JP4860239B2 - アルミニウム管の製造方法 - Google Patents

アルミニウム管の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、例えば複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置における感光ドラムなどとして適用されるアルミニウム管の製造方法およびその関連技術に関する。
なおこの明細書および特許請求の範囲において、アルミニウム(Al)の語はその合金を含む意味で用いられる。
電子写真装置などの感光ドラム用の基体としては、円筒形アルミニウム管の外周面にOPC(有機光導電体)などの感光体層が設けられたものが用いられている。この感光ドラム基体の感光体層は、優れた画像品質を得るために、薄くかつ均一な厚さに高精度に形成する必要があり、そのためにベースとなるアルミニウム管の表面にも高い平滑性が要求される。
このような感光ドラム基体用のアルミニウム管としては、押出加工されたアルミニウム素管を引抜加工して得られるアルミニウム管(ED管)が多く用いられている。
ED管には、押出時に表面に付着したアルミニウムカス(Alカス)による欠陥突起が生じる場合があり、そのまま感光ドラム基体として用いると、上記欠陥突起により画像欠陥を引き起こすという報告がなされている。
このため、ED管を感光ドラム基体として用いる場合、欠陥突起の発生を防止するために、外表面を切削加工により鏡面仕上げして、表面平滑性を向上させる手段が多く用いられている。
ところが、切削加工のような表面改質処理は、非効率的であり、生産効率の低下およびコストの増大を来すという問題を抱えている。
このような状況下にあって従来より、感光ドラム用基体として、無切削のED管を用いる技術が多数提案されている。
たとえば特許文献1においては、引抜加工した後、ED管の表面を無塵性の布などによって払拭(研磨)するようにしたアルミニウム管の製造方法が提案されている。
更に特許文献2に示すアルミニウム管の製造方法においては、引抜加工した後、ED管の表面を研磨材によって研磨するようにしたアルミニウム管の製造方法が提案されている。
また特許文献3においては、引抜加工する前に、押出加工されたアルミニウム素管の外表面を、切削加工、エッチング加工、ブラスト加工、研磨加工などによって、一定厚みで表面を除去するようにしたアルミニウム管の製造方法が提案されている。
特開平8−82939号(請求項1,2) 特開2004−9227号(請求項1、[0008]) 特開平5−313394号(請求項1−7)
特許文献1,2に示すアルミニウム管の製造方法は、引抜加工後に、アルミニウム管の表面に研磨などを行って表面平滑性を向上させるものであるが、この製造方法は、上記切削加工を用いるものと同様、表面改質を行うものであるため、非効率的であり、生産効率の低下およびコストの増大を根本的に解消することは困難である。
また特許文献3に示すアルミニウム管の製造方法においては、引抜加工する前に、アルミニウム素管の表面を一様に除去するものであるため、その除去カス(アルミニウムカス)がアルミニウム素管の表面に再付着して、引抜加工後に除去カスによる欠陥突起などの表面欠陥が生じ、その表面欠陥による画像欠陥が生じる可能性があり、高い品質を得ることが困難であった。更に同文献の製造方法においては、アルミニウム素管の表面を所定厚みで除去するものであるため、その表面除去によって管径が小さくなる。このため、管径のコントロールが困難となり、寸法精度の低下による品質の低下を招く恐れがある。
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、生産効率の向上およびコストの削減を図りつつ、表面欠陥の発生などの不具合を確実に防止できて、品質を向上させることができるアルミニウム管の製造方法およびその関連技術を提供することを目的とする。
上記従来技術の問題を解消するために、本出願人は、アルミニウム管の製造方法について綿密な実験研究を行った。その結果、本出願人は上記目的を達成した上さらに、表面欠陥の発生をより確実に防止できて、より高い品質のアルミニウム管を製造することができる構成を見出し本発明をなすに至った。すなわち本発明は、以下の構成を要旨としている。
[1] アルミニウム素管を得る押出工程と、アルミニウム素管の外周面を拭き取る拭き取り工程と、拭き取り工程後のアルミニウム素管を引抜加工する引抜工程と、を含み、
拭き取り工程においては、帯状の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給して回収しつつ、アルミニウム素管を軸心回りに回転させることにより、アルミニウム素管の外周面を前記拭き取り部材によって拭き取るようにしたことを特徴とするアルミニウム管の製造方法。
[2] 前記拭き取り部材は、拭き取り部材が巻回された供給ロールから送り出されて、アルミニウム素管に供給されるよう構成される前項1に記載のアルミニウム管の製造方法。
[3] 前記拭き取り部材は、回収ロールに巻き取られることによって回収されるよう構成される前項1または2に記載のアルミニウム管の製造方法。
[4] 前記拭き取り部材のアルミニウム素管表面に対する接触圧力を、0.01〜5N/cm2 に設定するようにした前請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム管の製造方法。
[5] 前記拭き取り部材として、幅が30〜500mmのものを用いる前項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
[6] 前記拭き取り部材の供給速度(送り出し速度)を0.1〜20cm/分に設定するようにした前項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
[7] 拭き取り工程において、拭き取り動作中のアルミニウム素管における軸心回りの回転速度を、10〜1000回/分に設定するようにした前項1〜6のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
[8] 拭き取り工程においては、拭き取り動作中にアルミニウム素管を前記拭き取り部材に対し軸心方向に相対的に移動させるようにした前項1〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
[9] 拭き取り工程においては、前記拭き取り部材を軸心方向に移動させずにアルミニウム素管を軸心方向に移動させるようにした前項8に記載のアルミニウム管の製造方法。
[10] 前記拭き取り部材におけるアルミニウム素管に対し軸心方向の移動速度を60〜5000cm/分に設定した前項8または9に記載のアルミニウム管の製造方法。
[11] 前記拭き取り部材は、極細繊維製織布および極細繊維製不織布のうち少なくともいずれか一方によって構成される前項1〜10のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
[12] 拭き取り工程において、拭き取り動作中に前記拭き取り部材の供給および回収を連続して行うようにした前項1〜11に記載のアルミニウム管の製造方法。
[13] 拭き取り工程においては、帯状の他の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における他方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給して回収するようにした前項1〜12のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
[14] 前項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法によって得られることを特徴とするアルミニウム管。
[15] 前項14に記載のアルミニウム管を用いた感光ドラム基体。
[16] 前項15に記載の感光ドラム基体の表面に感光体層が設けられることを特徴とする感光ドラム。
[17] 前項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法によってアルミニウム管を得る工程と、
アルミニウム管の表面に感光体層を設ける工程と、を含むことを特徴とする感光ドラムの製造方法。
[18] 押出工程によって得られたアルミニウム素管を引抜加工する前に、アルミニウム素管の外周面を拭き取るようにしたアルミニウム素管表面の拭き取り方法であって、
帯状の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給して回収しつつ、アルミニウム素管を軸心回りに回転させることにより、アルミニウム素管の外周面を前記拭き取り部材によって拭き取るようにしたことを特徴とするアルミニウム素管表面の拭き取り方法。
[19] 押出工程によって得られたアルミニウム素管を引抜加工する前に、アルミニウム素管の外周面を拭き取るようにしたアルミニウム素管表面の拭き取り装置であって、
帯状の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給可能な拭き取り部材供給手段と、
アルミニウム素管表面に供給された前記拭き取り部材を回収可能な拭き取り部材回収手段と、
アルミニウム素管を前記拭き取り部材に対し軸心回りに回転させるための軸回り回転手段、を備えたことを特徴とするアルミニウム素管表面の拭き取り装置。
[20] 前記拭き取り部材供給手段は、前記拭き取り部材が巻回された供給ロールによって構成され、
その供給ロールから前記拭き取り部材が送り出されてアルミニウム素管表面に供給されるよう構成される前項19に記載のアルミニウム素管表面の拭き取り装置。
[21] 前記拭き取り部材回収手段は、アルミニウム素管表面に供給された拭き取り部材を巻き取って回収する回収ロールによって構成される前項19または20に記載のアルミニウム素管表面の拭き取り装置。
[22] 前記拭き取り部材をアルミニウム素管外周面に掛け渡した状態で、その拭き取り部材を、アルミニウム素管の軸心方向に沿って相対的に移動させるための軸方向移動手段を、さらに備えた前項19〜21のいずれか1項に記載のアルミニウム素管表面の拭き取り装置。
[23] 押出工程によって得られたアルミニウム素管を引抜加工する前に、アルミニウム素管の外周面を拭き取るようにしたアルミニウム素管表面の拭き取り装置であって、
帯状の第1拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給可能な第1拭き取り部材供給手段と、
アルミニウム素管表面に供給された前記第1拭き取り部材を回収可能な第1拭き取り部材回収手段と、
帯状の第2拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における他側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給可能な第2拭き取り部材供給手段と、
アルミニウム素管表面に供給された前記第2拭き取り部材を回収可能な第2拭き取り部材回収手段と、
アルミニウム素管を前記拭き取り部材に対し軸心回りに回転させるための軸回り回転手段、を備えたことを特徴とするアルミニウム素管表面の拭き取り装置。
[24] 押出工程によって得られたアルミニウム素管を引抜加工する前に、アルミニウム素管の外周面を拭き取り部材によって拭き取るに際して、拭き取り部材をアルミニウム素管の表面に掛け渡すための掛け渡し装置であって、
帯状の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給可能な拭き取り部材供給手段と、
アルミニウム素管表面に供給された前記拭き取り部材を回収可能な拭き取り部材回収手段と、を備えたことを特徴とする拭き取り部材の掛け渡し装置。
上記発明[1]にかかるアルミニウム管の製造方法によれば、帯状の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管に供給しつつ、素管を軸心回りに回転させるものであるため、拭き取り部材によってアルミニウム素管の外周面全周をバランス良く均質な状態に拭き取ることができる。従って、アルミニウム素管表面の異物を確実に除去できて、引抜工程を行った際に、表面に傷や異物付着などの不具合が生じることなく、高品質のアルミニウム管製品を提供することができる。
さらに拭き取り動作に並行して、拭き取り部材を供給できるため、常に新たな(未使用の)拭き取り部材によって、アルミニウム素管表面を拭き取ることができる。つまり使用済みの拭き取り部材によって再度、アルミニウム素管表面を拭き取るような処理を避けることができ、拭き取られたアルミニウムカスなどの異物が、拭き取り部材から素管表面に再付着するような不具合を有効に防止することができ、素管表面の異物をより確実に除去することができる。
また引抜工程前にアルミニウム素管の表面を拭き取るだけのものであるため、たとえば引抜工程後に、切削、研磨などの機械加工によって表面全域を一様に改質するような非効率な表面改質処理を行う必要がなく、生産効率を向上できるとともに、コストの削減を図ることができる。
上記発明[2]にかかるアルミニウム管の製造方法によれば、拭き取り部材の供給を安定して行うことができる。
上記発明[3]にかかるアルミニウム管の製造方法によれば、拭き取り部材の回収を安定して行うことができる。
上記発明[4][5]にかかるアルミニウム管の製造方法によれば、特有構成の拭き取り部材を用いているため、上記の効果を確実に得ることができる。
上記発明[6]〜[13]にかかるアルミニウム管の製造方法によれば、アルミニウム素管表面の異物をより確実に除去することができる。
上記発明[14]にかかるアルミニウム管によれば、上記と同様に、同様の作用効果を奏する。
上記発明[15]にかかる感光ドラム基体によれば、上記と同様に、同様の作用効果を奏する。
上記発明[16]にかかる感光ドラムによれば、上記と同様に、同様の作用効果を奏する。
上記発明[17]にかかる感光ドラム基体の製造方法によれば、上記と同様に、同様の作用効果を奏する。
上記発明[18]にかかるアルミニウム素管表面の拭き取り方法方法によれば、上記と同様に、同様の作用効果を奏する。
上記発明[19]〜[23]にかかるアルミニウム素管表面の拭き取り装置によれば、上記と同様に、同様の作用効果を奏する。
上記発明[24]にかかる拭き取り部材の掛け渡し装置によれば、上記と同様に、同様の作用効果を奏する。
図1はこの発明の実施形態である感光ドラム基体用アルミニウム管の製造手順を示す工程図である。同図に示すように、本実施形態の製造方法は、押出工程と、切断工程と、拭き取り工程と、引抜工程とが基本的な構成要素として含まれている。
押出工程においては、アルミニウム(アルミニウム合金を含む)の押出材料(インゴット)を熱間押出加工することによって、円筒形の長尺なアルミニウム素管が形成される。
本実施形態において、アルミニウム素管は、直径φが10〜300mmのもの、より好ましくは20〜60mmのものが好んで用いられる。
またアルミニウム押出材料としては、耐食性、加工性および強度の面から、例えばJIS1000系、3000系、5000系、6000系のものを好適に用いることができる。
なお上記押出加工によって得られるアルミニウム素管の表面には、多くの場合、押出加工に伴って生じる多数のアルミニウムカスが付着している。
続いて、切断工程において、アルミニウム素管を所定の長さに切断する。この切断長さは特に限定されることはないが、200〜6000mm程度に設定するのが良い。
次に、後に詳述する拭き取り工程において、所定長さのアルミニウム素管をその表面に付着したアルミニウムカスなどの異物を、後に詳述するようにして拭き取って除去する。
拭き取り工程が完了した後、引抜工程により、アルミニウム素管を冷間引抜加工し、これにより感光ドラム基体用のアルミニウム管を製造するものである。
こうして製造されたアルミニウム管は、外周面にOPC(有機光導電体)などの感光体層が設けられて、感光ドラム基体として用いられる。
本実施形態では、上記の拭き取り工程において図2〜6に示す拭き取り装置(1)が用いられる。この装置(1)は、基台(2)と、その基台(2)上における前後に設けられた一対のチャックユニット(3)(4)と、基台(2)の中間部に設けられる拭き取りヘッドユニット(5)とを備えている。
そしてこの装置(1)においては、後に詳述するように、アルミニウム素管(10)の前後両端が一対のチャックユニット(3)(4)により保持されることによって、アルミニウム素管(10)が基台(2)上において前後方向に沿って所定位置に設置される。さらにその状態で、そのアルミニウム素管(10)に沿って拭き取りヘッドユニット(5)が移動して、アルミニウム素管(10)に対し拭き取り処理が行われるよう構成されている。
前側のチャックユニット(3)は、基台(2)の上面における前端位置に固定される固定ブラケット(31)を具備しており、このブラケット(31)にチャック本体(30)が設けられている。このチャック本体(30)は、後方に向けて配置された状態で、ブラケット(31)に前後方向に移動自在に設けられている。さらにブラケット(31)には、シリンダ(32)が設けられており、このシリンダ(32)の駆動によってチャック本体(30)が前後方向に進退駆動するよう構成されている。
またチャック本体(30)は、ブラケット(31)に前後方向の軸心回りに回転自在に構成されている。また、チャックユニット(3)には、ワーク回転用モータ(35)が設けられ、このモータ(35)が回転駆動することにより、図示しない動力伝達機構を介して、チャック本体(30)が前後方向の軸心回りに回転駆動するよう構成されている。
基台(2)には、その片側に前後方向に沿ってビーム(21)が設けられるとともに、そのビーム(21)の後部下側に、前後方向に沿って支持板(22)が設けられている。また後側のチャックユニット(4)は、可動ブラケット(41)を具備しており、この可動ブラケット(41)が支持板(22)に前後方向に沿ってスライド自在に取り付けられている。このブラケット(41)には、チャック本体(40)が設けられており、このチャック本体(40)が、上記前側のチャック本体(30)に対向して、前方に向けて配置された状態で、ブラケット(41)に前後方向に移動自在に設けられている。さらにブラケット(41)には、シリンダ(42)が設けられており、このシリンダ(42)の駆動によってチャック本体(40)が前後方向に進退駆動するよう構成されている。
またチャック本体(40)は、ブラケット(41)に対し前後方向の軸心回りに回転自在に構成されている。
なお基台(2)には、可動ブラケット(41)のスライド移動を規制するためのスライド規制手段(図示省略)が設けられており、可動ブラケット(41)をスライドさせて適切位置に配置した状態で、その適切位置において上記スライド規制手段によって位置固定できるよう構成されている。
また本実施形態において、基台(2)上には図示しないリフトが設けられており、このリフトによって、基台(2)上に載置したアルミニウム素管(10)を、チャックユニット(3)(4)に対応する位置まで持ち上げることができるように構成されている。さらにその持ち上げ状態において、チャックユニット(3)(4)のチャック本体(30)(40)をシリンダ(32)(42)の駆動によって進出させて、アルミニウム素管(10)の両端開口部に挿着させることにより、一対のチャック本体(30)(40)によって、アルミニウム素管(10)が所定位置に保持されるよう構成されている。
さらにこの保持状態において、前側のチャック本体(30)が、モータ(35)の駆動によって軸心回りに回転することによって、この前側チャック本体(30)に追従して、アルミニウム素管(10)および後側チャック本体(40)が軸心回りに回転するよう構成されている。
ここで本実施形態において、前後のチャック本体(30)(40)、これらを回転自在に支持する機構、チャック本体(30)を回転駆動させるモータ(35)などによって軸回り回転手段が構成されている。
拭き取りヘッドユニット(5)は、ブラケット(51)を具備しており、このブラケット(51)が上記ビーム(21)にビーム長さ方向(前後方向)に沿ってスライド自在に取り付けられている。
さらに基台(2)におけるビーム(21)の前端には、拭き取りヘッドユニット走行用モータ(52)が設けられており、このモータ(52)が回転駆動することによって、図示しないベルト機構などの動力伝達機構を介して、拭き取りヘッドユニット(5)が前後に走行駆動するよう構成されている。
ここで本実施形態においては、ビーム(21)、そのビーム(21)に拭き取りヘッドユニット(5)をスライド自在に支持する機構、さらに拭き取りヘッドユニット(5)を走行駆動させるモータ(52)などによって、軸方向移動手段が構成されている。
拭き取りヘッドユニット(5)は、アルミニウム素管(10)の設置位置における左右両側に配置される一対の支持ケース(50)(50)を有しており、一方側(右側)の支持ケース(50)内に収容されるようにして、供給ロール(7)が設けられるとともに、他方側(左側)の支持ケース(50)内に収容されるようにして、回収ロール(8)が設けられている。
供給ロール(7)は、拭き取り部材供給手段を構成するものであり、図6等に示すように、心棒(71)を有し、その心棒(71)に帯状の拭き取り部材(70)が巻回されて装着されている。さらに回収ロール(8)は、拭き取り部材回収手段を構成するものであり、供給ロール(7)と同様に心棒(81)を有し、その心棒(81)に帯状拭き取り部材(70)を巻き取ることができるよう構成されている。
供給ロール(7)は、一方側の支持ケース(50)内において、設置されるアルミニウム素管(10)に対して、一方側(たとえば右側)の下方に配置された状態で回転自在に取り付けられるとともに、回収ロール(8)は、他方側の支持ケース(50)内において、設置されるアルミニウム素管(10)に対して、他方側(たとえば左側)の下方に配置された状態で回転自在に取り付けられている。
そして供給ロール(7)から巻き出された拭き取り部材(70)が、アルミニウム素管(10)の上方側に通過されて、回収ロール(8)に巻き取られるように配置される。こうして拭き取り部材(70)は、アルミニウム素管(10)の上方側(一方側)に掛け渡された状態に配置される。
この構成において、供給ロール(7)および回収ロール(8)を回転駆動させることにより、アルミニウム素管(10)上の使用済みの拭き取り部材(70)が回収ロール(8)に巻き取られて回収されるとともに、供給ロール(7)から新たな(未使用の)拭き取り部材(70)が送り出されて、アルミニウム素管(10)上に供給されるよう構成されている。
なお本発明においては、供給ロール(7)および回収ロール(8)をアルミニウム素管10)に対し下側に配置するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、供給ロール(7)および回収ロール(8)をアルミニウム素管(10)に対して上側に配置したり、あるいは、供給ロール(7)および回収ロール(8)を上下に並べて、アルミニウム素管(10)に対して右側や左側などの片側に配置するようにしても良い。供給ロール(7)および回収ロール(8)を上下に並べて配置する場合には、供給ロール(7)を回収ロール(8)に対し上側に配置する構成を採用するのが好ましい。すなわちこの構成を採用する場合、拭き取り部材(70)によって拭き取ったアルミニウムカスなどの異物が落下して、供給ロール(7)側の新規の拭き取り部材(70)に付着するような不具合を有効に防止することができる。
ここで本実施形態において、拭き取り部材(70)としては、極細繊維製織布(ワイピングクロス)、極細繊維製不織布(ワイパー)など、柔軟性を有するものを好適に用いることができ、中でも特に、ワイピングクロスを用いる場合には、カス除去性能を確実に向上させることができる。
なおワイピングクロスとしては、心材がナイロンで、周囲がポリエステル製のもの(例えばカネボウ合繊株式会社製の「ベリーマ(商品名)」)を好適に用いることができる。
またワイパーとしては、キュプラ繊維製のもの(例えば旭化成せんい株式会社製の「ベンリーゼ(商品名)、ベンコット(商品名)」)を好適に用いることができる。
また拭き取り部材(70)として用いられる織布や不織布においては、表面カスを効率良く払い落とすことができるように、繊維径が1〜200μm、好ましくは100μm以下のもの、より好ましくは50μm以下のもの、さらに好ましくは30μm以下のものを採用するのが良い。さらに短繊維のものは、脱落してアルミニウム管表面に悪影響を与える恐れがあるため、好ましくは長繊維のものを用いるのが良い。
本実施形態の拭き取り装置(1)において、アルミニウム素管(10)に拭き取り処理を施す場合には、アルミニウム素管(10)を基台(2)の所定位置に設置した状態で、図示しないリフトによって所定位置まで持ち上げて、その状態で、前後のチャックユニット(3)(4)のチャック本体(30)(40)を進出駆動させて、アルミニウム素管(10)の両端開口部に挿着させることにより、アルミニウム素管(10)を一対のチャック本体(30)(40)によって所定位置に保持する。
このアルミニウム素管(10)のセット時にはあらかじめ、拭き取りヘッド(5)における供給ロール(6)および回収ロール(7)間にはその間を架け渡すように拭き取り部材(70)がセットされており、アルミニウム素管(10)がリフトにより持ち上げられた際に供給ロール(6)および回収ロール(7)間を通過することによって、拭き取り部材(70)がアルミニウム素管(10)の上方側に自動的に掛け渡されるようにセットされる。
なお後側のチャックユニット(4)は、前後方向に移動自在にかつ所望の前後位置で固定可能に構成されているため、アルミニウム素管(10)をチャックユニット(3)(4)により保持させる前にあらかじめ、後側チャックユニット(4)の前後位置を適切位置に設定しておくことにより、アルミニウム素管(10)を前後のチャック本体(30)(40)によって安定状態に確実に保持することができる。
こうしてアルミニウム素管(10)および拭き取り部材(70)をセットした後、チャック本体(30)を回転させてアルミニウム素管(10)を軸心回り回転させるとともに、拭き取りヘッドユニット(5)をアルミニウム素管(10)の長さ方向(前後方向)に沿って移動させる。さらにそれに並行させて、供給ロール(7)および回収ロール(8)を回転させて、拭き取り部材(70)の供給および回収を連続して行う。
これにより拭き取り部材(70)がアルミニウム素管(10)の外周面を螺旋状に移動していき、その拭き取り部材(70)によってアルミニウム素管(10)の外周面全域がむらなく拭き取られる。さらにこの拭き取り時には、拭き取り部材(70)が供給ロール(7)から連続的に供給されて、常に新たな(未使用の)拭き取り部材(70)によって、アルミニウム素管表面が拭き取られる。
こうしてこの拭き取り処理によって、押出加工時などにアルミニウム素管表面に付着した有害なアルミニウムカスなどの異物が確実に拭き取られて除去される。
拭き取りが完了した後は、アルミニウム素管(10)にリフト(図示省略)によって支持させてから、チャック本体(30)(40)を後退させてアルミニウム素管(10)への保持を解除する。その後、アルミニウム素管(10)をリフトによって降下させて基台(2)上に載置するものである。
一方、本実施形態の拭き取り装置(1)において、次のアルミニウム素管(10)を処理する場合には、上記と同様にアルミニウム素管(10)をセットして、上記と同様に次のアルミニウム素管(10)に対し拭き取り処理を行うものである。
なお、拭き取り装置(1)によって表面の異物が除去されたアルミニウム素管(10)は、既述したように、引抜工程により冷間引抜加工が行われて、感光ドラム基体用のアルミニウム管が製造される。
以上のように、本実施形態において拭き取り装置(1)による拭き取り処理によれば、帯状の拭き取り部材(70)をアルミニウム素管(10)の外周面における上側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材(70)をアルミニウム素管(10)に供給しつつ、素管(10)を軸心回りに回転させるものであるため、拭き取り部材(70)によってアルミニウム素管(70)の外周面全周をバランス良く均質な状態に拭き取ることができる。従って、アルミニウム素管表面の異物を確実に除去できて、引抜工程を行った際に、表面に傷や異物付着などの不具合が生じることなく、高品質のアルミニウム管製品を提供することができる。
さらに拭き取り動作に並行して、回収ロール(7)から拭き取り部材(70)を連続して供給するものであるため、常に新たな(未使用の)拭き取り部材(70)によって、アルミニウム素管表面を拭き取ることができる。つまり使用済みの拭き取り部材(70)によって再度、アルミニウム素管表面を拭き取るような処理(拭き取り部材の再使用)を避けることがができ、拭き取られたアルミニウムカスなどの異物が、使用済みの拭き取り部材(70)から素管表面に逆戻りして再付着するような不具合を有効に防止することができ、素管表面の異物をより確実に除去することができる。
このようにアルミニウム素管(10)の外表面における異物を確実に除去できるため、このアルミニウム素管(10)に対し引抜工程を行った際に、傷や突起などの表面欠陥のない高品質のアルミニウム管を製造することができる。その上さらにそのアルミニウム管の表面に、感光体層を形成して得られた感光ドラムは、リークなどによる画像欠陥が生じることがなく、高い品質を得ることができる。なお、得られた感光ドラム基体用アルミニウム管は、所定の長さに切断され、必要に応じて所定の端面処理を施されて、品質良好な感光ドラム基体となる。
また本実施形態においては、引抜工程前にアルミニウム素管(10)の表面を拭き取るだけのものであるため、たとえば従来のように、引抜工程後に、切削、研磨などの機械加工によって表面全域を一様に改質するような非効率な表面改質処理を行う必要がなく、効率良く簡単に実行できて、コストの削減を図ることができる。
また本実施形態においては、アルミニウム素管表面の異物を除去する際に、素管表面を拭き取るだけのものであるため、従来のように、管表面を切削、研磨する場合と比較して、管径の変化がなく、寸法管理を容易に行えて、より高い品質を得ることができる。
ここで本実施形態の拭き取り装置(1)における拭き取り処理において、アルミニウム素管(10)の外周面に架け渡された拭き取り部材(70)の張力(テンション)は、拭き取り部材(70)のアルミニウム素管表面に対する接触圧力に応じて調整するのが良い。すなわち本実施形態において、拭き取り部材(70)のアルミニウム素管表面に対する接触圧力は、0.01〜5N/cm2 、好ましくは0.5〜5N/cm2 、より好ましくは1〜5N/cm2 に設定するのが良い。このように拭き取り部材(70)をアルミニウム素管(10)の表面に適度な圧力で接触させることにより、アルミニウム素管(10)の表面を効果的に拭き取ることができる。換言すれば、拭き取り部材(70)の接触圧力(張力)が大き過ぎる場合には、アルミニウム素管(10)の表面に傷が付いてしまったり、拭き取り部材(70)が張力によって引きちぎれてしまうおそれがあり、好ましくない。逆に拭き取り部材(70)の接触圧力(張力)が小さ過ぎる場合には、素管表面に付着したアルミニウムカスなどの異物を確実に拭き取ることができないおそれがあり、好ましくない。
また本実施形態においては、帯状の拭き取り部材(70)としては、幅が30〜500mm、好ましくは60〜150mmのものを用いるのが良い。すなわちこの拭き取り部材(70)の幅が上記特定の範囲内に調整した場合には、アルミニウム素管(10)の外表面全域を効率良く拭き取ることができる。換言すれば、拭き取り部材(70)の幅が狭過ぎる場合には、拭き取り部材(70)により一度に拭き取る幅(領域)が狭く、アルミニウム素管(10)の外表面全域を効率良く拭き取ることが困難になるおそれがある。逆に拭き取り部材幅が広過ぎる場合には、拭き取り部材(70)をその幅方向全域を均等な圧力でアルミニウム素管(10)表面に接触させることが困難になり、アルミニウムカスなどの異物を確実に拭き取ることが困難になるおそれがある。
さらにアルミニウム素管(10)に対し、両拭き取り部材(70)のうち一方側の拭き取り部材(70)の長さ方向の接触長さは、アルミニウム素管(10)の1/6〜1/2周に設定するのが良く、好ましくは1/4〜1/3周に設定するのが良い。すなわちこの長さが短過ぎたり長過ぎたりする場合には、拭き取り部材(70)のアルミニウム素管(10)に対する接触圧のコントロールが困難になり、アルミニウム素管(10)の表面を効率良く拭き取ることが困難になるおそれがある。
さらに拭き取り部材(70)の供給ロール(7)からの送り出し速度および回収ロール(8)への巻取速度は、0.1〜20cm/分、好ましくは5〜12cm/分に調整するのが良い。すなわちこの範囲内に調整する場合には、拭き取り部材(70)を安定状態で効率良く供給することができる。
またアルミニウム素管(10)の回転速度は、10〜1000回/分(rpm)、好ましくは300〜700回/分に調整するのが良い。この回転速度を上記の特定範囲内に調整する場合には、アルミニウム素管(10)の外表面を効率良く確実に拭き取ることができる。つまり回転速度が遅過ぎる場合には、拭き取りに必要な時間が長くなり、拭き取り効率の低下を来すおそれがあり、好ましくない。逆に速過ぎる場合には、拭き取りむらが生じて、アルミニウム素管(10)の外表面を均等にバランス良く拭き取るのが困難になり、異物を確実に除去できないおそれがあり、好ましくない。
さらに拭き取りヘッドユニット(5)のアルミニウム素管(10)に対する軸心方向の移動速度は60〜5000cm/分、好ましくは1000〜3000cm/分に調整するのが良い。すなわちこの速度を上記特定範囲内に調整する場合には、アルミニウム素管(10)の外表面を効率良く確実に拭き取ることができる。換言すれば、この速度が遅過ぎる場合には、拭き取りに必要な時間が長くなり、拭き取り効率の低下を来すおそれがあり、好ましくない。逆に速過ぎる場合には、拭き取りむらが生じて、アルミニウム素管(10)の外表面を均等にバランス良く拭き取るのが困難になり、異物を確実に除去できないおそれがあり、好ましくない。
また、本実施形態において引抜加工は、1段もしくは2段で行い、面積減少率は10%以上に調整される。さらに引抜速度は、特に限定されるものではないが、好ましくは5〜50m/分に調整するのが良い。
図7〜9はこの発明の変形例としての拭き取り装置(1)を示す図である。これらの図に示すように、この拭き取り装置(1)は、上記実施形態と同様に、基台(2)と、その基台(2)上における前後に設けられた一対のチャックユニット(3)(4)と、を備えている。さらに基台(2)の中間部には、第1および第2拭き取りヘッドユニット(5a)(5b)が設けられている。
第1拭き取りユニット(5a)は、上記実施形態の拭き取りユニット(5)と同様の構成を有している。すなわちビーム(21)にブラケット(51)を介して一対の支持ケース(50)(50)が設けられ、一方側の支持ケース(50)に第1供給ロール(7a)が設けられるとともに、他方側の支持ケース(50)に第1回収ロール(8a)が設けられている。そして、第1供給ロール(7a)から巻き出された第1拭き取り部材(70a)がアルミニウム素管(10)の上方側を通って第1回収ロール(8a)に巻き取られるよう構成されている。
また第2拭き取りヘッドユニット(5b)は、上記第1拭き取りヘッドユニット(5a)に対しアルミニウム素管(10)の軸心方向(前後方向)に並んで配置されており、上記と同様、基台(2)のビーム(21)にブラケット(51)を介して前後走行自在に設けられた一対の支持ケース(50)(50)を有している。
各支持ケース(50)(50)には、第2供給ロール(7b)および第2回収ロール(8b)がそれぞれ設けられている。すなわち第2供給ロール(7b)は、左側(他方側)の支持ケース(50)内において、アルミニウム素管(10)に対して、左側の上方に配置された状態で回転自在に取り付けられるとともに、第2回収ロール(8b)は、右側(一方側)の支持ケース(50)内において、アルミニウム管(10)に対して、右側の上方に配置された状態で回転自在に取り付けられている。
そして第2供給ロール(7b)から巻き出された第2拭き取り部材(70b)は、アルミニウム素管(10)の下方側に通過されて、第2回収ロール(8b)に巻き取られるように配置される。
これにより上記第1拭き取り部材(70a)は、アルミニウム素管(10)の上方側(一方側)に掛け渡された状態に配置されるとともに、第2拭き取り部材(70b)は、アルミニウム素管(10)の下方側(他方側)に掛け渡された状態に配置される。
また、第1および第2拭き取りヘッドユニット(5a)(5b)は、互いに同期してアルミニウム素管(10)の軸心方向に走行移動できるように構成されている。なお、第1および第2拭き取りヘッドユニット(5a)(5b)は、互いに連結固定されていても良く、さらに互いに独立して移動できるように構成しても良い。
この変形例の拭き取り装置(1)においては、アルミニウム素管(10)を軸心回り回転させるとともに、第1および第2拭き取りヘッドユニット(5a)(5b)をアルミニウム素管(10)の長さ方向(前後方向)に沿って移動させる。さらにそれに並行させて、第1および第2供給ロール(7a)(7b)と、第1および第2回収ロール(8a)(8b)とをそれぞれ回転駆動させて、第1および第2拭き取り部材(70a)(70b)の供給および回収を行う。
これにより第1および第2拭き取り部材(70a)(70b)がアルミニウム素管(10)の外周面を2重螺旋状に移動していき、両拭き取り部材(70a)(70b)によってアルミニウム素管(10)の外周面全域がむらなく拭き取られる。さらにこの拭き取り時には、拭き取り部材(70a)(70b)が両供給ロール(7a)(7b)から連続的に供給されて、常に新たな(未使用の)拭き取り部材(70a)(70b)によって、アルミニウム素管表面が拭き取られる。
この変形例の拭き取り装置によっても、上記実施形態の拭き取り装置と同様に、押出加工時などにアルミニウム素管表面に付着した有害なアルミニウムカスなどの異物を確実に拭き取ることができる。しかもこの変形例の拭き取り装置においては、2つの拭き取り部材(70a)(70b)によって、アルミニウム素管(10)の上下両側を同時に拭き取るようにしているため、より一層効率良く、アルミニウムカスなどの異物を除去することができる。
なおこの変形例においては、2つの拭き取り部材(70a)(70b)によって、アルミニウム素管(10)の上下両側を拭き取るように構成しているが、それだけに限られず本発明においては、2つの拭き取り部材によって、アルミニウム素管(10)の左右両側を拭き取るように構成しても良い。
さらに上記実施形態などにおいては、拭き取り部材を1本または2本用いる場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、拭き取り部材を3本以上用いて、アルミニウム素管(10)の外表面を拭き取るように構成しても良い。
また上記実施形態などにおいては、拭き取り部材(拭き取りヘッドユニット)をアルミニウム素管に対し軸心方向に沿って移動させて、拭き取り動作を行うように構成しているが、それだけに限られず、本発明においては、拭き取り部材(拭き取りヘッドユニット)に対し、アルミニウム素管を軸心方向に移動させたり、あるいは拭き取り部材およびアルミニウム素管をともに、軸心方向に移動させて、拭き取り動作を行うようにしても良い。
この発明の実施形態であるアルミニウム管の製造手順を示す工程図である。 上記実施形態である製造方法に適用された拭き取り装置を示す斜視図である。 上記実拭き取り装置の拭き取りヘッドユニット周辺を示す正面図である。 上記拭き取りヘッドユニットの主要部を示す正面図である。 上記拭き取り装置の主要構成部を概略的に示す平面図である。 上記拭き取り装置に適用された供給ロールを示す斜視図である。 この発明の変形例である拭き取り装置を示す斜視図である。 上記変形例の拭き取り装置における第2拭き取りヘッドユニット周辺を示す正面図である。 上記変形例の拭き取り装置におけるヘッドユニットの主要部を示す正面図である。
符号の説明
1…拭き取り装置
5,5a,5b…拭き取りヘッドユニット(掛け渡し装置)
7,7a,7b…供給ロール(拭き取り部材供給手段)
70,70a,70b…拭き取り部材
8,8a,8b…回収ロール(拭き取り部材回収手段)
10…アルミニウム素管

Claims (21)

  1. アルミニウム素管を得る押出工程と、アルミニウム素管の外周面を拭き取る拭き取り工程と、拭き取り工程後のアルミニウム素管を引抜加工する引抜工程と、を含み、
    拭き取り工程においては、帯状の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給して回収しつつ、アルミニウム素管を軸心回りに回転させることにより、アルミニウム素管の外周面を前記拭き取り部材によって拭き取るようにしたことを特徴とするアルミニウム管の製造方法。
  2. 前記拭き取り部材は、拭き取り部材が巻回された供給ロールから送り出されて、アルミニウム素管に供給されるよう構成される請求項1に記載のアルミニウム管の製造方法。
  3. 前記拭き取り部材は、回収ロールに巻き取られることによって回収されるよう構成される請求項1または2に記載のアルミニウム管の製造方法。
  4. 前記拭き取り部材のアルミニウム素管表面に対する接触圧力を、0.01〜5N/cmに設定するようにした請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム管の製造方法。
  5. 前記拭き取り部材として、幅が30〜500mmのものを用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
  6. 前記拭き取り部材の供給速度(送り出し速度)を0.1〜20cm/分に設定するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
  7. 拭き取り工程において、拭き取り動作中のアルミニウム素管における軸心回りの回転速度を、10〜1000回/分に設定するようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
  8. 拭き取り工程においては、拭き取り動作中にアルミニウム素管を前記拭き取り部材に対し軸心方向に相対的に移動させるようにした請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
  9. 拭き取り工程においては、前記拭き取り部材を軸心方向に移動させずにアルミニウム素管を軸心方向に移動させるようにした請求項8に記載のアルミニウム管の製造方法。
  10. 前記拭き取り部材におけるアルミニウム素管に対し軸心方向の移動速度を60〜5000cm/分に設定した請求項8または9に記載のアルミニウム管の製造方法。
  11. 前記拭き取り部材は、極細繊維製織布および極細繊維製不織布のうち少なくともいずれか一方によって構成される請求項1〜10のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
  12. 拭き取り工程において、拭き取り動作中に前記拭き取り部材の供給および回収を連続して行うようにした請求項1〜11に記載のアルミニウム管の製造方法。
  13. 拭き取り工程においては、帯状の他の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における他方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給して回収するようにした請求項1〜12のいずれか1項に記載のアルミニウム管の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法によってアルミニウム管を得る工程と、
    アルミニウム管の表面に感光体層を設ける工程と、を含むことを特徴とする感光ドラムの製造方法。
  15. 押出工程によって得られたアルミニウム素管を引抜加工する前に、アルミニウム素管の外周面を拭き取るようにしたアルミニウム素管表面の拭き取り方法であって、
    帯状の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給して回収しつつ、アルミニウム素管を軸心回りに回転させることにより、アルミニウム素管の外周面を前記拭き取り部材によって拭き取るようにしたことを特徴とするアルミニウム素管表面の拭き取り方法。
  16. 押出工程によって得られたアルミニウム素管を引抜加工する前に、アルミニウム素管の外周面を拭き取るようにしたアルミニウム素管表面の拭き取り装置であって、
    帯状の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給可能な拭き取り部材供給手段と、
    アルミニウム素管表面に供給された前記拭き取り部材を回収可能な拭き取り部材回収手段と、
    アルミニウム素管を前記拭き取り部材に対し軸心回りに回転させるための軸回り回転手段、を備えたことを特徴とするアルミニウム素管表面の拭き取り装置。
  17. 前記拭き取り部材供給手段は、前記拭き取り部材が巻回された供給ロールによって構成され、
    その供給ロールから前記拭き取り部材が送り出されてアルミニウム素管表面に供給されるよう構成される請求項16に記載のアルミニウム素管表面の拭き取り装置。
  18. 前記拭き取り部材回収手段は、アルミニウム素管表面に供給された拭き取り部材を巻き取って回収する回収ロールによって構成される請求項16または17に記載のアルミニウム素管表面の拭き取り装置。
  19. 前記拭き取り部材をアルミニウム素管外周面に掛け渡した状態で、その拭き取り部材を、アルミニウム素管の軸心方向に沿って相対的に移動させるための軸方向移動手段を、さらに備えた請求項16〜18のいずれか1項に記載のアルミニウム素管表面の拭き取り装置。
  20. 押出工程によって得られたアルミニウム素管を引抜加工する前に、アルミニウム素管の外周面を拭き取るようにしたアルミニウム素管表面の拭き取り装置であって、
    帯状の第1拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給可能な第1拭き取り部材供給手段と、
    アルミニウム素管表面に供給された前記第1拭き取り部材を回収可能な第1拭き取り部材回収手段と、
    帯状の第2拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における他側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給可能な第2拭き取り部材供給手段と、
    アルミニウム素管表面に供給された前記第2拭き取り部材を回収可能な第2拭き取り部材回収手段と、
    アルミニウム素管を前記拭き取り部材に対し軸心回りに回転させるための軸回り回転手段、を備えたことを特徴とするアルミニウム素管表面の拭き取り装置。
  21. 押出工程によって得られたアルミニウム素管を引抜加工する前に、アルミニウム素管の外周面を拭き取り部材によって拭き取るに際して、拭き取り部材をアルミニウム素管の表面に掛け渡すための掛け渡し装置であって、
    帯状の拭き取り部材をアルミニウム素管の外周面における一方側に掛け渡した状態で、その拭き取り部材をアルミニウム素管表面に対し供給可能な拭き取り部材供給手段と、
    アルミニウム素管表面に供給された前記拭き取り部材を回収可能な拭き取り部材回収手段と、を備えたことを特徴とする拭き取り部材の掛け渡し装置。
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