JP4855873B2 - 電動パーキングブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
このような電動パーキングブレーキは、運転者が電気的なスイッチによって操作できるから、一般的な手動レバーや足踏ペダルによる操作に対して労力が低減される。
従来、電動パーキングブレーキは、アクチュエータに通電される電流の上限値を設定し、アクチュエータの駆動中に電流が上限値に達した場合に電力供給を停止するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
本発明の課題は、低温下においてもアクチュエータの駆動制御を適切に行う電動パーキングブレーキ制御装置を提供することである。
請求項1の発明は、排気系の近傍に配置されパーキングブレーキを駆動する電動アクチュエータを制御する電動パーキングブレーキ制御装置において、前記電動アクチュエータに電力を供給するとともに、前記電動アクチュエータに通電される電流が設定電流値に達した際に前記電力の供給を停止する電力供給部と、外気温及び排気温度に基づいて前記電動アクチュエータにおける雰囲気温度に相関するパラメータを検出する雰囲気温度検出部と、前記雰囲気温度検出部の出力に基づいて、前記電力供給部における前記設定電流値を変更する設定電流値変更部とを備えることを特徴とする電動パーキングブレーキ制御装置である。
請求項2の発明は、エンジンルームに配置されパーキングブレーキを駆動する電動アクチュエータを制御する電動パーキングブレーキ制御装置において、前記電動アクチュエータに電力を供給するとともに、前記電動アクチュエータに通電される電流が設定電流値に達した際に前記電力の供給を停止する電力供給部と、外気温及びエンジン冷却水の水温に基づいて前記電動アクチュエータにおける雰囲気温度に相関するパラメータを検出する雰囲気温度検出部と、前記雰囲気温度検出部の出力に基づいて、前記電力供給部における前記設定電流値を変更する設定電流値変更部とを備えることを特徴とする電動パーキングブレーキ制御装置である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の電動パーキングブレーキ制御装置において、前記設定電流値変更部は、前記雰囲気温度に相関するパラメータが所定の低温条件を充足した場合に、前記設定電流値を前記雰囲気温度に相関するパラメータに基づいて設定することを特徴とする電動パーキングブレーキ制御装置である。
図1は、実施例の電動パーキングブレーキ装置の構成を示すブロック図である。
電動パーキングブレーキ装置は、パーキングブレーキ10、アクチュエータユニット20、バッテリ30、コントローラ40、操作スイッチ50、車両側ユニット60、警告灯70を備えている。
アクチュエータユニット20は、例えばDCモータの回転力を減速ギア列によって減速してリードスクリュを回転させ、このリードスクリュにネジ結合されたイコライザによってパーキングブレーキケーブル21を牽引し又は弛緩させるものである。
プラス端子31は、コントローラ40等の各電装品に配線(ハーネス)を介して接続されている。このプラス端子31からコントローラ40に電力を供給する配線は、図1に示すように、イグニッション配線31a、常時接続配線31bが設けられている。イグニッション配線31aは、その中間部にイグニッションスイッチのオンオフと連動して導通、遮断が切換えられるイグニッションリレーIが挿入され、車両の走行用動力源であるエンジンのオン(ラン)時に通電されるものである。また、常時接続配線31bは、イグニッションスイッチの操作に関わらず、常時通電され、コントローラ40のECU41等における各種データの保持等に用いられるものである。
また、マイナス端子32は、車両の車体の金属部分に対して接地されている。
また、ECU41は、リレー42を介してアクチュエータユニット20へ供給される電力の電流値を検出する機能を備えている。
さらに、ECU41は、後述するように外気温センサ62及びアクチュエータ温度センサ44の出力に基づいて、アクチュエータユニット20へ通電される電流の閾値である設定電流値を変更する設定電流値変更部としても機能する。
一方、コントローラ40は、車両が走行状態から停車状態へ移行したと判断(停車判定)した場合には、パーキングブレーキ10の制動が必要と判断し、アクチュエータユニット20に駆動電力を供給してパーキングブレーキ10を解除状態から制動状態に移行させる。
図2は、アクチュエータの駆動電流制御を示すフローチャートである。以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:外気温T1判断>
ECU41は、外気温センサ62が検出した車両の外気温T1を所定の設定値Aと比較し、外気温T1が設定値A以下であるときはステップS02に進み、外気温T1が設定値Aより大きいときはステップS05に進む。
ECU41は、外気温T1からアクチュエータ温度センサ44が検出したアクチュエータの雰囲気温度T2を減じた値を所定の設定値Bと比較し、外気温T1−雰囲気温度T2が設定値B以下であるときは、所定の低温条件が充足したものとしてステップS03に進み、外気温T1−雰囲気温度T2が設定値Bより大きいときは、低温条件が充足しないものとしてステップS01に戻る。
ECU41は、アクチュエータユニット20の駆動時に、電力供給を終了する閾値となる設定電流値(電流値制御閾値)を、外気温T1に基づいて連続的に可変させる設定電流値可変モードを開始する。
この設定電流値可変モードにおいては、例えば、外気温T1の低下に応じて、設定電流値を以下の式1の通りリニアに増加させる制御を行う。
設定電流値=−A×T1+B ・・(式1)
但し、A,Bは所定の定数
そして、アクチュエータユニット20を駆動して、パーキングブレーキ10を解除状態から制動状態へ移行させる際は、リレー42からアクチュエータユニット20に通電しながら電流値をモニタし、現在の電流値が設定電流値に達したときに電力供給を停止し、アクチュエータユニット20の駆動を終了する。
ステップS04に進む。
ECU41は、外気温T1を設定値Aと比較するとともに、外気温T1−雰囲気温度T2を設定値Bと比較し、外気温T1が設定値Aより大きくかつ外気温T1−雰囲気温度T2が設定値Bより大きい場合にはステップS04に進み、その他の場合はステップS01に戻ってそれ以降の処理を繰り返す。
ECU41は、上述した設定電流値を、外気温T1や雰囲気温度T2に関わらず一定の値に設定して一連の処理を終了する。
図3は、電動パーキングブレーキ装置のアクチュエータにおける温度と電流との関係の一例を示すグラフである。
図3において、実施例のように所定の低温条件を充足した場合に設定電流値を温度に応じて変化させる場合の設定電流値を実線、温度に関わらず一定に設定された設定電流値を破線、一定のトルクを発生させるのに必要な電流値を一点鎖線により図示している。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)実施例は、外気温及びアクチュエータ雰囲気温度に基づいて設定電流値を変更しているが、アクチュエータの雰囲気温度に相関するパラメータとして、他のものを用いてもよい。
例えば、アクチュエータが車室内に配置される場合には、雰囲気温度として車室内の温度を用いてもよい。
また、車室外であって排気系の近傍にアクチュエータが配置される場合は、外気温と排気温度に基づいて雰囲気温度を算出してもよい。例えば、外気温と排気温度との差を雰囲気温度として算出してもよい。
さらに、エンジンルーム内にアクチュエータが配置される場合は、外気温とエンジン冷却水の水温に基づいて雰囲気温度を算出してもよい。例えば、外気温と水温との差を雰囲気温度として算出してもよい。
このようにして外気温に加えて室内温、排気温度、水温等を用いる理由は、外気温が低温であっても、室内における空調や、エンジン、排気系等が発生する熱によってグリス等が軟化している場合があるためである。
(2)電動パーキングブレーキ装置の構成は、実施例のものに限らず、適宜変更することができる。
例えば、実施例のパーキングブレーキは、フットブレーキ用のブレーキディスクの内径側に配置されたドラムを用いるものであるが、パーキングブレーキの形式は、他の形式のものであってもよく、例えば、フットブレーキ用のディスクブレーキ又はドラムブレーキとその摩擦材を共用化し、パーキングブレーキと一体化したものであってもよい。
また、実施例のパーキングブレーキは、ボディ側に固定された電動アクチュエータを用い、パーキングブレーキケーブルを介してパーキングブレーキを駆動するものであったが、本発明はこれに限らず、例えば電動アクチュエータをホイールハブ側に設けてパーキングブレーキと一体化したいわゆるビルトイン型の電動パーキングブレーキにも適用することができる。
20 アクチュエータユニット
30 パーキングブレーキケーブル
40 コントローラ
41 ECU
43 Gセンサ
44 アクチュエータ温度センサ
50 操作スイッチ
60 車両側ユニット
61 車速センサ
62 外気温センサ
70 警告灯
Claims (4)
- 排気系の近傍に配置されパーキングブレーキを駆動する電動アクチュエータを制御する電動パーキングブレーキ制御装置において、
前記電動アクチュエータに電力を供給するとともに、前記電動アクチュエータに通電される電流が設定電流値に達した際に前記電力の供給を停止する電力供給部と、
外気温及び排気温度に基づいて前記電動アクチュエータにおける雰囲気温度に相関するパラメータを検出する雰囲気温度検出部と、
前記雰囲気温度検出部の出力に基づいて、前記電力供給部における前記設定電流値を変更する設定電流値変更部とを備えること
を特徴とする電動パーキングブレーキ制御装置。 - エンジンルームに配置されパーキングブレーキを駆動する電動アクチュエータを制御する電動パーキングブレーキ制御装置において、
前記電動アクチュエータに電力を供給するとともに、前記電動アクチュエータに通電される電流が設定電流値に達した際に前記電力の供給を停止する電力供給部と、
外気温及びエンジン冷却水の水温に基づいて前記電動アクチュエータにおける雰囲気温度に相関するパラメータを検出する雰囲気温度検出部と、
前記雰囲気温度検出部の出力に基づいて、前記電力供給部における前記設定電流値を変更する設定電流値変更部とを備えること
を特徴とする電動パーキングブレーキ制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の電動パーキングブレーキ制御装置において、
前記設定電流値変更部は、前記雰囲気温度に相関するパラメータが所定の低温条件を充足した場合に、前記設定電流値を増加させること
を特徴とする電動パーキングブレーキ制御装置。 - 請求項3に記載の電動パーキングブレーキ制御装置において、
前記設定電流値変更部は、前記雰囲気温度に相関するパラメータが所定の低温条件を充足した場合に、前記設定電流値を前記雰囲気温度に相関するパラメータに基づいて設定すること
を特徴とする電動パーキングブレーキ制御装置。
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