せ部が溶融した状態で板の長手方向に押付けることに伴って溶融金属が断面からはみ出すもので、溶接直後に肉盛りの形状に応じたバイト、砥石等の切削工具で平面状に切削するのが一般的である。ところでこれらの溶接機によるコイル間の溶接の良否判定は、後続の工程におけるコイルの溶接部破断などのトラブルを防止する上で重要である。なぜなら一般には接続された鋼帯も母材と同様なライン、ピンチロールや圧延ロール等を通過するため、溶接部ができるだけ母材と同様の形状となっていることが必要だからである。
この溶接部良否判定としては、古くから肉盛り切削後に鋼帯を一旦停止させて溶接部の表裏面を観察する目視検査、ハンマーを用いて溶接部の強度を確認するハンマーテスト、また自動検査の方法としては、特許文献1に開示されているような、溶接電力および溶接時間に基づいて判別する方法、特許文献2に開示されているような、溶接電極内に超音波探触子を埋め込んで超音波の透過強度に基づいて溶接状態の良否を判別する方法、特許文献3に開示されているような、溶接直後に測定する表面温度に基づいて溶接状態の良否を判別する方法、など種々の方法が提案されている。
また、別な従来技術としては、溶接後の盛り上がり除去後の溶接部形状を測定し、それに基づいて溶接部の良否を判別する方法も複数提案されている。すなわち特許文献4においては光切断法で検出する盛り上がり除去後の溶接部形状の微分波形の変動成分の大小により良否判別を行う方法が提案されており、また、特許文献5においては、突合せ溶接部の表裏面から2次元距離計でそれぞれ検出する溶接部形状と先行、後行材の板厚情報に基づき、突合せの目違い量やビード残りを算出し良否判定に用いる方法が提案されている。
特開昭50−83245号公報 特開昭52−150760号公報 特開昭56−99082号公報 特開平1−209307号公報 特開平5−154510号公報
しかしながら、上記の目視検査、ハンマーテストは、溶接電極等が入り組んでいる溶接機内で作業することはできず、鋼帯を溶接部が溶接機下流側で露出する位置まで移動後、暫く停止させる必要があるために、生産効率が下がり、また良否検査は作業者の主観に依存するために再現性、客観性に欠けるという問題点があった。
また、特許文献1に記載の方法では、溶接する鋼帯の鋼種や板厚毎の理想的溶接エネルギー効率を予め把握し、実操業においてもこれらの因子毎に判別因子を切り替える必要があるので運用が複雑になるという問題点や、溶接部や溶接機の汚れや劣化による溶接効率の変化が溶接エネルギーと溶接部品質との相関に影響を与えるという問題点があった。
また、特許文献2に記載の方法は電極毎に超音波探触子を埋め込むのでコスト高になること、透過波が極小となる時点と通電終了時点との差から判別を行うか、溶接部良否への影響因子は超音波減衰から推定される溶接部の大きさのみではないので、判別の信頼性に疑問がある。
また、特許文献3に記載の方法では、表面の最高温度およびそのばらつきでの評価となるので、目違いなどによる溶接不良を正確に検出できないばかりか、放射温度計の視野が溶接線からずれた場合の誤差、表面のスケール付着状況等による放射率変化の影響を大きく受けるため、信頼性の高い検出が困難であるという問題点があった。
また、特許文献4に記載の方法では、光切断法で盛り上がり除去後の溶接部形状を算出するので、温度法などに比べ測定範囲を広く取れるという利点はあるが、光切断法で検出する鋼帯表面の形状波形はたとえ母板部であっても散乱等の影響で微小変動(高周波成分)を含むため微分演算によって微小変動成分も強調されてしまい、溶接部不良検出のS/Nが低下する、という問題点があった。
又、特許文献5に記載の方法では、ビード残りを母板部の距離値と測定範囲内の最高点との差として定義しているために、最も板破断に有害な溶接不良因子である切削部縁部の段差を直接検知できず、あるいは突合せ部の曲がり等の変形を段差と誤検出してしまうこと、さらに目違いが存在しても溶接と切削が正常であれば板破断が起こらないケースもあり目違い量が溶接部良否の主要因子たり得ない、といった問題点があった。またこの方法で使用している2次元距離計は一般にレーザー光の走査範囲内で対象表面の反射率変化をオートゲイン補正しながら測定するが、一般にビード切削後の切削部は非常に強い鏡面状態となっていて周囲の母板部とは反射率が大きく異なるため、通常の2次元距離計で切削面を含んだ溶接部の形状を正しく測定できないという問題点があった。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、突合せ溶接部の良否判定の確実性を高めることを課題とする。
本発明は、突合せ溶接後の盛上がり部を除去した後に溶接部の良否を検査する方法において、溶接線に対して、略直交方向のスリット光を、溶接線方向に走査して複数位置における画像を撮像し、前記撮像した画像の各々において、光切断法にもとづき溶接部断の高さを算出するとともに、前記各画像の反射光の強度分布を算出し、該反射光の強度分布において所定強度以下となる領域を求め、その領域の端部を基準に設定される所定領域内での前記断面の高さの最大値と最小値の差を該断面形状の変化量として算出し、該変化量が所定値以上であるか否かを判定する処理を前記撮像した全ての画像について行い、前記変化量が所定値以上となった画像数から、突き合わせ溶接部の良否を判定するようにして、前記課題を解決したものである。
本発明は、又、突合せ溶接後の盛上がり部を除去した後に溶接部の良否を検査する溶接部良否検査装置であって、溶接線に対して、略直交方向のスリット光を照射する光源と、該スリット光を溶接線方向に走査して複数位置における画像を撮像する撮像手段と、前記撮像した画像の各々において、光切断法にもとづき溶接部断の高さを算出するとともに、前記各画像の反射光の強度分布を算出する画像処理手段と、該反射光の強度分布において所定強度以下となる領域を求め、その領域の端部を基準に設定される所定領域内での前記断面の高さの最大値と最小値の差を該断面形状の変化量として算出し、該変化量が所定値以上であるか否かを判定する処理を前記撮像した全ての画像について行い、前記変化量が所定値以上となった画像数から、突き合わせ溶接部の良否を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする、突合せ溶接部の良否検査装置を提供するものである。
本発明は、溶接盛り上り部除去後の溶接線を含む領域の立体形状とそのうちのビード除去部分を同時に検出するようにしたので、溶接エネルギーや温度、超音波減衰といった間接指標でなく溶接点破断に直接影響するビード除去部周縁部の削り残し段差等の形状因子によって判別することが出来るようになり、突合せ溶接部の良否判定の確実性を高めることができた。また、これらの検査は数値指標により自動的に行うので、従来の目視観察やハンマリング試験において問題であった検査員依存性はなく、再現性、客観性に優れていることは明らかである。
本発明は、光切断法の装置構成を利用して対象物の横断方向の形状分布と表面の反射率情報に着目した反射光強度の分布を同時に、かつ溶接線に沿って多数検出し、溶接部の3次元的形状とビード付近の平面的な画像情報に基づいて溶接部の良否判定を行おうというものである。
これを実現させるためには、溶接ビード切削直後のビード部に、そのビード部と略直交方向に延びるスリット光(レーザ・スポット光を高速走査することにより見かけ上、スリット光とみなす光も含む)を照射し、その拡散反射光(乱反射光)を画像として撮像してその反射光の位置と輝度をそれぞれ検出する。一般的には、反射光の位置の検出は2値化処理による細線化処理手法を用い、反射光の輝度検出はスリット光に対し略直交方向の輝度分布において最大輝度を求めることで、それぞれ検出可能である。
しかしながら、ビード切削直後の切削帯は鏡面状態になっているため、反射光は鏡面反射成分が強く、ほとんどが正反射方向となり、拡散反射光成分は少なく、その光量は少なくなる。一方で溶接部でない母材部(素材部)は、ランダムな表面状態であるため拡散反射成分が強く、拡散反射光の光量が多くなる。従って、スリット光を鋼板に対して、所定入射角度の斜め方向に照射させて拡散反射方向からカメラなどの撮像装置で観察(撮像)すると、スリット光の反射像の輝度分布は、母材部(素材部)で明るく、切削部では暗くなり、一般的な2値化処理による手法では、ビード切削部の反射光の位置検出が不可能な場合がある。
そのような場合には、本出願人によって出願された特開2003−322513号公報に開示されている、2値化処理を含まない動的なモーメント演算に基づいた細線化処理を用いるのが良い。
そして、上述のように検出した反射光の輝度データにおいて、被検査体(ビード部)の横断方向(略直交方向)に沿ったスリット光の反射光の輝度が低下する領域をビード切削帯とし、上述のように検出した反射光の位置データから求めた形状データにおいて、切削帯と母材部の境界近辺(算出した境界位置を基準として設定される所定領域)での断面の高さの最大値と最小値の差を断面形状の変化量(あるいは変化率)として算出し、その変化量が閾値以上であるか否かを判定する。これにより、溶接部形状不良の有無を、突合せ母材の曲がり等の影響を受けず的確に検出することが可能となる。
スリット光の反射光の撮像は、ビード部方向に沿って複数箇所において行い、複数の画像データを得る。これらの複数の画像データについて、上述の演算処理を行って、閾値以上となる画像数(測定箇所に相当)をカウントし、その値が所定数となる場合に、溶接部の異常と判断すれば、溶接線に沿った、突合せ溶接部の総合的な良否判定が可能である。ビード周縁部における段差発生の有無や段差が発生している領域の割合、また切削幅の変化、切削の曲がりといった、従来の目視点検での着眼点に即した判定方法を採用すればよい。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明にかかる方法を適用した突合せ溶接部の良否検出装置の構成の一例を示す概略図である。
図1において、1は測定ヘッド、2は画像処理装置、3は表示装置、4は被測定物である。
測定ヘッド1は、溶接部の光切断画像を採取するもので、その構成の一例としては、光源10、光源レンズ11、カメラ(撮像手段)12、受光レンズ13、ミラー14などにより構成され、光源の波長や入射角度等の好適な測定条件は本発明者らが出願した特開2004−117053号公報に開示されているようなものを準用すればよい。光源からの光の入射角αおよびカメラ(撮像手段)光軸の角度βとすると、(α+β)が略90°であることが好ましい。また、光源としては点状に集束したスポット光を反射ミラー等により高速に扇状または平行に走査させるスキャン光を用いてもよいが、好適には光源からの放射光を線状に集束させるためのシリンドリカルレンズを用いて、これら光源とレンズを一体化したスリット光源を用いれば構造が簡素化される。なお、スリット光の短辺幅は溶接の段差に比べて十分小さいことが好ましい。なお、ここで、点光源を走査させる方式を採用した場合には少なくとも走査一周期以上の期間は、光源は点灯し、そのカメラの撮像周期(露光時間)はその期間以上とする必要がある。
なお、光源10と撮像手段12と溶接部40の位置関係は図2に示すとおりで、光源10から照射されるスリット光100は溶接部40の溶接線方向(例えば、連続ラインにおける鋼板搬送方向の直交方向である幅方向に対応する)に略直交方向に照射されるような位置関係となっている。
また装置の使用環境を勘案して、測定ヘッド1は光路をさえぎらない開口部16、17を除いて密閉構造とし、図示しない空冷等の冷却手段により溶接の熱などから機器を防護することが望ましい。更に、測定ヘッド1は溶接線に沿った複数箇所での溶接部40の光切断画像を採取するので、図示しない移動機構により突合せ溶接部に概一定ギャップで正対したまま鋼帯の幅方向に移動できるようになっていることが望ましい。
画像処理装置2は、測定ヘッド1の動作を制御し、また溶接部40の各位置で測定ヘッド1が採取した光切断画像群から、溶接部の3次元的な形状および輝度分布画像を生成、また判別するもので、その構成としては、光源電源20、カメラ電源21、画像データ変換回路22、画像処理回路23、判別回路24、などで構成すればよい。
このうち、光源電源20、カメラ電源21は、それぞれスリット光源10、カメラ12に所定の駆動電力を供給するものであり、公知の電源回路で機器に応じた電圧、容量のものを使用すればよい。
画像データ変換回路22は、カメラ12の各画素で受光した反射強度を輝度情報(電圧)をそれぞれ2次元の画素位置に対応した数値列に変換する、画像入力手段である。
画像処理回路23は、断面形状算出部230、輝度分布算出部231、形状データメモリ232、輝度データメモリ233で構成される。断面形状算出部230は、画像データ変換回路22から撮像した画像データを入力して、その画像データから光切断法によって断面形状座標を算出し、そのデータを形状データメモリ232に記憶する。断面形状算出部における断面形状の算出手法は、光切断像の切削部と非切削部における輝度レベルの違いの影響を受けない、ビード切削形状の光切断画像を前述の特開2003−322513号公報に開示された動的モーメント演算に基づく細線化処理を行ない、光切断線を抽出する。輝度レベルの違いが問題にならない程度であれば、一般的な2値化処理による細線化処理を用いても良い。そして、抽出された切断線に基づいて、断面形状を算出する。輝度分布算出部231は、同様に画像データ変換回路22から撮像した画像データを入力して、スリット光が被検査体表面において反射し、観察される反射光強度(輝度)分布データを算出し、輝度データメモリ233に記憶する。
判別回路24は、形状データメモリ232の断面形状データ、輝度データメモリ233の輝度分布データに基づき溶接点良否の判別を行うもので、その構成の一例としては、図3に示すように、輝度変化探索回路240、切削部段差検出回路241、段差発生判定回路242、段差発生領域計数カウンタ243、切削不良判別回路244から構成される。これらのいずれも、比較回路等の論理演算素子で構成してもよいし、それに相当するプログラム演算機能を備えた計算機により構成してもよい。
輝度変化探索回路240は、輝度分布データの輝度変化に基づいてビード周縁部(ビード切削領域端部の周辺部)の領域範囲を算出する。溶接線方向に走査して測定する各測定位置の輝度分布データにおいて、中央部付近で輝度が減少している領域の境界部をビード切削部として算出するものであるが、適切な閾値設定と中央から左右方向への探索法などで算出する。
また、切削部段差検出回路241、段差発生判定回路242、段差発生領域計数カウンタ243、切削不良判別回路244の処理は、輝度変化探索回路240で算出したビード切削領域の両端についてそれぞれ行うが、ビード切削領域の開始点と終了点は同じ処理であるので、開始点について説明する。
具体的には、切削部段差検出回路241は、上記輝度変化探索回路240が出力するビード周縁部開始点の座標を中心とし溶接線と直交方向に所定の幅をもつ座標領域における切削形状(高さ)データの最大変化量(最大値と最小値の差)、すなわち凹凸の最大変化量、を算出する。
そして、段差発生判定回路242は、その切削形状データの最大変化量が閾値T1を超えているか判別する。
段差発生領域計数カウンタ243では、その閾値を超えている場合には、カウント値をインクリメントし、閾値を超えた測定箇所の数をカウント(計数)する。なお、切削部の開始点と終了点についてこの処理をそれぞれ行うことになる。
切削不良判別回路244は、段差発生領域計数カウンタ243の値を読み込んで、段差発生判定回路242が最大変化量の良否を判断するための閾値T1を超えていると判定した測定箇所の数が、測定箇所の全数に占める割合を算出し、これが第2の閾値T2を超えていれば、不良と出力するものである。なお、測定箇所の全数が測定対象毎でほとんど変わらなければ、全数に対する比率でなくとも、単純に閾値T1を超えた計数値で評価しても良い。
そして、表示装置3は、切削不良判定回路244の出力に従って画面や音等で作業員に注意を喚起するか、図示しない信号線を経由して外部の操業管理装置(ビジネスコンピュータ等)に不良情報を送信するものであり、公知の警報機、CRT装置、通信装置等で構成することが出来る。
以下に、本実施例の動作を測定例のデータを用いて説明する。
図4は、測定ヘッド1が溶接部40のある任意の箇所において、溶接線に対し直交方向にスリット光を照射して、その反射光を検出した光切断画像を画像処理回路23により処理した結果である。図4において、(a)は断面形状算出部230で算出した断面形状データ、(b)は輝度分布算出部231で算出した輝度分布データである。図4(a)の横軸は溶接線に直交する位置座標、縦軸は断面形状を示す被測定対象表面の高さ座標である。図4の(a)の断面形状は、一般的に知られる2値化処理による細線化処理で算出してもよいが、ここでは検出精度の高い、特開2003−322513号公報に開示された方法を用いるとして、以下に説明する。スリット光の反射光をCCDカメラなどの二次元撮像手段で撮像し、図5に示す2次元の光切断画像を得る。図5の二次元メッシュの左下隅の画素をX=X1、Y=Y1とし、幅方向にX軸、管軸方向にY軸をとり、各画素の座標をX=Xi(i=1,2、・・・、m)、Y=Yj(i=1、2、・・・、n)、画素の輝度をI(Xi、Yj)とし、次式で定義される加重平均S(Xi)を、X=Xiにおける光切断線のY座標と決定する。
S(Xi)=ΣYj I(Xi,Xj)/ΣI(Xi,Yj)・・・(1)
なお、スリット光の照射領域外の地合部に発生する間接反射光や背光などの外乱成分による誤差要因を排除するために、以下の(1)〜(3)の手順により、各X座標において、光切断線のY座標を求める。
(1)Y軸方向の最大輝度となるY座標Y0とその点での輝度I0を求める。
(2)予め定めた画素数Nwを用い0≦Y≦Y0−NwΔY、Y0+NwΔY≦Y≦Yn(Ynは光切断画像のY方向端の画素の代表点のY座標。ΔYは一画素のY方向長さ)の範囲の最大輝度I1を求める。
(3)I0とI1の間の適切な値(たとえば平均値(I0+I1)/2)を閾値J1とし、Y方向の画素輝度がJ1より大なるYの範囲において上述の式(1)より、S(Xi)を算出する。
(4)管軸方向へのスリット光照射域の相対移動に伴い、上記(1)〜(3)の手順を繰り返す。
以上の演算によって、溶接部のビード切削形状の光切断画像の位置を、光切断像の切削部と非切削部における輝度レベルの違いの影響を受けずに精度よく検出できる。
また、更に非切削部の反射光強度がレンジオーバーを起こすほど十分高い場合や、地合部からのノイズが無視できるほど小さい場合には、そのような反射光強度が高い領域の断面線算出のための閾値を、輝度のレンジ最大値や、経験的に地合部の最大輝度以下とならない範囲で輝度のレンジの最大値よりも多少小さめに設定した、所定の固定閾値J2に置き換えるように、上記の手順を以下のようにしてもよい。
(1)Y軸方向の最大輝度となるY座標(複数存在する場合はその平均値)Y0とその点での輝度I0を求める。
(2)予め定めた画素数Nwを用い0≦Y≦Y0−NwΔY、Y0+NwΔY≦Y≦Yn(Ynは光切断画像のY方向端の画素の代表点のY座標。ΔYは一画素のY方向長さ)の範囲の最大輝度I1を求める。
(3)I0が所定の固定閾値J2以上の場合は、X=XiにおけるY軸方向において画素輝度がJ2以上となるYの範囲においてS(Xi)を算出する。
(4)I0がJ2を下回る場合は、I0とI1の間の適切な値(たとえば平均値(I0+I1)/2)を閾値J3(前述のJ1に相当)とし、Y方向の輝度がJ3より大なるYの範囲においてS(Xi)を算出する。
(5)管軸方向へのスリット光照射域の相対移動に伴い、上記(1)〜(4)の手順を繰り返す。
上記のように検出したスリット光の光切断線の位置データX、Y座標から、その画素アドレス、光源、撮像手段、被検査体の幾何学的な位置関係に基づき溶接部のビード切削形状の断面形状を算出する。
具体的には、溶接線方向および溶接線に対し直交する方向の両方と垂直な方向を0°とする方向角定義のもとで、光源の入射角をα、撮像手段の受光角をβとした場合、画像上の光切断線位置(Xi,S(Xi))は、次式
xi=Xi・・・(2)
yj=ΔY×S(Xi)×cosα/sin(α+β)・・・(3)
によりビード切削の断面形状の座標(xi,yj)として算出する。なお、ΔYは、一画素のy方向の実寸長さである。
図4(b)の横軸は溶接線に直交する位置座標、縦軸は反射輝度の値である。この反射輝度は、カメラで撮像して得られる図5に示すような光切断画像において、画像x方向の各座標位置において、y方向の輝度分布のうちの最大値(最大輝度)を算出したデータである。
なお、この実施例での測定では、突合せる鋼帯の一方に意図的に波打ちを生じさせ部分的に突合せ不良が生成するようにして溶接し、盛り上り除去後に測定を行った。これにより、測定箇所においても溶接部切削不良の他に、溶接部外側から20mm付近に至るまで母材の変形(反り)が生じているため、形状データのみで最大値探索を行うと母板反りのピーク位置(ア)、切削バイトの先端形状に起因した凹部(イ)を最高点、最低点と誤検出してしまうおそれがあるが、本発明では誤検出なく正確に検出できることを以下に示す。
図4のようなデータは、測定ヘッド1が溶接線に沿って移動する各位置において採取した光切断画像毎に出力され、判別回路24にデータを出力する。
次に判別回路24の動作を図6に従って説明する。
まず、ステップS1で輝度分布データの全体の輝度の平均値を算出する。そして、ステップS2で輝度がステップS1で求めた平均値を下回る画素範囲の重心位置を算出し、図7に示す如く、その座標点をAとする。このA点は、輝度変化探索の開始点であり、ここから図の左側方向、右側方向に座標を移動して変化点を探索するための点である。
そして、ステップS3で、輝度分布のステップS1で求めた平均値より輝度が下回るうちでの最小輝度を求め、その輝度値をVとする。これに対して、ステップS2で求めたA点に対し、ステップS4で左側の領域での最大輝度を求め、その輝度値をLとし、ステップS5で右側の領域での最大輝度を求め、その輝度値をRとする。
この、V、L、Rを元に、左側の変化点を算出するための輝度閾値TL、右側の変化点を算出するための輝度閾値TRを求め、その値に基づいて変化点を決定する。そして、ステップS6で、TL=(V+L)/2とし、点Aから左側に移動して、各座標に対応する輝度値がTLを最初に超えた座標点を輝度変化点PLとする。同様に、ステップS7で、TR=(V+R)/2とし、点Aから右側に移動して、各座標に対応する輝度値がTRを最初に超えた座標点を輝度変化点PRとする。
このようにして、輝度変化探索回路240が図4の測定データに関して算出した例を示すと、切削帯左縁の座標PLは、図4に記入した縦線である。そして、ここで求めた座標PR、すなわち切削範囲の左側端部を中心に、溶接部幅方向(溶接線と直交方向)に左右1mm幅(2mm幅)の範囲内での切削部形状(高さ)の変化量(最大値と最小値の差)は図に記入したとおり0.025mmと算出する。同様に切削右縁の座標PRは図4の線の位置、段差量は0.074mmと算出する。ここで、閾値は操業との関連で定めるべきものであるが、本実施例では好適値としてT1=0.06mm、T2=5%とした。
例えば、段差発生閾値T1が、0.06mmの場合には、左側は正常であるが、右側は不良と判定されることになる。そして、段差発生領域計数カウンタ243のカウンタ値は、その値をインクリメントされることになる。そして、段差発生判定回路242は、溶接線方向に走査して、測定した画像群のそれぞれに対し、上記で算出した切削部両縁の段差量が予め設定した閾値を超えているか判定する。これは、本発明で求めた数値と、操業で発生する不良との対応付けを行ったり、また過去の操業経験により定めればよい。例えば、段差発生しきい値T1を超えている画像の数が全体の5%以上の場合、突合せ溶接部は不良と判定する、と設定すればよい。
次に、比較のために熟練作業員が溶接良好と判定した、図4のサンプルとは異なるビード切削後の突合せ溶接部に対して本実施例の装置を用いた測定を行った。この測定例による切削開始点から溶接線直交方向に2mm幅の範囲内での切削部形状、スリット光の輝度分布(上記図4に対応するグラフ)は図8の通りであり、切削両縁部での段差量は左縁部において0.030mm、右縁部において0.032mmであった。図8の測定位置では切削部両縁での段差量は上記で定めたT1以下(例えば、T1=0.05mm)であり無害と判定される。なお、このサンプルに対して、突合せ溶接部の測定画像群のそれぞれに対し、同様にして算出した切削部両縁の段差量でT1を超えているものはなく、突合せ溶接部は無害と判定された。
なお、以上の説明においては、説明の簡便化のために、切削領域の開始点側の段差形状に対して判別を行うようにしたが、切削領域の終了点側に関しても全く同じ手順で判別を行って不良判定点数が大きい方を最終結果としてもよい。また、開始点および終了点ともに閾値を超えた場合は、各1カウントを合わせて計2カウントとしてもよいし、その測定箇所が異常であるとの主旨によって1カウントにしてもよい。この設定は、被測定対象、操業条件や装置の運用方法で適宜いずれかを選択できるようにしておけばよい。
本発明の実施形態の構成の一例を示す、一部ブロック図を含む断面図 同じく要部を示す斜視図 実施例のうち判別回路の詳細構成の一例を示す図 突合せ部反りにより切削不良が発生した溶接部に対して、本実施例を用いた測定例の動作を説明するグラフ カメラで撮像した光断面画像例を示す図 本発明の切削領域端部を探索する処理手順を示す流れ図 同じく処理結果の一例を示すグラフ 正常溶接部に対する本実施例の測定例を説明するグラフ
符号の説明
1…測定ヘッド
2…画像処理装置
3…表示装置
4…被測定物
10…レーザ光源
12…カメラ
20…光源電源
21…カメラ電源
22…画像データ変換回路
23…画像処理回路
24…判別回路
40…突合せ溶接部

Claims (2)

  1. 突合せ溶接後の盛上がり部を除去した後に溶接部の良否を検査する方法において、
    溶接線に対して、略直交方向のスリット光を、溶接線方向に走査して複数位置における画像を撮像し、
    前記撮像した画像の各々において、光切断法にもとづき溶接部断の高さを算出するとともに、前記各画像の反射光の強度分布を算出し、
    該反射光の強度分布において所定強度以下となる領域を求め、その領域の端部を基準に設定される所定領域内での前記断面の高さの最大値と最小値の差を該断面形状の変化量として算出し、該変化量が所定値以上であるか否かを判定する処理を前記撮像した全ての画像について行い、前記変化量が所定値以上となった画像数から、突き合わせ溶接部の良否を判定することを特徴とする、突合せ溶接部の良否検査方法。
  2. 突合せ溶接後の盛上がり部を除去した後に溶接部の良否を検査する溶接部良否検査装置であって、
    溶接線に対して、略直交方向のスリット光を照射する光源と、
    該スリット光を溶接線方向に走査して複数位置における画像を撮像する撮像手段と、
    前記撮像した画像の各々において、光切断法にもとづき溶接部断の高さを算出するとともに、前記各画像の反射光の強度分布を算出する画像処理手段と、
    該反射光の強度分布において所定強度以下となる領域を求め、その領域の端部を基準に設定される所定領域内での前記断面の高さの最大値と最小値の差を該断面形状の変化量として算出し、該変化量が所定値以上であるか否かを判定する処理を前記撮像した全ての画像について行い、前記変化量が所定値以上となった画像数から、突き合わせ溶接部の良否を判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とする、突合せ溶接部の良否検査装置。
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