JP4852931B2 - 車両の左右トルク配分制御装置 - Google Patents

車両の左右トルク配分制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、旋回時、左右駆動輪へのトルク配分比を旋回状況に応じて最適に制御する左右トルク配分制御手段を備えた車両の左右トルク配分制御装置の技術分野に属する。
従来、前後配分を30:70〜70:30で無段階に制御し、後輪左右配分を100:0〜0:100で無段階に制御し、例えば、旋回時には、ステアリング舵角などから旋回状態を検出し、これに応じて左右トルク配分を制御することでニュートラルステアを実現するメカニカル四輪駆動車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−189067号公報
しかしながら、従来のメカニカル四輪駆動車にあっては、後輪左右配分により旋回性能が向上することにより、旋回速度が上昇するため、S字コーナー等の連続旋回ポイントを走行する際、短時間にて後輪左右配分比を変更したり、短時間にて後輪左右配分比を逆転するという、トルク配分の過渡制御が行われる。この結果、大きな旋回ロールが発生し、走行・操縦安定性が低下すると共に、乗員に対し不快感を与える可能性がある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、連続旋回ポイントを走行する際、旋回ロールの発生を抑制することで、走行・操縦安定性を向上できると共に、乗員に対し不快感を与えることを回避することができる車両の左右トルク配分制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、旋回時、左右駆動輪へのトルク配分比を旋回状況に応じて最適に制御する左右トルク配分制御手段を備えた車両の左右トルク配分制御装置において、
走行ルート上の連続旋回ポイントを検出する連続旋回ポイント検出手段を設け、
前記左右トルク配分制御手段は、自車が連続旋回ポイントを走行する場合、第一コーナーから第二コーナーへと遷移する際に左右トルク配分制御切替時間を設定し、前記左右トルク配分制御切替時間において左右トルク配分を前記遷移後のものへ向けて徐々に切替えることを特徴とする。
よって、本発明の車両の左右トルク配分制御装置にあっては、自車が連続旋回ポイントを走行する場合、左右トルク配分制御手段において、第一コーナーから第二コーナーへと遷移する際の左右トルク配分の変化が滑らかに設定される。すなわち、旋回速度が高く左右トルク配分の変化が急である場合、左右方向の重心移動の変化も急となり、これに伴って大きな旋回ロールが発生する。これに対し、旋回速度が高くても左右トルク配分の変化を滑らかにすることで、大きな旋回ロールが発生が抑制される。この結果、連続旋回ポイントを走行する際、旋回ロールの発生を抑制することで、走行・操縦安定性を向上できると共に、乗員に対し不快感を与えることを回避することができる。
以下、本発明の車両の左右トルク配分制御装置を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の左右トルク配分制御装置が適用されたハイブリッド四輪駆動車を示す全体システム図である。
実施例1のハイブリッド四輪駆動車は、図1に示すように、CPU101と、補助バッテリ102と、強電バッテリ301と、FR用インバータ302と、第一モータ303と、発電機304と、エンジン305と、動力分割機構306と、RR用インバータ307と、第二モータ308と、デフ機構309(差動機構)と、アクセルセンサ401と、ブレーキセンサ402と、DC/DCコンバータ403と、舵角センサ404と、GPS405と、車輪速センサ406と、を備えている。
前記CPU101は、強電バッテリ301をモニタし、SOCや温度や劣化状態に応じて入出力可能電力量を算出し、これを基にFR用インバータ302を制御することにより、第一モータ303(フロント駆動用)と発電機304を動作させると共に、エンジン305を制御する。
また、RR用インバータ307を制御することにより、第二モータ308(リア駆動用)を動作させ、さらに、デフ機構309に対し、左右輪へのトルク配分を指令することにより、旋回時、ニュートラルステアを実現する前後輪のトルク配分制御と左右後輪のトルク配分制御を行う。その他、下記の機能を有する。
・FR用インバータ302、第一モータ303、発電機304、RR用インバータ307、第二モータ308に、それぞれ内蔵された温度センサ値を把握し、温度上昇を確認した場合は、電力入出力制限を設定することにより、部品を保護する。
・ブレーキセンサ402により、ドライバーの制動指令を検出し、第一モータ303と第二モータ308を活用した回生制動及び摩擦制動との配分を演算し、制御する。
・舵角センサ404からの検出値をベースに、車両が旋回中か否かを判断している。
・GPS405を活用して地形情報を収集し、走行ルートの把握を行う。
・車輪速センサ406からの検出値を確認し、各車輪速度を把握する。
前記補助バッテリ102は、CPU101の動作電源を提供する役目を有する。本システムでは、強電バッテリ301を電源としたDC/DCコンバータ403により電力を供給することとする。
前記強電バッテリ301は、第一モータ303に対し、FR用インバータ302を経由して電力を供給することで車両走行をアシストすると共に、発電機304が発電した電力をR用インバータ302を経由して回収する役目を有する。
また、第二モータ308を力行させる場合、RR用インバータ307を経由して電力を供給することで車両走行をアシストすると共に、第二モータ308が発電作動した場合、RR用インバータ307を経由して電力を回収する役目も有する。
前記FR用インバータ302は、CPU101により直接制御されている。エンジン305の発生トルク及び回転数に応じて強電バッテリ301の電気エネルギーを第一モータ303へ供給すること、及び発電機304を動作させて発生した電気エネルギーを強電バッテリ301へと戻す役目を有する。なお、第一モータ303と発電機304とエンジン305は、遊星歯車機構(動力分割機構306に内蔵)に直結しているため、トルク及び回転数のバランスを保つように制御しないと車両を正常に作動させることができない。
また、温度上昇時に電力入出力制限(部品保護)できるよう、温度センサを内蔵し、検出値をCPU101へと送信する。
前記第一モータ303は、フロント駆動用で、車速が低い場合は単独で駆動トルクを発生させる。また、車速が高い場合は、エンジン305の駆動トルクをアシストしている。さらに、減速時は発電作用(回生作用)することにより電気エネルギーを発生させ、これをFR用インバータ302を経由して強電バッテリ301へ戻す役目を有する。また、本モータ回転数=車速として制御適用している。
また、温度上昇時に電力入出力制限(部品保護)できるよう、温度センサを内蔵し、検出値をCPU101へと送信する。
前記発電機304は、ハイブリッド電気自動車は基本的にスタータを持たない。本システムを適用した車両始動時は、強電バッテリ301から電力を供給し、モータとして動作することでエンジン305の始動をサポートする。通常走行時は、第一モータ303とエンジン305とをバランスさせることで電気エネルギーを発生(発電)し、これを強電バッテリ301へ戻す。時には直接、第一モータ303へ供給することにより、急激な加速に対応することも可能である。
また、温度上昇時に電力入出力制限(部品保護)できるよう、温度センサを内蔵し、検出値をCPU101へと送信する。
前記エンジン305は、CPU101により直接制御されている。具体的には、車速が高い場合には車両駆動のためにトルクを発生させている。
前記動力分割機構306は、遊星歯車機構を有し、キャリアにはエンジン305、リングギヤには第一モータ303、サンギヤには発電機304が直接接続している。従来システムのトランスミッション相当も内部に構成されている。
前記RR用インバータ307は、CPU101により直接制御されている。第二モータ308の発生トルク及び回転数に応じて強電バッテリ301の電気エネルギーを供給/回収する役目を有する。
また、温度上昇時に電力入出力制限(部品保護)できるよう、温度センサを内蔵し、検出値をCPU101へと送信する。
前記第二モータ308は、リア駆動用であり、通常走行時は4WD車両としての機能を担当し、旋回走行時は、内輪差により発生する走行コース増大分においてトルク発生し、走行・操縦安定性向上に寄与する。
また、温度上昇時に電力入出力制限(部品保護)できるよう、温度センサ(モータ系温度検出手段)を内蔵し、検出値をCPU101へと送信する。
前記デフ機構309は、第二モータ308の発生トルクを、左右後輪へと分配する機能(アクティブ・ヨー・コントロールと同等の機能)を有する。具体的には、左右後輪に対し適切にトルク配分できるよう、通常のデフ機構以外に、増速機構や右側クラッチや左側クラッチを有し、CPU101からの指令に応じ、これらを制御する。
前記アクセルセンサ401は、ドライバーが加速時に踏み込んだアクセルペダルストローク量をCPU101へ送信する。
前記ブレーキセンサ402は、ドライバーが減速に踏み込んだブレーキペダルストローク量をCPU101へ送信する。
前記DC/DCコンバータ403は、強電バッテリ301からのエネルギーを12Vへと変換し、補助バッテリ102へと供給する。すなわち、従来のエンジン車両におけるオルタネータと同様の機能を有する。
前記舵角センサ404は、ドライバーのステアリング操作により検出される舵角を、CPU101へ送信する役目を有する。
前記GPS(Global Positioning System)405は、目的地まで存在するコーナーの旋回半径程度、勾配程度、推定路面μを抽出し、CPU101へと各情報を提示する。
前記車輪速センサ406は、各車輪の速度情報を検出し、CPU101へとその情報を送信する。
図2は実施例1のCPU101にて実行される左右後輪へのトルク配分制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(左右トルク配分制御手段)。
ステップS1では、GPS405を参照し、規定範囲内走行ルート上の連続旋回ポイントの有無をチェックし、ステップS2へ移行する。
ここで、規定範囲は任意であるが、2〜3Km程度であれば連続旋回ポイントは検出できると考える。
ステップS2では、ステップS1でのGPSチェックに続き、連続旋回ポイント(複合コーナー)が有りか否かを判断し、Yesの場合はステップS3へ移行し、Noの場合はステップS1へ戻る。なお、ステップS1及びステップS2は、連続旋回ポイント検出手段に相当する。
ステップS3では、ステップS2での連続旋回ポイント有りとの判断に続き、自車ポイントから一番近い旋回ポイントから順に「第一コーナー」、「第二コーナー」と認識し、それぞれの旋回半径をR1,R2として情報を確認し、旋回半径差ΔRを算出し、ステップS4へ移行する(旋回半径差演算手段)。
なお、旋回半径R1,R2は、例えば、右旋回を正とし、左旋回を負として認識する。
具体的に、「第一コーナー」と「第二コーナー」との旋回半径差ΔRは、同一方向の連続コーナーにおいては、|(第一コーナー旋回半径R1)−(第二コーナー旋回半径R2)|によりあらわし、S字コーナーにおいては、|(第二コーナー旋回半径R2)−(第一コーナー旋回半径R1)|によりあらわす。
ステップS4では、ステップS3での旋回半径R1,R2のチェックに続き、車速センサ406からの検出値により、「現在車速」を把握し、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、ステップS4での車速チェックに続き、「現在車速(コーナー突入前車速)」をベースに、「第一コーナー旋回半径R1」を図5に示す「コーナー突入車速マップ」と照合して「第一コーナー走行時推定車速」を演算し、「第一コーナー走行時推定車速」をベースに、「第二コーナー旋回半径R2」を図5に示す「コーナー突入車速マップ」と照合して「第二コーナー走行時推定車速」を演算し、ステップS6へ移行する(旋回車速演算手段)。
ここで、図5に示す「コーナー突入車速マップ」は、小半径旋回時ほど走行車速が低くなるため、旋回半径が小さいほど低いコーナー走行車速にて与えられる。
なお、車種やドライバーによりコーナー走行車速は異なるため、車速推定に学習機能を設定しても構わない。
ステップS6では、ステップS5でのコーナー突入車速推定に続き、ステップS3にて演算した「旋回半径差ΔR」と、ステップS5にて演算した「第一コーナー走行時推定車速」、「第二コーナー走行時推定車速」とを基に、図3に示すS字コーナー用のトルク配分制御切替時間マップ、または、図4に示す同一方向連続コーナー用のトルク配分制御切替時間マップを参照し、トルク配分制御切替時間を設定する。
すなわち、連続旋回ポイントの場合に第一コーナーの終了域から第二コーナーの開始域にまたがる領域に左右トルク配分制御切替時間を設定することで、自車が連続旋回ポイントを走行する場合、第一コーナーから第二コーナーへと遷移する際の左右トルク配分の変化が滑らかになるように設定している。
また、図3及び図4に示すように、第一コーナーと第二コーナーとの旋回半径差ΔRが大きいほど、第一コーナーから第二コーナーへと遷移する際の左右トルク配分制御切替時間を長く設定し、かつ、旋回半径差ΔRにより定めた左右トルク配分制御切替時間を、旋回車速が高車速であるほど長く設定している。つまり、車速が高いほどロールが拡大するため、車速依存性を考慮している。
さらに、第一コーナーの旋回半径R1と第二コーナーの旋回半径R2とが同じである場合、設定された左右トルク配分制御切替時間を、第一コーナー側切替時間と第二コーナー側切替時間と等しい切替時間となるように振り分けている。一方、第一コーナーの旋回半径R1と第二コーナーの旋回半径R2とが異なる場合、設定された左右トルク配分制御切替時間を、第一コーナー側切替時間と第二コーナー側切替時間のうち、旋回半径の大きい方の切替時間が旋回半径の小さい方の切替時間より長い時間となるように振り分けている。
なお、図3のマップと図4のマップを比較した場合、S字コーナーの方が同一方向連続コーナーよりも旋回半径差ΔRが大きくなるため、トルク配分制御切替時間特性の傾斜を大きく設定している。
次に、作用を説明する。
[左右トルク配分制御作用]
規定範囲内走行ルート上において、連続旋回ポイントがある場合、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れとなる。
そして、ステップS3では、ステップS2での連続旋回ポイント有りとの判断に続き、自車ポイントから一番近い旋回ポイントから順に「第一コーナー」、「第二コーナー」と認識され、それぞれの旋回半径をR1,R2として情報確認され、旋回半径差ΔRが算出され、ステップS4では、車速センサ406からの検出値により、「現在車速」が把握される。
そして、ステップS5では、「現在車速(コーナー突入前車速)」をベースに、「第一コーナー旋回半径R1」を図5に示す「コーナー突入車速マップ」と照合して「第一コーナー走行時推定車速」が演算される。また、「第一コーナー走行時推定車速」をベースに、「第二コーナー旋回半径R2」を図5に示す「コーナー突入車速マップ」と照合して「第二コーナー走行時推定車速」が演算される。
そして、ステップS6では、ステップS3にて演算した「旋回半径差ΔR」と、ステップS5にて演算した「第一コーナー走行時推定車速」、「第二コーナー走行時推定車速」とを基に、S字コーナーの場合は、図3に示すトルク配分制御切替時間マップを参照してトルク配分制御切替時間が設定され、または、同一方向の連続コーナーの場合は、図4に示すトルク配分制御切替時間マップを参照してトルク配分制御切替時間が設定される。
[S字コーナーにおける状況別左右トルク配分制御作用]
S字コーナーにおける状況別左右トルク配分制御作用を、図6,図7,図8に示すコースイメージ及びタイムチャートに基づき説明する。
I.R1=R2の場合(図6)
図6に示すコースイメージ及び第一コーナー期間R1と第二コーナー期間R2のタイムチャート特性に示すように、S字コーナーは、時刻(4)にて右回りの第一コーナー期間R1から左回りの第二コーナー期間R2へ移行する。
この場合、左右トルク配分制御としては、旋回回頭性を高めるべく、右回りの第一コーナー期間R1では、左後輪伝達トルクTLを高め右回りのヨーモーメントを出す制御を行い、左回りの第二コーナー期間R2では、右後輪伝達トルクTRを高め左回りのヨーモーメントを出す制御を行う。このとき、時刻(4)に先行する時刻(3)の時点から右後輪伝達トルクTRを徐々に高める制御を開始すると共に、左後輪伝達トルクTLを徐々に低くする制御を開始する。そして、時刻(4)から遅れた時刻(5)の時点にて、左右後輪伝達トルクTL,TRを第二コーナー期間R2にて最適な目標トルクとする。これは、第一コーナーの旋回半径R1と第二コーナーの旋回半径R2とが同じ径であるため、第一コーナーと第二コーナーの切替ポイントである時刻(4)と、左右トルク配分制御の切替ポイントとを一致させ、設定されたトルク配分制御切替時間を、第一コーナー側切替時間と第二コーナー切替時間と等しい切替時間となるように振り分けている。
したがって、提案例ロール変化特性と従来例ロール変化特性(時刻(4)から短時間にて左右後輪伝達トルクTL,TRの変更制御を行う場合)との対比からも明らかなように、従来例では、各コーナーでの旋回性能を向上することを目的としていたため、第一コーナーから第二コーナーへと移行する際、旋回ロールが大きく発生してしまうが、提案例では、コーナー移行前から徐々にトルク配分を推移させているため、発生ロールを大幅に抑制することが可能となる。
なお、提案例にて時刻(6)以降、トルクアップ制御適用配分が変化しているのは、時刻(7)以降が直線(旋回R=∞)となるため、先行してトルク配分制御を行うためである。
II.R1>R2の場合(図7)
図7に示すコースイメージ及び第一コーナー期間R1と第二コーナー期間R2のタイムチャート特性に示すように、S字コーナーは、時刻(4)にて右回りの第一コーナー期間R1から左回りの第二コーナー期間R2へ移行する。
この場合、左右トルク配分制御としては、旋回回頭性を高めるべく、右回りの第一コーナー期間R1では、左後輪伝達トルクTLを高め右回りのヨーモーメントを出す制御を行い、左回りの第二コーナー期間R2では、右後輪伝達トルクTRを高め左回りのヨーモーメントを出す制御を行う。このとき、時刻(3)の時点より少し前の時点から右後輪伝達トルクTRを徐々に高める制御を開始すると共に、左後輪伝達トルクTLを徐々に低くする制御を開始する。そして、時刻(4)から遅れた時刻(5)より少し前の時点にて、左右後輪伝達トルクTL,TRを第二コーナー期間R2にて最適な目標トルクとする。これは、第一コーナーの旋回半径R1が第二コーナーの旋回半径R2より大きい径であるため、第一コーナーと第二コーナーの切替ポイントである時刻(4)に対し、左右トルク配分制御の切替ポイントを第一コーナー側にオフセットさせ、設定されたトルク配分制御切替時間を、旋回半径の大きい第一コーナー側切替時間が旋回半径の小さい第二コーナー切替時間より長い時間となるように振り分けている。
したがって、提案例ロール変化特性と従来例ロール変化特性(時刻(4)から短時間にて左右後輪伝達トルクTL,TRの変更制御を行う場合)との対比からも明らかなように、従来例では、各コーナーでの旋回性能を向上することを目的としていたため、第一コーナーから第二コーナーへと移行する際、旋回ロールが大きく発生してしまうが、提案例では、コーナー移行前である時刻(3)よりさらに前の時点から徐々にトルク配分を推移させているため、ロール抑制効果が図6の例よりもさらに大きくなる。
なお、提案例にて時刻(6)以降、トルクアップ制御適用配分が変化しているのは、時刻(7)以降が直線(旋回R=∞)となるため、先行してトルク配分制御を行うためである。
III.R1<R2の場合(図8)
図8に示すコースイメージ及び第一コーナー期間R1と第二コーナー期間R2のタイムチャート特性に示すように、S字コーナーは、時刻(4)にて右回りの第一コーナー期間R1から左回りの第二コーナー期間R2へ移行する。
この場合、左右トルク配分制御としては、旋回回頭性を高めるべく、右回りの第一コーナー期間R1では、左後輪伝達トルクTLを高め右回りのヨーモーメントを出す制御を行い、左回りの第二コーナー期間R2では、右後輪伝達トルクTRを高め左回りのヨーモーメントを出す制御を行う。このとき、時刻(3)の時点より少し遅れた時点から右後輪伝達トルクTRを徐々に高める制御を開始すると共に、左後輪伝達トルクTLを徐々に低くする制御を開始する。そして、時刻(4)から遅れた時刻(5)より少し前の時点にて、左右後輪伝達トルクTL,TRを第二コーナー期間R2にて最適な目標トルクとする。これは、第二コーナーの旋回半径R2が第一コーナーの旋回半径R1より大きい径であるため、第一コーナーと第二コーナーの切替ポイントである時刻(4)に対し、左右トルク配分制御の切替ポイントを第二コーナー側にオフセットさせ、設定されたトルク配分制御切替時間を、旋回半径の大きい第二コーナー側切替時間が旋回半径の小さい第一コーナー切替時間より長い時間となるように振り分けている。
したがって、提案例ロール変化特性と従来例ロール変化特性(時刻(4)から短時間にて左右後輪伝達トルクTL,TRの変更制御を行う場合)との対比からも明らかなように、従来例では、各コーナーでの旋回性能を向上することを目的としていたため、第一コーナーから第二コーナーへと移行する際、旋回ロールが大きく発生してしまうが、提案例では、コーナー移行前から徐々にトルク配分を推移させているため、発生ロールを抑制することが可能となる。
なお、提案例にて時刻(6)以降、トルクアップ制御適用配分が変化しているのは、時刻(7)以降が直線(旋回R=∞)となるため、先行してトルク配分制御を行うためである。
[同一方向の連続コーナにおける状況別左右トルク配分制御作用]
同一方向の連続コーナにおける状況別左右トルク配分制御作用を、図9,図10に示すコースイメージ及びタイムチャートに基づき説明する。
I.R1>R2の場合(図9)
図9に示すコースイメージ及び第一コーナー期間R1と第二コーナー期間R2のタイムチャート特性に示すように、同一方向の連続コーナーは、時刻(4)にて旋回半径が大きな右回りの第一コーナー期間R1から、旋回半径が小さい右回りの第二コーナー期間R2へ移行する。
この場合、左右トルク配分制御としては、旋回回頭性を高めるべく、右回り旋回にしたがって左後輪伝達トルクTL1,TL2を高める制御を行うが、第一コーナーの旋回半径R1より第二コーナーの旋回半径R2が小さいため、第一コーナー期間での左後輪伝達トルクTL1よりも第二コーナー期間での左後輪伝達トルクTL2を高くし、より右回りのヨーモーメントを出す制御を行う。このとき、時刻(3)の時点より少し前の時点から第一コーナー期間R1での左後輪伝達トルクTL1を徐々に低くする制御を開始すると共に、第二コーナー期間R2での左後輪伝達トルクTL2を徐々に高める制御を開始する。そして、時刻(4)から遅れた時刻(5)より少し前の時点にて、左後輪伝達トルクTL2を第二コーナー期間R2にて最適な目標トルクとする。これは、第一コーナーの旋回半径R1が第二コーナーの旋回半径R2より大きい径であるため、第一コーナーと第二コーナーの切替ポイントである時刻(4)に対し、左右トルク配分制御の切替ポイントを第一コーナー側にオフセットさせ、設定されたトルク配分制御切替時間を、旋回半径の大きい第一コーナー側切替時間が旋回半径の小さい第二コーナー切替時間より長い時間となるように振り分けている。
したがって、提案例ロール変化特性と従来例ロール変化特性(時刻(4)から短時間にて左後輪伝達トルクTLの変更制御を行う場合)との対比からも明らかなように、従来例では、第一コーナーから第二コーナーへと移行するポイント(4)にて急激にロールが変化してしまうが、提案例では、先行してトルク配分を制御するため、ロール急変を回避できる。
なお、提案例にて時刻(5)以降、トルクアップ制御適用配分が変化しているのは、時刻(6)以降が直線(旋回R=∞)となるため、先行してトルク配分制御を行うためである。
II.R1<R2の場合(図10)
図10に示すコースイメージ及び第一コーナー期間R1と第二コーナー期間R2のタイムチャート特性に示すように、同一方向の連続コーナーは、時刻(4)にて旋回半径が小さな右回りの第一コーナー期間R1から、旋回半径が大きな右回りの第二コーナー期間R2へ移行する。
この場合、左右トルク配分制御としては、旋回回頭性を高めるべく、右回り旋回にしたがって左後輪伝達トルクTL1,TL2を高める制御を行うが、第一コーナーの旋回半径R1より第二コーナーの旋回半径R2が大きいため、第一コーナー期間での左後輪伝達トルクTL1よりも第二コーナー期間での左後輪伝達トルクTL2を低くし、第一コーナー期間でより右回りのヨーモーメントを出す制御を行う。このとき、時刻(3)の時点より少し遅れた時点から第一コーナー期間R1での左後輪伝達トルクTL1を徐々に低くする制御を開始すると共に、第二コーナー期間R2での左後輪伝達トルクTL2を徐々に高める制御を開始する。そして、時刻(4)から遅れた時刻(5)より少し前の時点にて、左後輪伝達トルクTL2を第二コーナー期間R2にて最適な目標トルクとする。これは、第一コーナーの旋回半径R1が第二コーナーの旋回半径R2より小さい径であるため、第一コーナーと第二コーナーの切替ポイントである時刻(4)に対し、左右トルク配分制御の切替ポイントを第二コーナー側にオフセットさせ、設定されたトルク配分制御切替時間を、旋回半径の大きい第二コーナー側切替時間が旋回半径の小さい第一コーナー切替時間より長い時間となるように振り分けている。
したがって、提案例ロール変化特性と従来例ロール変化特性(時刻(4)から短時間にて左後輪伝達トルクTLの変更制御を行う場合)との対比からも明らかなように、従来例では、第一コーナーから第二コーナーへと移行するポイント(4)にて急激にロールが変化してしまうが、提案例では、先行してトルク配分を制御するため、ロール急変を回避できる。
なお、提案例にて時刻(5)以降、トルクアップ制御適用配分が変化しているのは、時刻(6)以降が直線(旋回R=∞)となるため、先行してトルク配分制御を行うためである。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両の左右トルク配分制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 旋回時、左右駆動輪へのトルク配分比を旋回状況に応じて最適に制御する左右トルク配分制御手段を備えた車両の左右トルク配分制御装置において、走行ルート上の連続旋回ポイントを検出する連続旋回ポイント検出手段(ステップS1,S2)を設け、前記左右トルク配分制御手段は、自車が連続旋回ポイントを走行する場合、第一コーナーから第二コーナーへと遷移する際の左右トルク配分の変化を滑らかに設定するため、連続旋回ポイントを走行する際、旋回ロールの発生を抑制することで、走行・操縦安定性を向上できると共に、乗員に対し不快感を与えることを回避することができる。
(2) 前記左右トルク配分制御手段は、連続旋回ポイントの場合に第一コーナーの終了域から第二コーナーの開始域にまたがる領域に左右トルク配分制御切替時間を設定するため、コーナー移行前から徐々にトルク配分が推移することにより、発生ロールを効果的に抑制することができる。
(3) 第一コーナーと第二コーナーとの旋回半径差ΔRを演算する旋回半径差演算手段(ステップS3)を設け、前記左右トルク配分制御手段は、第一コーナーと第二コーナーとの旋回半径差ΔRが大きいほど、第一コーナーから第二コーナーへと遷移する際の左右トルク配分制御切替時間を長く設定するため、旋回半径差ΔRが大きいほど発生する旋回ロールが大きくなることに対応したロール発生の抑制となり、走行・操縦安定性の向上に寄与することができる。
(4) 旋回車速を演算する旋回車速演算手段(ステップS5)を設け、前記左右トルク配分制御手段は、第一コーナーと第二コーナーとの旋回半径差により定めた左右トルク配分制御切替時間を、旋回車速が高車速であるほど長く設定するため、車速が高いほどロールが拡大するという車速依存性に対応し、旋回車速にかかわらず有効に旋回ロールの発生を抑制することができる。
(5) 前記旋回半径差演算手段は、第一コーナーと第二コーナーとの旋回半径差ΔRを、同一方向の連続コーナーにおいては、|(第一コーナー旋回半径R1)−(第二コーナー旋回半径R2)|によりあらわし、S字コーナーにおいては、|(第二コーナー旋回半径R2)−(第一コーナー旋回半径R1)|により演算するため、旋回方向が変わるS字コーナーか同一旋回方の連続コーナーかにかかわらず、制御方法を変えることなく容易に左右トルク配分制御切替時間を設定することができる。
(6) 前記旋回車速演算手段は、制御に適用される旋回車速を各コーナーへ突入する車速推定値とするため、旋回により低下する車速推定値をベースとして左右トルク配分制御切替時間を設定することになり、ドライバーに対し違和感の無い旋回を実現することができる。
(7) 前記旋回車速演算手段は、前記車速推定値を、コーナー突入前車速をコーナー旋回半径と照合することにより演算するため、走行コーナーの旋回半径に対し安全に走行できる車速を設定することができる。
(8) 前記左右トルク配分制御手段は、第一コーナーの旋回半径と第二コーナーの旋回半径とが同じである場合、設定された左右トルク配分制御切替時間を、第一コーナー側切替時間と第二コーナー側切替時間と等しい切替時間となるように振り分けるため、遠心力の発生程度が同程度であることが考慮され、第一コーナーの旋回半径と第二コーナーの旋回半径とが同じである場合、適切にロール発生を低減し、走行・操縦安定性を向上させることができる。
(9) 前記左右トルク配分制御手段は、第一コーナーの旋回半径と第二コーナーの旋回半径とが異なる場合、設定された左右トルク配分制御切替時間を、第一コーナー側切替時間と第二コーナー側切替時間のうち、旋回半径の大きい方の切替時間が旋回半径の小さい方の切替時間より長い時間となるように振り分けるため、遠心力の発生程度が旋回半径が小さいほど大きくなることが考慮され、第一コーナーの旋回半径と第二コーナーの旋回半径とが異なる場合、適切にロール発生を低減し、走行・操縦安定性を向上させることができる。

(10) 前記車両は、前後輪のうち一方の主駆動輪を駆動するエンジン305および第一モータ303と、前記前後輪のうち他方の副駆動輪を駆動する第二モータ308と、該第二モータ308の出力を左右輪に任意の分配比で配分可能なデフ機構309と、を搭載するハイブリッド四輪駆動車であるため、旋回時、前後輪へのトルク配分と共に1つのモータ動力源による左右副駆動輪へのトルク配分によりニュートラルステアを実現する駆動システムを搭載したハイブリッド四輪駆動車において、連続旋回ポイントを走行する際、旋回ロールの発生を抑制することができる。
実施例2は、左右後輪をそれぞれモータにより駆動させることで左右後輪のトルク配分制御を行うハイブリッド四輪駆動車に適用した例である。
まず、構成を説明する。
図11は実施例2の左右トルク配分制御装置が適用されたハイブリッド四輪駆動車を示す全体システム図である。
実施例2のハイブリッド四輪駆動車は、図11に示すように、CPU101と、補助バッテリ102と、強電バッテリ301と、FR用インバータ302と、第一モータ303と、発電機304と、エンジン305と、動力分割機構306と、RR用インバータ307と、第二モータ308と、第三モータ310と、アクセルセンサ401と、ブレーキセンサ402と、DC/DCコンバータ403と、舵角センサ404と、GPS405と、車輪速センサ406と、を備えている。なお、図1に示す実施例1の構成と同一機能を保有する構成については説明を省略する。
前記CPU101は、RR用インバータ307を制御することにより、第二モータ308(右リア駆動用)と第三モータ310(左リア駆動用)を動作させ、ニュートラルステアを実現する左右後輪のトルク配分制御を行う。
前記強電バッテリ301は、第二モータ308と第三モータ310を力行させる場合、RR用インバータ307を経由して電力を供給することで車両走行をアシストすると共に、第二モータ308と第三モータ310が発電作動した場合、RR用インバータ307を経由して電力を回収する役目も有する。
前記第二モータ308は、通常走行時は4WD車両として右リア駆動を担当し、旋回走行時は、内輪差により発生する走行コース増大分においてトルク発生し、走行・操縦安定性向上に寄与する。そして、回転数をリア右車輪速として制御へと適用する。また、温度上昇時に電力入出力制限(部品保護)できるよう、温度センサ(モータ系温度検出手段)を内蔵し、検出値をCPU101へと送信する。
前記第三モータ310は、通常走行時は4WD車両として左リア駆動を担当し、旋回走行時は、内輪差により発生する走行コース増大分においてトルク発生し、走行・操縦安定性向上に寄与する。そして、回転数をリア左車輪速として制御へと適用する。また、温度上昇時に電力入出力制限(部品保護)できるよう、温度センサ(モータ系温度検出手段)を内蔵し、検出値をCPU101へと送信する。
前記車輪速センサ406は、フロント2輪に対して接続し、検出値を車輪速としてCPU101へと送信する。
作用については、実施例1とは、左右後輪を第二モータ308と第三モータ310により独立に駆動することで、左右トルク配分を制御する点でのみ異なる。よって、実施例1と同様の作用を示すため説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両の左右トルク配分制御装置にあっては、実施例1の(1)〜(9)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(11) 前記車両は、前後輪のうち一方の主駆動輪を駆動するエンジン305および第一モータ303と、前記前後輪のうち他方の副駆動輪の左右輪をそれぞれ独立に駆動する第二モータ308および第三モータ400と、を搭載するハイブリッド四輪駆動車であるため、旋回時、前後輪へのトルク配分と共に2つのモータ動力源による左右副駆動輪へのトルク配分によりニュートラルステアを実現する駆動システムを搭載したハイブリッド四輪駆動車において、連続旋回ポイントを走行する際、旋回ロールの発生を抑制することができる。
実施例3は、エンジンのみを動力源とし、デフ機構を介して左右後輪のトルク配分制御を行うエンジン四輪駆動車に適用した例である。
まず、構成を説明する。
図12は実施例3の左右トルク配分制御装置が適用されたエンジン四輪駆動車を示す全体システム図である。
実施例3のエンジン四輪駆動車は、図12に示すように、CPU101と、補助バッテリ102と、オルタネータ201と、エンジン305と、デフ機構309と、アクセルセンサ401と、ブレーキセンサ402と、舵角センサ404と、GPS405と、車輪速センサ406と、を備えている。なお、図1に示す実施例1の構成と同一機能を保有する構成については説明を省略する。
前記CPU101は、下記の機能を有する。
・オルタネータ201に対し、発電電圧値を指令する。
・アクセルセンサ401及び舵角センサ404、車輪速センサ406からの入力信号をモニタし、適切なトルク指令、回転数指令値などをエンジン305へと指示、制御する。
・舵角センサ404からの検出値をベースに、車両が旋回中か否かを判断している。
・GPS405を活用して地形情報を収集し、走行ルートの把握を行う。
・車輪速センサ406からの検出値を確認し、各車輪速度を把握する。
前記補助バッテリ102は、エンジン305の出力によりオルタネータ201を回転させることにより発電された電力を蓄電し、各車載ユニットに対し電源を供給する役目を有する。
前記オルタネータ201は、CPU101により制御され、その指令電圧を発電し、補助バッテリ102へと電力供給する。
前記エンジン305は、CPU101により制御され、出力トルクを前輪に対してはトランスミッションを介し、後輪に対しては、デフ機構309を介して供給する。
前記デフ機構309は、エンジン305の発生トルクを、左右後輪へと分配する機能を有する。なお、具体的な構造や機能については実施例1のデフ機構309と同様である。
作用については、実施例1とは、エンジン305からの出力トルクをデフ機構309を介して左右後輪を駆動することで、左右トルク配分を制御する点でのみ異なる。よって、実施例1と同様の作用を示すため説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両の左右トルク配分制御装置にあっては、実施例1の(1)〜(9)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(12) 前記車両は、前後輪のうち一方の主駆動輪を駆動すると共に他方の副駆動輪を駆動するエンジン305と、該エンジン305から副駆動輪への出力を左右輪に任意の分配比で配分可能なデフ機構309と、を搭載するエンジン四輪駆動車であるため、旋回時、エンジン305の出力トルクを前後輪トルク配分と左右副駆動輪へのトルク配分によりニュートラルステアを実現する駆動システムを搭載したエンジン四輪駆動車において、連続旋回ポイントを走行する際、旋回ロールの発生を抑制することができる。
以上、本発明の車両の左右トルク配分制御装置を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜3では、左右トルク配分制御手段として、連続旋回ポイントの場合に第一コーナーの終了域から第二コーナーの開始域にまたがる領域に左右トルク配分制御切替時間を設定することで、自車が連続旋回ポイントを走行する場合、第一コーナーから第二コーナーへと遷移する際の左右トルク配分の変化を滑らかに設定する例を示した。しかし、例えば、第一コーナーの終了域から第二コーナーの開始域にまたがる領域でのトルク増加ゲイン及びトルク減少ゲインを小さく抑える等、他の手法により左右トルク配分の変化を滑らかに設定するようにしても良い。要するに、左右トルク配分制御手段は、自車が連続旋回ポイントを走行する場合、第一コーナーから第二コーナーへと遷移する際の左右トルク配分の変化を滑らかに設定するものであれば本発明に含まれる。
実施例1,2では、前輪駆動ベースのハイブリッド四輪駆動車の左右トルク配分制御装置を示したが、後輪駆動ベースのハイブリッド四輪駆動車にも適用することができる。また、実施例3では、前輪を主駆動輪とするエンジン四輪駆動車の例を示したが、後輪を主駆動輪とするエンジン四輪駆動車や前輪若しくは後輪を主駆動輪とする電気自動車や燃料電池車等にも適用できる。さらに、実施例1〜3では、いずれも四輪駆動車の例を示したが、前輪駆動車や後輪駆動車にも適用することができる。要するに、旋回時、左右駆動輪へのトルク配分比を旋回状況に応じて最適に制御する左右トルク配分制御手段を備えた車両には適用できる。
実施例1の左右トルク配分制御装置が適用されたハイブリッド四輪駆動車を示す全体システム図である。 実施例1のCPUにて実行される左右トルク配分制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の左右トルク配分制御にて用いられるS字コーナーにおけるトルク配分制御切替マップの一例を示す図である。 実施例1の左右トルク配分制御にて用いられる同一方向の連続コーナーにおけるトルク配分制御切替マップの一例を示す図である。 実施例1の左右トルク配分制御にて用いられるコーナー突入車速マップの一例を示す図である。 実施例1の同一旋回半径の第一コーナーと第二コーナーを抜けるS字コーナーにおける左右トルク配分制御作用を示すコースイメージ及びタイムチャートである。 実施例1の旋回半径大の第一コーナーと旋回半径小の第二コーナーを抜けるS字コーナーにおける左右トルク配分制御作用を示すコースイメージ及びタイムチャートである。 実施例1の旋回半径小の第一コーナーと旋回半径大の第二コーナーを抜けるS字コーナーにおける左右トルク配分制御作用を示すコースイメージ及びタイムチャートである。 実施例1の旋回半径大の第一コーナーと旋回半径小の第二コーナーを抜ける同一方向の連続コーナーにおける左右トルク配分制御作用を示すコースイメージ及びタイムチャートである。 実施例1の旋回半径小の第一コーナーと旋回半径大の第二コーナーを抜ける同一方向の連続コーナーにおける左右トルク配分制御作用を示すコースイメージ及びタイムチャートである。 実施例2の左右トルク配分制御装置が適用されたハイブリッド四輪駆動車を示す全体システム図である。 実施例3の左右トルク配分制御装置が適用されたエンジン四輪駆動車を示す全体システム図である。
符号の説明
101 CPU
102 補助バッテリ
301 強電バッテリ
302 FR用インバータ
303 第一モータ
304 発電機
305 エンジン
306 動力分割機構
307 RR用インバータ
308 第二モータ
309 デフ機構(差動機構)
400 第三モータ
401 アクセルセンサ
402 ブレーキセンサ
403 DC/DCコンバータ
404 舵角センサ
405 GPS
406 車輪速センサ

Claims (12)

  1. 旋回時、左右駆動輪へのトルク配分比を旋回状況に応じて最適に制御する左右トルク配分制御手段を備えた車両の左右トルク配分制御装置において、
    走行ルート上の連続旋回ポイントを検出する連続旋回ポイント検出手段を設け、
    前記左右トルク配分制御手段は、自車が連続旋回ポイントを走行する場合、第一コーナーから第二コーナーへと遷移する際に左右トルク配分制御切替時間を設定し、前記左右トルク配分制御切替時間において左右トルク配分を前記遷移後のものへ向けて徐々に切替えることを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    前記左右トルク配分制御手段は、連続旋回ポイントの場合に第一コーナーの終了域から第二コーナーの開始域にまたがる領域に左右トルク配分制御切替時間を設定することを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  3. 請求項2に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    第一コーナーと第二コーナーとの旋回半径差を演算する旋回半径差演算手段を設け、
    前記左右トルク配分制御手段は、第一コーナーと第二コーナーとの旋回半径差が大きいほど、第一コーナーから第二コーナーへと遷移する際の左右トルク配分制御切替時間を長く設定することを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  4. 請求項3に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    旋回車速を演算する旋回車速演算手段を設け、
    前記左右トルク配分制御手段は、第一コーナーと第二コーナーとの旋回半径差により定めた左右トルク配分制御切替時間を、旋回車速が高車速であるほど長く設定することを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  5. 請求項3または4に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    前記旋回半径差演算手段は、第一コーナーと第二コーナーとの旋回半径差を、同一方向の連続コーナーにおいては、|(第一コーナー旋回半径)−(第二コーナー旋回半径)|によりあらわし、S字コーナーにおいては、|(第二コーナー旋回半径)−(第一コーナー旋回半径)|により演算することを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  6. 請求項3乃至5の何れか1項に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    前記旋回車速演算手段は、制御に適用される旋回車速を各コーナーへ突入する車速推定値とすることを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  7. 請求項6に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    前記旋回車速演算手段は、前記車速推定値を、コーナー突入前車速をコーナー旋回半径と照合することにより演算することを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  8. 請求項乃至7の何れか1項に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    前記左右トルク配分制御手段は、第一コーナーの旋回半径と第二コーナーの旋回半径とが同じである場合、設定された左右トルク配分制御切替時間を、第一コーナー側切替時間と第二コーナー側切替時間と等しい切替時間となるように振り分けることを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  9. 請求項乃至7の何れか1項に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    前記左右トルク配分制御手段は、第一コーナーの旋回半径と第二コーナーの旋回半径とが異なる場合、設定された左右トルク配分制御切替時間を、第一コーナー側切替時間と第二コーナー側切替時間のうち、旋回半径の大きい方の切替時間が旋回半径の小さい方の切替時間より長い時間となるように振り分けることを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    前記車両は、前後輪のうち一方の主駆動輪を駆動するエンジンおよび第一モータと、前記前後輪のうち他方の副駆動輪を駆動する第二モータと、該第二モータの出力を左右輪に任意の分配比で配分可能な差動機構と、を搭載するハイブリッド四輪駆動車であることを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  11. 請求項1乃至9の何れか1項に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    前記車両は、前後輪のうち一方の主駆動輪を駆動するエンジンおよび第一モータと、前記前後輪のうち他方の副駆動輪の左右輪をそれぞれ独立に駆動する第二モータおよび第三モータと、を搭載するハイブリッド四輪駆動車であることを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
  12. 請求項1乃至9の何れか1項に記載された車両の左右トルク配分制御装置において、
    前記車両は、前後輪のうち一方の主駆動輪を駆動すると共に他方の副駆動輪を駆動するエンジンと、該エンジンから副駆動輪への出力を左右輪に任意の分配比で配分可能な差動機構と、を搭載するエンジン四輪駆動車であることを特徴とする車両の左右トルク配分制御装置。
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