JP4864486B2 - ディスクブレーキの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の車軸回転の制動等に用いられるディスクブレーキの製造方法に関するものである。
車両の車輪制動に用いられるディスクブレーキは、ブレーキキャリパにシリンダが設けられ、シリンダのボア内に収容されたピストンが液圧を受けてブレーキパッドをディスクに押圧する構造となっている。
このようなディスクブレーキにおいて、例えばシリンダ内の加工を容易にする等の目的のために、シリンダを、底部の蓋部材と、この蓋部材で閉塞される開口部を有する筒状のシリンダ本体とに分割し、開口部を介してシリンダ本体内の加工等を行った後に、開口部を閉塞するように開口部に蓋部材を取り付けるものがある。この場合、蓋部材の取り付けは、シリンダ本体の開口部に蓋部材を螺合することによって行われている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平6−69456号公報
しかし、この従来のディスクブレーキの場合、シリンダ本体の開口部と蓋部材にネジ溝とネジ山を切らなければならないため、両者の結合を確実にするためには螺合部の軸長をある程度長く確保しなければならない。このため、シリンダの底部の肉厚が厚くなり、ブレーキキャリパが大型・重量化することが懸念されている。
この対策として、現在シリンダ本体の開口部と蓋部材を溶接等によって固着することが検討されている。この場合の具体的手段としては、シリンダ本体の開口部と蓋部材の嵌合部に段差部を設け、両者を段差部の突き合わせによって軸方向に位置決めし、その状態において両者を溶接等によって固着することが考えられている。
しかし、この場合、シリンダ本体の開口部と蓋部材の段差部の加工時に加工誤差が生じ易く、この加工誤差が大きくなると、開口部の周縁部と蓋部材の間に段差ができ、充分な接合強度を得ることが難しくなる。
また、別の手段としては、シリンダ本体の開口部の内径をボアの内径と同じ、若しくは、それよりもよりも大きく形成し、ボアの内側から支持台を挿入した後に開口部に蓋部材を挿入して、蓋部材を支持台上に支持させた状態で蓋部材と開口部を固着することも考えられている。
しかし、この場合も、支持台を開口部に対して高さ方向に正確に位置決めすることが難しく、この位置決めが正確に行われないとやはり開口部の周縁部と蓋部材の間に段差ができてしまい、充分な接合強度の確保が難しくなる。
そこでこの発明は、シリンダの底部の肉厚増加を招くことなく、シリンダ本体の開口部に蓋部材を充分な強度をもって固着できるようにして、装置の小型・軽量化を図ることが可能なディスクブレーキの製造方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ディスクを挟んで一側に配置される一のシリンダと、他側に配置される他のシリンダと、前記一のシリンダと前記他のシリンダとをディスクの半径方向外側で結ぶディスクパス部と、を備えたキャリパボディを有し、液圧によってピストンを前記各シリンダのボア内で摺動させて該ピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するディスクブレーキの製造方法において、前記キャリパボディは、前記ボアの底部に該ボアの軸心方向に張り出して開口部の周縁を成す環状底壁が形成されて前記一のシリンダとなるシリンダ本体を備え、該シリンダ本体の底部側外周は大部分が円形形状でその円形形状の一部に前記シリンダ本体の前記ボアの半径方向外側に膨らむ膨出部が形成され、該膨出部は前記シリンダ本体の前記ボアの周方向において前記ディスクパス部に対応した位置に設けられると共に前記環状底壁の外側面と連続した平面となるように形成されたものであって、前記キャリパボディと、該キャリパボディの前記シリンダ本体の開口部を閉塞する蓋部材と、を用意する工程と、前記ボアの前記環状底壁の内側平面と前記蓋部材の内側平面とを前記ボア内に挿入される支持台の平坦面に当接して前記ボアの前記環状底壁と前記蓋部材とを前記支持台で支持する工程と、前記環状底壁と前記蓋部材とを前記支持台の平坦面で支持した状態で、前記環状底壁と前記蓋部材とを前記蓋部材の全周にわたって接合工具により摩擦攪拌接合して閉ループ状の接合部を形成し、その後、前記接合工具を閉ループ状の接合部から前記シリンダ本体の半径方向外側に前記膨出部まで移動して前記接合工具の残留形状部の中央穴を前記ボアの内径よりも外側に位置させ、前記接合工具を前記シリンダ本体から引き抜き前記シリンダ本体と前記蓋部材で前記一のシリンダを形成する工程と、を含むことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、ディスクを挟んで一側に配置される一のシリンダと、他側に配置される他のシリンダと、前記一のシリンダと前記他のシリンダとをディスクの半径方向外側で結ぶディスクパス部と、を備えたキャリパボディを有し、前記各シリンダのそれぞれにディスク円周方向に離間して設けられた2つのボア内でそれぞれ各ピストンを液圧によって摺動させて前記各ピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するディスクブレーキの製造方法において、前記キャリパボディは、前記各ボアの底部に該ボアの軸心方向に張り出して開口部の周縁を成す環状底壁がそれぞれ形成されて前記一のシリンダとなるシリンダ本体を備え、該シリンダ本体の底部側外周は前記各ボアが隣り合う箇所を除き大部分が円形形状で、前記各ボアに対応して円形形状の一部に前記シリンダ本体の半径方向外側に膨らむ膨出部が形成され、該膨出部は前記シリンダ本体の前記ボアの周方向において前記ディスクパス部に対応した位置でかつ前記各ボアの隣り合う箇所からディスク円周方向に遠ざかる箇所にそれぞれ設けられると共に前記環状底壁の外側面と連続した平面となるようにそれぞれ形成されたものであって、前記キャリパボディと、該キャリパボディの前記シリンダ本体の各開口部を閉塞する2つの蓋部材と、を用意する工程と、前記各ボア内にそれぞれ挿入される支持台の平坦面により前記各ボアの前記環状底壁の内側平面と前記各蓋部材の内側平面とを同一平面となるように支持する工程と、前記支持台の平坦面により前記ボアの前記環状底壁と前記蓋部材とを支持した状態で、前記蓋部材と前記シリンダ本体とを前記蓋部材の全周にわたって接合工具により摩擦攪拌接合して閉ループ状の接合部を形成し、その後、前記接合工具を閉ループ状の接合部から接近した前記膨出部まで前記シリンダ本体の半径方向外側に移動して前記シリンダ本体から引き抜き、前記接合工具の残留形状部の中央穴を前記ボアの内径より外側に位置する摩擦攪拌接合作業を前記ボア毎に行ない前記シリンダ本体と前記各蓋部材で前記一のシリンダを形成する工程と、を含むことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記支持台は、前記ボア内に挿入される頂部と該頂部とは反対側の基部とを有し、前記一のシリンダとこれに対向した前記他のシリンダとの間に挿入されるベース台により前記支持台の基部が支持されることを特徴としている。
本発明によれば、蓋部材とシリンダ本体の環状底壁を支持台の平坦面に当接させ、蓋部材と環状底壁とを摩擦攪拌接合することで、蓋部材を強固に、かつ密封状態で開口部に固着することができるため、シリンダの底部を薄肉化してブレーキキャリパの小型・軽量化を図りつつも、製造の容易化も図ることが可能となる。
また、摩擦攪拌接合の終了位置を、大部分が円形形状をしたシリンダ本体の外周の一部に膨らむ膨出部とすることで、接合部の強度低下やボアからの液漏れの発生原因とならないようにすることができる。
本発明は、以下に説明する複数の発明を包含する発明群に属する発明であり、以下に、その発明群の実施形態として、第1、第2の実施形態について説明するが、そのうち第1の実施形態が、本出願人が特許請求の範囲に記載した発明に対応するものである。
以下、この発明の第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1は、この発明に係るディスクブレーキであって自動二輪車に適用される例を示す。このディスクブレーキ1は、制動対象となる車輪(回転体)と一体回転するディスク12と、このディスク12に摩擦抵抗を付与するキャリパ11を備えている。キャリパ11は、ディスク12を跨いだ状態で車両の非回転部95にブラケット96を介して取り付けられるキャリパボディ16と、ディスク12を挟んで互いに対向するようにキャリパボディ16に摺動可能に設けられる複数対、具体的には二対(図3の断面図において一対のみ示す。)のピストン17とを有する対向ピストン型のものである。なお、以下においては、車両への取付状態をもって説明し、この取付状態におけるディスク12の半径方向をディスク半径方向と称し、ディスク12の軸線方向をディスク軸線方向と称し、ディスク12の円周方向をディスク円周方向と称す。なお、図1において矢印Fは車両前進時におけるディスク12の回転方向を示している。
キャリパボディ16は、図1〜図3に示すように、ディスク12を挟んでアウタ側(車輪に対し反対側)に配置されるアウタ側シリンダ部20と、インナ側(車輪側)に配置されるインナ側シリンダ部(シリンダ)21と、アウタ側シリンダ部20とインナ側シリンダ部21をディスク12の半径方向外側で結ぶディスクパス部22とを有している。
キャリパボディ16には、ディスク軸線方向に沿ってアウタ側シリンダ部20及びインナ側シリンダ部21間に橋架されるパッドピン24がディスク円周方向に離間して複数本具体的には二本設けられている。
アウタ側シリンダ部20及びインナ側シリンダ部21には、互いにディスク軸線方向において対向して対をなすボア26が、ディスク円周方向に離間して複数対具体的には二対設けられており、これらボア26それぞれに上記したピストン17が嵌挿されている。これにより、ディスク軸線方向に対向する一対のボア26がディスク円周方向に複数対、具体的には二対並列に形成され、ディスク軸線方向に対向する一対のピストン17がディスク円周方向に複数対、具体的には二対並列に配置されている。
ここで、各ボア26は、図3に示すように、ピストン17を摺動可能に嵌合させる嵌合内径部27と、嵌合内径部27よりも奥側にあってこの嵌合内径部27よりも大径の大径内径部28とを有しており、嵌合内径部27の軸線方向における略中間位置には、ピストンシール90を保持するための複数具体的に二カ所のシール周溝29,30が形成されている。
キャリパボディ16の各パッドピン24には、それぞれ一対合計二対のブレーキパッド33がディスク軸線方向に移動可能に支持されている(図3の断面図において一対のみ示す)。これらパッド33は、ディスク12の軸線方向における両側にそれぞれ配置されることになり、これらパッド33に対してディスク12の反対側に位置するようにキャリパボディ16に設けられたピストン17でそれぞれディスク12に押し付けられ、これにより、車両に制動力を発生させるようになっている。なお、キャリパボディ16には、各ピストン17を作動させるためのブレーキ液をボア26に導入する通路が形成されているが、そのうち、対向するボア26同士を連通させる連通路35,36(図1,図2に点線で図示)が、互いにキャリパボディ16内で交差するように外側から穿設されており、一方の連通路35の外側に開口する口部37にエア抜き用のブリーダプラグ39が取り付けられ、他方の連通路36の外側に開口する口部38は閉塞プラグ40で閉塞されている。
そして、第1実施形態において、キャリパボディ16は、上記したアウタ側シリンダ部20とインナ側シリンダ部21とディスクパス部22とが、アウタ側シリンダ部20及びインナ側シリンダ部21のうちの一方側具体的にはインナ側シリンダ部21の底部の一部を除いて、例えばアルミニウム鋳造品からなる一体成形の素材から加工されて形成されており、インナ側シリンダ部21の底部の一部が別体の蓋部材43とされている。
つまり、キャリパボディ16は、アウタ側シリンダ部20とインナ側シリンダ部21とディスクパス部22とから成り、インナ側シリンダ部21は、図4(a)に示すようにボア26の底部位置に開口部45を有する一体形状のキャリパボディ本体(シリンダ本体)46と、このキャリパボディ本体46の開口部45を塞ぐ図4(b),(c)に示す蓋部材43と、を備えている。
蓋部材43は、例えばアルミニウム製で円板状に形成され、キャリパボディ本体46の開口部45より僅かに小さい外形に形成されている。開口部45は、内周面に段差部等のないストレートな形状とされ、蓋部材43も同様に外周面がストレート形状とされている。
ここで、キャリパボディ本体46の開口部45は、ボア26の底部側にボア26と同軸中心の円形に形成され、その内径はボア26の内径(嵌合内径部27及び大径内径部28の内径)よりも小さく設定されている。したがって、これによりボア26の底部には、ボア26の軸心方向に張り出して開口部45の周縁を成す環状底壁50が形成されている。この環状底壁50の肉厚は蓋部材43の肉厚と同厚みに設定されている。
また、キャリパボディ本体46の開口部45は、キャリパボディ本体46の鋳造後に内部の加工を行うための加工孔として利用される。例えば、この開口部45は、開口部45自体の加工を終えた時点、または、鋳造直後の開口部45の下孔の段階で、インナ側及びアウタ側のシリンダ部21,20の嵌合内径部27やシール周溝29,30を切削する際に切削工具の挿入孔として用いられる。
キャリパボディ本体46は、鋳造後に内部の切削加工等を終了すると、底部側の開口部45に蓋部材43が以下のようにして摩擦攪拌接合(FSW)によって取り付けられる。
この摩擦攪拌接合で使用される接合工具71は、図5示すように、円柱状の大径軸部72とこの大径軸部72よりも小径でこの大径軸部72と同軸の円柱状の先端軸部73とを有している。大径軸部72の先端側は円弧状の凹部74が形成され、凹部74の中心から先端軸部73が立設している。また、先端軸部73の先端75は球面状となっている。なお、上記接合工具71を用いた摩擦攪拌接合の具体的な方法に関しては、例えば、米国特許第5,460,317号のFig12A〜Cに示されている。
蓋部材43の取り付けにあたっては、図6に示すように、まず、キャリパボディ本体46のインナ側のシリンダ部21のボア26内に内側(開口部45と逆側)から、ボア26の嵌合内径部27とほぼ同径の円柱状の鉄製の支持台97を挿入し、その支持台97の頂部をボア26の底部の環状底壁50に突き当てて支持台97の基部をさらにベース台98を介して図示しない支持装置に支持させる。次に、キャリパボディ本体46の外面側(ボア26の底部外面側)から開口部45に蓋部材43を嵌入し、蓋部材43の裏面を支持台97の頂面に当接させる。このとき、環状底壁50と蓋部材43が支持台97の頂面に当接し、その頂面を基準面として両者50,43が裏面側で位置決めされることとなるため、肉厚の同じ両者50,43の外面は段差無く面一に揃えられる。
次に、この状態から開口部45と蓋部材43の接合境界82に対して摩擦攪拌接合(FSW)を行う。この摩擦攪拌接合の際には、接合工具71の先端軸部73を開口部45と蓋部材43の接合境界82に沿わせて連続的に移動させ、蓋部材43の全周に亘ってループ状に摩擦攪拌接合を行う。接合工具71は、蓋部材43の外周の溶接開始点位置に戻ったところで、蓋部材43の接合境界82の円周の接線方向に沿わせてキャリパボディ本体46上を所定量移動させ、その移動を完了した時点でキャリパボディ本体46から引き抜く。
これにより、開口部45と蓋部材43の全周が溶接されるとともに、接合境界82の接線方向に沿った蓋部材43の外側位置に残留形状部78が形成される。この残留形状部78は、接合工具71の引き抜き点にのみ形成されるものであり、接合工具71の先端軸部73と大径軸部72に対応した中央穴79と周囲凹部80とから成る。残留形状部78は中央穴79を最深部として凹設されるが、この残留形状部78は接合境界82からキャリパボディ本体46側に外れた位置に形成されることになるため、接合部77の強度低下や液漏れの発生原因になるようなことはない。
以上に述べた第1実施形態によれば、蓋部材43がキャリパボディ本体46の開口部45に摩擦攪拌接合によって固定されるため、ネジ止めの場合ようにキャリパボディ本体46の底部の肉厚を厚くする必要がなく、しかも、蓋部材43をキャリパボディ本体46に密封状態で一体化させることができる。
特に、この実施形態においては、キャリパボディ本体46のボア26の底部に蓋部材43と同厚みの環状底壁50を形成しておき、蓋部材43の摩擦攪拌接合時に、環状底壁50の裏面に突き当てた支持台97の頂面に、開口部45を通して蓋部材43を当接させるようにしているため、開口部45の周縁と蓋部材43を段差のない状態に保ったまま安定して摩擦攪拌溶接を行うことができる。そして、このとき環状底壁50と蓋部材43の裏面に鉄製の支持台97を頂面を接触させて摩擦攪拌溶接を行うため、環状底壁50と蓋部材43の裏面側からの所謂裏波の発生によって溶接を促進させることができる。
したがって、これらのことから、キャリパボディ本体46の底部の薄肉化によるキャリパ11の小型・軽量化を図りつつも、蓋部材43をキャリパボディ本体46に強固に固定することができる。そして、上記のような工程で蓋部材43の溶接を行う場合には、蓋部材43やキャリパボディ本体46に加工の難しい位置決め用の段差等を形成する必要がないため、キャリパ12の製造が容易になり、製造コストの低減が可能になる。
つづいて、この発明の第2の実施形態を7図〜図10に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複する説明を一部省略するものとする。
この実施形態の場合、キャリパボディ16のアウタ側が、第1の実施形態のアウタ側シリンダ部に換えてピストンを持たないアウタ側爪部85とされている。よって、インナ側シリンダ部21にのみ、図7に示すように、ディスク軸線方向に平行をなすボア26が、ディスク円周方向に離間して複数具体的には二カ所に設けられている。この実施形態のキャリパボディ16は、パッドを支持しつつ車体側の非回転部に取り付けられるキャリア86に摺動可能に支持されるフローティング式のもので、ピストン17とアウタ側爪部85とでパッドをディスク12に押し付けて車両に制動力を発生させるようになっている。
キャリパボディ本体46は、アウタ側爪部85とインナ側シリンダ部21がディスクパス部22で連結され、これらの各部がインナ側シリンダ部21の底部を除いて一体部品として製造されている。インナ側シリンダ部21の底部には、第1の実施形態と同様に、内径がボア26の内径よりも小さい開口部45が形成されるとともに、その開口部45を取り囲むように環状底壁50が形成され、開口部45に別体の蓋部材43が摩擦攪拌溶接によって固着されている。
蓋部材43を開口部45に摩擦攪拌接合する場合には、図10に示すようにキャリパボディ本体46のボア26内に支持台97を挿入して環状底壁50の裏面に支持台97の頂面を突き当て、その状態から開口部45に嵌入した蓋部材43の裏面を支持台97の頂面に当接させることにより、蓋部材43をキャリパボディ本体46に対して位置決めする。摩擦攪拌溶接はこの状態から蓋部材43と開口部45の接合境界82に対して行う。
この実施形態の場合、キャリパボディ16のアウタ側がアウタ側爪部85で形成されているものの、インナ側シリンダ部21は第1の実施形態と同様であるため、前述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
この発明の第1の実施形態を示すディスクブレーキの正面図。 同実施形態を示すキャリパの背面図。 同実施形態を示す図2のA−A断面に対応する断面図。 同実施形態を示すものであり、蓋部材を取り付る前のキャリパボディの断面図(a)と、蓋部材の背面図(b)と、蓋部材の側面図(c)を併せて記載した図。 同実施形態を説明するための図であり、蓋部材の摩擦攪拌接合に用いられる接合工具の側面図。 同実施形態を示すものであり、蓋部材を取り付ける際のキャリパボディの断面図。 この発明の第2の実施形態を示すキャリパの正面図。 同実施形態を示すキャリパの背面図。 同実施形態を示す図7のB−B線に沿う断面図。 同実施形態を示すものであり、蓋部材を取り付ける際のキャリパボディの断面図。
符号の説明
1…ディスクブレーキ
17…ピストン
21…インナ側シリンダ部(シリンダ)
26…ボア
43…蓋部材
45…開口部
46…キャリパボディ本体(シリンダ本体)
50…環状底壁
97…支持台

Claims (3)

  1. ディスクを挟んで一側に配置される一のシリンダと、他側に配置される他のシリンダと、前記一のシリンダと前記他のシリンダとをディスクの半径方向外側で結ぶディスクパス部と、を備えたキャリパボディを有し、
    液圧によってピストンを前記各シリンダのボア内で摺動させて該ピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するディスクブレーキの製造方法において、
    前記キャリパボディは、前記ボアの底部に該ボアの軸心方向に張り出して開口部の周縁を成す環状底壁が形成されて前記一のシリンダとなるシリンダ本体を備え、該シリンダ本体の底部側外周は大部分が円形形状でその円形形状の一部に前記シリンダ本体の前記ボアの半径方向外側に膨らむ膨出部が形成され、該膨出部は前記シリンダ本体の前記ボアの周方向において前記ディスクパス部に対応した位置に設けられると共に前記環状底壁の外側面と連続した平面となるように形成されたものであって、
    前記キャリパボディと、該キャリパボディの前記シリンダ本体の開口部を閉塞する蓋部材と、を用意する工程と、
    前記ボアの前記環状底壁の内側平面と前記蓋部材の内側平面とを前記ボア内に挿入される支持台の平坦面に当接して前記ボアの前記環状底壁と前記蓋部材とを前記支持台で支持する工程と、
    前記環状底壁と前記蓋部材とを前記支持台の平坦面で支持した状態で、前記環状底壁と前記蓋部材とを前記蓋部材の全周にわたって接合工具により摩擦攪拌接合して閉ループ状の接合部を形成し、その後、前記接合工具を閉ループ状の接合部から前記シリンダ本体の半径方向外側に前記膨出部まで移動して前記接合工具の残留形状部の中央穴を前記ボアの内径よりも外側に位置させ、前記接合工具を前記シリンダ本体から引き抜き前記シリンダ本体と前記蓋部材で前記一のシリンダを形成する工程と、
    を含むことを特徴とするディスクブレーキの製造方法。
  2. ディスクを挟んで一側に配置される一のシリンダと、他側に配置される他のシリンダと、前記一のシリンダと前記他のシリンダとをディスクの半径方向外側で結ぶディスクパス部と、を備えたキャリパボディを有し、
    前記各シリンダのそれぞれにディスク円周方向に離間して設けられた2つのボア内でそれぞれ各ピストンを液圧によって摺動させて前記各ピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するディスクブレーキの製造方法において、
    前記キャリパボディは、前記各ボアの底部に該ボアの軸心方向に張り出して開口部の周縁を成す環状底壁がそれぞれ形成されて前記一のシリンダとなるシリンダ本体を備え、該シリンダ本体の底部側外周は前記各ボアが隣り合う箇所を除き大部分が円形形状で、前記各ボアに対応して円形形状の一部に前記シリンダ本体の半径方向外側に膨らむ膨出部が形成され、該膨出部は前記シリンダ本体の前記ボアの周方向において前記ディスクパス部に対応した位置でかつ前記各ボアの隣り合う箇所からディスク円周方向に遠ざかる箇所にそれぞれ設けられると共に前記環状底壁の外側面と連続した平面となるようにそれぞれ形成されたものであって、
    前記キャリパボディと、該キャリパボディの前記シリンダ本体の各開口部を閉塞する2つの蓋部材と、を用意する工程と、
    前記各ボア内にそれぞれ挿入される支持台の平坦面により前記各ボアの前記環状底壁の内側平面と前記各蓋部材の内側平面とを同一平面となるように支持する工程と、
    前記支持台の平坦面により前記ボアの前記環状底壁と前記蓋部材とを支持した状態で、前記蓋部材と前記シリンダ本体とを前記蓋部材の全周にわたって接合工具により摩擦攪拌接合して閉ループ状の接合部を形成し、その後、前記接合工具を閉ループ状の接合部から接近した前記膨出部まで前記シリンダ本体の半径方向外側に移動して前記シリンダ本体から引き抜き、前記接合工具の残留形状部の中央穴を前記ボアの内径より外側に位置する摩擦攪拌接合作業を前記ボア毎に行ない前記シリンダ本体と前記各蓋部材で前記一のシリンダを形成する工程と、
    を含むことを特徴とするディスクブレーキの製造方法。
  3. 前記支持台は、前記ボア内に挿入される頂部と該頂部とは反対側の基部とを有し、前記一のシリンダとこれに対向した前記他のシリンダとの間に挿入されるベース台により前記支持台の基部が支持されることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキの製造方法。
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