JP2006197756A - 車両の回生制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転者が回生を期待しているときに回生制動力の付与を長く続けることができる車両の回生制動制御装置を提供すること。
【解決手段】 左右前輪に第2モータジェネレータMG2が連結され、該第2モータジェネレータMG2の作動により左右前輪に回生制動力を付与し、回生電力をバッテリ4に充電するハイブリッド車において、運転者のセレクト操作によるレンジ位置を検出するレンジ位置センサ28と、回生制動力要求にしたがって選択された回生強レンジの選択中、前記バッテリ4への充電量を低減する充電量低減手段と、を備えた。
【選択図】 図6

Description

本発明は、駆動輪に発電機が連結され、該発電機の作動により駆動輪に回生制動力を付与し、回生電力を充電手段に充電するハイブリッド車や電気自動車等の回生制動制御装置に関する。
従来、電気車両の回生制動制御装置は、電池の充電状態(バッテリS.O.C:State Of Chargeの略称)及びモータの回転数を検出する手段と、電池の充電状態に基づき充電電力上限値を決定する手段と、回生制動力の制御目標の上限を、充電電力上限値及びモータの回転数に基づき制限する手段と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−74605号公報
しかしながら、上記従来の電気車両の回生制動制御装置にあっては、車両が降坂路走行中に、運転者が回生強レンジを選択して積極的に回生制動力を要求しているときでも、電池の充電状態が上限値に達すると、無条件で回生制動を制限するため、運転者が要求する制動力を実現できず車両が滑走気味となり、運転者に違和感を与えてしまう、という問題があった。ここで、「回生強レンジ」とは、運転者が回生制動力を積極的に要求する場合に選択するレンジ位置をいい、例えば、無段や有段の自動変速機を搭載した車両におけるローレンジや1速固定レンジや2速固定レンジに相当する。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、運転者が回生を期待しているときに回生制動力の付与を長く続けることができる車両の回生制動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明における車両の回生制動制御装置では、駆動輪に発電機が連結され、該発電機の作動により駆動輪に回生制動力を付与し、回生電力を充電手段に充電する車両において、
運転者のセレクト操作によるレンジ位置を検出するレンジ位置検出手段と、
回生制動力要求にしたがって選択された回生強レンジの選択中、前記充電手段への充電量を低減する充電量低減手段と、
を備えたことを特徴とする。
よって、本発明の車両の回生制動制御装置にあっては、充電量低減手段において、回生制動力要求にしたがって選択された回生強レンジの選択中、充電手段への充電量が低減される。すなわち、充電手段への充電量を低減する分、充電量の上限値までの許容充電量が同じである場合には、充電量の制御を変更しない場合に比べ、充電所要時間が長く延びることになる。この結果、運転者が回生を期待しているときに回生制動力の付与を長く続けることができる。
以下、本発明の車両の回生制動制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、ハイブリッド車の駆動系構成を説明する。
図1は実施例1の回生制動制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。実施例1におけるハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1と、第2モータジェネレータMG2(発電機)と、出力スプロケットOS、動力分割機構TMと、を有する。
前記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。
前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、パワーコントロールユニット3により作り出された三相交流を印加することによりそれぞれ独立に制御される。
前記両モータジェネレータMG1,MG2は、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この状態を「力行」と呼ぶ)、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。
前記動力分割機構TMは、サンギヤSと、ピニオンPと、リングギヤRと、ピニオンキャリアPCと、を有する単純遊星歯車により構成されている。そして、単純遊星歯車の3つの回転要素(サンギヤS、リングギヤR、ピニオンキャリアPC)に対する入出力部材の連結関係について説明する。前記サンギヤSには、第1モータジェネレータMG1が連結されている。前記リングギヤRには、第2モータジェネレータMG2と出力スプロケットOSとが連結されている。前記ピニオンキャリアPCには、エンジンダンパEDを介してエンジンEが連結されている。なお、前記出力スプロケットOSは、チェーンベルトCBや図外のディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右前輪(駆動輪)に連結されている。
上記連結関係により、図5に示す共線図上において、第1モータジェネレータMG1(サンギヤS)、エンジンE(プラネットキャリアPC)、第2モータジェネレータMG2及び出力スプロケットOS(リングギヤR)の順に配列され、単純遊星歯車の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデル(3つの回転数が必ず直線で結ばれる関係)を導入することができる。ここで、「共線図」とは、差動歯車のギヤ比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸に各回転要素をとり、各回転要素の間隔をサンギヤSとリングギヤRの歯数比λに基づく共線図レバー比(1:λ)になるように配置したものである。
次に、ハイブリッド車の制御系を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、パワーコントロールユニット3と、バッテリ4(充電手段)と、ブレーキコントローラ5と、統合コントローラ6と、を有して構成されている。
前記統合コントローラ6には、アクセル開度センサ7、車速センサ8、エンジン回転数センサ9、第1モータジェネレータ回転数センサ10、第2モータジェネレータ回転数センサ11、等から入力情報がもたらされる。また、運転者の回生制動力要求にしたがって選択された回生強レンジの選択中、バッテリ4への充電量を低減する回生制動力制御を行うが、このとき、運転者のシフトレバー27に対するセレクト操作により選択されるレンジ位置情報がレンジ位置スイッチ27から統合コントローラ6へもたらされる。
前記ブレーキコントローラ5には、前左車輪速センサ12と、前右車輪速センサ13と、後左車輪速センサ14と、後右車輪速センサ15と、操舵角センサ16と、マスタシリンダ圧センサ17と、ブレーキストロークセンサ18と、から入力情報がもたらされる。
前記エンジンコントローラ1は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APとエンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neを入力する統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。
前記モータコントローラ2は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ10,11からのモータジェネレータ回転数N1,N2を入力する統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)と、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)と、をそれぞれ独立に制御する指令をパワーコントロールユニット3へ出力する。なお、このモータコントローラ2は、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリS.O.Cの情報を統合コントローラ6に出力する。
前記パワーコントロールユニット3は、図2に示すように、ジョイントボックス3aと昇圧コンバータ回路3b(昇圧回路)と駆動モータ用インバータ3c(インバータ)と発電ジェネレータ用インバータ3dと、コンデンサ3eと、を有し、より少ない電流で両モータジェネレータMG1,MG2への電力供給が可能な電源系高電圧システムを構成する。前記第2モータジェネレータMG2のステータコイルには、前記駆動モータ用インバータ3cが接続され、前記第1モータジェネレータMG1のステータコイルには、前記発電ジェネレータ用インバータ3dが接続される。また、前記ジョイントボックス3aには、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ4が接続される。そして、モータコントローラ2からパワーコントロールユニット3への制御指令により回生制動力制御が行われる。
前記ブレーキコントローラ5は、4輪のブレーキ液圧を独立に制御するブレーキ液圧ユニット19への制御指令により、低μ路制動時や急制動時等においてABS制御を行い、また、緊急回避時等において車両挙動制御(=VDC制御)を行う。そして、フットブレーキによる制動時、統合コントローラ6への制御指令とブレーキ液圧ユニット19への制御指令を出すことで回生ブレーキ協調制御を行う。このブレーキコントローラ5には、各車輪速センサ12,13,14,15からの車輪速情報や、操舵角センサ16からの操舵角情報や、マスタシリンダ圧センサ17やブレーキストロークセンサ18からの制動操作量情報等が入力される。そして、これらの入力情報に基づいて、所定の演算処理を実行し、その処理結果による制御指令を統合コントローラ6とブレーキ液圧ユニット19へ出力する。なお、前記ブレーキ液圧ユニット19には、前左車輪ホイールシリンダ20と、前右車輪ホイールシリンダ21と、後左車輪ホイールシリンダ22と、後右車輪ホイールシリンダ23と、が接続されている。
前記統合コントローラ6は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、加速走行時等において、エンジンコントローラ1への制御指令によりエンジン動作点制御を行い、また、停止時や走行時や制動時や回生制動要求時等において、モータコントローラ2への制御指令によりモータジェネレータ動作点制御を行う。この統合コントローラ6には、各センサ7,8,9,10,11からのアクセル開度APと車速VSPとエンジン回転数Neと第1モータジェネレータ回転数N1と第2モータジェネレータ回転数N2とが入力される。そして、これらの入力情報に基づいて、所定の演算処理を実行し、その処理結果による制御指令をエンジンコントローラ1とモータコントローラ2へ出力する。なお、統合コントローラ6とエンジンコントローラ1、統合コントローラ6とモータコントローラ2、統合コントローラ6とブレーキコントローラ5は、情報交換のためにそれぞれ双方向通信線24,25,26により接続されている。
次に、駆動力性能について説明する。
実施例1のハイブリッド車の駆動力は、図3(b)に示すように、エンジン直接駆動力(エンジン総駆動力から発電機駆動分を差し引いた駆動力)とモータ駆動力(両モータジェネレータMG1,MG2の総和による駆動力)との合計で示される。その最大駆動力の構成は、図3(a)に示すように、低い車速ほどモータ駆動力が多くを占める。このように、変速機を持たず、エンジンEの直接駆動力と電気変換したモータ駆動力を加えて走行させることから、低速から高速まで、定常運転のパワーの少ない状態からアクセルペダル全開のフルパワーまで、運転者の要求に対しシームレスに応答良く駆動力をコントロールすることができる(トルク・オン・デマンド)。
そして、実施例1のハイブリッド車では、動力分割機構TMを介し、エンジンEと両モータジェネレータMG1,MG2と左右前輪のタイヤとがクラッチ無しで繋がっている。また、上記のように、エンジンパワーの大部分を発電機で電気エネルギに変換し、高出力かつ高応答のモータで車両を走らせている。このため、例えば、アイスバーン等の滑りやすい路面での走行時において、タイヤのスリップやブレーキ時のタイヤのロック等で車両の駆動力が急変する場合、過剰電流からのパワーコントロールユニット3の保護、あるいは、動力分割機構TMのピニオン過回転からの部品保護を行う必要がある。これに対し、高出力・高応答のモータ特性を活かし、部品保護の機能から発展させて、タイヤのスリップを瞬時に検出し、そのグリップを回復させ、車両を安全に走らせるためのモータトラクションコントロールを採用している。
次に、制動力性能について説明する。
実施例1のハイブリッド車では、回生制動力要求による減速時やフットブレーキによる制動時には、モータとして作動している第2モータジェネレータMG2を発電機として作動させることにより、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換してバッテリ4に回収し、再利用する回生ブレーキシステムを採用している。
この回生ブレーキシステムでの一般的な回生ブレーキ協調制御は、図4(a)に示すように、ブレーキペダル踏み込み量に対し要求制動力を算出し、要求制動力に大きさにかかわらず、算出された要求制動力を回生分と油圧分とで分担することで行われる。
これに対し、実施例1のハイブリッド車で採用している回生ブレーキ協調制御は、図4(b)に示すように、ブレーキペダル踏み込み量に対し要求制動力を算出し、算出された要求制動力に対し回生ブレーキを優先し、回生分で賄える限りは油圧分を用いることなく、最大限まで回生分の領域を拡大している。これにより、特に加減速を繰り返す走行パターンにおいて、エネルギ回収効率が高く、より低い車速まで回生制動によるエネルギの回収を実現している。
次に、車両モードについて説明する。
実施例1のハイブリッド車での車両モードとしては、図5の共線図に示すように、「停車モード」、「発進モード」、「エンジン始動モード」、「定常走行モード」、「加速モード」を有する。
「停車モード」では、図5(a)に示すように、エンジンEと発電機MG1とモータMG2は止まっている。「発進モード」では、図5(b)に示すように、モータMG2鑿の駆動で発進する。「エンジン始動モード」では、図5(c)に示すように、エンジンスタータとしての機能を持つ発電機MG1によって、サンギヤSが回ってエンジンEを始動する。「定常走行モード」では、図5(d)に示すように、主にエンジンEにて走行し、効率を高めるために発電を最小にする。「加速モード」では、図5(e)に示すように、エンジンEの回転数を上げると共に、発電機MG1による発電を開始し、その電力とバッテリ4の電力を使ってモータMG2の駆動力を加え、加速する。
なお、後退走行は、図5(d)に示す「定常走行モード」において、エンジンEの回転数上昇を抑えたままで、発電機MG1の回転数を上げると、モータMG2の回転数が負側に移行し、後退走行を達成することができる。
始動時は、イグニッションキーを回すとエンジンEが始動し、エンジンEを暖機した後、直ぐにエンジンEは停止する。発進時や軽負荷時は、発進時やごく低速で走行する緩やかな坂を下るときなどは、エンジン効率の悪い領域は燃料をカットし、エンジンは停止してモータMG2により走行する。通常走行時は、エンジンEの駆動力は、動力分割機構TMにより一方は車輪を直接駆動し、他方は発電機MG1を駆動し、モータTM2をアシストする。全開加速時は、バッテリ4からパワーが供給され、さらに、駆動力を追加する。減速時や制動時には、車輪がモータTM2を駆動し、発電機として作用することで回生発電を行う。回収した電気エネルギはバッテリ4に蓄えられる。バッテリ4の充電量が少なくなると、発電機MG1をエンジンEにより駆動し、充電を開始する。車両停止時には、エアコン使用時やバッテリ充電時等を除き、エンジンEを自動的に停止する。
次に、作用を説明する。
[回生制動制御処理]
図6は実施例1の統合コントローラ6にて実行される回生制動制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、アクセル開度センサ7からのアクセル開度、レンジ位置センサ28からのレンジ位置(=シフト位置)、車速センサ8または第2モータジェネレータ回転数センサ11からの車速を読み込む。そして、これらの入力情報に基づき、目標回生トルクおよび目標回生電力を計算し、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、ステップS1での目標回生トルクおよび目標回生電力の計算に続き、ステップS1にて読み込まれたシフト位置が回生強レンジ位置(=Lレンジ位置)であるか否かが判断され、YESの場合はステップS4へ移行し、NOの場合はステップS3へ移行する。
なお、シフトレバー27により選択されるシフト位置として、実施例1では、「Pレンジ(パーキングレンジ)」、「Rレンジ(リバースレンジ)」、「Nレンジ(ニュートラルレンジ)」「Dレンジ(ドライブレンジ)」、「Lレンジ(ローレンジ)」が設定されている。
ステップS3では、ステップS2でシフト位置が回生強レンジ位置以外であるとの判断に基づき、回生制御モードを通常制御モードにセットし、ステップS5へ移行する。
ここで、回生制御モードの「通常制御モード」とは、バッテリ4の充電量が上限値となるまで最大効率による充電量を維持しながら回生を行う制御をいう。
ステップS4では、ステップS2でシフト位置が回生強レンジ位置であるとの判断に基づき、回生制御モードを充電量を低減するモードに切り換え、ステップS5へ移行する。
ここで、回生制御モードの「充電量低減モード」とは、昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減と、制御波形変更と、駆動モータ用インバータ3cのPWM周波数上昇と、のうち、少なくとも一つを実施する制御モードをいう。
ステップS5では、ステップS3またはステップS4にてセットされた回生制御モードにしたがい、モータコントローラ2に対し目標回生トルク、目標回生電力、回生制御モードを送信し、リターンへ移行する。
なお、モータコントローラ2に対する送信により、モータコントローラ2からは、駆動モータ用インバータ3c等を有するパワーコントロールユニット3に対し、送信内容に沿ったディバイス制御信号が出力される。
[回生制動制御作用]
シフト位置が回生強レンジ位置以外のときには、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5へと進む流れとなり、ステップS3では、回生制御モードとして、通常制御モードがセットされる。
例えば、Dレンジでの走行中にブレーキペダルの踏み込み操作をした場合には、ブレーキペダル踏み込み量に対し要求制動力が算出され、算出された要求制動力に対し回生ブレーキを優先し、回生分で賄える限りは油圧分を用いることなく、充電量の上限値まで最大効率による充電量を維持しながら回生が行われる。
したがって、Dレンジ選択しての走行時、特に加減速を繰り返す走行パターンにおいて、エネルギ回収効率が高くなり、より低い車速まで回生制動によるエネルギの回収を実現することができる。
一方、シフト位置が回生強レンジ位置のときには、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS5へと進む流れとなり、ステップS4では、回生制御モードとして、充電量低減モードがセットされる。
この充電量低減モードは、(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減と、(b)制御波形変更と、(c)駆動モータ用インバータ3cのPWM周波数上昇と、のうち、少なくとも一つを実施する制御モードであり、以下、充電量低減の各制御モードについて説明する。
(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減(図7)
昇圧コンバータ回路3bの作動電圧を低減させることで、モータ駆動電圧が低下すると、第2モータジェネレータMG2の回生出力が一定の場合、モータ電流を増大させる必要がある。そのため、同じ回生出力でも損失が増大し、効率が悪化するために回収できるエネルギ量(電力)は少なくなり、充電量を低減させることができる。ちなみに、損失Wは、モータ電流をI、モータ抵抗をRとしたとき、W=I2Rであらわされ、図7にその関係を示す。
(b)制御波形変更(図8)
矩形波制御は電圧実効値が高いため電流値が低く、通電時間が短い。またインバータのスイッチングを一回で済ます1パルス制御も可能であるため効率が高い。一方、可変調制御、サイン波制御、三角波制御は電圧実効値を低くできるため電流を流す時間が長くなり、効率が低下する。このため、モータの駆動波形によってモータ・インバータの効率が変わるため、矩形波制御から可変調制御、サイン波制御、三角波制御の何れかにすることで、モータ・インバータの効率が低下し、第2モータジェネレータMG2の回生エネルギは同じでも、回生電力を低減することができ、充電量を低減できる。図8に各インバータ制御波形を示す。
(c)駆動モータ用インバータ3cのPWM周波数上昇(図9)
インバータのスイッチング素子のON時及びOFF時にはスイッチング損が発生する。このため、PWM(Pulse Width Modulation)のスイッチング周波数を上昇させることで、インバータの損失が上昇し、効率が低下し、回生エネルギは同じでも、回生電力を低減させることができ、充電量を低減できる。図9にインバータのON時スイッチング損及びOFF時スイッチング損を示す。
このように、シフト位置が回生強レンジ位置のときには、充電量低減モードによる回生制御が行われることで、バッテリ4への充電量を低減する分、充電量の上限値までの許容充電量が同じである場合には、充電量の制御を変更しない場合に比べ、充電所要時間が長く延びることになり、運転者が回生を期待しているときに回生制動力の付与を長く続けることができる。
また、充電量低減モードによる回生制御は、第2モータジェネレータMG2からバッテリ4へ回収する電力の回収効率を低下させることで、回生エネルギは同じにしながら充電量を低減するものであるため、回生トルクは充電量の制御を変更しない場合と同様に付与されることになり、運転者による回生強レンジ位置の選択という減速要求を犠牲にすることもない。
したがって、例えば、車両が降坂路走行中に、運転者が回生強レンジを選択して積極的に回生制動力を要求しているとき、バッテリの充電状態が上限値に達すると、無条件で回生制動を制限するため、運転者が要求する制動力を実現できず車両が滑走気味となり、運転者に違和感を与えてしまうという従来の充電量の制御を変更しない場合における問題を解消することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車の回生制動制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 左右前輪に第2モータジェネレータMG2が連結され、該第2モータジェネレータMG2の作動により左右前輪に回生制動力を付与し、回生電力をバッテリ4に充電するハイブリッド車において、運転者のセレクト操作によるレンジ位置を検出するレンジ位置センサ28と、回生制動力要求にしたがって選択された回生強レンジの選択中、前記バッテリ4への充電量を低減する充電量低減手段と、を備えたため、運転者が回生を期待しているときに回生制動力の付与を長く続けることができる。
(2) 前記充電量低減手段は、第2モータジェネレータMG2からバッテリ4へ回収する電力の回収効率を低下させることで、回生エネルギは同じにしながら充電量を低減するため、運転者による回生強レンジ位置の選択という減速要求を犠牲にすることなく、回生制動力の付与を長く続けることができる。
(3) 前記第2モータジェネレータMG2と前記バッテリ4との間に、昇圧コンバータ回路3b及び駆動モータ用インバータ3cを有するパワーコントロールユニット3を介装し、前記充電量低減手段は、前記昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減と、制御波形変更と、前記駆動モータ用インバータ3cのPWM周波数上昇と、のうち、少なくとも一つを実施する制御指令を前記パワーコントロールユニット3に出力し、前記充電量を低減するため、いずれの充電量低減手法においても、回生エネルギは同じにしながら単位時間当たりの充電量を低減することができる。
実施例2は、回生強レンジの選択時、バッテリS.O.CおよびバッテリS.O.Cの上昇速度により回生制御モードを切り換え、且つ、補機の強制作動に切り換えるようにした例である。
まず、構成を説明する。
実施例2の回生制動力制御システムの構成を図10に基づき説明する。回生強レンジの選択時にバッテリ4への充電量を制御する実施例2の回生制動力制御システムは、図10に示すように、統合コントローラ6へ必要情報をもたらす手段として、レンジ位置スイッチ28以外に、第2モータジェネレータ温度センサ29(発電機温度検出手段)と、インバータ温度センサ30(インバータ温度検出手段)とが追加される。前記第2モータジェネレータ温度センサ29は、第2モータジェネレータMG2の温度を検出する。前記インバータ温度センサ30は、駆動モータ用インバータ3cの温度を検出する。
前記バッテリ4(主電池)は、パワーコントロールユニット3(インバータ)、DC/DCコンバータ32、電動エアコン33(補機)に電力を供給し、回生時は第1モータジェネレータMG1または第2モータジェネレータMG2で発電した電力をパワーコントロールユニット3を介して充電され、統合コントローラ6にS.O.C等の電池の状態を送出する。
前記パワーコントロールユニット3は、力行時、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2を駆動し、回転数・トルクを制御し、回生時、回生電力とバッテリ4への充電電力を制御する。
前記DC/DCコンバータ32は、バッテリ4の高電圧の電力を補機駆動用に電圧に変換し、補機用電池31を介して、バッテリファン34、ラジエータファン35、エアコンファン36、デフォッガ37等の補機類を駆動する。前記電動エアコン33は、バッテリ4の電力を使って動作する。前記なお、他の構成は実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[回生制動制御処理]
図11は実施例2の統合コントローラ6にて実行される回生制動制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS21では、アクセル開度センサ7からのアクセル開度、レンジ位置センサ28からのレンジ位置(=シフト位置)、車速センサ8または第2モータジェネレータ回転数センサ11からの車速を読み込む。そして、これらの入力情報に基づき、目標回生トルクおよび目標回生電力を計算し、ステップS22へ移行する。
ステップS22では、ステップS1での目標回生トルクおよび目標回生電力の計算に続き、ステップS21にて読み込まれたシフト位置が回生強レンジ位置(=Lレンジ位置)であるか否かが判断され、YESの場合はステップS25へ移行し、NOの場合はステップS23へ移行する。
ステップS23では、ステップS22でシフト位置が回生強レンジ位置以外であるとの判断に基づき、バッテリS.O.Cを検知し、SOC-回生電力許容値マップ(回生強レンジ以外)にて回生上限値を読み、目標回生電力を回生上限値以下に制限し、ステップS24へ移行する。
ここで、「SOC-回生電力許容値マップ」は、図12に示すように、回生強レンジ以外を選択しているときに用いられる回生電力の第1上限値特性(点線特性)と、回生強レンジの選択中に用いられ、第1上限値よりも高い値による回生電力の第2上限値特性(実線特性)と、を有し、バッテリ4の充電量が設定された第1上限値または第2上限値に達すると回生制動制御は禁止される(回生制動制御禁止手段)。
ステップS24では、ステップS23での目標回生電力の上限値制限に続き、回生制御モードを通常制御モードにセットし、ステップS29へ移行する。
ここで、回生制御モードの「通常制御モード」とは、バッテリ4の充電量が上限値となるまで最大効率による充電量を維持しながら回生を行う制御をいう。
ステップS25では、ステップS22でシフト位置が回生強レンジ位置であるとの判断に基づき、バッテリS.O.Cを検知し、SOC-回生電力許容値マップ(回生強レンジ)にて回生上限値を読み、目標回生電力を回生上限値以下に制限し、ステップS26〜ステップS28に記載した充電量を低減する制御則による回生制御を実行する。
ステップS26では、ステップS25での目標回生電力の上限値制限に続き、バッテリS.O.CおよびS.O.C上昇スピードにより回生制御モードを切り換え、且つ、補機の強制作動に切り換えて、ステップS27へ移行する。
ここで、回生制御モードの切り換えロジックは、図13に示すように、SOC値(A1以下、A1〜A2、A2以上)とSOC上昇スピード(「高」以外と「高」)によって、昇圧電圧、制御波形、PWM周波数、補機動作の動作モードを決定する。すなわち、
・SOC上昇スピードが「高」以外
SOC値A1以下の場合、昇圧電圧は任意、制御波形は任意(出力により決める)、PWM周波数は任意(出力により決める)、補機動作は任意(通常制御)とする。
SOC値A1〜A2の場合、昇圧電圧は補間値(出力による任意電圧と電源電圧との補間処理により決める)、制御波形はサイン波・可変調・三角波の何れかを優先、PWM周波数は補間値(出力による任意周波数と最高周波数との補間処理により決める)、補機動作は強制Midモードとする。
SOC値A2以上の場合、昇圧電圧は電源電圧、制御波形はサイン波・可変調・三角波の何れかを優先、PWM周波数は最高周波数、補機動作は強制Hiモードとする。
なお、バッテリ4のSOC値(=充電量)が、回生強レンジの選択した時点での値から上限値(>A2)に近づく場合には、昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減、制御波形変更、インバータのPWM周波数上昇、の順に制御変更を行う。
・SOC上昇スピードが「高」
SOC上昇スピードが「高」の場合、SOC値の大きさにかかわらず、昇圧電圧は電源電圧、制御波形はサイン波・可変調・三角波の何れかに制限、PWM周波数は最高周波数、補機動作は強制Hiモードとする。
なお、バッテリ4のSOC上昇スピード(充電量上昇速度)が設定スピードより高い「高」と判断された場合には、昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減、制御波形変更、インバータのPWM周波数上昇、を同時に行う。
ステップS27では、ステップS26での回生制御モードの切り換えと、補機の強制作動に続き、第2モータジェネレータ温度センサ29からのモータ温度により昇圧コンバータ回路3b(昇圧回路)の目標電圧をセットし(モータ温度が上昇している場合には昇圧電圧に制限を加える)、ステップS28へ移行する。
このモータ温度による昇圧電圧の制限は、図14に示すように、モータ温度が設定温度MGTOよりも低い領域では、昇圧後の目標電圧を電源電圧から最高電圧までの範囲内で出力により任意に決める。しかし、モータ温度が設定温度MGTO以上の領域では、モータ温度が高くなるほど下限電圧を電源電圧から最高電圧まで高めてゆき、昇圧後の目標電圧を、この下限電圧と最高電圧との間の範囲に制限する。
ステップS28では、ステップS27でのモータ温度による昇圧電圧の制限に続き、インバータ温度センサ30からのインバータ温度により制御波形とPWM制御周波数をセットし(インバータ温度が上昇している場合は矩形波制御を優先し、インバータ温度が上昇している場合はPWM制御周波数に制限を加える)、ステップS29へ移行する。
このインバータ温度による制御波形の制限は、図15に示すように、インバータ温度が設定温度T2未満の場合には、制御波形を任意(出力により決める)とし、インバータ温度が設定温度T2以上の場合には、矩形波制御を優先する。
また、インバータ温度によるPWM制御周波数の制限は、図16に示すように、インバータ温度が設定温度T3未満の場合には、PWM周波数を任意(出力により決める)とし、インバータ温度が設定温度T3以上の場合には、PWM周波数をインバータ温度が高くなるほど周波数が低下する特性によりPWM制御周波数の上限周波数を制限する。
矩形波制御を優先する。
ステップS29では、ステップS24またはステップS26〜ステップS28にてセットされた回生制御モードにしたがい、モータコントローラ2に対し目標回生トルク、目標回生電力、回生制御モードを送信し、リターンへ移行する。
なお、モータコントローラ2に対する送信により、モータコントローラ2からは、駆動モータ用インバータ3c等を有するパワーコントロールユニット3に対し、送信内容に沿ったディバイス制御信号が出力される。
[回生制動制御作用]
シフト位置が回生強レンジ位置以外のときには、図11のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23へと進む流れとなり、ステップS23では、バッテリS.O.Cを検知し、図12のSOC-回生電力許容値マップ(回生強レンジ以外)にて回生上限値を読み、目標回生電力が回生上限値以下に制限される。一方、シフト位置が回生強レンジ位置のときには、図11のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS25へと進む流れとなり、ステップS25では、バッテリS.O.Cを検知し、図12のSOC-回生電力許容値マップ(回生強レンジ)にて回生上限値を読み、目標回生電力が回生上限値以下に制限される。
そして、図12のSOC-回生電力許容値マップは、回生強レンジ以外を選択しているときに用いられる回生電力の第1上限値特性(点線特性)と、回生強レンジの選択中に用いられ、第1上限値よりも高い値による回生電力の第2上限値特性(実線特性)と、を有し、バッテリ4の充電量が設定された第1上限値または第2上限値に達すると回生制動制御は禁止される。
このため、回生強レンジが選択されているときにのみ、回生を禁止するバッテリS.O.Cの範囲を拡大することで、バッテリ4への特性変化を少なくして、回生できる電力を増大することができる。
次に、シフト位置が回生強レンジ位置のときには、図11のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS25→ステップS26へと進む流れとなり、ステップS26では、バッテリS.O.CおよびS.O.C上昇スピードにより回生制御モードを切り換え、且つ、補機の強制作動に切り換える。
この回生制御モードの切り換えロジックは、図13に示す通りであり、SOC上昇スピードが「高」以外のときには、SOC値が高い値になるほど充電量をより低減する制御を行う。そして、バッテリ4のSOC値が、回生強レンジの選択した時点での値から上限値に近づく場合には、(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減、(b)制御波形変更、(c)インバータのPWM周波数上昇、の順に制御変更を行う。
すなわち、上記(a),(b),(c)の充電量低減制御のうち、(b)制御波形変更と、(c)インバータのPWM周波数上昇は音が変化するため、(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減を先に行うことで、SOC上限値に近づいたときには、音の変化にて運転者に対しSOC値が上限値に近くなっていることを知らせ、さらに、(a)に対し、(b)と(c)を追加することで効率が悪化するため、SOC上昇スピードが低下する。
また、バッテリ4のSOC上昇スピードが設定スピードより高く、「高」と判断された場合には、(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減、(b)制御波形変更、(c)インバータのPWM周波数上昇、が同時に行われる。
よって、(a)+(b)+(c)により、充電量を最小にし、SOC上昇を早期に抑えることができるので、SOC上限値に達するまでの所要時間を長くすることができる。
また、(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減と、(b)制御波形変更と、(c)駆動モータ用インバータ3cのPWM周波数上昇と、は別に、バッテリファン34、ラジエータファン35、エアコンファン36、デフォッガ37等の補機負荷、電動エアコン33の何れかをHiにして、補機の消費電力を増やすことで回生電力を消費するようにしてるため、バッテリS.O.Cの上昇を抑えることができる。
次に、シフト位置が回生強レンジ位置のときには、図11のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS25→ステップS26→ステップS27→ステップS28
へと進む流れとなり、ステップS27では、モータ温度が上昇している場合には昇圧電圧に制限を加えられ、ステップS28では、インバータ温度が上昇している場合は矩形波制御が優先され、インバータ温度が上昇している場合はPWM制御周波数に制限が加えられる。
すなわち、充電量を低減する手段として、(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減と、(b)制御波形変更と、(c)駆動モータ用インバータ3cのPWM周波数上昇と、を採用した場合、第2モータジェネレータMG2と駆動モータ用インバータ3cの損失が上昇するため、発熱量も上昇し、第2モータジェネレータMG2と駆動モータ用インバータ3cの温度が上昇する。冷却条件によっては、部品の温度上限値に達することがある。
これに対し、モータ温度が上昇している場合には、昇圧電圧のみに制限を加えるようにしたため、モータ電流を制限することができ、(b)制御波形変更と、(c)駆動モータ用インバータ3cのPWM周波数上昇と、による効果を維持したままで、第2モータジェネレータMG2の温度上昇を抑えることができる。
また、インバータ温度が上昇している場合には、(b)制御波形変更と、(c)駆動モータ用インバータ3cのPWM周波数上昇のみを制限するようにしているため、(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減による効果は維持したまま、駆動モータ用インバータ3cの温度上昇を抑えることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両の回生制動制御装置にあっては、実施例1の効果に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
(4) 前記充電量低減手段は、前記バッテリ4の充電量が上限値に近づくと、(a)昇圧コンバータ回路3cによる作動電圧低減、(b)制御波形変更、(c)インバータのPWM周波数上昇、の順に制御変更を行うため、SOC上限値に近づいたときには、音の変化にて運転者に対しSOC値が上限値に近くなっていることを知らせることができると共に、SOC上限値に近づくほどSOC上昇スピードを低下させることができる。
(5) 前記充電量低減手段は、前記バッテリ4の充電量上昇速度が設定速度よりも速いと、(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減、(b)制御波形変更、(c)インバータのPWM周波数上昇、を同時に行うため、バッテリS.O.Cの上昇を早期に抑えることができ、バッテリS.O.Cが上限値に達するまでの所要時間を長時間にすることができる。
(6) 前記第2モータジェネレータMG2の温度を検出する第2モータジェネレータ温度センサ29を設け、前記充電量低減手段は、第2モータジェネレータ温度が設定温度MGTOよりも高いときには、前記充電量の低減手法のうち、(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減による制御を制限するため、(b)制御波形変更と、(c)インバータのPWM周波数上昇と、による効果は維持したままで第2モータジェネレータMG2の温度上昇を抑えることができる。
(7) 前記駆動モータ用インバータ3cの温度操舵角を検出するインバータ温度センサ30を設け、前記充電量低減手段は、インバータ温度が設定温度T2よりも高いときは、前記充電量の低減手法のうち、(b)制御波形変更と、(c)インバータのPWM周波数上昇と、による制御を制限するため、(a)昇圧コンバータ回路3bによる作動電圧低減の効果は維持したままでインバータ温度上昇を抑えることができる。
(8) 前記充電量低減手段は、車両に搭載された補機(電動エアコン33やバッテリファン34等)の負荷動作をハイレベルにして、前記充電量を低減するため、回生電力の消費により、バッテリS.O.Cの上昇を抑えることができる。
(9) 前記バッテリ4の充電量が上限値に達すると回生制動制御を禁止する回生制動制御禁止手段(ステップS23、ステップS25)を備え、前記回生制動制御禁止手段は、回生強レンジの非選択中の第1上限値と、回生強レンジの選択中の第1上限値より高い値による第2上限値を有するため、バッテリ4の特性変化への影響を少なくして、回生できる電力を増大することができる。
以上、本発明の車両の回生制動制御装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1,2では、回生強レンジの選択時における充電量低減手段として、昇圧回路による作動電圧低減と、制御波形変更と、インバータのPWM周波数上昇と、補機の強制動作と、による例を示したが、発電機と充電手段との間に充電量の低減調整回路を別回路として新たに付加したり、発電機と充電手段との間にバッテリ消費を促す強制放電手段を新たに付加するもの等であっても含まれる。要するに、回生制動力要求にしたがって選択された回生強レンジの選択中、充電手段への充電量を低減する充電量低減手段、あるいは、発電機から充電手段へ回収する電力の回収効率を低下させることで、回生エネルギは同じにしながら充電量を低減する手段であれば、実施例1,2にて示した手段に限定されることはない。
実施例1,2では、1つのエンジンと2つのモータジェネレータと動力分割機構を備えたハイブリッド車への適用例を示したが、本発明の回生制動制御装置は、他のパワーユニット構造を備えたハイブリッド車や電気自動車や燃料電池車やモータ4WD車等、要するに、駆動輪に発電機が連結され、該発電機の作動により駆動輪に回生制動力を付与し、回生電力を充電手段に充電する車両であれば適用することができる。
実施例1の回生制動制御装置が適用されたハイブリッド車を示す全体システム図である。 実施例1の回生制動制御装置が適用されたハイブリッドシステムのパワーコントロールユニットを示す内部回路図である。 実施例1の回生制動制御装置が適用されたハイブリッド車における駆動力性能特性図と駆動力概念図である。 実施例1の回生制動制御装置が適用されたハイブリッド車における回生協調による制動力性能をあらわす対比特性図である。 実施例1の回生制動制御装置が適用されたハイブリッド車における各車両モードを示す共線図である。 実施例1の統合コントローラにて実行される回生制動制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の充電量低減手法のうち昇圧コンバータ回路による作動電圧低減手法を説明するためのモータ駆動電圧と損失特性図である。 実施例1の充電量低減手法のうち制御波形変更手法を説明するためのインバータ制御波形図である。 実施例1の充電量低減手法のうちインバータのPWM周波数上昇手法を説明するためのインバータ損失特性図である。 実施例2の回生制動制御装置が適用されたハイブリッド車における制御システム図である。 実施例2の統合コントローラにて実行される回生制動制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の回生制動制御にて使用されるSOC-回生電力許容値マップを示す図である。 実施例2の回生制動制御にて使用される回生制御モードの切り換えロジック図である。 実施例2の充電量低減手法のうち昇圧コンバータ回路による作動電圧のモータ温度制限を説明するモータ温度−目標電圧特性図である。 実施例2の充電量低減手法のうち制御波形の制限を説明するインバータ温度による制御は形切り換えロジック図である。 実施例2の充電量低減手法のうちインバータのPWM周波数の制限を説明するインバータ温度によるPWM周波数の切り換えロジック図である。
符号の説明
E エンジン
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ(発電機)
OS 出力スプロケット
TM 動力分割機構
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 パワーコントロールユニット
3b 昇圧コンバータ回路(昇圧回路)
3c 駆動モータ用インバータ(インバータ)
4 バッテリ(充電手段)
5 ブレーキコントローラ
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 前左車輪速センサ
13 前右車輪速センサ
14 後左車輪速センサ
15 後右車輪速センサ
16 操舵角センサ
17 マスタシリンダ圧センサ
18 ブレーキストロークセンサ
19 ブレーキ液圧ユニット
20 前左車輪ホイールシリンダ
21 前右車輪ホイールシリンダ
22 後左車輪ホイールシリンダ
23 後右車輪ホイールシリンダ
27 シフトレバー
28 レンジ位置センサ
29 第2モータジェネレータ温度センサ(発電機温度検出手段)
30 インバータ温度センサ(インバータ温度検出手段)
33 電動エアコン(補機)
34 バッテリファン(補機)
35 ラジエータファン(補機)
36 エアコンファン(補機)
37 デフォッガ(補機)

Claims (9)

  1. 駆動輪に発電機が連結され、該発電機の作動により駆動輪に回生制動力を付与し、回生電力を充電手段に充電する車両において、
    運転者のセレクト操作によるレンジ位置を検出するレンジ位置検出手段と、
    回生制動力要求にしたがって選択された回生強レンジの選択中、前記充電手段への充電量を低減する充電量低減手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の回生制動制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両の回生制動制御装置において、
    前記充電量低減手段は、発電機から充電手段へ回収する電力の回収効率を低下させることで、回生エネルギは同じにしながら充電量を低減することを特徴とする車両の回生制動制御装置。
  3. 請求項2に記載された車両の回生制動制御装置において、
    前記発電機と前記充電手段との間に、昇圧回路及びインバータを有するパワーコントロールユニットを介装し、
    前記充電量低減手段は、前記昇圧回路による作動電圧低減と、制御波形変更と、前記インバータのPWM周波数上昇と、のうち、少なくとも一つを実施する制御指令を前記パワーコントロールユニットに出力し、前記充電量を低減することを特徴とする車両の回生制動制御装置。
  4. 請求項3に記載された車両の回生制動制御装置において、
    前記充電量低減手段は、前記充電手段の充電量が上限値に近づくと、前記昇圧回路による作動電圧低減、制御波形変更、前記インバータのPWM周波数上昇、の順に制御変更を行うことを特徴とする車両の回生制動制御装置。
  5. 請求項3に記載された車両の回生制動制御装置において、
    前記充電量低減手段は、前記充電手段の充電量上昇速度が設定速度よりも速いと、前記昇圧回路による作動電圧低減、制御波形変更、前記インバータのPWM周波数上昇、を同時に行うことを特徴とする車両の回生制動制御装置。
  6. 請求項3に記載された車両の回生制動制御装置において、
    前記発電機の温度を検出する発電機温度検出手段を設け、
    前記充電量低減手段は、発電機温度が設定温度よりも高いときには、前記充電量の低減手法のうち、昇圧回路による作動電圧低減による制御を制限することを特徴とする車両の回生制動制御装置。
  7. 請求項3に記載された車両の回生制動制御装置において、
    前記インバータの温度操舵角を検出するインバータ温度検出手段を設け、
    前記充電量低減手段は、インバータ温度が設定温度よりも高いときは、前記充電量の低減手法のうち、制御波形変更と、インバータのPWM周波数上昇と、による制御を制限することを特徴とする車両の回生制動制御装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載された車両の回生制動制御装置において、
    前記充電量低減手段は、車両に搭載された補機の負荷動作をハイレベルにして、前記充電量を低減することを特徴とする車両の回生制動制御装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載された車両の回生制動制御装置において、
    前記充電手段の充電量が上限値に達すると回生制動制御を禁止する回生制動制御禁止手段を備え、
    前記回生制動制御禁止手段は、回生強レンジの非選択中の第1上限値と、回生強レンジの選択中の第1上限値より高い値による第2上限値を有することを特徴とする車両の回生制動制御装置。
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