JP4868443B2 - 時計用のアンクル、これを備えた機械式時計及びその製造方法 - Google Patents

時計用のアンクル、これを備えた機械式時計及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、機械式時計のクラブツースレバー式脱進機用のアンクルと、その製造方法に関する。特に、本発明は、電鋳加工によって製造したアンクル体と、電鋳加工によって製造した剣先とを含む時計用のアンクルと、その製造方法に関する。さらに、本発明は、前記アンクルを備えた機械式時計に関する。
機械式時計用のクラブツースレバー式脱進機において、従来の第1タイプのアンクルでは、アンクル体に横方向の丸穴を設け、この丸穴に対して、剣先を構成するピンを横方向から押し込む構造が知られていた。また、従来の第2タイプのアンクルでは、アンクル体に丸穴を設け、この丸穴に対して剣先の軸部を下方向から押し込む構造が知られていた。
また、加工精度を向上させるために、高精度金型を作り、この高精度金型を用いて転写により型を増やす方法が知られている。このような電鋳加工による製造方法では、アンクルの基型を作り、この基型を樹脂基板に転写して母型を作り、樹脂基板の全面に導電膜を作り、電鋳加工により時計のアンクルを形成している(特許文献1および2参照)。さらに、高精度な金型を作るためにフォトリソグラフィーのような光学的な手法を取り入れた「LIGAプロセス」、或いは、「UV−LIGAプロセス」などが知られている。
また、他の従来の電鋳加工による製造方法では、電鋳アンクルを製造するために、電鋳部品(アンクル体)を形成するためのキャビティを形成した電鋳型を準備する工程と、電鋳型に金属薄膜を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行い、製造すべき電鋳部品の外形形状に対応する形状を有する型キャビティを形成する工程と、型キャビティの内部を除いて、金属薄膜の表面にレジスト層を設ける工程と、電鋳型に電鋳加工を行い、型キャビティの中に電鋳部品(アンクル体)を形成する工程と、電鋳部品(アンクル体)を電鋳型の型キャビティから取り出す工程とを含んでいる(特許文献3〜5参照)。
(特許文献のリスト)
特開昭48−44138号公報(第2〜4頁、第4図) 特公昭46−23881号公報(第1〜2頁、第1図) 特開2005−290427号公報(第15〜18頁、図21〜図23) 特開2005−290430号公報(第11頁、図14〜図16) 特開2005−291781号公報(第14〜15頁、図13〜図15)
従来の第1タイプのアンクルでは、アンクル体に横方向の丸穴を高精度で形成する必要があり、アンクル体の加工が困難であった。また、従来の第1タイプのアンクルでは、剣先を構成するピンの先端の位置を調整するのが困難であった。従来の第2タイプのアンクルでは、剣先に押し込み用の斜面を設ける必要があり、剣先を押し込んだ後に前記斜面を除去し、アンクルの表面をフラットにするためにアンクルを研磨する必要があった。さらに、従来の第2タイプのアンクルでは、剣先の位置を調整するのが困難であった。加えて、従来の第1タイプ、第2タイプのアンクルは、プレス加工、切削加工、或いは、これらの加工の組み合わせによって製造されるので、加工精度が悪いという課題もあった。
また、従来の電鋳加工による製造方法、「LIGAプロセス」、或いは、「UV−LIGAプロセス」のいずれにおいても、アンクル体に剣先に押し込むときのガイドとして、剣先に断面方向の斜面を設けることが必要であり、この斜面を形成することが非常に困難であるという課題があった。このため、これらの加工方法によりアンクルを製造する場合においては、アンクル体に剣先に押し込むときに押し込み部分に「ばり」が発生し、この「ばり」を後加工によって除去しなければならないという課題があった。また、「ばり」が発生すると、アンクル体に対する剣先の固定力(抜き力、ゆるみトルク)が不十分になる可能性が高かった。
本発明の目的は、簡単な工程で高精度に形成されたアンクル体および剣先を含むアンクル、および、その製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、アンクル体に対する剣先の固定力(抜き力、ゆるみトルク)が十分であるように形成されたアンクル、および、その製造方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、前記アンクルを備えた機械式時計を提供することにある。
本発明は、時計用のアンクルにおいて、電鋳加工により形成されたアンクル体と、電鋳加工により形成された剣先と、前記アンクル体に固定された2つのつめ石と、前記アンクル体に固定されたアンクル真とを備え、前記剣先に設けられた剣先取り付け部が、前記アンクル体に設けられた剣先受け入れ部に嵌め込まれるように構成されることを特徴とする。
また、本発明は、時計用のアンクルにおいて、電鋳加工により形成されたアンクル体と、電鋳加工により形成された剣先と、前記アンクル体に固定されたアンクル真と、前記アンクル体に固定された2つのつめ石とを備え、前記アンクル体は、2つのつめ石を支持するためのアンクルベース部と、前記アンクルベース部から延びるアンクルアーム部と、前記アンクルアーム部の先端に設けられた2つのアンクル先端部と、前記アンクル先端部の元部の間に設けられた剣先受け入れ部とを備え、前記剣先は、剣先本体部と、前記剣先本体部から延びる剣先先端部と、前記剣先本体部に設けられた剣先取り付け部とを備え、前記剣先取り付け部が、前記アンクル体の剣先受け入れ部に嵌め込まれるように構成されることを特徴とする。このアンクルは、簡単な工程で製造することができ、しかも、アンクルの形状を高精度に形成することができる。また、本発明のアンクルでは、アンクル体に対する剣先の固定力を確保することができる。
さらに、本発明の機械式時計は、上記のように構成されたアンクルを備えることを特徴とする。本発明によって、高精度に形成されたアンクルを含むクラブツースレバー式脱進機を備えた機械式時計を効率的に大量生産することができる。
また、本発明は、時計用のアンクルの製造方法において、アンクル体、剣先をそれぞれ電鋳加工により形成する工程と、前記剣先、2つのつめ石、及び、アンクル真を前記アンクル体に固定する工程とを含む。この方法では、前記剣先を前記アンクル体に固定する工程は、前記剣先を前記アンクル体に対して嵌め込むことにより行われることを特徴とする。本発明の製造方法を用いることにより、高精度な形状をもつアンクルを効率的に量産することができる。上記の方法において、前記剣先を前記アンクル体に嵌め込む工程は、前記剣先に設けられた剣先取り付け部を、前記アンクル体に設けられた剣先受け入れ部に対して横方向に嵌め込むことにより行われるのが好ましい。本発明の製造方法を用いることにより、アンクル体に対する剣先の固定力を十分に大きい値に確保したアンクルを製造することができる。
さらに、上記方法において、前記アンクル体を電鋳加工により形成する工程は、アンクル体を製造するために、アンクル体を形成するためのキャビティを形成したアンクル体用電鋳型を準備する工程と、アンクル体用電鋳型に金属薄膜を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行い、製造すべきアンクル体の外形形状に対応する形状を有するアンクル体用型キャビティを形成する工程と、アンクル体用型キャビティの内部を除いて、金属薄膜の表面にレジスト層を設ける工程と、アンクル体用電鋳型に電鋳加工を行い、アンクル体用型キャビティの中にアンクル体を形成する工程と、アンクル体をアンクル体用型キャビティから取り出す工程とを含んでいるのがよい。この方法において、前記剣先を電鋳加工により形成する工程は、剣先を製造するために、剣先を形成するためのキャビティを形成した剣先用電鋳型を準備する工程と、剣先用電鋳型に金属薄膜を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行い、製造すべき剣先の外形形状に対応する形状を有する剣先用型キャビティを形成する工程と、剣先用型キャビティの内部を除いて、金属薄膜の表面にレジスト層を設ける工程と、剣先用電鋳型に電鋳加工を行い、剣先用型キャビティの中に剣先を形成する工程と、剣先を剣先用型キャビティから取り出す工程とを含むのがよい。この方法を用いることによって、時計用アンクルを簡単な工程で製造することができる。
本発明のアンクルは、簡単な工程で製造することができ、しかも、アンクルの形状を高精度に形成することができる。また、本発明のアンクルでは、アンクル体に対する剣先の固定力(抜き力、ゆるみトルク)を確保することができる。また、本発明の製造方法を用いることにより、高精度な形状をもち、アンクル体に対する剣先の固定力(抜き力、ゆるみトルク)を十分に大きい値に確保したアンクルを効率的に量産することができる。また、本発明によって、高精度に形成されたアンクルを含むクラブツースレバー式脱進機を備えた機械式時計を効率的に大量生産することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(1)アンクルの構造:
図1〜図3を参照すると、時計用のアンクル342は、電鋳加工により形成されたアンクル体344と、電鋳加工により形成された剣先348とを含む。アンクル体344は、2つのつめ石346a、346bを支持するためのアンクルベース部344bと、アンクルベース部344bから延びるアンクルアーム部344aと、アンクルアーム部344aの先端に設けられた2つのアンクル先端部344f、344gと、アンクル先端部344f、344gの元部の間に設けられた剣先受け入れ部344cとを備える。剣先348は、剣先本体部348aと、剣先本体部348aから延びる剣先先端部348bと、剣先本体部348aに設けられた剣先取り付け部348cとを備える。剣先取り付け部348cは、アンクル体344の剣先受け入れ部344cに嵌め込まれている。アンクル体344は、例えば、クロム、ニッケル、鉄、タングステン、コバルトおよびこれらを含む合金などの電気鋳造可能な材料で構成することができる。剣先348は、例えば、クロム、ニッケル、鉄、タングステン、コバルトおよびこれらを含む合金などの電気鋳造可能な材料で構成することができる。アンクル体344を構成する材料は、剣先348を構成する材料と同じ材料であるのが好ましい。
アンクル体344の剣先受け入れ部344cは、アンクル体344の上面に平行なアンクル体底部344jと、アンクル体底部344jに対して垂直であり、かつ、アンクル体底部344jからアンクル体344の下面まで延びる第1アンクル体側壁部344mおよび第2アンクル体側壁部344nと、第1アンクル体側壁部344mおよび第2アンクル体側壁部344nの元部に位置したアンクル体元壁部344pとを有する。この構成により、アンクル体344の強度が低下することが少ないので、アンクル体344に剣先348に押し込むときに、アンクル体344の変形を効果的に阻止することができる。剣先取り付け部348cは、剣先本体部348aの下面348uに対して垂直であり、かつ、前記下面348uから上面348vまで延びる第1剣先側壁部348mおよび第2剣先側壁部348nと、第1剣先側壁部348mおよび第2剣先側壁部348nの元部に位置した剣先元壁部348pとを有する。すなわち、本発明では、アンクル体344の押し込み部、剣先348の押し込み部の両方にストレート部を設けているので、アンクル体344に剣先348を押し込むときに、剣先348が回転するおそれを効果的に回避することができる。
さらに、第1剣先側壁部348mおよび第2剣先側壁部348nの入口に、剣先348を嵌め込むときの案内用の斜面部をそれぞれ設けるのが好ましい。第1剣先側壁部348mおよび第2剣先側壁部348nの端面に、剣先348を嵌め込むときの案内用の面取り部(斜面部)をそれぞれ設けるのが好ましい。この構成により、アンクル体344に剣先348に押し込むときに、この押し込み部分に「ばり」が発生するおそれを効果的に回避することができる。第1剣先側壁部348mが第1アンクル体側壁部344mに接し、第2剣先側壁部348nが第2アンクル体側壁部344nに接するように、剣先取り付け部348cは、アンクル体344の剣先受け入れ部344cに対して嵌め込まれている。この状態では、剣先元壁部348pはアンクル体元壁部344pに接触しないように構成するのが好ましい。また、この状態では、剣先本体部348aの上面348vはアンクル体344のアンクル体底部344jに接触しないように構成するのが好ましい。この構成により、アンクル体344に剣先348に押し込むときに、アンクル体344に対する剣先348の位置を高精度で調整することができる。この構成により、アンクル体344に剣先348に押し込むときに、アンクル体344の変形を阻止することができる。
本発明の構成により、アンクル体344と剣先348との間の接触面積を充分に大きく確保することができ、かつ、アンクル体344と剣先348との間の締め代を適切な値に調整することができるので、アンクル体344に対する剣先348の固定力(抜き力、ゆるみトルク)を、十分に大きい値に確保することができる。加えて、本発明の構成では、アンクル342の表面(上面)はフラットであるので、剣先348をアンクル体344に押し込んだ後に、アンクル体344の上面を研磨する必要はない。したがって、本発明のアンクルは、簡単な工程で製造することができ、しかも、アンクルの形状を高精度に形成することができる。
アンクル真345が、アンクルベース部344bの中間部分に配置されたアンクル穴部344hに固定される。アンクル真345は、上軸部345aと、固定部345bと、大径部340cと、中間軸部345dと、下軸部345eとを含む。アンクル真345の固定部345bが、アンクルベース部344bに形成したアンクル穴部344hに嵌め込まれるのが好ましい。2つのつめ石346a、346bが、アンクルベース部344bにおいて、アンクル穴部344hの両側にそれぞれ固定される。一方のつめ石346bは「入りつめ石」を構成し、他方のつめ石346aは「出つめ石」を構成している。つめ石346a、346bは、アンクルベース部344bに対して接着剤で固定されるのが好ましい。本発明の第1の実施形態において、剣先348、アンクル真345、つめ石346a、つめ石346bをアンクル体344に固定する順序は、特に定める必要はない。
(2)アンクル体の製造方法:
以下に、本発明の実施形態において、アンクル体の製造方法について説明する。図4(a)を参照すると、アンクル体344を電鋳加工で形成するために用いるアンクル体用電鋳型720を準備する(工程701)。アンクル体用電鋳型720を構成する材料は、シリコン、ガラス、プラスチックなどである。アンクル体用電鋳型720は、DRIEなどの方法によって加工することができる。アンクルベース部344bを形成するためのキャビティ720aと、アンクルアーム部344aおよびアンクル先端部344f、344gを形成するためのキャビティ720bがアンクル体用電鋳型720の上面に形成される。
キャビティ720aとキャビティ720bは連通しており、1つのアンクル体344を形成するようにアンクル体用電鋳型720に設けられる。アンクル穴部344hに対応するアイランド720cが、アンクル体用電鋳型720の上面に設けられる。アンクル体用電鋳型720の大きさは、例えば、10mm〜160mmの範囲であるのが好ましい。アンクル体用電鋳型720の厚さは、例えば、1mm〜10mmの範囲であるのが好ましい。
図4(b)を参照すると、アンクル体用電鋳型720の表面上と、キャビティ720aの側壁の表面上と、キャビティ720aの底面の表面上と、キャビティ720bの側壁の表面上と、キャビティ720bの底面の表面上とに金属薄膜724を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行う(工程702)。この工程702において形成する金属薄膜724は、例えば、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)などで構成することができる。金属薄膜724の付着は、スパッタリング、蒸着、無電解めっきなどの方法により行うことができる。金属薄膜724の膜厚は、数nm(不連続膜)〜数μmの範囲であるのが好ましい。金属薄膜724を形成すると、アンクル体344のアンクルベース部344bの外形形状に対応する形状を有する型キャビティ720gと、アンクル体344のアンクルアーム部344aおよびアンクル先端部344f、344gの外形形状に対応する形状を有する型キャビティ720hとが形成される。
図4(c)を参照すると、型キャビティ720gの側壁および底面の表面上と、型キャビティ720hの側壁および底面の表面上を除いて、アンクル体用電鋳型720の上面で電鋳金属を析出させない領域の金属薄膜724の表面にレジスト層728を設ける(工程703)。図4(d)を参照すると、アンクル体用電鋳型720に電鋳加工を行い、型キャビティ720gおよび型キャビティ720hの中にアンクル体344を形成する(工程704)。
アンクル体344を形成する電鋳金属は、例えば、硬度が高いクロム、ニッケル、鉄、およびこれらを含む合金で構成することができる。また、構造物の内面を硬度が高いクロム、ニッケル、鉄、およびこれらを含む合金で構成し、構造物の表面を硬度が低い錫、亜鉛、およびこれらを含む合金などで構成するように、特性が異なる二種以上の金属又は合金でアンクル体344を構成することができる。また、アンクル体344は、構造物の表面と内面で金属の組成が異なる合金などで構成することができる。アンクル体344の厚さは、例えば、1mm〜3mmであるように形成することができる。
次に、図5を参照して、本発明に用いられる電鋳加工方法を説明する。図5(a)を参照すると、電鋳すべき金属材料により電鋳液を選ぶ必要があり、例えば、ニッケル電鋳加工ではスルファミン酸浴、ワット浴、硫酸浴などが用いられる。スルファミン酸浴を用いてニッケル電鋳を行う場合は、電鋳加工用の処理槽740の中にスルファミン酸ニッケル水和塩を主成分とするスルファミン酸浴電鋳液742を入れる。電鋳すべき金属材料からなる陽極電極744をスルファミン酸浴742の中に浸漬させる。例えば、陽極電極744は、電鋳すべき金属材料からなるボールを複数用意し、この金属ボールをチタン等で作った金属製のかごの中に入れることにより構成することができる。電鋳加工を行うべき電鋳型748をスルファミン酸浴742の中に浸漬させる。
図5(b)を参照すると、電鋳型748を電源752の陰極に接続し、陽極電極744を電源752の陽極に接続すると、陽極電極744を構成する金属がイオン化してスルファミン酸浴中を移動し、電鋳型748の型キャビティ748f上に金属として析出する。配管(図示せず)を介して弁(図示せず)を処理槽740に接続することができる。濾過用フィルタを配管に設け、処理槽740から排出されるスルファミン酸浴を濾過することができる。濾過されたスルファミン酸浴は、注入用配管(図示せず)から処理槽740の中に戻すことができる。
図4(e)を参照すると、型キャビティ720gおよび型キャビティ720hの中にアンクル体344を形成した後、アンクル体344を型キャビティ720gおよび型キャビティ720hから取り出す(工程705)。図4(f)を参照すると、アンクル体344の平面図が示されている。本発明の方法により、アンクル体344を簡易な工程で効率良く製造することができる。
(3)剣先の製造方法:
以下に、本発明の実施形態において、剣先348の製造方法について説明する。以下の説明は、剣先348の製造方法がアンクル体344の製造方法と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明のアンクル体344の製造方法についての説明をここに準用する。
図6(a)を参照すると、剣先348を電鋳加工で形成するために用いる剣先体用電鋳型780を準備する(工程761)。剣先本体部348aを形成するためのキャビティ780aと、剣先先端部348bを形成するためのキャビティ780bが剣先体用電鋳型780の上面に形成される。キャビティ720aとキャビティ720bは連通しており、1つの剣先を形成するように剣先体用電鋳型780に設けられる。剣先用電鋳型780の大きさは、例えば、10mm〜160mmの範囲であるのが好ましい。剣先用電鋳型780の厚さは、例えば、1mm〜10mmの範囲であるのが好ましい。
図6(b)を参照すると、剣先用電鋳型780の表面上と、キャビティ780aの側壁の表面上と、キャビティ780aの底面の表面上と、キャビティ780bの側壁の表面上と、キャビティ780bの底面の表面上とに金属薄膜784を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行う(工程762)。金属薄膜724を形成すると、剣先348の剣先本体部348aの外形形状に対応する形状を有する型キャビティ780gと、剣先348の剣先先端部780bの外形形状に対応する形状を有する型キャビティ780hとが形成される。
図6(c)を参照すると、型キャビティ780gの側壁および底面の表面上と、型キャビティ780hの側壁および底面の表面上を除いて、剣先用電鋳型780の上面で電鋳金属を析出させない領域の金属薄膜784の表面にレジスト層788を設ける(工程763)。図6(d)を参照すると、剣先用電鋳型780に電鋳加工を行い、型キャビティ780gおよび型キャビティ780hの中に剣先348を形成する(工程764)。
剣先348を形成する電鋳金属は、例えば、硬度が高いクロム、ニッケル、鉄、およびこれらを含む合金で構成することができる。また、構造物の内面を硬度が高いクロム、ニッケル、鉄、およびこれらを含む合金で構成し、構造物の表面を硬度が低い錫、亜鉛、およびこれらを含む合金などで構成するように、特性が異なる二種以上の金属又は合金で剣先790を構成することができる。また、剣先348は、構造物の表面と内面で金属の組成が異なる合金などで構成することができる。剣先348の厚さは、例えば、1mm〜3mmであるように形成することができる。
図6(e)を参照すると、型キャビティ780gおよび型キャビティ780hの中に剣先348を形成した後、剣先348を型キャビティ780gおよび型キャビティ780hから取り出す(工程765)。図6(f)を参照すると、剣先348の平面図が示されている。必要に応じて、剣先348には、1個又は複数の穴部348x、348yを設けることができる。図1及び図6(f)に示す穴部348x、348yの平面形状は長円形であるが、穴部348x、348yの平面形状は、円形であってもよいし、多角形、楕円形などであってもよい。本発明の方法により、剣先348を簡易な工程で効率良く製造することができる。
(4)アンクルの製造方法:
図7および図8を参照すると、前述した電鋳加工によって製造されたアンクル体344は、アンクルベース部344bと、アンクルアーム部344aと、アンクル先端部344f、344gと、剣先受け入れ部344cとを備える。前述した電鋳加工によって製造された剣先348は、剣先本体部348aと、剣先先端部348bと、剣先取り付け部348cとを備える。
アンクル体344の表面を下に向けて下固定冶具800の水平な上面に配置する。アンクル体344の裏面は上固定冶具806の水平な下面で支持する。アンクルアーム部344aと、アンクル先端部344f、344gとの接続部の外側部分の両側を2本のガイドピン802、804の間に配置して、アンクル体344を固定冶具800の上面に保持する。剣先先端部348bを移動冶具810により保持する。移動冶具810を矢印820の方向に水平移動させて、固定冶具800上のアンクル体344の剣先受け入れ部344cに対して剣先取り付け部348cを横方向に嵌め込む。「横方向」とは、アンクル体344の表面に平行な方向であって、かつ、アンクルアーム部344aの長手方向軸線に平行な方向を意味する。前述したように、アンクル体344には剣先348を嵌め込むときの案内用の斜面部が設けられている。また、剣先348には剣先348を嵌め込むときの案内用の面取り部(斜面部)が設けられている。したがって、アンクル体344に剣先348に押し込むときに、この押し込み部分に「ばり」が発生するおそれはほとんどない。
図9および図10を参照すると、剣先348を固定したアンクル体344が示されている。第1剣先側壁部348mが第1アンクル体側壁部344mに接し、第2剣先側壁部348nが第2アンクル体側壁部344nに接するように、剣先取り付け部348cは、アンクル体344の剣先受け入れ部344cに対して嵌め込まれる(図1〜図3参照)。この状態では、剣先元壁部348pはアンクル体元壁部344pに接触していない。また、この状態では、剣先本体部348aの上面348vはアンクル体344のアンクル体底部344jに接触していない。本発明のアンクル342では、アンクル体344の押し込み部、剣先348の押し込み部の両方にストレート部を設けているので、アンクル体344に剣先348を押し込むときに、剣先348が回転するおそれを効果的に回避することができる。したがって、本発明のアンクル342は、簡単な工程で製造することができ、しかも、アンクルの形状を高精度に形成することができる。
図1〜図3を参照すると、二次加工として、アンクル体344に入りつめ石346aおよび出つめ石346bを接着することができる。さらに、二次加工として、アンクル体344に、アンクル真345を固定することができる。アンクル真345は、アンクル体344のアンクル穴部344hに嵌め込まれる。本発明の方法においては、剣先348、入りつめ石346a、出つめ石346b、アンクル真345をアンクル体344に固定する順序に定めはない。例えば、剣先348をアンクル体344に固定し、次に、アンクル真345をアンクル体344に固定し、次に、入りつめ石346a、出つめ石346bをアンクル体344に固定してもよい。或いは、アンクル真345をアンクル体344に固定し、次に、剣先348をアンクル体344に固定し、次に、入りつめ石346a、出つめ石346bをアンクル体344に固定してもよい。或いは、他の順番によって剣先348、入りつめ石346a、出つめ石346b、アンクル真345をアンクル体344に固定してもよい。
(5)機械式時計の構造:
次に、本発明のアンクル342を適用した機械式時計の実施の形態について説明する。図11〜図13を参照すると、機械式時計において、機械式時計のムーブメント(駆動部分を含む機械体)300は、ムーブメントの基板を構成する地板302を有する。巻真310が、地板302の巻真案内穴302aに回転可能に組み込まれる。文字板304(図26に仮想線で示す)がムーブメント300に取付けられる。一般に、地板の両側のうちで、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称し、文字板のある方の側と反対側をムーブメントの「表側」と称する。ムーブメントの「表側」に組み込まれる輪列を「表輪列」と称し、ムーブメントの「裏側」に組み込まれる輪列を「裏輪列」と称する。おしどり390、かんぬき392、かんぬきばね394、裏押さえ396を含む切換装置により、巻真310の軸線方向の位置を決める。きち車312が巻真310の案内軸部に回転可能に設けられる。巻真310が、回転軸線方向に沿ってムーブメントの内側に一番近い方の第1の巻真位置(0段目)にある状態で巻真310を回転させると、つづみ車の回転を介してきち車312が回転する。丸穴車314が、きち車312の回転により回転する。角穴車316が、丸穴車314の回転により回転する。角穴車316が回転することにより、香箱車320に収容されたぜんまい322を巻き上げる。二番車324が、香箱車320の回転により回転する。がんぎ車330が、四番車328、三番車326、二番車324の回転を介して回転する。香箱車320、二番車324、三番車326、四番車328は表輪列を構成する。
表輪列の回転を制御するための脱進・調速装置は、てんぷ340と、がんぎ車330と、アンクル342とを含む。てんぷ340は、てん真340aと、てん輪340bと、ひげぜんまい340cとを含む。二番車324の回転に基づいて、筒かな350が同時に回転する。筒かな350に取付けられた分針352が「分」を表示する。筒かな350には、二番車324に対するスリップ機構が設けられる。筒かな350の回転に基づいて、日の裏車の回転を介して、筒車354が回転する。筒車354に取付けられた時針356が「時」を表示する。ひげぜんまい340cは、複数の巻き数をもったうずまき状(螺旋状)の形態の薄板ばねである。ひげぜんまい340cの内端部は、てん真340aに固定されたひげ玉340dに固定され、ひげぜんまい340cの外端部は、てんぷ受366に固定されたひげ持受370に取り付けたひげ持370aを介してねじ締めにより固定される。緩急針368が、てんぷ受366に回転可能に取付けられている。ひげ受1340とひげ棒1342が、緩急針368に取付けられている。ひげぜんまい340cの外端部に近い部分は、ひげ受1340とひげ棒1342との間に位置する。てんぷ340は、地板302及びてんぷ受366に対して回転可能なように支持される。
香箱車320は、香箱歯車320dと、香箱真320f、ぜんまい322とを備える。香箱真320fは、上軸部320aと、下軸部320bとを含む。香箱真320fは、炭素鋼などの金属で形成される。香箱歯車320dは黄銅などの金属で形成される。二番車324は、上軸部324aと、下軸部324bと、かな部324cと、歯車部324dと、そろばん玉部324hとを含む。二番車324のかな部324cは香箱歯車320dと噛み合うように構成される。上軸部324aと、下軸部324bと、そろばん玉部324bは、炭素鋼などの金属で形成される。歯車部324dは黄銅などの金属で形成される。三番車326は、上軸部326aと、下軸部326bと、かな部326cと、歯車部326dとを含む。三番車326のかな部326cは歯車部324dと噛み合うように構成される。四番車328は、上軸部328aと、下軸部328bと、かな部328cと、歯車部328dとを含む。四番車328のかな部328cは歯車部326dと噛み合うように構成される。上軸部328aと、下軸部328bは、炭素鋼などの金属で形成される。歯車部328dは黄銅などの金属で形成される。がんぎ車330は、上軸部330aと、下軸部330bと、かな部330cと、歯車部330dとを含む。がんぎ車330のかな部330cは歯車部328dと噛み合うように構成される。アンクル342は、アンクル体344と、アンクル真345とを備える。アンクル真345は、上軸部345aと、下軸部345eとを含む。
香箱車320は、地板302及び香箱受360に対して回転可能なように支持される。すなわち、香箱真320fの上軸部320aは、香箱受360に対して回転可能なように支持される。香箱真320fの下軸部320bは、地板302に対して、回転可能に支持される。二番車324、三番車326、四番車328、がんぎ車330は、地板302及び輪列受362に対して回転可能なように支持される。すなわち、二番車324の上軸部324a、三番車326の上軸部326a、四番車328の上軸部328a、がんぎ車330の上軸部330aは、輪列受362に対して回転可能なように支持される。また、二番車324の下軸部324b、三番車326の下軸部326b、四番車328の下軸部328b、がんぎ車330の下軸部330bは、地板302に対して、回転可能に支持される。アンクル342は、地板302及びアンクル受364に対して回転可能なように支持される。すなわち、アンクル342の上軸部345aは、アンクル受364に対して回転可能なように支持される。アンクル342の下軸部345eは、地板302に対して、回転可能に支持される。
香箱真320fの上軸部320aを回転可能に支持する香箱受360の軸受部と、二番車324の上軸部324aを回転可能に支持する輪列受362の軸受部と、三番車326の上軸部326aを回転可能に支持する輪列受362の軸受部と、四番車328の上軸部328aを回転可能に支持する輪列受362の軸受部と、がんぎ車330の上軸部330aを回転可能に支持する輪列受362の軸受部と、アンクル342の上軸部345aを回転可能に支持するアンクル受364の軸受部には、潤滑油が注油される。秒ロータ276の下軸部276bを回転可能に支持する地板302の軸受部と、香箱真320fの下軸部320bを回転可能に支持する地板302の軸受部と、二番車324の下軸部324bを回転可能に支持する地板302の軸受部と、三番車326の下軸部326bを回転可能に支持する地板302の軸受部と、四番車328の下軸部328bを回転可能に支持する地板302の軸受部と、がんぎ車330の下軸部320bを回転可能に支持する地板302の軸受部と、アンクル342の下軸部345eを回転可能に支持する地板302の軸受部には、潤滑油が注油される。この潤滑油は、精密機械用油であるのが好ましく、いわゆる時計油であるのが特に好ましい。地板302のそれぞれの軸受部、香箱受360の軸受部、輪列受362のそれぞれの軸受部には、潤滑油の保持性能を高めるために、円錐状、円筒状、又は、円錐台状の油溜め部を設けるのが好ましい。油溜め部を設けると、潤滑油の表面張力により油が拡散するのを効果的に阻止することができる。地板302、香箱受360、輪列受362、アンクル受364は、黄銅などの金属で形成してもよいし、ポリ−カーボネートなどのエンジニアリングプラスチックで形成してもよい。
本発明の製造方法を用いることによって、高精度な形状をもち、アンクル体に対する剣先の固定力を十分に大きい値に確保したアンクルを製造することができる。本発明のアンクルは、簡単な工程で製造することができ、しかも、アンクルの形状は高精度である。また、本発明によって、高精度に形成されたアンクルを含むクラブツースレバー式脱進機を備えた機械式時計を生産することができる。
図1は、本発明の実施形態において、アンクルの形状を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施形態において、アンクルの形状を示す上面図である。 図3は、本発明の実施形態において、アンクルの形状を示す部分断面図である。 図4は、本発明の実施形態において、アンクル体の製造工程を示す原理図である。 図5は、本発明の実施形態において、電鋳加工の概略工程を説明する原理図である。 図6は、本発明の実施形態において、剣先の製造工程を示す原理図である。 図7は、本発明の実施形態において、嵌め込み前のアンクル体と剣先を示す平面図である。 図8は、本発明の実施形態において、嵌め込み前のアンクル体と剣先を示す断面図である。 図9は、本発明の実施形態において、嵌め込み後のアンクル体と剣先を示す平面図である。 図10は、本発明の実施形態において、嵌め込み後のアンクル体と剣先を示す断面図である。 図11は、本発明の実施形態において、ムーブメントを表側から見た概略形状を示す平面図である(図11では、一部の部品を省略している)。 図12は、本発明の実施形態において、香箱からアンクルの部分を示す概略部分断面図である。 図13は、本発明の実施形態において、がんぎ車からてんぷの部分を示す概略部分断面図である。
符号の説明
300 ムーブメント(機械体)
302 地板
320 香箱車
324 二番車
326 三番車
328 四番車
330 がんぎ車
342 アンクル
344 アンクル体
344a アンクルアーム部
344b アンクルベース部
344c 剣先受け入れ部
344f、344g アンクル先端部
345 アンクル真
346a、346b つめ石
348 剣先
348a 剣先本体部
348b 剣先先端部
348c 剣先取り付け部
720 アンクル体用電鋳型
724 金属薄膜
728 レジスト層
730 アンクル体
780 剣先用電鋳型
784 金属薄膜
788 レジスト層
790 剣先

Claims (5)

  1. 時計用のアンクル(342)において、
    電鋳加工により形成されたアンクル体(344)と、
    電鋳加工により形成された剣先(348)と、
    前記アンクル体(344)に固定された2つのつめ石(346a、346b)と、
    前記アンクル体(344)に固定されたアンクル真(345)とを備え、
    剣先受け入れ部(344c)が、前記アンクル体(344)に設けられ、
    前記剣先(348)は、剣先本体部(348a)と、前記剣先本体部(348a)から延びる剣先先端部(348b)と、前記剣先本体部(348a)に設けられた剣先取り付け部(348c)とを備え、
    前記剣先受け入れ部(344c)は、前記アンクル体(344)の上面に平行なアンクル体底部(344j)と、前記アンクル体底部(344j)に対して垂直であり、かつ、前記アンクル体底部(344j)から前記アンクル体(344)の下面まで延びる第1アンクル体側壁部(344m)および第2アンクル体側壁部(344n)と、前記第1アンクル体側壁部(344m)および前記第2アンクル体側壁部(344n)の元部に位置したアンクル体元壁部(344p)とを有し、
    前記剣先取り付け部(348c)は、剣先本体部(348a)の下面(348u)に対して垂直であり、かつ、前記剣先本体部(348a)の下面(348u)から前記剣先本体部(348a)の上面(348v)まで延びる第1剣先側壁部(348m)および第2剣先側壁部(348n)と、前記第1剣先側壁部(348m)および前記第2剣先側壁部(348n)の元部に位置した剣先元壁部(348p)とを有しており、
    前記剣先(348)に設けられた前記剣先取り付け部(348c)は、前記アンクル体(344)に設けられた前記剣先受け入れ部(344c)に対して横方向に嵌め込まれるように構成される
    ことを特徴とするアンクル。
  2. 時計用のアンクル(342)において、
    電鋳加工により形成されたアンクル体(344)と、
    電鋳加工により形成された剣先(348)と、前記アンクル体(344)に固定されたアンクル真(345)と、
    前記アンクル体(344)に固定された2つのつめ石(346a、346b)とを備え、
    前記アンクル体(344)は、2つのつめ石(346a、346b)を支持するためのアンクルベース部(344b)と、前記アンクルベース部(344b)から延びるアンクルアーム部(344a)と、前記アンクルアーム部(344a)の先端に設けられた2つのアンクル先端部(344f、344g)と、前記アンクル先端部(344f、344g)の元部の間に設けられた剣先受け入れ部(344c)とを備え、
    前記剣先(348)は、剣先本体部(348a)と、前記剣先本体部(348a)から延びる剣先先端部(348b)と、前記剣先本体部(348a)に設けられた剣先取り付け部(348c)とを備え、
    前記剣先受け入れ部(344c)は、前記アンクル体(344)の上面に平行なアンクル体底部(344j)と、前記アンクル体底部(344j)に対して垂直であり、かつ、前記アンクル体底部(344j)から前記アンクル体(344)の下面まで延びる第1アンクル体側壁部(344m)および第2アンクル体側壁部(344n)と、前記第1アンクル体側壁部(344m)および前記第2アンクル体側壁部(344n)の元部に位置したアンクル体元壁部(344p)とを有し、
    前記剣先取り付け部(348c)は、剣先本体部(348a)の下面(348u)に対して垂直であり、かつ、前記剣先本体部(348a)の下面(348u)から前記剣先本体部(348a)の上面(348v)まで延びる第1剣先側壁部(348m)および第2剣先側壁部(348n)と、前記第1剣先側壁部(348m)および前記第2剣先側壁部(348n)の元部に位置した剣先元壁部(348p)とを有しており、
    前記剣先(348)に設けられた前記剣先取り付け部(348c)は、前記アンクル体(344)に設けられた剣先受け入れ部(344c)に対して横方向に嵌め込まれるように構成される
    ことを特徴とするアンクル。
  3. 請求項1又は2に記載されたアンクルを備えることを特徴とする機械式時計。
  4. 時計用のアンクルの製造方法において、
    (あ)アンクル体、剣先をそれぞれ電鋳加工により形成する工程と、
    (い)前記剣先、2つのつめ石、及び、アンクル真を前記アンクル体に固定する工程とを含み、
    前記剣先は、剣先本体部(348a)と、前記剣先本体部(348a)から延びる剣先先端部(348b)と、前記剣先本体部(348a)に設けられた剣先取り付け部(348c)とを備え、
    前記剣先受け入れ部(344c)は、前記アンクル体の上面に平行なアンクル体底部(344j)と、前記アンクル体底部(344j)に対して垂直であり、かつ、前記アンクル体底部(344j)から前記アンクル体の下面まで延びる第1アンクル体側壁部(344m)および第2アンクル体側壁部(344n)と、前記第1アンクル体側壁部(344m)および前記第2アンクル体側壁部(344n)の元部に位置したアンクル体元壁部(344p)とを有し、
    前記剣先取り付け部(348c)は、剣先本体部(348a)の下面(348u)に対して垂直であり、かつ、前記剣先本体部(348a)の下面(348u)から前記剣先本体部(348a)の上面(348v)まで延びる第1剣先側壁部(348m)および第2剣先側壁部(348n)と、前記第1剣先側壁部(348m)および前記第2剣先側壁部(348n)の元部に位置した剣先元壁部(348p)とを有しており、
    前記剣先を前記アンクル体に固定する工程は、前記剣先を前記アンクル体に対して嵌め込むことにより行われ、
    前記剣先を前記アンクル体に嵌め込む工程は、前記剣先に設けられた剣先取り付け部を、前記アンクル体に設けられた剣先受け入れ部に対して横方向に嵌め込むことにより行われる、
    ことを特徴とする方法。
  5. 前記アンクル体を電鋳加工により形成する工程は、
    (か)アンクル体を製造するために、アンクル体を形成するためのキャビティ(720a、720b)を形成したアンクル体用電鋳型(720)を準備する工程と、
    (き)アンクル体用電鋳型(720)に金属薄膜(724)を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行い、製造すべきアンクル体の外形形状に対応する形状を有するアンクル体用型キャビティ(720g、720h)を形成する工程と、
    (く)アンクル体用型キャビティ(720g、720h)の内部を除いて、金属薄膜(724)の表面にレジスト層(728)を設ける工程と、
    (け)アンクル体用電鋳型(720)に電鋳加工を行い、アンクル体用型キャビティ(720g、720h)の中にアンクル体(730)を形成する工程と、
    (こ)アンクル体(730)をアンクル体用型キャビティ(720g、720h)から取り出す工程とを含んでおり、
    前記剣先を電鋳加工により形成する工程は、
    (さ)剣先を製造するために、剣先を形成するためのキャビティ(780a、780b)を形成した剣先用電鋳型(780)を準備する工程と、
    (し)剣先用電鋳型(780)に金属薄膜(784)を形成し、電鋳加工のための表面導体化を行い、製造すべき剣先の外形形状に対応する形状を有する剣先用型キャビティ(780g、780h)を形成する工程と、
    (す)剣先用型キャビティ(780g、780h)の内部を除いて、金属薄膜(784)の表面にレジスト層(788)を設ける工程と、
    (せ)剣先用電鋳型(780)に電鋳加工を行い、剣先用型キャビティ(780g、780h)の中に剣先(348)を形成する工程と、
    (そ)剣先(348)を剣先用型キャビティ(780g、780h)から取り出す工程とを含む、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
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JP2015025722A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 セイコーインスツル株式会社 時計用アンクル、脱進機構、時計用ムーブメントおよび機械式時計

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