JP4848873B2 - ジャイロ振動片 - Google Patents

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Description

本発明は、回転角速度を検出するジャイロセンサなどに用いられるジャイロ振動片に関する。
近年、例えば、ダブルT型ジャイロ振動片などのジャイロ振動片を用いたジャイロセンサは、携帯機器、或いは車載機器など、その用途が拡大している。これにより、使用される温度環境も多岐に渡り、例えば、−40℃〜+85℃の広い温度範囲において安定に動作することも要求されるようになっている。また、併せて小型化も要求されるようになっている。
このようなジャイロ振動片は、室温において、駆動部としての屈曲振動片の共振周波数fd(Hz)(以下、「駆動振動周波数fd」という。)を一定値に調節しても、周囲温度が高温や低温に変化したとき、共振周波数の変動や特性の変動などの所謂温度ドリフトが発生する。この温度ドリフトの発生には、面外屈曲振動モードの振動が影響することが知られている。この温度ドリフトの抑制のため、例えば、特許文献1には、屈曲振動片の駆動振動周波数fd(Hz)と面外屈曲振動モードの共振周波数fs(Hz)(以下、「面外屈曲モード振動周波数fs」という。)との関係を、fs+4500≧fd≧fs+1500とすることが提案されている。
特開2004−101278号公報
しかしながら、前述の従来技術のジャイロ振動片における屈曲振動片の駆動振動周波数fdと面外屈曲モード振動周波数fsとの関係は、大型のジャイロ振動片の温度ドリフトには有効であったが、小型のジャイロ振動片には十分な効果を見出せなかった。例えば、概4mm四方程度のジャイロ振動片には十分な効果を有しているが、概2mm四方程度のジャイロ振動片では、温度ドリフトの改善効果を有していなかった。このように、従来技術に示されている関係(fs+4500≧fd≧fs+1500)を概2mm四方程度の小型のジャイロ振動片に適用しても、面外屈曲モードの振動が駆動振動に影響を与え、温度ドリフトが発生するという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、面外屈曲モードの振動の駆動振動への影響を防止して、温度ドリフトの発生を抑制することが可能な小型のジャイロ振動片を提供することにある。
かかる問題を解決するために、本発明者らは、ジャイロ振動片10の小型化に伴って、駆動振動周波数fdの3倍程度の周波数領域に存在する高調波成分(以下、「高調波成分」という。)の振動と面外屈曲モード振動周波数fsとが近づき易くなることに着目し、本発明を完成させた。
本発明のジャイロ振動片は、基部と、前記基部から延出された支持梁を介して設けられ、所定の駆動振動周波数fdを有する駆動部と、前記基部から前記駆動部と同一平面内に延出され、前記駆動部の回転に伴うコリオリ力によって生じた検出振動を検出する検出部とを有するジャイロ振動片であって、前記ジャイロ振動片は、面外屈曲一次モード振動及び面外屈曲二次モード振動を有し、前記面外屈曲一次モード振動周波数fs1が、fd×2.2≦fs1≦fd×2.8、またはfd×3.2≦fs1≦fd×3.8のいずれかとなるように形成されていることを特徴とする。
本発明のジャイロ振動片によれば、面外屈曲1次モード振動周波数fs1を、この周波数領域内とすることにより、干渉が生じ易い駆動振動周波数fdの3倍付近の高調波成分の振動周波数と面外屈曲1次モード振動周波数fsとを引き離したジャイロ振動片を形成することができる。これにより、駆動振動周波数fdの高調波成分の振動と面外屈曲1次モード振動周波数fs1の振動との干渉を防止することが可能となる。従って、面外屈曲1次モード振動を含む面外屈曲振動モード振動の駆動振動に対する影響を防止して、温度ドリフトの発生を抑制することが可能なジャイロ振動片を提供することが可能となる。
また、前記面外屈曲二次モード振動周波数fs2が、fd×2.2<fs2≦fd×2.8、またはfd×3.2≦fs2≦fd×3.8のいずれかとなるように形成されていることが望ましい。
また、前記面外屈曲一次モード振動周波数fs1が、fd×2.2≦fs1≦fd×2.8、且つ前記面外屈曲二次モード振動周波数fs2が、fd×3.2≦fs2≦fd×3.8であることとしてもよい。
また、前記面外屈曲一次モード振動周波数fs1が、fd×2.2≦fs1≦fd×2.8、且つ前記面外屈曲二次モード振動周波数fs2が、fd×2.2<fs2≦fd×2.8であることとしてもよい。
また、前記面外屈曲一次モード振動周波数fs1が、fd×3.2≦fs1≦fd×3.8、且つ前記面外屈曲二次モード振動周波数fs2が、fd×3.2≦fs2≦fd×3.8であることとしてもよい。
これらのようにすれば、面外屈曲一次モード振動周波数fs1に加えて、前記面外屈曲二次モード振動周波数fs2の振動周波数も駆動振動周波数fdの高調波成分の振動周波数と引き離すため、より確実にそれぞれの振動の干渉を防止することが可能となり、温度ドリフトをさらに抑制することが可能となる。
本発明に係るジャイロ振動片の最良の形態について、以下に図面を用いて説明する。
先ず、本発明に係るジャイロ振動片の構成を、図1に沿って説明する。図1は、ジャイロ振動片の概略構造を模式的に示す平面図である。
本説明では、ジャイロ振動片の一例として、いわゆるダブルT(ティー)型ジャイロ振動片を用いて説明する。図1に示すジャイロ振動片10は、圧電基板の一例としての水晶基板から形成されている。この水晶基板を形成する水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸、及び光学軸と呼ばれるZ軸を有している。ジャイロ振動片10は、この水晶のX軸とY軸の平面方向に切り出されたZカットの水晶基板のXY平面内に形成されている。ジャイロ振動片10は、所定の厚みの水晶基板で形成されている。ジャイロ振動片10の平面形状は、水晶の結晶軸に合わせてXY平面に展開され、中心点Gに対して180°点対称の形状をしている。中心点Gはジャイロ振動片10の重心位置である。ここで、前述の「点対称」、および「重心」とは、幾何学的に厳密な意味ではなく、製造上の誤差などは許容される。
ジャイロ振動片10は、その略中央部に基部12が形成されている。基部12は、X軸方向とY軸方向にそれぞれ平行な端面を持つ略矩形状で形成されている。基部12には、基部12のY軸に平行な2端面の中央からX軸に平行な方向に延出される連結アーム13,14が接続されている。
連結アーム13,14のそれぞれの先端には、駆動部として、連結アーム13,14に直交する方向に延出する1対の駆動アーム15A,15B,15C,15Dが接続されている。詳述すれば、連結アーム13の先端には、Y軸プラス方向に駆動アーム15AとY軸マイナス方向に駆動アーム15Bが接続されている。さらに、連結アーム14の先端には、Y軸プラス方向に駆動アーム15CとY軸マイナス方向に駆動アーム15Dが接続されている。駆動アーム15A,15B,15C,15Dのそれぞれの先端部分には、駆動調整部17A,17Bが形成されている。即ち、駆動アーム15Aの先端部分には、駆動アーム15Aより幅寸法の広い駆動調整部17Aが設けられ、駆動アーム15Bの先端部分には、駆動アーム15Bより幅寸法の広い駆動調整部17Bが設けられている。同様に、駆動アーム15C、及び駆動アーム15Dのそれぞれの先端部分にも駆動調整部17A,17Bが設けられている。駆動部は、所定の共振周波数の駆動振動となるように、駆動アーム15A,15B,15C,15D、或いは駆動調整部17A,17Bの幅や長さなどの寸法、形状が設定される。
さらに、基部12には、基部12のX軸に平行な2端面の中央からY軸に平行な方向に延出される検出部として、Y軸プラス方向に検出アーム16AとY軸マイナス方向に検出アーム16Bとが接続されている。検出アーム16A,16Bの先端部分には、それぞれ検出調整部18A.18Bが形成されている。即ち、検出アーム16Aの先端部分には、検出アーム16Aより幅寸法の広い検出調整部18Aが設けられ、検出アーム16Bの先端部分には、検出アーム16Bより幅寸法の広い検出調整部18Bが設けられている。検出部は、所定の共振周波数の検出振動となるように、検出アーム16A,16B、或いは検出調整部18A,18Bの幅や長さなどの寸法、形状が設定される。
続いて、ジャイロ振動片10の振動動作について説明する。図2、及び図3は、本実施形態のジャイロ振動片10の動作を模式的に説明するための平面図である。図2、及び図3においては、振動形態をわかりやすく表現するために、各振動腕は簡略化して線で表し、検出調整部及び駆動調整部は省略している。図1と同じ構成部分は、同じ符号で示し説明を省略する。なお、ここで説明するジャイロ振動片10の振動動作を、面内屈曲振動モード振動ともいう。
図2は、駆動振動を説明する図である。図2において、駆動振動は、駆動アーム15A,15B,15C,15Dが矢印A方向に振動する屈曲振動であって、実線で示す振動姿態と、二点鎖線で示す振動姿態を所定の周波数で繰り返している。この周波数を駆動振動周波数(fd)という。このとき、駆動アーム15A,15Bと駆動アーム15C,15Dとが、重心位置Gを通るY軸で線対称の振動を行っているので、基部12、連結アーム13,14及び検出アーム16A,16Bは、殆んど振動しない。
図3は、検出振動を説明する図である。図3において、検出振動は、実線で示す振動姿態と、二点鎖線で示す振動姿態を、前述の駆動振動周波数fdとほぼ等しい周波数で繰り返している。検出振動は、ジャイロ振動片10が図2に示した駆動振動を行っている状態で、ジャイロ振動片10にZ軸周りの回転角速度ωが加わった時、駆動アーム15A,15B及び15C,15Dに矢印Bで示す方向のコリオリ力が働くことによって発生する。
このことより、駆動アーム15A,15B,15C,15Dが、矢印Bで示す振動を行う。矢印Bで示した振動は、重心位置Gに対して周方向の振動である。また同時に、検出アーム16A,16Bは、矢印Cに示すように、矢印Bの振動に呼応して矢印Bとは周方向反対向きの振動を行う。
このとき、基部12の周縁部は、駆動アーム15A,15B,15C,15Dと検出アーム16A,16Bとが図2で示したような振動をしたとき振動系としては釣り合いが取れた状態であるため振動しない。従って、この基部12にジャイロ振動片10を支持する支持部材を接続してもジャイロ振動片10の振動に影響を与えることはない。
次に、本形態のジャイロ振動片10の面外屈曲振動モード(以下、「面外屈曲モード」という。)の振動動作について説明する。この面外屈曲モードは、所定の振動周波数で振動する。面外屈曲モードの振動には、面外屈曲1次モード振動周波数fs1で振動する面外屈曲1次モードと面外屈曲2次モード振動周波数fs2で振動する面外屈曲2次モードとが含まれる。
図4は、面外屈曲1次モードの振動動作を模式的に説明するための概略図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)はY軸方向から見た正面図である。図5は、面外屈曲2次モードの振動動作を模式的に説明するための概略図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)はY軸方向から見た正面図である。なお、図4及び図5は、ジャイロ振動片のある時点における形態を示している。
先ず、図4に沿って面外屈曲1次モードの振動動作について説明する。図4に示すように、面外屈曲1次モードは、一方の連結アーム13と他方の連結アーム14とがX−Y平面に対して略垂直方向(Z軸方向)に向かって屈曲振動する(A7,A6,B7,B6の矢印で示す)。図4では、連結アーム13が、X−Y平面に対し矢印A7で示す方向に変位し、連結アーム14が、X−Y平面に対し矢印A6で示す方向に変位している瞬間を一例として示している。
この面外屈曲1次モードの振動は、いずれの瞬間においてもX−Y平面に対する連結アーム13の変位(矢印A7,B7)と連結アーム14の変位(矢印A6,B6)とが逆方向、即ち逆相になる振動である。図4に示す連結アーム13と連結アーム14との変位が矢印A7,A6で示される場合、駆動アーム15A,15B,15C,15Dは、Y軸を中心として回転するような矢印A9,A10の方向に変位する。この駆動アーム15A,15B,15C,15Dの変位方向は、連結アーム13,14の変位方向に沿った方向となっている。
なお、駆動アーム15A,15B,15C,15Dの変位方向は、連結アーム13,14の変位が逆方向(矢印B7,B6)になるにつれて逆転し、矢印B9,B10の方向に変位することになる。
同様に、連結アーム13と連結アーム14との変位が矢印A7,A6で示される場合、検出アーム16A,16Bは、Y軸を中心として回転するような矢印A8の方向に変位する。この検出アーム16A,16Bの変位方向は、連結アーム13,14の変位が逆方向(矢印B7,B6)になるにつれて逆転し、矢印B8の方向に変位することになる。面外屈曲1次モードの振動動作は、上述した変位が繰り返され、面外屈曲1次モード振動周波数fs1で行なわれる。
次に、図5に沿って面外屈曲2次モードについて説明する。図5に示すように、面外屈曲2次モードは、1次の面外屈曲振動モードと同様に、一方の連結アーム13と他方の連結アーム14とがX−Y平面に対して略垂直方向(Z軸方向)に向かって屈曲振動する(A1,A2,B1,B2の矢印で示す)。図5では、連結アーム13が、X−Y平面に対し矢印A2で示す方向に変位し、連結アーム14が、X−Y平面に対し矢印A1で示す方向に変位している瞬間を一例として示している。
この面外屈曲2次モードの振動は、いずれの瞬間においてもX−Y平面に対する連結アーム13の変位(矢印A2,B2)と連結アーム14の変位(矢印A1,B1)とが逆方向、即ち逆相になる振動である。図5に示す連結アーム13と連結アーム14との変位が矢印A2,A1で示される場合、駆動アーム15A,15B,15C,15Dは、Y軸を中心として回転するような矢印A4,A5の方向に変位する。
この駆動アーム15A,15B,15C,15Dの変位方向は、連結アーム13,14の変位方向と逆の変位方向となっている。
なお、駆動アーム15A,15B,15C,15Dの変位方向は、連結アーム13,14の変位が逆方向(矢印B2,B1)になるにつれて逆転し、矢印B4,B5の方向に変位することになる。
同様に、連結アーム13と連結アーム14との変位が矢印A2,A1で示される場合、検出アーム16A,16Bは、Y軸を中心として回転するような矢印A3の方向に変位する。この検出アーム16A,16Bの変位方向は、連結アーム13,14の変位が逆方向(矢印B2,B1)になるにつれて逆転し、矢印B3の方向に変位することになる。面外屈曲2次モードの振動動作は、上述した変位が繰り返され、面外屈曲2次モード振動周波数fs2で行なわれる。
発明者は、前述したジャイロ振動片10の小型化に伴って、駆動振動周波数fd(以下、駆動振動周波数を省略し「fd」ということがある。)の3倍の高調波成分と面外屈曲1次モード振動周波数fs1(以下、面外屈曲1次モード振動周波数を省略し「fs1」ということがある。)、或いは面外屈曲2次モード振動周波数fs2(以下、面外屈曲2次モード振動周波数を省略し「fs2」ということがある。)とが近づき易くなることに着目した。そして、駆動振動周波数fdの振動と面外屈曲1次モード振動周波数fs1或いは面外屈曲2次モード振動周波数fs2の振動とが互いに干渉、或いは結合することによって温度ドリフトをもたらしていることを見出した。この温度ドリフトは、駆動振動周波数fdと面外屈曲1次モード振動周波数fs1或いは面外屈曲2次モード振動周波数fs2を引き離すことで温度ドリフトが抑制できることを確認した。
なお、面外屈曲1次モード振動周波数fs1、面外屈曲2次モード振動周波数fs2の振動周波数は、図1に示すように、駆動調整部17A,17B、検出調整部18A,18Bの質量、形状などを変化させることよって調整することができる。この周波数の調整は、例えば、駆動調整部17A,17Bの幅寸法Wd、および検出調整部18A,18Bの幅寸法Wdeとジャイロ振動片10の幅寸法Waの寸法比を変えることによって行うことができる。また、長さ、或いはその表面に形成された錘層(図示せず)を除去するなどによって行うことも可能である。
以下、温度ドリフトを抑制するために用いたジャイロ振動片10の好適な実施例を示し説明する。
ここで示す実施例では、ジャイロ振動片10の一例として外形寸法を概ね2mm四方内に納めた駆動振動周波数fdが80.6KHzのダブルT型ジャイロ振動片(以下、「振動片」という。)を用いた。
(実施例1)
面外屈曲1次モード振動周波数fs1を、fs1/fdが1.8から4.2までの間となるように変化させた振動片を種々作成し、それぞれの振動片の温度変化による周波数の温度ドリフトの量(以下、「ドリフト量」という。)を確認した。
ここでfs1/fdは、面外屈曲1次モード振動周波数fs1を駆動振動周波数fdで除したものであり、面外屈曲1次モード振動周波数fs1が駆動振動周波数fdの何倍の周波数となっているかを示している。その結果を図6のグラフに示す。
図6は、振動片のfs1とドリフト量との相関を表したグラフであり、横軸は、fs1/fdの値を表し、縦軸は、ドリフト量を指数的に表したものである。図6に示すように、fs1/fdが2.2以上2.8以下のとき、または3.2以上3.8以下の範囲にあるときは、図中破線で示す規格線Lよりドリフト量が小さくなっていることが判る。換言すれば、面外屈曲1次モード振動周波数fs1を駆動振動周波数fdの2.2倍以上2.8倍以下、または3.2倍以上3.8倍以下とすることによりドリフト量を規格より小さく抑えることが可能である。このドリフト量を規格より小さく抑えることが可能な範囲は、fd×2.2≦fs1≦fd×2.8、またはfd×3.2≦fs1≦fd×3.8となる。なお、規格線Lは、ドリフトが実用上問題とならない値を指数に置き換えたものである。
(実施例2)
さらに、面外屈曲1次モード振動周波数fs1を、2.2≦fs1/fd≦2.8に設定し、面外屈曲2次モード振動周波数fs2のfs2/fdを2.2から4までの間となるように変化させた振動片を種々作成し、それぞれの振動片の温度変化による周波数のドリフト量を確認した。ここでfs2/fdは、面外屈曲2次モード振動周波数fs2を駆動振動周波数fdで除したものであり、面外屈曲2次モード振動周波数fs2が駆動振動周波数fdの何倍の周波数となっているかを示している。その結果を図7のグラフに示す。
図7は、振動片の面外屈曲1次モード振動周波数fs1を2.2≦fs1/fd≦2.8としたときの、fs2とドリフト量との相関を表したグラフであり、横軸は、fs2/fdの値を表し、縦軸は、ドリフト量を指数的に表したものである。図7に示すように、振動片の面外屈曲1次モード振動周波数fs1を、2.2≦fs1/fd≦2.8に設定した上で、面外屈曲2次モード振動周波数fs2のfs2/fdを2.2から4までの間とすることにより、振動片のドリフト量は、規格線Lを大きく下回る値となる(この規格線Lは、図6、図8に示す規格線Lと同じ値を示している。)。つまり、振動片のドリフト量を実施例1より、さらに小さく抑えることが可能である。
本実施例2によれば、面外屈曲2次モード振動周波数fs2の内の特に好適な設定範囲は、fs2/fdが2.2を超え2.8以下のとき、即ち振動片の面外屈曲2次モード振動周波数fs2をfs2×2.2<fd≦fs2×2.8としたとき、またはfs2/fdが3.2以上3.8以下のとき、即ちfs2×3.2≦fd≦fs2×3.8としたときの範囲にあるときである。
なお、面外屈曲2次モード振動周波数fs2は、面外屈曲1次モード振動周波数fs1より高周波数側に存在するものである。従って、図7では、fs2/fdが2.4からのプロットとなっているが理論上はfs2がfs1×2.2を超えていればよく、fs2/fdは、2.2を超え2.8以下の範囲が好適と考えられる。
(実施例3)
面外屈曲1次モード振動周波数fs1を、3.2≦fs1/fd≦3.8に設定し、面外屈曲2次モード振動周波数fs2のfs2/fdを3.2から3.8までの間となるように変化させた振動片を種々作成し、それぞれの振動片の温度変化による周波数のドリフト量を確認した。fs2/fdの説明は、実施例2と同じであるので省略する。その結果を図8のグラフに示す。
図8は、振動片のfs1を3.2≦fs1/fd≦3.8としたときの、fs2とドリフト量との相関を表したグラフであり、横軸は、fs2/fdの値を表し、縦軸は、ドリフト量を指数的に表したものである。図8に示すように、振動片の面外屈曲1次モード振動周波数fs1を、3.2≦fs1/fd≦3.8に設定した上で、面外屈曲2次モード振動周波数fs2のfs2/fdを3.2から4までの間とすることにより、振動片のドリフト量は、実施例2と同様に規格線Lを大きく下回る値となる(この規格線Lは、図6、図7に示す規格線Lと同じ値を示している。)。つまり、振動片のドリフト量を実施例1より、さらに小さく抑えることが可能である。
本実施例3によれば、前述した面外屈曲2次モード振動周波数fs2の内の特に好適な設定範囲は、fs2/fdが3.2を超え3.8以下のとき、即ち振動片の面外屈曲2次モード振動周波数fs2をfs2×3.2<fd≦fs2×3.8としたときの範囲にあるときである。
なお、面外屈曲2次モード振動周波数fs2は、面外屈曲1次モード振動周波数fs1より高周波数側に存在するものである。従って、図7では、fs2/fdが3.4からのプロットとなっているが理論上はfs2がfs1×3.2を超えていればよく、fs2/fdは、3.2を超え3.8以下の範囲が好適と考えられる。
前述のようにジャイロ振動片10は、振動片の面外屈曲1次モード振動周波数fs1及び面外屈曲2次モード振動周波数fs2と、駆動振動周波数fdとを前述の実施例1から実施例3で説明したような関係とすることにより、温度変化によるドリフト量(温度ドリフトの量)を実用上問題とならない程度まで抑制することが可能となる。
この振動片の面外屈曲1次モード振動周波数fs1及び面外屈曲2次モード振動周波数fs2と、駆動振動周波数fdとの相関を図9のグラフに示す。図9に示すクロスハッチングの部分50,51,52の範囲が温度ドリフトの少ない特に好適な範囲を示し、斜めハッチングの部分53a,53b,53cが温度ドリフトの少ない好適な範囲を示している。なお、図9の分割線Dの左上方側は、fs2>fs1の関係から存在しない範囲である。
なお、前述したジャイロ振動片10は、例えばセラミックなどで形成された収納パッケージにセンサ駆動回路等を有する回路素子とともに収納されたジャイロセンサとして用いることが可能である。このジャイロセンサは、収納パッケージに形成された凹部の底部に支持基板が接続され、その支持基板上にジャイロ振動片10を支持するための支持アームとジャイロ振動片10を少なくとも駆動する機能を有した回路素子が接続されている。さらに、支持アームの一端にジャイロ振動片の基部が接続されてジャイロ振動片10が保持されている。これらの部材は、収納パッケージの開口部が蓋体によって接合されることにより、収納パッケージに収納され気密に封止される。このとき収納容器内は減圧されることが多い。
また、前述の実施形態では、ジャイロ振動片を、いわゆるダブルT(ダブル・ティー)型ジャイロ振動片を例示して説明したが、これに限らない。例えば、音叉型ジャイロ振動片、H(エッチ)型ジャイロ振動片などのジャイロ振動片の電極にも適用することが可能であり、同様な効果を有している。
ジャイロ振動片の概略構造を模式的に示す平面図。 ジャイロ振動片の駆動振動を説明する図。 ジャイロ振動片の検出振動を説明する図。 ジャイロ振動片の面外屈曲1次モードの振動動作を模式的に説明するための概略図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)はY軸方向から見た正面図。 ジャイロ振動片の面外屈曲2次モードの振動動作を模式的に説明するための概略図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)はY軸方向から見た正面図。 実施例1の振動片のfs1とドリフト量との相関を表したグラフ。 実施例2の振動片のfs1とドリフト量との相関を表したグラフ。 実施例3の振動片のfs1とドリフト量との相関を表したグラフ。 温度ドリフトを抑制することが可能なfs1及びfs2と、fdとの相関を示すグラフ。
符号の説明
10…ジャイロ振動片、12…基部、13,14…支持梁としての連結アーム、15A,15B,15C,15D…駆動部としての駆動アーム、16A,16B…検出部としての検出アーム、17A,17B…駆動調整部、18A,18B…検出調整部。

Claims (5)

  1. 基部と、前記基部から延出された支持梁を介して設けられ、所定の駆動振動周波数fdを有する駆動部と、前記基部から前記駆動部と同一平面内に延出され、前記駆動部の回転に伴うコリオリ力によって生じた検出振動を検出する検出部とを有するジャイロ振動片であって、
    前記ジャイロ振動片は、面外屈曲一次モード振動及び面外屈曲二次モード振動を有し、前記面外屈曲一次モード振動周波数fs1が、fd×2.2≦fs1≦fd×2.8、またはfd×3.2≦fs1≦fd×3.8のいずれかとなるように形成されていることを特徴とするジャイロ振動片。
  2. 請求項1に記載のジャイロ振動片において、
    前記面外屈曲二次モード振動周波数fs2が、fd×2.2<fs2≦fd×2.8、またはfd×3.2≦fs2≦fd×3.8のいずれかとなるように形成されていることを特徴とするジャイロ振動片。
  3. 請求項1に記載のジャイロ振動片において、
    前記面外屈曲一次モード振動周波数fs1が、fd×2.2≦fs1≦fd×2.8、且つ前記面外屈曲二次モード振動周波数fs2が、fd×3.2≦fs2≦fd×3.8であることを特徴とするジャイロ振動片。
  4. 請求項1に記載のジャイロ振動片において、
    前記面外屈曲一次モード振動周波数fs1が、fd×2.2≦fs1≦fd×2.8、且つ前記面外屈曲二次モード振動周波数fs2が、fd×2.2<fs2≦fd×2.8であることを特徴とするジャイロ振動片。
  5. 請求項1に記載のジャイロ振動片において、
    前記面外屈曲一次モード振動周波数fs1が、fd×3.2≦fs1≦fd×3.8、且つ前記面外屈曲二次モード振動周波数fs2が、fd×3.2<fs2≦fd×3・8であることを特徴とするジャイロ振動片。
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