JP4858600B2 - 操舵伝達比可変装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばVGRS(Variable Gear Ratio Steering)等の操舵伝達比可変装置を制御する、操舵伝達比可変装置の制御装置の技術分野に関する。
操舵伝達比可変装置において、操舵入力軸と操舵出力軸との相対回転を抑制するためのロック機構を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された伝達比可変操舵装置によれば、操舵角速度とロック操舵角速度とに基づいて、メカストッパに起因するエンド当たり音と、ロック機構のロック音とを略同時に発生させることにより、ロック機構のロック音が運転者に知覚されることを防止可能であるとされている。
尚、VGRSがロック状態にある場合に、検出トルクの大きさに応じて電流の制限値を決定するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−068782号公報 特開2009−166598号公報
上記特許文献1に開示される技術思想の下では、ロック機構のロック完了タイミングが、転舵輪の舵角が操舵機構の物理構成上定まる舵角エンドに到達するタイミング(即ち、エンド当たりタイミング)と略等しくなる。
ここで、舵角エンドにおいて操舵機構は相応に高い物理的剛性を有するから、例えば、舵角エンド或いはその近傍の舵角領域において運転者がステアリングホイル等の操舵入力手段を切り増し方向に操作した場合等には、操舵負荷としての操舵トルクは急激に増大する。
一方、操舵伝達比可変装置は、モータを含むアクチュエータにより操舵入力軸と操舵出力軸とを相対回転させる構成を採るが、相対回転の性質上、舵角エンドにおいて操舵出力軸がそれ以上回転不能であるにもかかわらず操舵入力軸に操舵トルクが与えられた場合には、当該モータが回転させられることがある。
その際、舵角エンド近傍の舵角領域では、上述のように操舵トルクが急激に増大するから、モータの回転速度は過渡的であれ過度に上昇し易い。とりわけ、モータの回転速度を減速機構により適宜減速して操舵出力軸に伝達する構成においては、操舵トルクは、減速機構のギア比に応じた増速を伴ってモータに伝達されることになる。
従って、特許文献1に開示される装置構成においては、ロック機構により、操舵伝達比可変装置を、当該相対回転が抑制されるロック状態へ移行させるにあたって、モータが過剰に増速する可能性がある。ロック機構は、一般的に係合部材同士の係合作用によりロック状態を実現するものが多く、舵角エンド又は舵角エンド近傍の舵角領域でロック状態への移行を行うこの種の装置構成においては、非ロック状態からロック状態への移行期間において、ロック機構に加わる負荷が大きくなる可能性がある。
また、特許文献1に開示される装置を含む旧来の装置構成においては、ロック状態への移行に際して操舵負荷の変化は考慮されておらず、ロック状態への移行に際してモータは所謂保持トルクを供給するのみであることが多い。従って、舵角エンド又は舵角エンド近傍の舵角領域に限らずとも、ロック状態への移行期間中に操舵負荷が増加側又は減少側に過度に変化した場合には、操舵負荷と保持トルクとの均衡が崩れ、モータが増速することとなって、同様にロック機構に加わる負荷が大きくなる可能性がある。
一方、このような大きい負荷に対する信頼性を確保しようとすると、コストや搭載性の面で問題がある。
このように、特許文献1に開示される技術思想には、ロック機構に加わる負荷が大きくなり易いという技術的問題点がある。これは、特許文献2に開示される装置とて同様である。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ロック機構に加わる負荷を低減することが可能な操舵伝達比可変装置の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る第1の操舵伝達比可変装置の制御装置は、転舵輪に連結された操舵出力軸及び該操舵出力軸に操舵入力を与える操舵入力軸のうち一方に対し、前記操舵入力軸と前記操舵出力軸との相対回転を促す駆動力を付与可能なモータと、該モータを駆動するモータ駆動手段と、前記相対回転を抑制可能なロック手段とを備えた操舵伝達比可変装置を制御する装置であって、前記相対回転が抑制されない非ロック状態から前記相対回転が抑制されるロック状態へと前記操舵伝達比可変装置の状態が移行するロック制御期間において、前記モータの駆動電圧を規定し且つ前記モータの回転速度を減速させる方向へ作用するダンピングゲインを、前記非ロック状態に対応する基準値よりも大きく設定する設定手段と、該設定されたダンピングゲインに基づいて前記モータの駆動電圧を決定する決定手段と、前記モータに対し前記決定された駆動電圧が供給されるように前記モータ駆動手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る操舵伝達比可変装置は、例えばラックアンドピニオン式やボールナット式等各種様式に準じた各種操舵機構を適宜介して転舵輪に連結される操舵出力軸と、例えばステアリングホイル等の各種操舵入力手段に連結される操舵入力軸との相対回転を可能とする装置である。係る相対回転によって、操舵角と転舵角との比である操舵伝達比は、段階的に或いは連続的に可変とされ得る。尚、操舵角とは、操舵入力軸の回転角と相関し、転舵角とは転舵輪の舵角であって、操舵出力軸の回転角と相関する。
操舵伝達比可変装置の詳細な物理的又は電気的構成は、上記概念が担保される限りにおいて限定されない。例えば、操舵伝達比可変装置は、モータと操舵出力軸との間の動力伝達経路に、各種ギア機構、減速機構或いは差動機構等を備えたものであってもよい。
本発明に係る操舵伝達比可変装置には、上述の相対回転を促す駆動力を付与するモータ及びその駆動装置たるモータ駆動手段に加え、ロック手段が備わる。
本発明に係るロック手段とは、操舵伝達比の可変制御を可能とする上述の相対回転を選択的に抑制可能な手段である。この際、操舵伝達比可変装置をロック状態とするためのロック手段の仕組みは、ロック効果が担保される限りにおいて限定されない。
例えば、ロック手段は、好適な一形態として、一方が操舵入力軸に、また他方が操舵出力軸に、夫々直接的又は間接的に固定された、例えばロックホルダ及びロックレバー等からなる一対の係合要素を備え、これらが物理的に係合する(例えば、ロックホルダ外周に形成された凹部にロックレバーが嵌まり込む)ことにより、当該相対回転を抑制する仕組みを有していてもよい。
尚、ここで言う「抑制」とは、狭義において「禁止」を意味するが、広義においては、非ロック状態に対して著しく或いは幾らかなり相対回転を阻害することを含む趣旨である。これ以降適宜、操舵伝達比可変装置において当該相対回転が抑制された状態をロック状態、抑制されない状態を非ロック状態と夫々称することとする。
本発明に係る操舵伝達比可変装置の制御装置は、このような操舵伝達比可変装置を制御する装置であって、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ECU(Electronic Controlled Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ等の実践的態様を採り得る。尚、これらには必要に応じて更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等が内蔵又は付帯されていてもよい。
本発明の第1の操舵伝達比可変装置の制御装置(これ以降適宜「第1の制御装置」と略称する)によれば、操舵伝達比可変装置が非ロック状態からロック状態へ移行する期間としてのロック制御期間において、モータの駆動電圧を規定するダンピングゲインが、非ロック状態におけるそれに較べて大きく設定される。決定手段は、この設定されたダンピングゲインに基づいてモータの駆動電圧を決定し、制御手段は、この決定された駆動電圧がモータに供給されるようにモータ駆動手段を制御する。
尚、「設定されたダンピングゲインに基づいて」の趣旨として、決定手段は、必ずしも設定されたダンピングゲインのみを参照してモータの駆動電圧を決定する必要はない。むしろ、ダンピングゲインは、好適には、駆動電圧を規定する複数の制御項の一部(後述するように、ダンピング項である)に対して影響を与えるものであってよい。
ここで、「ダンピングゲイン」とは、例えばモータの位置(回転角)制御や速度(回転角の微分値)制御に係るフィードバック(F/B)制御又はフィードフォワード(F/F)制御等の各種制御則に沿って決定される、モータ駆動電圧を規定する各種制御項のうち、ダンピング項を規定する係数である。
ダンピング項は、それ自体はモータ速度の減衰を招来する制御項であるため、ダンピングゲインが非ロック状態におけるそれに対し大きく設定され、決定手段及び制御手段に係る実制御に供されることによって、ロック制御期間において少なくともモータの速度上昇は緩和される。また、理想的にはモータ速度が低下する。特に、ダンピングゲインが十分に大きく設定されれば、ロック制御期間においてモータを実質的な停止状態又はそれに近い状態とすることもまた可能となる。
尚、本発明において、ロック制御期間以外の通常制御期間におけるモータの駆動制御態様は、公知非公知を問わず限定されない。例えば、好適な一形態として、モータは、通常制御期間において、目標位置と現在位置との偏差たる位置偏差に基づいた位置F/B制御を主たる制御則として駆動制御されてもよい。この場合、位置偏差に対するゲインとしての定常ゲインにより、駆動電圧を規定する制御項の一部としての定常項が決定され、モータの駆動電圧は、この定常項を主要素として決定されてもよい。
一方で、ロック制御期間において、これら通常制御期間における制御則は、維持されてもよいし、一時的に中断されてもよいし、経時的に他の制御則に切り替えられてもよい。いずれにせよ、ダンピングゲインを大とすることによって、モータの速度上昇を抑制することが可能である。
尚、ロック状態への移行条件は、公知のものを含め各種あり、一概には規定されないが、舵角の観点から見れば、舵角が舵角エンド又はその近傍の舵角領域にあること等が妥当であり、その場合、既に述べたような舵角エンドにおける過剰な操舵入力に対するモータ保護の観点から、ロック制御期間における定常ゲインは、減少側で徐変されてもよい。
翻って、ロック手段が如何なる物理作用の下に相対回転を抑制するとしても、ロック完了時点においてロック手段に加わる物理的衝撃は、モータの回転速度と相関し得る。従って、ロック制御期間において上述したようにモータの速度上昇を抑制し、モータを停止状態又は略停止状態(ここで言う「略停止状態」とは、即ち、ロック完了時点に係合要素に加わる物理衝撃が許容範囲に収まり得る程度の回転状態を意味する)に維持し得る、本発明に係る第1の制御装置によれば、操舵伝達比可変装置がロック状態に移行するに際してロック手段に大きな衝撃が加わることを好適に防止可能である。即ち、本発明に係る第1の制御装置によれば、ロック機構に加わる負荷を小さくすることが可能となるのである。
尚、本発明に係る「ロック制御期間」とは、時系列上で厳密に規定される期間である必要はなく、相応に高い自由度を有するものである。但し、ロック手段に加わる負荷をより確実に低減する観点から言えば、好適には、ロック完了時点(例えば、係合要素同士が完全に嵌合した時点)を含む期間であるのが望ましい。また、設定手段に係るダンピングゲインの設定動作が、少なくともロック完了時点よりも前の時点で開始されることは言うまでもない。
補足すると、ロック手段が、ロックホルダの外周部にロックレバーを係合させる構成を採る場合、ロックの有無は、ロックレバーに対する電磁力の供給の有無のみにより規定されることがある。このような場合、厳密にはロック状態への移行が完了したか否かは実状態として把握されないこともある。このような場合のロック制御期間とは、ロック条件が満たされた時点又は電磁力の供給が停止された時点から、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいてロックレバーが確実にロックホルダに挿入されたとみなし得る時間が経過した時点までの期間であってもよい。
また、「ロック制御期間」とは、転舵輪の舵角が、操舵機構の物理的な動作限界である舵角エンド或いはその近傍に到達する時点を含むものであってもよいが、設定手段に係るダンピングゲインの設定動作は、少なくとも転舵輪の舵角が舵角エンド或いはその近傍に到達する時点よりも前の時点で開始されるのが望ましい。
即ち、本発明の第1の制御装置は、操舵負荷の変化に起因するモータ速度の上昇を抑制した状態において操舵伝達比可変装置をロック状態に移行させる旨の技術思想を、駆動電圧を規定するダンピング項を他の制御項に対し優越させることによって実現したものである。
従って、係る技術思想を具現化し得る限りにおいて、設定手段は、如何なる時点でダンピングゲインの補正(増大側で設定することを意味する)を開始し、また如何なる時点でダンピングゲインの補正を終了してもよい。
また、「ダンピングゲイン」と言っても、その実践的意味合い(端的には、制御ループ上での当該ゲインの挿入位置)は、制御系の仕組みに応じて多様であり、それらを事細かに限定することもまた、本発明の第1の制御装置に係る技術的本質から乖離するものである。
また、上述した課題を解決するため、本発明に係る第2の操舵伝達比可変装置の制御装置は、転舵輪に連結された操舵出力軸及び該操舵出力軸に操舵入力を与える操舵入力軸のうち一方に対し、前記操舵入力軸と前記操舵出力軸との相対回転を促す駆動力を付与可能なモータと、該モータを駆動するモータ駆動手段と、前記相対回転を抑制可能なロック手段とを備えた操舵伝達比可変装置を制御する装置であって、前記操舵入力を規定する操舵負荷を特定する特定手段と、前記相対回転が抑制されない非ロック状態から前記相対回転が抑制されるロック状態へと前記操舵伝達比可変装置の状態が移行するロック制御期間において、前記モータの駆動電圧を規定し且つ前記モータの位置偏差を収束させる方向へ作用する定常ゲインを、前記操舵負荷の増減が夫々大小に対応するように前記特定された操舵負荷に応じて設定する設定手段と、該設定された定常ゲインに基づいて前記モータの駆動電圧を決定する決定手段と、前記モータに対し前記決定された駆動電圧が供給されるように前記モータ駆動手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る第2の操舵伝達比可変装置の制御装置(これ以降適宜「第2の制御装置」と略称する)によれば、特定手段により、例えば操舵トルク等の操舵負荷が特定され、上述のロック制御期間において、この特定された操舵負荷に応じて定常ゲインが設定される。決定手段は、この設定された定常ゲインに基づいてモータの駆動電圧を決定し、また、制御手段は、それに従ってモータ駆動手段を制御する。これらの点については、第1の制御装置と同様の趣旨である。
ここで、「定常ゲイン」とは、例えばモータの位置(回転角)制御や速度(回転角の微分値)制御に係るフィードバック(F/B)制御又はフィードフォワード(F/F)制御等の制御則に沿って決定される、モータ駆動電圧を規定する各種制御項のうち、定常項(比例項)を規定する係数である。
本発明に係る第2の制御装置によれば、この定常ゲインは、操舵負荷が増加傾向にあれば増加され、減少傾向にあれば減少される。この際、設定手段は、特定された操舵負荷を、必ずしも増加傾向又は減少傾向に二値的に分類する必要はない。例えば、特定された操舵負荷と、増加側及び減少側夫々に設けられた閾値との比較により、一種の不感帯領域が形成されてもよい。
一方、操舵負荷が増加傾向にある場合とは、モータ側の視点に立てば、モータが操舵負荷により受動的に動作している、言わば「回されている」場合と等価である。このような状況においては、定常ゲインを増加側に補正することによって、操舵負荷によるモータ速度の上昇を抑制することができる。
他方、操舵負荷が減少傾向にある場合とは、同じくモータ側の視点に立てば、モータが駆動電圧の目標値(目標駆動電圧)に従って加速している場合と等価である。このような状況においては、定常ゲインを減少側に補正することによって、同じく操舵負荷によるモータ速度の上昇を抑制することができる。
このように、本発明の第2の制御装置によれば、操舵負荷の増加及び減少に対し、モータの駆動電圧を夫々増加又は減少させることによって、操舵負荷とモータトルクとの均衡を保ち、操舵負荷によるモータ速度の上昇を抑制することができる。従って、上述した本発明に係る第1の制御装置と同様に、操舵負荷の変化によるモータ速度の上昇によってロック手段に大きな負荷が加わることを好適に防止することが可能となるのである。
即ち、本発明の第2の制御装置は、操舵負荷の変化に起因するモータ速度の上昇を抑制した状態において操舵伝達比可変装置をロック状態に移行させる旨の技術思想を、駆動電圧を規定する定常項を操舵負荷に応じて的確に制御することによって実現したものである。
補足すると、第1の制御装置も第2の制御装置も、操舵伝達比可変装置をロック状態へ移行せしめるにあたって、モータの制御態様を、操舵負荷の変化に対して不安定である位置制御から、操舵負荷の変化に対し比較的ロバストである速度制御へ切り替え、モータ速度の上昇を抑制する点については共通である。
従って、第2の制御装置に係る操舵負荷に応じた定常ゲインの設定は、第1の制御装置に係るダンピングゲインの増大制御と併せて行われてもよい。この場合、実践的には、ロック制御期間において定常ゲインが基本的に減衰側に徐変された上で、操舵負荷に応じた定常ゲインの補正が適宜なされてもよい。
尚、特定手段は、操舵伝達比可変装置に、或いは操舵伝達比可変装置を搭載する車両に、例えば操舵トルクを検出可能なセンサ等の検出手段が備わる場合には、当該検出手段の検出値を取得することにより操舵負荷の特定を行ってもよい。或いは特定手段は、モータ速度、モータ加速度、制御則に従って設定される目標駆動電圧、ピニオン角(舵角と一義的である)、ピニオン角速度或いは舵角速度等の各種代替指標値を利用した数値演算又は論理演算の結果として操舵負荷を特定してもよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 ECUにおけるVGRSアクチュエータの駆動制御ブロック図である。 ECUにより実行されるロック制御のフローチャートである。
以下、適宜図面を参照して本発明の車両の操舵制御装置に係る実施形態について説明する。
<実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、車両10は、転舵輪として左右一対の前輪FL及びFRを備え、これら前輪が転舵することにより所望の方向に進行可能に構成されている。
車両10は、ECU100、VGRSアクチュエータ200、VGRS駆動装置300、EPSアクチュエータ400、EPS駆動装置500及び車速センサ600を備える。
ECU100は、夫々不図示のCPU、ROM及びRAMを備え、車両10の動作全体を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「操舵伝達比可変装置の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するロック制御を実行可能に構成されている。
車両10では、ステアリングホイル11を介してドライバより与えられる操舵負荷が、ステアリングホイル11と同軸回転可能に連結され、ステアリングホイル11と同一方向に回転可能な軸体たるアッパーステアリングシャフト12に伝達される。アッパーステアリングシャフト12は、本発明に係る「操舵入力軸」の一例である。アッパーステアリングシャフト12は、その下流側の端部においてVGRSアクチュエータ200に連結されている。
VGRSアクチュエータ200は、ハウジング201、VGRSモータ202、ロック機構203及び減速機構204を備える。
ハウジング201は、VGRSモータ202、ロック機構203及び減速機構204を収容してなるVGRSアクチュエータ200の筐体である。ハウジング201には、前述したアッパーステアリングシャフト12の下流側の端部が固定されており、ハウジング201は、アッパーステアリングシャフト12と略一体に回転可能である。
VGRSモータ202は、回転子たるロータ202a、固定子たるステータ202b及び駆動力の出力軸たる回転軸202cを有する、本発明に係る「モータ」の一例たるDCブラシレスモータである。ステータ202bは、ハウジング201内部に固定されており、ロータ202aは、ハウジング201内部で回転可能に保持されている。回転軸202cは、ロータ202aと同軸に固定されており、ロータ202aと一体に回転可能であると共に、その下流側の端部が減速機構204に連結されている。
減速機構204は、ハウジング201に固定されたステータギア、ステータギア内で回転可能に保持された可撓性のフレキシブルギア、及びフレキシブルギアと同軸配置されると共にロアステアリングシャフト15に固定されたドリブンギア、並びにVGRSモータ202の回転軸202cに連結された波動発生器からなるギア装置である。減速機構204は、アッパーステアリングシャフト12及びVGRSモータ202の回転を、夫々各ギアのギア比に応じて定まる減速比に従って減速した上でロアステアリングシャフト15に伝達可能に構成されている。一方、ドライバの操舵負荷に応じたアッパーステアリングシャフト12の回転は、ステータギア、フレキシブル及びドリブンギアを順次介した動力伝達経路を経由してロアステアリングシャフト15に伝達される構成となっている。
減速機構204は、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト15とを相対回転させる機能を備える。
より具体的には、上述の構成において、VGRSモータ202のロータ202aが回転すると、その駆動トルクが、波動発生器に動力伝達部材として備わるカムを介して、当該カムと一部で接触するフレキシブルギアに伝達され、フレキシブルギアを回転させる。このフレキシブルギアは、ステータギア内を回転し、同軸関係にあるドリブンギアを更に回転させる。
従って、VGRSアクチュエータ200によれば、アッパーステアリングシャフト12の一回転角に対し、ロアステアリングシャフト15の回転角は一義的とはならず、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト15との相対回転が可能となるのである。
即ち、VGRSアクチュエータ200によれば、VGRSモータ202の位置(回転角)を増減制御することによって、アッパーステアリングシャフト12に対するロアステアリングシャフト15の相対回転角を増減制御することが可能となる。
車両10では、このようにアッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト15とが相対回転可能であることによって、アッパーステアリングシャフト12の回転角たる操舵角MAと、ロアステアリングシャフト15の回転角に応じて一義的に定まる(後述するラックアンドピニオン機構のギア比も関係する)前輪舵角δfとの比たる操舵伝達比Rが、予め定められた範囲で連続的に可変に制御可能となっている。尚、図示しないが、前輪舵角δfは、舵角センサにより検出され、電気的に接続されたECU100により参照可能となっている。
尚、減速機構204は、ここに例示した波動発生器を含んだ構成のみならず、公知の各種態様を有していてもよい。例えば、減速機構は、相互に差動関係にある複数の回転要素を備えた遊星歯車機構であってもよい。この際、各回転要素が、例えば、回転軸202c、ハウジング201及びロアステアリングシャフト15に夫々連結されていてもよい。
尚、図示は省略するが、VGRSモータ202には、回転軸202cの回転角θを検出可能に構成された、例えばロータリーエンコーダ等の回転角センサが付設されている。この回転角センサは、ECU100と電気的に接続されており、検出された回転角θは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ロック機構203は、ロックホルダ203a、ロックレバー203b及びソレノイド203cを備えた、本発明に係る「ロック手段」の一例である。
ロックホルダ203aは、VGRSモータ202のロータ202aに固定され、ロータ202aと一体回転可能な円板状の部材である。ロックホルダ203aの外周部には、周方向に沿って複数の凹部が形成されている。
ロックレバー203bは、VGRSアクチュエータ200のハウジング201に設けられた固定部位に一端部が固定され、且つ当該固定部位を軸支点として回動可能に構成されてなる鍵状の係合部材である。ロックレバー203bの他端部には、ロックホルダ203aの外周部に形成された凹部と嵌合可能な凸部が形成されている。また、ロックレバー203bの当該他端部は、図示せぬスプリングにより、ロックホルダ203aに形成された凹部の方向へ付勢されている。
ソレノイド203cは、ロックレバー203bに対し、上述したスプリングの付勢に打ち勝つ電磁力を付与可能な電磁アクチュエータである。ソレノイド203cから当該電磁力が付与されている状態において、ロックレバー203bは、スプリングの付勢に打ち勝ち、端部に形成された凸部がロックホルダ203aの凹部と係合しない非ロック位置に維持される。
一方、ソレノイド203cからの電磁力の付与が停止すると、ロックレバー203bは、スプリングの付勢によってロックホルダ203a側へ回動し、ロックホルダ203aの回転状態に応じて、最終的にロックホルダ203aに形成された凹部と嵌合するロック位置で停止する。ソレノイド203cは、ECU100と電気的に接続されており、その駆動状態は、ECU100によって制御される構成となっている。
ロックレバー203bがロック位置にある場合、VGRSアクチュエータ200は、VGRSモータ202とアッパーステアリングシャフト12とがロック機構203によって機械的に連結されたロック状態となる。
VGRSアクチュエータ200がロック状態にある場合、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト15とは相対回転不能となり、先に述べた操舵伝達比Rは、一の値に固定される。
VGRS駆動装置300は、VGRSモータ202のステータ202bに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。VGRS駆動装置300は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりVGRSモータ202に駆動電圧Vを供給可能に構成されている。また、VGRS駆動装置300は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。
EPSアクチュエータ400は、VGRSモータ202の下流側においてロアステアリングシャフト15に固定された、永久磁石が付設されてなる回転子たる不図示のロータと、当該ロータを取り囲む固定子であるステータとを備えるDCブラシレスモータを含む装置である。
EPSアクチュエータ400は、後述するピニオンギア16に対しピニオンギア16の回転をアシストする駆動トルクを供給可能に構成された、所謂ピニオンアシスト方式のアクチュエータである。EPSアクチュエータ400は、EPS駆動装置500を介した当該ステータへの通電によりEPSアクチュエータ400内に形成される回転磁界の作用によってロータが回転することにより、その回転方向にアシストトルクTmを発生する構成となっている。
EPS駆動装置500は、EPSアクチュエータ400のステータへの通電により、EPSアクチュエータ400内部に形成される回転磁界の状態を制御可能に構成された電気駆動回路である。EPS駆動装置500は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によりその動作が制御される構成となっている。尚、これ以降の説明では、EPSアクチュエータ400及びEPS駆動装置500を包括する概念として適宜「EPS」なる言葉を使用することとする。
EPSアクチュエータ400によるアシストトルクTmの付与を適宜に受けるロアステアリングシャフト15の回転は、ピニオンギア16及び当該ピニオンギアのギア歯と噛合するギア歯が形成されたラックバー16aを含む操舵機構としてのラックアンドピニオン機構に伝達される。
ラックアンドピニオン機構においては、ロアステアリングシャフト15の下流側端部に接続されたピニオンギア16の回転が、ラックバー17の図中左右方向の運動に変換される。このラックバー17の往復運動は、ラックバー17の下流側端部に連結されたタイロッド及びナックル(符号省略)を介して各転舵輪に伝達される構成となっている。
尚、車両10の操舵方式は、例えばボールナット方式或いはその他の操舵機構に準じる操舵機構が採用されていてもよい。また、ラックアンドピニオン方式の操舵機構であっても、例えば構成要素の種類、形状及び当該構成要素相互間の空間的配置態様等は、少なくとも設置スペース、コスト、耐久性或いは信頼性等に基づいた実質的な制約(そのような制約が存在するとして)の範囲内において如何様にも限定されない。
尚、EPSアクチュエータ400の構成は、運転者の操舵トルクをアシストするパワーステアリング装置の一例に過ぎず、例えばアシストトルクTmは、不図示の減速ギアによる回転速度の減速を伴ってロアステアリングシャフト15に伝達されてもよいし、ロアステアリングシャフト15の回転運動ではなくラックバー17の往復運動をアシストする力として伝達されてもよい。
一方、車両10には、操舵トルクセンサ13、操舵角センサ14及び車速センサ600を含む各種センサが備わっている。
操舵トルクセンサ13は、運転者がステアリングホイル11を介して与える操舵トルクMTを検出可能に構成されたセンサである。より具体的には、アッパーステアリングシャフト12は、上流部と下流部とに分割され、図示せぬトーションバーにより相互に連結された構成を有している。係るトーションバーの上流側及び下流側の両端部には、回転位相差検出用のリングが固定されている。このトーションバーは、車両10の運転者がステアリングホイル11を操作した際にアッパーステアリングシャフト12の上流部を介して伝達される操舵トルクに応じてその回転方向に捩れる構成となっており、係る捩れを生じさせつつ下流部に操舵トルクを伝達可能に構成されている。
従って、操舵トルクの伝達に際して、先に述べた回転位相差検出用のリング相互間には回転位相差が発生する。トルクセンサ13は、係る回転位相差を検出すると共に、係る回転位相差を操舵トルクに換算して操舵トルクMTに対応する電気信号として出力可能に構成されている。また、操舵トルクセンサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵トルクMTは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
操舵角センサ14は、アッパーステアリングシャフト12の回転角である操舵角δstを検出可能に構成されたセンサである。操舵角センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵角δstは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
車速センサ600は、車両10の車速Vhを検出可能なセンサである。車速センサ600は、ECU10と電気的に接続されており、検出された車速Vhは、ECU100により、一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
<実施形態の動作>
以下、適宜図面を参照し、本実施形態の動作について説明する。
<VGRSアクチュエータ200の基本制御>
始めに、図2を参照し、VGRSアクチュエータ200の基本的な制御態様について説明する。ここに、図2は、ECU100におけるVGRSアクチュエータ200の駆動制御ブロック図である。
図2において、ECU100は、減算器101、増幅器102、微分器103、増幅器104、加算器105、減算器106、微分器107及び増幅器108を含んで構成される。
減算器101は、VGRSモータ202の目標位置(目標回転角)θtagと、VGRSモータ202の現在位値(現在回転角)θactとを入力値として受け取り、これらの偏差(θtag−θact)たる位置偏差eを出力値として出力する演算器である。
増幅器102は、入力値である位置偏差eを定常ゲインPで増幅する演算器である。定常ゲインPは、本発明に係る「定常ゲイン」の一例である。増幅器102は、VGRSモータ202の駆動電圧Vのうち位置偏差eに比例する定常項としての定常電圧Vp(Vp=e×P)を出力する構成となっている。尚、通常制御時において、定常ゲインPは、Pbaseに設定されている。
微分器103は、入力値である位置偏差eを時間微分し、時間微分値e’を出力値として出力する演算器である。
増幅器104は、入力値である時間微分値e’をダンピングゲインD1で増幅する演算器である。増幅器104は、VGRSモータ202の駆動電圧Vのうち時間微分値e’に応じたダンピング項としてのダンピング電圧Vd1(Vd1=e’×D1)を出力する構成となっている。
加算器105は、定常電圧Vpとダンピング電圧Vd1とを加算する演算器である。
ここで、ECU100において、減算器101、増幅器102、微分器103、増幅器104及び加算器105は、位置制御ブロック100Aを構成する。位置制御ブロック100Aは、VGRSモータ202の位置(回転角)を目標位置(目標回転角)に収束させるための位置偏差F/Bを実現する制御ブロックであり、加算器105の出力値は、VGRSモータ202の駆動電圧Vを構成する制御項のうち、位置偏差F/Bに対応する位置制御電圧となる。
微分器107は、入力値であるVGRSモータ202の現在位置θactを時間微分し、時間微分値θ’actを出力値として出力する演算器である。尚、時間微分値θ’actとは、即ち、VGRSモータ202の実回転速度に相当する。従って、この時間微分値θ’actを、これ以降適宜「実回転速度θ’act」と称することとする。
増幅器108は、入力値であるVGRSモータ202の実回転速度θ’actをダンピングゲインD2で増幅する演算器である。増幅器108は、VGRSモータ202の駆動電圧Vのうち実回転速度θ’actに応じたダンピング項としてのダンピング電圧Vd2(Vd2=θ’act×D2)を出力する構成となっている。尚、ダンピングゲインD2は、本発明に係る「ダンピングゲイン」の一例である。尚、通常制御時において、ダンピングゲインD2は、D2baseに設定されている。
ここで、ECU100において、減算器107及び増幅器108は、速度制御ブロック100Bを構成する。速度制御ブロック100Bは、VGRSモータ202の回転速度を安定させるための回転速度F/Bを実現する制御ブロックであり、増幅器108の出力値たるダンピング電圧Vd2は、VGRSモータ202の駆動電圧Vを構成する制御項のうち、回転速度F/Bに対応する回転速度制御電圧となる。
減算器106は、上記位置制御電圧から上記回転速度制御電圧を減算する演算器である。減算器106の出力値は、VGRSモータ202の最終的な駆動電圧Vとなり、VGRS駆動装置300を介してVGRSモータ202を駆動する構成となっている。尚、通常制御時において、VGRSモータ202は、主として位置制御ブロック100Aを主たる制御則として駆動制御される。即ち、VGRSモータ202の駆動電圧Vは、定常電圧Vpを支配的要素として決定される。言い換えれば、定常電圧Vpが支配的要素となるように、通常制御時の定常ゲインPbase、ダンピングゲインD1base及びダンピングゲインD2baseの各々が決定されている。
<ロック制御の詳細>
次に、図3を参照し、ECU100が、VGRSアクチュエータ200を非ロック状態からロック状態へ移行させる際に実行するロック制御の詳細について説明する。ここに、図3は、ロック制御のフローチャートである。
尚、このロック制御は、ロック制御の要否を判別する制御ルーチンにおいて、ロック制御が必要である(即ち、ロック条件が満たされた)場合に実行される。ロック制御の要否判別に係る態様は、公知非公知を問わず各種のものが適用可能であるため、ここではその詳細については省略する。尚、ロック制御が開始されると、ECU100は、先に述べたソレノイド203cへの通電を停止する。ソレノイド203cへの通電が停止され、スプリングの付勢力に打ち勝つ電磁力の供給が停止すると、ロック機構203のロックレバー203bは上述の非ロック位置から回動し始める。この際、ロックレバー203bは、必ずしも電磁力の供給停止後即座にロックホルダ203aの凹部と嵌合するとは限らないが、一旦ロックホルダ203aとロックレバー203bとが嵌合すると、ソレノイド203cへの通電が再開されるまでロック状態は維持される。
尚、ロック制御は、例えば、操舵トルクMTが閾値以上である場合や操舵角速度(操舵角MAの時間微分値)が閾値以上である場合等に必要である旨の判別がなされてもよい。或いは、ロック制御は、EPSアクチュエータ400による操舵トルクMTのアシストが停止された場合(元々、VGRSモータ202の体格は、EPSアクチュエータ400によるアシストトルクTmの付与によりVGRSモータ202に加わる負荷が軽減される前提で決定されているため、アシストトルクTmの付与が停止された場合には、操舵時にロアステアリングシャフト15に加わる軸力がVGRSモータ202の最大トルクを超える可能性が高いため)に必要である旨の判別がなされてもよい。
図3において、ロック制御が開始されると、ECU100は、始めに定常電圧Vpの現在値Vp(n)を、駆動電圧の目標値たる目標駆動電圧Vtagの最新値(即ち、一制御タイミング前の値である)Vtag(n−1)にラッチする(ステップS101)。
定常電圧Vp(n)がラッチされると、ECU100は、操舵トルクMTを取得し、操舵負荷としての操舵トルクMTが低下しているか否かを判別する(ステップS102)。ECU100は、この際、操舵トルクセンサ13を介して取得される操舵トルクMTの変化量が予め設定された基準値(負値)以下である場合に、操舵トルクMTが低下しているものと判別する。
尚、操舵トルクセンサ13は、EPSアクチュエータ400の駆動制御に最適化されたダイナミックレンジを有する等の理由により、その検出値が、必ずしもVGRSアクチュエータ200のロック制御に適さない場合もある。そのような場合、ECU100は、VGRSモータ202の回転速度(即ち、θ’act)、回転加速度(即ち、θ’actの時間微分値である)及びVGRSモータ202の目標駆動電圧Vtag等に基づいた総合的な判断により、操舵負荷としての操舵トルクMTが減少しているか否か(即ち、目標駆動電圧Vtagに応じた駆動制御によりVGRSモータ202が加速状態にあるか否か)の判別を行ってもよい。これら代替指標値に基づいた判別は、VGRSアクチュエータ200の実状態(実現象)に即した判別となるため、検出される操舵トルクMTに基づいた判別よりも高精度である。
操舵トルクMTが低下していると判別された場合(ステップS102:YES)、ECU100は、定常ゲインP(n)を、一制御タイミング前の値P(n−1)から徐変量ΔP1(ΔP1>0)を減じた値に設定する(ステップS103)。尚、ロック制御開始直後の定常ゲインP(n−1)とは、即ち、通常制御時の定常ゲインPbaseである。
一方、操舵トルクMTが低下していない場合(ステップS102:NO)、ECU100は、操舵トルクMTが上昇しているか否かを判別する(ステップS104)。ECU100は、この際、操舵トルクセンサ13を介して取得される操舵トルクMTの変化量が予め設定された基準値(正値)以上である場合に、操舵トルクMTが低下しているものと判別する。
尚、操舵トルクセンサ13は、上述したように、その検出値が、必ずしもVGRSアクチュエータ200のロック制御に適さない場合もある。そのような場合、ECU100は、ピニオンギア16の回転角たるピニオン角又は前輪舵角δfと、当該ピニオン角の時間微分値であるピニオン角速度又は前輪舵角δfの時間微分値である舵角速度と、VGRSモータ202の目標駆動電圧Vtagとに基づいた総合的な判断等により、操舵負荷としての操舵トルクMTが上昇しているか否か(即ち、操舵負荷によりVGRSモータ202が回されているか否か)の判別を行ってもよい。これら代替指標値に基づいた判別は、VGRSアクチュエータ200の実状態(実現象)に即した判別となるため、検出される操舵トルクMTに基づいた判別よりも高精度である。
操舵トルクMTが上昇していると判別された場合(ステップS104:YES)、ECU100は、定常ゲインP(n)を、一制御タイミング前の値P(n−1)に徐変量ΔP2(ΔP2>0)を加算した値に設定する(ステップS105)。尚、ロック制御開始直後の定常ゲインP(n−1)とは、即ち、通常制御時の定常ゲインPbaseである。
一方、操舵トルクMTが上昇していない場合(ステップS104:NO)、即ち、操舵負荷が予め設定される許容範囲内で変化している場合、ECU100は、定常ゲインP(n)を、一制御タイミング前の値P(n−1)から徐変量ΔP3(ΔP1>ΔP3>0)を減算した値に設定する(ステップS106)。尚、ロック制御開始直後の定常ゲインP(n−1)とは、即ち、通常制御時の定常ゲインPbaseである。
ステップS103、ステップS104又はステップS106を実行すると、ECU100は、VGRSアクチュエータ202の駆動電圧Vを規定する定常電圧Vpを下記(1)式に従って算出する(ステップS107)。尚、ステップS107に係る動作は、図2における増幅器102の動作に相当する。
Vp(n)=e×P(n)・・・(1)
ここで、ステップS103が実行されると、定常ゲインPが従前の値から減少するため、位置偏差eが一定であれば定常電圧Vpもまた減少する。その結果、操舵負荷の低下に起因するVGRSモータ202の速度上昇が抑制される。
また、ステップS105が実行されると、定常ゲインPが従前の値から増加するため、位置偏差eが一定であれば定常電圧Vpもまた増加する。その結果、操舵負荷の上昇に起因するVGRSモータ202の速度上昇が抑制される。
即ち、ステップS103及びステップS105は、本発明に係る「定常ゲインを操舵負荷の増減が夫々大小に対応するように操舵負荷に応じて設定する」旨の設定手段(本発明に係る第2の制御装置)の動作の一例である。
このような操舵負荷の大きなな変動が生じる場合を除けば、ステップS106の動作により定常ゲインPはゼロへ向かって徐変され、制御周期毎に定常ゲインPは減少する。従って、ロック制御において、基本的に定常ゲインPは減少傾向を辿ることになり、VGRSモータ202の速度上昇が抑制される。
定常ゲインPの減少は、即ち、駆動電圧Vを決定するにあたっての位置制御ブロック100Aの影響が相対的に低下し、速度制御ブロック100Bの影響が相対的に増大することを意味する。即ち、ステップS106により、ロック制御の実行期間(即ち、本発明に係る「ロック制御期間」の一例である)においては、VGRSモータ202の制御則が位置制御F/Bから速度制御F/Bへと徐々に切り替えられる。
定常電圧Vpが決定されると、ECU100は、速度制御ブロック100Bの増幅器108に係るダンピングゲインD2を、通常制御用のD2base(即ち、本発明に係る「非ロック状態に対応する基準値」の一例である)からロック制御用に設定されたD2lock(D2lock>>D2base)に切り替える(ステップS108)。ステップS108に係る動作は、本発明に係る「ダンピングゲインを、非ロック状態に対応する基準値よりも大きく設定する」旨の設定手段(本発明に係る第1の制御装置)の動作の一例である。
ここで、ロック制御用ダンピングゲインD2lockは、通常制御用ダンピングゲインD2baseに対して十分に大きい値である。ダンピングゲインD2の増加は、駆動電圧Vを決定するにあたっての速度制御ブロック100Bの影響を大きくする側に作用するから、先に述べた定常ゲインPの徐変(ステップS106に係る作用)と合わせ、ロック制御の実行期間中は、速度制御ブロック100Bが支配的な役割を示すことになる。
ロック制御用ダンピングゲインD2lockが設定されると、ECU100は、VGRSアクチュエータ202の駆動電圧Vを規定するダンピング電圧Vdを下記(2)式に従って算出する(ステップS109)。尚、ステップS109に係る動作は、図2における増幅器108の動作に相当する。
Vd(n)=θ’act×D2lock・・・(2)
定常電圧Vpとダンピング電圧Vdとが決定されると、ECU100は、下記(3)式に従って、VGRSアクチュエータ200の目標駆動電圧Vtagを算出する(ステップS110)。尚、ステップS110に係る動作は、図2における減算器106の動作に相当する
Vtag=Vp(n)−Vd(n)・・・(3)
目標駆動電圧Vtagが決定されると、ECU100は、この決定された目標駆動電圧Vtagが得られるようにVGRS駆動装置300を駆動制御し、VGRSアクチュエータ200を駆動する(ステップS111)。
VGRSアクチュエータ200を駆動すると、ECU100は、ロック機構203によるVGRSアクチュエータ200のロックが完了したか否かを判別する(ステップS112)。
ここで、先に述べたように、本実施形態においては、ロック制御の実行時におけるロック機構203の制御としては、ソレノイド203cの通電が停止されるのみであり、厳密にロックレバー203bとロックホルダ203aとが嵌合したか否かを検出することはできない。
そこで、ECU100は、ロック制御の開始時点から予め実験的に適合された時間が経過した時点においてロック制御を終了する。即ち、ステップS112においては、ロック制御の開始時点においてカウントが開始されたECU100の内蔵タイマ値が、設定値に到達したか否かが判別される。
ロックが完了していない(経過時間が設定値未満である)場合(ステップS112:NO)、ECU10は、処理をステップS102に戻し、一連の処理を繰り返す。ロックが完了した(経過時間が設定値以上である)場合(ステップS112:YES)、ECU100は、ロック制御を終了する。ロック制御は以上のように実行される。
このように、本実施形態に係るロック制御によれば、(1)速度制御ブロック100BのダンピングゲインD2がロック制御用ダンピングゲインD2lockに切り替えられることにより、VGRSモータ202の速度上昇が抑制され、且つ(2)位置制御ブロック100Aの定常ゲインPが徐変量ΔP3で漸減されることにより、ロック制御時のベース特性としてVGRSモータ202の速度上昇が抑制され、更に(3)操舵負荷(本実施形態では操舵トルクMT)の増減に対し定常ゲインを増減補正することにより、操舵負荷の変動に起因するVGRSモータ202の速度上昇が抑制される。
即ち、VGRSモータ202の回転速度のロバスト性が向上し、VGRSモータ202は、少なくともその速度上昇が抑制され、好適にはその速度が低下し、理想的にはその速度がゼロ又はゼロ近傍に維持される。従って、ロックレバー203bがロックホルダ203aの凹部に嵌合する際の物理衝撃が緩和されるのである。
尚、本実施形態では、ステップS106に係る徐変プロセスにより、基本的に定常ゲインPを減少側に推移させているが、上記(1)式を考慮すれば、定常ゲインPを減少させることは、位置偏差eを減少させることと同等な意味合いを有する。従って、ECU100は、定常ゲインPを減少させる代わりに、例えば、目標位置θtagを現在位置θactに置換する等して、位置偏差eを減少させてもよい。
一方、定常電圧Vpが減少すれば、位置制御電圧におけるダンピング電圧Vd1の影響は大きくなる。従って、定常電圧Vpを減少させつつ、併せて位置制御ブロック100AにおけるダンピングゲインD1を増大させれば、VGRSモータ202の速度上昇を抑制する旨の効果を十分に確保することが可能である。
即ち、本発明に係る「ダンピングゲイン」とは、必ずしもダンピングゲインD2のみを意味するものでなく、ダンピングゲインD1であってもよい。補足すれば、本発明は、ロック制御期間内におけるVGRSモータ202の速度上昇を抑制する点に技術的本質を置くものであって、当該速度上昇の抑制をVGRSモータ202の駆動制御系の如何なるダンピングゲイン(或いは、ダンピングゲインと同等の作用を有する他のゲイン)によって実現するかは、当該駆動制御系の実践的態様に応じて多種多様に存在し得るのである。
尚、本実施形態に係るロック制御においては、操舵負荷に応じて定常ゲインPを設定する旨の特徴的技術事項(本発明に係る第2の制御装置に係る技術事項)と、ダンピングゲインD2(或いは、上述したようにD1であってもよい)を通常制御時の基準値と較べて十分に大きく設定する旨の特徴的技術事項(本発明に係る第1の制御装置に係る技術事項)の双方が含まれており、VGRSモータ202の速度上昇を極めて良好に抑制可能となっている。
但し、これら技術事項は、夫々単独で用いられたとしても、VGRSモータ202の速度上昇抑制に係る実践上十分な効果が得られることは言うまでもない。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う操舵伝達比可変装置の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、操舵伝達比を可変に制御可能な、例えばVGRS等の操舵伝達比可変装置の制御に利用可能である。
FL、FR…車輪、10…車両、11…ハンドル、12…アッパーステアリングシャフト、13…操舵トルクセンサ、14…操舵角センサ、15…ロアステアリングシャフト、16…ピニオンギア、17…ラックバー、100…ECU、200…VGRSアクチュエータ、201…ハウジング、202…VGRSモータ、202a…ロータ、202b…ステータ、202c…回転軸、203…ロック機構、203a…ロックホルダ、203b…ロックレバー、203c…ソレノイド、204…減速機構、300…VGRS駆動装置、400…EPSモータ、500…EPS駆動装置。

Claims (2)

  1. 転舵輪に連結された操舵出力軸及び該操舵出力軸に操舵入力を与える操舵入力軸のうち一方に対し、前記操舵入力軸と前記操舵出力軸との相対回転を促す駆動力を付与可能なモータと、
    該モータを駆動するモータ駆動手段と、
    前記相対回転を抑制可能なロック手段と
    を備えた操舵伝達比可変装置を制御する装置であって、
    前記相対回転が抑制されない非ロック状態から前記相対回転が抑制されるロック状態へと前記操舵伝達比可変装置の状態が移行するロック制御期間において、前記モータの駆動電圧を規定し且つ前記モータの回転速度を減速させる方向へ作用するダンピングゲインを、前記非ロック状態に対応する基準値よりも大きく設定する設定手段と、
    該設定されたダンピングゲインに基づいて前記モータの駆動電圧を決定する決定手段と、
    前記モータに対し前記決定された駆動電圧が供給されるように前記モータ駆動手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする操舵伝達比可変装置の制御装置。
  2. 転舵輪に連結された操舵出力軸及び該操舵出力軸に操舵入力を与える操舵入力軸のうち一方に対し、前記操舵入力軸と前記操舵出力軸との相対回転を促す駆動力を付与可能なモータと、
    該モータを駆動するモータ駆動手段と、
    前記相対回転を抑制可能なロック手段と
    を備えた操舵伝達比可変装置を制御する装置であって、
    前記操舵入力を規定する操舵負荷を特定する特定手段と、
    前記相対回転が抑制されない非ロック状態から前記相対回転が抑制されるロック状態へと前記操舵伝達比可変装置の状態が移行するロック制御期間において、前記モータの駆動電圧を規定し且つ前記モータの位置偏差を収束させる方向へ作用する定常ゲインを、前記操舵負荷の増減が夫々大小に対応するように前記特定された操舵負荷に応じて設定する設定手段と、
    該設定された定常ゲインに基づいて前記モータの駆動電圧を決定する決定手段と、
    前記モータに対し前記決定された駆動電圧が供給されるように前記モータ駆動手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする操舵伝達比可変装置の制御装置。
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