JP4860874B2 - 補強無機フィラーとカップリング系(無機フィラー/エラストマー)を含むタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

補強無機フィラーとカップリング系(無機フィラー/エラストマー)を含むタイヤ用ゴム組成物 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、白色又は無機フィラーで補強されたジエンゴム組成物であって、特にタイヤ又はタイヤ用半製品、特にこれらタイヤ用トレッドの製造を意図したジエンゴム組成物に関する。
燃料経済及び環境保護の必要性が重要になって以来、例えば、アンダーレイヤー、カレンダー加工若しくはサイドウォールゴム、又はトレッドのようなタイヤの構成に含まれる種々の半製品の製造に使用可能なゴム組成物の形で使用できるように、良い機械特性及びできる限り低いヒステリシスを有するエラストマーを製造し、かつ特に低減された転がり抵抗を有する改良された特性のタイヤを得ることが望ましくなってきた。
【0002】
このような目的を達成するため、多くの解決法が提案されており、何よりも本質的に補強フィラーとしてカーボンブラックを有する、カップリング、星状化又は官能化剤のような薬剤によって変性されたエラストマーの使用に集中し、その変性エラストマーとカーボンブラックとの間の良い相互作用を得ることを目的にしている。フィラーによって与えられる最適な補強特性を得るため、後者は、できる限り微細であり、かつできる限り均一に分布して最終形態のエラストマーマトリックス中に存在すべきであることが一般的に知られている。現在、フィラーが、まずエラストマーとのミキシング時にマトリックス内に取り込まれ、かつ脱凝集し、そして次にこのマトリックス内で均一に分散される非常に良い能力を有する場合にだけ、このような条件が達成されうる。
【0003】
一般に白色又は無機フィラーではなく、カーボンブラックがこのような能力を有することはよく知られている。相互の吸引力のため、無機フィラー粒子はエラストマーマトリックス内で一緒に凝集する刺激傾向を有する。これら相互作用は、フィラーの分散を制限するという有害な結果を有し、それゆえにミキシング操作時に生じるであろうすべての(無機フィラー/エラストマー)結合が実際に得られたら理論的に達成できるであろうよりも、その補強特性を実質的に低レベルにし;さらに、これら相互作用は未硬化状態のゴム組成物のコンシステンシーを高め、そのため、カーボンブラックが存在する場合よりもそれらを作業(“加工性”)し難くくする傾向がある。
【0004】
しかし、無機フィラーで補強されたゴム組成物の関心が、高分散性タイプの特殊沈降シリカで補強されたイオウ加硫性ジエンゴム組成物であって、他の特性、特にグリップ、耐久性及び耐摩耗性という特性に逆効果を及ぼすことなく、実質的に改良された転がり抵抗を有するタイヤ又はトレッドの製造を可能にする組成物を開示している欧州特許出願EP-A0 501 227の公開で大いに再調査された。出願EP-A-0 810 258及びWO99/28376は、他の特殊無機フィラー、この場合、高分散性の適切な特有アルミナ若しくはアルミニウム(オキシド−)ヒドロキシドで補強されたジエンゴム組成物を開示しており、それらも、矛盾した特性のこのような優れた妥協を有するタイヤ又はトレッドを得ることを可能にする。
【0005】
これら特有の高度な補強性シリカ系又はアルミナ系無機フィラーの使用は、それらを含有するゴム組成物を加工する困難性を低減したが、それでも従来のようにカーボンブラックで充填されたゴム組成物よりも、まだ加工し難い。
特に、結合剤としても知られるカップリング剤を使用することが必要であり、その機能は、無機フィラー粒子とエラストマーとの表面間に結合を与え、同時にエラストマーマトリックス内におけるこの無機フィラーの分散を促進することである。
【0006】
用語“カップリング剤”(無機フィラー/エラストマー)は、公知のように、無機フィラーとエラストマーとの間に十分な化学的及び/又は物理的結合を確立できる薬剤;例えば、簡略一般式“Y−T−X”を有する少なくとも二官能性であるカップリング剤のような薬剤を意味することが理解され、式中:
− Yは、物理的及び/又は化学的に無機フィラーと結合できる官能基(“Y”官能)を表し、このような結合は、例えば、カップリング剤のケイ素原子と無機フィラーのヒドロキシル(OH)表面基(例えば、シリカの場合の表面シラノール)との間で確立され;
− Xは、例えば、イオウ原子によって、物理的及び/又は化学的にエラストマーと結合できる官能基(“X”官能)を表し;
− Tは、YとXの結合を可能にする炭化水素基を表す。
【0007】
カップリング剤は、公知のように、特に無機フィラーについて活性であるY官能を含むが、エラストマーについて活性であるX官能を欠いている、無機フィラーを覆うための単なる薬剤と混同すべきでない。
シリカ/エラストマーカップリング剤は、詳細には多くの文書に記述されており、最も知られている薬剤は二官能性アルコキシシランである。
従って、特許出願FR-A-2 094 859では、タイヤトレッドの製造のためにメルカプトシランを使用することを提案した。メルカプトシラン、特にγ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン又はγ-メルカプトプロピルトリエトキシシランが優れたシリカ/エラストマーカップリング特性を与え得ることは、急速に発見され、かつ今日よく知られているが、これらカップリング剤は、-SH官能の高い反応性のため、内部ミキサー内におけるゴム組成物の調製の際に非常に速く早すぎる加硫をもたらし、これは“スコーチング”としても知られるが、非常に高いムーニー塑性値という結果になり、結局、事実上工業的に作業及び加工できないので、工業的に使用できない。この-SH官能を有するこのようなカップリング剤及びそれらを含有するゴム組成物を工業的に使用することの不可能を説明するため、文献FR-A-2 206 330及びUS-A-4 002 594を引用できる。
【0008】
この欠点を克服するため、これらメルカプトシランを多硫化アルコキシシラン、特に多くの特許又は特許出願で記載されているような(例えば、FR-A-2 206 330、US-A-3 842 111、US-A-3 873 489、US-A-3 978 103又はUS-A-3 997 581参照)、ビス-(C1-C4)アルコキシシリルプロピルポリスルフィドで置き換えることが提案されている。これら多硫化アルコキシシランは、今日では、シリカで充填された加硫ゴム組成物にとって、スコーチング抵抗、加工性及び補強力の関係で最高の妥協案を与える製品であると一般的に考えられている。これらポリスルフィドのうち、ビス-3-トリエトキシシリルプロピルジスルフィド(TESPDと略す)、さらに特にビス-3-トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド(TESPTと略す)に言及しなければならず、現在、タイヤ用ゴム組成物、特にトレッドを形成することを意図したゴム組成物において(無機フィラー/ジエンエラストマー)カップリング剤として最も有効であり(それゆえに最も使用されており);例えば、名称“Si69”でDegussaによって販売されている。
【0009】
今、研究の過程で本出願人は、少量の1,2-ジヒドロピリジンをグアニジン誘導体と組み合わせて使用すると、多硫化アルコキシシランのカップリング機能を活性化する、すなわち後者の有効性をさらに高めるという予想外の効果があることを発見した。
この活性化のため、これからは通常使用する多硫化アルコキシシランの量を実質的に減少させることを考慮することができる。このことは、これらアルコキシシランが第1に非常に高価であり、第2に同等レベルのカップリング特性を得るためにγ-メルカプトプロピルトリアルコキシシランの2〜3倍のオーダーで大量に使用しなければならないので、特に有利であり:これら周知の欠点は、例えば、特許US-A-5 652 310、US-A-5 684 171及びUS-A-5 684 172に記載されている。従って、ゴム組成物の全体的なコストをかなり減少させることができ、それらを含有するタイヤのコストも低減できる。
【0010】
結果として、本発明の第1主題は、タイヤの製造に使用可能なゴム組成物であって、少なくとも(i)ジエンエラストマー、(ii)補強フィラーとしての無機フィラー、(iii)(無機フィラー/ジエンエラストマー)カップリング剤としての多硫化アルコキシシランに基づき、(iv)1,2-ジヒドロピリジン及び(v)グアニジン誘導体を伴うゴム組成物に関する。
【0011】
本発明の他の主題は、本発明のゴム組成物の、タイヤ又は該タイヤ用を意図した半製品製造のための使用であり、これら半製品は、特にトレッド、例えばこれらトレッドの下に配置することを意図したアンダーレイヤー、クラウンプライ、サイドウォール、カーカスプライ、ビーズ、プロテクター、インナーチューブ及びチューブレスタイヤ用気密内部ゴムを含む群から選択される。
本発明は、さらに詳細には、その良いヒステリシス特性のため、サイドウォール又はトレッド製造のために該ゴム組成物を使用することに関する。
本発明は、本発明の組成物の製造方法にも関し、この方法は、(i)少なくとも1種のジエンエラストマーに、少なくとも:(ii) 補強フィラーとしての無機フィラー;(iii)多硫化アルコキシシラン;(iv)1,2-ジヒドロピリジン及び(v)グアニジン誘導体が取り込まれ、かつその全混合物が、1回以上の段階で、120℃〜190℃の最高温度に達するまで、熱機械的に混練されることを特徴とする。
【0012】
本発明の組成物は、乗用車、4x4車、バン、二輪及び重車、航空機、又は建設、農業若しくはハンドリング機械に適合させることを意図したタイヤ用トレッドの製造に特に好適であり、これらトレッドは、新しいタイヤの製造又は破損タイヤの再生のために使用可能である。
本発明の主題は、本発明の組成物を含む場合、これらタイヤ及びこれら半製品自体でもある。
本発明は、特にタイヤ用トレッドに関し;本発明の組成物のために、低減された量の多硫化アルコキシシランカップリング剤の存在下でさえ、これらトレッドは、低い転がり抵抗と高い耐摩耗性の両方を有する。
【0013】
本発明は、タイヤの製造に使用可能な、無機フィラーで補強されたジエンゴム組成物用のカップリング系(無機フィラー/ジエンエラストマー)自体にも関し、前記カップリング系は、多硫化アルコキシシラン、1,2-ジヒドロピリジン及びグアニジン誘導体の連合によって形成される。
本発明の主題は、このようなカップリング系(無機フィラー/ジエンエラストマー)のタイヤ用ゴム組成物での使用でもある。
本発明の主題は、さらに、無機フィラーで補強されたゴム組成物において、多硫化アルコキシシランのカップリング機能(無機フィラー/ジエンエラストマー)を活性化するための1,2-ジヒドロピリジンとグアニジン誘導体の組み合わせた使用である。
【0014】
最後に、本発明の主題は、ゴム組成物において、無機フィラーとジエンエラストマーをカップリングする方法であり、この方法は、少なくとも(i)エラストマーに、少なくとも:(ii)補強フィラーとしての無機フィラー;(iii)多硫化アルコキシシラン;(iv)1,2-ジヒドロピリジン及び(v)グアニジン誘導体が取り込まれ、かつその全混合物が、120℃〜190℃の最高温度に達するまで、熱機械的に混練されることを特徴とする。
本発明及びその利点は、以下の説明及び実施形態、及びこれら実施例に関する図面によって容易に理解されるだろう。図面は、本発明に従う場合とそうでない場合の、種々のジエンゴム組成物について、伸び(%で)の関数としてのモジュラス(MPaで)の変化の曲線を示す。
【0015】
I.利用した測定及び試験
ゴム組成物は、以下のように、硬化前後に特徴づけされる。
I-1. ムーニー塑性
規格AFNOR-NFT-43005(1980年11月)に記載されているような振動コンシストメーターを用いる。ムーニー塑性は、以下の原理に従って測定される:未硬化状態(すなわち硬化前)の組成物が、100℃に加熱された円筒金型中に流し込まれる。1分の予備加熱後、ローターが試料内を2rpmで回転し、4分の回転後この運動を持続するのに使われるトルクが測定される。ムーニー塑性(ML 1+4)は、“ムーニー単位”(MU、1MU=0.83ニュートン.メートル)で表される。
【0016】
I-2. スコーチング時間
規格AFNOR-NFT-43004(1980年11月)に準拠し、130℃で測定される。時間の関数としての粘稠度指数の進化により、ゴム組成物のスコーチング時間を決定することができ、分で表されるパラメータT5によって上記規格に従って評価され、かつこの指数に対して測定される最小値を超える5単位の粘稠度指数の増加(MUで表される)を得るのに必要な時間として定義される。
【0017】
I-3. 引張り試験
これら試験により、弾性応力及び破断点特性を決定できる。特に言及しない限り、測定は1988年9月の規格AFNOR-NFT-46002に準拠して実施される。10%伸び(M10)、100%伸び(M100)及び300%伸び(M300)における公称セカントモジュラス(MPaで)は、第2の伸びで(すなわち、適応サイクル後)測定される。破壊応力(MPaで)及び破断点伸び(%で)も測定される。すべてのこれら引張り測定は、規格AFNOR-NFT-40101(1979年12月)に準拠し、標準状態の温度及び湿度下で行われる。
記録された引張りデータを加工して、伸びの関数としてモジュラスの曲線を引くことができ(添付図面参照)、ここで使用するモジュラスは、第1の伸びで測定された真のセカントモジュラスであり、以前のように標準モジュラスの初期断面ではなく、試験片の実断面に換算して計算される。
I-4. ヒステリシスロス
ヒステリシスロス(HL)は、60℃で6回目の衝撃で跳ね返らせて測定され、かつ次式に従って%で表される(W0:供給されるエネルギー;W1:回復されるエネルギー)。
HL(%)=100[(W0−W1)/W0]

【0018】
II.本発明を実施する条件
本発明のゴム組成物は、以下の成分に基づき:(i)(少なくとも1種の)ジエンエラストマー(成分A)、(ii)補強フィラーとして(少なくとも1種の)無機フィラー(成分B)、(iii)カップリング剤(無機フィラー/ジエンエラストマー)としての(少なくとも1種の)多硫化アルコキシシラン(成分C−略してPSAS)、該カップリング剤を活性化するために、(iv)(少なくとも1種の)1,2-ジヒドロピリジン(成分D−略して1,2-DHP)及び(v)(少なくとも1種の)グアニジン誘導体(成分E)を伴う。
当然に、“…に基づく組成物”は、種々の使用成分の混合物及び/又は現場反応生成物を含む組成物を意味し、これら成分のいくつかは、該組成物製造の種々の段階、特にその加硫時に、少なくとも部分的に、一緒に反応しやすく、又は反応することが意図されている。
本発明のカップリング系は、それ自体、好ましくは大部分(すなわち50質量%より多く)のPSASカップリング剤と、1,2-DHP及びグアニジン誘導体の連合によって形成されたカップリング活性化剤とで形成される。
【0019】
II-1. ジエンエラストマー(成分A)
公知のように、“ジエン”エラストマー又はゴムは、少なくとも部分的にジエンモノマー(共役又は非共役の2つの炭素−炭素二重結合を持っているモノマー)由来のエラストマー(すなわちホモポリマー又はコポリマー)を意味するものと理解される。
一般的に、“本質的に不飽和の”ジエンエラストマーは、本明細書では、少なくとも部分的に共役ジエンモノマー由来であり、ジエン起源(共役ジエン)のメンバー又は単位の含量が15%(モル%)より多いジエンエラストマーを意味するものと理解される。
従って、例えばブチルゴム又はジエンとEPDMタイプのα-オレフィンのコポリマーのようなジエンエラストマーは前述の定義内に包含されず、特に“本質的に飽和の”ジエンエラストマー(低い又は非常に低い含量の常に15%未満のジエン起源の単位)として言及される。
“本質的に不飽和の”ジエンエラストマーのカテゴリー内では、“高度に不飽和の”ジエンエラストマーは、特に50%より多いジエン起源(共役ジエン)の含量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解される。
【0020】
これら定義が与えられたので、以下の本発明の組成物に使用可能なジエンエラストマーによって意味すべきことがさらに詳細に理解される:
(a)−4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られるいずれかのホモポリマー;
(b)−1種以上の一緒に共役したジエン又は8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られるいずれかのコポリマー;
(c)エチレン、3〜6個の炭素原子を有するα-オレフィンの6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合で得られる三元コポリマー、例えば、上記タイプの、特に1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン又はジシクロペンタジエンのような非共役ジエンモノマーとエチレン、プロピレンから得られるエラストマーのような三元コポリマー;
(d)イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、及びハロゲン化、特に塩素化又は臭素化もされたこのタイプのコポリマーの変形。
【0021】
本発明は、いずれのタイプのジエンエラストマーにも適用するが、タイヤ分野の当業者は、特に該ゴム組成物がタイヤトレッドを意図する場合、本発明がまず真っ先に本質的に不飽和のジエンエラストマー、特に上記タイプ(a)又は(b)のもので使用されることが分かるだろう。
好適な共役ジエンは、特に、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエンのような2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン及び2,4-ヘキサジエンである。好適なビニル芳香族化合物は、例えば、スチレン、オルト-、メタ-及びパラ-メチルスチレン、市販混合物“ビニルトルエン”、パラ-tert-ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン及びビニルナフタレンである。
【0022】
コポリマーは、99質量%〜20質量%のジエン単位と、1質量%〜80質量%のビニル芳香族単位を含有することができる。エラストマーは、いずれのミクロ構造を有してもよく、使用する重合条件、特に変性及び/又はランダム化剤の存否、及び使用する変性及び/又はランダム化剤の量の相関である。エラストマーは、例えばブロック、統計的、配列された又はミクロ配列されたエラストマーでよく、分散系又は溶液中で調製され;それらは、カップリング及び/又は星状化又は官能化剤によってカップリング、及び/又は星状化又は代わりに官能化されうる。
【0023】
ポリブタジエンは特に好適であり、特に4%〜80%の1,2-単位の含量を有するもの、又は80%より多いシス-1,4含量を有するもの、ポリイソプレン、ブタジエン-スチレンコポリマー、及び特に5質量%〜50質量%、さらに好ましくは20質量%〜40質量%のスチレン含量、4%〜65%のブタジエン部分の1,2-結合の含量、及び20%〜80%のトランス-1,4結合の含量を有するもの、ブタジエン-イソプレンコポリマー、特に5質量%〜90質量%のイソプレン含量及び-40℃〜-80℃のガラス転移温度(Tg)を有するもの及び特に5質量%〜50質量%のスチレン含量及び-25℃〜-50℃のTgを有するものである。ブタジエン−スチレン−イソプレンコポリマーの場合、好適のものは、特にスチレン含量が5質量%〜50質量%、さらに好ましくは10質量%〜40質量%、イソプレン含量が15質量%〜60質量%、さらに好ましくは20質量%〜50質量%、ブタジエン含量が5質量%〜50質量%、さらに好ましくは20質量%〜40質量%、ブタジエン部分の-1,2単位の含量が4%〜85%、ブタジエン部分のトランス-1,4単位の含量が6%〜80%、イソプレン部分の1,2-単位プラス3,4-単位の含量が5%〜70%、かつイソプレン部分のトランス-1,4単位の含量が10%〜50%のものであり、さらに一般的には、いずれのブタジエン−スチレン−イソプレンコポリマーも、-20℃〜-70℃のTgを有する。
【0024】
要約すると、特に好ましくは、本発明の組成物のジエンエラストマーは、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、又は天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらエラストマーの混合物から成る高度に不飽和のジエンエラストマーの群より選択される。このようなコポリマーは、さらに好ましくはブタジエン−スチレンコポリマー(SBR)、ブタジエン−イソプレンコポリマー(BIR)、イソプレン−スチレンコポリマー(SIR)及びイソプレン−ブタジエン−スチレンコポリマー(SBIR)から成る群より選択される。
本発明の組成物は、新しいタイヤであろうと、中古タイヤ用であろうと(再生)特にタイヤ用トレッドを意図する。
【0025】
乗用車タイヤの場合、成分Aは、例えばSBR又はSBR/BR、SBR/NR(若しくはSBR/IR)、又は代わりにBR/NR(若しくはBR/IR)ブレンド(混合物)である。SBRエラストマーの場合、特に、スチレン含量が20質量%〜30質量%、ブタジエン部分のビニル結合の含量が15%〜65%、トランス-1,4結合の含量が15%〜75%、かつTgが-20℃〜-55℃のSBRが使用される。このようなSBRコポリマーは、好ましくは溶液中で調製され、おそらく、好ましくは90%を超えるシス-1,4結合を有するポリブタジエン(BR)との混合物で使用される。
実用車、特に重車−すなわち地下鉄、バス、道路輸送機械(貨物自動車、トラクター、トレーラー)、オフロード車−用のタイヤの場合、成分Aは、例えば、天然ゴム、合成ポリイソプレン、イソプレンコポリマー(イソプレン−ブタジエン、イソプレン−スチレン、ブタジエン−スチレン−イソプレン)及びこれらエラストマーの混合物から成る群より選択される。このような場合、成分Aは、全体的に又は部分的に、例えばSBRエラストマーのような別の高度に不飽和のエラストマーも構成要素となりうる。
【0026】
本発明の他の有利な実施形態により、特にそれがタイヤサイドウォールを意図する場合、本発明の組成物は、少なくとも1種の本質的に飽和のジエンエラストマー、特に少なくとも1種のEPDMコポリマーを含んでよく、このコポリマーは、例えば、上述した1種以上の高度に不飽和のジエンエラストマーとの混合物で使用されてもされなくてもよい。
当然に、本発明の組成物は、単一のジエンエラストマー又はいくつかのジエンエラストマーの混合物を含有してよく、単一又はいくつかのジエンエラストマーは、おそらくジエンエラストマー以外のいずれのタイプの合成エラストマーとも、又はエラストマー以外のポリマー、例えば熱可塑性ポリマーとさえ併用され得る。
【0027】
II-2. 補強フィラー(成分B)
補強フィラーとして使用する白色又は無機フィラーは、全補強フィラーの全部又は一部のみを構成してよく、後者の場合、例えばカーボンブラックと併用できる。
好ましくは、本発明のゴム組成物では、補強無機フィラーは、全補強フィラーの大部分、すなわち50質量%より多く、さらに好ましくは、この全補強フィラーの80質量%より多くを構成する。
本出願では、用語“補強無機フィラー”は、公知のように、その色及びその起源(天然又は合成)にかかわらず、カーボンブラックに対立するものとして、“白色”フィラー、又は時には“クリア”フィラーとも呼ばれる無機又は鉱物フィラーを意味するものと理解され、この無機フィラーは、中間のカップリング剤以外は如何なる手段も無しにそれ自体で、タイヤの製造を意図したゴム組成物を補強できる、すなわち従来のタイヤグレードのカーボンブラックを、その補強機能で置き換えることができる。
好ましくは、補強無機フィラーは、シリカ若しくはアルミナタイプの鉱物フィラー、又はこれら2タイプのフィラーの混合物である。
【0028】
使用するシリカ(SiO2)は、本技術の当業者に公知のいずれの補強シリカでもよく、特にBET表面積及び比CTAB表面積の両方が、450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gであるいずれの沈降又は熱分解法シリカでもよい。高分散性沈降シリカ(“HDS”と呼ばれる)が好ましく、特に本発明が低い転がり抵抗を有するタイヤの製造のために実施される場合;公知のように、“高分散性シリカ”は、エラストマーマトリックス内で脱凝集しかつ分散するための相当な能力を有するシリカであり、薄切片についての電子若しくは光学顕微鏡による公知の方法で観察することができる。このような好ましい高分散性シリカの非限定的な例としては、DegussaからのシリカBV 3380及びUltrasil 7000、RhodiaからのシリカZeosil 1165 MP及び1115 MP、PPGからのシリカHi-Sil 2000、HuberからのシリカZeopol 8715又は8745、及び例えば、出願EP-A-0 735 088に記載されているアルミナ“ドープド”シリカのような処理された沈降シリカが挙げられる。
【0029】
好ましく使用される補強アルミナ(Al2O3)は、上記出願EP-A-0 810 258に記載されているようなBET表面積が30〜400m2/g、さら好ましくは60〜250m2/g、平均粒径が500nm以下、さらに好ましくは200nm以下の高分散性アルミナである。このような補強アルミナの非限定的な例は、特にアルミナA125又はCR125(Baikowskiから)、APA-100RDX(Condeaから)、Aluminoxid C(Degussaから)又はAKP-G015(Sumitomo Chemicals)である。出願WO99/28376で述べられているような特有のアルミニウム(オキシド−)ヒドロキシドを補強無機フィラーとして使用しても本発明を実施することができる。
補強無機フィラーが存在する物理的状態は、粉末、ミクロビーズ、顆粒又は代わりにボール形状であれ重要でない。当然、“補強無機フィラー”は、異なる補強無機フィラー、特に上述したような高分散性シリカ系及び/又はアルミナ系フィラーの混合物をも意味することが理解される。
【0030】
本発明の組成物がタイヤ用トレッドとして使用される場合、用いられる補強無機フィラーは、特にシリカの場合、好ましくはBET表面積が60〜250m2/g、さらに好ましくは80〜230m2/gである。
補強無機フィラーは、カーボンブラックとのブレンド(混合物)でも使用できる。好適なカーボンブラックは、いずれのカーボンブラックでもあり、特に、慣習的にタイヤ、特にこれらタイヤ用トレッドに使用されているタイプHAF、ISAF及びSAFのカーボンブラックである。このようなカーボンブラックの非限定的な例としては、カーボンブラックN115、N134、N234、N339、N347及びN375が挙げられる。全補強フィラー中に存在するカーボンブラックの量は、広い範囲で変えることができ、このカーボンブラックの量は、好ましくはゴム組成物中に存在する補強無機フィラーの量より少ない。
【0031】
好ましくは、全補強フィラーの量(補強無機フィラー、適用する場合はカーボンブラックを加えた)は、20〜300phr、さらに好ましくは30〜150phr、なおさらに好ましくは50〜130phrであり(100部のエラストマーに対する質量部)、最適値は、使用する補強無機フィラーの性質及び意図する用途によって異なり:公知のように、自転車タイヤで期待される補強レベルは、高速を保持して移動可能なタイヤ、例えばオートバイのタイヤ、乗用車のタイヤ又は重車のような実用車用のタイヤに要求されるより明らかに低い。
高速で移動しがちなタイヤ用トレッドのためには、補強無機フィラーの量は、特にシリカの場合、好ましくは50〜100phrの範囲内である。
本明細書では、BET比表面積は公知の方法で、“The Journal of the American Chemical Society”,Vol.60,309ページ,1938年2月に記載され、かつ規格AFNOR-NFT-45007 (1987年11月)に対応しているBrunauer,Emmet及びTellerの方法に準拠して決定され;CTAB比表面積は、1987年11月の同一規格AFNOR-NFT-45007に準拠して決定される外部表面積である。
【0032】
II-3. カップリング剤(成分C)
本発明のゴム組成物に使用されるカップリング剤はPSASであり、公知のように、本明細書では“Y”及び“X”と呼ばれる2タイプの官能を有し、第1に“Y”官能(アルコキシシリル官能)によって無機フィラー上にグラフトされ、第2に“X”官能(イオウ官能)によってエラストマー上にグラフトされうる。
PSASは、タイヤの製造を意図したゴム組成物でカップリング剤(無機フィラー/ジエンエラストマー)として当業者には広く知られている。特に、その特有の構造によって“対称”又は“非対称”と呼ばれる、特許US-A-3 842 111、US-A-3 873 489、US-A-3 978 103、US-A-3 997 581、US-A-4 002 594、US-A-4 072 701、US-A-4 129 585、又はこのような既知化合物について詳細に述べているさらに最近の特許若しくは特許出願US-A-5 580 919、US-A-5 583 245、US-A-5 650 457、US-A-5 663 358、US-A-5 663 395、US-A-5 663 396、US-A-5 674 932、US-A-5 675 014、US-A-5 684 171、US-A-5 684 172、US-A-5 696 197、US-A-5 708 053、US-A-5 892 085、EP-A-1 043 357に記載されているような多硫化アルコキシシランが使用される。
【0033】
本発明を実施するために特に好適には、以下の定義に制限されずに、下記一般式(I)を満足するいわゆる“対称”PSASであり:
(I) Z-A-Sn-A-Z、式中:
−nは2〜8の整数であり(好ましくは2〜5);
−Aは二価の炭化水素基であり;
−Zは下記式の1つに相当し:
【化1】
Figure 0004860874
式中:
−基R1は、置換又は無置換でよく、かつ同一又は異なってよい、C1-C18アルキル基、C5-C18シクロアルキル基、又はC6-C18アリール基を表し;
−基R2は、置換又は無置換でよく、かつ同一又は異なってよい、C1-C18アルコキシ基又はC5-C18シクロアルコキシル基を表す。
【0034】
上式(I)に従うPSASの混合物の場合、特に慣習的な商業的に入手可能な混合物は、“n”の平均値が、好ましくは2〜5の分数であることが分かるだろう。
基Aは、置換され或いは無置換であれ、好ましくは1〜18個の炭素原子を含む二価の飽和又は不飽和炭化水素基である。特にC1-C18アルキレン基若しくはC6-C12 アリーレン基、さらに好ましくはC1-C10アルキレン、特にC2-C4アルキレン、特にプロピレンが好適である。
基R1は、好ましくはC1-C6アルキル、シクロヘキシル又はフェニル基、特にC1-C4 アルキル基、さらに詳しくはメチル及び/又はエチルである。基R2は、好ましくはC1-C8アルコキシ基又はC5-C8シクロアルコキシル基、さらに詳しくはメトキシル及び/又はエトキシルである。
【0035】
好ましくは、使用するPSASは、ポリスルフィド、特に、ビス((C1-C4)アルコキシシリル(C1-C10)アルキル)、さらになお好ましくはビス((C1-C4)アルコキシシリルプロピル)特にビス(トリ-(C1-C10)アルコキシシリルプロピル)、特にビス(3-トリエトキシシリルプロピル)若しくはビス(3-トリメメキシシリルプロピル)のジスルフィド又はテトラスルフィドである。
ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、つまり式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2のTESPDは、例えば、商品名Si266又はSi75で、Degussaによって(後者の場合、ジスルフィド(75質量%)とポリスルフィドとの混合物の形態で)、又はこれとは別に、商品名Silquest A1589で、Witcoによって販売されている。ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、つまり式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2のTESPTは、例えば、商品名Si69(若しくはカーボンブラック上に50質量%に担持される場合はX50S)で、Degussaによって、又はこれとは別にWitcoによって、商品名Silquest A1289で販売されている(両者とも4に近いnの平均値を有するポリスルフィドの市販混合物)。
非常に好ましくは、TESPTが使用される。しかし、本発明の1つの有利な実施形態はTESPDを使用することにあり、TESPDは、それ自体で使用する場合はTESPTよりも活性でないが、1,2-DHPとグアニジン誘導体の存在によって実質的に高められる有効性を有している。
【0036】
PSAS有機シランの別の例としては、例えば、WO96/10604又はDE-A-44 35 311に記載され、かつ下記式に対応するようなオリゴマー若しくはポリマータイプの有機シランが挙げられ:
【化2】
Figure 0004860874
式中、x=1〜8、m=1〜200、かつOEtはエトキシル基を表す。
本発明のゴム組成物では、PSASの含量は、好ましくは補強無機フィラーの量に対して0.5〜15質量%、すなわち、多くの場合、1〜10phr、さらに好ましくは3〜8phrである。しかし、一般的にはできる限り少量使用することが望ましい。これら組成物中に1,2-DHPとグアニジン誘導体が存在すると、有利には、補強無機フィラーの量に対して10質量%未満という好ましい量で、8質量%未満でさえPSASを使用することが可能になり;有利には4〜8%の量で可能である。
【0037】
PSASは、あらかじめ(“X”官能を介して)本発明の組成物のジエンエラストマーにグラフトされ、このようにして該エラストマーは、補強無機フィラー用の自由な“Y”官能を含んで官能化又は“前結合”される。また、PSASは、あらかじめ(“Y”官能を介して)補強無機フィラー上にグラフトされ、このようにして前結合”されたフィラーは、自由な“X”官能によってジエンエラストマーに結合することができる。
しかし、特に未硬化状態の組成物の良い加工性という理由のため、ちょうど本発明のカップリング系内で結合される1,2-DHPとグアニジン誘導体のように、補強無機フィラー上にグラフトされたか、又は自由(すなわち非グラフト)状態のカップリング剤を使用することが好ましい。
【0038】
II-4. カップリング剤の活性化
本発明のカップリング系は、前記定義したPSASカップリング剤と、このアルコキシシラン用のカップリング活性化剤とで形成される。カップリング“活性化剤”は、本明細書では、カップリング剤と混合されると、そのカップリング剤の有効性を高める物体(化合物又は化合物の連合体)を意味するものと理解される。 本発明によって使用されるカップリング活性化剤は、1,2-DHPとグアニジン誘導体の連合によって形成される。
【0039】
A) 1,2-DHP (成分D)
ジヒドロピリジン(“DHP”)、特に1,2-ジヒドロピリジン(本明細書では“1,2-DHP”と呼ばれる)は、本技術の当業者には周知である。DHPsは、今まで、基本的に接着剤組成物の添加剤、安定剤、重合活性化剤又は代わりに加硫促進剤として使用されてきた(例えば、EP-A-0 334 377;EP-A-0 502 733;EP-A-0 794 219;EP-A-0 867 491;US-A-4 450 030;US-A-5 747 601参照)。
1,2-DHPは、公知のように、下記一般式(II)に対応し:
【化3】
Figure 0004860874
式中、基R3〜R9は、同一又は異なってよく、好ましくは水素、炭化水素基、基OH、CN、NH2、SH又はハロゲンから選択される。
【0040】
基R3〜R9は、さらに好ましくは水素及び好ましくは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基から選択され、これら基は、直鎖、環状又は分岐鎖であり、かつ置換又は無置換でありうる。
このような炭化水素基の例としては、C1-C18アルキル、C3-C8シクロアルキル、C7-C20アリールアルキル、C6-C18アリール、C7-C20アルキルアリール、C2-C18アルケニル、C1-C18アルコキシル(OR)、及び基SR、NR2、NHR、COR、COOR、COOH、CONR2、CONHR、CONH2、SiR3、Si(OR)3が挙げられる。
さらに好ましくは、基基R3〜R9は、水素、C1-C10アルキル(特に メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル)、C3-C8シクロアルキル(特にシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル)、C7-C12アリールアルキル(特にベンジル、フェニル-エチル)、C6-C12アリール(特にフェニル、ナフチル)、C7-C14アルキルアリール(特にトルイル、キシリル、エチル-フェニル)及びC2-C10アルケニル(特にプロペニル、ブテニル)が挙げられる。さらに、これら基R3〜R9の2つ(例えばR5とR7)が結合して、おそらく例えば、S、O及びNの中から選択されるヘテロ原子が含まれるであろう環を形成しうる。
【0041】
1,2-DHPの合成は、J. Kuthan and A. Kurfurstによる“Development in Dihydropyridine chemistry”,Ind. Eng. Chem. Prod. Res. Dev., 1982, 21,pp.191-261に詳述されている。1,2-DHPは、ピリジン誘導体から、例えば、対応ピリジニウム塩の還元又はHantzsch法によって得ることができる。それらは、触媒(例えば酸)の存在下、公知の方法で、一級アミンと、カルボニル官能のα炭素が少なくとも2個の水素原子を有するアルデヒドとの縮合によっても合成され;この反応は、例えば、H. Charman及びJ. Roweによって、Chem. Commun., 1971, 476に、またG. Krow, E. Michener及びK.C. Rameyによって、Tetrahedron Lett., 3653,(1971)に記載されている。従って、このような縮合物(アルデヒド−アミン)の場合、基R6、R8及び基R3又はR4の少なくとも1個は、水素を表す。
【0042】
アミンについてのアルデヒドの反応、特に脂肪族アルデヒドの場合、これらアルデヒドがそれ自体で非常に縮合し易いので、多くの二次生成物を生じうる(例えば、J. Marchによって、Advanced Organic Chemistry, 4th Edition,p. 937, John Wiley & Sonsに記載されているアルドール縮合)。これは、1,2-DHPがアルデヒド−アミン縮合物(すなわち、アルデヒドとアミンの縮合生成物の混合物)の形態で使用される場合、1,2-DHPがその縮合物の大部分の成分を意味する(すなわち、質量で最高の含量を有する成分)ことが好ましい理由である。
1〜18個の炭素原子を有するいずれの一級の脂肪族又は芳香族アミンも使用でき、例えば、エチルアミン、n-ブチルアミン、n-ペンチルアミン、シクロペンチルアミン、n-ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n-オクチルアミン、n-デシルアミン、n-ドデシルアミン、n-ヘキサデシルアミン、n-オクタデシルアミン、アニリン、又はトルイル若しくはキシリルアミンが使用できる。
【0043】
アルデヒドの中では、いずれのC2-C12アルデヒドでも(特にアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、ペンタナール、シクロペンタナール、ヘキサナール、シクロヘキサナール、n-ヘプタナール、n-デカナール、n-ドデカナール)挙げられる。さらに好ましくは、特に縮合物の純度という理由のため、短いC3-C6炭素鎖を有するアルデヒド:すなわちプロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド(ブタナール)、バレルアルデヒド(ペンタナール)又はヘキサアルデヒド(ヘキサナール)が選択されるだろう。
本発明の特に好ましい実施形態により、使用する1,2-DHPは、N-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン、すなわちR9が置換又は無置換のフェニル基である。これは、縮合物(アルデヒド/アミン)の場合、使用するアミンがフェニルアミン(置換又は無置換フェニル基)、特にアニリン(無置換フェニル)であることを意味する。
【0044】
本発明の組成物で使用可能な1,2-DHPの例としては、例えば、下記式(II-1)に対応するヘプタアルデヒド-アニリン縮合物の形で入手可能な3,5-ジペンチル-1,2-ジヒドロ-1-フェニル-2-ヘキシルピリジンが挙げられる。
【化4】
Figure 0004860874
さらに好ましい例としては、下記式(II-2)に対応する3,5-ジエチル-1,2-ジヒドロ-1-フェニル-2-プロピルピリジンが挙げられる。
【化5】
Figure 0004860874
【0045】
本発明の組成物で使用可能な(アルデヒド/アミン)縮合物の例は、Uniroyal Chemicalからのヘプタアルデヒド-アニリン縮合物(商品名“Hepteen Base”)、RT Vanderbiltからのブチルアルデヒド-アニリン縮合物(例えば、商品名“Vanax 808”−1,2-DHPの純度約40%)又はBayerからのもの(例えば商品名“Vulkacit 576”−1,2-DHPの純度約30%)であり、これらすべての縮合物は、加硫促進剤として市販されている。
好ましくは、(アルデヒド/アミン)縮合物は、1,2-DHPの含量又は純度(質量%)ができる限り高い、好ましくは50%より高く、さらに好ましくは70%より高いものから選択される。特に好ましい例としては、アニリンと、精製後大部分が上式(II-2)の3,5-ジエチル-1,2-ジヒドロ-1-フェニル-2-プロピルピリジンから成るブチルアルデヒドとの縮合生成物が挙げられ;この生成物は、R.T. Vanderbiltによって、商品名Vanax 808 HP(1,2-DHPの純度少なくとも85%)で販売されている。
【0046】
本発明に注目した本技術の当業者は、意図する用途、使用する無機フィラー及び使用するエラストマーの性質に応じ、好ましくは0.1〜3phr、さらに好ましくは0.2〜1phrの範囲内で1,2-DHPの最適含量を調整できるだろう。0.2〜0.6phrの量は、例えば乗用車タイヤ用トレッドを意図した組成物のために有利に実行できる。
当然に、1,2-DHPの最適含量は、真っ先に、使用するPSASの量の関数として選択される。好ましくは、本発明のカップリング系では、1,2-DHPの量は、PSASの質量に対して1〜20質量%を示し;この最少量未満では、効果が不十分となる恐れがあり、一方この最大量より多いと、一般的にもはやカップリングにおける改善は観察されず、組成物のコストが高くなる上に、二次的にスコーチングの危険にさらされる。上述の理由のため、1,2-DHPの量は、さらに好ましくはPSASの量に対して3質量%〜17.5質量%である。
好ましくは、本発明のゴム組成物では、PSASと1,2-DHPとの総量は、補強無機フィラーの量に対して10質量%未満、さらに好ましくは5質量%〜10質量%を示す。大部分の場合、これは、1〜10phr、さらに好ましくは4〜9phrの量(PSAS+1,2-DHP)に相当する。
【0047】
B)グアニジン誘導体(成分E)
カップリングの活性化に必要な第2成分はグアニジン誘導体、すなわち置換グアニジンである。置換グアニジンは、本技術の当業者には特に加硫促進剤として周知であり、多くの文書に記載されている(例えば、W. Hofmannによる“Vulcanization and vulcanizing agents”,Ed. MacLaren and Sons Ltd (London),1967,pp.180-182;EP-A-0 683 203又はUS-A-5 569 721参照)。
本発明の組成物では、好ましくは特有の下記式(III-1)に対応するN,N'-ジフェニルグアニジン(略して“DPG”)が使用される。
【化6】
Figure 0004860874
【0048】
しかし、DPG以外のグアニジン誘導体、特に下記一般式(III)に対応する他の芳香族グアニジン誘導体も使用でき:
【化7】
Figure 0004860874
式中、Ar1及びAr2 は、置換又は無置換アリール基、好ましくはフェニル基を表し、R10は水素又は炭化水素基を表す。上記一般式(III)に対応する化合物の例としては、既に述べたDPGに加え、トリフェニルグアニジン(TPG)又は代わりに次式(III-2)のジ-o-トルイルグアニジン(DOTG)が挙げられる。
【化8】
Figure 0004860874
【0049】
本発明の組成物では、グアニジン誘導体の量は、補強無機フィラーの質量に対して好ましくは0.5%〜4%、さらに好ましくは1%〜3%、すなわち好ましくは0.25〜4phr、さらに好ましくは0.5〜2phrである。この最小量未満では、活性化の効果が不十分となる恐れがあり、一方最大量を超えても一般的にもはやカップリングの向上は観察されず、その上スコーチングの危険がある。
好ましくは、本発明の組成物では、PSASとカップリング活性化剤(1,2-DHP+グアニジン誘導体)で形成されるカップリング系は、補強無機フィラーの質量に対して全体で2至20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%を示す。大部分の場合、このカップリング系は、補強無機フィラーの量に対して12質量%未満、又は10質量%未満の量でさえ、タイヤ、特に乗用車用タイヤトレッドの製造を意図した組成物の要求に対して十分な高い性能を示した。ジエンエラストマーの質量に対し、本発明のカップリング系の量は、好ましくは2〜15phr、さらに好ましくは5〜10phrである。
【0050】
II-5. 種々の添加剤
当然、本発明のゴム組成物は、例えば、可塑剤、顔料、酸化防止剤タイプの保護剤、抗オゾン化物質、イオウ若しくはイオウ供与体及び/又はペルオキシド及び/又はビスマレイミドのいずれかに基づく架橋系、加硫促進剤、加硫活性化剤、エクステンダー油等のようなタイヤ製造を意図したイオウ架橋性ジエンゴム組成物に通常用いられる添加剤のすべて又は一部をも含有する。補強無機フィラーは、必要ならば、クレー、ベントナイト、タルク、チョーク、カオリン又は酸化チタンのような慣習的な非補強性白色フィラーを、補強無機フィラーと併用してもよい。
【0051】
本発明の組成物は、PSASに加え、補強無機フィラーのための被覆剤(例えば、単一のY官能を有する)又はさらに一般的には公知のように、ゴムマトリックス中の無機フィラーの分散における改良及び該組成物の粘度低減のために加工助剤をも含有して、未硬化状態での作業能力を改善することができ、これら薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシラン(特にアルキルトリエトキシシラン)、ポリオール、ポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール)、一級、二級又は三級アミン、ヒドロキシル化若しくは加水分解性ポリオルガノシロキサン、例えば、α,ω-ジヒドロキシ-ポリオルガノシロキサン(特にα,ω-ジヒドロキシ-ポリジメチルシロキサン)である。これら組成物は、PSAS以外のカップリング剤をさらに含有することができる。
【0052】
II-6. ゴム組成物の調製
本組成物は、適宜のミキサー内で、本技術の当業者には周知の方法で、例えば、上述した出願EP-A-0 501 227、EP-A-0 810 258又はWO99/28376に記載されているように、通常連続的な2段階、高温での熱機械的作業の第1段階、その後の低温での機械的作業の第2段階によって製造される。
第1段階の熱機械的作業(時には“非生産”段階と言われる)は、加硫系を除く該組成物の種々の成分を混練することによって、完全に混合することを意図している。それは、内部ミキサー又は押出機のような適切な混練装置内で、機械的仕事の作動下かつ混合物に高い剪断を課して、最高温度が120℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃に達するまで行われる。
【0053】
この第1段階は、それ自体、単一又は例えば1回以上の中間冷却段階によって分離された数段階の熱機械的作業段階を含んでよい。本組成物の種々の成分、すなわちエラストマーと、補強フィラーと、そのカップリング系、及び種々の他の成分(“添加剤”)が、ミキサー内で1回以上の段階で、第1熱機械的作業段階時、又は適用可能であれば種々の熱機械的作業段階時に取り込まれる。この熱機械的作業の全持続時間は(典型的には1〜20分、例えば2〜10分)、特定の操作条件、特に選択される最高温度、成分の性質及び量に応じて選択され、重要なことは、種々の成分が良く分散し、エラストマーマトリックス内で相互反応が得られ、ひいてはまず未硬化状態における組成物の良い加工性、そして硬化後、補強フィラーとその中間カップリング系によって十分なレベルの補強を可能にすることである。
【0054】
このようにして得られた混合物を冷却後、低温で、第2段階の機械的作業が実施される。時には“生産”段階と呼ばれるこの最終段階は、加硫(又は架橋)系を適宜の装置、例えばオープンミル内でミキシングすることで取り込むことから成る。適切な時間(通常1〜30分、例えば2〜5分)かつ十分な低温(通常120℃未満、例えば60℃〜100℃)で、すべての場合に、早すぎる加硫(スコーチング)を防御できるように、混合物の加硫温度未満で行われる。
本発明の好ましい実施形態の方法に従い、本発明の組成物の全基礎成分、すなわち(ii)補強無機フィラー、及び(iii)PSASと、(iv)1,2-DHPと、(v)グアニジン誘導体の連合によって形成される本発明のカップリング系が、第1のいわゆる非生産段階の際に、(i)ジエンエラストマーに取り込まれ、すなわち少なくとも3種の異なる基礎成分がミキサー内に導入され、1回以上の段階で、120℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練される。
【0055】
例として、第1(非生産)段階は、“バンバリー”型の従来の内部ブレードミキサー内で、持続時間1〜5分の2段階の連続工程で行われ、その初期タンク温度は60℃のオーダーである。まず最初にエラストマー(又は複数のエラストマー)が導入され、それから例えば1分の混練後、補強無機フィラーとその連合カップリング系が導入され;混練を継続してから、例えば1分後に、加硫系(イオウ及びスルフェンアミドタイプの一次促進剤)を除き、おそらく補完的な被覆剤又は加工剤を含む種々の添加剤が添加される。補強フィラー(又は数種のものが使用される場合補強フィラーの1種)の見かけ上の密度が比較的低い場合(例えば、シリカの場合のように)、添加剤の導入、及び適用可能ならばそのカップリング系の導入を数段階に分けて、それらのエラストマーマトリックス内における取り込みを、例えば5分の混練後そのフィラーの半分若しくは約3/4さえ促進し、2分の混練後にその残りを促すことが好ましい。このように熱機械的作業は、例えば150℃〜170℃の“滴下”温度と呼ばれる最高温度が得られるまで行われる。こうして得られた混合物の塊が回収され、100℃未満の温度に冷却される。冷却後、第2の熱機械的段階が同一又は異なるミキサー内で、該混合物を補完的な熱処理に供し、かつ特に補強フィラーの良い分散を得る目的で行われ;当然に、例えばステアリン酸、抗オゾンワックス、酸化防止剤、酸化亜鉛若しくは他の添加剤のようないくつかの添加剤は、この第2段階の熱機械的作業まで、その全部又は一部はミキサー内に導入されない。この第1熱機械的段階の結果が、低温(例えば30℃〜60℃)の外部オープンミル上に取り上げられ、加硫系が添加され;そして全組成物が数分間、例えば2〜5分間混合される(生産段階)。
【0056】
このようにして得られた最終組成物は、特に実験室内で特徴づけするために例えばフィルム又はシートの形態でカレンダー加工され、又は代わりにトレッド、クラウンプライ、サイドウォール、カーカスプライ、ビーズ、プロテクター、インナーチューブ又はチューブレスタイヤ用気密内部ゴムのような半製品の製造用に使用されるゴムプロファイルド要素を形成するために押出成形される。
加硫(つまり硬化)は、公知の方法で、一般的には130℃〜200℃の温度で、加圧下、十分な時間、変えられるが、例えば5〜90分、特に硬化温度、採用する架橋系及び問題の組成物の加硫キネティクスによって決まる時間行われる。
本発明が、“未硬化”状態(すなわち硬化前)と、“硬化”又は加硫(すなわち架橋又は加硫後)状態との両方の前記ゴム組成物に関することは当然である。
もちろん、本発明の組成物は単独で使用でき、又はタイヤ製造に使用可能な他のいずれのゴム組成物とのブレンドで(すなわち混合物で)使用しうる。
【0057】
III.発明の実施例及び実施形態
III-1. ゴム組成物の調製
以下の試験のため、冷却段階で分離された2段階の熱機械的段階が使用され、様式は次の通りである:70%まで充填され、かつ初期タンク温度が約60℃の“バンバリー”型の内部実験室ミキサー(0.4リットル)中に、連続的に、エラストマー、約1分後に補強無機フィラーの2/3とその関連カップリング系、1分後に残りの補強フィラー、その関連カップリング系、そして酸化防止剤、酸化亜鉛及び加硫系(イオウ及びスルフェンアミド)を除く種々の添加剤が導入され;このようにして第1熱機械的作業は、約165℃の最高“滴下”温度に達するまで、約3〜4分間行われ;エラストマー塊が回収かつ冷却される。そして、第2段階が、同一ミキサー内で同一条件で行われ:エラストマー塊が第2熱機械的作業段階に供され、3〜4分の持続時間で、酸化亜鉛と酸化防止剤が添加され、最高滴下温度が約165℃に達するまで行われる。
【0058】
こうして得られた混合物が回収され、冷却されてから外部ミキサー(均質仕上げ機)上、30℃でイオウとスルフェンアミドが添加され、すべてが3〜4分間ミキシングされる(生産段階)。
このように得られた組成物は、それらの物理的及び機械的性質を測定するためにシート(2〜3mm厚)若しくはゴムの薄フィルムの形態で、又は所望の寸法に裁断し、及び/又は組立て後、例えばタイヤ用、特にトレッド用半製品として直接使用できるプロファイルド要素の形態でカレンダー加工される。
以下の試験の多くの場合に、補強白色フィラー(シリカ及び/又はアルミナ)が全補強フィラーを構成し、50〜100phrの範囲内の好ましい量で使用される;しかし、当然に、これら試験において、補強フィラーの割合、好ましくは少割合は、カーボンブラックで置き換えることができる。
【0059】
III-2. 試験
A)試験1
この第1試験では、タイヤ用トレッドの製造を意図したシリカで補強された3種のゴム組成物(SBRとBRジエンエラストマーの混合物)が比較される。SBRエラストマーは溶液内で調製され、26.5%のスチレン、59.5%の1-2-ポリブタジエン単位及び23%のトランス-1-4-ポリブタジエン単位を含有し:BRエラストマーは、93%の1-4シス単位を含む。
これら3種の組成物は、以下の差異以外は同一である:
−組成物番号1:DPGを有するが1,2-DHPが無いTESPT(6.4phr);
−組成物番号2:0.25phr(つまりTESPTの量に対して3.9質量%)の1,2-DHPと1.5phrのDPG(つまり補強無機フィラーの量に対して約1.9質量%)を伴うTESPT(6.4phr);
−組成物番号3:0.5phr(つまりTESPTの量に対して7.8質量%)の1,2-DHPと1.5phrのDPGを伴うTESPT(6.4phr)。
【0060】
成分Dについては、ここではR.T. Vanderbiltによって販売され、大部分が上式(II-2)の3,5-ジエチル-1,2-ジヒドロ-1-フェニル-2-プロピルピリジンで形成されている(1,2-DHPの含量は少なくとも85質量%と宣言されている)縮合物(アニリン−ブチルアルデヒド)Vanax 808 HPが使用される。
組成物番号1は、この試験では対照であり、かつ補強無機フィラーの量に対して8質量%の量のTESPTを含有しているが(80phrのシリカにつき6.4phrのTESPT)、1,2-DHPを欠いている。本発明の組成物番号2及び3では、全量(PSAS+1,2-DHP)は、補強無機フィラーの量に対して10質量%未満(それぞれ8.3%及び8.6%)を示し;本発明のカップリング系(TESPT+1,2-DHP+DPG)について言えば、それは、有利には、この量の補強無機フィラーに対して12質量%未満(それぞれ10.2%及び10.5%)の量で存在する。
【0061】
表1及び2は、種々の組成物の配合(表1−phrで表される種々の生成物の量)、及び硬化(150℃で40分)前後のそれらの特性を示す。図1は、伸び(%で)の関数としてのモジュラス(MPaで)の曲線を示し;これら曲線は、記号C1、C2及びC3が付され、それぞれ組成物番号1、2及び3に相当する。
表2の結果を調べると、本発明の組成物(番号2及び3)は、対照の組成物番号1と比較して、未硬化状態におけるムーニー粘度にほとんど差がなく(故に同等の加工特性)、スコーチング時間は正直なところ短いが、十分であり、かつ実質的に硬化状態で以下の改良された特性を有する:
− 高変形における高いモジュラス値(M100及びM300)、比M300/M100比も高い(本技術の当業者には公知のように、より高い補強の指標);
− 実質的に低いヒステリシスロス(HL)(トレッドのための低い転がり抵抗の指標);
− 同等の破断点特性。
【0062】
添付図1は、上記結果を確証しており:100%以上の伸びについて、組成物番号2及び3(曲線C2及びC3)の場合、すべてのモジュラスの値が明らかに高く;このような伸びの範囲では、このような挙動は明らかに補強無機フィラーとエラストマーとの間の良い相互作用を示している。
要約すると、硬化後に得られたすべての結果は、補強無機フィラーとジエンエラストマーとの間の良いカップリング、他言すれば、1,2-DHPとグアニジン誘導体の組合せによる、PSASのカップリング機能の活性化を表している。
【0063】
B)試験2
この試験の目的は、1,2-DHPとグアニジン誘導体によって与えられる活性化のために、無機フィラーによる組成物の補強特性に逆効果を及ぼすことなく、PSAS(TESPT)の量を実質的に減少できることを示すことである。
試験1の組成物と同様の3種のゴム組成物が比較され、これら組成物は、以下の差異以外は同一である:
−組成物番号4:DPGを有するが1,2-DHPが無いTESPT(6.4phr);
−組成物番号5:DPGを有するが1,2-DHPが無いTESPT(4phr);
−組成物番号6:TESPT(4phr)プラス0.5phrの1,2-DHP(つまりTESPTの量に対して12.5質量%)及び1.5phrのDPG。
従って、組成物番号6のみが本発明に従い、組成物番号4は先行技術の参考組成物であり、組成物番号5は組成物番号6と比較して同量のTESPTを有する対照を意味する。表3及び4は、種々の組成物の配合と、それらの硬化(150℃で40分)前後の特性を示す。図2は、伸び(%で)の関数としてのモジュラス(MPaで)の曲線を示し;これら曲線は記号C4〜C6が付され、それぞれ組成物番号4〜6に相当する。
【0064】
先行技術に従う組成物番号4では、TESPTの量はシリカの量に対して8質量%を示し、本発明の組成物番号6で使用されるTESPTの量より60%多い。
この組成物番号6では、PSASの量は、(PSAS+1,2-DHP)の総量と同様に補強無機フィラーの量に対して6質量%未満(それぞれ、5%及び5.6%)を示す。カップリング系自体(PSAS+1,2-DHP+DPG)について言えば、それは、この同量に対して10質量%未満(正確には7.5%)の有利な量で存在する。
【0065】
これら種々の結果の研究から、本発明の組成物番号6は、第1に参考組成物番号4と比べて、かなり低量のTESPTにもかかわらず、硬化後に同等の性能を有し、かつ第2に、同量のTESPTを含有するが1,2-DHPを欠いている対照組成物番号5に比し、全体的に優れた以下の性能を有することが分かる:
− 高変形におけるモジュラス(M100及びM300)及び比M300/M100比が参考組成物番号4と実質的に同等であり、かつ対照組成物番号5よりかなり高い;
− 組成物4及び6でヒステリシスロス(HL)が同一であり、さらに組成物番号5よりかなり低い;
− 同等の破断点特性。
添付図2は、1,2-DHPとDPGによって与えられるカップリングの活性化の効果を確証しており: 100%以上の伸びに対するモジュラスの値は、組成物番号4と6で実質的に同一であり(曲線C4とC6は、非常に近い)、対照組成物番号5について観察されるモジュラス値より明らかに高いことがはっきり見られる。
【0066】
従って、本発明のゴム組成物中では、TESPTの量を極端に(6.4phrから4phrに)減らすことができ、その上実質的に同レベルの補強特性を維持する。
シランの量の減少は、予想通りに、未硬化状態の粘度の上昇を伴うが、観察した変形は許容性のままであり;特に、本技術の当業者は、必要ならば、少量の被覆剤(後述する試験10参照)の添加によって未硬化状態での粘度上昇を補正できるだろう。
【0067】
C)試験3
この試験は、1,2-DHPとグアニジン誘導体によって与えられる活性化のため、事実上ゴム組成物の特性に逆効果を及ぼすことなく、四硫化アルコキシシラン(TESPT)を、TESPTより低活性であることが分かっている二硫化アルコキシシラン(TESPD)で置換できることを示す。
試験1及び2の組成物と同様の3種のゴム組成物が比較され、これら組成物は、以下の差異以外は同一である:
−組成物番号7:TESPT(6.4phr)(グアニジン誘導体を有するが1,2-DHP無し);
−組成物番号8:TESPD(5.6phr)(グアニジン誘導体を有するが1,2-DHP無し);、
−組成物番号9:TESPD(5.6phr)プラス0.5phrの1,2-DHP(つまりTESPDの量に対して8.9質量%)及び1.5phrのグアニジン誘導体。
【0068】
組成物番号7は、この試験の対照であり(補強無機フィラーの質量に対して8%のTESPT);組成物番号8は、やはり本発明に従っておらず、TESPTの量に対して同モル量のTESPDを含有しており、すなわちこの2つの組成物番号7と8では、シリカ及びそのヒドロキシル表面基に関して反応性の同量のトリエトキシシラン官能が用いられる。組成物番号9のみが本発明に従っており;そのPSASの量は、シリカの量(80phr)に対して8質量%未満(正確には7%)を示し、量(TESPD+1,2-DHP)はこの同量に対して8質量%未満(正確には7.6%)を示し;本発明のカップリング系(TESPD+1,2-DHP+DPG)について言えば、その量は、有利には、補強無機フィラーの量に対して10質量%未満(正確には9.5%)を示す。 表5及び6は、種々の組成物の配合と、それらの硬化(150℃、40分)前後の特性を示し;図3は、伸び(%で)の関数としてのモジュラス(MPaで)の曲線を示し、これら曲線は、記号C7〜C9が付され、それぞれ組成物番号7〜9に相当する。
【0069】
組成物番号8は、組成物番号7に比し、明らかに劣った硬化後の補強特性(M100、M300及び比M300/M100)を有し、破断強度が低いばかりでなくヒステリシスロスも高いことが注目され;これはすべて二硫化アルコキシシラン(TESPD)のカップリング(無機フィラー/エラストマー)の有効性が四硫化アルコキシシラン(TESPT)に比べて低いことに起因する。
しかし、少量の1,2-DHPを組成物番号9に添加することよって、補強特性(M100、M300及び比M300/M100)がかなり高まり、かつHLの低減が注目され、これら特性は組成物番号7について観察された特性に近いレベルまで取り戻されている。このグアニジン誘導体と結合された1,2-DHPのTESPD用カップリング活性化剤としての有効性は、図3の曲線によっても明白に示されており:曲線C7とC9は近く、かつ100%より高い伸びについて曲線C8をかなり超えている。
【0070】
D)試験4
この試験は、前述の結果、特に試験1の結果を、ヘプタアルデヒド−アニリン縮合物の形態で入手可能な、成分の大部分が1,2-DHPである(Uniroyal Chemicalによって商品名“Hepteen Base”で販売されている製品)異なる起源の1,2-DHPを用いて確認する。
これら2種の組成物は、以下の差異以外は同一である:
−組成物番号10:DPG(1.5phr)を有するが1,2-DHPが無いTESPT(6.4phr);
−組成物番号11:TESPT(6.4phr、DPG(1.5phr)プラス0.5phrの1,2-DHP(つまりTESPTの量に対して7.8質量%)。
【0071】
各組成物は、1.5phr、つまり補強無機フィラーの量に対して約1.9質量%のグアニジン誘導体を含む。組成物番号10は、この試験の対照であり、補強無機フィラーの量に対して8質量%の量のTESPTを含有するが(80phrのシリカにつき6.4phrのTESPT)、1,2-DHPを欠いている。組成物番号11では、本発明に従い、アルコキシシランの量と1,2-DHPの量は補強無機フィラーの量に対して10質量%未満(正確には8.6%)を示し;本発明のカップリング系(TESPT+1,2-DHP+DPG)について言えば、それは、有利には、補強無機フィラーの量に対して12質量%未満(正確には10.5%)の量で存在する。
表7及び8は、種々の組成物の配合と(表7−phrで表される種々の生成物の量)、それらの硬化(150℃で40分)前後の特性を示す。図4は、伸び(%で)の関数としてのモジュラス(MPaで)の曲線を示し;これら曲線は、記号C10〜C11が付され、それぞれ組成物番号10及び11に相当する。
【0072】
表8を調べると、本発明の組成物(番号11)は、対照組成物(番号10)と比較して、未硬化状態におけるムーニー粘度にほとんど差がなく(故に同等の加工特性)、スコーチング時間は正直なところ短いが、十分であり、かつ実質的に硬化状態で以下の改良された特性を有する:
− 高変形における高いモジュラス値(M100及びM300)、比M300/M100比も高い(より高い補強の指標);
− 低いヒステリシスロス(HL);
− 同等の破断点特性。
添付図4は、上記結果を確証している:本発明の組成物の場合、100以上の伸びに対して、すべてのモジュラス値が高く(曲線C11とC10を比較せよ);このような伸びの範囲では、このような挙動は明らかに、本発明のカップリング系による補強無機フィラーとエラストマーとの間の良い相互作用を示している。
【0073】
E)試験5
補強無機フィラーとしてシリカとアルミナの(50/50)混合物を含む3種のゴム組成物が調製され;アルミナは上記出願EP-A-0 810 258に記載されているような補強アルミナである。
これら組成物は、以下の差異以外は同一である:
−組成物番号12:DPGを有するが1,2-DHPが無いTESPT;
−組成物番号13:1,2-DHPとDPGで活性化されたTESPT;
−組成物番号14:1,2-DHPとDPGで活性化されたTESPT。
組成物番号12は、この試験の対照であり、無機フィラーの質量に対して8%未満(正確には6.6%)の量のPSASを含有する(99phrのフィラーに対して6.5phrのTESPT)。本発明に従う組成物番号13及び14は、本発明のカップリング系(PSAS+1,2-DHP+DPG)を、これもやはり有利には、全補強無機フィラーの質量に対して8%未満(正確には7.9%)の量で含む。
表9及び10は、種々の組成物の配合と、それらの硬化(150℃で40分)前後の特性を示す。図5は、伸びの関数としてのモジュラスの曲線を示し(曲線は、記号C12〜C14が付され、それぞれ組成物番号12〜14に相当する)。
【0074】
これら結果を調査すると、本発明の組成物では、高いムーニー粘度(被覆剤の添加によって低減可能)を示すが、硬化状態で:高いモジュラスM100及びM300、及び比M300/M100、低い損失HLという改良された特性を示している。図5は、これら結果を、100%以上の伸びについての本発明の組成物の高いモジュラスによって確証している(曲線C12の上の曲線C13とC14)。
さらに、最良の結果(M100、M300、比M300/M100、HL)は、図5の曲線で確認されるように(曲線C14の上の曲線C13)、最高含量の1,2-DHP(Vanax 808 HP)を有するブチルアルデヒド−アニリン縮合物で得られることが注目される。
【0075】
F)試験6
この試験では、前述の試験の結果が、異なるBET表面積の別の補強アルミナ(上記出願EP-A-0 810 258に従う)の存在下で確認される(PSASの量:補強無機フィラーの量に対して6質量%)。
試験する2種の組成物は、以下の差異以外は同一である:
−組成物番号15:DPGを有するが1,2-DHPが無いTESPT;
−組成物番号16:1,2-DHPとDPGで活性化されたTESPT。
組成物番号15は、この試験の対照である。本発明に従う組成物番号16では、カップリング系(TESPT+1,2-DHP+DPG)の総量が、無機フィラーの量に対して有利には8質量%未満(正確には7.5%)である。
【0076】
表11及び12は、これら組成物の配合と、それらの硬化(150℃で40分)前後の特性を示す。図6は、伸びの関数としてのモジュラスの曲線を示す(記号C15〜C16が付されている)。
その結果は、本発明の組成物が、対照と比較して、未硬化状態で、実質的に同一の粘度と、短いが十分なスコーチング時間を有し、かつ良いカップリングの指標である硬化状態の特性:高いモジュラスM100とM300及び比M300/M100を示し、損失HLがかなり減少されることを示す。図6は、対照曲線C15の明らかに上に位置する曲線C16によって、これら結果を確証している。
【0077】
G)試験7
この試験は、グアニジン誘導体(DPG又はDOTG)の存在が、本発明のカップリング系における本質的な特徴であることを示す。
試験する4種の組成物は、以下の差異以外は同一である:
−組成物番号17:DPGを有するが1,2-DHPが無いTESPT;
−組成物番号18:1,2-DHPを有するがグアニジン誘導体が無いTESPT;
−組成物番号19:DPGと1,2-DHPを有するTESPT;
−組成物番号20:DOTGと1,2-DHPを有するTESPT。
従って、組成物番号19と20のみが本発明に従い;組成物番号17は、先行技術に従う対照である。表13及び14は、これら組成物の配合及び硬化(150℃で40分)前後の特性を示す。図7は、伸びの関数としてのモジュラスの曲線を示す(記号C17〜C20が付され、それぞれ組成物番号17〜20に相当する)。
【0078】
種々の結果の研究は、本発明の組成物が、対照組成物番号17と比較して、硬化状態における有意に改良された特性を示し:図7:対照曲線C17の明かに上に位置する曲線C19とC20によって確証されるように、共にカップリングの向上の指標であるモジュラスM100とM300及び比M300/M100が明らかに高く、値HLがかなり減少されている。
グアニジン誘導体を欠いている組成物番号18について言えば、これら特性は、未硬化状態と硬化後の両方で、本発明の組成物の特性に比べて全体的に下がっていると考えられる(明らかに高い粘度;より高い損失HL;低い比M300/M100;曲線C17のわずかに下の曲線C18)。
従って、これら結果は、グアニジン誘導体が存在しないと、1,2-DHPがカップリング剤に何ら効果を及ぼさないことを明白に示している。
【0079】
H)試験8
この試験は、1,2-DHPとグアニジン誘導体の組合せによって与えられる強い活性化のために、実質的に同レベルで補強特性を維持しながら、PSAS(ここでは、二硫化アルコキシシランTESPD)の量を極度に減少可能であることを示す。
試験する3種の組成物は、以下の差異以外は同一である:
−組成物番号21:DPGを有するが1,2-DHPが無いTESPD(5.6phr);
−組成物番号22:DPGを有するが1,2-DHPが無いTESPD(3.5phr);
−組成物番号23:DPG(1.5phr)と 1,2-DHP(0.5ph、つまりTESPDの量に対して14.3質量%)を有するTESPD(3.5phr)。
【0080】
組成物番号21は先行技術の参考組成物であり;そのPSASの量が、本発明の番号23の組成物のPSASの量よりかなり多い(60%)ことが注目される。本発明の番号23のこの組成物では、総量(TESPD+1,2-DHP)がシリカの量に対して6質量%未満(正確には5%)を示す。カップリング系自体(PSAS+1,2-DHP+DPG)について言えば、それは、有利には、この同量に対して8質量%未満(正確には6.9%)の量で存在する。
表15及び16は、種々の組成物の配合と、それらの硬化(150℃で40分)前後の特性を示す。図8は、モジュラス/伸びを示す(記号C21〜C23が付され、それぞれ組成物番号21〜23に相当する)。
【0081】
これら結果は、本発明の組成物番号23は、参考組成物番号21と比べ、かなり低量のTESPDにもかかわらず、硬化後に同等の性能:実質的に同一のモジュラスM100とM300、比M300/M100、破断点特性及び損失HLを有することを示している。本発明の組成物と同量のTESPDを含有する対照組成物番号22について言えば、それは、1,2-DHPが存在しないので、性能のかなりの低下を示している。
図8はこれら結果を確証しており、参考組成物番号21(曲線C21)のモジュラス値よりわずかに良いモジュラス値を有する本発明の組成物(曲線C23)は、1,2-DHPを欠いている対照組成物番号22のモジュラス値をかなり超えている。
【0082】
I)試験9
この試験では、これまでの試験で用いた対称PSAS以外のPSAS、この場合適切なポリマータイプのPSASで、本発明が実施される。
このため、以下の差異以外は同一の2種の組成物が調製される:
−組成物番号24:DPGを有するが1,2-DHPが無いPSAS;
−組成物番号22:1,2-DHPとDPGで活性化されたPSAS。
組成物番号24は、この試験の対照であり;本発明に従う組成物番号25は、無機フィラーの質量に対して12%未満(正確には10.5%)の好ましい量の本発明のカップリング系(PSAS+1,2-DHP+グアニジン誘導体)を含む。
試験するPSASは、上記の公知の式(WO96/10604に従う)に対応する。
【化9】
Figure 0004860874
【0083】
表17及び18は、2種の組成物の配合と、それらの硬化(150℃で40分)前後の特性を示す。図9は、モジュラス/伸びの曲線を示す(記号C24及びC25が付される)。
結果は、本発明の組成物は、対照組成物と比べ、硬化前の特性は実質的に同一であり、硬化後に改良された特性を有することを示している:高変形における高いモジュラスM100とM300、及び比M300/M100(良い補強の指標)、低い(故に良い)損失HL。図9は、100%以上の伸びに対する本発明の組成物のかなり高いモジュラス値(曲線C24)によって、これら結果を確証している。これは、すべて無機フィラーとエラストマーとの間の良い相互作用を明白に示している。
【0084】
J)試験 10
PSASの量の実質的な減少は、ゴム組成物の未硬化状態での粘度上昇を伴う危険があり、その工業的加工性に逆効果を及ぼすことが知られている。この試験は、本発明の組成物に無機フィラーのための被覆剤を添加することでこのような欠点を克服できることを示す。
このような場合、本発明の特に好ましい実施形態により、PSASと共に、被覆剤として、特許出願EP-A 0 784 072の教示に従っい、ヒドロキシル化ポリオルガノシロキサン、特にα,ω-ジヒドロキシ-ポリオルガノシロキサンが併用される。
この試験ため、以下の差異以外は同一の6種の組成物が調製される:
−組成物番号26:DPGを有するが1,2-DHPが無いTESPT(6.4phr);
−組成物番号27:DPGを有するが1,2-DHPが無いTESPT(4phr);
−組成物番号28:DPGと1,2-DHPで活性化されたTESPT(4phr);
−組成物番号29〜31:組成物番号28と同一であるが、さらに可変量の(0.5〜2.4phr)異なる被覆剤(アルキルトリアルコキシシラン又はα,ω-ジヒドロキシ-ポリオルガノシロキサン)を含む。
組成物番号26は、先行技術の参考組成物であり、組成物番号27は、本発明の組成物番号28〜31と比較される同量のTESPTを有する対照を示す。
表19及び20は、種々の組成物の配合と、それらの硬化(150℃、40分)前後の特性を示す。被覆剤は、本発明の組成物に、PSASと同時に(非生産段階)取り込まれた。これら本発明の組成物(番号28〜31)では、カップリング系(PSAS+1,2-DHP+DPG)の総量は、有利には無機フィラーの質量に対して8%未満(正確には7.5%)を示す。
【0085】
表20の結果には、以下の注釈が必要である:
− まず第1に、対照組成物番号27におけるPSASの量の参考組成物番号26に対する減少は、未硬化状態(粘度の相当な上昇、76から96MUへ)及び硬化後:モジュラスM100とM300が大きく下がり、損失HLが増加するという両方の特性の一般的な低下に関与することが注目され;
− 組成物番号28に1,2-DHPを添加、ひいてはDPGと1,2-DHPの結合作用によって、硬化後特性の明白な上昇が、開始の参考(組成物番号26)の値と実質的に同一の値をカバーしていることが(特にM100、M300、HL);以前に観察された未硬化状態の粘度の上昇(76から96MUへ)は、1,2-DHPの添加によってごくわずかにしか補正されない(96から91MUへ)ことが注目され;
− 他方、この未硬化状態の粘度上昇は、本発明の組成物番号29〜31に被覆剤を添加することで、参考組成物(番号26)の粘度と実質的に同レベルに硬化後の特性を維持しながら、完全に補正される(約70〜80MUの値に戻る)。
特に、被覆剤として極小割合(1phr未満)のα,ω-ジヒドロキシ-ポリオルガノシロキサンにもかかわらず、本発明の組成物番号31によって得られる特性の優れた妥協点が注目されるだろう。
【0086】
K)試験 11
ここで、公知の方法で製造され、かつトレッドを構成するゴム組成物の成分以外の点ですべて同一である寸法175/70 R14のラジアルカーカスタイヤについての運転試験によって、本発明が例証される。試験する組成物は、さらに、基本的に着色及び抗-UV剤として使用される小割合(6phr)のカーボンブラック(N234)を含有することを除き、上記試験10の組成物番号26、28及び31と同一であり、かつ適切な大容量のミキサー内でこれらタイヤ試験の要求に合わせて調製された。 このように調製されたタイヤは、Citroen Xsaraブランドの車で路上走行に供され、運転に起因する摩耗がトレッドの溝内に配置された摩耗指標に達するまで行われる。本技術の当業者には公知のように、タイヤの走行時、ゴム組成物の耐摩耗性は、補強フィラーによって供給される補強の質、すなわち得られるカップリング(フィラー/エラストマー)の量に直接関連する。他言すれば、耐摩耗性の測定は、最高ではないにしても、それが最終製品について評価されるので、使用するカップリング系の性能の優れた指標である。
【0087】
本発明(組成物番号28及び31に相当)のトレッドが適合されたタイヤは、大きく減少されたカップリング剤の量にもかかわらず(6.4phrの代わりに4.0phr)、対照タイヤ(組成物番号26に相当)の性能と事実上同一の性能を示し、実質的に同じ走行距離を走破することが注目される。この等価な耐摩耗性は、1,2-DHPとグアニジン誘導体を組合せた化合物によって与えられるカップリング系の強い活性化によってのみ得ることができた。組成物番号31は、ポリオルガノシロキサン被覆剤を取り込んでおり、組成物番号28に比し、工業的加工性がさらに容易であるという利点を提供した(未硬化状態での粘度の低減)。
このように、本発明は、実質的にかなり低減されたPSAS(特にTESPT)の存在下でさえ、非常に良い耐摩耗性と共に低い転がり抵抗を有するタイヤ用トレッドを得ることを可能にする。
【0088】
結論として、上記すべての結果は、1,2-DHPとグアニジン誘導体の両方をPSASと共に使用した場合、補強無機フィラーとジエンエラストマーとの間のカップリングが改良されることを示している。他言すれば、これら結果は、1,2-DHPとグアニジン誘導体の組合せによる、PSASによって遂行されるカップリング機能の活性化を示している。
この活性化のため、これからは、同等レベルでカップリング特性ひいては摩耗特性を維持しながら、PSAS、特にTESPTの量を減らすことを考慮でき;従って、ゴム組成物の全体的なコストを低減できると共に、それら組成物を含有するタイヤのコストも低減できる。
さらに、PSASの量の減少は、環境(VOCs−“揮発性有機化合物”の放出)の観点から、ゴム組成物の製造時、又はこれら組成物を取り込んだゴム製品の硬化時に放出されるアルコール(TESPTの存在下のエタノール)の量の減少に帰着するという利点を有する。
【0089】
また、高量のPSASが維持される場合、本発明は、高レベルのカップリングを得、ひいては補強無機フィラーによるゴム組成物のさらに優れた補強を得ることを可能にする。
従って、本発明の新規なカップリング系(無機フィラー/ジエンエラストマー)は、本発明の組成物に、無機フィラーで補強された従来技術の組成物と比較して有利な特性の妥協案を提供する。
【0090】
表1
Figure 0004860874
(1)59.5%の1,2-ポリブタジエン単位;26.5%のスチレンを有する溶液SBR;
Tg = -29℃;13.5phrの芳香油で増量された75phrのSBR(又は88.5phr全部);
(2) 4.3%の1-2;2.7%のトランス;93%のシス1-4を有するBR(Tg=-106℃);
(3)シリカタイプ“HDS”-Rhodiaからのミクロビーズ形態のZeosil 1165 MP(BET及びCTAB:約160m2/g);
(4)式II-2の1,2-DHP(R.T. VanderbiltからのVanax 808 HP);
(5)N-1,3-ジメチルブチル-N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン;
(FlexsysからのSantoflex 6-PPD);
(6)ジフェニルグアニジン(BayerからのVulkacit D);
(7)N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド
(FlexsysからのSantocure CBS)。
【0091】
表2
Figure 0004860874
【0092】
表3
Figure 0004860874
(1)〜(7) 表1に同じ。
【0093】
表4
Figure 0004860874
【0094】
表5
Figure 0004860874
(1)〜(7) 表1に同じ。
【0095】
表6
Figure 0004860874
【0096】
表7
Figure 0004860874
(1)〜(7) 表1に同じ;
(8)縮合物“Hepteen base”(Uniroyal Chemical)。
【0097】
表8
Figure 0004860874
【0098】
表9
Figure 0004860874
(1)〜(7) 表1に同じ;
(3a) Baikowskiからのアルミナ“CR125”;
(粉末形態で-BET:約105m2/g)。
(9) 式II-2の1,2-DHP(BayerからのVulkacit 576)。
【0099】
表10
Figure 0004860874
【0100】
表11
Figure 0004860874
(1)〜(7) 表1に同じ;
(3a) Condeaからのアルミナ“APA-100RDX”
(粉末形態で-BET:約85m2/g)。
【0101】
表12
Figure 0004860874
【0102】
表13
Figure 0004860874
(1)〜(7) 表1に同じ;
(10) VanderbiltからのDOTG、式(III-2)。
【0103】
表14
Figure 0004860874
【0104】
表15
Figure 0004860874
(1)〜(7) 表1に同じ。
【0105】
表16
Figure 0004860874
【0106】
表17
Figure 0004860874
(1)〜(7) 表1に同じ;
(11) ASPSポリマータイプ(WO96/10604)。
【0107】
表18
Figure 0004860874
【0108】
表19
Figure 0004860874
(1)〜(7) 表1に同じ;
(12) オクチルトリエトキシシラン(Hulsからの“Dynasylan Octeo”);
(13) ヘキサデシルトリメトキシシラン(Degussaからの“Si116”);
(14) α,ω-ジヒドロキシ-ポリジメチルシロキサン
(Rhodiaからの油“Rhodorsil 48V50”)。
【0109】
表20
Figure 0004860874

【図面の簡単な説明】
【図1】伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示す。
【図2】伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示す。
【図3】伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示す。
【図4】伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示す。
【図5】伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示す。
【図6】伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示す。
【図7】伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示す。
【図8】伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示す。
【図9】伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示す。

Claims (9)

  1. タイヤの製造に使用可能なゴム組成物であって、少なくとも:(i)ジエンエラストマー、(ii)補強フィラーとしての無機フィラー、(iii)無機フィラーとエラストマーとの間に十分な化学的及び/又は物理的結合を確立するカップリング剤としての多硫化アルコキシシラン(“PSAS”)に基づき、(iv)1,2-ジヒドロピリジン及び(v)グアニジン誘導体を伴うゴム組成物。
  2. 前記ジエンエラストマーが、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー、及びこれらエラストマーの混合物から成る群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記補強無機フィラーが、高分散性シリカである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記PSASが、ビス-(C1-C4)アルコキシシリル(C1-C10)アルキルポリスルフィドである、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記1,2-ジヒドロピリジンが、アルデヒド−一級アミン縮合物の形態で存在する、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記1,2-ジヒドロピリジンが、N-フェニル-1,2-ジヒドロピリジンである、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記PSASと1,2-ジヒドロピリジンの総量が、前記補強無機フィラーの量に対して10質量%未満を示す、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記グアニジン誘導体が、N,N'-ジフェニルグアニジン(DPG)である、請求項1に記載の組成物。
  9. 無機フィラーで補強されたジエンエラストマーに基づくタイヤ用ゴム組成物のための無機フィラーとエラストマーとの間に十分な化学的及び/又は物理的結合を確立するカップリング組成物であって、多硫化アルコキシシラン(“PSAS”)、グアニジン誘導体及び1,2-ジヒドロピリジン連合によって形成されることを特徴とするカップリング組成物
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