JP4872535B2 - 静電作業環境における静電作用制御方法と装置 - Google Patents

静電作業環境における静電作用制御方法と装置 Download PDF

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本発明は、例えば、電子防止系で作り出される原料材としての高分子のファイバなどをこれと電位差を有した対象面上に回収して連続したウエブにするような電子紡糸技術で代表される、対象面への繊維や粉体、粒子などの原料材を静電付着により回収する静電作業、装置、あるいは静電塗装で代表される塗料などの処理材を静電付着させて表面処理などをする静電作業、装置などでの静電作業環境における静電作用制御方法と装置に関するものである。
電子紡糸技術は機械的な押し出しに代るもので、下記の特許文献1などで知られるように、高分子の溶融物あるいは溶液を材料としてノズルに供給して線状に流出させ、流出する高分子溶液がノズルを通じ帯電されることにより、高分子溶液の溶媒の蒸発に伴ない帯電電荷間の距離が小さくなって作用するクーロン力が大きくなり、そのクーロン力が線状の高分子溶液の表面張力により勝った時点で線状の高分子溶液が爆発的に延伸される現象が得られ、しかも、この静電爆発と称される現象が一次、二次、三次と繰り返されることで、サブミクロンの直径を持った高分子ファイバ、いわゆるナノ繊維が作り出される。
ところで、本出願人は、電子紡糸技術の実用に向け、紡糸の安定性と生産性、歩留まりなどの配慮から、図5に示すように紡糸容器ないしは紡糸ノズルである電子紡糸系aと紡糸された帯電している高分子ファイバcを回収するコレクタdとの間に、例えば電子紡糸系a側電圧+V1とコレクタd側電圧−V3との電位差にて10kV〜100kV程度の高電圧を印加して電子紡糸を行い、作り出した帯電した高分子ファイバcなどをコレクタdの表面に静電的に付着させ回収することを行っている。また、このような高電圧の印加に伴いまわりへの影響を防止するため前記のような静電作業環境を絶縁材であるアクリル樹脂製の囲い壁eにより囲い、外周は金属板で覆ってアースfに接続した。
しかし、これによっては電子紡糸系aから囲い壁e内への高分子ファイバcなどの放出やスプレーが停止したり不安定になることを経験し、これにつき種々に実験をし検討した。その結果、絶縁材よりなる囲い壁eの内面が電子紡糸系aと同極性に帯電しており、これが原因であることが判明した。また、囲い壁eの外面の金属板はかえって囲い壁eの帯電に対しそれを逆極性の電子を囲い壁eとの境界面に揃えてバックアップする働きをして帯電状態を安定させてしまうし、電圧を上げで高分子ファイバcなどの放出性、スプレー性を高めようとすると金属板のバックアップ電子の影響かと思われるが囲い壁eに向けた放電が生じることもある。
一方、電子紡糸技術と同様な静電作業環境となる静電塗装技術では、粉体塗料の静電塗装室において、帯電した粉体塗料が内壁に付着するのを防ぎ、付着した粉体塗料を時間を掛けて清掃する必要がなく、塗料の交換に要する時間の短縮を図ることが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。具体的には、電気抵抗が高い発泡スチロールなどの発泡成形樹脂の上に電気抵抗が高く平滑なポリエステルフィルムなどのプラスチック製薄膜を貼り合わせた粉体付着防止用表面材の発明を提供しており、ポリエステルフィルムを貼り合わせて壁材とする基材に金属材を用いるよりは樹脂材がよく、樹脂材でも非発泡材よりは発泡材がよく、発泡材でも発泡率の高いものがよいことを開示しながら、その粉体付着防止用表面材に沿って陽イオン化した気体を流すことで粉体の付着をより防止できるとし、これらを粉体静電塗装室の内壁の壁材とすることを提案している。
特開2002−201559号公報 特開平11−207849号公報
しかし、特許文献2に記載の粉体付着防止表面材は粉体が全く付着しなくなるものではない。その表面に陽イオン化した空気を流すことで付着防止効果は高まるにしても、粉体静電塗装室の内面といった具体的な静電作業環境を囲う壁面に沿って陽イオン化した風を満遍なく流すのは困難であり、粉体の付着を防止し切れない。
そこで、本発明者は、先のアクリル樹脂製の囲い壁eの検討から、その内面に銅テープを貼り合わせてアースしたところ、電子紡糸系aから紡糸する高分子ファイバcなどの放出性、スプレー性は向上した。しかし、囲い壁eの内面のアース接続側に高分子ファイバcなどが付着、堆積し、汚れと歩留まりの低下を招いた。また、印加電圧を高めるとアースへの放電が生じた。
これに対応するさらなる実験、検討によって、アクリル樹脂製の囲い壁eの内面を帯電させない手法、構成により好結果が得られたし、この技術は電荷誘導による対象面へのファイバ、短繊維、粉体、粒子といった原料材や処理材などの静電付着を図って回収し、あるいは表面処理する静電作業環境一般に適用できる。
また、以上のように帯電した原料材や処理材が対象面以外に静電付着する問題は、それらを静電付着させて回収し、また表面処理される対象面を有した対象物における非対象面においても、静電作業環境を囲う囲い壁の内面がなす非対象面と同様に生じるが、これへの対応も同様にできる。
本発明の目的は、このような開発結果から、原料材や処理材の静電付着による回収や表面処理を行う対象面以外の静電作業環境に面する非対象面への静電付着を確実に防止して静電作業ができる静電作業環境における静電作用制御方法と装置を提供することにある。
上記のような目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、紡糸ノズルにより帯電した高分子溶液を放出し、前記高分子溶液が静電爆発して生成された高分子ファイバを前記紡糸ノズルと電位差を有する対象面に静電的に付着させる静電作業において、前記静電作業環境に面した静電付着の対象ではない導電性の非対象面に正負電荷が交互に変化するように交流電圧を印加して前記非対象面を不帯電状態とすることにより、帯電した高分子ファイバが前記非対象面に静電的に付着しないようにし、かつ、紡糸ノズルによる高分子溶液の放出を安定させることを特徴としている。
このような静電作業環境における静電作用制御方法では、静電作業環境において帯電した高分子ファイバを、これと電位差を有した対象面上に電荷誘導して静電付着させ回収または表面処理するのに、静電作業環境に面した導電性の非対象面に交流電圧を印加することにより、その非対象面を印加電圧が正負交互に変化することによるいわゆる中和による実質的な不帯電状態に積極的に保てる。このため、高分子ファイバが帯電していることによる影響を受けて高分子ファイバの帯電しての放出を邪魔するようなことはないし、非対象面に帯電した高分子ファイバが静電付着するのを十分に防止できる。しかし、それには導電性面の連続性は必ずしも必須とならない。
このような方法は、本発明の第の態様によれば、紡糸ノズルにより帯電した高分子溶液を放出し、前記高分子溶液が静電爆発して生成された高分子ファイバを前記紡糸ノズルと電位差を有する対象面に静電的に付着させる静電作業において、前記静電作業環境に面した静電付着の対象ではない非対象面を導電性とする金属材と、この金属材に正負電荷が交互に変化するように交流電圧を印加しそれが形成する非対象面を不帯電状態とする交流電圧印加手段と、静電作業手段による静電作業開始に基づき、交流電圧印加手段を働かせる制御手段とを備えたことを特徴とする静電作業環境における静電作用制御装置によって実現する。なお、非対象面に導電性を付与する金属材を金網やパンチング金属板などとしてそれらによる導電性面が不連続であっても、帯電した高分子ファイバを静電的に付着させない不帯電性を非対象面の金属材配置域の全域で発揮させられる。これは、金属材を小さな間隔を置いて配設する場合も同様である。
本発明の第の態様によれば、第1の態様における不帯電状態にする非対象面は、静電作業環境を囲う囲い壁またはおよび対象面を有した対象物の非対象面を対象とすることを特徴としている。これにより、静電作業環境内で高分子ファイバの静電付着を受けるためや静電作業環境を囲うために、静電作業環境に面することになる対象面を持った対象物や囲い壁がなすいずれの非対象面であっても、必要に応じ導電性を付与し交流電圧を印加することによる不帯電状態として高分子ファイバが静電付着するのを防止することができる。特に、絶縁材よりなる囲い壁は静電作業環境において高電圧を掛ける場合でもまわりへの電気的な影響を防止することができるし、帯電して放出される高分子ファイバの影響を受けて高分子ファイバの帯電を伴なう放出を停止させたり不安定にすることはない。
このような方法は、本発明の第7の態様によれば、交流電圧が印加される金属材が、静電作業環境を囲う絶縁材よりなる囲い壁またはおよび対象面を持った絶縁性の対象物の非対象面に導電性を付与していることを特徴とする静電作業環境における静電作用制御装置によって実現する。
本発明の第の態様によれば、囲い壁の不帯電状態にする非対象面は、少なくとも高分子ファイバの放出方向に向く側周域を対象としていることを特徴としている。これにより、囲い壁がなす非対象面のうちの高分子ファイバを帯電を伴い放出させる放出源側、およびこの放出源側に対向して対象物を配置する放出側には高分子ファイバの静電付着による問題が生じないのに反し、高分子ファイバが静電付着しやすく帯電の影響を与えやすい側周域に限って、導電性を利用した交流電圧印加による不帯電状態を得て、帯電している高分子ファイバの静電付着、および高分子ファイバの帯電による影響で帯電を伴なう高分子ファイバの放出を邪魔するようなことを十分に防止することができる。
このような方法は、本発明の第8の態様によれば、交流電圧が印加される金属材が、囲い壁の内面の少なくとも高分子ファイバの放出方向に向く側周域を対象として導電性を付与している静電作業環境における静電作用制御装置により実現する。
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の具体的な説明および図面の記載によって明らかになる。
本発明によれば、帯電した高分子ファイバをこれと電位差を有した対象面上に静電付着させ回収または表面処理する静電作業環境に面した非対象面を実質的な不帯電状態に積極的に保って、帯電した高分子ファイバが静電付着するのを確実に防止し、付着物による問題や除去の手間を回避できるのに併せ、対象面への回収や処理の効率を高められる。従って、高分子ファイバの静電付着による回収や処理を行う対象物の非対象面、高電圧を印加する場合のまわりへの影響を防止するために静電作業環境を囲う絶縁材よりなる囲い壁がなす非対象面のいずれにも有効であり、囲い壁では特に帯電して放出される高分子ファイバの影響で帯電を伴う高分子ファイバの放出を邪魔することは無く静電作業を安定に遂行できる。また、静電作業装置を特に複雑化したり、大型化することはなくコスト上昇の原因にもならない利点がある。
以下、本実施の形態に係る静電作業環境における静電作用制御方法と装置につき図1〜図4を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
本発明の静電作業環境における静電作用制御方法と装置は、既述の電子紡糸技術での静電爆発による延伸や微細化、粒子化により作り出される高分子ファイバ、短繊維、粉体、粒子などを、原料材として対象面上に静電付着させて回収したり、あるいは処理材として樹脂や金属よりなる各種物品や建物の壁面などの対象面に静電付着させて表面処理したりするものであり、特に高分子ファイバの回収過程では特許文献1に記載のように所定幅の高分子ウエブを製造したり、特開2006−507428号公報(特許文献3)などで既に知られる連続した高分子ファイバ束であるフィラメントや撚りを掛けた糸条に合糸したりすることができる。従って、原料材や処理材は、特許文献1などにより既に知られる電子紡糸用の各種高分子材料、例えば、ポリフッ化ビニリデン(FVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリアクリロニトリル、ポリ(アクリロニトリル−コ−メタクリレ−ト、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ(塩化ビニリデン−コ−アクリレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン−4,6などのナイロン系列,アラミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリビニルアルコール、セルロ−ス、酢酸セルロ−ス、酢酸酪酸セルロ−ス、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル、ポリ(ビス−(2−メトキシ−エトキシエトキシ)) ホスファゼン(MEEP))、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリ(コハク酸エチレン)、ポリ(硫化エチレン)、ポリ(オキシメチレン−オリゴ−オキシエチレン)、ポリ(酸化プロピレン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアニリン、(ポリテレフタル酸エチレン)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(酸化エチレン)、SBSコポリマー、ポリ乳酸、ポリペプチド、タンパク質などのバイオポリマー、コールタールピッチ、石油ピッチなどのピッチ系などの様々な高分子が適用でき、これらの共重合体および混合物なども適用できるほか、特許文献3などで知られる材料、その他を用いることができる。また、溶媒はこれら高分子を溶解する任意の溶媒を適用できる。しかし、本発明はこれに限られることはなく、これに類似した静電作業、静電作業環境となる特許文献2などで知られる静電塗装や静電植毛など原料材や処理材の電荷誘導による静電付着を伴う回収や表面処理などの静電作業一般に適用できる。
本実施の形態の静電作業環境における静電作用制御方法は、図1の摸式図で例示しているように、帯電した高分子のファイバ、短繊維、粉体、粒子などの原料材や処理材を帯電放出材1として、これと帯電やアースへの接続により電位差を有した対象面2へ向け放出し、放出した帯電放出材1を電荷誘導により対象面2に静電的に付着させ回収または表面処理する静電作業を行うのに、この静電作業を行う静電作業環境3に面している対象面2でない導電性の非対象面4に交流電圧V2を印加し不帯電状態とすることにより、非対象面4に帯電放出材1が静電的に付着しないようにすることを基本的な特徴としている。このように、静電作業環境3において帯電放出材1を放出して、これと電位差を有した対象面2上に電荷誘導して静電付着させ回収または表面処理する静電作業に際し、静電作業環境3に面した導電性の非対象面4に交流電圧V2を印加することにより、帯電放出材1が帯電していることによる影響を受けることなく非対象面4を印加する正負電荷が交互に変化することによるいわゆる中和作用による実質的な不帯電状態に積極的に保てる。これにより、非対象面4に帯電放出材1が静電付着するのを十分に防止できる。
本実施の形態の図1に示す静電作業環境における静電作用制御装置は、このような方法を実現するのに、静電放出系100から帯電を伴い高分子ファイバ、短繊維、粉体、粒子などの原料材や処理材である帯電放出材1をこれと電位差を有して配置した対象面2へ放出し静電的に付着させる静電作業手段11と、この静電作業手段11による静電作業環境3に面した非対象面4に導電性を付与する金属材12と、この非対象面4の金属材12に交流電圧V2を印加し不帯電状態とする交流電圧印加手段13と、静電作業手段11による静電作業開始に基づき、交流電圧印加手段13を働かせる制御手段14とを備えたものとしている。
静電作業手段11は静電放出系100から放出する原料材や処理材を電荷V1に帯電させるための帯電手段としての荷電電源16aと、対象面2を電荷V3に帯電させるための帯電手段としての荷電電源16bとを有している。図示例では高分子溶液を図示しないポンプによりノズルタイプの静電放出系100に圧送して帯電放出材1として噴霧し、多次の静電爆発によりナノ単位にまで微細化、粒子化して対象面2を表面処理するような場合を示し、特にノズルタイプの静電放出系100内の挿入したステンレスよりなる電極ワイヤ100aに荷電電源16aからの電圧を印加することにより帯電放出材1に高い電荷を付与できるようにしており、静電爆発のより多次化と対象面2への静電付着性を高めている。荷電電源16bは対象面2に電圧V3を印加しているが、これに代えて対象面2をアースに接続しても同様の効果が得られる。電極ワイヤ100aは、ステンレスに限定するものではなく、タングステンなどの電極ワイヤなどでもよい。
ここで、電圧V1とV3との電位差は10kV〜100kV程度とするのが好適である。また、交流電圧印加手段13は導電性とした非対象面4に交流電圧を印加したときの正負電極の振動的な反転によって実質的な不帯電状態とするもので、例え帯電があったとしてもそれを中和し消去することができる。しかし、その中和作用には印加する交流電圧の周波数を高く設定するのがよく、前記静電作業電圧の範囲に対して1Hz〜100kHz程度に設定して好適であり、電圧は10V〜500V程度に設定して好適である。一方、印加する交流電圧V2の波形は特に問うものではなく、図2に示すようなサイン波、矩形波を始め、図3に示すような三角波でもよい。
対象面2はこれを持った対象物200の種類によって種々に形成され、その種類に応じた帯電構造を採用すればよい。例えば金属製品の全表面であれば対象物200に単に電圧V3を印加したりアースに接続したりすればよく、樹脂製品などの誘電体であれば帯電手段により電圧V3を帯電させるか対象面2に導電性を付与して電圧V3を印加するかアースに接続するかすればよい。このように対象物200の全面が対象面2である場合は非対象面4を持たないが、静電放出系100に対向する側だけといった一部の表面であると、それ以外の表面が非対象面4となり、対象物200が平板で非対象面4が支持部材上に伏せられているか、下向きで、帯電放出材1の回り込みやその影響による問題がなければよいが、非対象面4への帯電放出材の静電付着を防止する必要のある場合は、対象面2への帯電域と絶縁を図った導電性の非対象面4として交流電圧V2を印加しないと、それが対象面2に悪影響する。樹脂などの絶縁材料よりなる対象物200では対象面2を導電性部材で形成して電圧V3の印加やアースするのが簡単であるが、絶縁特性のまま各種の帯電手段により帯電させて静電作業に供するようにもでき、いずれにしても、非対象面4を導電性として交流電圧V2を印加するのに対象面2の帯電域との絶縁を図ることは必要である。
また、対象面2が帯電放出材1を原料材として回収する対象物200である場合は、図4に示す回転体や、これに代る回転ベルトなどによる周回面とすると、連続的に回収しながら次へ搬送できるので好適であり、必要に応じて電子紡糸方式での高分子ファイバを回収してウエブに堆積させて送り出したり、スライバ化工程やフィラメント化工程として、あるいはスライバ化、フィラメント化、製糸などの前工程として集束を伴ない送り出したりすることができる。図4に示す対象物200は回収により製糸を目的としたもので、静電放出系100から静電紡糸される帯電放出材1を限られた幅を有して周回する対象面2へ連続に回収し集束させながら先へ送りこれを対象面2から連続に引き上げることで連続したスライバー状、フィラメント状の糸条とし、そのままで、あるいは撚糸、撚糸の撚り合わせなどを施して二次製品の使用に供するようにしている。ここに対象物200はその材質に制限がないことから樹脂製として軽量化、低コスト化を図りながら、対象面2は対象物200の外周に嵌め付け、あるいは巻き付けた金属材12により導電性面として荷電電源16bから電圧V3を印加できるようにし、対象物200の非対象面4は対象面2の金属材12と絶縁距離を置くか対象物200自体によって絶縁を図って配した金属材12によって導電性とし、交流電圧印加手段13からの交流電圧V2を印加し、帯電放出材1が付着したりするのを防止することができる。もっとも、図示する帯電放出材1の回収を図る対象面2は薄い円板である対象物の外周両側面は庇状に張り出した形態として対象物200の非対象面4に帯電放出材1が回り込みにくくはなっている。しかし、非対象面は静電作業環境3に面する回転軸の表面など全ての面を含んで同様に対策することができる。
静電作業環境3は図1に示すように囲い壁15で囲うのが帯電放出材1のまわりへの飛散を防止できるので好適であるし、前記のように静電作業電圧が10kV〜100kV程度と高電圧な場合はまわりへの電気的な影響を防止するために囲い壁15は絶縁材とするのが好適である。しかし、その内面は非対象面4であるが既述した通り帯電放出材1の影響で帯電して静電放出系100からの帯電放出材1の放出が停止したり、不安定になるほか、放出した帯電放出材1が静電付着して問題をもたらすので、その問題となる領域に金属材12により導電性を付与して交流電圧V2を印加し帯電放出材1が静電付着しないようにすることが必須となる。
ここに、非対象面4の必要域が帯電した帯電放出材1に対し連続した不帯電性を発揮するのが好適であるが、導電性面の連続性は必ずしも必須とならない。具体的には、図1に示す金属材12は連続した銅板としてあり交流電圧V2の印加によって非対象面4を連続した不帯電面を形成するが、金属材12を金網やパンチング金属板などとして導電性面が不連続になっても、それの帯電放出材1を非対象面4の静電付着させない不帯電性帯は連続して得られ、網目やパンチング穴を通って囲い壁15の内面に静電付着することはない。もっとも、それには網目やパンチング孔の大きさやピッチなどに制限はある。
ここで、囲い壁15は静電作業の種類や作業場所によっては必須でないし、静電作業環境3を囲う囲い壁15を設けても静電作業位置から遠く帯電放出材1が静電付着しない場合や静電付着しても許容される場合も考えられる。また、対象面2が全面である対象物200は非対象面4を持たないし、非対象面4がある対象物200でも対象面2以外への帯電放出材1の回り込み付着が生じない環境か、回り込み付着があっても許容される場合がある。そこで、非対象面4への導電性の付与は、静電作業環境3を囲う絶縁材よりなる囲い壁15またはおよび対象面2を有した対象物200の非対象面4を対象として、交流電圧V2を印加すればよいことになる。
さらに、囲い壁15の非対象面4のうち、帯電放出材1を帯電を伴い放出させる側、つまり静電放出系100を設置した放出源側4aでは、帯電放出材1が小さく絞られた極小範囲から遠ざかる方向に放出される関係から、帯電放出材1が逆流して回り込むことがないか、回り込むことがあっても微小で静電的な影響の問題はない。また、静電放出系100からの帯電放出材1の放出対象である対象面2を持った対象物200を設置する放出対象側4bでは、放出された帯電放出材1のほぼ大半が対象面2に静電付着して、帯電放出材1は届きにくいし、届いても少量でしかも電荷が落ちて静電的な影響の問題はない場合が多い。従って、囲い壁15の非対象面4に対しては、囲い壁15の非対象面4への導電性付与は、少なくとも帯電放出材1の放出方向に向く側周域に限って金属材12を設けて行えば囲い壁15の帯電による問題対策は実用上十分である。
本発明に係る実施の形態の静電作業環境における静電作用制御方法と装置の1つの例を示す摸式図である。 図1の例の方法と装置で用いるサイン波、矩形波での交流電圧の印加状態を示す具体図である。 交流電圧の三角波の例を示す波形図である。 図1に示す方法と装置での原料材の回収を目的とした場合の例を示す摸式図である。 従来の静電作業環境における静電作用制御方法と装置の1つの例を示す摸式図である。
符号の説明
1 帯電放出材
2 対象面
3 静電作業環境
4 非対象面
11 静電作業手段
12 金属材
13 交流電圧印加手段
14 制御手段
15 囲い壁
16a、16b 荷電電源
100 静電放出系
200 対象物

Claims (8)

  1. 紡糸ノズルにより帯電した高分子溶液を放出し、前記高分子溶液が静電爆発して生成された高分子ファイバを前記紡糸ノズルと電位差を有する対象面に静電的に付着させる静電作業において、前記静電作業環境に面した静電付着の対象ではない導電性の非対象面に正負電荷が交互に変化するように交流電圧を印加して前記非対象面を不帯電状態とすることにより、帯電した高分子ファイバが前記非対象面に静電的に付着しないようにし、かつ、紡糸ノズルによる高分子溶液の放出を安定させることを特徴とする静電作業環境における静電作用制御方法。
  2. 非対象面に印加する交流電圧の周波数を、1Hz〜100kHzに設定することを特徴とする請求項1に記載の静電作業環境における静電作用制御方法。
  3. 不帯電状態にする非対象面は、静電作業環境を囲う囲い壁またはおよび対象面を有した対象物の非対象面を対象とする請求項1に記載の静電作業環境における静電作用制御方法。
  4. 囲い壁の不帯電状態にする非対象面は、少なくとも原料材である高分子溶液の放出方向に向く側周域を対象としている請求項に記載の静電作業環境における静電作用制御方法。
  5. 紡糸ノズルにより帯電した高分子溶液を放出し、前記高分子溶液が静電爆発して生成された高分子ファイバを前記紡糸ノズルと電位差を有する対象面に静電的に付着させる静電作業において、前記静電作業環境に面した静電付着の対象ではない非対象面を導電性とする金属材と、この金属材に正負電荷が交互に変化するように交流電圧を印加しそれが形成する非対象面を不帯電状態とする交流電圧印加手段と、静電作業手段による静電作業開始に基づき、交流電圧印加手段を働かせる制御手段とを備えたことを特徴とする静電作業環境における静電作用制御装置。
  6. 非対象面に印加する交流電圧の周波数を、1Hz〜100kHzに設定することを特徴とする請求項1に記載の静電作業環境における静電作用制御装置。
  7. 金属材は、静電作業環境を囲う絶縁材よりなる囲い壁またはおよび対象面を持った絶縁性の対象物の非対象面に導電性を付与している請求項5または6に記載の静電作業環境における静電作用制御装置。
  8. 交流電圧が印加される金属材は、囲い壁の内面の少なくとも原料材である高分子溶液の放出方向に向く側周域を対象として導電性を付与している請求項5〜7のいずれか1項に記載の静電作業環境における静電作用制御装置。
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