JP4312090B2 - 静電紡糸法による繊維集合体の製造方法及び繊維集合体製造装置 - Google Patents

静電紡糸法による繊維集合体の製造方法及び繊維集合体製造装置 Download PDF

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Description

本発明は静電紡糸法による繊維集合体の製造方法及び繊維集合体製造装置に関し、特に、繊維同士が接着していないか、或いは極めて弱く接着した低密度で綿状の繊維集合体を製造する静電紡糸法による繊維集合体の製造方法及び繊維集合体製造装置に関するものである。
従来、静電紡糸による高分子繊維集合体の製造は、原料となる高分子溶液を微細な孔を通して押出しながら同時に電場を掛けると、高分子溶液中の溶媒が揮発し、凝固して高分子繊維を形成し、一定距離離れた場所に位置する回収装置等に集積される。この高分子繊維集合体は、数nm〜数千nmの間の直径を有する繊維が3次元のネットワーク構造を成して集積した形態であり、単位体積当たりの表面積が非常に大きい。従って、他の製造方法により製造した高分子繊維集合体と比べて非常に大きな気孔度と比表面積を有する。
このような繊維集合体の製造方法及び装置は、液状ポリマーを紡糸空間に供給できるノズル部を有する液だめ(高電圧に印加される、又は接地される)と、集積用対向電極(平板,ロール)とを備えている。ノズル部から電界により紡糸された繊維は、集積用対向電極上に集積され、その後、集積された繊維集合体を掻き取り装置等により回収している(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第2,048,651号明細書(第2−3頁、第2図)
しかしながら、この特許文献1では、繊維が集積用対向電極上に直接電界の力で集積するので、帯電繊維による集積用対向電極との静電気力によりペーパー状の繊維集合体になり、低密度な綿状の繊維集合体として回収できないという問題点があった。また、電極上に掻きとり装置を設けた場合も、掻きとり後の繊維集合体は嵩高くはなく、断熱材などの嵩高な繊維集合体として利用できるものではない。さらに、集積した繊維同士が強固に接着している場合があった。
本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、繊維同士が接着していないか、或いは極めて弱く接着した低密度で綿状の繊維集合体を製造することができる静電紡糸法による繊維集合体の製造方法及び繊維集合体製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係る静電紡糸法による繊維集合体の製造方法は、紡糸するポリマー溶液を紡糸空間へ供給するステップと、ポリマー溶液を供給する方向に第1の気流を供給するステップと、供給して形成した繊維に、繊維の電荷とは反対極性のイオンを照射するステップと、ポリマー溶液を供給する方向と交差する方向であって紡糸した繊維を回収する方向に第2の気流を供給しながら、該繊維を回収するステップと、を含むことを特徴とする。
この方法では、紡糸空間へ供給して形成した繊維に、この繊維とは反対極性のイオンを照射することで、繊維の帯電が中和され、静電気力による飛翔力を失い、重力によって落下し、低密度で綿状の繊維集合体が得られる。このとき、第1の気流を供給することにより、電気的に中和された繊維が、ポリマー溶液を供給する部分に付着するのを防止することができる。また、第2の気流を供給することにより、電気的に中和された繊維が、電気的に繊維を吸引するための対向電極に付着するのを防止することができる。従って、繊維集合体の安定した製造が可能となる。
ここで、第1の気流の流速は、第2の気流の流速よりも速いのが好ましい。これにより、電気的に中和された繊維が、ポリマー溶液を供給する部分に付着するのを効果的に防止できるため、繊維集合体をより安定して製造することができる。
本発明に係る静電紡糸法による繊維集合体の製造方法は、対向した第1及び第2の位置から、互いに反対極性のポリマー溶液を紡糸空間へ供給するステップと、第1の位置からポリマー溶液を供給する方向に、第1の気流を供給するステップと、第2の位置からポリマー溶液を供給する方向に、第2の気流を供給するステップと、第1の位置と第2の位置とが対向する方向と交差する方向であって紡糸した繊維を回収する方向に第3の気流を供給しながら、該繊維を回収するステップと、を含むことを特徴とする。
この方法では、対向した位置から、互いに反対極性のポリマー溶液を紡糸空間へ供給することで、反対の極性に帯電した繊維は互いに接触及び接近して電荷が中和され、静電気力による飛翔力を失い、重力によって落下し、低密度で綿状の繊維集合体が得られる。このとき、第1及び第2の気流を供給することにより、電気的に中和された繊維が、それぞれ第1及び第2の位置のポリマー溶液を供給する部分に付着するのを防止することができる。また、第3の気流を供給することにより、第1及び第2の位置のポリマー溶液を供給する部分から供給され中和された繊維が、それぞれ対向する第2及び第1の位置のポリマー溶液を供給する部分に付着するのを防止できる。従って、繊維集合体を安定して製造することが可能となる。
ここで、第1及び第2の気流の流速は、第3の気流の流速よりも速いのが好ましい。これにより、電気的に中和された繊維が、第1及び第2の位置のポリマー溶液を供給する部分に付着するのを効果的に防止できるため、繊維集合体をより安定して製造することができる。
また、第1の気流の流速と第2の気流の流速とは、実質的に等しいのが好ましい。これにより、紡糸空間における気流を乱さずに繊維を安定して捕集できるため、繊維集合体をより安定して製造することができる。
本発明に係る繊維集合体製造装置は、ポリマー溶液を紡糸空間へ供給できるポリマー供給部と、ポリマー溶液に対して電荷を与えることのできる電荷付与手段と、ポリマー供給部に対向しており、ポリマー溶液の供給により形成された繊維を電気的に吸引することのできる対向電極と、ポリマー供給部と対向電極間を飛翔中の繊維に対して、繊維の電荷と反対極性のイオンを照射できる手段と、紡糸した繊維を回収できる繊維回収装置と、ポリマー供給部から対向電極に向かう方向に、第1の気流を供給できる第1の送風装置と、ポリマー供給部から対向電極に向かう方向と交差し繊維回収装置に向かう方向に、第2の気流を供給できる第2の送風装置と、を備えることを特徴とする。
ポリマー溶液の紡糸空間への供給により形成された繊維に、この繊維とは反対極性のイオンを照射することで、繊維の帯電が中和され、静電気力による飛翔力を失い、重力によって落下し、低密度で綿状の繊維集合体が得られる。このとき、第1の送風装置により第1の気流を供給することにより、電気的に中和された繊維が、ポリマー供給部に付着するのを防止することができる。また、第2の送風装置により第2の気流を供給することにより、電気的に中和された繊維が、対向電極に付着するのを防止することができる。従って、繊維集合体を安定して製造することが可能となる。
ここで、イオン照射手段は電離放射線源としてもよい。これにより、電離放射線源によりポリマー供給部と対向電極間の電位差の形成とは独立してイオンを発生させ照射することができるため、イオンの照射量の制御が容易であり、低密度で綿状の繊維集合体を安定して製造することができる。
また、第1の送風装置が供給する第1の気流の流速は、第2の気流の流速よりも速いのが好ましい。これにより、電気的に中和された繊維が、ポリマー供給部に付着するのを効果的に防止できるため、繊維集合体をより安定して製造することができる。
本発明に係る繊維集合体製造装置は、ポリマー溶液を紡糸空間へ供給できる第1のポリマー供給部と、第1のポリマー供給部から供給されるポリマー溶液に対して電荷を与えることができる第1の電荷付与手段と、第1のポリマー供給部に対向しており、ポリマー溶液を紡糸空間へ供給できる第2のポリマー供給部と、第2のポリマー供給部から供給されるポリマー溶液に対して第1のポリマー供給部から供給されるポリマー溶液とは反対極性の電荷を与えることができる第2の電荷付与手段と、紡糸した繊維を回収できる繊維回収装置と、第1のポリマー供給部から第2のポリマー供給部に向かう方向に、第1の気流を供給できる第1の送風装置と、第2のポリマー供給部から第1のポリマー供給部に向かう方向に、第2の気流を供給できる第2の送風装置と、第1のポリマー供給部と第2のポリマー供給部とが対向する方向と交差し繊維回収装置に向かう方向に、第3の気流を供給できる第3の送風装置と、を備えることを特徴とする。
この装置では、対向した位置から、互いに反対極性のポリマー溶液を紡糸空間へ供給することで、反対の極性に帯電された繊維は互いに接触及び接近して電荷が中和され、静電気力による飛翔力を失い、重力によって落下し、低密度で綿状の繊維集合体が得られる。このとき、第1及び第2の気流を供給することにより、電気的に中和された繊維が、第1及び第2のそれぞれのポリマー供給部に付着するのを防止することができる。また、第3の気流を供給することにより、第1及び第2の位置のポリマー溶液を供給する部分から供給され中和された繊維が、それぞれ対向する第2及び第1の位置のポリマー溶液を供給する部分に付着するのを防止できる。従って、繊維集合体を安定して製造することが可能となる。
さらに、第1及び第2のポリマー供給部を使用することにより繊維量を増やすことができるため、繊維集合体の生産性に優れている。また、繊維径が異なる、繊維構成材の組成が異なるなど、異種の繊維が混在する繊維集合体を製造することができる。
ここで、第1及び第2の気流の流速は、第3の気流の流速よりも速いのが好ましい。これにより、電気的に中和された繊維が、第1及び第2のポリマー供給部に付着するのを効果的に防止できるため、繊維集合体をより安定して製造することができる。
また、第1の気流の流速と第2の気流の流速とは、実質的に等しいのが好ましい。これにより、紡糸空間における気流を乱さずに繊維を安定して捕集できるため、繊維集合体をより安定して製造することができる。
本発明によれば、繊維同士が接着していないか、或いは極めて弱く接着した低密度で綿状の繊維集合体を安定的に製造することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る静電紡糸法による繊維集合体の製造方法及び繊維集合体製造装置の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る繊維集合体製造装置を示す概略図である。
繊維集合体製造装置1は、図1に示すように、繊維を紡糸する紡糸室3を備えている。紡糸室3は、主室31と副室32とを有している。主室31は、略直方体状の筐体から構成されており、鉛直方向に対向する底壁部31dと上壁部31bと、水平方向に対向する右側壁部31cと左側壁部31aとを含んでいる。副室32は、主室31よりも小さい略直方体状の筐体から構成されており、主室31の左側壁部31aに連続して設けられている。副室32が設けられる主室31の左側壁部31aの部位には連通孔40が設けられており、主室31と副室32とが連通されている。
副室32内には、繊維の原料となるポリマー溶液を主室31内の紡糸空間へ供給するための紡糸ノズル2(ポリマー供給部)が設けられている。この紡糸ノズル2には、ポリマー溶液を供給するポリマー供給機6と、ポリマー溶液に対して電荷を与えることのできる第1高電圧電源7(電荷付与手段)と、が接続されている。
また主室31内で右側壁部31cの近傍には、紡糸ノズル2に水平方向に対向するように、対向電極5が設けられている。この対向電極5には、第2高電圧電源8が接続されている。対向電極5は、ポリマー溶液の供給により形成された繊維を電気的に吸引すると共に、紡糸空間を飛翔中の繊維に対して、繊維の電荷と反対極性のイオン5aを照射する。
主室31内で底壁部31d上には、例えばネットやコンベア等の捕集部材4(繊維回収装置)が設けられている。この捕集部材4により、紡糸された繊維が捕集される。
また繊維集合体製造装置1は、紡糸室3内に気流を送り温度や湿度を制御する温湿度制御装置30を備えている。この温湿度制御装置30と副室32との間に第1の送風管301が設けられており、また温湿度制御装置30と主室31の上壁部31bとの間に第2の送風管302が設けられている。
温湿度制御装置30から第1の送風管301を通して副室32内に気流を供給すると、この気流は上記の連通孔40を通って対向電極5に向けて主室31内に供給される。このようにして、温湿度制御装置30と第1の送風管301とにより、第1の送風装置が構成されている。また、温湿度制御装置30から第2の送風管302を通して主室31内に気流を供給すると、この気流は上壁部31bから主室31内の底壁部31dに向けて鉛直下方に供給される。このようにして、温湿度制御装置30と第2の送風管302とにより、第2の送風装置が構成されている。
また、本実施形態に係る繊維集合体製造装置1では、主室31の底壁部31dに吸引機9が接続されている。この吸引機9を作動させると、主室31内で捕集部材4に向かう気流が生成される。従って、吸引機9を作動させる場合は、温湿度制御装置30と第2の送風管302と吸引機9とにより、第2の送風装置が構成される。
なお、本実施形態では、第1の送風装置と第2の送風装置とで温湿度制御装置30を共通化したが、第1の送風装置と第2の送風装置とで送風のためのブロア等の装置を別々に設けてもよい。
ここで、紡糸ノズル2としては、内径0.01〜5ミリ程度の金属・非金属パイプを使用できる。また、図2に示すように、ポリマー溶液21を収容したポリマー溶液容器22中に回転するノコギリ状歯車20を浸漬させ、対向電極5に向かうノコギリ状歯車20の先端部20aを電極とするエッジ電極を使用できる。同様に図3に示すように、ワイヤ20bをローラー23によってポリマー溶液容器22内を回転させ、ポリマー溶液を載せたコンベア状のワイヤ20bを電極として使用することもできる。なお、図3においては、対向電極(図示しない)は、紙面に垂直に配置されている。さらに、従来の種々の静電紡糸用電極を利用することもできる。
対向電極5としては、コロナ放電用ニードル(高電圧印加あるいは接地でもよい)、コロナ放電用ワイヤ(高電圧印加あるいは接地でもよい)、交流放電素子などが使用できる。また、交流放電素子として、図4に示すような沿面放電素子を使用できる。すなわち図4において、沿面放電素子25は、誘電体基板26(例えば、アルミナ膜)を挟んで放電電極27及び誘起電極28を設け、これらの電極間に交流の高電圧を印加することにより、放電電極27部分で沿面放電を起こし、正及び負のイオンを生成させることができる。
本実施形態に係る繊維集合体製造装置1に使用可能なポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン−4,6などのナイロン系、アラミド、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルアルコール、セルロース、酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレート、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル、ポリ(ビス−(2−(2−メトキシ−エトキシエトキシ))ホスファゼン)(poly(bis-(2-(2-methoxy-ethoxyethoxy))phosphazene);MEEP)、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリこはく酸エチレン(poly(ethylenesuccinate))、ポリアニリン、ポリエチレンサルファイド、ポリオキシメチレン−オリゴ−オキシエチレン(poly(oxymethylene-oligo-oxyethylene))、SBS共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンオキサイド、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリD,L−乳酸−グリコール酸共重合体、ポリアリレート、ポリプロピレンフマラート(poly(propylene fumalates))、ポリカプロラクトンなどの生分解性高分子、ポリペプチド、タンパク質などのバイオポリマー、コールタールピッチ、石油ピッチなどのピッチ系などの溶融または適正溶媒に溶解可能な様々なポリマーが適用可能であり、これらの共重合体及び混合物なども使用可能である。また、金属アルコキシドを加水分解した曳糸性のゾル溶液も使用可能である。
さらに、前記ポリマー溶液に合成樹脂などのエマルジョン或いは有機、無機物の粉末を混合して用いることも可能である。ポリマーの溶媒には、例えば、(a)揮発性の高いアセトン、クロロホルム、エタノール、イソプロパノール、メタノール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、プロパノール、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸などと、(b)揮発性が相対的に低いN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、アセトニトリル(AN)、N−メチルモルホリン−N−オキシド、ブチレンカーボネート(BC)、1,4−ブチロラクトン(BL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジエチルエーテル(DEE)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジオキソラン(DOL)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルホルマート(MF)、3−メチルオキサゾリジン−2−オン(MO)、メチルプロピオネート(MP)、2−メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、スルホラン(SL)などがある。
好ましくは、ポリマーを溶解させる溶媒として、前記揮発性の高い溶媒または揮発性の高い溶媒と相対的に低い揮発性を有する溶媒とを混合した混合溶媒を用いれば、溶媒の揮発性を増加させたり溶液の粘度を低下させることができるので、個々のノズルからの吐出量を増加させて生産性を向上させることができる。
続いて、本実施形態に係る繊維集合体製造装置1における静電紡糸法による繊維集合体の製造方法について説明する。まず、紡糸する繊維の原料となるポリマー溶液をポリマー供給機6から紡糸ノズル2に供給する。次に、紡糸ノズル2及び対向電極5間に高電圧を印加した状態で、紡糸ノズル2先端からポリマー溶液を吐出する。すると、帯電した液状のポリマーはその溶媒が揮発し、凝固して繊維となり対向電極5に向かって進行する。このとき、紡糸ノズル2に対向して配置された対向電極5から、繊維に向かってイオン5aが照射される。このイオンによって繊維の帯電が中和され、静電気力による飛翔力を失い、重力に従って落下して繊維が捕集部材4で回収される。従って、低密度で綿状の繊維集合体を得ることができる。
このとき、温湿度制御装置30から第1の送風管301を通して副室32から主室31内に第1の気流30aを供給することにより、電気的に中和された繊維が、紡糸ノズル2に付着するのを防止することができる。また、温湿度制御装置30から第2の送風管302を通して主室31内に第2の気流30bを供給することにより、電気的に中和された繊維が、対向電極5に付着するのを防止することができる。従って、繊維集合体を安定して製造することができる。
ここで、第1の送風装置が供給する第1の気流30aの流速は、第2の送風装置が供給する第2の気流30bの流速よりも速いのが好ましい。これにより、電気的に中和された繊維が、紡糸ノズル2に付着するのを効果的に防止できるため、繊維集合体をより安定して製造することができる。
また、第1の気流30aの流速は5〜100cm/sec.が好ましく、15〜60cm/sec.がより好ましい。5cm/sec.未満の場合、繊維が紡糸ノズル2に付着しやすくなる傾向にあり、一方、100cm/sec.を超えた場合、繊維が対向電極5に付着しやすくなる傾向があるためである。
さらに、第2の気流30bの流速は3〜100cm/sec.が好ましく、10〜40cm/sec.がより好ましい。3cm/sec.未満の場合、繊維が対向電極5に付着しやすくなる傾向にあり、一方、100cm/sec.を超えた場合、捕集部材4に繊維が強く叩きつけられると共に、気流の吸引力を高める必要があるため、繊維同士が接着していないか、低密度で綿状の(嵩高な)繊維集合体を製造することが困難となる傾向があるためである。
さらに、第1の気流30aの流速(f1とする)と第2の気流30bの流速(f2とする)の差(fd=|f1−f2|)の、流速の遅い方の気流(好ましくは第2の気流30b)の流速に対する百分率が、10〜200%であるのが好ましく、50〜100%であるのがより好ましい。これは、10%未満の場合でも、200%を超えた場合でも、気流のバランスが崩れやすく、紡糸ノズル2や対向電極5を含めて様々な所に繊維が付着しやすくなり、繊維集合体を安定して製造することが困難となる傾向があるためである。
なお、イオン5aの発生及び照射は、連続的に又は不連続的に行うことができる。また、紡糸ノズル2と対向電極5との間に電界が生じれば良く、いずれか一方のみに高電圧を印加し、他方を接地しても良い。また、紡糸ノズル2は加熱されていても、加熱されていなくても良い。
また、図5に示すように、図1の対向電極5に替えて、電離放射線10aを照射できる電離放射線源10と、繊維を電気的に吸引できるネット状の対向電極5を用いても良い。この場合、対向電極5に第3高電圧電源11が接続される。
この構成では、第1高電圧電源7及び/又は第3高電圧電源11により所定の電圧を紡糸ノズル2及び/又は対向電極5に印加することにより、紡糸ノズル2と対向電極5との間に電位差が生じ、繊維は第1の気流30aに押されながら電気的に吸引されて、対向電極5に向かって飛翔する。この飛翔する繊維に対して、電離放射線10aが照射され、気体をイオン化し、イオン源として作用する。これにより、繊維の帯電が中和され、静電気力による飛翔力を失い、第2の気流30bに押されながら重力に従って落下し、繊維が捕集部材4で回収される。従って、低密度で綿状の繊維集合体を安定的に得ることができる。
なお、電離放射線10aの発生及び照射は、連続的に又は不連続的に行うことができる。また、紡糸ノズル2と対向電極5との間に電界が生じれば良く、いずれか一方のみに高電圧を印加し、他方を接地しても良い。また、紡糸ノズル2は加熱されていても、加熱されていなくても良い。
また、電離放射線源10を使用した場合には、その線量を紡糸ノズル2と対向電極5との間の電位差の形成とは独立して調節できるため、繊維集合体を安定して得ることが可能である。
また、電離放射線源10としては種々の放射線源を使用することができ、特にX線照射装置が望ましい。なお、対向電極5は紡糸ノズル2との間に電位差が生じていれば良く、接地されていても電圧が印加されていても良い。また、電離放射線源10は、繊維に対して放射線を照射できれば良く、対向電極5の背後に位置している必要はない。さらに、対向電極5はネット状である必要はなく、電離放射線が透過できれば種々の部材が使用でき、金属蒸着フィルムであっても使用可能である。
なお、図5とは異なり、電離放射線源10に替えて、対向電極と同様の沿面放電素子を、紡糸ノズル2と、ネット状対向電極5との間に配置して、沿面放電素子からイオンを飛翔する繊維に作用させ、中和することもできる。この場合も、紡糸ノズル2と対向電極5との間の電位差の形成とは独立してイオンを発生させ照射することができるため、イオンの照射量の制御が容易であり、低密度で綿状の繊維集合体を安定して製造することができるという効果を奏する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上記した第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係る繊維集合体製造装置を示す概略図である。
繊維集合体製造装置1Aは、図6に示すように、繊維を紡糸する紡糸室3を備えている。紡糸室3は、主室31と副室32,33とを有している。主室31は、略直方体状の筐体から構成されており、鉛直方向に対向する底壁部31dと上壁部31bと、水平方向に対向する右側壁部31cと左側壁部31aとを含んでいる。副室32,33はそれぞれ、主室31よりも小さい略直方体状の筐体から構成されている。副室32は、主室31の左側壁部31aに連続して設けられている。副室33は、主室31の右側壁部31cに連続して設けられている。副室32が設けられる主室31の左側壁部31aの部位と、副室33が設けられる主室31の右側壁部31cの部位とには、連通孔41,42が設けられており、主室31及び副室32と、主室31及び副室33とが連通されている。
副室32,33内にはそれぞれ、第1紡糸ノズル2a(第1のポリマー供給部)及び第2紡糸ノズル2b(第2のポリマー供給部)が、水平方向に互いに対向するように設けられている。第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bは、繊維の原料となるポリマー溶液を主室31内の紡糸空間へ供給する。ここで、第1紡糸ノズル2aには、ポリマー溶液を供給する第1ポリマー供給機6aと、ポリマー溶液に対して電荷を与えることのできる第1高電圧電源7(第1の電荷付与手段)と、が接続されている。また、第2紡糸ノズル2bには、第2ポリマー供給機6bと、第1高電圧電源7とは反対極性の高電圧を印加する第2高電圧電源8(第2の電荷付与手段)と、が接続されている。
主室31内で底壁部31d上には、例えばネットやコンベア等の捕集部材4(繊維回収装置)が設けられている。この捕集部材4により、紡糸された繊維が捕集される。
また繊維集合体製造装置1Aは、紡糸室3内に気流を送り温度や湿度を制御する温湿度制御装置30が設けられている。この温湿度制御装置30と副室32,33との間にそれぞれ、第1の送風管301及び第2の送風管303が設けられており、また温湿度制御装置30と主室31の上壁部31bとの間に第3の送風管304が設けられている。
温湿度制御装置30から第1の送風管301及び第2の送風管303を通して副室32,33内それぞれに気流を供給すると、この気流は上記の連通孔41,42を通ってそれぞれ対向する第2紡糸ノズル2b及び第1紡糸ノズル2aに向けて主室31内に供給される。このようにして、温湿度制御装置30と第1の送風管301とにより、第1の送風装置が構成され、温湿度制御装置30と第2の送風管303とにより、第2の送風装置が構成されている。また、温湿度制御装置30から第3の送風管304を通して主室31内に気流を供給すると、この気流は上壁部31bから主室31内の底壁部31dに向けて鉛直下方に供給される。このようにして、温湿度制御装置30と第3の送風管304とにより、第3の送風装置が構成されている。
また、本実施形態に係る繊維集合体製造装置1Aでは、主室31の底壁部31dに吸引機9が接続されている。この吸引機9を作動させると、主室31内で捕集部材4に向かう気流が生成される。従って、吸引機9を作動させる場合は、温湿度制御装置30と第3の送風管304と吸引機9とにより、第3の送風装置が構成される。
なお、本実施形態では、第1〜3の送風装置とで温湿度制御装置30を共通化したが、第1〜3の送風装置とで送風のためのブロア等の装置を別々に設けてもよい。
その他は第1実施形態における繊維集合体製造装置1と同様な構成であり、重複する説明は省略する。
続いて、本実施形態に係る繊維集合体製造装置1Aにおける静電紡糸法による繊維集合体の製造方法について説明する。まず、第1高電圧電源7及び第2高電圧電源8により互いに反対極性の電圧をそれぞれ第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bに印加しながら、第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bからポリマー溶液を吐出する。すると、互いに反対極性に帯電された繊維は、対向して吐出されることにより接触及び接近して電荷が中和され、静電気力による飛翔力を失い、重力に従って落下して繊維が捕集部材4で回収される。従って、低密度で綿状の繊維集合体を得ることができる。
このとき、温湿度制御装置30から、第1の送風管301及び第2の送風管303を通してそれぞれ副室32,33から主室31内にそれぞれ第1の気流30a及び第2の気流30cを供給することにより、電気的に中和された繊維が、それぞれ第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bに付着するのを防止することができる。また、温湿度制御装置30から第3の送風管304を通して主室31内に第3の気流30dを供給することにより、第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bから供給され中和された繊維が、それぞれ対向する第2紡糸ノズル2b及び第1紡糸ノズル2aに付着するのを防止できる。従って、繊維集合体を安定して製造することができる。
ここで、第1紡糸ノズル2aからのポリマー溶液吐出条件と、第2紡糸ノズル2bからのポリマー溶液吐出条件とが異なるように調整することにより、繊維径が異なる、繊維構成材の組成が異なるなど、異種の繊維が混在する繊維集合体を製造できる。
また、第1の送風装置が供給する第1の気流30aの流速及び第2の送風装置が供給する第2の気流30cの流速は、第3の送風装置が供給する第3の気流30dの流速よりも速いのが好ましい。これにより、第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bから供給され中和された繊維が、それぞれ第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bに付着するのを効果的に防止できるため、繊維集合体をより安定して製造することができる。
また、第1の気流30a及び第2の気流30cの流速は5〜100cm/sec.が好ましく、15〜60cm/sec.がより好ましい。5cm/sec.未満の場合、第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bから吐出された繊維が、吐出後すぐにそれぞれ第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bに付着しやすくなる傾向にあり、一方、100cm/sec.を超えた場合、吐出後、それぞれが対向する第2紡糸ノズル2b及び第1紡糸ノズル2aに繊維が付着しやすくなる傾向があるためである。
さらに、第3の気流30dの流速は3〜100cm/sec.が好ましく、10〜40cm/sec.がより好ましい。3cm/sec.未満の場合、繊維が第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bに付着しやすくなる傾向にあり、一方、100cm/sec.を超えた場合、捕集部材4に繊維が強く叩きつけられると共に、気流の吸引力を高める必要があるため、繊維同士が接着していないか、低密度で綿状の(嵩高な)繊維集合体を製造することが困難となる傾向があるためである。
さらに、第1の気流30aの流速(f1とする)と、第2の気流30cの流速(f2とする)と、第3の気流30dの流速(f3とする)との間において、以下の関係が成立するのが好ましい。すなわち、f1とf3との差(fd1=|f1−f3|)の、流速の遅い方の気流(好ましくは第3の気流30d)の流速に対する百分率、及びf2とf3との差(fd2=|f2−f3|)の、流速の遅い方の気流(好ましくは第3の気流30d)の流速に対する百分率のいずれもが、10〜200%であるのが好ましく、50〜100%であるのがより好ましい。これは、10%未満の場合でも、200%を超えた場合でも、気流のバランスが崩れやすく、第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bを含めて様々な所に繊維が付着しやすくなり、繊維集合体を安定して製造することが困難となる傾向があるためである。
さらに、第1の気流30a及び第2の気流30cの流速は、実質的に等しいのが好ましい。これにより、紡糸空間における気流を乱さずに繊維を安定して捕集できるため、繊維集合体をより安定して製造することができる。
なお、第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bからのポリマー溶液の吐出は、連続的に又は不連続的に行うことができる。また、第1紡糸ノズル2aと第2紡糸ノズル2bとの間に電界が生じれば良く、これらのいずれか一方のみに高電圧を印加し、他方を接地しても良い。また、第1紡糸ノズル2a及び第2紡糸ノズル2bは加熱されていても、加熱されていなくても良い。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記した第1〜第2実施形態では、紡糸室3を備えているが、気流や温湿度の制御が可能であれば、紡糸室3は必ずしも必要ではない。
また、上記した第1〜第2実施形態においては、1本の紡糸ノズルを使用した態様であるが、紡糸ノズルは1本である必要はなく、生産性を高めるために、2本以上の紡糸ノズルを備えていてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜9)及び(比較例1〜3)
(実施例1〜9)及び(比較例1〜3)について、紡糸に使用したポリマー、紡糸条件及び繊維回収状態などを以下の表にまとめて示した。なお、(実施例1〜8)及び(比較例1〜3)については、第1実施形態に係る繊維集合体製造装置1を用い、(実施例9)については、第2実施形態に係る繊維集合体製造装置1Aを用いた。また、紡糸ノズルとしては、内径0.4mmの金属製注射針(先端はカットしたもの)を使用した。また、対向電極5としては、次のA〜Eを用いた。すなわち、
A:先端の曲率半径が5μmの金属針、
B:直径30μmのタングステンワイヤ、
C:図4に示すように、ステンレス板28(誘起電極)上に厚さ1mmのアルミナ膜26(誘電体基板)を溶射し、その上に直径30μmのタングステンワイヤ27(放電電極)を10mmの等間隔で張った沿面放電素子(タングステンワイヤ27面を紡糸ノズルと対向させると共に接地し、ステンレス板28とタングステンワイヤ27間に交流高電圧電源29により50Hzの交流高電圧を印加)、
D:直径0.1mm、目開き5mmのステンレスメッシュ、
E:内径0.4mmの金属製注射針(先端はカットしたもの)を使用した。
また、イオン照射手段として、次のV〜Zを使用した。すなわち、
V:対向電極A(対向電極を兼ねる)、
W:対向電極B(対向電極を兼ねる)、
X:対向電極C(対向電極を兼ねる)、
Y:9.5keVの最大エネルギーをもつ軟X線(加速電子線平均出力10W)を照射可能な電離放射線源、
Z:対向電極E(対向電極を兼ねる)を使用した。
連続的に30分間、紡糸することができるかどうかを判断することで評価した。
Figure 0004312090
なお、表中、実施例7及び8、及び比較例1〜3における「SiO2ゾル」は、金属化合物としてテトラエトキシシラン、溶媒としてエタノール、加水分解のための水、及び触媒として1規定の塩酸を、1:5:2:0.003のモル比で混合し、温度78℃で10時間の還流操作を行い、次いで、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去して濃縮した後、温度60℃に加温して形成した、粘度が2ポイズのゾル溶液である。また、表中の「ポリマー」は、それぞれPAN:ポリアクリロニトリル、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、EtOH:エタノールである。また、表中の「気流」に関して、水平方向と鉛直方向の気流とは、(実施例1〜8)及び(比較例1〜3)については、それぞれ図1における第1の気流30aと、第2の気流30bとを示し、(実施例9)については、それぞれ図6における第1及び第2の気流30a,30cと、第3の気流30dとを示す。
表から明らかなように、実施例1〜9の静電紡糸法による繊維集合体の製造方法及び繊維集合体製造装置によれば、低密度で綿状の繊維集合体を、紡糸ノズルや対向電極に付着させることなく、安定して製造することができた。
(実施例10)
実施例7及び実施例8の繊維集合体を1日室温で乾燥した後、温度800℃で2時間焼成した。焼成後の繊維集合体も綿状の集合体であった。このように、実施例7及び実施例8の静電紡糸法による繊維集合体の製造方法及び繊維集合体製造装置により製造された繊維集合体は、焼成後においても、綿状の嵩高な状態を維持できることがわかった。
本発明の第1実施形態に係る繊維集合体製造装置を示す概略図である。 ポリマー溶液中に浸したエッジ電極を示す概略図である。 ポリマー溶液中に浸したコンベア状のワイヤ電極を示す概略図である。 (a)は沿面放電素子を示す概略平面図であり、(b)は沿面放電素子を示す概略側面図である。 電離放射線源を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る繊維集合体製造装置を示す概略図である。
符号の説明
1,1A…繊維集合体製造装置、2…紡糸ノズル、2a…第1紡糸ノズル、2b…第2紡糸ノズル、3…紡糸室、4…捕集部材、5…対向電極、5a…イオン、6…ポリマー供給機、6a…第1ポリマー供給機、6b…第2ポリマー供給機、7…第1高電圧電源、8…第2高電圧電源、9…吸引機、10…電離放射線源、10a…電離放射線、11…第3高電圧電源、20…ノコギリ状歯車、20a…先端部、20b…ワイヤ、21…ポリマー溶液、22…ポリマー溶液容器、23…ローラー、25…沿面放電素子、26…誘電体基板、27…放電電極、28…誘起電極、29…交流高電圧電源、30…温湿度制御装置、31…主室、31a…左側壁部、31b…上壁部、31c…右側壁部、31d…底壁部、32,33…副室、301…第1の送風管、302,303…第2の送風管、304…第3の送風管、30a…第1の気流、30b,30c…第2の気流、30d…第3の気流、40,41,42…連通孔。

Claims (11)

  1. 紡糸するポリマー溶液を紡糸空間へ供給するステップと、
    前記ポリマー溶液を供給する方向に第1の気流を供給するステップと、
    前記供給して形成した繊維に、前記繊維の電荷とは反対極性のイオンを照射するステップと、
    前記ポリマー溶液を供給する方向と交差する方向であって紡糸した繊維を回収する方向に第2の気流を供給しながら、該繊維を回収するステップと、
    を含むことを特徴とする、静電紡糸法による繊維集合体の製造方法。
  2. 前記第1の気流の流速は、前記第2の気流の流速よりも速いことを特徴とする、請求項1に記載の静電紡糸法による繊維集合体の製造方法。
  3. 対向した第1及び第2の位置から、互いに反対極性のポリマー溶液を紡糸空間へ供給するステップと、
    前記第1の位置からポリマー溶液を供給する方向に、第1の気流を供給するステップと、
    前記第2の位置からポリマー溶液を供給する方向に、第2の気流を供給するステップと、
    前記第1の位置と前記第2の位置とが対向する方向と交差する方向であって紡糸した繊維を回収する方向に第3の気流を供給しながら、該繊維を回収するステップと、
    を含むことを特徴とする、静電紡糸法による繊維集合体の製造方法。
  4. 前記第1及び第2の気流の流速は、前記第3の気流の流速よりも速いことを特徴とする、請求項3に記載の静電紡糸法による繊維集合体の製造方法。
  5. 前記第1の気流の流速と前記第2の気流の流速とは、実質的に等しいことを特徴とする、請求項3または4に記載の静電紡糸法による繊維集合体の製造方法。
  6. ポリマー溶液を紡糸空間へ供給できるポリマー供給部と、
    前記ポリマー溶液に対して電荷を与えることのできる電荷付与手段と、
    前記ポリマー供給部に対向しており、ポリマー溶液の供給により形成された繊維を電気的に吸引することのできる対向電極と、
    前記ポリマー供給部と前記対向電極間を飛翔中の繊維に対して、前記繊維の電荷と反対極性のイオンを照射できる手段と、
    紡糸した繊維を回収できる繊維回収装置と、
    前記ポリマー供給部から前記対向電極に向かう方向に、第1の気流を供給できる第1の送風装置と、
    前記ポリマー供給部から前記対向電極に向かう方向と交差し前記繊維回収装置に向かう方向に、第2の気流を供給できる第2の送風装置と、
    を備えることを特徴とする、繊維集合体製造装置。
  7. 前記イオン照射手段が電離放射線源である、請求項6に記載の繊維集合体製造装置。
  8. 前記第1の気流の流速は、前記第2の気流の流速よりも速いことを特徴とする、請求項6または7に記載の繊維集合体製造装置。
  9. ポリマー溶液を紡糸空間へ供給できる第1のポリマー供給部と、
    前記第1のポリマー供給部から供給されるポリマー溶液に対して電荷を与えることができる第1の電荷付与手段と、
    前記第1のポリマー供給部に対向しており、ポリマー溶液を前記紡糸空間へ供給できる第2のポリマー供給部と、
    前記第2のポリマー供給部から供給されるポリマー溶液に対して前記第1のポリマー供給部から供給されるポリマー溶液とは反対極性の電荷を与えることができる第2の電荷付与手段と、
    紡糸した繊維を回収できる繊維回収装置と、
    前記第1のポリマー供給部から前記第2のポリマー供給部に向かう方向に、第1の気流を供給できる第1の送風装置と、
    前記第2のポリマー供給部から前記第1のポリマー供給部に向かう方向に、第2の気流を供給できる第2の送風装置と、
    前記第1のポリマー供給部と前記第2のポリマー供給部とが対向する方向と交差し前記繊維回収装置に向かう方向に、第3の気流を供給できる第3の送風装置と、
    を備えることを特徴とする、繊維集合体製造装置。
  10. 前記第1及び第2の気流の流速は、前記第3の気流の流速よりも速いことを特徴とする、請求項9に記載の繊維集合体製造装置。
  11. 前記第1の気流の流速と前記第2の気流の流速とは、実質的に等しいことを特徴とする、請求項9または10に記載の繊維集合体製造装置。
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