JP2009228127A - 電鋳部品及び電鋳部品の製造方法、機械式時計、電子時計 - Google Patents

電鋳部品及び電鋳部品の製造方法、機械式時計、電子時計 Download PDF

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Abstract

【課題】 可動可能な部品を簡単な工程からなる電鋳加工によって製造する方法の提供。
【解決手段】 本発明の電鋳部品の製造方法は、除去可能な樹脂でコーティングした子部品4を、マスク3を有する基板1に配置する工程と、子部品4と一体に電鋳金属部6aを形成する工程と、完成した電鋳部品6から内包した子部品4のコーティング5を取り除く工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電鋳部品及び電鋳部品の製造方法に関する。特に本発明は、機械式時計用の電鋳部品の製造方法、電子時計用の電鋳部品の製造方法、前記製造方法によって作られた機械式時計の部品、前記製造方法によって作られた電子時計用の部品に関する。さらに本発明は、前記製造方法によって作られた電鋳部品を少なくとも1つ含む機械式時計、および、前記製造方法によって作られた電鋳部品を少なくとも1つ含むアナログ電子時計に関する。
従来、部品同士のすべりによって発生するすべり摩擦を小さくするために、このすべり摩擦を転がり摩擦に変化させるという手法が用いられてきた。転がり摩擦とは、ある物体が接触している物体の上を転がるときに起こる抵抗で、すべり摩擦と比べると非常に小さいことが知られている。
第1のタイプの従来技術において、時計部品のすべり摩擦を転がり摩擦に変える例として、次のような機構が知られている。日車などの回転を伴う摺動部品の平面方向のガイドとして、穴石にピンを貫通させ、穴石を回転可能に地板に固定したものを使用することで、日車を穴石の転がり摺動による摩擦抵抗の低減と摩耗の低減を図ることができる。(特許文献1参照)
第2のタイプの従来技術において、摺動を伴う部品の製造に関して、低摩擦、耐摩耗性向上を目的とした接面部を、Ni又はNi合金でなる金属マトリックス中に低摩擦、耐摩耗性を有する微粒子、セラミック酸化物、セラミック炭化物、セラミック窒化物、ダイヤモンドの複合材微粒子を略均一に分散させた材料で電鋳にて形成していた(特許文献2参照)。
第3のタイプの従来技術において、電鋳部品の製造方法は、マスクを有する基板にエッチング穴を形成し、この基板のエッチング穴に導電性材料の金属やガラス、セラミック、プラスチック等の非導電性材料で構成された軸部品や中空軸部品、アンクルのつめ石などを配置した基板に対して電鋳加工を行い、部品一体になるよう電鋳金属部を形成している(特許文献3参照)。
特開2004−144482号公報 特開平11−319340号公報 特開2005−290427号公報
従来の回転摺動部品は、軸と軸受により保持されることが一般的であった。しかしながら特許文献1では、日車などの回転中心に軸を形成できない部品では、外周ガイドで部品を保持している。ただし、この場合は部品とガイドの摺動はすべりであるので、摩擦抵抗が高く摩耗が大きかった。このすべり摺動を小さくするために、転動体を用いて転がり抵抗とし、抵抗を小さくする方法が用いられているが、ガイド等の構成部品が多いため簡易に製造できない、厚みが必要となるという問題があった。
このように摩擦抵抗を小さくするため、特許文献2では、潤滑性・耐摩耗性を持たせるために、PTFEなどの微粒子を電鋳部品やめっき中に分散させている。しかし、必要な箇所へのみ、硬度や潤滑性を保持させることが難しい。さらに、電鋳部品自体の硬度の確保ができないため、強度が不足するという問題があった。
また、特許文献3では、アンクルの製造において、つめ石を内包した状態で電鋳を行うため、つめ石は固定され時計の作動時の摺動はすべり摺動となる。そのため、この摺動の際に発生する摩擦抵抗を改善することはできなかった。
本発明の目的は、可動可能な部品を簡単な工程からなる電鋳加工によって製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡単な工程からなる電鋳加工によって製造された小型、薄型、高精度の電鋳部品を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡単な工程からなる電鋳加工によって製造された可動可能な電鋳部品を含む機械式時計、アナログ電子時計を提供することにある。
そこで、本発明は、電鋳部品の製造方法において、
(あ)あらかじめ除去可能な樹脂でコーティングした子部品を、マスクを有する基板に 配置する工程と、
(い)コーティングを施した子部品を配置した基板に電鋳加工を行い、子部品と一体に電 鋳金属部を形成する工程と、
(う)完成した電鋳部品から、内包した子部品のコーティングを取り除く工程と、
を含むことを特徴とする。この方法を用いることにより、1つ以上の微小部品で構成される可動する部品を簡単な工程からなる電鋳加工によって製造することができる。
さらに、本発明は、電鋳部品の製造方法において、(a)基板を準備する工程と、(b)基板の表面に金属膜を形成し、導電部を作る工程と、(c)基板の表面にフォトレジストをコートし、コートしたフォトレジストに必要形状を露光し、現像してマスクをパターニングする工程と、(d)基板の表面からマスクを除去する工程と、(e)内包させたい子部品を準備する工程と、(f)子部品を樹脂でコーティングし、必要形状を形成する工程と、(g)コーティングを有する子部品を、パターニングした基板に配置する工程と、(h)配置したコーティングを有する子部品を内包した状態で電鋳金属部を形成する工程と、(i)電鋳部品を取り出し、溶剤に浸漬させコーティングを除去する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の方法では、前記(e)に記載した工程において、子部品の材料は、金属やガラス、プラスチック、セラミック、ダイヤモンド等を、必要な性能に合わせて使用することが好ましい。また、前記(f)に記載した工程において、コーティングの膜厚によって子部品と電鋳部品との隙間が決まるため、コーティングの厚みや形状を変化させることで、内包部品の可動域、隙間を調整することもできる。
また、同様に前記(g)に記載した工程において、コーティングには、除去可能な非導電性物質、プラスチックや樹脂、レジストなどを使用することができる。或いは、本発明の方法では、内包部品の形状を球状や円筒状、中空の筒状、歯車形状等にすることで、新たな機能を持たせることもできる。筒形状の内包部品を用いることで軸の形成が可能となるため、内包部品の固定に対してより効果的となる。本発明は、上記いずれかの方法によって製造された電鋳部品を提供することができる。
さらに、本発明は、前記電鋳部品の製造方法において、前記(え)の工程の後に、(お)前記電鋳金属部から前記子部品を除去する工程、を含むことができる。また、前記(お)の工程では、前記電鋳金属部から前記子部品を除去することで孔を形成し、該孔を注油孔とすることができる。
本発明の製造方法を用いることによって、一対からなる微小な可動可能な部品や、注油孔を有した小型部品を、簡単な工程からなる電鋳加工によって製造することができる。本発明の製造方法を用いることによって、時計部品で用いられている日車などで生じるすべり摺動を、転がり摺動に変化させることができ、より、摺動抵抗を軽減させることができる。
本発明の製造方法を用いることで、コーティングの膜厚により電鋳金属部と子部品との隙間を決定することができる。そのため、隙間の制御が容易となり、より高精度な部品を提供することができる。
本発明の方法を用いることにより、簡単な工程からなる電鋳加工によって製造した可動可能な電鋳部品を一体以上含む機械式時計、アナログ電子時計を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(1)電鋳部品の構造
電鋳部品は、電鋳金属部とこれに内包した可動可能な子部品を含む。以下に示すいずれの実施形態においても、子部品を構成する材料はガラス、セラミック、プラスチックなどの非導電性材料や、金属材料を用いることができる。子部品の形状は、図4に示したような(a)歯車状14、(b)球状15、(c)柱状16、など様々な必要形状を有することができる。特に、筒形状の子部品を用いることで、子部品に形成されている穴に、電鋳による軸が作られるので、子部品を軸支できるため、電鋳金属部に対して子部品の位置決めが容易になる。また、外形が円でない場合においては、円筒状にコーティングを行うことで、内包する子部品4を可動させることができる。
しかし、ここでは上記のような例を挙げて説明したが、本発明の電鋳部品は、上記形状に限られるものではない。
(2) 電鋳部品の製造方法
図1を参照して、本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態について説明する。図1(a) を参照すると、電鋳部品の製造のために用いる基板1を準備する(工程101) 。基板1を構成する材料は、シリコン、ガラス、プラスチックなどである。基板1の大きさは、例えば、2インチ(約50mm)〜8インチ(約200mm)の範囲の半導体製造に用いられる標準寸法であるのが好ましい。基板1の厚さは、基板1の大きさによって異なるが、例えば4インチシリコン基板の場合、300μm〜625μm の厚さのものが用いられる。
まず始めに、図1(b)のように、基板1の上に導電薄膜2を形成する(工程102)。基板1の上に形成する導電薄膜2は、例えば、金、銀、銅、ニッケルなどで構成することができる。導電薄膜2の付着は、スパッタリング、蒸着、無電解めっきなどの方法により行うことができる。導電薄膜2の膜厚は、数nm(不連続膜)〜数μmの範囲であるのが好ましい。このような方法では、導電薄膜2を構成する材料を選択することによって、電鋳部品を基板1の表面から取り外すときの犠牲層として用いることも可能である。このような犠牲層として用いることができる材料として、例えばフォトレジストに代表される樹脂材料が挙げられる。フォトレジストは有機溶媒、発煙硝酸等によって容易に除去することが可能である。
図1(c)に示すように、基板1の表面にフォトレジストをコートし、コートしたフォトレジストに必要形状を露光し、現像してマスク3をパターニングする(工程103)。マスク3は、フォトレジスト、SiO2 などの他の酸化膜、アルミニウム、クロムなどの金属膜で形成することができる。このときフォトレジストの厚さは100μm〜数mmの範囲であるのが好ましい。
図1(d)に示すように、フォトレジスト以外の材料で構成したマスク3を用いる場合、フォトレジストをマスク3として、フォトレジスト以外の材料をエッチングすることによりマスク3を形成することができる(工程104)。マスク3の厚さは、基板1とマスク3のエッチング時の選択比とエッチング深さによって決定される。例えば、基板1とマスク3の選択比が100対1のとき、基板1のエッチング深さ100μm に対する必要なマスク3の厚さは1μm 以上である。好ましくは1.5μm〜10μmの範囲とする。
次に、図2(a)に示すように、内包させたい子部品4を、マスク3を有する基板1に配置する(工程201)。子部品4を構成する材料は、ガラス、セラミック、プラスチックや金属、ルビーやサファイヤを用いることができる。また、子部品4にあらかじめ表面処理、表面加工を行うことも可能である。たとえば、子部品4をアルミニウムで構成する場合、内包させる前準備として、子部品4にアルマイト処理を行うのがよい。子部品4を炭素鋼、ステンレス鋼などの金属で構成する場合、子部品4に酸化膜を付加するのがよい。付加する酸化膜として、子部品4を構成する金属の陽極酸化膜、SiO2などがあげられる。或いは、子部品4を金属で構成する場合、テフロン(登録商標)などの合成樹脂をコーティングしてもよい。コーティングする材料は、前記テフロン(登録商標)のほか、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミドなどの非導電性樹脂があげられる。ただし、子部品4の材料として、コーティング5を除去する際に使用する有機溶剤や酸に犯されないことが必要である。
そして、子部品4に、除去可能な非導電性物質、たとえば樹脂やレジストなどによってコーティング5を行う。コーティング5を構成する材料は、電鋳部品や子部品が侵されない溶剤に溶解するプラスチック、樹脂、レジストなどを使用することができる。これらのコーティング材をスパッタやイオンプレーティング、蒸着、デッピングなどを利用して、子部品4にコーティング5を行う。このとき、コーティング5の厚みを変化させることで、子部品が回転するために、必要な隙間を確保することができる。また、コーティング5の子部品形状を回転可能にすることで、歯車14などの摺動面に凹凸のある部品についても可動させることができる。
コーティング5を有する子部品4を配置した基板1を電鋳液に浸漬させ、電鋳部品6の電鋳金属部6aを形成する(工程202)。
ここで、図3を参照して、電鋳加工の具体的な方法を説明する。図3(a)を参照すると、電鋳すべき金属材料により電鋳液を選ぶ必要があり、例えば、ニッケル電鋳加工ではスルファミン酸浴、ワット浴、硫酸浴などが用いられる。スルファミン酸浴を用いてニッケル電鋳を行う場合は、電鋳加工用の処理槽7の中にスルファミン酸ニッケル水和塩を主成分とするスルファミン酸浴8を入れる。電鋳すべき金属材料からなる陽極電極9をスルファミン酸浴8の中に浸漬させる。例えば、陽極電極9は、電鋳すべき金属材料からなるボールを複数用意し、この金属ボールをチタン等で作った金属製のかごの中に入れることにより構成することができる。電鋳加工を行うべき電鋳型10をスルファミン酸浴8の中に浸漬させる(工程301)。図3(b)を参照すると、電鋳型10を電源13の陰極に接続し、陽極電極9を電源13の陽極に接続すると、陽極電極9を構成する金属がイオン化してスルファミン酸浴8中を移動し、電鋳型10の導電性膜11上に金属12として析出する。一方、配管(図示せず)を介して弁(図示せず)を処理槽7に接続することができる。濾過用フィルタを配管に設け、処理槽7から排出されるスルファミン酸浴8を濾過することができる。濾過されたスルファミン酸浴8は、注入用配管(図示せず)から処理槽7の中に戻すことができる(工程302)。
電鋳を行う際に、コーティングされた子部品4と外部とをつなぐ1つ以上の開口部を形成する。これは、後の工程で行われるコーティング5の除去のためにも必要となるが、電鋳部品6を時計に組み込む際の注油口としても用いることができる。そのため、子部品4の可動状況によって必要箇所に開口部を形成することが望ましい。
工程の説明に戻ると、図2(c) に示すように、電鋳型からマスク3を取り除き、電鋳部品6を取り外す(工程203)。取り出した電鋳部品6は、コーティング5を施した子部品4を内包し、2つの部品を一体化した電鋳部品6を作製する。本発明の電鋳部品6の製造方法を用いると、電鋳加工により作製した電鋳金属部6aに、他の部品を組み込むという工程を用いることなしに、複数部品からなる可動可能な一体部品を形成することができる。
さらに、電鋳部品6に内包された子部品4のコーティング5を除去する(工程204)。コーティング5として用いた樹脂やレジストが溶解するような有機溶媒や酸に電鋳部品6を浸し、コーティング5の除去を行う。このとき、超音波発振器などを利用すると、より容易に除去を行うことが可能である。
(3)時計歯車と地板の一体化製造方法
図1、図5、図4および図6を参照して、本発明の実施形態にかかわる、地板と歯車の一体化製造方法について説明する。以下の説明は、本発明の地板と歯車の一体化製造方法の実施形態が、本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態と異なる点を主に述べる。従って、以下に記載がない個所は、前述した本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態についての説明をここに準用する。
図1(a)〜(d)に示すように、工程101〜104を行い、地板を製造するためのマスクを作製する。
次に、図5に示すように除去可能な樹脂やレジストなどで円筒状にコーティングした、金属やルビーなどで形成された歯車4bを、地板形状をパターニングしたマスク3に配置する(工程501)。次に、コーティング5を施した歯車4bを保持した状態で、地板と歯車4bが一体となるように電鋳加工を行う(工程502)。このとき、歯車4bと外部とをつなぐ開口部を形成することが必要とされる。さらに、歯車4bに開口部を有することで、内包する歯車4bの中央に軸を形成することができるため、より高い位置精度で歯車4bを軸支することができる。
電鋳加工が終了した後、マスク3を有する基板1から電鋳によって作成した地板6aを剥離する(工程503)。剥離した地板6aを有機溶剤に浸漬させ、超音波発振器等にかけることで、歯車4bのコーティング5を除去する(工程504)。この工程により、地板6aに一体化された歯車4bが、独立して可動可能となり、歯車4bを内包した地板6を製造することができる。
本発明により、軸の製造が不要な歯車を形成することができ、時計の薄型化を図ることができる。
前述した、本発明の電鋳部品の製造方法は、機械式時計の部品に適用することもでき、また、アナログ電子時計用の部品に適用することもでき、他の機器に適用される輪列部品に応用することもできる。すなわち、本発明の電鋳部品の製造方法は、時計の歯車だけでなく、時計のあらゆる輪列部品に広く適用することができる。さらに、本発明の電鋳部品の製造方法は、計測器、印刷機、映像機器、録音機器、記録機器などの輪列部品等にも広く適用することができる。
(4)時計のカレンダ機構の構造
時計のムーブメント17について、日車19は、例えば、図6及び図7に示したように、外側環状板部19aと、該外側環状板部19aの内周縁19bから垂下した円筒状部19cと、該円筒状部19cから半径方向内向きに延び内縁19dに被係合歯19eを有する。
より詳しくは、この種のムーブメント17のカレンダ機構は、例えば、図6に示したように、日車19に加えて、筒車20と、一番日回し中間車21、二番日回し中間車22と、一方の主面にピンを備えた日回し車23と、日回し車23のピン24により1日に一回転される日回し爪25と、日車19と、日ジャンパ26とを含む。
日車19は、日ジャンパ26によって躍制された状態においてその被係合歯19eに日回し爪25の回転力を受けて一日に一ステップずつPA方向に回転する。このような日車19の回転は、日車19の被係合歯19eの内縁が当接ないし摺接する案内用の外周面19aを備えた円柱状部19bを有する地板18により支持・案内される。地板18には、円柱状外周面18aと、円柱状部18bと、円筒状周面部分18cとを含む。なお、円柱状部18bは、典型的には、完全な円柱状ではなく、時計の各種部品の配設及び動作を妨げない範囲内で、円筒状周面部分18cを与えるような形状を有し、図示の例では、矢印PNで指した向きを12時の向きとして、例えば、3時から6時半の範囲にわたって比較的大きい円弧を規定する円筒状周面部分18cと、ほぼ9時のところにおいて短い円弧を規定する円筒状周面部分18cと、ほぼ11時の前後において短い円弧を規定する円筒状周面部分18cと、ほぼ12時のところにおいて短い円弧を規定する円筒状周面部分18cと、ほぼ1時半のところにおいて短い円弧を規定する円筒状周面部分18cとを含む。
このカレンダ機構では、日車19に日回し爪25のPA方向の回動力が実際上かかっていない状態ないし一日のうちの大半の時間においては、日車19は、該日車19に躍制力を及ぼす日ジャンパ26により、図6において、ほぼ半径方向外向きPRの力を受けるので、この日ジャンパ26によるPR方向の押圧力に抗して日車19を所定位置に保持すべく、日ジャンパ26の爪と直径方向に対向する位置の円弧状部位18cを含む円弧状部分18cが日車19の被係合歯19eの対応する部分の先端部に当接する。なお、日ジャンパ26のジャンプ動作の前後においては日車19にPR方向に対して交差する方向PR1等の力が働くことから、該交差方向力に伴う日車19の位置ズレも主として、円弧状部分18cが被係合歯19eの対応する部分の先端部に当接することにより規制する。
カレンダ機構では、また、一番日回し中間車21及び二番日回し中間車22を介して筒車20に噛合された日回し車23のPB方向回転に応じて日回し車23のピン24がPB方向に回転される際、ピン24が日回し車23と同心で軸に嵌合された日回し爪25の爪部にPB方向の回転力を及ぼし、該日回し爪25により、日車19の被係合歯19eのうち丁度係合した被係合歯19eにPA方向の回転力が加えられて、日車19がPA方向に回転する。
従って、場合によっては、日ジャンパ26による躍制力だけでなく、日回し爪25による回転力を考慮する必要がある。より詳しくは、日回し爪25による日車19のPA方向の一ステップの回転駆動に際して、日車19には、半径方向外向きPS(図示)及び回転方向PT(図示)に力がかかる。このような半径方向外向きPS(図示)の力は、日車19の回転中心PC(図示)に関して日回し爪25と直径方向に対向する位置にある地板18の円弧状周面部分18cで日車19の対応する被係合歯19eの先端部分の押圧力を受けて支えることにより、日車19を所定位置に保持し、また、回転方向PT(図示)の力は、主として、地板18の円弧状周面部分18c(図示)等で日車19の被係合歯19eのうち対応する被係合歯19e等の先端部分等を受けることにより、日車19を所定位置に保持することになる。また、日車押え27と文字板28によって日車19を押えることで、日車19をムーブメント17に保持させている。
(5)日車と日車押えの摺動部における穴石の一体化製造方法
図8および図9を参照して、本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態において、日車19と日車押え27との摺動部における穴石4aの一体化製造方法について説明する。以下の説明は、本発明の日車19と日車押え27の摺動部における穴石4aの一体化製造方法の実施形態が、本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態についての説明をここに準用する。
図1(a)〜(d)に示すように、工程101〜104を行い、日車押え27を製造するためのマスク3を作製する。
次に、除去可能な樹脂やレジストなどでコーティングしたルビーなどで形成された円筒状の転動体4aを、日車押え27の形状をパターニングしたマスク3に配置し、転動体4aを保持した状態で、日車押えと転動体4aが一体となるように電鋳加工を行う。このとき、転動体4aと外部とをつなぐ開口部を形成することが必要とされる。
電鋳加工が終了した後、マスク3を有する基板1から日車押え27を剥離する。剥離した日車押え27を有機溶剤に浸漬させ、超音波発振器等にかけることで、転動体4aのコーティング5を除去する。この工程により、日車押え27に一体化された転動体4aが、独立して可動可能となり、転動体4aを内包した日車押え27を製造することができる。
本発明による転動体4aを内包した日車押え27と日車19との摺動において、すべり摺動ではなく転がり摺動となるため、摺動面で発生する抵抗を低減させることが可能となる。
前記した、本発明の電鋳部品の製造方法は、機械式時計の部品に適用することもできるし、また、アナログ電子時計用の部品に適用することもできるし、他の機器に適用される摺動部品の摺動抵抗を低減することもできる。すなわち、本発明の電鋳部品の製造方法は、時計の日車の摺動部だけでなく、時計のあらゆる摺動部品に広く適用することができる。さらに、本発明の電鋳部品の製造方法は、計測器、印刷機、映像機器、録音機器、記録機器などの摺動部品等にも広く適用することができる。
(6)時計のクロノグラフ帰零機構
図10、図11を参照すると、時計のムーブメント17について、クロノグラフ受30の2時方向にあるスタート・ストップボタン31を押して、クロノグラフの計測を開始させることができる。すなわち、スタート・ストップボタン31を押すと、作動レバーA32、作動レバーB33が作動して、作動カム34を1歯送り、作動カム34を回転させる。作動カム34が回転すると、発停レバーA35、発停レバーB36が秒クロノグラフ中間車クラッチリング38aから離れ、時分発停レバー37が時クロノグラフ中間車クラッチリング39aおよび分クロノグラフ中間車クラッチリング40aから離れ、クラッチをオンにする。その結果、秒クロノグラフ車38は回転し、分クロノグラフ車40は回転し、時クロノグラフ車39は回転する。その結果、クロノグラフ秒針(図示せず)は、クロノグラフ計測結果の「秒」を表示し、クロノグラフ分針(図示せず)は、クロノグラフ計測結果の「分」を表示し、クロノグラフ時針(図示せず)は、クロノグラフ計測結果の「時」を表示する。
次に、スタート・ストップボタン31を、もう1回押すと、クロノグラフ時計の計測を停止させることができる。すなわち、スタート・ストップボタン31をもう1回押すと、作動レバーA32、作動レバーB33が作動して、作動カム34を1歯送り、作動カム34を回転させる。作動カム34が回転すると、発停レバーA35、発停レバーB36が秒クロノグラフ中間車クラッチリング38aに接触し、時分発停レバー37が時クロノグラフ中間車クラッチリング39aおよび分クロノグラフ中間車クラッチリング40aに接触し、クラッチをオフにする。また、作動カム34が停止レバー44を作動させ、停止レバー44は秒クロノグラフ車38の停止レバー板45を規正する。その結果、秒クロノグラフ車38の回転は止まり、分クロノグラフ車40の回転は止まり、時クロノグラフ車39の回転は止まる。その結果、クロノグラフ秒針(図示せず)は、クロノグラフ計測結果の「秒」を表示して停止し、クロノグラフ分針(図示せず)は、クロノグラフ計測結果の「分」を表示して停止し、クロノグラフ時針(図示せず)は、クロノグラフ計測結果の「時」を表示して停止する。この状態で、スタート・ストップボタン31を、更に1回押すと、クロノグラフ計測が停止した状態から、さらにクロノグラフ計測を再開させることができる。
図10、図11を参照すると、クロノグラフ計測が停止した状態において、リセットボタン41を押すと、クロノグラフ秒針(図示せず)、クロノグラフ分針(図示せず)、クロノグラフ時針(図示せず)は、クロノグラフ機構の作動開始前の「零位置」に戻って停止する。すなわち、リセットボタン41を押すと、復針伝えレバーA42、復針伝えレバーB43、復針レバー46が作動する。さらに、復針伝えレバーA43が停止レバー44を回転させ、停止レバー44の規正部が停止レバー板45から離れ、秒クロノグラフ車38をフリーの状態にする。そして、復針レバー46は秒ハートカム47を回転させ、分ハートカム48を回転させ、時ハートカム49を回転させて、クロノグラフ秒針(図示せず)、クロノグラフ分針(図示せず)、クロノグラフ時針(図示せず)を「零位置」に帰零させる。
(7)ハートカムと復針レバーとの摺動部における穴石の一体化製造方法と構造
図10、図12を参照して、本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態において、秒ハートカム47、分ハートカム48、時ハートカム49と復針レバー46との摺動部における穴石4bの一体化製造方法について説明する。以下の説明は、本発明の秒ハートカム47、分ハートカム48、時ハートカム49と復針レバー46の摺動部における穴石の一体化製造方法の実施形態が、本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の電鋳部品を備えた電鋳部品の製造方法の実施形態についての説明をここに準用する。
図1(a)〜(d)に示すように、工程101〜104を行い、復針レバー46を製造するためのマスク3を作製する。
次に、図4および図5を参照して、除去可能な樹脂やレジストなどでコーティングしたルビーで形成された球状15もしくは、円柱状16や円筒状の転動体4bを、復針レバー46の形状をパターニングした基板1に配置し、転動体4bを保持した状態で、復針レバー46と転動体4bが一体となるように電鋳加工を行う。このとき、転動体4bと外部とをつなぐ開口部を形成することが必要とされる。
電鋳加工が終了した後、マスク3を有する基板1から復針レバー46を剥離する。剥離した復針レバー46を有機溶剤に浸漬させ、超音波発振器等にかけることで、転動体4bのコーティング5を除去する。この工程により、復針レバー46に一体化された転動体4bが、独立して可動可能となり、転動体4aを内包した復針レバー46を製造することができる。本発明による転動体4bを内包した復針レバー46と秒ハートカム47、分ハートカム48、時ハートカム49との摺動において、すべり摺動ではなく転がり摺動となるため、摺動面で発生する抵抗を低減させることが可能となる。
前記した、本発明の電鋳部品の製造方法は、機械式時計の部品に適用することもできるし、また、アナログ電子時計用の部品に適用することもできるし、他の機器に適用される摺動部品の摺動抵抗を低減することもできる。すなわち、本発明の電鋳部品の製造方法は、時計の復針レバーだけでなく、時計のあらゆる摺動部品に広く適用することができる。さらに、本発明の電鋳部品の製造方法は、計測器、印刷機、映像機器、録音機器、記録機器などの摺動部品等にも広く適用することができる。
(8)カレンダ修正切換機構における歯車の製造方法と構造
図8に示したカレンダ機構を備えた時計には、カレンダ修正切換機構50が設けられている。このカレンダ修正切換機構50は、図13に示すようにカレンダ修正切換レバー51と、これの中心部に配設された小鉄車52と、この小鉄車52の一方の側に配設された日の裏中間車53及び日の裏中間車54と、他方の側に配設されたカレンダ修正伝え車55及びカレンダ修正伝え車56と、を備えて構成されている。カレンダ修正切換レバー51は、図8に示したように竜頭59に連結され、この竜頭59を操作することで時刻の修正や日にちの修正を行うようになっている。すなわち、竜頭59への操作が図13に示す小鉄車52に伝達され、小鉄車52が回動させることにより、この回動が日の裏中間車53及び日の裏中間車54に伝達され、あるいはカレンダ修正伝え車55及びカレンダ修正伝え車56に伝達されるようになっている。
このような構成において日の裏中間車54は、図14(a)、(b)に示すように従来では、歯車支持軸57に摺動可能かつ回動可能に支持されている。そして、歯車支持軸57はカレンダ修正切換レバー51に保持固定されていることで、日の裏中間車54はカレンダ修正切換レバー51に回動可能に保持されたものとなっている。
このような日の裏中間車54は、歯車支持軸57に対し摺動することで長期の使用により摩耗し、摺動性が低下する。したがって、歯車支持軸57との間の摺動部に潤滑油を供給する必要がある。そこで、従来では、潤滑油の供給路、すなわち注油路を確保すべく、図14(a)、(b)に示したように歯車支持軸57の一部を切り欠き、注油路58を形成している。この注油路58に注油を行うことにより、日の裏中間車53と歯車支持軸57との間の摺動部への潤滑油の供給を可能にしている。
しかしながら、このような注油路58の加工は難しく、したがって簡易な加工法が望まれている。そこで、本実施形態では、前述した工程で子部品からコーティングを取り除いた後、さらに子部品も取り除くことで、この子部品を取り除いた箇所を注油路として機能させるようにした。
すなわち、本実施形態では、本発明の電鋳部品として、図15(a)、(b)に示すように日の裏中間車54を支持する歯車支持軸60を製造する。この歯車支持軸60が図14(a)、(b)に示した歯車支持軸57と主に異なるところは、歯車支持軸57に形成されていた注油路58に代えて、歯車支持軸60では四つの注油孔61を形成した点にある。これら注油孔61は、図15(b)に示すように歯車支持軸60の一方の側、すなわち日の裏中間車54を押さえる側の面60aに開口し、かつ、該歯車支持軸60の側面であって、日の裏中間車54を摺動させ回動させる側面60bに開口している。また、これら注油孔61は、歯車支持軸60の中心軸に対して斜めに配置されている。したがって、面60a側の開口から注油を行うことにより、日の裏中間車54と歯車支持軸60との間の摺動面に潤滑油を供給することが可能になっている。
また、このような注油孔61は、図15(a)に示すようにその開口形状が、円環の一部を構成する形状(略円弧形状)となっており、四つの注油孔61は歯車支持軸60の中心から放射状に配置されている。また、図15(b)に示すように注油孔61は、面60a側から側面60bに向かうに連れて開口径が漸次大きくなるように形成されている。
次に、このような構成の歯車支持軸60の製造方法を説明する。
まず、図16(a) に示すように電鋳部品の製造のために用いる基板70を準備する。基板70を構成する材料については、図1(a)に示した基板1と同様のものが使用可能である。
続いて、図16(b)のように、基板70の上に導電薄膜71を形成する。この導電薄膜71についても、図1(b)に示した導電膜2と同様のものが使用可能である。
次に、基板70の表面にフォトレジストをコートし、コートしたフォトレジストに必要形状を露光し、現像することにより、図16(c)に示すように開口を有した第1のマスク72をパターニングする。
次いで、基板70の表面にフォトレジストをコートし、コートしたフォトレジストに必要形状を露光し、現像することにより、図16(d)に示すように第1のマスク72より大きな開口を有した第2のマスク73をパターニングする。
次いで、基板70の表面にフォトレジストをコートし、コートしたフォトレジストに必要形状を露光し、現像することにより、図17(a)に示すように第2のマスク73より大きな開口を有した第3のマスク74をパターニングする。これら第1のマスク72、第2のマスク73、第3のマスク74についても、図1(c)、(d)に示したマスク3と同様のものを用いることができる。
次に、図17(b)に示すように、予めコーティング75を施した子部品76を所定位置に配置する。本実施形態では、前記第1のマスク72上で、かつ前記第2のマスク73の開口の内壁面に当接させた状態で、四つの子部品76を等間隔で載置する。子部品76としては、図15(a)、(b)に示した注油孔61に対応した形状のものが用いられる。また、この子部品76の材質については、図2(a)に示した子部品4と同様のものが使用可能である。ただし、本実施形態では後述するようにこの子部品76は除去するため、電鋳加工に耐えうる材質であれば、いずれの材質も使用可能である。また、コーティング75については、前記コーティング5と同様の材料が用いられ、またコーティングの手法についても前記コーティング5と同様の手法が用いられる。
次いで、コーティング75を有する子部品76を配置した基板70を、図3(a)、(b)に示したように、電鋳液に浸漬させ、これによって図17(b)に示したように歯車支持軸60となる電鋳部品77(電鋳金属部)を形成する。
次いで、図17(c) に示すように、電鋳型から第3のマスク74、第2のマスク73、第1のマスク72を取り除き、基板70から電鋳部品77を取り外す。すると、取り出した電鋳部品77には、コーティング75を施した子部品76が内包された状態となる。
次いで、電鋳部品77に内包された子部品76のコーティング75を除去する。コーティング75の除去については、図2(d)に示した場合と同様に、コーティング75として用いた樹脂やレジストが溶解する有機溶媒や酸に、電鋳部品77を浸すことで行うことができる。また、超音波発振器などを利用することにより、除去をより容易に行うことができる。
その後、図17(d) に示すように電鋳部品77から子部品76を除去する。すなわち、コーティング75を除去したことで電鋳部品77と子部品76との間にはコーティング75の厚さに相当する隙間が形成されることから、電鋳部品77から子部品76を容易に取り除くことができる。特に、本実施形態では図15(b)に示したように、面60a側から側面60bに向かうに連れて開口径が漸次大きくなるように注油孔61を形成するべく、この注油孔61に対応して子部品76を形成しているので、電鋳部品77(歯車支持軸60)の前記側面60b側から子部品76を抜き取るようにすることで、子部品76を容易に除去することができる。
このようにして子部品76を除去することで、得られた電鋳部品77、すなわち歯車支持軸60には子部品76の形成箇所に孔78が形成され、該孔78が図15(b)に示した注油孔61となる。
したがって、このような方法によれば、電鋳加工により作製する電鋳部品77に、子部品76に対応する孔78を容易に形成することができる。よって、この電鋳部品77を歯車支持軸60とした場合に前記孔78を注油孔61として機能させることができ、これにより、歯車支持軸への注油孔(注油路)の加工を容易にすることができる。
なお、このような電鋳加工を利用した歯車支持軸60(電鋳部品77)の製造方法は、図13に示した日の裏中間車54を支持する歯車支持軸60以外にも、日の裏中間車53や小鉄車52、カレンダ修正伝え車55、カレンダ修正伝え車56を支持する各歯車支持軸の製造にも、適用可能である。
本発明の製造方法を用いることで、可動可能な子部品を内包する小型部品や、注油孔を有した小型部品を、簡単な工程からなる電鋳加工によって製造することができる。特に、本発明により、機械式時計の部品やアナログ電子時計用の部品を電鋳加工によって製造することができる。また、本発明の製造方法を用いることによって、簡単な工程からなる電鋳加工によって製造した電鋳部品を少なくとも1つを含む機械式時計やアナログ電子時計を提供することができる。
本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態において、電鋳部品の製造工程、マスクの作成を説明する原理図( その1 ) である。 本発明の電鋳部品の製造方法の実施形態において、軸部品を備えた電鋳部品の製造工程の一部を説明する原理図( その2 ) である。 電鋳加工の概略を説明する原理図である。 本発明の電鋳部品の実施形態において、内包する子部品の構造を示す上面図である。 本発明の実施形態において、歯車を内包した電鋳部品の製造工程の一部を説明する原理図である。 カレンダ機構を備えた時計の概略図を示した平面図である。 カレンダ機構を備えた時計の概略図を示した断面図である。 本発明による実施例のカレンダ機構を備えた時計の概略図を示した平面図である。 本発明による実施例のカレンダ機構を備えた時計の概略図を示した断面図である。 クロノグラフ機構を備えた時計の概略図を示した平面図である。 クロノグラフ機構を備えた時計の概略図を示した断面図である。 本発明による実施例のクロノグラフ機構を備えた時計の概略図を示した断面図である。 従来のカレンダ修正切換機構の概略構成を示す底面図である。 従来の日の裏中間車とその歯車支持軸を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側断面図である。 本発明の実施形態の、日の裏中間車の歯車支持軸を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側断面図である。 (a)〜(d)は図15に示した歯車支持軸の製造工程を説明するための側断面図である。 (a)〜(d)は図16に製造工程に続く工程を説明するための側断面図である。
符号の説明
1 基板
2 導電部
3 マスク
4 子部品
5 コーティング
6 電鋳部品
6a 電鋳金属部
17 ムーブメント
18 地板
19 日車
23 日回し車
25 日回しつめ
26 日ジャンパ
27 日車押え
30 クロノグラフ受
34 作動カム
38 秒クロノグラフ車
39 時クロノグラフ車
40 分クロノグラフ車
46 復針レバー
50 カレンダ修正切換機構
60 歯車支持軸
61 注油孔
75 コーティング
76 子部品
77 電鋳部品
78 孔

Claims (13)

  1. 電鋳部品の製造方法において、
    (あ)電鋳部品に内包させる子部品にコーティングを施す工程と、
    (い)コーティングを有する子部品を、所定のパターニングされた導電する基板に配置する工程と、
    (う)コーティングを有する子部品を配置した基板に電鋳加工を行い、子部品と一体に電鋳金属部を形成する工程と、
    (え)子部品が有するコーティングを取り除く工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記(あ)の工程に記載した子部品は、部品を構成する材料として、金属やガラス、プラスチック、セラミック、ダイヤモンド、ルビー、サファイヤを用いることを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、前記(あ)の工程に記載したコーティングの材料には、ガラス、セラミック、プラスチックなどの非導電性物質を用いることを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、前記(あ)の工程に記載したコーティング後の子部品の形状が、コーティング除去後の子部品の回転可能域を、満たす形状を有することを特徴とする方法。
  5. 請求項1に記載の方法において、前記(あ)の工程に記載した子部品の形状を、球状や円筒状、中空の円筒状、歯車形状などの回転が可能な形状を有することを特徴とする方法。
  6. 請求項1に記載の方法において、前記(い)の工程において、コーティングされた子部品と外部とをつなぐ開口部を1つ以上有することを特徴とする方法。
  7. 請求項1に記載の方法において、前記(え)の工程において、コーティングが溶解する有機溶剤や酸を用いることを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の方法において、前記(え)の工程の後に、
    (お)前記電鋳金属部から前記子部品を除去する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  9. 請求項8に記載の方法において、
    前記(お)の工程では、前記電鋳金属部から前記子部品を除去することで孔を形成し、該孔を注油孔とすることを特徴とする方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載されている方法によって製造されることを特徴とする電鋳部品。
  11. 請求項1から9のいずれか1項に記載されている方法によって製造される、回転可能で1つ以上の小部品を有する電鋳部品。
  12. 請求項1から9のいずれか1項に記載されている方法によって製造された電鋳部品を、少なくとも1つ以上含むことを特徴とする機械式時計。
  13. 請求項1から9のいずれか1項に記載されている方法によって製造された電鋳部品を、少なくとも1つ以上含むことを特徴とするアナログ電子時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016214712A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 株式会社エムダップ 管状物の製造方法

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