JP4845075B2 - 貼付剤用粘着基剤組成物および貼付剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚に直接貼り付けて治療することを目的とする医療用テープ剤・プラスター剤等、基剤中に薬剤を配合した経皮吸収製剤と呼ばれる貼付剤用の粘着基剤組成物に関するものであり、粘着性・追従性が高くまた水分吸収能力に優れ、特に発汗時の利便性に優れた貼付剤用粘着基剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
皮膚に貼り付けて使用する医療用貼付剤は色々なタイプが開発されている。貼付剤は薬剤を含む粘着基剤を不織布・織布やプラスチックフィルムなどの片面上にのせたテープ状、シート状の形状をしており、粘着基剤中に含ませたさまざまなタイプの薬剤を経皮吸収させることを目的として使用される。貼付剤は皮膚への貼付後長時間にわたって有効成分が効果的に皮膚へ吸収されることが必要であり、そのため貼付剤に要求される特性としては、皮膚表面への粘着性・密着性・追従性があり、違和感や刺激性がないことである。さらに発汗時やある程度の外部からの水に濡れてもトラブルが起きないようにすることは実用上の利便性を高めるため重要なことである。水分を受けても貼付剤が脱落しないようにするため、支持体に関して言えば、特開平6−16541号公報では汗を吸い取るように吸湿性を付与した親水性高分子支持体を使用する方法や、特開平9−268122号公報にはシャワーや入浴水に濡れても剥がれ落ちないようにするため撥水処理した不織布支持体を使用することなどが提案されている。これらの工夫により粘着基剤層が過度の水分を受けないように保護する効果があると考えられる。一方粘着基剤については多量の汗や水によっても不用意に溶出しないこと、そして剥離時には皮膚上に糊残りしないこと。またある程度吸水しても粘着性を保持して再貼付可能であること(以下再貼付性と表現する)も要求される。
【0003】
このような発汗時に要求される特性を粘着基剤に付与する方法として、特開昭63−203613に述べられているように親水性のカルボキシル基および/またはヒドロキシル基を有する水溶性高分子と架橋剤を用いる方法や特開平8−295624号公報のように水溶性高分子粉末を用いる方法、また特開平6−346041号公報のように水性液体の存在下でも粘着性を発揮する親水性の共重合体を配合すること、さらには特開平11−164878号公報などのように親水基を持った各種アクリル系共重合体を配合した親水粘着基剤が多数提案されている。しかしながら、これら方法により、吸水性をある程度補うことはできるが、実用上発汗時の使用には限界があった。
一方、特公昭60−54283号公報では水性材料でかつ粘着性が優れる天然ゴムラテックスや合成ゴム系ラテックスが用いることが記載されている。また特開平4−247027号公報では吸水性を有することで薬剤の放出性を高めるためエマルション化した合成ゴム系粘着剤であるSBRラテックスを使用する旨も記載がされている。しかしながらSBRラテックスの組成や性状などは特定されておらず、吸水時の粘着性の保持および再貼付性は十分でなく、吸水性を補うため水溶性高分子等の混合も必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するものであり、粘着性・追従性が高くまた水分吸収能力に優れ、特に発汗時の利便性に優れた貼付剤用粘着基剤組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討を重ねた結果、特定のカルボキシ変性合成ゴムラテックスを用いることで特異的に上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、共役ジエン系単量体40〜80重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体1〜15重量%およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体5〜59重量%からなる単量体を乳化重合してなるゲル含有率が30〜100%であるカルボキシ変性合成ゴムラテックスを粘着成分として配合することを特徴とする貼付剤用粘着基剤組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるカルボキシ変性合成ゴムラテックスは、共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体およびこれらと共重合可能な他の単量体により構成される。
【0007】
本発明における共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特に1,3−ブタジエンが好ましい。
【0008】
エチレン性不飽和カルボン酸系単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマール酸、イタコン酸、マレイン酸などが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
【0009】
これらと共重合可能な他のビニル系単量体としては、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、不飽和カルボン酸アミド系単量体、ヒドロシキアルキル基を含有する不飽和単量体などが挙げられる。
【0010】
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にスチレンが好ましい。
【0011】
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にアクリロニトリルが好ましい。
【0012】
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にメチルメタクリレートが好ましい。
【0013】
不飽和カルボン酸アミド系単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特に(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0014】
ヒドロシキアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートが好ましい。
【0015】
さらに、上記の単量体の他に、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等の塩基性単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン等を使用することができる。
【0016】
上記の単量体組成にについては、共役ジエン単量体40〜80重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体1〜15重量%およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体5〜59重量%であることが必要である。
【0017】
共役ジエン系単量体が50重量%未満では本発明のカルボキシ変性合成ゴムラテックスを配合した粘着基剤組成物の吸水性が低下し、また80重量%を超えると粘着性が低下し好ましくない。好ましくは60〜80重量%である。
【0018】
エチレン性不飽和カルボン酸系単量体は合成ゴムラテックス自身および合成ゴムラテックスを配合した粘着基剤組成物の安定性を付与する作用があり、また本発明の主目的である吸水時の粘着保持性および再貼付性を付与するためにはこれらの総量が1重量%以上であることが必要である。総量15重量%を超えるとラテックスの粘度が高くなり取り扱い上の問題を生じる可能性があるため好ましくない。好ましくは2〜10重量%である。
【0019】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の種類や添加方法は特に制限されるものではないが、後述するカルボン酸の滴定法で検出される全カルボキシル基量が10〜250(meq/100g)の範囲にあり、かつラテックス粒子に結合しているカルボキシル基量(PCOOH)に対するラテックス粒子に結合していないカルボキシル基量(NPCOOH)の割合(NPCOOH/PCOOH)が0.3〜1.2の範囲であることが必要である。全カルボキシル基量が10(meq/100g)未満では、本発明の目的である吸水時の粘着性および再貼付性が十分でなく好ましくない。一方、全カルボキシル基量が250(meq/100g)を超えると合成ゴムラテックスの粘度が高くなり、ラテックス自身の取り扱い上の問題を生じる。好ましくは全カルボキシル基量が60〜120(meq/100g)である。
【0020】
また、全カルボキシル基量が10〜250(meq/100g)の範囲を満たしていてもラテックス粒子に結合しているカルボキシル基量に対するラテックス粒子に結合していないカルボキシル基量の割合が0.3〜1.2の範囲であることが望ましい。その割合が0.3未満では粘着性が劣り好ましくなく、その割合が1.2を越えると吸水時に基剤が溶解しやすくなるので好ましくない。好ましくは0.4〜1.0である。
【0021】
カルボキシル基量の測定方法
1重量%に希釈したカルボキシ変性合成ゴムラテックスに0.1Nの塩酸を過剰量添加した後、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液で逆滴定し、得られた電気伝導度曲線からカルボキシル基量をラテックス固形分重量100gあたりのミリ当量(meq)として求めた。
【0022】
ラテックス粒子に結合しているカルボキシル基量に対するラテックス粒子に結合していないカルボキシル基量の割合の測定方法
5重量%に希釈した合成ゴムラテックスに0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を50g、四塩化炭素を3g添加後、1時間攪拌した。その後、遠心分離装置にてラテックス粒子を遠心沈降させ上澄み層とラテックス粒子層を分離した。得られた二層をそれぞれ純水で希釈し、上記のカルボキシル基量の測定方法に従い各層のカルボキシル基量を求めた。
【0023】
本発明のカルボキシ変性合成ゴムラテックスはそのトルエン不溶分で示されるゲル含有率は30〜100重量%である。該ゲル含有量が30重量%未満では本発明のカルボキシ変性合成ゴムラテックスを配合した組成物の耐水保持性が低下するので好ましくない。好ましくは60〜98重量%である。ゲル含有率とは、合成ゴムラテックスフィルムのトルエンに対する不溶部の割合のことであり、具体的には以下の手法により求められる。
【0024】
ゲル含有率の測定方法
水酸化ナトリウムにてpH=8に調整した合成ゴムラテックスをガラス板上に塗布後、室温乾燥で合成ゴムラテックスからフィルムを作製する。その後フィルム約1gを正確に秤量後400ccのトルエンに入れ48時間浸漬放置する。その後あらかじめ精秤した300メッシュの金網で濾過し、金網に残った残留物を秤量する。さらに充分乾燥した後、金網に残った残留物を秤量する。次式により合成ゴムラテックスのゲル含有率を求める。
ゲル含有率(%)=(トルエン浸せき後の金網残留物の乾燥重量)÷(トルエン浸せき前のフィルムの重量)×100
【0025】
本発明におけるカルボキシ変性合成ゴムラテックスの粒子径は数平均粒子径で70〜300nmが好ましい。更に好ましくは、100〜250nmである。
【0026】
数平均粒子径は動的光散乱法により測定することができる(測定に際しては、LPA−3000/3100(大塚電子製)を使用)。
【0027】
本発明における各種成分の添加方法については特に制限するものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法の何れでも採用することができる。また、その乳化重合方法においても特に制限はなく、一段重合、二段重合又は多段階重合等何れでも採用することができる。更に、乳化重合において、常用の連鎖移動剤、乳化剤、重合開始剤、炭化水素系溶剤、電解質、重合促進剤、キレート剤等を使用することができる。尚、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の添加方法については2段以上の多段重合の場合では、なるべく重合の前半までに添加することは本発明においては好ましい方法のひとつである。
【0028】
本発明においては必要に応じて連鎖移動剤を使用することができる。このような連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合物、α−メチルスチレンダイマー、ターピノレンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、α−メチルスチレンダイマー、ターピノレン等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。
【0029】
これら連鎖移動剤の使用量について何ら制限はなく、カルボキシ変性合成ゴムラテックスに求められる性能に応じて適宜調整することができるが、好ましくは単量体混合物100重量部に対して0〜10重量部である。
【0030】
乳化剤としては高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤が1種又は2種以上で用いられる。
【0031】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の水溶性開始剤、あるいはレドックス系開始剤あるいは、過酸化ベンゾイル等の油溶性開始剤が使用できる。
【0032】
また、炭化水素系溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物が挙げられる。
【0033】
本発明に使用する粘着性組成物には上記のカルボキシ変性合成ゴムラテックスを含むほか、天然ゴムラテックス、各種(メタ)アクリル酸アルキルエステルのエマルジョン、ポリ酢酸ビニルラテックス、ポリオレフィンラテックス、ポリウレタンラテックス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、各種セルロースエステル、ゼラチン、デンプン、ポリアルギン酸塩、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナンなどの水系の粘着剤、およびスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンーイソプレンースチレンブロックポリマー(SIS)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、天然ゴム、各種(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどの非水系粘着剤も併用することができる。
更に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等などのグリコール類;エタノール、プロパノール等のアルコール類;グリセリン、プチレングリコールなどの多価アルコール類;ポリブテンなどの炭化水素類;エステルガム、ロジン、水添ロジン、テルペン樹脂、石油系樹脂、デキストリン、メチルセルロース、ニカワなどの粘着付与剤;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモンステアレート、ソルビタンモノラウレート、ポリソルベート80等の界面活性剤;ジメチルホルムアミド、アセトン、N-メチルピロリドン、トルエン、酢酸エチルなどの有機溶剤;その他に流動パラフィン、高級脂肪酸エステル類、シリコン、植物油等、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、グアヤコールエステル類、ノルジヒドログアイアレチン酸、酢酸トコフェノール等を添加しても良い.
【0034】
本発明の粘着基剤組成物には経皮吸収により各種疾患の治療または予防を目的として、コルチステロイド類、鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医薬などの薬物が使用できる.また必要により2種類以上を併用することもできる。また薬物の含有量は薬物種や投与目的に応じて適宜設定でき、0.1重量%〜50重量%の範囲で設定される.
【0035】
本発明の粘着基剤組成物は既知の支持体上に設けられる.支持体としては粘着基剤組成物を層状に載せることが可能で、皮膚表面に基剤を貼付することに支障がなければ特に制限がなく、たとえば、紙・セルロース・酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウム等のシート・テープもしくは織物・編物・不織布・多孔性膜状体などが使用される。これらは1種かまたは2種以上組み合わせで用いられる。貼付剤のタイプによるが粘着性基剤組成物は通常10μm〜500μmの厚さに設定される.
【0036】
【実施例】
以下に、本発明の優れた効果を明示するために、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に具体的に説明する。本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例中に示す部および%は、特に断りの無い限り、重量を基準としたものである。
【0037】
カルボキシ変性合成ゴムラテックスの製造
10リットルのオ−トクレ−ブに、水100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部、過硫酸カリウム1.2部、t−ドデシルメルカプタン1.2部および表1に示す組成の単量体10%を仕込み、十分に撹拌しながら65℃に昇温して1時間反応させた。さらに、表1に示す重合温度と重合時間で残りの単量体を連続添加しながら重合を行った。次いで、表1に示す熟成温度と熟成時間で熟成を行った後、これらカルボキシ変性合成ゴムラテックスを苛性ソ−ダ水溶液にてpH8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体等を除去し、カルボキシ変性合成ゴムラテックス(a)を得た。また表1に示す内容に変更する以外は同様の操作を行い、ラテックス(b)〜(f)を製造した。
【0038】
実施例1〜4、比較例1〜3
流動パラフィン30部、ポリブテン12部を撹拌機に入れ、l−メントール3部、ラテックス(a)25部(固形分あたり)、水120部を加えてラボミキサーにて均一に混合し、これをシリコーンコートした離型フィルム上に厚さ約50μmになるように延展した後、80℃、15分乾燥し粘着基剤層を得た。得られた粘着基剤層の片面に厚さ3.5μmのPETフィルムを貼り合わせた後、3cm×4cmに裁断し試験用の貼付剤を得た.
【0039】
同様にして、表1に記載したラテックス(b)〜(d)を用いて実施例2〜4の試料を作成した。さらに、実施例と同様にして表1に記載したラテックス(e)、(f)および天然ゴムラテックスを用いて比較例1〜3の試料を作成した。また、実施例1〜4および比較例1〜3の試料は以下の方法により評価を行った。
【0040】
皮膚貼付性
各貼付剤試験サンプルをボランティア12名の上腕内側に貼付し、24時間経過後の皮膚接着性を目視にて判定した。最も良く密着しているもの(接着良好なもの)を5点、剥がれの著しいものを1として評価し平均値で示した。
【0041】
皮膚刺激性
各貼付剤試験サンプルをボランティア12名の上腕内側に貼付し、1時間経過後の剥離時の刺激(痛み)を判定した。最も痛みが小さいものを5点、最も痛みが大きいものを1として評価し平均値で示した。
【0042】
発汗時の皮膚貼付性I(密着性)
各貼付剤試験サンプルをボランティア12名の上腕部内側に貼付し、20分後、サウナに入室し、10分後の密着状態を目視にて判別した。最も良く密着しているもの(接着良好なもの)を5点、剥がれの著しいものを1として評価し平均値で示した。
【0043】
発汗時の皮膚貼付性 II (糊残り)
上記発汗時の貼付性I測定を行なった後、皮膚面から各サンプルを剥離除去する際に粘着基剤層が凝集破壊し脱落するかまたは溶解することによって皮膚面上に残留するか否かを目視し判定した。
皮膚上の糊残りなしの場合5点、著しく糊残りするものを1点とした。
【0044】
発汗時の再貼付性
上記発汗時の皮膚貼付性II測定の後、皮膚上の水分および糊残りがある場合は清浄綿でふき取り、再び皮膚上に貼付するかを判定した. 再貼付させたとき最も良く密着しているものを5点、再貼付できないものを1点とした。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明における特定のカルボキシ変性合成ゴムラテックスを用いた粘着基剤により作製された貼付剤は、皮膚貼付性、特に発汗時の密着保持性や再貼付性に優れることが明らかである。
Claims (5)
- 1,3−ブタジエン40〜80重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体1〜15重量%およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体5〜59重量%からなる単量体を乳化重合してなるゲル含有率が60〜98%であるカルボキシ変性合成ゴムラテックスを粘着成分として配合することを特徴とする基剤中に薬剤を配合した経皮吸収製剤として用いられる貼付剤用粘着基剤組成物。
- 数平均粒子径が70〜300nmであるカルボキシ変性合成ゴムラテックスを用いることを特徴とする請求項1記載の貼付剤用粘着基剤組成物。
- 検出カルボキシル基量が10〜250(meq/100g)の範囲にあるカルボキシ変性合成ゴムラテックスを用いることを特徴とする請求項1または2記載の貼付剤用粘着基剤組成物。
- ラテックス粒子に結合しているカルボキシル基量(PCOOH)に対するラテックス粒子に結合していないカルボキシル基量(NPCOOH)の割合(NPCOOH/PCOOH)が0.3〜1.2の範囲であるカルボキシ変性合成ゴムラテックスを用いることを特徴とする請求項3記載の貼付剤用粘着基剤組成物。
- 請求項1〜4記載の貼付剤用粘着基剤組成物を用いてなることを特徴とする貼付剤。
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