JP4876540B2 - スローアウェイチップ及びその研削方法 - Google Patents

スローアウェイチップ及びその研削方法

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Description

本発明は精度が高く且つ量産性に優れたスローアウェイチップ及びその研削方法に関する。
超硬合金、サーメット、セラミックス等の硬質材料あるいはダイヤモンド焼結体、cBN焼結体といった超高圧焼結体からなるスローアウェイチップ(以下、「チップ」という。)の精度を高めるため、該チップの上下面ならびに全ての外周面を研削加工することが従来から行われている。この種のチップを図8及び図9に例示する。これらの図に示すチップ3は、下面7と上面をチャッキング装置2で挟みつけて側面研削を行うチップであり、下面7又は上面の中心部に、縁辺の形状がチップ3の平面視輪郭と相似形で縁辺部から中心部に向かって深さが次第に大となる錘状の姿勢矯正用凹部12を有し、その姿勢矯正用凹部12にチャッキング装置2に含まれる芯出しロッド2a、2bの対応した形状をもつ先端凸部13をテーパー嵌合させて側面研削時の芯出しと姿勢矯正を行うようにしたことを特徴とするものである(例えば、特許文献1参照)。
実開昭61−178602号公報
しかしながら、前記の従来チップにおいては、外周面の研削加工に時間がかかり量産性が低い問題があった。特に、ねじ切り加工を行うためのねじ切刃を備えたチップでは、前記ねじ切刃に連なる側面の形状が複雑であり研削加工に要する時間が長くなるため、前記の問題は甚大であった。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高精度と量産性を両立したチップおよびその研削方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、上面、下面および複数の側面からなり、前記上面と前記側面とが交差する稜辺部のうち少なくとも1つの稜辺部に切刃が形成され、前記切刃から延びる上面にすくい面が形成されるとともに前記切刃から延びる側面に逃げ面が形成され、さらに、少なくとも1つの側面には、前記切刃を所定の位置に位置決めするための取付け基準面が形成されてなるスローアウェイチップにおいて、前記上面及び前記下面の少なくとも一方の表面から陥没する凹部もしくは突出する凸部が形成され、前記凹部の内壁面もしくは前記凸部の外周面には、前記取付け基準面を研削加工する際、前記研削加工の基準となる研削基準面が形成されていることを特徴とするものである。
また、第2の発明は、上面、下面および側面を有し、前記上面と前記側面とが交差する稜辺部のうち少なくとも1つの稜辺部に切刃が形成され、前記切刃から延びる上面にすくい面が形成されるとともに前記切刃から延びる側面に逃げ面が形成され、さらに、少なくとも1つの側面には、前記切刃を所定の位置に位置決めするための取付け基準面が形成されてなるスローアウェイチップの研削方法において、前記スローアウェイチップの上面又は下面の表面から陥没する凹部の内壁面、もしくは突出する凸部の外周面に形成された研削基準面を基準にして、前記取付け基準面を研削加工することを特徴とするものである。
また、第3の発明は、上面、下面および側面を有し、前記上面と前記側面とが交差する稜辺部のうち少なくとも1つの稜辺部に切刃が形成され、前記切刃から延びる上面にすくい面が形成されるとともに前記切刃から延びる側面に逃げ面が形成され、さらに、少なくとも1つの側面には、前記切刃を所定の位置に位置決めするための取付け基準面が形成されてなるスローアウェイチップの研削方法において、前記スローアウェイチップの上面又は下面の表面から陥没する凹部の内壁面、もしくは突出する凸部の外周面に形成された研削基準面を基準にして、前記取付け基準面を研削加工し、研削加工された前記取付け基準面を基準にして、前記逃げ面の全て又は一部を研削加工することを特徴とするものである。
第1の発明によれば、チップの上面又は下面の表面から陥没する凹部もしくは突出する凸部が形成され、前記凹部の内壁面もしくは前記凸部の外周面には、取付け基準面を研削加工する際、前記研削加工の基準となる研削基準面が形成されているので、高精度なチップを提供することができる。
第2の発明によれば、チップの上面又は下面の表面から陥没する凹部の内壁面、もしくは突出する凸部の外周面に形成された研削基準面を基準にして、取付け基準面を研削加工することから、高精度なチップの研削方法を提供することができる。しかも、切刃から延びる側面を研削しないので、研削に要する時間が短くなりチップの量産性が高くなる。
第3の発明によれば、チップの上面又は下面の表面から陥没する凹部の内壁面、もしくは突出する凸部の外周面に形成された研削基準面を基準にして、取付け基準面を研削加工し、研削加工された前記取付け基準面を基準にして、逃げ面の全て又は一部を研削加工することから、第2の発明の効果に加えて、切刃の精度をさらに高めることができる。
第1の発明において、前記切刃から延びる側面に形成された逃げ面の全て又は一部がプレス焼成された素材面により構成されている場合には、前記逃げ面の全て又は一部を研削する必要がないので、研削加工に要する時間がいっそう短くなりチップの量産性が大幅に向上する。
さらに、前記凹部又は凸部が鉛直方向に延びる軸心をもつ回転対称形状、多角錐形状又は多角錐台形状又は多角柱形状、もしくは、水平方向に延在するとともに前記延在する方向に直交する断面で台形状、3角形状、矩形状、円弧状又は曲線状をなす凹溝又は突条のなかから選択された少なくとも1つの形状とされ、凹部の内壁面及び凸部の外周面のいずれかが前記研削基準面とされている。これらの形状から選択された凹部の内壁面又は凸部の外周面に形成された研削基準面は、チャッキング装置のクランプロッドの係合部と係合可能となり、その係合によって自動的に取付け基準面の正確な位置決めがなされるので、前記取付け基準面の研削加工精度が向上する。なお、前記の鉛直方向に延びる軸心をもつ回転対称形状とは、円錐形状、円錐台形状、円筒状又は球状等を示している。
さらに、前記切刃がねじ切り加工するためのねじ切刃とされている場合には、複雑な逃げ面を研削する時間が省略されるため、チップの量産性を向上させる効果が顕著となる。
次に、本発明のチップをチェザーに適用した形態について図を参照しながら説明する。図1は実施形態であるチェザーの平面図である。図2は図1に示すチェザーの底面図である。図3は図2におけるS1−S1線断面図及びS2−S2線断面図である。図4及び図5は本実施形態の変形例を示す図であり、図2に相当する図である。図6は図1に示すチェザーをチャッキング装置でチャッキングした状態を示す図であり、図3に相当する図である。図7は図1に示すチェザーを用いて油井管の端部の外周面にねじ山を加工する状態を模式的に示した図である。図1において、チェザー1は略長方形板状をなし、超硬合金、サーメット、セラミックス等のプレス焼成された硬質材料からなり、図1に示すように、略長方形の平坦な上面がすくい面2とされ、上面に平行且つ平坦な下面がダイヘッド10のチップ座11に着座する着座面3とされ、前記上面の一対の長辺のうち一方の稜辺部に、油井管に所定のねじ山又はねじ溝を切削加工するための台形状をなす3山のねじ切刃からなる切刃5が形成されたものである。以下の説明では、チェザー1の厚さ方向を鉛直方向、厚さ方向に直角な方向を水平方向とし、略長方形をなす上面の長辺の延びる方向を幅方向、短辺の延びる方向を高さ方向とする。
チェザー1をダイヘッド10に取付けたとき、切刃5を構成する荒刃5a、中仕上げ刃5b、仕上げ刃5cは、工具送り方向Fの前方側から後方側に向かって順次ねじ山高さが高くなり、各々が高さ方向(ねじ山高さ方向)、幅方向(ねじ山幅方向)の切込みを分担するように、所定のピッチ間隔に並んで形成されている。切刃5に連なる側面に形成された逃げ面4は、前記切刃5から着座面3側に向かうにつれ内側に向かって傾斜する正の逃げ角を付されている。逃げ面4に対向する側面及び工具送り方向F後方側を向く側面は、それぞれ取付け基準面6a、6bとされ、互いに直角に交差しており、チェザー1をダイヘッド10にクランプするとき、切刃5を所定の位置に位置決めするための基準面となる。本実施形態では、平面視でそれぞれ形状の異なる3つのねじ山から切刃5が構成されるため、すくい面と同一平面上にあって前記仕上げ刃5cの工具送り方向F後方側コーナの仮想点を基準点5dとしている。
本チェザー1の特徴的な構成は以下のとおりである。本チェザー1のプレス焼成の工程において、着座面3となる下面には、該下面の表面から陥没する第1凹部7Aと第2凹部7Bとが形成される。図2及び図3からわかるように、前記第1凹部7Aは、鉛直方向に延びる軸心P1を有し円錐の頂角が2αをなす円錐台形状とされる。前記第2凹部7Bは、取付け基準面6aに平行な中心線CL1に沿って水平方向に延在する凹溝とされ、その内壁面が前記中心線CL1に直交する断面で互いのなす角度を2αとされ且つ前記中心線CL1と交差する鉛直線を基準として左右対称な断面形状をもつような台形状とされる。さらに、第1凹部7Aの軸心P1は、第2凹部7Bの中心線CL1の延長線上にあって、両凹部7A、7Bは、取付け基準面6aに平行な関係にある。前記軸心P1を基準として切刃5の基準点5dは、所定の高さ寸法H1及び所定の幅寸法W1に設定されている。また、前記軸心P1を基準として研削加工後の各取付け基準面6a、6bは、所定の高さ寸法H2及び所定の幅寸法W2に設定されている。本チェザー1では、第1凹部7Aの軸心P1を通る平面で切断した断面における内周面、及び、第2凹部7Bの中心線CL1に直交する平面で切断した断面における内壁面は、同一断面形状とされ、それぞれ取付け基準面6a、6bを研削加工する際の基準となる研削基準面7a、7bとなる。なお、各凹部7A、7Bの内周面及び内壁面の断面形状は必ずしも一致させる必要はなく相違していてもよい。また、第2凹部7Bの凹溝の台形状をなす断面形状は、左右非対称としてもよいが、後述するクランプロッドの係合部との係合において、求心性が優れる点で左右対称とするのが望ましい。また、それぞれの凹部7A、7Bをチェザー1の側面に開口させるか否かについては特に限定されないが、切刃5の強度低下を避けるため、逃げ面4を形成した側面に開口させないことが望ましい。
前記凹部7A、7Bの代わりに、チェザー1の下面の表面から突出する凸部が形成され、この凸部の外周面に研削基準面が形成されてもよい(図示せず)。また、凹部7A、7B又は図示しない凸部の形状は、例えば、鉛直方向に延びる軸心をもつ回転対称形状、多角錐形状又は多角錐台形状又は多角柱形状、もしくは、水平方向に延在するとともに前記延在する方向に直交する断面で台形状、3角形状、矩形状、円弧状又は曲線状をなす凹溝又は突条のなかから選択可能である。
次に、取付け基準面6a、6bの表面を研削加工する方法について説明する。図6に示すように、チェザー1は、チャッキング装置の対向するクランプロッド21、22間で該チェザー1の厚さ方向に挟持されチャッキングされる。ここで、図6の右側にある、チェザー1の下面側のクランプロッド21の先端には、第1凹部7A及び第2凹部7Bにそれぞれ嵌り合い係合してチェザー1を位置決めするとともに上面側に向かって押圧する半球状の第1係合部21a及び第2係合部21bが設けられている。第1凹部7Aに嵌り合う第1係合部21aの半球面は、前記第1凹部7Aの研削基準面7aと、軸心P1を中心とした1つの円周上で全周にわたって線接触することによって、前記第1凹部7Aを同一軸心上に位置決めする。前記第1係合部21aを中心とするチェザー1の回転を阻止するとともに前記回転方向の位置決めをするため、凹溝からなる第2凹部7Bに嵌り合う第2係合部21bの半球面は、前記第2凹部7Bの研削基準面7bと、中心線CL1を基準として対称な位置にある2点で接触することによって、前記第2凹部7Bを同一軸心上に位置決めする。このようにして、チェザー1は、一方の取付け基準面6aがクランプロッド21の第1係合部21aと第2係合部21bの軸心同士を結んだ直線と平行になるとともに、他方の取付け基準面6bが前記直線と直角になるように位置決めされる。なお、凹溝からなる第2凹部7Bに嵌り合う第2係合部21bについては、前記凹溝の長手方向に直交する断面で研削基準面7bと2ヶ所で接触する円弧状をなし、前記長手方向の所定の長さにわたって前記研削基準面7bと係合可能となるように延在させてもよい。
図示しないが、クランプロッドの係合部の形状は、凹部又は凸部の形状に対応して変更することができる。すなわち、クランプロッドの係合部は、凹部の内壁面又は凸部の外周面と面接触、線接触及び点接触のうち少なくとも1つの接触状態で係合するように形成されていればよい。凹部又は凸部が例えば円筒形状、多角柱状のように内壁面又は外周面が鉛直線に平行に形成された場合には、これらの形状に対応した嵌め合い可能な凸部又は凹部がクランプロッドの係合部に形成される。一方、凹部又は凸部が円錐形状、円錐台形状、多角錐形状、多角錐台形状、又は球状、もしくは水平方向に延在するとともに前記延在する方向に直交する断面で台形状、3角形状、矩形状、円弧状又は曲線状をなす凹溝又は突条のように内壁面又は外周面が鉛直線に対して鋭角をなすように傾斜して形成された場合には、本実施形態のように、凹部又は凸部の内壁面又は凸部の外周面に点接触もしくは線接触した状態で係合するように、クランプロッドの係合部が形成される。特に、前記係合部の軸心を中心とした1つの円周上の複数の点、複数の円弧又は全周で前記係合部に前記内壁面又は外周面が係合する場合には、前記係合部の軸心に凹部又は凸部の軸心が求心する作用を生じるため求心性が高くなりチャッキング精度が優れる。
図6の左側にある、チェザー1の上面側のクランプロッド22の先端には、平坦な押圧面22aを備えた押圧部22Aが備えられており、前記押圧面22aがチェザー1の上面のほぼ中央部分に衝合し着座面3側に押圧する。なお、前記押圧面22aは、チェザー1を安定してチャッキングするため、できる限り外側、具体的には、対向するクランプロッド21の第1係合部21a及び第2係合部21bの位置よりも外側の範囲にわたって形成されてチェザー1の上面に衝合するのが望ましい。
以上に説明したように、チェザー1は、チャッキング装置のクランプロッド21と係合する凹部7A、7Bの研削基準面7a、7bを基準にして、各取付け基準面6a、6bのプレス焼成された素材面6a'、6b'を、研削砥石を用いて研削加工される。ここで、各取付け基準面6a、6bは、第1凹部7Aの軸心P1から所定の高さ寸法H2及び所定の幅寸法W2にそれぞれ寸法出しの研削加工をされることによって、前記切刃5の基準点5dは、研削加工された各取付け基準面6a、6bから所定の高さ寸法H及び幅寸法Wに高精度に寸法出しされる。取付け基準面6a、6bを基準とした基準点5dの寸法精度をさらに高めることに配慮して、研削加工された取付け基準面6a、6bを基準にして、少なくとも仕上げ刃5cに連なる逃げ面4を研削加工することもできる。
逃げ面4を研削しない場合、取付け基準面6a、6bを基準とした前記基準点5dの位置精度を向上させることに配慮して、切刃5の基準点5dと第1凹部7A及び第2凹部7Bとを近づける、すなわち、高さ寸法H1及び幅寸法W1を小さくすることによって両者の相対的な位置精度を向上させることが望ましい。具体的には、第1凹部7Aの軸心P1は、チェザー1の中心Pよりも前記基準点5d寄りに配され、第2凹部7Bの中心線CL1は、チェザーの中心Pを通り前記中心線CL1と平行な直線よりも前記基準点5d寄りに配されていることが望ましい。
チェザー1の厚さ方向の寸法精度を高めることに配慮して、すくい面2及び着座面3の表面の少なくとも一方が研削加工されることが望ましい。しかしながら、高さ寸法及び幅寸法ほど精度への影響が大きくないため、前記の研削加工が省略されてもよい。
既述のチェザー1は、図7に示すように、その着座面3がダイヘッド10のチップ座11の底面に当接して着座するとともに、取付け基準面6a、6bがそれぞれ対応する前記チップ座11の拘束壁面11a、11bに衝合した状態で、一方の押さえ金12Aがチェザー1の上面をチップ座11の底面に向かって押圧するとともに、他方の押さえ金12Bがチェザー1の側面を対向する側面が衝合するチップ座11の拘束壁面11bに向かって押圧することにより、前記チップ座11にクランプされる。チェザー1は、前記取付け基準面6a、6bを基準にしてチップ座11に位置決めされるので、ダイヘッド10にクランプされたとき、切刃5の基準点5dが高精度に位置決めされる。なお、チェザー1をチップ座11に着座させたとき、第1凹部7A及び第2凹部7Bは、チップ座11の底面に当接しないので、一般的なチップと同様にチップ座11の底面は平坦面で構成してあればよい。図示しないが、下面から突出する凸部を設けたチェザーをチップ座の底面に着座させる場合には、前記下面を着座面として前記底面に衝合するため前記凸部を遊挿可能な凹所が設けられる。あるいは、前記凸部をチェザーの下面の周縁部に近接する程度に広範囲にわたって設けるか、もしくは下面の周縁部に近接した少なくとも3箇所に設けることによって、着座面として機能できるようにした場合には、前記凸部の鉛直下方を向く端面を着座面とすることも可能である。
図7の(a)は、ダイヘッド10を固定した油井管回転式の加工形態を示している。すなわち、ダイヘッド10は、軸心まわりに回転する油井管30に対して1回転当り1ピッチの相対的な送りが与えられ、前記油井管30の端部の外周面31にねじ山を切削していく。一方、図7の(b)は、固定した油井管30を固定した油井管固定式の加工形態を示している。すなわち、ダイヘッド(図示しない)には、該ダイヘッドの内周面から切刃5を内側に突出させるとともに前記内周面の円周方向に沿って間隔をあけて、3つのチェザー1A、1B、1Cが配設されている。油井管30の軸心と同心に配されたダイヘッドは、その軸心まわりに回転しながら前記油井管30に対して1回転当たり1ピッチの相対的な送りを与えられることによって、前記油井管30の端部の外周面31にねじ山を切削していく。個々のチェザー1A、1B、1Cの切刃5の形状を同一とするかもしくは相違させるかについては、適宜選択可能である。またチェザー1の個数は1つ又は複数のいずれでも構わない。上述した、いずれの加工形態においても、ダイヘッド10と油井管30との間に、相対的な回転運動と送り運動が与えられることによってねじ山の加工が行われる。どちらの加工形態を選択するかは任意である。
本実施形態のチェザー1によれば、研削基準面7a、7bを基準にして取付け基準面6a、6bの表面を研削加工されるので、これら取付け基準面6a、6bから切刃5の基準点5dまでの高さ寸法及び幅寸法の精度が高められることから、チェザー1をダイヘッド10にクランプしたときに切刃5の位置決め精度が向上する。切刃5を高精度に研削加工する必要がないので、研削加工に要する時間を短縮することができ、チップ1の量産性が向上する。特に、本実施形態のチェザーのように、ねじ切刃5を有するものにおいては、プロファイルグラインダーもしくは総型研削砥石を用いた逃げ面4の研削加工が省略されるため、きわめて量産性が高くなるうえに加工コストが低減する。
研削加工された取付け基準面6a、6bを基準にして、油井管のねじ山の精度に影響を及ぼす仕上げ刃5cの逃げ面4を研削することによって、チェザー1の寸法精度ならびにダイヘッド10における切刃5の位置決め精度がいっそう向上する。しかも、取付け基準面6a、6bならびに逃げ面4の研削加工において除去される研削代のばらつきが小さくなるので、研削加工時の研削抵抗の均一化による加工精度の向上とともに、研削加工に要する時間やコスト低減、さらにはプレス焼成素材の小型化による経済性の向上が実現される。
各凹部7A、7Bの形態の組み合わせは、既述したものに限らず、図4の(a)に示す、2つの円錐台形状を組み合わせたもの、又は、図4の(b)に示す、2つの4角穴を組み合わせたもの、あるいは、図5の(a)及び(b)に示すように、十字形又はT字形をなすように互いに直交する2つの凹溝を組み合わせたものとしてもよい。また、図示しないが、凹部7A、7Bはすくい面が形成される上面のみに設けられてもよい。これらの変形例においても先の実施形態で説明した研削基準面と同一作用が得られる。
切刃5の形状についても、本実施形態で説明したねじ切刃にかかわらず、様々な工作物に所定のあるいは適当な加工を行うために種々の形状を呈した切刃に適用可能であり、その他の構成についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成の変更及び追加が可能であることは言うまでもない。
実施形態であるチェザーの平面図である。 図1に示すチェザーの底面図である。 図2におけるS1−S1線断面図及びS2−S2線断面図である。 (a)及び(b)は本実施形態の変形例を示す図であり、図2に相当する図である。 (a)及び(b)は本実施形態の変形例を示す図であり、図2に相当する図である。 図1に示すチェザーをチャッキング装置でチャッキングした状態を示す図であり、図3に相当する図である。 図1に示すチェザーを用いて油井管の端部の外周面にねじ山を加工する状態を模式的に示した図である。 従来チップを示す底面側斜視図である。 研削機のチャッキング装置によるチャッキング状態の側面図である。
符号の説明
1 チェザー(チップ)
2 すくい面
3 着座面
4 逃げ面
5 切刃
6a、6b 取付け基準面
6a'、6b' 取付け基準面(プレス焼成された素材面)
7A 第1凹部(凹部)
7B 第2凹部(凹部)
7a、7b 研削基準面
10 ダイヘッド
11 チップ座
11a、11b チップ座の拘束壁面
21、22 クランプロッド
21a、21b クランプロッドの係合部

Claims (6)

  1. 上面、下面および複数の側面からなり、前記上面と前記側面とが交差する稜辺部のうち少なくとも1つの稜辺部に切刃が形成され、前記切刃から延びる上面にすくい面が形成されるとともに前記切刃から延びる側面に逃げ面が形成され、平面視したときの輪郭形状が回転対称でなく、さらに、少なくとも1つの側面には、前記切刃を所定の位置に位置決めするための取付け基準面が形成されてなるスローアウェイチップにおいて、
    前記上面及び前記下面の少なくとも一方の表面から陥没する凹部もしくは突出する凸部が形成され、前記凹部の内壁面もしくは前記凸部の外周面には、前記取付け基準面を研削加工する際、前記研削加工の基準となる研削基準面が2つ以上形成され、少なくとも1つの該研削基準面は、前記取付け基準面と平行な方向に延存することを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 前記切刃から延びる側面に形成された逃げ面の全て又は一部がプレス焼成された焼結面により構成されていることを特徴とする請求項1記載のスローアウェイチップ。
  3. 前記凹部又は凸部が鉛直方向に延びる軸心をもつ回転対称形状、多角錐形状又は多角錐台形状又は多角柱形状、もしくは、水平方向に延在するとともに前記延在する方向に直交する断面で台形状、3角形状、矩形状、円弧状又は曲線状をなす凹溝又は突条のなかから選択された少なくとも1つの形状とされ、凹部の内壁面又は凸部の外周面が前記研削基準面とされ、前記切刃がねじ切り加工するためのねじ切刃を少なくとも1つ備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のスローアウェイチップ。
  4. 該スローアウェイチップがチェザーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスローアウェイチップ。
  5. 上面、下面および側面を有し、前記上面と前記側面とが交差する稜辺部のうち少なくとも1つの稜辺部に切刃が形成され、前記切刃から延びる上面にすくい面が形成されるとともに前記切刃から延びる側面に逃げ面が形成され、平面視したときの輪郭形状が回転対称でなく、さらに、少なくとも1つの側面には、前記切刃を所定の位置に位置決めするための取付け基準面が形成されてなるスローアウェイチップの研削方法において、
    前記スローアウェイチップの上面又は下面の表面から陥没する凹部の内壁面、もしくは突出する凸部の外周面に形成された2つ以上の前記研削基準面が形成され、少なくとも1つの該研削基準面は、前記取付け基準面と平行な方向に延存し、前記研削基準面を基準にして、前記取付け基準面を研削加工することを特徴とするスローアウェイチップの研削方法。
  6. 研削加工された前記取付け基準面を基準にして、前記逃げ面の全て又は一部を研削加工することを特徴とする請求項5に記載のスローアウェイチップの研削方法。
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