JP4848161B2 - 反射防止膜の製造方法及び反射防止膜作製用スタンパの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子膜の表面に形成され、可視光域における反射を低減させる反射防止膜製造方法、並びにその反射防止膜を形成するためのスタンパ製造方法に関する。
様々な情報機器用表示装置において、高分子フィルム(高分子膜)が広く用いられているが、良好な視認性を確保するためには、反射光を抑制するための反射防止層の形成が必要とされる。通常、反射防止層としては、異なる屈折率からなる誘電体から構成される多層膜が用いられているが、誘電体層の形成には、真空蒸着法、あるいはスパッタ法が用いられており、反射層形成には、高価な装置と多大な作製時間を必要とするという問題点があった。
一方、高分子フィルムの表面に突起状の形状を付与し、屈折率が連続的に変化する層を形成することにより反射率を低減する方式が知られている。高分子フィルムに突起形状を付与するためには、通常、突起形状に対応した窪み配列を有するスタンパを用意し、これをもとに高分子フィルムを加工する方法が用いられている。
高分子フィルムの表面に突起形状を形成するためのスタンパに形成する窪みは、光の波長に比較して微細な周期を有し、可視光域で反射率を十分減衰させるためには、波長の1/4程度の深さを有することが必要とされる(たとえば、特許文献1)。このとき、窪みは、屈折率を連続的に変化させる必要があることから、テーパー形状を有することが必要とされる。
このような条件をみたす窪み配列の形成を行うためには、電子ビームリソグラフィーやフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術を組み合わせた手法が一般に用いられている。しかしながら、これらの手法では、加工に多大な時間がかかるため大面積化が困難であることに加え、加工には高価な装置が必要となるという問題点があった。
安価に大面積で、高分子フィルム表面にテーパー形状の突起を形成する手法として、細孔径が連続的に変化したテーパー状細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを用いた手法が先に本出願人により提案されている(特許文献2)。しかしながら、この提案の段階では、鋳型として用いる陽極酸化ポーラスアルミナの細孔形状について、膜厚方向に細孔径が必ずしも最適化されていなかったために、高分子膜表面での屈折率変化を最適化することが困難であり、得られる反射防止特性に限界があるという問題が残されていた。
特開2003―43203号公報 特開2005―156695号公報
上記のように、リソグラフィーを用いる方法では、大面積を加工可能なスタンパを安価に製造することは困難であり、また、テーパー状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを用いる手法においても、最適化された無反射特性を付与することが困難であるという問題点を有していた。
そこで本発明の課題は、上記従来技術における問題点を解決するために、陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として、高分子フィルム面により最適な反射防止構造を効率的に形成可能な反射防止膜の製造方法並びに、その反射防止膜を効率的に形成可能なスタンパ製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、陽極酸化と細孔の孔径拡大処理を組み合わせ、それぞれの処理条件を調節することにより、細孔の縦断面形状でみて細孔の孔径がより最適に連続的に変化した細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用いることで無反射高分子フィルムの作製を可能にするものである。すなわち、本発明に係る反射防止膜の製造方法は、陽極酸化と孔径拡大化処理とを、それぞれの処理条件を調節して複数回繰り返し、最後の処理を孔径拡大化処理とするとともに、該最後の処理としての孔径拡大化処理の時間をその前の前記繰り返し処理における孔径拡大化処理の時間とは異なる処理時間とすることにより、細孔の縦断面形状で見て、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向において、細孔の孔径減少するとともに細孔の内面が曲線的に変化する釣鐘形状の細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを作製し、該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用いることにより、あるいは該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製したスタンパを用いることにより、高分子材料の表面に前記細孔の形状に対応した形状の突起または窪みの配列を形成することを特徴とする方法からなる。代表的には、後述の実施例にも示すように、陽極酸化を行った後孔径拡大化処理を行う工程をn回繰り返し、n回目の孔径拡大化処理を1回目〜(n−1)回目の孔径拡大化処理よりも処理時間を長くすることにより、細孔の縦断面形状で見て、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向において、細孔の底部側の孔径がそれよりも細孔の開口部側の細孔の孔径に比べ相対的に急激に減少するとともに細孔の内面が曲線的に変化する釣鐘形状の細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを作製し、該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用いることにより、あるいは該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製したスタンパを用いることにより、高分子材料の表面に前記細孔の形状に対応した形状の突起または窪みの配列を形成することを特徴とする反射防止膜の製造方法を挙げることができる。
この反射防止膜の製造方法においては、上記高分子材料の表面に形成される突起に対応する上記細孔の縦断面形状としては、例えば、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向に沿って見た孔径の変化に関して、細孔の開口部側の孔径の方が細孔の底部側の孔径に比べ相対的に緩やかに減少している形状に形成することができる。また、上記高分子材料の表面に形成される窪みに対応する上記細孔の縦断面形状としては、例えば、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向に沿って見た孔径の変化に関して、細孔の開口部側の孔径の方が細孔の底部側の孔径に比べ相対的に急激に減少している形状に形成することもできる。
また、上記反射防止膜の製造方法においては、細孔周期50nm〜300nm,細孔深さ100nm以上の陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用いることで、より最適な無反射膜の作製を実現できる。
また、定電圧で長時間陽極酸化を施したのち、一旦酸化皮膜を除去し、再び同一条件で陽極酸化を施すことで作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることで、高い孔配列規則性を有する陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型とすることが可能となる。
使用する陽極酸化ポーラスアルミナとしては、たとえば、シュウ酸を電解液として用い、化成電圧30V〜60Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることもでき、硫酸を電解液として用い、化成電圧25V〜30Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることもできる。このような陽極酸化ポーラスアルミナを用いることで、より高い規則性を有する窪みまたは突起配列を鋳型とすることが可能となる。
さらに、陽極酸化ポーラスアルミナの作製において、陽極酸化に先立ちアルミニウム表面に微細な窪みを形成し、これを陽極酸化時の細孔発生点とすることもできる。これにより、任意の配列を有する窪みまたは突起配列を有する鋳型とすることが可能となる。
本発明における反射防止膜は、このような方法により製造されたものであり、目標とする形状に形成された表面突起または窪みの配列により、極めて優れた反射防止性能を有するものである。この反射防止膜は、例えば光透過性高分子膜の表面に形成することにより、各種用途において目標とする反射防止性能を発揮することができる。
本発明に係る反射防止膜作製用スタンパの製造方法は、高分子材料の表面に突起または窪みの配列を形成した反射防止膜の、前記突起または窪みの形成に用いるスタンパの製造方法であって、陽極酸化と孔径拡大化処理とを、それぞれの処理条件を調節して複数回繰り返し、最後の処理を孔径拡大化処理とするとともに、該最後の処理としての孔径拡大化処理の時間をその前の前記繰り返し処理における孔径拡大化処理の時間とは異なる処理時間とすることにより、細孔の縦断面形状で見て、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向において、細孔の孔径減少するとともに細孔の内面が曲線的に変化する釣鐘形状の細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを作製し、該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用いることを特徴とする方法からなる。代表的には、後述の実施例にも示すように、高分子材料の表面に突起または窪みの配列を形成した反射防止膜の、前記突起または窪みの形成に用いるスタンパの製造方法であって、陽極酸化を行った後孔径拡大化処理を行う工程をn回繰り返し、n回目の孔径拡大化処理を1回目〜(n−1)回目の孔径拡大化処理よりも処理時間を長くすることにより、細孔の縦断面形状で見て、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向において、細孔の底部側の孔径がそれよりも細孔の開口部側の細孔の孔径に比べ相対的に急激に減少するとともに細孔の内面が曲線的に変化する釣鐘形状の細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを作製し、該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用いることを特徴とする、反射防止膜作製用スタンパの製造方法を挙げることができる。
本発明における反射防止膜作製用スタンパは、このような方法により製造されたものからなる。
本発明によれば、従来の方法に比較し、より簡便に、また細孔の形状がより最適な形状制御された陽極酸化ポーラスアルミナに基づく鋳型の形成が可能となり、この結果、可視光域における反射を低減した反射防止層の製造、更には、反射防止層を形成するためのスタンパ製造が可能となる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は,本発明において鋳型として用いる陽極酸化ポーラスアルミナの作製方法を示したものである。陽極酸化と孔径拡大化処理とを、それぞれの処理条件、例えば処理時間を調節して複数回繰り返し、最後の処理を孔径拡大化処理とするとともに、該最後の処理としての孔径拡大化処理の時間をその前の前記繰り返し処理における孔径拡大化処理の時間とは異なる処理時間とすることにより、細孔の縦断面形状で見て、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向において、細孔の孔径減少するとともに細孔の内面が曲線的に変化する釣鐘形状の細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを作製する。図1に示すように、陽極酸化ポーラスアルミナ2は、アルミニウム基材1の表面に形成されるが、陽極酸化ポーラスアルミナ2の細孔3の形状は、初期の段階では円筒形状をしており、そのままでは、無反射膜を形成するための鋳型としての利用は困難である。本発明においては、陽極酸化と、エッチングによる孔径拡大処理を組み合わせることにより、最終的に細孔3の縦断面形状でみて、細孔3の孔径が細孔深さ方向に減少し細孔の内面が曲線的に変化した形状の細孔3をもつ陽極酸化ポーラスアルミナ2を作製する。図1に示した例では、最終的な細孔3の縦断面形状は、釣鐘形、つまり、細孔深さ方向に、最初は(つまり、細孔の開口部側では)緩やかに孔径が減少し細孔の内面が曲線的に変化しているが、途中から(つまり、細孔の底部側では)より急激に孔径が減少し細孔の内面が曲線的に変化している形状に形成されている。所定の時間陽極酸化を施して所望の深さの細孔を形成したのち、適当な酸溶液中に浸漬することにより孔径の拡大処理を施す。この後、再び陽極酸化を施すことにより、1段階目に比較して孔径の小さな孔を形成する。この操作を繰り返すとともに、各段階におけるそれぞれの処理条件を調節することにより、目標とする釣鐘形の形状を有する陽極酸化ポーラスアルミナ2を得ることができる。このとき,繰り返し段数を増大することにより、より滑らかな曲線形状を得ることが可能となる。とくに陽極酸化時間と孔径拡大処理時間とを調整することで、様々な曲線形状の縦断面を有する細孔の形成が可能であり、周期、孔深さと併せて、最適な屈折率変化を設計することが可能となる。
このようにして形成された細孔径が深さ方向において変化し縦断面形状にて細孔の内面が曲線的に変化した細孔を有するポーラスアルミナを鋳型とし、図2に示すように、高分子材料4(高分子フィルム)にこの構造を転写することで表面に突起を有する反射防止構造を得ることができる。
また、図3に示すように、得られた陽極酸化ポーラスアルミナ2の構造を鋳型とし、金属等のネガ型材5により同じの形状を有する鋳型を得、この鋳型(ネガ型材5による鋳型)にポジ型材6を付与すれば、ネガ型材5による鋳型を除去することによりスタンパ7を得ることも可能である。このスタンパ7は、反射防止膜を形成する高分子材料に対して、突起パターン形成用モールドとして機能できる。このようなスタンパ7は、耐久性、耐摩耗性、あるいは離型特性の持たせた構造として有効である。
本発明においては、更に、図4に示すように、突起パターンのほかに、窪みパターンからなる反射防止構造の形成も可能である。この場合、細孔径が深さ方向において変化し縦断面形状にて細孔の内面が曲線的に変化した細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナ2を鋳型とし、金属等の材料で作製したスタンパ8を窪みパターン形成用モールドとして用いる。このような方法で得られたモールドを用いれば、サイズが深さ方向において変化し縦断面形状にて内面が曲線的に変化した窪みのパターンからなる反射防止膜の作製を行うことができる。
図4に例示した陽極酸化ポーラスアルミナ2の細孔3の縦断面形状は、細孔深さ方向に、最初は(つまり、細孔の開口部側では)やや急激に孔径が減少し細孔の内面が曲線的に変化し、途中から(つまり、細孔の底部側では)より緩やかに孔径が減少し細孔の内面が曲線的に変化している形状に形成されている。図1、図4に示した孔径が減少し細孔の内面が曲線的に変化した細孔3は、陽極酸化と細孔の孔径拡大処理を組み合わせ、それぞれの処理条件を互いに異なる条件に調節することにより形成できる。
本発明においては、更に、上記のような縦断面形状にて細孔の内面が曲線的に変化し孔径が減少した細孔を形成するのに先立ち、あらかじめ比較的長時間陽極酸化を施し、陽極酸化ポーラスアルミナ層の孔配列を規則化させ、その後、アルミナ層を除去することで、アルミニウム表面にポーラスアルミナの底部(バリア層と呼ばれる)に対応する規則的な窪み配列を得、再び同一の電圧での陽極酸化、および孔径拡大処理を組み合わせることで、最表面から細孔が規則配列した、所定縦断面形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを形成することができる。つまり、好ましい縦断面形状の細孔がより高い規則性をもって配列された陽極酸化ポーラスアルミナを形成することができる。一般に、陽極酸化ポーラスアルミナにおいて、陽極酸化初期に形成される最表面部分の細孔配列の規則性は低く、このような陽極酸化ポーラスアルミナをもとに形成された無反射膜では、光散乱が増大し良好な無反射膜としては利用が困難になる可能性があるが、上記手法に基づけば、細孔が高い規則性をもって配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得ることが可能となり、良好な無反射膜の形成に寄与する。このとき、シュウ酸を電解液として用いる場合には、30〜60Vの化成電圧で、より好ましくは、40Vで、また、硫酸を電解液として用いる場合には、25〜30Vの化成電圧で高い規則性を有する陽極酸化ポーラスアルミナが得られることが知られている(たとえば、益田,応用物理,vol.69, No.5, p.558 (2000))。このようにして形成された高い規則性の孔配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナは、直接、あるいは更に金属等の鋳型作製に有効に用いることが可能である。
本発明においては、更に、所望の配列の突起を有するモールドを用いることでアルミニウム基材の表面に微小な窪み配列を形成し、その後、窪み間隔に適合した化成電圧での陽極酸化と孔径拡大処理を組み合わせることで、窪みが孔発生の開始点となり、モールドの突起配列に対応した孔配列を有するテーパー状の孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得ることが可能となる。この方法によれば、任意の周期、配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナの形成が可能となり良好な無反射膜を得るのに寄与する。この方法では、高い規則性の細孔配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得るのみならず、表示材料として用いる際に問題となる光干渉にもとづく干渉色の発生等の抑制にも寄与する。このようにして形成された高い規則性の孔配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナは、直接、あるいは更に金属等の鋳型作製に有効に用いることが可能である。
次に、実施例に基づいて、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1(陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製した反射防止膜の作製)
純度99.99%のアルミニウム板を0.3Mシュウ酸水溶液を電解液とし、化成電圧40Vにおいて、15秒間陽極酸化を行った。その後、5wt%リン酸30℃中に3分間浸漬し、孔径拡大処理を施した。この操作を5回繰り返し、さらに同条件下で15秒間陽極酸化を行った後、15分間孔径拡大化処理を施すことで、細孔周期100nm、細孔開口部80nm、底部40nm、孔深さ200nmの縦断面が釣鐘形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。重合開始剤として5重量%の過酸化ベンゾイルを含むメタクリル酸メチルモノマーを細孔内に充填した後、紫外線を照射することで重合させた。重合後、鋳型を溶解除去することで、表面に釣鐘形状の突起を有するポリメチルメタクリレート樹脂膜を得た。図5に、本手法により得られた釣鐘形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナ2を電子顕微鏡により観察した図を示す。また、図6には、この陽極酸化ポーラスアルミナ2を鋳型として得られた反射防止膜4を電子顕微鏡により観察した図を示す。
本発明は、反射防止膜の形成が要求されるあらゆる用途に適用でき、とくに、視認性の向上が要求される各種情報機器用表示装置等に好適なものである。
陽極酸化時間とエッチングを組み合わせることで、膜厚方向において所望の曲線的変化率で細孔径が連続的に変化した細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを作製する過程を示す図である。 膜厚方向において細孔径が連続的に変化した細孔をもつポーラスアルミナを鋳型とした突起形状を有する反射防止膜を作製する過程を示す図である。 陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製した突起パターン形成用スタンパを作製する過程を示す図である。 陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製した窪みパターン形成用スタンパを作製する過程を示す図である。 釣鐘形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを電子顕微鏡により観察した図である。 釣鐘形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製した反射防止膜を電子顕微鏡により観察した図である。
符号の説明
1 アルミニウム基材
2 陽極酸化ポーラスアルミナ
3 細孔
4 高分子材料(反射防止膜)ポリマー
5 ネガ型材
6 ポジ型材
7 スタンパ(突起パターン形成用モールド)
8 スタンパ(窪みパターン形成用モールド)

Claims (11)

  1. 陽極酸化と孔径拡大化処理とを、それぞれの処理条件を調節して複数回繰り返し、最後の処理を孔径拡大化処理とするとともに、該最後の処理としての孔径拡大化処理の時間をその前の前記繰り返し処理における孔径拡大化処理の時間とは異なる処理時間とすることにより、細孔の縦断面形状で見て、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向において、細孔の孔径減少するとともに細孔の内面が曲線的に変化する釣鐘形状の細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを作製し、該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用いることにより、あるいは該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製したスタンパを用いることにより、高分子材料の表面に前記細孔の形状に対応した形状の突起または窪みの配列を形成することを特徴とする反射防止膜の製造方法。
  2. 陽極酸化を行った後孔径拡大化処理を行う工程をn回繰り返し、n回目の孔径拡大化処理を1回目〜(n−1)回目の孔径拡大化処理よりも処理時間を長くすることにより、細孔の縦断面形状で見て、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向において、細孔の底部側の孔径がそれよりも細孔の開口部側の細孔の孔径に比べ相対的に急激に減少するとともに細孔の内面が曲線的に変化する釣鐘形状の細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを作製し、該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用いることにより、あるいは該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製したスタンパを用いることにより、高分子材料の表面に前記細孔の形状に対応した形状の突起または窪みの配列を形成することを特徴とする反射防止膜の製造方法。
  3. 前記高分子材料の表面に形成される突起に対応する前記細孔の縦断面形状が、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向に沿って見た孔径の変化に関して、細孔の開口部側の孔径の方が細孔の底部側の孔径に比べ相対的に緩やかに減少している形状からなる、請求項1の反射防止膜の製造方法。
  4. 前記高分子材料の表面に形成される窪みに対応する前記細孔の縦断面形状が、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向に沿って見た孔径の変化に関して、細孔の開口部側の孔径の方が細孔の底部側の孔径に比べ相対的に急激に減少している形状からなる、請求項1の反射防止膜の製造方法。
  5. 細孔周期50nm〜300nm,細孔深さ100nm以上の陽極酸化ポーラスアルミナを用いる、請求項1〜のいずれかに記載の反射防止膜の製造方法。
  6. 定電圧で長時間陽極酸化を施したのち、一旦酸化皮膜を除去し、再び同一条件で陽極酸化を施すことで作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いる、請求項1〜のいずれかに記載の反射防止膜の製造方法。
  7. シュウ酸を電解液として用い、化成電圧30V〜60Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いる、請求項1〜のいずれかに記載の反射防止膜の製造方法。
  8. 硫酸を電解液として用い、化成電圧25V〜30Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いる、請求項1〜のいずれかに記載の反射防止膜の製造方法。
  9. 前記陽極酸化ポーラスアルミナの作製において、陽極酸化に先立ちアルミニウム表面に微細な窪みを形成し、これを陽極酸化時の細孔発生点とする、請求項1〜のいずれかに記載の反射防止膜の製造方法。
  10. 高分子材料の表面に突起または窪みの配列を形成した反射防止膜の、前記突起または窪みの形成に用いるスタンパの製造方法であって、陽極酸化と孔径拡大化処理とを、それぞれの処理条件を調節して複数回繰り返し、最後の処理を孔径拡大化処理とするとともに、該最後の処理としての孔径拡大化処理の時間をその前の前記繰り返し処理における孔径拡大化処理の時間とは異なる処理時間とすることにより、細孔の縦断面形状で見て、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向において、細孔の孔径減少するとともに細孔の内面が曲線的に変化する釣鐘形状の細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを作製し、該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用いることを特徴とする、反射防止膜作製用スタンパの製造方法。
  11. 高分子材料の表面に突起または窪みの配列を形成した反射防止膜の、前記突起または窪みの形成に用いるスタンパの製造方法であって、陽極酸化を行った後孔径拡大化処理を行う工程をn回繰り返し、n回目の孔径拡大化処理を1回目〜(n−1)回目の孔径拡大化処理よりも処理時間を長くすることにより、細孔の縦断面形状で見て、細孔の開口部から底部に向かう細孔深さ方向において、細孔の底部側の孔径がそれよりも細孔の開口部側の細孔の孔径に比べ相対的に急激に減少するとともに細孔の内面が曲線的に変化する釣鐘形状の細孔をもつ陽極酸化ポーラスアルミナを作製し、該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用いることを特徴とする、反射防止膜作製用スタンパの製造方法。
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