以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像入出力システムの全体構成を示すブロック図である。
画像入出力システム100は、図1に示すように、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換するリーダ装置200と、シートを給紙し、このシート上に画像データを可視画像として印字して装置外に排紙するプリンタ装置300と、リーダ装置200およびプリンタ装置300を制御するための制御装置110とを備える。
リーダ装置200は、原稿用紙を給送するための原稿給紙ユニット(DFユニット)250と、原稿を読み取るためのスキャナユニット210とから構成される。
プリンタ装置300は、複数種類のシートカセットを有する給紙ユニット310と、画像データをシートに転写し、定着させるためのマーキングユニット320と、印字されたシートを機外へ出力するための排紙ユニット330と、ステイプル処理、ソート処理などを行うフィニッシャユニット500とから構成される。
制御装置110は、リーダ装置200、プリンタ装置300と電気的に接続され、さらにLAN(Local Area Network)400を介して、ホストコンピュータ(PC)401,402と接続されている。制御装置110は、リーダ装置200を制御して原稿の画像データを読み込み、プリンタ装置300を制御して画像データをシートに出力するコピー機能を提供する。また、制御装置110は、リーダ装置200から読み取った画像データをコードデータに変換し、LAN400を介してホストコンピュータ401,402へ送信するスキャナ機能、ホストコンピュータ401,402からLAN400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ装置300に出力するプリンタ機能を提供する。
また、制御装置110には、リーダ装置200により読み取られた画像データを蓄積するための画像蓄積部160が接続されている。プリンタ装置300は、制御装置110を介して画像蓄積部160から画像データを読み出し、この読み出した画像データを印字することが可能である。従って、原稿の読み込みとプリントとを非同期で行うことができる。また、一度読み込んだ画像データを複数回読み出して印字することも可能であり、これにより電子ソート機能および試しコピー(試し印刷モード)が実現される。
例えば、操作部から試し印刷モードがユーザにより選択されたことに場合、制御装置110は以下のように動作するよう各種ユニットを制御する。まず、ユーザにより操作部を介して設定された処理モード(縮小レイアウト処理モード、拡大レイアウトモード、ステイプルモード、画像回転モード、ページ連写モード、ページ印字モード等の各種の処理モード)、及び、そのモード下にて設定される各種処理条件としての設定パラメータ(例えば、縮小レイアウトモードが選択された場合、そのモードのパラメータとしては、シート上に配列形成させるべき画像の個数に関する設定パラメータ(2個か、4個か、8個か、9個か、16個等の画像配置数)や、それら複数画像の配列順序に関する設定パラメータ(例えば、4in1モードの場合は、1頁目から4頁目の各画像を、1枚のシートの同一面上の左上、右上、左下、右下の配置領域のどの領域にレイアウトするかを指定する為の配列位置等の指定)を、メモリに一旦記憶保持する。そして、該記憶した上記モード情報及びそのモードのパラメータデータに従った処理を、メモリ(ハードディスク等)に取り込んだ印刷ジョブ(画像データ)に対して実行させる。そして、その結果を、ユーザに確認してもらうべく、試し印刷として印刷出力させる。
そして、試し印刷処理にて出力された印刷出力結果をユーザにより確認させる。
もし、ここで、ユーザにより特に出力結果に問題なく、最初に設定した処理条件のままで、そのまま出力を許可する旨の指示を操作部を介してユーザにより入力された場合は、最初の印刷設定時にてユーザにより設定された印刷部数(及び/又は印刷頁枚数)と、試し印刷処理にて印刷した印刷部数(及び/又は印刷ページ枚数)とに基づいた数の印刷部数(及び/又は印刷ページ枚数)で、且つ、上記先のユーザにより設定された印刷処理条件に従って、上記印刷ジョブの印刷処理を実行させる。例えば、ユーザにより、試し印刷モードが指定された状態で、1ジョブ分の原稿データとして、原稿枚数が5ページからなる1つの原稿束(1つのジョブ)を、各種の処理条件に基づいて、ユーザから5部印刷するよう設定されたとする。この場合に、例えば、試し印刷処理時に、1〜5頁目の出力からなる出力束を、上記ユーザからの各種設定条件に従って、1部分(この場合、5頁分×1部)を出力したとする。そして、ユーザから特に印刷条件の修正なしで、このまま印刷を続行させる旨の指示が投入されたことに応じて、制御装置110は、最初の設定部数5から印刷処理時の設定部数1を引いた、4部数分の印刷を、先の印刷条件と同様の印刷条件で出力させる(5頁分×4部)。これは、試し印刷時の出力結果も、適正な出力結果として勘定できるからであり、極力、無駄な出力を抑制する為の制御である。
一方、ユーザにより試し印刷出力を確認させた結果、所望の出力ではなく、ユーザにより先に設定した印刷処理条件を変更して、変更後の印刷処理条件で印刷出力を実行させる為の指示がユーザにより操作部を介して入力された場合、制御装置110は、ユーザにより設定変更させる為の各種UI画面を操作部に表示させ、その画面を介して、印刷処理条件を設定変更させる(例えば、両面印刷から片面印刷への設定変更や、ノンソートモードからステイプルモードへの設定変更など)。そして、印刷処理条件の設定変更後、その設定変更後の印刷処理条件に従った処理を、上記メモリに格納されている上記印刷ジョブに対して実行して、印刷出力する。このように、試し印刷処理後に、ユーザにより印刷処理条件の設定変更がなされた場合、制御装置110は、試し印刷後に実行すべき当該印刷ジョブの出力部数(及び/又は印刷頁枚数)を、ユーザが最初に設定した印刷部数分(この例の場合は、5頁分×5部)実行させる。これは、試し印刷時に出力した印刷結果はユーザが所望とするデータとは異なるであり、該試し印刷出力時の印刷結果は無効として、改めて、ユーザの所望の出力結果を生成させる為の処置である。
このように、制御装置110は、試し印刷モードを制御し、試し印刷処理後に実行すべき印刷出力枚数を、試し印刷実行前に設定されたユーザからの印刷部数(及び/又は印刷頁枚数)情報、及び、試し印刷時に出力した印刷部数(及び/又は印刷頁枚数)情報、及び、試し印刷処理実行後に入力されるユーザからの指示(試し印刷処理時と同じ印刷処理条件のまま印刷処理を続行させる為の指示、或いは、試し印刷処理時とは異なる印刷処理条件であらためて印刷処理を実行させる指示)に基づいて、調整して、印刷出力させる。
そして、本形態は特に、試し印刷時の印刷ジョブの出力頁枚数を、ユーザからの幅広いニーズに対応可能にしている。
例えば、1つの印刷ジョブが100頁で構成される原稿束を試し印刷モードで印刷させようとした場合に、1部数分、即ち、100頁印刷しなくても、例えば、先頭頁等の所定頁だけを、或いは、1枚の出力用紙等の所定枚数の出力用紙枚数分だけ印刷すれば、ユーザにより出力結果を確認できるような状態(カラー出力等の色見だけをチェックしたい等や、印刷される領域や印刷される画像の向きだけをチェックできれば良い等)にもかかわらず、従来のような試し印刷における1ジョブ1部数分の印刷を実行してしまうことにより、100頁全て出力してしまう等の無駄を防止できるようにしている。
このような不具合が生じることを防止するために、本実施の形態の制御装置110は、試し印刷モードにおける試し印刷時の出力頁枚数を適宜調整可能に制御する。
例えば、試し印刷時に出力すべき印刷出力枚数として、試し印刷で処理すべき1つの印刷ジョブに含まれる全ての原稿ページを全て印刷させる為の第1モード(例えば、上記例でいえば、原稿100ページ分、即ち、1部数分、全て印刷させる)、及び、試し印刷時に印刷すべき出力枚数を、試し印刷で処理すべきジョブに含まれる原稿ページ数に関係なく、ユーザにより任意に出力枚数を指定可能にする第2モード(例えば、上記例でいえば、1ジョブ内に原稿100ページあるが、それには関係なく、任意の出力枚数分、或いは、任意の原稿ページ枚数分、ユーザにより指定可能にする)、及び、試し印刷モードの対象となる印刷ジョブに含まれる原稿ページ数に関係なく、当該印刷ジョブに対してユーザにより設定された印刷処理条件(処理モード、設定パラメータ等)に応じて、制御装置110により、試し印刷時に出力すべき印刷枚数を自動的に決定して試し印刷する第3モード(例えば、ユーザにより設定された処理モードが両面印刷モードの場合、両面印刷モード用に予めセットされた印刷出力枚数分だけ試し印刷を行い、又、例えば、ユーザにより設定された処理モードがステイプルモードの場合は、ステイプルモード用に予めセットされた印刷出力枚数分だけ試し印刷する等)、等の、試し印刷時の印刷出力枚数を決定する為の複数のモードを有しており、それらのモード(ここでは、大きくわけて、3つのモードを有している)の中からユーザにより所望のモードを選択可能に構成している。
尚、本実施の形態では、上述の第1モードは、後述する図9の操作画面例における「全ページ」モードに相当し、第2モードは図9の「マニュアル」モードに相当し、第3モードは図9の「自動」モードに相当し、後述の図9のUI画面を介して、ユーザにより所望のモードを選択可能に構成している。
又、詳しくは図16の操作画面例等を用いて後述するが、上記「自動」モードを行う上で、ユーザにより設定可能な処理モード毎に試し印刷時における印刷出力枚数を予め設定させておき、それを、例えば、テーブルデータ形式で、不図示のメモリに記憶保持しておき、上記自動モードが選択された場合は、該テーブルデータの中からユーザが設定した処理モードに応じた印刷出力枚数データを参照して、その印刷出力枚数分、試し印刷を実行させる。
又、本実施の形態の制御装置110は、上記制御に関連して、試し印刷処理後に実行すべき本番印刷処理用の印刷処理にて実行すべき印刷部数(及び/又は印刷頁枚数)も併せて制御している。
例えば、上記試し印刷処理時の印刷出力枚数を選択する為の、全ページモード及びマニュアルモード及び自動モードのうち、全ページモードがユーザにより選択された場合、印刷ジョブの全ページ、即ち、1部数分、試し印刷する(尚、本形態では、全ページモードにて所定部数として1部としているが、これに限らず、任意の部数でよい)。従って、試し印刷結果が適正な結果であることをユーザが確認し、そのまま印刷処理を続行させる指示がユーザにより投入された場合(試し印刷解除後)、上述したように、ユーザにより設定された印刷部数分から上記1部数分減算した値に相当する部数分、印刷処理を実行させるよう制御装置110は制御する。
しかし、上記マニュアルモードの場合は、試し印刷時の印刷枚数をユーザにより任意に指定可能にし、それに従って試し印刷を実行させている為、試し印刷処理では、印刷ジョブの1部数分の出力を行っていない(例えば、100枚のうちの5枚のみ試し印刷する等)。又、上記自動モードが選択された場合も同様に、このモードが選択された場合は、ユーザにより設定された印刷処理モードに応じた出力枚数分しか、試し印刷を行っていない(ステイプルモードが選択された場合は、ステイプルモード用の枚数分、試し印刷する等)。
そこで、制御装置110は、上記マニュアルモードが選択された場合、及び、自動モードが選択された場合は、例えば、試し印刷処理後にユーザにより設定変更がなされずそのまま印刷処理を続行するよう指示されたとしても、試し印刷後に実行すべき印刷部数を、試し印刷時に出力した印刷枚数に拠らずに、ユーザにより最初に設定された印刷部数分、実行するよう制御する。
これにより、例えば、ユーザにより設定された印刷部数が10部の印刷ジョブを処理する場合、制御装置110により以下のような制御をとる。
(1)「試し印刷枚数:全ページ」を選択→試し印刷時に印刷ジョブを1部数分試し印刷させる。→「ユーザにより設定変更あり」→試し印刷解除後、新たな印刷設定(ユーザにより設定変更後の印刷設定)で、10部印刷させる。
(2)「試し印刷枚数:全ページ」を選択→試し印刷時に印刷ジョブを1部数分試し印刷させる。→「ユーザにより設定変更なし」→試し印刷解除後、元の印刷設定のまま(試し印刷時の印刷条件と同じ印刷条件のまま)、9部印刷させる。
尚、本実施の形態では、印刷ジョブに対する初期設定で設定された印刷部数をN部とし(上記例ではN=10)、試し印刷時の印刷部数を所定部数Pとしている(上記例では、P=1)。上記部数Nの値は、ユーザが試し印刷モード実行前の初期設定で設定した印刷ジョブの印刷条件である(上記例では10部)。但し、この部数Nは、少なくとも2部以上と定めている(つまり、印刷部数が複数部数の印刷ジョブのみ該当する。1部の印刷ジョブは該当しない)。上記部数Pの値は、ユーザモード等により、上記のように1部でもよいし、任意の部数を設定可能にしている。そして、制御装置110は、上記制御例(2)の試し印刷後の印刷部数として、部数N部(但し、Nは2以上)−部数P=部数Aの計算処理を行い、上記演算結果の答えであるA部数分だけ本番用の印刷を行う。よって、上記例では、部数N−部数P=部数Aの計算式に基づき、それぞれ値を代入し、10−1=9となり、9部数分、本番用の印刷を行う。
(3)「試し印刷枚数:マニュアル」を選択→試し印刷時に印刷ジョブをユーザにより設定された枚数分だけ試し印刷させる。→「ユーザにより設定変更あり」→試し印刷解除後、新たな印刷設定で、10部印刷させる。
(4)「試し印刷枚数:マニュアル」を選択→試し印刷時に印刷ジョブをユーザにより設定された枚数分だけ試し印刷させる。→「ユーザにより設定変更なし」→試し印刷解除後、元の印刷設定のまま、10部印刷させる。
この制御例(4)を見ても分かるように、マニュアルモードで試し印刷した場合は、たとえ試し印刷後にユーザによる印刷条件の設定変更がなされなかった場合でも、上記制御例(2)のような、N−P部(上記例では、10部−1部)での本番用の印刷を実行させずに、N部(上記例では10部)で、本番用の印刷を実行させる。
(5)「試し印刷枚数:自動」を選択→試し印刷時に印刷ジョブを、当該印刷ジョブに対して設定された処理モードに応じた枚数分だけ試し印刷させる。→「ユーザにより設定変更あり」→試し印刷解除後、新たな印刷設定で、10部印刷させる。
(6)「試し印刷枚数:自動」を選択→試し印刷時に印刷ジョブを、当該印刷ジョブに対して設定された処理モードに応じた枚数分だけ試し印刷させる。→「ユーザにより設定変更なし」→試し印刷解除後、元の印刷設定のまま、10部印刷させる。
この制御例(6)を見ても分かるように、自動モードで試し印刷した場合は、たとえ試し印刷後にユーザによる印刷条件の設定変更がなされなかった場合でも、上記制御例(2)のような、N−P部(上記例では、10部−1部)での本番用の印刷を実行させずに、N部(上記例では10部)で、本番用の印刷を実行させる。
上記(2)、(4)、(6)を比較してみても分かるように、本形態の制御装置110は、試し印刷後にて、ユーザによる設定変更が行われずに印刷続行が指示指示された場合であっても、試し印刷時のモードが上記全ページモードか、マニュアルモードか、自動モードかによって、試し印刷処理後に実行すべき印刷部数を適宜調整している。
このように制御を各モード毎に異ならせることにより、試し印刷における使い勝手の向上(生産性や無駄な出力防止)を図ると共に、使い勝手を向上させた為にユーザが所望の必要部数分出力されない等の印刷結果に不具合が生じることを防止して、適切な印刷結果を保証することができ、試し印刷における使い勝手の向上と印刷保障の両立を図ることができる。
尚、変形例として、試し印刷対象となる印刷ジョブに対して、ステイプルモードや縮小レイアウトモードや両面モード等の、所定の処理モードがユーザにより設定された時点で、上記3つのモード(全ページモード/マニュアルモード/自動モード)のうちの、特定のモードを自動的に設定したり、あるモードの設定は禁止して、別のモードの設定のみを選択可能にするよう制御装置110により制御してもよい。
例えば、試し印刷対象となる印刷ジョブに対して、ステイプルモードや、両面モードや、縮小レイアウトモードが設定された場合、上記3つのうちの、マニュアルモードの実行を禁止するよう、図9の操作画面上の「マニュアル」キーを網掛け表示にして、「自動」及び「全ページ」のみを選択可能にして、「マニュアル」モードはユーザにより選択できないよう表示制御する。
又、例えば、試し印刷対象となる印刷ジョブに対して、ステイプルモードや、両面モードや、縮小レイアウトモードが設定された場合、図9の操作画面にてモードの選択をユーザが行わなくとも、自動的に、上記自動モードを設定するよう制御する。
また、制御装置110には、操作部150が接続されている。操作部150は、タッチパネル付液晶表示装置(LCD)を有し、画像入出力システム100を操作するためのユーザI/Fを提供する。この操作部150についての詳細は、後述する。
次に、上記リーダ装置200およびプリンタ装置300の構成について図2を参照しながら説明する。図2は図1の画像入出力システムにおけるリーダ装置およびプリンタ装置の構成を示す断面図である。
リーダ装置200の原稿給紙ユニット(DFユニット)250は、原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、スキャナユニット210による原稿の読取り動作終了後、プラテンガラス211上の原稿を排出トレイ219に排出するものである。原稿給紙ユニット250においては、原稿の有無を検知するためのセンサ230が設けられている。スキャナユニット210においては、原稿がプラテンガラス211上に搬送されると、ランプ212を点灯し、そして光学ユニット213の移動を開始して原稿を露光走査する。このときの原稿からの反射光は、ミラー214,215,216およびレンズ217を介してCCDイメージセンサ(以下、CCDという)218へ導かれる。このように走査された原稿の画像は、CCD218によって読み取られる。CCD218から出力される画像データは、所定の処理が施された後、制御装置110へ転送される。
プリンタ装置300は、レーザ発光部322を駆動するレーザドライバ321を有し、このレーザドライバ321は、制御装置110から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部322から発光させる。このレーザ光は感光ドラム323に照射され、感光ドラム323には、レーザ光に応じた潜像が形成される。この感光ドラム323の潜像は、現像器324から供給された現像剤により現像剤像として可視像化される。
また、上記レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット311、カセット312、カセット313、カセット314、手差し給紙段315のいずれかからシートが給紙され、このシートは搬送路331を介して転写部325へ向けて搬送される。この搬送されたシート上には、転写部325により、感光ドラム323上の現像剤像が転写される。現像剤像が転写されたシートは、搬送ベルト326によって、定着部327に搬送される。
定着部327においては、シート上の現像剤像が熱圧されてシート上に定着される。この定着部327を通過したシートは、搬送路335、搬送路334を経て排出される。また、印字面を反転して排出する場合には、定着部327を通過したシートは、一旦搬送路336、搬送路338まで導かれた後に、そこから逆方向に搬送されて搬送路337、搬送路334を経て排出される。また、両面記録が設定されている場合、シートは、定着部327を通過した後に、フラッパ329によって、搬送路336から搬送路333へ導かれる。その後、シートは逆方向に搬送され、フラッパ329によって、搬送路338、再給紙搬送路332へ導かれる。再給紙搬送路332へ導かれたシートは、上述したタイミングで搬送路331を通って転写部325へ給紙される。
搬送路334を経て排出されたシートは、フィニッシャユニット500内へ搬送される。フィニッシャユニット500内に搬送されたシートは、まずバッファユニット501へ送られる。ここでは、場合に応じて搬送されてきたシートをバッファローラに巻きつけてバッファリングする。例えば、この下流で行われるステイプルなどの処理に時間が掛かる場合は、このバッファユニットを利用することによって本体から搬送されてくるシートの搬送速度を一定に保つことができ、スループットの向上を図ることが可能である。
バッファユニット501からのシートは、上流排出ローラ対502、下流排出ローラ対503により排紙トレイ507aに排出される。ステイプルモードの場合、シートが上流排出ローラ対502で搬送され、そのシート後端がこれを抜けた直後、シートは、ローレットベルト504によって引き戻され、ステイプルトレイ505に排出される。
ステイプルトレイ505上に所定の枚数分のシートが積載されると、ステイプルユニット506によってこのシート束に対してステイプル処理が行われ、この後にステイプルされたシート束が、下流排出ローラ対503により排出トレイ507aに排出される。
本実施の形態では、2つの排出トレイ507a,507bが設けられ、これらは連動して不図示の駆動ユニットにより上下に移動させることが可能である。また、本図において、排出トレイ507aはシートが排出される位置にあるが、これを上方向に移動して排出トレイ507bに排出させることも可能である。
次に、操作部150について図3を参照しながら説明する。図3は図1の画像入出力システムの操作部を示す図である。
操作部150は、図3に示すように、主なモード設定、状況表示を行うためのタッチパネル付LCD600と、複数のキーとを有する。複数のキーとしては、0〜9までの数値を入力するためのテンキー601、装置が部門管理されている場合に部門番号とパスワードを入力する際に使用されるIDキー602、設定されたモードをリセットするためのリセットキー603、各モードについての説明画面を表示するためのガイドキー604、ユーザモード画面に入るためのユーザモードキー605、割り込みコピーを行うための割り込みキー606が設けられている。
また、コピー動作をスタートさせるためのスタートキー607、実行中のコピージョブを中止させるためのストップキー608が設けられている。また、ソフト電源スイッチ609が設けられ、このソフト電源スイッチ609を押下することによりLCD600のバックライトが消え、装置は低電力状態に移行する。さらに、節電キー610が設けられ、この節電キー610を押下することによって、節電状態に入り、再度押下することで節電状態から復帰する。さらに、拡張機能、コピー、ボックスに移行させるためのファンクションキー611,612,613が設けられている。本図(図3)は、コピーの標準画面が表示された状態を示し、他のファンクションキー611,612を押下することでそれぞれの機能の標準画面が表示される。
さらに、LCD600のコントラストを調整するための調整キー614、カウンタ確認キー615が設けられている。カウンタ確認キー615を押下することによって、それまでに使用したコピー枚数の集計を表示するカウント画面がLCD600上に表示される。さらに、ジョブの実行中、画像蓄積部160への画像蓄積中を示すLED616、ジャム、ドアオープンなどの装置がエラー状態にあることを示すエラーLED617、装置のメインスイッチがONになっていることを示す電源LED618が設けられている。
次に、本実施の形態における試しコピーの動作について説明する。
まず、操作部150およびそれに設けられているタッチパネル付きLCD600の制御について図4を参照しながら説明する。図4は図3の操作部150およびタッチパネル付きLCD600の制御タスクを示すフローチャートである。
操作部150およびLCD600に対する制御は、電源立ち上げ時から起動され、常にランニング状態にある。この制御は、制御装置110により実行されるものである。
図4を参照するに、まずステップS41において、装置状態がアイドル状態か否かを判定する。このアイドル状態とは、コピージョブなど、実行されているジョブが何もない状態をいう。ここで、装置状態がアイドル状態であると判定された場合は、ステップS42において、アイドル状態での制御を行い、ステップS43へ進む。これに対し、装置状態がアイドル状態でないと判定された場合は、上記ステップS42をスキップして、ステップS43へ進む。
ステップS43では、動作中か否かの判定を行う。ここで、コピー動作が実行されている場合は、動作中であると判定し、ステップS44において、動作内容に応じた制御を行う。そして、ステップS45へ進む。これに対し、動作中でないと判定された場合は、上記ステップS44をスキップしてステップS45へ進む。
ステップS45では、装置状態が試しコピーの中間状態にあるか否かを判定する。この試しコピーの中間状態とは、一部の試し出力が終了した後、一旦ジョブが中断状態になり、この中断状態中にユーザによる操作(例えばLCD600からの操作入力)を認める状態である。この詳細については、後述する。ここで、装置状態が試しコピーの中間状態にあると判定された場合は、ステップS46において、試しコピーの中間状態での制御を行う。そして、上記ステップS41へ戻る。これに対し、装置状態が試しコピーの中間状態にないと判定された場合は、上記ステップS41へ戻る。
なお、図示していないが、上記処理の他に、紙なし中断中、ジャム処理中などの例外処理状態においては、対応する個別の処理が行われるが、これについての説明は省略する。
次に、上記ステップS42のアイドル制御について図5、図6、図7、図9および図12を参照しながら説明する。図5は図4のステップS42のアイドル制御の手順を示すフローチャート、図6は図3の操作部150のLCD600に表示されるアイドル状態時の画面例を示す図、図7は図5のステップS60の試し枚数設定の画面例を示す図、図9は図5のステップS61の試しコピーモードオン時における試しコピーキー500の反転表示状態を示す図、図12は図6の画面上で応用モードキー503を押下することにより表示される応用モード設定画面例を示す図である。ここでは、アイドル状態時における操作部150に対する制御のうち、試しコピーに関する部分について説明する。
アイドル状態時、操作部150のLCD600には、図6に示す画面が表示される。このアイドル状態においては、ユーザ操作により置数、用紙選択、ソートなどのコピーモードを設定することができる。図6の画面においては、試しコピーを設定する試しコピーキー500が表示される。この試しコピーキー500は、通常表示されておらず、モードの設定状態に応じて表示されるものである。これについては、後述する。
アイドル制御では、図5に示すように、まずステップS51において、キー群205のテンキーの操作により置数が入力されたか否かを判定する。ここで、置数が入力されたと判定された場合は、ステップS52において、入力された置数の設定を行う。この置数はユーザによるクリア、再設定が行われない限り保持される。そして、ステップS53へ進む。これに対し、置数が入力されていないと判定された場合は、上記ステップS52をスキップして、ステップS53へ進む。
ステップS53では、置数以外のその他のモードが入力されたか否かを判定する。ここで、その他のモードが入力された判定された場合は、ステップS54において、入力されたモードを設定し、そして、ステップS55へ進む。その他のモードとしては、例えば図6に示すように用紙選択、ソータ、両面などがあり、また、図6に示す画面上で応用モードキー503を押下すると、図12に示すようなモード設定画面が表示され、この画面上で、表紙/合紙、製本、原稿混載、移動、枠消しなど、デジタル複写機に一般に使われている機能の設定が可能になる。これらのモードについては公知のものであるため、その詳細な説明は省略する。これに対し、その他のモードが入力されていないと判定された場合、上記ステップS54をスキップしてステップS55へ進む。
ステップS55では、置数が1より大きいか否かを判定し、置数が1より大きい場合は、ステップS56で、ソート系のモードが設定されているか否かを判定する。ここで、ソート系のモードが設定されていると判定された場合は、ステップS57において、図6に示す画面のように、試しコピーキー500を表示する。これは、ノンソート系または置数1のコピーについては、試しコピーの実行に意味がないため、敢えて表示しない措置である。そして、ステップS58において、試しコピーキー500がオンされたか否かを判定する。
上記ステップS58で試しコピーキー500がオンされたと判定された場合は、ステップS60において、試しプリント枚数設定を行う。具体的には、試しコピーキー500がオンされると、図6の画面が図9の画面に遷移し、この画面上で、試しプリントする枚数を自動設定にするか、マニュアル設定にするか、全ページを対象にするかの指定を行う。マニュアル設定が選択された場合は、テンキーにより枚数が設定され、設定された枚数値が設定枚数欄501に表示される。この画面は、OKキー502の押下で閉じられ、画面は図6の画面に遷移する。これと同時に、ステップS61において、試しコピーモードをオンする。この際、試しコピーキー500は、図7に示すように、黒に反転される。そして、ステップS62へ進む。
ステップS58で試しコピーキー500がオンされたいないと判定された場合、上記ステップS55で置数が1であると判定された場合、または上記ステップS56でソート系のモードでないと判定された場合は、ステップS59へ進み、試しコピーモードをオフにする。そして、ステップS62へ進む。
ステップS62では、スタートキー607が押下されたか否かを判定し、スタートキー607が押下されていない場合は、上記ステップS51へ戻り、アイドル状態中の処理を繰り返す。これに対し、スタートキー607が押下されたと判定された場合、ステップS63において、コピーシーケンスを起動する。このときに、設定された置数、試しコピーモード設定、その他のモード設定などのデータが操作部制御タスクからコピーシーケンスタスクに渡される。
次いで、ステップS64において、コピーシーケンスが動作中になるのを待ち、アイドル制御を終了する。
次に、上記コピーシーケンスについて図8、図10、図11、および図13〜図24を参照しながら説明する。図8は図5のステップS63のコピーシーケンスを示すフローチャート、図10は図3の操作部のLCD600に表示される試しコピー動作時の画面例を示す図、図11は図8のステップS84の試しコピー動作の手順を示すフローチャート、図13は図11のステップS115の自動ページ算出処理の手順を示すフローチャート、図14は合紙モードによる出力ページ間に合紙を挿入した例を模式的に示す図、図15(a)は両面モードで読み取られる原稿の一例を示す図、図15(b)は左右開き両面モード時の試しコピー例を示す図、図15(c)は上下開き両面モード時の試しコピー例を示す図、図16は試しコピーの自動ページ算出における設定ページ数を予め設定可能な画面例を示す図、図17は自動ページ算出におけるステイプルモード時の試し印刷枚数の設定根拠を模式的に示す図、図18は自動ページ算出における縮小レイアウトモード時の試し印刷枚数の設定根拠を模式的に示す図、図19(a)は表紙モードによる出力例を示す図、図19(b)は表紙モードが設定されている両面モードの場合の試しコピーの結果例を示す図、図19(c)は表紙モードが設定されているステイプルモードの場合の試しコピーの結果例を示す図、図19(d)は表紙モードが設定されている場合の試しコピーの結果例を示す図、図20および図21は図4のステップS46の試しコピー中間状態制御を示すフローチャート、図22は図4のステップS46の試しコピー中間状態制御時に表示される画面例を示す図、図23は図20のステップS202で設定変更の要求が出されたと判定された際に表示される再設定画面例を示す図、図24は図20のステップS203で設定変更があると判定された際に表示される画面例を示す図である。
コピーシーケンスが起動されると、図8に示すように、まずステップS81においてコピーモードが設定されているか否かを判定する。ここで、コピーモードが設定されていると判定された場合は、ステップS82において、置数を1に設定する。ここで設定する置数は、ユーザがセットした置数とは別の内部的な処理に使う仮の置数であり、試しコピーモード中においては、一部印刷した後に一旦中間状態に入るために設定されるものである。
次いで、ステップS83において、操作部制御タスクに試しコピーの動作に入ったことを通知する。この通知を受けて操作部制御タスクは、上記ステップS44(図4)の動作に入り、この中の制御によって、図10に示すような画面への表示切替えを行う。この画面においては、試しプリント中であることを示すメッセージなどが表示される。そして、ステップS84において、試しコピー動作を開始する。ここでは、原稿を読み込み、その画像データを画像メモリ120に蓄積しながら、1部の印刷を行う。
試しコピー動作においては、上記ステップS60で設定された試しプリント枚数に基づいて処理が行われる。具体的には、図11に示すように、まずステップS111において、全ページ印字が選択されているか否かを判定し、全ページの印字が選択されたと判定されると、ステップS112において、読み込まれた全ページの印刷を行うように設定する。そして、ステップ116へ進む。これに対し、全ページの印字が選択されていないと判定された場合は、ステップS113において、マニュアル設定がされているか否かを判定する。ここで、マニュアル設定がされていると判定された場合は、ステップS114において、マニュアル設定されたページ数分だけの印刷を行うように設定する。そして、ステップS116へ進む。
上記ステップS113でマニュアル設定されていないと判定された場合は、ステップS115において、自動ページ算出処理を行う。
この自動ページ算出処理では、具体的には、図13に示すように、まずステップS131において、原稿混載が設定されているか否かを判定し、原稿混載が設定されていると判定された場合、印字結果の仕上がり具合としては全ページを印刷して確認する必要があるので、ステップS133において、全ページの印刷を行うように設定し、本処理を終了する。これに対し、原稿混載が設定されていないと判定された場合、ステップS132において、合紙モードが設定されているか否かを判定する。合紙モードは、図14に示すように例えば出力ページA〜Gのうち、任意のページ間に合紙を挿入するモードである。ここで、合紙モードが設定されていると判定された場合、原稿混載の場合と同様に、印字結果の仕上がり具合としては全ページを印刷して確認する必要があるので、ステップS133において、全ページの印刷を行うように設定する。
上記ステップS132で合紙モードが設定されていないと判定された場合、ステップS134において、両面印字モードが設定されているか否かを判定する。ここで、両面印字モードが設定されていると判定された場合は、ステップS135において、両面印字用枚数を設定し、そして、ステップS136へ進む。ここで、図15(a)に示すようなA〜Lからなる原稿を両面印字する場合を考える。両面モードとしては、図15(b)に示すような左右開き両面モード、即ち左端を閉じたときに所望の両面印字結果を得られるモードと、図15(c)に示すような上下開き両面モード、即ち上端を閉じたときに所望の両面印字結果を得られるモードとがある。いずれのモードの場合も、2枚分のシートを印字することができれば、全体の仕上がり結果を十分に予想することができるため、両面モードでの印刷枚数設定は用紙2枚分と決定する。
なお、本実施の形態では、両面モードに対する設定用紙枚数を予めプリセットしておき、変更可能にすることが可能である。この場合、このようなプリセットモードは、図3の操作部105に設けられたユーザモードキー605を押下することによって、遷移するユーザモード設定画面の中でセットされる。例えば、図16に示すような試しコピーの自動ページ算出における設定ページ数を予め設定可能な画面を表示する。この画面上では、両面、ステイプル、縮小レイアウトモードにおける印字枚数を可変設定することが可能であり、この画面の場合は、各キーを押下すると、それが反転し、そこでテンキーにより入力された値が当該モードにおける印字枚数として設定される。また、図16の画面上の「その他」には、特殊なモードが設定されない場合のデフォルト値としてセットされる。
上記ステップS134で両面印字モードが設定されていないと判定された場合、上記ステップS135をスキップしてステップS136へ進む。
ステップS136では、ステイプルモードが設定されているか否かを判定する。ここで、ステイプルモードが設定されていると判定された場合は、ステップS137において、ステイプルモード用の枚数設定を行う。ステイプルモードにおいては、図17に示すように、2枚のシートに印字し、これらをステイプルすれば、ステイプル位置などの仕上がり具合を確認するには十分であるため、試し印字枚数を2枚と設定する。
次いで、ステップS138において、今回新しく設定されたページ数(上記ステップS137で設定された印字枚数)が既に設定されているページ数(上記ステップS135で設定された印字枚数)より多いか否かを判定する。ここでは、例えば両面モードとステイプルモードが重複されて設定されていた場合を想定し、上記ステップS135で両面モードに対して設定された枚数と上記ステップS137でステイプルモードに対して設定された枚数とを比較する。ここで、今回新しく設定されたページ数(印字枚数)が既に設定されているページ数(印字枚数)より多いと判定された場合は、ステップS139において、試し印字枚数を上記ステップS137で設定された値に更新する。そして、ステップS140へ進む。今回新しく設定されたページ数(印字枚数)が既に設定されているページ数(印字枚数)以下であると判定された場合は、上記ステップS139をスキップしてステップS140へ進む。すなわち、試し印字枚数が上記ステップS137で設定された値に更新されず、上記ステップS135での設定値に保持される。
ステップS140では、縮小レイアウトモードが設定されているか否かを判定する。縮小レイアウトモードが設定されていないと判定された場合は、ステップS141において、縮小レイアウト用の枚数設定を行う。縮小レイアウトは、図18に示すように、複数枚の原稿を1枚のシート面上にレイアウトして出力するモードである。この場合は、1枚の出力から、レイアウトの様子がつかめるので、印字枚数を1とする。そして、ステップS142において、今回新しく設定されたページ数(上記ステップS141で設定された印字枚数)が既に設定されているページ数(上記ステップS135または上記ステップS137で設定された印字枚数)より多いか否かを判定する。ここでは、例えば両面モード、ステイプルモード、縮小レイアウトモードのいずれかが重複されて設定されていた場合を想定し、上記ステップS135またはステップS137で設定された枚数と上記ステップS141で縮小レイアウトモードに対して設定された枚数とを比較する。ここで、今回新しく設定されたページ数(印字枚数)が既に設定されているページ数(印字枚数)より多いと判定された場合は、ステップS143において、試し印字枚数を上記ステップS141で設定された値に更新する。そして、ステップS144へ進む。今回新しく設定されたページ数(印字枚数)が既に設定されているページ数(印字枚数)以下であると判定された場合は、上記ステップS143をスキップしてステップS144へ進む。すなわち、試し印字枚数が上記ステップS141で設定された値に更新されず、上記ステップS135または上記ステップS137での設定値に保持される。
ステップS144では、表紙モードが設定されているか否かを判定し、表紙モードが設定されていないと判定されると、本処理を終了する。これに対し、表紙モードが設定されると判定された場合は、ステップS145において、表紙ページの追加処理を行う。表紙モードは、図19(a)に示すように、印字されたシートB〜Gの先頭および後尾のそれぞれに表紙A、裏表紙Lを付加するモードである。この表紙モードに関しては、表紙、裏表紙を付加しないと仕上がり具合の確認ができないため、この表紙、裏表紙のページ分を付加する。例えば両面モードに表紙、裏表紙を付加する場合においては、両面モードでの指定枚数2枚に表紙、裏表紙分が付加され、その試しコピーの結果として、図19(b)に示すものが得られるように、印刷枚数が決定される。また、ステイプルモードの場合は、図19(c)に示す試しコピーの結果が得られるように、また、特にモードが設定されていない場合は、図19(d)に示す試しコピーの結果が得られるように、印刷枚数が決定される。
この自動ページ算出処理により、試しコピー時の印刷枚数が決定されると、ステップS116(図11)において、設定された印刷枚数分の印刷を1部行う。そして、本処理を終了する。
上記一連の処理により試しコピー動作(図8のステップS84)が終了すると、ステップS85において、操作部制御タスクに試しコピーの中間状態に入ることを通知した後、ステップS86で、試しコピーの中間状態へ移行する。この情報は操作部制御タスクに送られ、その結果、操作部制御タスクの上記ステップS46(図4)の試しコピー中間状態制御が実行される。
この中間状態制御時には、図22に示す画面が表示され、この画面には、設定変更キー691、中止キー692、プリント開始キー693が含まれる。
中間状態制御では、図20に示すように、ステップS201において、中止キー692が押下されたか否かを判定する。ここで、中止キー692が押下されたと判定された場合、図21のステップS217において、コピーシーケンスタスクに中止要求を出し、続くステップS218で、コピーシーケンスがアイドル状態へ移行するのを待つ。コピーシーケンスがアイドル状態へ移行すると、本処理を終了する。
上記ステップS201で中止キー692が押下されていないと判定された場合、ステップS202において、設定変更キー691が押下され、設定変更の要求が出されたか否かを判定する。ここで、設定変更の要求が出された判定された場合、操作部150の表示が図23に示すような再設定画面に切り替られる。この再設定画面においては、置数入力欄とともに、用紙選択キー701、ソート設定キー702、綴じ代設定キー703、濃度設定キー704、両面コピー設定705キーが表示され、置数以外にこれらのモード変更が許可されている。
そして、ステップS212において、操作部150に設けられたキー群601のテンキーの押下により置数変更がされたか否かを判定する。置数の変更が行われたと判定された場合、ステップS213において、設定された置数を変更された置数に設定し直す。そして、ステップ214へ進む。これに対し、置数の変更が行われていないと判定された場合、上記ステップS213をスキップしてステップS214へ進む。
ステップS214では、上記再設定画面で変更が許可されているモードのうち、いずれかのモードが変更されたか否かを判定する。ここで、モードが変更されたと判定された場合は、ステップS215において、モードを変更後のモードに再設定し、そして、ステップS216へ進む。これに対し、モードが変更されていないと判定された場合は、上記ステップS215をスキップしてステップS216へ進む。ステップS216では、図23の再設定画面上で閉じるキー706が押下されたか否かを判定し、閉じるキー706が押下されたときには、ユーザによる設定変更が終了したと判断し、ステップS203へ進む。これに対し、閉じるキー706が押下されていなければ、再度、上記ステップS212へ戻る。
ステップS203では、上記ステップS212〜S215において何らかの設定変更がされたか否かを判定する。設定変更があると判定された場合は、図24に示すように、上記図22の画面上に試しコピーキー801が表示される。このキーを押下することにより、ユーザは設定変更したモードに基づいて再度試しコピーを行うことが可能になる。よって、ステップS204において、試しコピーキー801が押下されたか否かを判定する。ここで、試しコピーキー801が押下されていないと判定された場合、ステップS205において、プリント開始キー693が押下されたか否かを判定する。このプリント開始キー693の押下によってユーザはこれまで設定されたモード、または再設定されたモードに基づいて、変更設定された置数分のコピープリントを行った後、コピージョブを終了することができる。ここで、プリント開始キー693が押下されていないと判定された場合は、上記ステップS201へ戻る。これに対し、プリント開始キー693が押下されたと判定された場合は、ステップS206において、この中間状態で設定変更がされたか否かを判定する。
上記ステップS206で上記設定変更がないと判定された場合は、ステップS207において、試しコピーで得られた出力が全ページ分か否かを判定する。試しコピーで全ページ分が出力されたと判定された場合は、ステップS208において、この試し分を有効コピーの一部とみなし、これまで設定された置数から1を減算して新たな置数として再設定する。そして、ステップ209へ進む。これに対し、上記ステップS206で上記設定変更があると判定された場合または上記ステップS207で試しコピーで全ページ分が出力されていないと判定された場合は、設定された置数を変更することなく(ステップS208をスキップする)、ステップS209へ進む。
ステップS209では、試しコピーモードを解除し、続くステップS210で、コピーシーケンスタスクに対して再スタート要求を出す。そして、ステップS211において、コピーシーケンスが動作中になるのを待ち、コピーシーケンスが動作中になると、本処理を終了する。
上記ステップS204で試しコピーキー801が押下されていないと判定された場合、ステップS210において、コピーシーケンスに再スタートを要求する。ここでは、変更されたモードおよびそれ以外の最初に設定されたモードデータが操作部制御タスクからコピーシーケンスタスクに渡される。
ここで、再び図8に戻り、中間状態からのコピーシーケンスタスクの動作について説明する。中間状態移行後は、ステップS87において、操作部制御タスクから再スタート要求がきたか否かを判定する。ここで、再スタート要求がきていないと判定された場合は、ステップS89において、中止要求がきたか否かを判定し、中止要求がないときには、上記ステップS87へ戻る。これに対し、中要求がきたと判定された場合、ステップS90において、中間状態にあるコピーシーケンスを中止し、そしてステップS93において、操作部制御タスクにコピー動作が終了してアイドル状態に戻ったことを通知し、本処理を終了する。
上記ステップS87で再スタート要求がきたと判定された場合は、ステップS88において、試しコピーモードが設定されているか否かを判定する。ここで、試しコピーモードが設定されていると判定された場合は、上記ステップS82へ戻る。これに対し、試しコピーモードが設定されていないと判定された場合は、ステップS91において、操作部制御タスクにコピープリント動作を開始したことを通知し、続くステップS92で、再スタート時に再設定されたモード、置数データに基づいてコピープリント動作を開始する。そして、ステップS93において、操作部制御タスクにコピー動作が終了してアイドル状態に戻ったことを通知し、本処理を終了する。
なお、中間状態からの再度の試しコピープリント時、試しコピーを解除してのコピープリント時には、原稿の読み込みを行わずに、最初に画像蓄積部160に蓄積された画像データを読み出し、読み出した画像データに対し設定されているモードの処理を施すことによって、印刷を行う。
以上の制御により、試しコピーは次のように動作することになる。
まず試しコピーが設定されている場合は、1部分のコピープリントが行われた後、再設定可能な中間状態に移行する。このときのプリントページ数は先述した手法に従いモードに応じて一部分のページであったり、全ページであったりする。これにより、ユーザは一律に全ページ印刷する場合よりも短時間でかつ無駄なく試しコピーの結果を得ることができる。
中間状態で再度試しコピーを行った場合は、上記の場合と異なり、プリント開始キー693によるプリント、すなわち試しコピーモードを解除してのコピープリントでの置数は次のように処理される。
まず、その中間状態でモードが変更されたならば、置数は先に設定されたものをそのまま使い置数分だけプリントを行う。これは、モード変更後の印字分が、ユーザが得ようとする印字結果であり、それ以前に出力された試しコピー分は考慮しないであろうという主旨によるものである。
モードが中間状態で変更されなかった場合は、ユーザは先に出力した試しコピーを良しとしてこのまま継続してプリントを行うとする意志に基づくものであることが推測可能である。この場合は、先にプリントした試しコピー分も有効と考えその1部の分だけ置数を減らして残りのコピープリントを行うことで、ユーザが得ようとした置数分の印字を提供することができようになる(上記の例でいえば、全ページモードがこれに相当し、且つ、上述した(1)〜(6)の制御例でのうちの、項目(2)の制御例に相当する)。
ただし、試しコピー分が一部のページしか印刷しないモード(上記の例でいえば、マニュアルモード、自動モード等、全ページモード以外の非全ページモードがこれに相当する)であった場合は、この部分については正規の印刷分としてみなされないことが予想されるので、前述したような置数の減算は行わない(この場合、例えば、上述した(1)〜(6)の制御例のうちの、項目(4)の制御例、項目(6)の制御例がこれに相当する)。
また、試しコピーモードによる試し印刷が行われている間は、常に印字は1部とするが、当初設定された置数は変更されない。すなわち、ユーザが試しコピーを行う場合に、モード変更時常に置数変更を行うことを意識することなく最終的にユーザが望む置数分だけのプリントを提供することができ、極めて有効である。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図25〜図32を参照しながら説明する。図25および図26は本発明の第2の実施の形態に係る画像入出力システムにおけるアイドル制御の手順を示すフローチャート、図27は図26の連続読み込みの手順を示すフローチャート、図28は図27のステップS265で連続読み取りの中間状態へ移行した際に操作部150に表示される画面例を示す図、図29は図28の画面上で原稿タイプキーが押下された際に表示される原稿タイプ設定ポップアップの例を示す図、図30は自動ページ算出の手順を示すフローチャート、図31(a)は図30のステップS282の処理の詳細を説明するための画質変更された読み込まれた原稿例を示す図、図31(b)は図31(a)の画質変更された場合の試しコピーの一例を示す図、図32は図25のステップS254の連続読み込みシーケンスが起動された際に操作部150に表示される画面例を示す図である。
本実施の形態では、試しコピーを連続読み込みモードに応用した場合について説明する。連続読み込みモードは、複数の原稿を連続して読み込み、全ての読み込み終了後にプリントを開始するモードである。本モードは、図12の応用モード設定画面に表示される連続読込モードキー901を押下することよって設定される。
まず、本実施の形態におけるアイドル制御について図25および図26を参照しながら説明する。ここで、本実施の形態におけるアイドル制御においては、ステップS241〜ステップS252までの処理が、上記第1の実施の形態のアイドル制御(図5に示す)のステップS51〜ステップS62までの処理と同じであり、ステップS253以降の処理が異なる。よって、ここでは、同じ処理の流れの部分の説明は割愛し、異なる部分の説明を行う。
本実施の形態のアイドル制御では、図25に示すように、ステップS252でスタートキー607が押下されたと判定されると、図26のステップS253へ進み、連続読み込みモードが設定されているか否かを判定する。ここで、連続読み込みモードが設定されていると判定された場合は、ステップS254において、連続読み込みシーケンスを起動する。
上記連続読み込みシーケンスでは、図27に示すように、まずステップS261において、操作部制御タスクに読み込み動作中であることを通知する。これにより、操作部150のLCD600には、図32に示すように、読み込み中であることを示すメッセージが表示される。続くステップS262では、1枚の原稿画像の読み込み動作を行う。ここで、厚板原稿の場合はスキャナがスキャンし、フィーダ原稿の場合は、フィーダを駆動し画像を読み取ったあと原稿交換を行う。そして、ステップS263において、積載されている全ての原稿の読み取りが終了したか否かを判定する。厚板原稿の場合は、常に一回の読み取りとなるので、1枚の原稿の読み取りが終了すると、ステップ264へ進む。フィーダ原稿の場合は、フィーダに積載された1束の原稿全ての読み取りが終了するまで、読み込み動作が継続され、その読み取りが終了すると、ステップS264へ進む。
ステップS264では、操作部制御タスクへ連続読み取りの中間状態に遷移したことを伝え、続くステップS265で、連続読み取りの中間状態へ移行する。このとき、操作部150には、図28に示すような画面が表示される。
次いで、ステップS266において、図28の示す画面上で中止キー1003が押下されたか否かを判定する。ここで、中止キー1003が押下されたと判定された場合は、ステップS274において、中止情報を設定し、このサブルーチン終了後に各タスクが終了動作に移行するようにする。
上記ステップS266で中止キー1003が押下されていないと判定された場合は、ステップS267において、両面原稿キー1001が押下された否かを判定する。すなわち、原稿の読み取り設定が両面読み取りまたは片面読み取りのいずれに切り替えられたかを判定する。ここで、両面原稿キー1001が押下されたと判定された場合は、ステップS268において、両面原稿読み取りモードの再設定を行い、そしてステップS269へ進む。これに対し、両面原稿キー1001が押下されていないと判定された場合は、上記ステップS268をスキップしてステップS269へ進む。
ステップS269では、図28の画面上での原稿タイプキー1000、濃度キー1005の押下の有無に応じて原稿画質の変更が行われたか否かを判定する。ここで、原稿画質の変更とは、原稿タイプ、濃度の変更をいう。図28の画面上で原稿タイプキー1000が押下されると、図29に示すような原稿タイプ設定ポップアップ1004が表示され、原稿タイプ設定ポップアップ1004を用いて文字、文字写真、印刷写真、印画紙写真などの原稿タイプの設定が行われる。原稿タイプキー1000と濃度キー1005を操作することによって所望の画質を得ることができる。
上記ステップS269で原稿画質の変更が行われたと判定された場合は、ステップS270において、原稿画質の再設定を行い、続くステップS271で、その原稿ページから画質設定が変更されたマーキング情報を設定し、これを保持する。そして、ステップS272へ進む。これに対し、上記ステップS269で原稿画質の変更が行われていないと判定された場合は、上記ステップS270およびS271をスキップしてステップS272へ進む。
ステップS272では、読み込み終了キー1002が押下されたか否かを判定し、読み込み終了キー1002が押下された場合は、本処理を終了する。これに対し、読み込み終了キー1002が押下されていないと判定された場合は、ステップS273において、操作部150のスタートキー607が押下されたか否かを判定する。ここで、スタートキー607が押下されていないと判定された場合は、上記ステップS266へ戻り、スタートキー607が押下されたと判定された場合は、上記ステップS261へ戻り、再び読み込み動作を開始する。
ここで、上記ステップS266〜ステップS274は、連続読み込みの中間状態で主に操作部制御タスクで行われる処理である。
このようにして、ステッ254の連続読み込みが終了すると、ステップS255において、コピーシーケンスを起動する。ここで起動されるシーケンスの内容は、図8のステップS81から始まる処理と同等であるので、その詳細な説明については省略する。そして、ここでは、上記第1の実施の形態における自動ページ算出方法(図13に示す)に対し、本実施の形態で特徴とする部分についてのみを説明する。
自動ページ算出では、図30に示すように、まずステップS281において、連続読み込みモードが設定されているか否かを判定し、連続読み込みでなければ、本処理を終了する。これに対し、連続読み込みモードが設定されていると判定された場合は、ステップS282において、上述した手法でマーキングされた原稿画質設定の変更ページを算出し、この部分の印刷を行うように設定する。そして、本処理を終了する。
上記ステップS282の処理の詳細を説明すると、例えば、図31(a)に示すように、読み込んだ原稿をA〜Lとし、異なる網掛けがしてある部分は異なる画質設定がされているものとする。ここで、ある画質設定で原稿A,B,Cを読み込んだが、次の原稿D,Eに対しては異なる画質設定がされたとする。この場合、ユーザが画質設定変更を行った部分の確認を望むと推定されるので、図31(b)に示すように、先頭の原稿Aの次に画質変更された先頭の原稿Dを試しコピーするように設定する。同様に原稿F,Kも試しコピーの対象とする。
以上によれば、ユーザは画質変更を行った部分のみの印字をすることで、部分試しコピーにより設定内容を素早く確認することができる。
本実施の形態では、試しコピーを行う領域の決定を、連続読み取りの中間状態において画質設定変更がされた場合のみに行うが、これに限定されることはなく、例えば両面読み取りなど他のモードに変更された場合についても、試しコピーを行う条件とすることも考えられる。また、特に設定変更されなくても連続読み取りの中間状態の次から始まるページを常に試しコピーの対象とすることも可能であるが、これらについての制御は、本実施の形態から容易に類推可能であるので、その説明は省略する。
本実施の形態では、理解を容易にするため特に連続読み取りモードと関係する部分について述べたが、これと第1の実施の形態を組み合わせてもよいことはいうまでもない。
上記各実施の形態では、本発明をコピーに応用した例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、デジタル複写機においては近年ボックス機能なるものが考案されている。これはスキャナ、または外部機器から転送されてくる画像データを画像メモリ内に永続的に保存しておき、それを印字しようとするときに随時印字できるように提供したものである。このボックスのデータの印字に対して、試しプリントを適用することができる。
また、FAXデータを受信しそれをメモリに一旦保存し、ユーザの操作によって読み出してプリントする場合にも、試しプリントを適用することができる。
このように本発明はメモリに貯えられた画像を読み出して印字を行い、読み出す毎に所定のモード変更が可能な機器全てに対しての応用が可能である。
なお、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることはいうまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることはうまでもない。