JP4850117B2 - 真空吸着装置用吸着体及び真空吸着装置 - Google Patents

真空吸着装置用吸着体及び真空吸着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4850117B2
JP4850117B2 JP2007106728A JP2007106728A JP4850117B2 JP 4850117 B2 JP4850117 B2 JP 4850117B2 JP 2007106728 A JP2007106728 A JP 2007106728A JP 2007106728 A JP2007106728 A JP 2007106728A JP 4850117 B2 JP4850117 B2 JP 4850117B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorbent
adsorbed
adsorption
vacuum
porous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007106728A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008270233A (ja
Inventor
和光 平野
Original Assignee
有明マテリアル株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有明マテリアル株式会社 filed Critical 有明マテリアル株式会社
Priority to JP2007106728A priority Critical patent/JP4850117B2/ja
Publication of JP2008270233A publication Critical patent/JP2008270233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4850117B2 publication Critical patent/JP4850117B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

本発明は、半導体ウェハ等の非吸着物の研磨、研削、精密測定を行う際に非吸着体を吸引固定する多孔質セラミックスからなる真空吸着装置用吸着体、及び同吸着体を備える真空吸着装置に関する。
従来、半導体ウェハーやガラス基板などの被吸着物の研削加工や研磨加工および精密測定を行う場合、真空吸引して被吸着物を真空吸着装置の吸着体の表面に固定した後、加工等を行うことが通常行われている。
この吸着面を構成する吸着体の材料は、例えば多孔質セラミックスや焼結プラスチックからなる多孔質体が使用されている。
上記多孔質体からなる吸着体として、円板状の多孔質セラミックスからなる吸着部材の周囲にリング状の緻密質セラミックス材からなる支持部材をガラスを用いて接合した吸着体がある。この吸着体を備える真空吸着装置は、吸着体をなす多孔質セラミックスの裏側から気孔を通して空気を真空ポンプを用いて吸引することにより、被吸着物を吸着体の表面上に吸引固定している。
しかし、一般的に吸着体をなす多孔質セラミックは前記支持部材をなす緻密質セラミックに比べて硬度が低いため、吸着面全体を平滑平坦な面に加工することが難しい問題がある。そこで、多孔質体からなる吸着部と緻密質部からなる支持部材とを一体的に形成した吸着体が提案されている(特許文献1)。
また、被吸着物の面積が吸着体の吸着部の面積に対し小さい場合、または吸着体にスルーホールやスリットが存在する場合は、その部分から空気が大量に流入し、その結果真空度が低下して非吸着物を吸着固定できない問題がある。この問題を解決するために、被吸着物で覆われていない吸着部を何らかの手段で塞ぐという方法が取られている。しかし、この手法では被吸着物が変更される度に被吸着物で覆われていない吸着部分を塞ぐ調整が必要となり、そのために時間がかかるという問題が存在する。そこで、被吸着物の形状や大きさが変っても確実に吸引固定のできる汎用吸着体が提案されている(特許文献2)。この吸着体の提案は、多孔質体からなる吸着層と空気の透過を遮断する環状隔壁層とからなり、被吸着物のサイズや形状に応じ吸引する吸着層を選択できる吸着体である。
特開平8-19927(特許請求の範囲) 特開2005-279789(特許請求の範囲)
前記特許文献2に示される吸着体は、吸着層と隔壁層の二層構造になっているため、吸着層でのみ吸着力が働き、隔壁層では吸着力が働かない。そのため吸着面の場所により吸着力に差が生じる問題がある。また、特許文献1に示される吸着体と同様、吸着層・隔壁層両層の硬度差が吸着面での加工精度に制限を与え、平滑な平面となり難い。さらに、被吸着物を加熱加工する時、または被吸着物の研磨時等に生じる熱による熱膨張係数の差が被吸着物の加工面の平面度の歪みを発生させる問題も存在する。
そこで本発明では、従来の手法における前記問題点を解決し、被吸着物の大きさ、外形及びスルーホールなどの影響を受けずに被吸着物を吸着することのできる汎用吸着体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕平均気孔径が2〜5 μm、気孔率が30〜40%の平板状多孔質セラミックスからなることを特徴とする真空吸着装置用吸着体。
〔2〕多孔質セラミックスが快削性多孔質セラミックスからなる〔1〕に記載の真空吸着装置用吸着体。
〔3〕吸着体内部に通気孔が配されている〔1〕又は〔2〕に記載の真空吸着装置用吸着体。
〔4〕吸着体内部に互いに連通する外部と隔離された複数の通気孔を有すると共に前記通気孔と吸着体の外表面に開孔している吸引孔とを連通してなる吸引孔を有する〔3〕に記載の真空吸着装置用吸着体。
〔5〕快削性多孔質セラミックスがワラストナイト系多孔質セラミックスである〔2〕に記載の真空吸着装置用吸着体。
〔6〕上面に吸引溝を形成すると共に前記吸引溝と連結する吸気孔をその内部に形成してなる基盤と、前記基盤上面に載置する吸着体とを少なくとも有し、前記吸着体が平均気孔径が2〜5 μm、気孔率が30〜40%の平板状多孔質セラミックスからなることを特徴とする真空吸着装置。
本発明においては、真空吸着装置用の吸着体として通気孔の平均気孔径が2〜5 μm、より望ましくは平均気孔径2.5〜4μmであり、また平均気孔率が30〜40 % である多孔質セラミックス用いているので、被吸着物の平面形状、面積にかかわらず、被吸着物の吸着・保持が可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の形態)
第1の形態の吸着体の一例につき、図1を参照して詳細に説明する。図1中、(a)は平面図で、(b)は図1(a)中のA−A線に沿う断面図である。図1中、2は、円盤状の多孔質セラミックスで形成された吸着体で、その内部に、吸着体2の径方向に沿う複数(本例では4本)の通気孔4が、吸着体2を貫通して形成されている。従って、各通気孔4は、円盤状の吸着体2の中心で互いに連通されている。
各通気孔4と円盤の表面との距離は5〜10 mmが好ましい。また、円盤状の吸着体2の厚さは14〜24 mmが好ましく、16〜20 mmがより好ましい。
上記吸着体2を構成する多孔質セラミックスの平均気孔径は2〜5 μmが好ましく、2.5〜4 μmがより好ましい。なお、この平均気孔径は従来の吸着冶具用吸着体として用いられている多孔質体の平均気孔径の1/3から1/10である。上記多孔質セラミックの平均気孔率は30〜40 % が望ましい。
吸着体として用いる多孔質セラミックスの気孔径が5μmを超える場合、この気孔を通って吸引される空気のリークが大きくなるため、通気孔4内の真空度が十分上がらない。そのため、被吸着物面積が吸着体の吸着面の全面積より小さいと、被吸着体が吸着面を覆っていない部分から空気が通気孔4に多量に流入して通気孔4の真空度が低下し、被吸着物に対する十分な吸着力が得られなくなる。逆に気孔径が2μm未満の場合は閉塞気味となり、この場合もまた十分な吸着力は得られない。
さらに、多孔質セラミックスの気孔率が30 %未満の場合は、吸着力が弱くなる。気孔率が40 % を超える場合は、吸着面の平坦性が悪くなる。そのため、真空吸着装置用吸着体として用いるためには、気孔率30〜40 % のものが好ましく、気孔率30〜35 %のものが、より望ましい。
このような多孔質セラミックスとしては、ワラストナイト系多孔質体が特に好ましい。このセラミックスは気孔径、気孔率及び加工性の面から特に好ましいものである。また、快削性多孔質セラミックスを用いることで、より精密な加工が可能となり、表面平滑度も高めることができる。
前記各通気孔4の各解放端部には一つの解放端部を除いて、全て封止部材6で気密に封止されている。封止部材6としては、金属、セラミックスなどで形成された止めネジ等が好ましい。
8は、前記封止部材6で封止されていない解放端部からなる吸気口で、この吸気口8には連結具12を介して排気管10の一端が連結されている。また、排気管10の他端は吸引ポンプ14の吸気側に連結されている。
次に、本実施態様の吸着体2を真空吸着装置(不図示)に装備してウエハ等の加工物(非吸着物)を吸着体2に固定する場合に付、説明する。
吸引ポンプ14を作動させると、排気管10を通して各通気孔4内の空気が吸引され、各通気孔4内は減圧状態になる。これに伴い、吸着体2を構成する多孔質セラミックスの内部に存在する2〜5μmの気孔を通して、吸着体2の表面18から通気孔4に向って空気が吸引される。この時に生じる吸引力により、被吸着物は吸着体2の表面に固定される。
2〜5μmの平均気孔径の多孔質セラミックスにおいては、この気孔を空気が通過する際の圧力損失は従来の大きい気孔径の多孔質セラミックスのそれと比較し大きい。その結果、吸着体表面に被吸着物が載せられていない場合においても、吸着体2を通して通気孔4内に流入する空気の流入量より真空ポンプの排気量が大きければ、通気孔4内の真空度を上げることが可能となる。それ故、被吸着物16を吸着体2の上表面に載せる場合、その形状、大きさにかかわらず載置されている被吸着物16で覆われている吸着体2の表面18に大気圧との差圧に相当する吸着力が生じ、被吸着物16は吸着体2の表面18に固定される。
一方、吸着体裏面20においても同様の吸着力が生じている。従って、真空吸着装置の作業台の表面が十分平滑である場合は、吸着体2を単に作業台に載せることで、本吸着体2は特別な冶具無しでこの作業台に固定される。
本態様の吸着体は基本的に均質な多孔質体1単体で構成されているため、複数の材質で構成されている従来の吸着体に比べて高い平面度の吸着体を容易に製造できる。また、均質な多孔質体1単位で構成されているため、加熱した場合に生じる熱膨張率の差に起因する熱歪みを考慮する必要が無い。このため、本吸着体は高温下における被吸着物の加工の用途に使用が可能となる。
上記吸着体は、被吸着物が吸着体の全表面を覆っていなくても吸着力が失われない。したがって、この吸着体は吸着面以外を覆って気密にするための特別な外枠を必要としない。そのため、従来の吸着体のように、多孔質部からなる吸着部と緻密質部からなる支持部とを一体的に形成するための複雑な手順を必要としない。さらに吸着面以外の面にも吸着能力を有するため、この吸着体を平滑な作業台に載せるだけで、特別な固定冶具無しに作業台に吸着体を固定できる。更に、吸着体を多孔質セラミックス単体で作れるので、耐熱性に優れる。また更に、吸着体を多孔質セラミックス単体で作れるので、吸着体の各部分における硬度差も無く、その結果吸着面における加工精度に優れた吸着体が製作可能となる。
なお、上記態様においては、吸着体の形状を円盤状に形成したが、これに限られず被吸着体の形状に合わせて、例えば多角形、楕円形等の任意の形状に形成しても良い。また、通気孔の数も任意に形成できる。更に、通気孔の形成形態も円盤の径方向に沿って形成する以外に、例えば、碁盤の目状に平行な通気孔を形成する等、任意の形状に形成できる。
(第2の形態)
第2の形態の吸着体の一例に付、図2を参照して説明する。
この吸着体200は、吸引部を備える基盤に取付けて使用するものである。基盤を有する真空吸着装置は、従来汎用されている真空吸着装置である。従って、この態様の吸着体は、既存の真空吸着装置に加工、変更を加えることなくそのまま取付けて使用できる。
更に、気孔径、気孔率に関し第1の形態において用いる多孔質セラミックスを用いるので、第1の形態の吸着体と同様に、本吸着体は被吸着物の形状、大きさにかかわらず被吸着物を吸着・保持可能である。
図2(a)は、第2の形態の吸着体50を取付けた基盤52を示す平面図で、図2(b)は図2(a)のA−A線に沿う断面図である。基盤52は、真空吸着装置に取付けられている。この基盤52は、空気不透過性のセラミックス緻密体や金属で円盤状に形成されており、その周縁部には上方に突出た突条54が形成されている。
前記基盤52の周縁部に形成した突条54を除く基盤52の上面は、吸着体を載置する部分(載置部分56)であり、この載置部分56の表面には、通気溝58が設けられている。この通気溝58は、基盤52の中心から同心円状の複数(本図に於いては3個)の円形溝60と、この円形溝60と交錯する複数(本図においては2個)の径方向溝62とからなる。
64は、前記複数の径方向溝62の交点66と基盤52の側面68とを連結する吸気孔である。基盤52の側面68の吸気孔には連結具70を介して排気管72の一端が連結されている。また、排気管72の他端は吸引ポンプ74の吸気側に連結されている。
第2の形態の吸着体50は、単一の多孔質セラミックスで円盤状に形成されている。この吸着体50は、第1の形態の吸着体2と相違し、内部に通気孔等は形成されていない。
多孔質セラミックスは前記第1の形態において用いた多孔質セラミックスと同様である。即ち、この多孔質セラミックスは平均気孔径は2〜5 μmが好ましく、2.5〜4 μmがより好ましい。多孔質セラミックの平均気孔率は30〜40 % が望ましい。
吸着体50の厚さは、5〜10mmが好ましく、6〜8mmがより好ましい。吸着体の吸着面積は、特に制限が無く、被吸着体の面積に応じて適宜選択される。
吸着体50は、この基盤52表面に接着剤等によって気密に固定される。この基盤52の表面に吸着体50を固定してなる吸着冶具200において、吸着体50の気孔を通して吸着体50の上表面から通気溝58に流れ込む空気流入量に比べ、排気量の大きい真空ポンプ74を用いることで、吸着体50の上表面の一部、または全てが開放されている状態においても通気溝58における真空度を上げることが可能となる。そのため、被吸着物の形状及び大きさに依存せずに被吸着物は吸着面に吸着・保持される。図2(b)において、点線で示される被吸着物76は、吸着体50の上表面(吸着領域)よりも小面積であり、この様な被吸着物76でも確実に吸着体50に固定される。
第2の形態の吸着体50は、吸引部を備える基盤に吸着体を設置する従来型の真空吸着装置においても、その吸着体を本吸着体に変更することで、部分吸着可能な真空吸着装置に改良することが可能となる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
(多孔質セラミックスの製造)
多孔質セラミックスとして、ワラストナイト系気孔焼結体を以下の方法で製造した。
原料であるワラストナイト(キンセイマテック製FPW#800)、タルク(ソブエクレー商事製PSハイセラタルク)及びネフェリン(稲垣鉱業製MINEX#3)をそれぞれ質量部で100、10、10の割合で配合し、バインダー、消泡剤と共に水120部を投入し混合した。前記混合液をよく攪拌した後壊砕し、スプレードライヤーにて顆粒化した。顆粒径はおよそ100μmであった。この顆粒を成型圧49MPaで一軸成型機により板状に成型し、最高温度1210℃で焼成を行った。
以上の操作により、平均気孔径2.6μm及び3.4μm、平均気孔率32%のワラストナイト系多孔質セラミックスを得た。ワラストナイト系多孔質セラミックスは快削性多孔質セラミックスである。平均気孔径は水銀圧入式ポロシメーターにより、平均気孔径はアルキメデス法によりそれぞれ測定した。
実施例1(第1の形態の吸着体)
上記ワラストナイト系多孔質セラミックスを平面研削盤(岡本工作機械製PSG63)にてレジンダイヤモンド砥石を用いて研削加工を施し、厚み18mmに研削加工を行った。加工後の平面度は3μmとした。平面度は三次元測定器((株)ミツトヨ製BRT707)により測定した。
マシニングセンター((株)牧野フライス製作所製V33)にてφ15ダイヤモンド電着軸付砥石を用いた切削加工を施し、外形寸法をφ210mmに加工し、セラミックス円盤を得た。
このセラミックス円盤に、同マシニングセンターにてφ4超硬ドリルを用いた穴加工を施した。穴加工は、円盤の側周面から、円盤の径方向に沿って互いに45度間隔でφ4mmの貫通穴を開けた。この貫通穴の端部側にM5深さ6mmのタップ加工を施した。
加工後軽く水で洗い、超音波洗浄機(BRASON製VS-1200RZ)にて、15分洗浄を施し、さらに高圧洗浄機にて表面の切削粉等を洗い流した。
洗浄終了後、乾燥機(東京理科機械(株)製NDO-450SU)にて110℃ 1時間保持し乾燥させた。
上記M5タップ穴8箇所のうち、7箇所のタップ穴をM5×6Lの六角穴付止ネジにエポキシ系接着剤を塗布し、封止した。残りの一箇所のタップ穴にはメイルコネクター((株)チヨダ製M5×0.8)を取り付けた。(株)ULBAC製真空ポンプ(DOP-80S)とメイルコネクターとは内径4mm外径6mmのウレタンチューブにて連結した。
実施例2
(吸着体の製造)
ワラストナイト系多孔質セラミックスに平面研削盤(岡本工作機械製PSG63)にてレジンダイヤモンド砥石を用いた研削加工を施し、厚みを7mmに研削加工を行った。加工後の平面度を20μmとした。平面度は(株)ミツトヨ製三次元測定器(BRT707)により測定した。
研削加工後、マシニングセンター((株)牧野フライス製作所製V33)にてφ15ダイヤモンド電着軸付砥石を用いた切削加工を施し、外形寸法をφ210mmに加工し、セラミックス円盤を得た。
加工後軽く水洗いし、超音波洗浄機(BRASON製VS-1200RZ)にて、15分洗浄を施し、さらに高圧洗浄機にて表面の切削粉等を洗い流した。洗浄後、乾燥機(東京理科機械(株)製NDO-450SU)にて110℃、1時間保持し乾燥させた。
(吸引基盤(SUS304)の製造)
SUS304に平面研削盤(岡本工作機械製PSG63)にてレジンダイヤモンド砥石を用いた研削加工を施し、厚みを20mmに研削加工を行った。加工後の平面度を20μmとした。平面度は三次元測定器((株)ミツトヨ製BRT707)により測定した。
研削加工後マシニングセンター((株)牧野フライス製作所製V33)にてφ15超硬エンドミルを用いた切削加工を施し、外形寸法をφ240mmに加工し、金属円盤を得た。
同マシニングセンターにてφ15超硬エンドミルを用いた切削加工を施し、前記家製造した金属円盤の中央にφ210mm深さ5mmの座ぐり加工を施した。さらに、同マシニングセンターにてφ4超硬ドリルを用いて、基盤の上面から15mm下の外周から基盤の中心にかけてφ4mmの吸気孔を水平に開けた。
その後、同マシニングセンターにてφ5超硬エンドミルを用いた切削加工を施し、幅5mm深さ2mmの座ぐり加工を施して、通気溝を形成した。通気溝は、図2に示すように、3個の略等間隔に形成した同心円状の溝と、2つの直交する基盤の径方向に形成した溝からなる。従って、前記同心円状の溝と径方向の溝とは交差する箇所でつながっている。さらに座ぐり面中心部にφ5mmの穴を垂直に形成し、前記形成したφ4mmの通気口まで開けた。通気口入り口にM5深さ6mmのタップ加工を施した。これにより、図2に示す基盤を得た。
(吸着治具の組み立て)
前述加工済み吸着体を上記基盤の座ぐり面にエポキシ系接着剤にて接着固定した。
吸着板と金属枠との段差が無いように平面研削盤(岡本工作機械製PSG63)にてレジンダイヤモンド砥石を用いた研削加工を施した。加工後の平面度を5μmとした。平面度は三次元測定器((株)ミツトヨ製BRT707)により測定した。
研削加工後、高圧洗浄機で研削粉等を除去した。洗浄が終了した吸着基盤を乾燥機(東京理科機械(株)製NDO-450SU)にて、110℃、1時間保持し乾燥させた。
通気口入り口にメイルコネクター((株)チヨダ製M5×0.8)を取り付け、真空ポンプ((株)ULBAC製DOP-80S)とメイルコネクターを内径4mm外径6mmのウレタンチューブにて連結した。
(吸着圧計測)
吸着治具において、吸着体の気孔径が大きく、さらに被吸着物が吸着面に比べ小さい場合、被吸着物が載っていない開放された気孔を通して空気がリークし、十分な吸着力が得られない。一方、気孔径が適度に小さく均一に分布している吸着体においては、被吸着物の占める範囲が吸着面の一部であっても十分な吸着力を得ることが出来る。
ここで、本発明での吸着体に用いる多孔質体に関して、その気孔径の大きさに対する部分吸着可能な吸着体としての使用可能性について論じるため、吸着圧計測を行った。
始めに、実施例1及び実施例2で製造した吸着体において、被吸着物の大きさに対する吸着圧の変化を計測した。次に、図2に示す吸着冶具用吸着体において、実施例2で用いた多孔質セラミックスと異なる2種類の多孔質体を多孔質セラミックを用い、上記の計測と同様、被吸着物の大きさに対する吸着圧計測を行なった。
表1に本計測に用いた多孔質セラミックスの平均気孔径及び気孔率を示す。ここで、多孔質1及び2は同一材質で、本発明での条件に合致する多孔質セラミックスである。実施例1において、吸着体として用いた多孔質1の直径は約210 mm(8 inch)であり厚さは18mmである。一方、実施例2、及び比較例1、2として用いた多孔質2〜4は直径約210 mm(8 inch)、 厚さ7mmである。
Figure 0004850117
測定は、被吸着物として大きさの異なるフィルムを吸着面に載せ、その時の真空度を配管10、または配管72部に取り付けた真空計にて計測する方法で行った。ここで、実施例1の吸着体においては吸着面裏側をアクリル板に固定した。そのため、この面からの空気のリークは生じない。
フィルムにかかる吸着力はフィルムを載せたときの真空度に比例すると考えることができる。図3に吸着面の面積に対するフィルムの面積の割合と、その時の真空度の関係を示す。
実施例1及び2の吸着体においては、被吸着物が吸着面に比べ十分小さいときでも真空計は高い真空度を示しており、両タイプ共に広い面積割合における部分吸着が可能な吸着体であることが示されている。
一方、多孔質体の平均気孔径が3.4μm(多孔質2)のものから21μm(多孔質3)、さらには60μm(比較例2)と大きくなるに従い、排気管72での真空度は低くなっている。これは、気孔径の大きいセラミックスを用いる吸着冶具では、部分的に被吸着物載せても、被吸着物の載っていない開放されている部分での気孔からのリークが大きく、そのため真空度が上がらず十分な吸着力が得られないことを意味している。
このように、吸着体として用いる多孔質セラミックスの気孔径が大きい場合、被吸着物が吸着面の大部分を覆わないと十分な吸着力が得られない。そのため部分吸着可能な吸着冶具用吸着体としては不適当である。
逆に気孔径が2μm未満と小さい場合は閉塞気味となり、この場合もまた十分な吸着力は得られないため、吸着体としてこれら多孔質体は不適当である。
以上のことより、本発明において吸着体として通気孔の平均気孔径が2〜5 μm、平均気孔率が30〜40 % であることを特徴とする快削性多孔質セラミックスを用いることで、形状・大きさにかかわらず被吸着物の吸着・保持を可能とする。
本発明の吸着体の一例を示す概略図で、(a)は平面図、(b)は側面断面図である。 本発明の吸着体の他の例を示す概略図で、(a)は平面図、(b)は側面断面図である。 吸着体の吸着面積比と真空圧の関係を示すグラフである。
符号の説明
2 吸着体
4 通気孔
6 封止部材
8 吸気口
10 排気管
12 連結具
14 吸引ポンプ
16 被吸着物
18 表面
20 吸着体裏面
200 吸着治具
50 吸着体
52 基盤
54 突条
56 載置部分
58 通気溝
60 円形溝
62 径方向溝
64 吸気孔
68 側面
70 連結具
72 排気管
74 吸引ポンプ
76 被吸着物

Claims (3)

  1. 平均気孔径が2.54 μm、気孔率が30〜35%の快削性多孔質セラミックス平板からなり、前記平板の内部に前記平板の表裏面と平行に通気孔が配されていることを特徴とする真空吸着装置用吸着体。
  2. 吸着体内部に互いに連通する外部と隔離された複数の通気孔を有すると共に前記通気孔と吸着体の外表面に開孔している吸引孔とを連通してなる吸引孔を有する請求項に記載の真空吸着装置用吸着体。
  3. 快削性多孔質セラミックスがワラストナイト系多孔質セラミックスである請求項1又は2に記載の真空吸着装置用吸着体。
JP2007106728A 2007-04-16 2007-04-16 真空吸着装置用吸着体及び真空吸着装置 Active JP4850117B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007106728A JP4850117B2 (ja) 2007-04-16 2007-04-16 真空吸着装置用吸着体及び真空吸着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007106728A JP4850117B2 (ja) 2007-04-16 2007-04-16 真空吸着装置用吸着体及び真空吸着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008270233A JP2008270233A (ja) 2008-11-06
JP4850117B2 true JP4850117B2 (ja) 2012-01-11

Family

ID=40049400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007106728A Active JP4850117B2 (ja) 2007-04-16 2007-04-16 真空吸着装置用吸着体及び真空吸着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4850117B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6815138B2 (ja) * 2016-09-06 2021-01-20 株式会社ディスコ 吸引保持システム
CN106981559B (zh) * 2017-05-18 2023-10-27 深圳新益昌科技股份有限公司 一种真空吸板装置
CN108995232B (zh) * 2018-07-25 2023-11-21 上海亨诺模塑科技股份有限公司 一种真空吸附的铆压头装置
WO2020024984A1 (zh) * 2018-08-01 2020-02-06 北京北方华创微电子装备有限公司 非接触式衬底操作设备和外延反应器

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002254267A (ja) * 2001-02-27 2002-09-10 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 真空吸着加工用補助板
JP2005032959A (ja) * 2003-07-11 2005-02-03 Nikon Corp 真空チャック、研磨装置、露光装置、及び半導体デバイスの製造方法
JP2005279788A (ja) * 2004-03-26 2005-10-13 Ibiden Co Ltd 研削・研磨用真空チャック

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008270233A (ja) 2008-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4850117B2 (ja) 真空吸着装置用吸着体及び真空吸着装置
JP5652832B2 (ja) チャック装置、及びチャック方法
JP5090353B2 (ja) 化学機械研磨に使用する装置及び化学機械研磨を行う方法
JP4214147B2 (ja) 真空チャック
JP6154173B2 (ja) 真空吸着装置及び吸着プレート
CN111546161A (zh) 定位治具及抛光设备
JP2008227125A (ja) 真空吸着装置及びそれを用いた吸着方法
JP2000232083A (ja) 半導体ウエハのユニバーサルチャック機構
KR101282839B1 (ko) 진공흡입력이 개선된 포러스 척
JP5493919B2 (ja) チャックテーブル装置およびこれを用いた半導体装置の製造方法
JP2009253247A (ja) 真空吸着装置用吸着体及び真空吸着装置
CN102668059A (zh) 真空卡盘
KR102079740B1 (ko) 반도체용 쿼츠제품 제작을 위한 진공흡착지그
JPH09174364A (ja) 半導体ウエハのユニバーサルチャックテーブル
JP2007180102A (ja) 吸着体の製造方法及び吸着体
JP3947843B2 (ja) 真空チャック
KR20090102568A (ko) 세라믹 볼 패널 타입 에어진공척
JP2005135940A (ja) 半導体ウエハのユニバ−サルチャック機構およびウエハ取付板
JPH07302832A (ja) 真空吸着装置、真空吸着装置用シール具および真空吸着方法
KR101059434B1 (ko) 진공 척
JP2004209633A (ja) 加工用基板固定装置およびその製造方法
JP2008204995A (ja) 半導体ウエハの研磨方法
KR100934692B1 (ko) 포러스 척 테이블
JP6148084B2 (ja) 吸着部材
JP5316172B2 (ja) ウェハ吸引パッド及びそれを備えたプリアライナ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100408

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111018

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4850117

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141028

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250