JP4865216B2 - ビスフェノールフリー水性塗料 - Google Patents

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Description

本発明は、塗料の硬化性、加工性及び衛生性に優れた塗膜を形成でき、且つ塗膜からビスフェノールAが溶出することのない塗料に関し、なかでも缶内面用あるいは缶外面用塗料として好適な塗料組成物、それを用いてアルミニウム缶を印刷する方法並びに印刷されたアルミニウム缶に関する。
従来、アルミニウム缶はビール、ミネラルウォーター、ジュース、ソフトドリンク等の容器として広く使用されてきた。これらアルミニウム缶用塗料としては、有機溶剤型塗料としては、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを塗膜形性要素(ベヒクル)とする溶剤型の塗料が用いられてきた。特にアルミニウム下地と密着性のためにビスフェノールA型エポキシ樹脂添加の溶剤系塗料が広く用いられててきた。
しかし火災の危険や溶剤の揮散に伴う環境汚染の問題があるため、樹脂に極性を持たせた水性系の塗料が開発された。これらの樹脂は結果として下地アルミニウム金属との密着性が確保できるものであったが、塗膜硬度を維持するためこれらの塗膜形性要素に加えてエポキシ樹脂、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤とを組合わせた水性塗料(例えば特許文献1〜6等参照)が数多く提案されてきた。
しかしながら、これらの水性塗料から形成される塗膜は、加工性、接着性、耐食性に優れてはいるが、外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)の疑いがあるとされるビスフェノールAを含有していることから、ビスフェノールAを含まない塗料の開発が急務となっており、様々な取り組みがなされている。その一つとして酸末端ポリエステル樹脂とノボラック型エポキシ樹脂とを組み合わせた系が検討されているが、塗膜の十分な硬化性を得ようとすると、塗料の貯蔵安定性が低下してしまうという問題があった。
特開平11−217538号公報 特開平11−263938号公報 特開平11−343456号公報 特開2000−265108号公報 特開2002−361784号公報
本発明の目的は、塗膜硬度が高く、塗料の硬化性、加工性及び衛生性に優れ、且つビスフェノールAが全く溶出することのない塗膜を形成できる塗料を得ることである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究の結果、塗膜硬度、塗膜の下地との密着性等の性能を低下させることなく、塗膜硬度が向上した水性塗料を開発するところにある。
本発明は、
[1] 樹脂成分として、(A)ポリエステル樹脂30〜40重量%、(B)アクリル樹脂5〜16重量%、(C)アミノ樹脂52〜60重量%及び(D)高融点ワックスを(A)〜(C)の合計100重量部に対し1.3〜2.5重量部からなる水性塗料、
[2](C)アミノ樹脂が52〜58重量%である上記[1]に記載の水性塗料、
[3] 固形分として40〜55重量%、水性媒体として有機溶剤が40〜60重量%の水性媒体を用いた水性塗料であって、35±3℃におけるフォードカップ粘度が30〜45秒である上記[1]または[2]に記載の水性塗料、
[4]樹脂成分として、(A)ポリエステル樹脂30〜40重量%、(B)アクリル樹脂5〜16重量%、(C)アミノ樹脂52〜60重量%及び(D)高融点ワックスを(A)〜(C)の合計100重量部に対し1.3〜2.5重量部からなる水性塗料を用い、印刷し、温度150〜210℃、時間20〜45secで硬化させることを特徴とするアルミニウム缶を印刷する方法、
[5]アルミニウム缶の外側面を、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のアルミニウム缶用水性塗料で印刷されたアルミニウム缶、
を開発することにより上記の課題を解決した。
本発明はアルミニウム缶の印刷に使用可能な外因性内分泌攪乱化学物質の疑いのあるビスフェノールAを含まない水性塗料であるため、従来使用してきた溶剤系塗料に比して消防法上非危険物に該当し、また労働安全法にも該当しないものであって安全性が極めて高いものであり、環境汚染も少ないものである。
なお、水性塗料であるため、溶剤系塗料に比してやや早い揮発性を有し、配合されているワックスがブリードするためか滑性が高く、またベンゾグアナミンを配合しているためもあってまた耐傷つき性に優れ、豊富な官能基どうしの架橋システムによって塗膜硬度が高い特徴がある。このため本水性塗料を印刷したアルミニウム缶は、従来の溶剤系塗装物に比して強い耐摩擦性のアルミニウム缶を提供できる。
本発明のアルミニウム缶用水性塗料は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、(D)高融点ワックス、染料又は顔料及び必要に応じて配合されるシリコン樹脂その他の配合剤を、親水性有機溶剤及び水からなる分散媒にエマルジョンとして分散した水性塗料である。
本発明に用いるポリエステル樹脂としては、広範なポリエステル樹脂が使用できる。例えばその一つとして、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるポリエステルがある。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。これらの多塩基酸は通常芳香族、脂環族、脂肪族カルボン酸を2種以上混合して使用する。
多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
また上記ポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。この場合のアルキド樹脂の油長は30%以下、特に5〜20%程度のものが好ましい。
さらにこれらのポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものであっても良い。
接着性を付与するためにはポリエステル樹脂は、樹脂成分中の含有量として30〜40重量%、好ましくは±2重量%である。上記のポリエステル樹脂であれば特に制限されるものではないが、通常、数平均分子量が1,000〜20,000、好ましくは2,000〜10,000の範囲内にあることが好適である。該ポリエステル樹脂は塗膜硬度を高める効果がある。配合量が溶剤系塗料に比して配合量が少なくなっているがこれでも十分なと膜性能を得ることができる。
アクリル樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の添加をしないでアルミニウム下地との密着性を保持するために重要な成分の一つである。この樹脂はカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとを成分とする共重合体樹脂から構成される。重合性不飽和モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの1種又は2種以上の混合物を挙げることができ、なかでもメタクリル酸が好適に使用される。
アクリル樹脂のモノマー成分であるその他の重合性不飽和モノマーは、上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーに共重合可能なモノマーであればよく、求められる性能に応じて適宜選択して使用することができるものであり、例えば、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどの芳香族系ビニルモノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−,i−又はt−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−,i−又はt−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸のC2 〜C8 ヒドロキシアルキルエステル;N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなどのN−置換アクリルアミド系又はN−置換メタクリルアミド系モノマーなどの1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。このその他の重合性不飽和モノマーとしては、特に(メタ)アクリル酸エステル類とスチレン等他のコモノマーとの混合物が好ましい。
アクリル樹脂は、モノマーの構成比率、種類は特に制限されるものではないが、通常、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーが15〜60重量%、好ましくは20〜50重量%であり、その他の重合性不飽和モノマーが85〜40重量%、特に80〜50重量%であることが好ましい。
カルボキシル基含有アクリル樹脂の調製は、例えば、上記したモノマー組成を重合開始剤の存在下、有機溶剤中で溶液重合することにより容易に行うことができる。アクリル樹脂は、樹脂酸価が100〜400、数平均分子量が2,000〜100,000、好ましくは5、000〜30、000の範囲内であるのがよい。本アクリル樹脂の樹脂成分中の含有量は5〜20重量%、好ましくは13±3重量%である。本アクリル樹脂はその配合により塗膜硬度を上げる効果がある。これは、外面塗料の場合、輸送時に缶同士あるいは、缶とカートンケース(段ボール箱)とのコスレにより塗膜が剥離するのを防止するため、耐輸送性が求められるので、塗膜硬度を高くする必要があり、その効果がある。また、アクリル樹脂により樹脂成分に水溶性が出て来る。
本発明において用いるアミノ樹脂としては、一般に広く知られているベンゾグアナミンやメラミンにホルムアルデヒドを付加してメチロール化した後、縮合させてなるものであり、イミノ基、メチロール基、またはメチロール基にアルコールが付加したメトキシ基を有し、これらの基を併せ持つものもある。具体的にはベンゾグアナミン樹脂(ベンゾグアナミンの縮合物)、メラミン樹脂(メラミンの縮合物)の他、ベンゾグアナミン/メラミン共縮合樹脂(ベンゾグアナミンとメラミンとの共縮合物)が挙げられ、ベンゾグアナミン樹脂及び/又はベンゾグアナミン/メラミン共縮合樹脂が好ましく、耐ブロッキング性の観点から両者を併用することがより好ましい。
尚、メラミン系アミノ樹脂を用いた場合には、自己縮合反応が促進され、硬化性と加工性が低下する傾向にある。
ベンゾグアナミン樹脂としては、メチロール基の一部が部分的にメタノール又はブタノールでエーテル化されたメトキシ化ベンゾグアナミン樹脂、又はブトキシ化ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。さらにベンゾグアナミン核1個あたり0.5〜2.0個のイミノ基を有するアミノ樹脂を用いることが好ましい。イミノ基が0.5個未満の場合、反応性の低下から耐臭気吸着性、耐沸水性、硬化性が低下する傾向にある。一方、イミノ基が2.0個を超えると、加工性、密着性が低下する傾向にある。
また、ベンゾグアナミン/メラミン共縮合樹脂としては、ベンゾグアナミン樹脂の場合と同様にメチロール基の一部もしくは全部がエーテル化されてなる樹脂が挙げられる。
なお、アミノ樹脂中の官能基(−NH)基が、ポリエステル樹脂中の官能基(−OH、−COOH)、アクリル樹脂中の官能基(−OH、−CONH、−COOH)と反応して架橋するものと推定している。
本発明において使用されるアミノ樹脂は樹脂成分中の含有量が50〜60重量%、好ましくは55±3重量%である。その含有量が50重量%未満では、形成される塗膜が柔らかく、摩擦に弱くこすれると塗膜が剥離するなどの耐傷付き性に劣り、耐熱水性、硬化性、硬度が低下する。一方、アミノ樹脂の含有量が60重量%を超えると形成される塗膜の加工性が低下し、アルミニウム缶のネック加工で割れが発生しやすく、密着性が低下する傾向にある。
また、ベンゾグアナミン単独系アミノ樹脂にベンゾグアナミン/メラミン共縮合系アミノ樹脂を併用した場合、ベンゾグアナミン単独系/共縮合系の比率は100/0〜50/50が好ましい。ベンゾグアナミン単独系/共縮合系の比率が50/50より小さいと短時間焼付性において耐溶剤性は向上するものの加工性において低下する傾向を示す。
本発明の塗料組成物には、表面のフロー状態を滑らかにするために潤滑性付与剤を含有することが必要である。潤滑性付与剤としては種々のワックスが用いられる。ワックスは、通常使用されているものより高融点の紋を使用する。これは天然又は合成いずれでもよく、天然ワックスは動物系、植物系いずれであっても良い。また、合成ワックスとしては、ポリオレフィン系、シリコーン系ワックス、フッ素系ワックスの他に、ポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物も用いることができる。また、潤滑性付与剤は2種類以上を併用することもでき、動植物系ワックス、シリコーン系ワックス及びフッ素系ワックスを併用することが好ましい。
潤滑性付与剤は、(A)〜()の合計100重量部に対して、融点が約80℃程度のものが約0.2〜1.0重量部、融点100℃以上のものが約0.5〜2.0重量部、合計1.3〜2.5重量部の混合物を用いる。さらにシリコーンを添加すると、ワックスを効率よくブリードさせるため、滑性の良い表面を得ることができる。
本塗料は水とのなじみを良くするため、親水性有機溶剤を使用する。有機溶剤としては、アルコール系溶剤、セロソルブ系溶剤及びカルビトール系溶剤が好ましい。この有機溶剤の具体例としては、イソプロパノール、ブチルアルコール、2−ヒドロキシ−4−メチルペンタン、2−エチルヘキシルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエタノールなどを挙げることができる。また有機溶剤としては、上記以外の水と混合し難い有機溶剤もカルボキシル基含有反応生成物の水性媒体中での安定性に支障を来さない範囲で使用可能であり、この有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等がすることができる。
上記の樹脂成分(有機溶剤の溶液)及び少量の親水性有機溶剤を加えて、全体を50〜100℃に加熱し均一な溶液とした後、水を加えた後の全体の50〜60重量%の水を少量ずつ加えてエマルジョン化する。さらに減圧蒸留等により有機溶剤成分を除去し、所望の固形分濃度(35〜55重量%)の水性塗料組成物とする。
本発明の水性塗料は、外因性内分泌攪乱化学物質の疑いのあるビスフェノールAを含んでおらず、また水性であるため、引火性がない上、揮発性が高く硬度の高い塗膜を形成できる反面、粘度の温度依存性が高いため粘度の調整は重要である。従って印刷に際しては、35±3℃において、溶剤系塗料よりは低いフォードカップ粘度が30〜45秒に調整されていることが好ましい。これより高いときは円滑な塗装が困難となる。
アルミニウム缶の外側面を塗装(印刷)した後、該塗料を焼き付けるために150〜210℃×20〜45sec、好ましくは約180〜200℃×20〜45secの温度でベーキングして硬化させる。なおビール等に使用するアルミニウム缶は、さらに缶の内面塗装を行い、第2次の焼付をするが、この際の温度は外側面塗装時の焼付温度より高いことがあるが、250℃くらいまでは十分に耐熱性があるので問題はない。
本発明の水性塗料は、溶剤系塗料に比して粘度が高いが、塗装には従来の塗装設備をそのまま使用してよくとくに特別な装置を必要とするものではない。
なお本水性塗料の方が薄い塗膜でも、アルミニウム缶として特に重要な塗膜性能(塗膜硬度、耐剥離性、滑り性)の良い塗膜が形成される。
[評価方法]
(い)塗膜硬度
鉛筆硬度:三菱鉛筆 ユニ使用、室温、80℃温湯中×30分。
(ろ)耐衝撃性:デュポン衝撃値、撃芯1/2インチ、荷重300g、高さ30cmより落下させたときの凹部を評価。
(は)耐折り曲げ剥離:折り曲げ試験器で1mmφの軸を使用し、180°折り曲げたときの塗膜の状況にて評価。
(に)密着性:碁盤目剥離試験、セロテープ(登録商標)による剥離状況の確認。
(ほ)滑り性:未処理、シャワー処理(80℃×30秒+50℃×180秒)、レトルト処理(125℃×30分);缶体を俵状に積んで塗膜どうしの静摩擦係数、動摩擦係数を測定。
(へ)塗装耐性
a;レトルト白化:缶体に水をはり、レトルト処理(125℃×30分)後の白化を目視して測定。
b;ブリスター:塗装板上に冷水を入れたステンレスケースを置き、パンチメタルを介して直接蒸気を当て、ブリスターを目視で評価。
c:塩水腐食試験:塗装缶を1%食塩水に完全に浸し、40℃×1週間静置した後取り出して墨インキ部のセロテープ(登録商標)剥離を行い、剥離程度を目視評価。
(と)耐摩耗性
a:GV−cat:塗装缶を切り開き、短冊状にしたものを、市販缶に巻き付け、塗膜どうしを接触させた形でGV−cat試験器にて振動摩耗試験を行い、塗膜表面の傷付を目視にて評価。(振幅;3/8インチ、2Hz/400秒、125℃×30分−レトルト処理後)
b:フリクションプレーヤー:フリクションプレーヤーを用いて傷つきまでの回転回数を評価。荷重 1000g、1500rpm。
[使用塗料]
Figure 0004865216
[塗装条件]
使用缶サイズ:350ml
塗装重量: 水性BPAフリー塗料:120±15mg/缶
溶剤系塗料(従来品):140±15mg/缶
塗装温度:35±3℃
ベーキング条件:温度200×30秒
上記の塗装を行ったものの塗膜物性を測定した。結果を表2〜8に示す。
Figure 0004865216
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Figure 0004865216
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Figure 0004865216
本発明の水性塗料は、従来の溶剤系塗料に使用されているビスフェノールA型エポキシ樹脂(環境ホルモン)を含んでいないため、環境汚染の危険が少なく、且つ塗膜の緻密性、密着性、摩擦強度、硬度に優れた塗料であるため、安定したアルミニウム缶の塗装が可能である。
本発明の水性塗料組成物は、アルミニウム缶の外側面塗装を目的として開発されたものであるが、アルミニウム缶以外の各種基材、例えば金属板、耐熱性プラスチックフィルム、又は金属板にプラスチックフィルムを積層してなるもの等に、ロールコート、コイルコート、スプレー、刷毛塗り等公知の手段により塗装することができる。金属板としては、電気メッキ錫鋼板、アルミニウム鋼板、ステンレス鋼板が挙げられる。

Claims (5)

  1. 樹脂成分として、(A)ポリエステル樹脂30〜40重量%、(B)アクリル樹脂5〜16重量%、(C)アミノ樹脂52〜60重量%及び(D)高融点ワックスを(A)〜(C)の合計100重量部に対し1.3〜2.5重量部からなる水性塗料。
  2. (C)アミノ樹脂が52〜58重量%である請求項1に記載の水性塗料。
  3. 固形分として40〜55重量%、水性媒体として有機溶剤が40〜60重量%の水性媒体を用いた水性塗料であって、35±3℃におけるフォードカップ粘度が30〜45秒である請求項1または2に記載の水性塗料。
  4. 樹脂成分として、(A)ポリエステル樹脂30〜40重量%、(B)アクリル樹脂5〜16重量%、(C)アミノ樹脂52〜60重量%及び(D)高融点ワックスを(A)〜(C)の合計100重量部に対し1.3〜2.5重量部からなる水性塗料を用い、印刷し、温度150〜210℃、時間20〜45secで硬化させることを特徴とするアルミニウム缶を印刷する方法。
  5. アルミニウム缶の外側面を、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム缶用水性塗料で印刷されたアルミニウム缶。
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