JP4841377B2 - 乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は、被乾燥物を収容する収容室を備え、この収容室内において被乾燥物の乾燥を実行する乾燥機に関するものである。
従来、衣類乾燥機では圧縮機、放熱器、減圧装置及び吸熱器から成り、熱交換媒体を循環可能とした冷媒回路から成るヒートポンプを利用し、前記放熱器にて加熱された高温空気にて被乾燥物を乾燥させ、当該被乾燥物から蒸発した湿気は吸熱器に凝結させて廃棄するものが開発されている。
しかしながら、従来の衣類乾燥機に用いられるヒートポンプは、圧縮機からの発熱を外気と熱交換させているため、乾燥の立ち上がりが遅くなるという課題があった。
そこで、圧縮機からの発熱分を外気と熱交換させず、乾燥の立ち上がり性を向上させるべく、圧縮機を空気の循環経路内の吸熱器と放熱器の間に配置するものが提案されている(特許文献1)。かかる構成では、圧縮機筐体からの発熱を乾燥用空気加熱に有効に利用できる。
特開2005−224492号公報
しかしながら、このような乾燥機では、吸熱器、圧縮機、放熱器の順に空気を循環させると、吸熱器で除湿冷却した空気を圧縮機および放熱器で加熱することができるため、放熱器出口の冷媒温度が高くなってしまう。すなわち、減圧装置により減圧させる前の冷媒の温度が高くなるので、吸熱器の冷却能力が低下し、乾燥空気の除湿能力が低下してしまうという問題があった。
また、前記特許文献1には、圧縮機を循環経路内の放熱器の下流側に配置した乾燥機も提案されている。このような構成の場合には、吸熱器、放熱器、圧縮機の順に空気を循環させる。すなわち、放熱器により加熱された空気が圧縮機周囲を通過するため、圧縮機筐体の温度が必要以上に上昇しすぎるため、結果的に、圧縮機の故障が発生する恐れがあった。特に、冷媒として、CO等のような超臨界圧力に達するものを用いた場合には、この圧縮機の故障が発生しやすいという問題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決しようとするもので、圧縮機筐体からの発熱を乾燥用空気の加熱に有効に利用することにより乾燥の立ち上がり性を向上させることができ、かつ、放熱器出口の冷媒温度を低く保つことにより乾燥用空気の除湿能力の低下を抑制することができ、さらに、圧縮機筐体の過度の温度上昇を抑制することにより圧縮機が故障するのを防止することができる乾燥機を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、被乾燥物を収容する収容室を備え、該収容室において前記被乾燥物の乾燥運転を実行する乾燥機であって、圧縮機、放熱器、減圧装置及び吸熱器を順次環状に配管接続してなる冷媒回路と、送風手段により、前記吸熱器と熱交換させた後の空気を、前記放熱器を配置した第1の分岐空気経路と、前記圧縮機を配置した第2の分岐空気経路に分流し、前記第1の分岐空気経路内において前記放熱器と熱交換した空気と、前記第2の分岐空気経路内において前記圧縮機と熱交換した空気を前記収容室内に吐出し、該収容室を経た空気を再び前記吸熱器と熱交換させるための空気経路とを備えるものである。
本発明によれば、圧縮機筐体からの発熱を乾燥用空気の加熱に有効に利用できるので乾燥の立ち上がり性を向上させることができることに加え、放熱器出口の冷媒温度を低く保つことができるので、吸熱器による乾燥用空気の除湿能力の低下を抑制することができる。さらに、圧縮機筐体の過度の温度上昇を抑制することができるので、圧縮機が故障するのを防止することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、乾燥運転を終了する際に、前記第1の分岐空気経路の出口における空気の温度と前記第2の分岐空気経路の出口における空気の温度とが略同等となるように、前記吸熱器と熱交換させた後の空気を、前記第1の分岐空気経路と前記第2の分岐空気経路に分流することを特徴とするものである。
乾燥運転においては、乾燥初期段階では被乾燥物が乾いていく速度が大きいが、被乾燥物がある程度乾いてから完全に乾くまでの乾燥最終段階には長い時間を要する。しかしながら、請求項2の発明のような構成を採ることにより、乾燥運転を終了する際に、収容室に導入する空気の温度を高くすることができる。このことにより、乾燥運転の、特に、最終段階の乾燥を効率的に行うことができるので、乾燥運転時間を短縮することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、乾燥運転を終了する際に、前記第1の分岐空気経路を経た空気と、前記第2の分岐空気経路を経た空気とが合流した空気の温度が極大となるように、前記吸熱器と熱交換させた後の空気を、前記第1の分岐空気経路と前記第2の分岐空気経路に分流することを特徴とするものである。
このような構成を採ることにより、乾燥運転を終了する際に、収容室に導入する空気の温度を極大とすることができる。このことにより、乾燥運転の、特に、最終段階の乾燥を効率的に行うことができるので、乾燥運転時間を短縮することができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明において、前記第1の分岐空気経路に流す空気の流量と、前記第2の分岐空気経路に流す空気の流量との比率を可変とする分流比率可変手段を備えることを特徴とするものである。
このような構成を採ることにより、乾燥を効率的に行い、乾燥運転時間を短縮すべく、第1の分岐空気経路に流す空気の流量と、第2の分岐空気経路に流す空気の流量との比率が最適となるよう、制御を行うことが可能となる。また、放熱器を配置した第1の分岐空気経路と、圧縮機を配置した第2の分岐空気経路それぞれに流す空気の分流比率を乾燥運転中に可変する場合には、状況ごと、例えば、乾燥運転前半と乾燥運転後半ごとに状況に応じた最適制御を行うことが可能となる。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、分流比率可変手段は、前記放熱器及び前記圧縮機の上流又は下流に配置された開閉ダンパであることを特徴とするものである。
このような構成を採ることにより、乾燥を効率的に行い、乾燥運転時間を短縮すべく、第1の分岐空気経路に流す空気の流量と、第2の分岐空気経路に流す空気の流量との比率を細かく制御することが可能となる。
請求項6の発明は、請求項4の発明において、分流比率可変手段は、前記第2の分岐空気経路内における前記圧縮機の上流又は下流に配置された空気の流量調節機構であることを特徴とするものである。
このような構成を採ることにより、乾燥を効率的に行い、乾燥運転時間を短縮すべく、第1の分岐空気経路に流す空気の流量と、第2の分岐空気経路に流す空気の流量との比率を細かく制御することが可能となる。
請求項7の発明は、請求項4乃至6の発明において、前記第1の分岐空気経路の出口における空気の温度と前記第2の分岐空気経路の出口における空気の温度とが略同等となるように、前記分流比率可変手段を制御することを特徴とするものである。
本発明によれば、収容室に導入する空気の温度が高くなるように制御することができる。このことにより、乾燥効率を向上させることができるので、乾燥運転時間を短縮することができる。
請求項8の発明は、請求項4乃至6の発明において、前記第1の分岐空気経路を経た空気と、前記第2の分岐空気経路を経た空気とが合流した空気の温度が極大となるように、前記分流比率可変手段を制御することを特徴とするものである。
本発明によれば、収容室に導入する空気の温度が極大となるように制御できる。このことにより、乾燥効率を向上させることができるので、乾燥運転時間を短縮することができる。
請求項9の発明は、請求項4乃至8の発明において、前記圧縮機から吐出される箇所における冷媒の温度、前記圧縮機のケース表面温度又は前記圧縮機から吐出される箇所における冷媒の圧力が所定値以下となるように、前記分流比率可変手段を制御することを特徴とするものである。
本発明によれば、圧縮機から吐出された箇所における冷媒の温度を所定値以下となるように制御することによって、圧縮機のケース表面温度が高くなりすぎるのを防止し、圧縮機の保護を行うことができる。また、圧縮機から吐出された箇所における冷媒の温度を所定値以下となるように制御することによって、オイルの劣化を抑制し、オイルの劣化により圧縮機を傷めるのを抑制することができる。また、圧縮機から吐出された箇所における冷媒の圧力を所定値以下となるように制御することによって、必要とされる耐圧を低く抑えることができるため、圧縮機の耐圧設計の自由度を増すことができる。
請求項10の発明は、請求項1乃至9の発明において、外気温度が所定温度以下の場合に、前記冷媒回路の運転開始時には、前記第2の分岐空気経路には空気を流さないようにすることを特徴とするものである。
ここで、所定温度とは、冷媒の液圧縮が発生する温度を意味する。
ヒートポンプの運転開始時には吸熱器出口の空気温度は圧縮機のケース温度(室温)よりも低くなる。ヒートポンプの運転開始時に、このような低温の空気を第2の分岐空気経路に流すことにより圧縮機に低温空気を当てると、圧縮機の立ち上がり時の温度上昇に長い時間がかかってしまう。しかしながら、本発明によれば、ヒートポンプの運転開始時に、圧縮機を配置した第2の分岐空気経路に空気を流さないようにすることにより、圧縮機の周囲温度、ひいては圧縮機のケース温度の上昇を速めることができるため、乾燥運転の立ち上がり性を向上させることができるので、乾燥運転時間を短縮することができる。さらに、圧縮機のケース温度が上昇することにより、冷媒の液圧縮の発生確率を低く抑えることができるので、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記圧縮機のケース表面温度又は前記吸熱器の出口における空気の温度が、前記冷媒回路に流す冷媒の液圧縮が発生しないような所定の温度以上になったときに、前記第2の分岐空気経路に空気を流すようにすることを特徴とするものである。
本発明によれば、圧縮機の運転周波数に応じて、圧縮機のケース表面温度又は吸熱器の出口における空気の温度が、冷媒の液圧縮が発生しないような所定の温度以上になったときに、第2の分岐空気経路に空気を流して圧縮機に空気を当てることができる。これにより、より確実に、冷媒の液圧縮を防止することができる。
請求項12の発明は、請求項10又は11の発明において、外気温度が所定温度以下の場合に、前記冷媒回路の運転開始時には、定常運転時よりも低い運転周波数で圧縮機の運転を開始し、その後、圧縮機の運転周波数を定常運転周波数に上げることを特徴とするものである。
外気温度が低い時には、冷媒回路の運転開始時に圧縮機の運転周波数を高くすると、冷媒の液圧縮が発生しやすい。しかしながら、本発明によれば、このような液圧縮を防止することができる。すなわち、冷媒回路の運転開始時に定常運転時よりも低い運転周波数で圧縮機を運転することにより、確実に、冷媒の液圧縮を防止しつつ、圧縮機のケース表面温度を上げることができる。さらに、圧縮機のケース表面温度が上がれば、冷媒の液圧縮をさらに確実に防止できるので圧縮機の運転周波数を上げることができ、運転周波数を上げるとさらにケース表面温度が上がりやすくなるため、加速度的に空気加熱の立ち上がり性能を向上させることができる。
本発明の乾燥機は、被乾燥物を収容する収容室を備え、該収容室において前記被乾燥物の乾燥運転を実行する乾燥機であって、圧縮機、放熱器、減圧装置及び吸熱器を順次環状に配管接続してなる冷媒回路と、送風手段により、前記吸熱器と熱交換させた後の空気を、前記放熱器を配置した第1の分岐空気経路と、前記圧縮機を配置した第2の分岐空気経路に分流し、前記第1の分岐空気経路内において前記放熱器と熱交換した空気と、前記第2の分岐空気経路内において前記圧縮機と熱交換した空気を前記収容室内に吐出し、該収容室を経た空気を再び前記吸熱器と熱交換させるための空気経路とを備えるものである。
本発明によれば、圧縮機筐体からの発熱を乾燥用空気の加熱に有効に利用できるので乾燥の立ち上がり性を向上させることができることに加え、放熱器出口の冷媒温度を低く保つことができるので、吸熱器による乾燥用空気の除湿能力の低下を抑制することができる。さらに、圧縮機筐体の過度の温度上昇を抑制することができるので、放熱器出口の乾燥用空気の温度が高くなりすぎるのを抑制することができる。
また、空気経路が放熱器を配置した第1の分岐空気経路と、圧縮機を配置した第2の分岐空気経路に分流されているので、それぞれに流す空気の流量の分流比率を乾燥運転中に可変とすることによって、乾燥状況、例えば、乾燥運転前半と乾燥運転後半で状況に応じた最適制御が可能となる。
本発明は、上述したような従来の技術的問題を解決するために、圧縮機筐体からの発熱を乾燥用空気の加熱に有効に利用することにより乾燥の立ち上がり性を向上させることができ、かつ、放熱器出口の冷媒温度を低く保つことにより乾燥用空気の除湿能力の低下を抑制し、さらに、圧縮機筐体の過剰な温度上昇を抑制することにより放熱器出口の乾燥用空気の温度が高くなりすぎるのを抑制することができる乾燥機を提供する。以下に図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明を適用した乾燥機の実施例として、洗濯運転と洗濯運転終了後の乾燥運転を実行する洗濯乾燥機Wの冷媒の流れと乾燥用空気の流れを示す図、図2は洗濯乾燥機Wの外部構成図、図3は内部構成図である。この実施例の洗濯乾燥機Wは、衣類等の被洗濯物(この被洗濯物が乾燥運転における被乾燥物となる。)を洗濯、及び、乾燥するために使用するものである。
まず、洗濯乾燥機Wの冷媒回路と乾燥用空気を循環させる空気経路の構成について、説明する。
図1及び図3を参照して、洗濯乾燥機Wは、被乾燥物を収容する収容室7と、圧縮機として内部中間圧の2段圧縮式コンプレッサ11(以下、コンプレッサ11という)と、放熱器としてのガスクーラ12と、減圧装置としてのキャピラリーチューブ14と、吸熱器としての蒸発器15を環状に接続し、冷媒として二酸化炭素を用いる冷媒回路10と、収容室7の空気が循環する空気循環経路20と、この空気を循環させる送風手段としてブロアファン16と、を備えている。
さらに、空気循環経路20には、コンプレッサ11とガスクーラ12との間の空間を分離する仕切り部材92Bが配置されている。この仕切り部材92Bによって、ガスクーラ12を配置した第1の分岐空気経路21と、コンプレッサ11を配置した第2の分岐空気経路22とが形成される。本実施形態においては、図1及び図3のように、第1の分岐空気経路21と第2の分岐空気経路22は、空気の入り口及び出口が、それぞれ、開口部23a及び開口部23bにより連通している。
尚、本発明における乾燥用空気とは、空気循環経路20内、すなわち、第1の分岐空気経路21、第2の分岐空気経路22内の空気、第1の分岐空気経路21、第2の分岐空気経路22それぞれの出口から収容室入口24までの間の空気、収容室出口25から第1、第2の分岐経路21、22までの間の空気、又は、収容室7内の空気を意味する。
図1及び図3において、太い矢印は乾燥用空気の流れる方向を表している。また、図1において、細い矢印は冷媒の流れる方向を表している。
また、本実施形態においては、開口部23aを開閉することにより、蒸発器15を経た空気を第2の分岐空気経路22に流す流量を調整可能とする開閉ダンパ30が空気循環経路20内に設置されている。この開閉ダンパ30の開度を制御することにより、第2の分岐空気経路22に流れる空気に対する抵抗を調整することができ、第2の分岐空気経路22に空気を流す量を調整することができる。この開閉ダンパ30の制御は後述する制御装置40にて制御されるモータやソレノイドによって行われる。この開閉ダンパ30は、第1の分岐空気経路21に流す空気の流量と、第2の分岐空気経路22に流す空気の流量との比率を可変とする分流比率可変手段の一例である。
収容室7を経た空気は、蒸発器15と熱交換されることにより、冷却、除湿される。そして、第1の分岐空気経路21に流された空気はガスクーラ12と熱交換し、加熱され、開口部23b方向に流れる。また、第2の分岐空気経路22に流れた空気はコンプレッサ11と熱交換し、加熱され、開口部23b方向に流れる。その後、第2の分岐空気経路22を経た空気は開口部23bを出て、第1の分岐空気経路21を経た空気と合流する。この合流した空気は、収容室7に導入され、収容室7内の被乾燥物の乾燥に資する。収容室7に導入された空気は、その後、再び蒸発器15と熱交換する。このように、空気は、空気循環経路20内を循環する。
本実施形態に係る洗濯乾燥機Wは、コンプレッサ11の状態を検出する手段として、コンプレッサ11のケース表面の温度を検出するための温度センサ51、コンプレッサ11から吐出された位置における冷媒の温度を検出するための冷媒温度センサ52、コンプレッサ11から吐出された位置における冷媒の圧力を検出するための冷媒圧力センサ53を備える。
一方、冷媒回路10の他の箇所においては、ガスクーラ12の出口位置における冷媒の温度を検出するための冷媒温度センサ54、キャピラリーチューブ14の手前位置において減圧前の冷媒温度を検出するための冷媒温度センサ55を備える。
さらに、空気循環経路20においては、第1の分岐空気経路21内において、ガスクーラ12と開口部23bとの間に、ガスクーラ12と熱交換した後の空気の温度を検出するための空気温度センサ56を備える。また、同様に、第2の分岐空気経路22内において、コンプレッサ11と熱交換した後の空気の温度を検出するための空気温度センサ57を備える。さらに、空気循環経路20内において、第1の分岐空気経路21を経た空気と、第2の分岐空気経路22を経た空気とが合流した後収容室7に導入される手前の位置、すなわち、収容室入口24に、空気温度を検出するための空気温度センサ58を備える。
そして、上記の温度センサ51、冷媒温度センサ52、冷媒圧力センサ53、冷媒温度センサ54、55、空気温度センサ56、57、58それぞれの出力は後述する制御装置40に接続されている。
ここで、本発明の乾燥機の冷媒回路10の動作について、図4のp−h線図(モリエル線図)を参照しながら説明する。コンプレッサ11から吐出される冷媒は、定常状態であれば、図4に示すグラフの点aに位置し、ガスクーラ12に送られる。そして、ガスクーラ12にて空気によって冷却され(点b)、キャピラリーチューブ14へと送られる。
一方、ガスクーラ12を通過した空気は加熱され、コンプレッサ11を通過して加熱された空気と合流して、収容室7にて被乾燥物の乾燥に利用される(図1)。すなわち、ガスクーラ12、コンプレッサ11により加熱された空気は、収容室7に入り、被乾燥物から水分を奪い、収容室7から排出される。
キャピラリーチューブ14にて減圧された冷媒(点c)は、蒸発器15へ送られ、収容室7から排出された空気から熱を奪って(点d)、コンプレッサ11へと戻る(点e≒点d)。
一方、蒸発器15にて熱を奪われた空気は、飽和水蒸気量を超える水分を水蒸気として保持することができず、蒸発器15にて結露して除湿される。
蒸発器15にて除湿された空気は、ブロアファン16により、再びガスクーラ12又はコンプレッサ11へと送られる。本発明は、この空気が循環する空気循環経路20内に、ガスクーラ12を配置した第1の分岐空気経路21と、コンプレッサ11を配置した第2の分岐空気経路22とを形成することにより、蒸発器15を経た空気を第1の分岐空気経路21と第2の分岐空気経路22に分流するものである。したがって、ガスクーラ12とは別個の空気経路内でコンプレッサ11にも空気を当てることができる。
従来技術のように、循環空気経路内で蒸発器とガスクーラの間にコンプレッサを配置し、蒸発器、コンプレッサ、ガスクーラの順に空気を流す場合には、ガスクーラ出口の冷媒温度が高くなる。すなわち、図4における点bがb’の位置となり、点cがc’の位置となり、蒸発器の冷却能力ひいては除湿能力が低下してしまう。これに対して、本発明のように、ガスクーラと並列的に別個の空気経路内でコンプレッサにも空気を流す場合には、従来技術のように蒸発器の冷却能力ひいては除湿能力が低下してしまうということがない。すなわち、図4において本発明ではa−b間、c−d間がそれぞれ、従来技術のa−b’間、c’−d間より大きくなるので、より効率的な冷凍サイクルを実現することが可能となる。
また、収容室7に入る前の空気をコンプレッサ11により加熱すると共に、コンプレッサ11を空冷することが可能となる。これにより、コンプレッサ11の廃熱も空気の加熱に利用することができ、しかも、コンプレッサ11が高温異常になることを防ぐこともできる。さらに、ガスクーラ12出口の冷媒温度を低く保つことができるので、蒸発器15による乾燥用空気の除湿能力が低下するのを抑制することができる。よって、コンプレッサ11の耐久性を向上でき、乾燥時間を短縮できる省エネルギーな乾燥機を実現できる。さらに、上述のように、コンプレッサ11が異常に高温になるのを抑制することができるので、ガスクーラ12出口の乾燥用空気の温度が高くなりすぎて被乾燥物を傷めるのを抑制することができる。
ところで、本実施形態の洗濯乾燥機Wの開閉ダンパ30は、前述した制御装置40に接続され、制御装置40によりこの開閉ダンパ30の動作を制御することができる。そして、開閉ダンパ30の開度により、第2の分岐空気経路22に流れる空気に対する抵抗を調整することができ、第2の分岐空気経路22に空気を流す量を調整することができる。
すなわち、制御装置40は、洗濯乾燥機Wの開閉ダンパ30の開度を制御することにより第1の分岐空気経路21に流す空気の流量と第2の分岐空気経路22に流す空気の流量との比率(分流比率)を制御する制御手段である。
また、図1に示すように、制御装置40の入力側には、前述した温度センサ51、冷媒温度センサ52、冷媒圧力センサ53、冷媒温度センサ54、55、空気温度センサ56、57、58が接続されている。
他方、制御装置40の出力側には、開閉ダンパ30が接続されている。そして、制御装置40は、開閉ダンパ30の開度を、空気温度センサ58にて検出される空気温度に基づき制御している。具体的には、開閉ダンパ30の開度、すなわち、前述した空気の分流比率を、第1の分岐空気経路21を経た空気と第2の分岐空気経路22を経た空気とが合流した空気の温度が極大となるように制御している。
このような制御を行うことによって、収容室に導入する空気の温度を極大とすることができる。したがって、高い温度の空気により被乾燥物を乾燥させることができるため、乾燥運転を効率的に行うことができる。特に、長時間を要する最終段階の乾燥を効率的に行うことができるので、乾燥時間を短縮することができる。
また、制御装置40は、開閉ダンパ30の開度を、空気温度センサ56及び空気温度センサ57にて検出される空気温度に基づき制御してもよい。具体的には、開閉ダンパ30の開度、すなわち、前述した空気の分流比率を、第1の分岐空気経路21の出口における空気の温度、つまり、ガスクーラ12と熱交換されることにより加熱された空気の温度と、第2の分岐空気経路22の出口における空気の温度、つまり、コンプレッサ11と熱交換されることにより加熱された空気の温度とが略同等となるように制御してもよい。
次に、本発明を適用した洗濯乾燥機Wの全体構成について、説明する。
図2を参照して、外郭を形成する本体1の正面中央部には、収容室7から被洗濯物を納出するための蓋としての開閉扉3が取り付けられており、開閉扉3の側方若しくは上方には各種のスイッチや表示部が配置された図示しない操作パネルが設けられている。
図3を参照して、前記本体1内には、貯水可能な円筒状樹脂製の外槽ドラム2が設けられ、この外槽ドラム2は円筒の軸を水平方向から若干傾斜されて配設されている。そして、この外槽ドラム2の内側には、洗濯槽と脱水槽を兼ねる円筒状ステンレス製の内槽ドラム5が設けられている。この内槽ドラム5の内部が被洗濯物を収容する収容室(乾燥運転においては乾燥室として機能する)7とされ、これも円筒の軸を水平方向から若干傾斜させた方向として配設されると共に、この軸が外槽ドラム2の裏面側壁(図3の右手前側)に装着された図示しない駆動モータの軸に連結され、当該軸に連結された内槽ドラム5の軸を中心とし、内槽ドラム5は外槽ドラム2内で回転可能に保持されている。
また、外槽ドラム2は内槽ドラム5の回転により振動・変位を生じるため、振動・騒音の低減のために振動吸収機能を有する図示しないサスペンションを介して本体1の底面に位置するベース4上に固定されている。即ち、回転する内槽ドラム5は外槽ドラム2及びサスペンションを介してベース4上に取り付けられる。
また、内槽ドラム5の全周壁には、空気及び水が流通可能な多数の透孔(図示されない)が形成されている。
前述した駆動モータは、洗濯運転及び当該洗濯運転終了後の乾燥運転において、前述した左右水平方向から若干傾斜した方向の軸を中心として内槽ドラム5を回転させるためのモータである。この駆動モータは、前記軸の一端(図3の右手前側の外槽ドラム2の裏面側壁)に取り付けられ、図示しない制御装置により、乾燥運転時においては洗濯運転時に比して低速にて内槽ドラム5を回転させるように制御される。
また、外槽ドラム2の前記軸を含む側面(図3の右手前側)を介して後述するダクト部材67と内槽ドラム5内とが連通されている。
前記本体1の上部には、内槽ドラム5内に給水するための給水手段としての図示しない給水通路が設けられており、この給水通路の一端は給水バルブを介して水道水などの給水源に接続されている。この給水バルブは前記制御装置にて開閉が制御される。また、給水通路の他端は、外槽ドラム2に接続されて内部と連通しており、制御装置にて給水バルブが開放されると、外槽ドラム2内に設けられた内槽ドラム5内の収容室10に給水源から水(水道水)が供給されるように構成されている。
また、前記本体1の下部には、内槽ドラム5内の収容室7の水を排出するための排水手段としての図示しない排水通路が設けられており、この排水通路の一端は、制御装置にて開閉を制御される排水バルブを介して外槽ドラム2の最底部と連通している。また、排水通路の他端は、洗濯乾燥機Wの外部に導出され、排水溝等に至る。
他方、洗濯乾燥機Wには、外槽ドラム2の下方にダクトボックス61が設置されている。本体1内には、内槽ドラム5から内槽ドラム5の前方側面(図3の奥側)に接続されたダクト部材68を介してダクトボックス61に渡り、ダクト部材67を介して内槽ドラム5の裏面側壁(図3の右手前側)に渡る経路にて、前述した空気循環経路20が構成されている。尚、ダクトボックス61は密閉されたボックス(ダクトボックス61内の空気が通過する空間全体を空気通路69とする)であるが、図3では、上面部材を図示せず、ダクトボックス61内部がわかるように記載している。ダクト部材67の一端は、前記内槽ドラム5の回転軸の一端(図3の右手前側)の側方に内槽ドラム5内(収容室7)と連通するように外槽ドラム2に接続固定されており、他端はダクトボックス61内に形成された空気通路69の出口69Bに接続固定されている。また、ダクト部材68の一端は、外槽ドラム2内の内槽ドラム5内(収容室7)と連通するように外槽ドラム2の前方側面(図3の奥側)に接続固定されており、他端はダクトボックス61内に形成された空気通路69の入口69Aに接続固定されている。また、空気循環経路20を構成する両ダクト部材67、68は金属若しくは耐熱性の合成樹脂から構成されている。
また、ダクトボックス61内は断熱性の仕切部材92A、92Bにより、空気経路26、第1の分岐空気経路21及び第2の分岐空気経路22の3つの空間に区画されている。すなわち、空気経路26は、ダクトボックス61内の仕切部材92A及びダクトボックス外壁にて区画された一空間(図3では左側)である。また、第1の分岐空気経路21は、仕切部材92A及び仕切部材92B及びダクトボックス外壁にて区画された一空間(図3では、右奥側)である。さらに、第2の分岐空気経路22は、仕切部材92B及びダクトボックス外壁にて区画された一空間(図3では右手前側)である。
前記空気経路26に前記空気通路69の入口69A、前記第1の分岐空気経路21に空気通路69の出口69Bが位置するものとされている。そして、図3において仕切部材92Aには当該仕切部材92Aにて区画された空気経路26と第1の分岐空気経路21とを連通する、空気経路26から第1の分岐空気経路21に空気を流すためのブロアファン16が設置されている。また、仕切部材92Bには、第1の分岐空気経路21と第2の分岐空気経路22とを連通する開口部23a、開口部23bが形成されている。これにより、ダクトボックス61内には、入口69Aから空気経路26内に吸い込まれた空気がブロアファン16を経て第1の分岐空気経路21内に入り、出口69Bから吐出される経路及び第1の分岐空気経路21から開口部23aを経て第2の分岐空気経路22に入り、開口部23bを経て第1の分岐空気経路21に入り、出口69Bから吐出される経路からなる一連の空気通路69が構成される。
そして、前記空気経路26内には蒸発器15が設置されており、この蒸発器15を挟んで前記空気通路69の入口69Aの反対側、すなわち、仕切部材92Aにはブロアファン16が設置されている。当該ブロアファン16は、吸込口が前記蒸発器15側、吐出口が第1の分岐空気経路21側となるように設置されている。
また、前記第1の分岐空気経路21内にはガスクーラ12が設置され、このガスクーラ12を挟んで、ブロアファン16が設けられている仕切部材92Aの反対側には、前記空気通路69の出口69Bが設けられている。第1の分岐空気経路21は、仕切部材92Bに設けられた開口部23a、開口部23bを介して第2の分岐空気経路22と連通している。
また、前記第2の分岐空気経路22内にはコンプレッサ11が設置されている。このコンプレッサ11は、ブロアファン16から吐出された空気が開口部23aを経て当該コンプレッサ11を通過し、開口部23bを経て第1の分岐空気経路21に流入するように設置されている。
さらに、前記第2の分岐空気経路22内において、開口部23a付近のダクトボックス外壁には、開閉ダンパ30が設置されている。この開閉ダンパ30を開けることにより、第2の分岐空気経路22に空気を流すことができ、完全に閉じることにより、第2の分岐空気経路22へ空気を流さないようにすることができる。
かかる構成によりブロアファン16の運転によって収容室7内を循環し、被洗濯物を乾燥させた後の空気は、空気循環経路20のダクト部材68を経て入口69Aからダクトボックス61内の空気経路26に流入し、蒸発器15と熱交換して冷却され、除湿された後、ブロアファン16に吸い込まれ、ダクトボックス61内の第1の分岐空気経路21に吐出される。そして、第1の分岐空気経路21に吐出された空気は、ガスクーラ12と熱交換して加熱された後、出口69Bから出てダクト部材67を経て収容室7内に吐出される。また、第1の分岐空気経路21に吐出された空気の一部は、前記開口部23aを経て第2の分岐空気経路22に流入し、コンプレッサ11の周囲を通過し、前記開口部23bを経て第1の分岐空気経路21に吐出された後、出口69Bから出てダクト部材67を経て収容室7内に吐出される。
前記開閉ダンパ30は制御装置40により開閉及び開度が制御されている。即ち、制御装置40は、温度センサ51(図3では図示せず)にて検出されるコンプレッサ11のケース表面温度、冷媒温度センサ52(図3では図示せず)にて検出されるコンプレッサ11から吐出された位置における冷媒の温度、冷媒圧力センサ53(図3では図示せず)にて検出されるコンプレッサ11から吐出された位置における冷媒の圧力に基づき、前記開閉ダンパ30の開閉及び開度を制御する。
これにより、開口部23aから第2の分岐空気経路22に流れようとする空気に対する抵抗を調整することができる。開閉ダンパ30の開度が小さい場合には、前記抵抗が大きくなるため、開口部23aから第2の分岐空気経路22へ流れる空気の流量が小さくなる。逆に、開閉ダンパ30の開度が大きい場合には、前記抵抗が小さくなるため、開口部23bから第2の分岐空気経路22へ流れる空気の流量が大きくなる。このようにして、開口部23aからの第2の分岐空気経路22への空気流入量を調節することができる。すなわち、第1の分岐空気経路21に流す空気の流量と、第2の分岐空気経路22に流す空気の流量との比率を調節することができる。
前記冷媒回路10内には、冷媒として二酸化炭素(CO2)が所定量封入されており、冷媒回路10の高圧側は超臨界圧力となる。
尚、前述した制御装置は洗濯乾燥機Wの制御を司る制御手段であり、図示しない駆動モータの運転、給水通路の給水バルブの開閉、排水通路の排水バルブの開閉、コンプレッサ11の運転、ブロアファン16の風量を制御している。また、制御装置は内槽ドラム5内に収容された被洗濯物が変色及び損傷しないようにガスクーラ12を経た乾燥用空気の温度も制御する。
以上の構成で次に洗濯乾燥機Wの動作を説明する。内槽ドラム5内の収容室7に被洗濯物と当該被洗濯物の量に応じた所定量の洗剤が投入され、前述した操作スイッチのうちの電源スイッチ及びスタートスイッチが操作されると、制御装置は洗濯運転を開始する。そして、制御装置は図示しない給水通路の給水バルブを開いて給水通路を開放する。これにより、給水源から外槽ドラム2内の内槽ドラム5の収容室7内に水が供給される。尚、この洗濯運転では前記開閉ダンパ30は制御装置40により全閉とされている。尚、このとき排水通路の排水バルブは制御装置により閉じられている。
内槽ドラム5内の収容室7に所定量の水が溜まると、制御装置は給水バルブを閉じて給水通路を閉塞する。これにより、給水源からの水の供給が停止される。
次に、制御装置により本体1の側面に形成された駆動モータが通電起動されて前記軸が回転し、これにより、軸に取り付けられた内槽ドラム5が外槽ドラム2内で回転し始め、洗濯運転の洗濯行程が開始される。
洗濯行程の開始から所定時間経過すると、制御装置により駆動モータが停止され、前記排水通路の排水バルブが開放されて内槽ドラム5の収容室7内(即ち、外槽ドラム2内)の水(洗濯水)が排出されていく。
そして、内槽ドラム5の収容室7内の水が排出されると、制御装置は再び駆動モータを作動し、被洗濯物の脱水を行う。この脱水を所定時間実行した後、制御装置は排水通路の排水バルブを閉じる。
次に、制御装置はすすぎ行程に移行し、給水通路の給水バルブを開いて給水通路を開放する。これにより、給水源から内槽ドラム5内の収容室7に再び水が供給される。内槽ドラム5内の収容室7に所定量の給水が行われると、制御装置は給水バルブを閉じ、給水通路を閉塞する。これにより、給水源からの水の供給が停止される。
そして、前記駆動モータの回転動作を所定時間繰り返してすすぎを行った後、制御装置は駆動モータを停止し、排水通路の排水バルブを開いて収容室7内のすすぎ水を排水通路に排出する。収容室7内のすすぎ水が排出されると、制御装置は再び駆動モータを作動し、前述同様に内槽ドラム5を回転させて、被洗濯物の脱水を行う脱水行程に移行する。
この脱水行程を所定時間実行した後、制御装置は排水バルブを閉じる。また、制御装置はコンプレッサ11を起動すると共に、ブロアファン16の運転を開始する。そして、前記駆動モータにより内槽ドラム5を回転させて乾燥運転に移行する。
この乾燥運転では、コンプレッサ11で圧縮され吐出された高温・高圧のガス冷媒は、ガスクーラ12で放熱した後、キャピラリーチューブ14に至る。ここまで冷媒は凝縮せず、冷媒回路10の高圧側は超臨界圧力となっている。キャピラリーチューブ14に至った冷媒はそこで減圧され、その過程で液化した後、次に蒸発器15に流入してそこで周囲から吸熱し、蒸発する。蒸発器15から出た冷媒は、コンプレッサ11に吸い込まれる循環を繰り返す。
一方、ガスクーラ12における高温高圧の冷媒の放熱によって加熱され、また、コンプレッサ11のケース表面によって加熱され、高温となった乾燥用空気は、ブロアファン16により、出口69Bを経て、空気循環経路20のダクト部材67から収容室7内に吐出される。
収容室7に吐出された乾燥用空気は内槽ドラム5内(収容室7)に収容された被乾燥物を暖めて湿気を蒸発させ、被乾燥物を乾燥させる。被乾燥物を乾燥させて湿気を含んだ空気は、収容室7を経て図示しない透孔から内槽ドラム5外に流出し、空気循環経路20のダクト部材68内に入る。
ダクト部材68を通過した空気は入口69Aからダクトボックス61内の空気通路69内に吸い込まれ、空気通路69内の空気経路26に設けられた蒸発器15に導入されて通過する。
収容室7からの空気に含まれる水分(被乾燥物から蒸発した水分)は蒸発器15を通過する過程で当該蒸発器15の表面に凝結し、水滴となってドレンタンク(図示しない)に落下する。落下した水滴はドレンタンクの下部に設けられた図示しないドレンパイプを介して、前記排水通路から外部の排水溝などに排出される。
この蒸発器15で湿気が取り除かれて乾燥した空気は、ブロアファン16に吸い込まれた後、第1の分岐空気経路21及び第2の分岐空気経路22に向かって吐出される。そして、ブロアファン16を経た空気の一部は第1の分岐空気経路21内のガスクーラ12に流入して加熱される。これと並行して、ブロアファン16を経た空気の残りは開口部23aを経て第2の分岐空気経路22内のコンプレッサ11の周囲を通過する。このとき、蒸発器15にて冷却されブロアファン16に吸い込まれて吐出された空気をコンプレッサ11の周囲を通過させることで、空気をコンプレッサ11と熱交換することができる。すなわち、運転により加熱したコンプレッサ11により空気を加熱することができるのと同時にコンプレッサ11を冷却することができるようになる。その後、コンプレッサ11により加熱された空気は、開口部23bを経て、第1の分岐空気経路21に流入する。
そして、ガスクーラ12により加熱された空気と、コンプレッサ11により加熱された空気は、第1の分岐空気経路21内で合流し、その後、空気通路69の出口69Bから出てダクト部材67に入り、前述同様に内槽ドラム5内の収容室7に吐出されて内槽ドラム5内の被乾燥物から湿気を奪って乾燥させる循環を繰り返す。
一方、本実施例においては、乾燥運転が開始されると、制御装置40は、開閉ダンパ30の開度を、空気温度センサ58にて検出される空気温度に基づき制御する。具体的には、開閉ダンパ30の開度、すなわち、前述した空気の分流比率を、第1の分岐空気経路21を経た空気と第2の分岐空気経路22を経た空気とが合流した空気の温度が極大となるように制御する。
ここで、本実施例の乾燥機における分流比率可変手段としての開閉ダンパ30の制御について、以下に説明する。
前述したような、制御装置40が、開閉ダンパ30の開度を、空気温度センサ58にて検出される空気温度に基づき制御する方法について、図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、図5のスタートにて制御装置40が始動されると、例えば、収容室出口25における空気温度を検知し、所定の温度以上であるか否かを判定することにより、ヒートポンプの動作を終了するか否かを判定する(図5のステップS1)。ヒートポンプの動作を終了すべきと判断された場合には、ヒートポンプの動作を終了し、乾燥運転を終了する。これに対して、ヒートポンプの動作を継続すべきと判断された場合には、制御装置40は、ステップS2に移行し、あらかじめ設定された規定時間だけ待機する。
次に、ステップS3において、制御装置40は、前記空気温度センサ58にて検出される空気温度、すなわち、第1の分岐空気経路21を経た空気と第2の分岐空気経路22を経た空気とが合流した空気の温度Tnを検出する。
さらに、ステップS4において、制御装置40は、前記空気温度Tnが、前回取得した空気温度Tn-1より高いか否かを判定する。ここで、TnがTn-1より高い場合には、図5のステップS5に移行する。
ステップS5において、前回行った開閉ダンパ30の開度調整と同じ方向に開閉ダンパ30の開度を調整する。すなわち、前回開閉ダンパ30を開く方向に調整していた場合にはさらに1ステップ開閉ダンパ30を開き、前回開閉ダンパ30を閉じる方向に調整していた場合にはさらに1ステップ開閉ダンパ30を閉じる。そして、ステップS7に移行する。
一方、ステップS4において、TnがTn-1より大きくはない場合には、図5のステップS6に移行する。ステップS6において、前回行った開閉ダンパ30の開度調整方向とは逆の方向に開閉ダンパ30の開度を調整する。すなわち、前回開閉ダンパ30を開く方向に調整していた場合には今回は逆に1ステップ開閉ダンパ30を閉じ、前回開閉ダンパ30を閉じる方向に調整していた場合には今回は1ステップ開閉ダンパ30を開く。そして、ステップS7に移行する。
次に、ステップS7において、制御装置40は、今回の空気温度Tnを、前回の空気温度Tn-1として格納し、ステップS8に移行する。
ステップS8において、制御装置40は、前記ステップS5あるいはステップS6にて行われた、今回の開閉ダンパ30の開度の調整方向を、前回の開閉ダンパ30の開度調整方向として格納する。そして、図5のAに戻る。
このように、今回の空気温度Tnが前回の空気温度Tn-1より高い場合には開閉ダンパ30を前回と同じ方向に開度調整し、そうでない場合には、開閉ダンパ30を前回とは逆の方向に開度調整することによって、空気温度Tnは極大値に近づくことになる。すなわち、今回の空気温度Tnが前回の空気温度Tn-1より高い場合には、前回の開度調整により空気温度がTn-1からTnに上昇したことから、前回の開度調整方向と同方向に開度を調整することにより、空気温度Tnがさらに高くなる方向に制御されることになる。一方、今回の空気温度Tnが前回の空気温度Tn-1より高くない場合には、前回の開度調整により空気温度がTn-1からTnに低下したことから、前回の開度調整方向とは逆方向に開度を調整することにより、空気温度Tnが高くなる方向に制御されることになる。したがって、上述した制御を繰り返すことによって、空気温度Tnが極大値に近づくことになる。つまり、本制御を行うことによって、空気温度Tnが極大値となるように、開閉ダンパ30の開度、すなわち、前記分流比率が制御されることになる。
本制御を行うことによって、被乾燥物の乾燥効率、特に、乾燥最終段階の乾燥効率を向上させることができるため、乾燥運転時間を短縮することにより省エネルギーで被乾燥物を乾燥することができる。
次に、本発明を適用した乾燥機の他の実施例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
本実施例においては、制御装置40は、開閉ダンパ30の開度を、空気温度センサ56及び空気温度センサ57にて検出される空気温度に基づき制御する。具体的には、開閉ダンパ30の開度、すなわち、前述した空気の分流比率を、第1の分岐空気経路21の出口における空気の温度、第2の分岐空気経路22の出口における空気の温度とが略同等となるように制御する。このような開閉ダンパ30の制御方法を除いては、本実施例は、実施例1と同様である。
スタートからステップS2までは、上述した実施例1と同様であるので説明を省略し、ステップS3以降について説明する。
次に、ステップS3において、制御装置40は、前記空気温度センサ56にて検出される空気温度、前記空気温度センサ57にて検出される空気温度、すなわち、第1の分岐空気経路21の出口における空気の温度T1と、第2の分岐空気経路22の出口における空気の温度T2を検出する。つまり、ガスクーラ12と熱交換されることにより加熱された空気の温度T1と、コンプレッサ11と熱交換されることにより加熱された空気の温度T2を検出する。
さらに、ステップS4において、制御装置40は、前記空気温度T1が、前記空気温度T2より高いか否かを判定する。ここで、T1がT2より高い場合には、ステップS5に移行する。
ステップS5において、開閉ダンパ30を閉じる方向に開閉ダンパ30の開度を調整する。すなわち、1ステップ開閉ダンパ30を閉じる。そして、図6のBに戻る。
一方、ステップS4において、T1がT2より高くない場合には、ステップS6に移行する。ステップS6において、開閉ダンパ30を開く方向に開閉ダンパ30の開度を調整する。すなわち、1ステップ開閉ダンパを閉じ、前回開閉ダンパ30を閉じる。そして、図6のBに戻る。
このように、空気温度T1が空気温度T2より高い場合には開閉ダンパ30を閉じる方向に開度調整し、そうでない場合には、開閉ダンパ30を開く方向に開度調整することによって、空気温度T1と空気温度T2は近づき、やがて、略同等となる。ここで、略同等とは、空気温度T1と空気温度T2の差が10℃以内であることをいう。
すなわち、空気温度T1が空気温度T2より高い場合には、第1の分岐空気経路21内においてガスクーラ12により加熱された空気の温度T1の方が、第2の分岐空気経路22内においてコンプレッサ11により加熱された空気の温度T2より高いことを意味する。したがって、開閉ダンパ30を閉じる方向に開度調整することにより、第2の分岐空気経路22に流す空気の流量を少なくし、コンプレッサ11と熱交換される空気の量を減らす。それと同時に、第1の分岐空気経路21に流す空気の流量が多くなり、ガスクーラ12と熱交換される空気の量が増える。
よって、コンプレッサ11と熱交換する空気の量が減少し、ガスクーラ12と熱交換する空気の量が増えるため、コンプレッサ11、ガスクーラ12それぞれの加熱能力に変化がない場合には、第2の分岐空気経路22の出口の空気温度T2は上がり、逆に、第1の分岐空気経路21の出口の空気温度T1は下がる。したがって、T1とT2は近づくことになる。
一方、空気温度T1が空気温度T2より高くない場合には、上述した制御とは逆の制御を行うため、第2の分岐空気経路22の出口の空気温度T2は下がり、第1の分岐空気経路21の出口の空気温度T1は上がる。したがって、この場合にも、T1とT2は近づくことになる。
よって、上述した制御を繰り返し行うことによって、T1とT2は近づいていき、やがて、略同等となる。したがって、本制御を行うことによって、空気温度T1と空気温度T2とが略同等となるように、開閉ダンパ30の開度、すなわち、前記分流比率を制御することができる。
本制御を行うことによって、被乾燥物の乾燥効率、特に、乾燥最終段階の乾燥効率を向上させることができるため、乾燥運転時間を短縮することにより省エネルギーで被乾燥物を乾燥することができる。
次に、本発明を適用した乾燥機の他の実施例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
本実施例においては、制御装置40は、開閉ダンパ30の開度を、温度センサ51にて検出されるコンプレッサ11のケース表面温度、冷媒温度センサ52にて検出される冷媒温度若しくは冷媒圧力センサ53にて検出される圧力に基づき制御する。具体的には、開閉ダンパ30の開度、ひいては、空気の分流比率を、コンプレッサ11の状態を示す値、すなわち、コンプレッサ11のケース表面の温度、コンプレッサ11から吐出された箇所における冷媒の温度若しくはコンプレッサ11から吐出された箇所における冷媒の圧力が、それぞれ保護温度若しくは保護圧力以下となるように制御する。ここで、保護温度、保護圧力とは、コンプレッサ11、又は、冷媒回路10が故障しない上限の温度、圧力を意味する。このような開閉ダンパ30の制御方法を除いては、本実施例は、実施例1及び実施例2と同様である。
スタートからステップS2までは、上述した実施例1及び実施例2と同様であるので説明を省略し、ステップS3以降について説明する。
次に、ステップS3において、制御装置40は、前記空気温度センサ51にて検出されるコンプレッサ11のケース表面温度Tcを検出する。
さらに、ステップS4において、制御装置40は、前記空気温度Tcが、予め設定された保護値(保護温度)より高いか否かを判定する。ここで、保護値とは、コンプレッサ11をはじめ、冷媒回路10に故障を生じることなく信頼性高くヒートポンプを運転することができる所定の温度値である。そして、Tcが保護値以下である場合には、ステップS5に移行する。
ステップS5において、開閉ダンパ30を閉じる方向に開閉ダンパ30の開度を調整する。すなわち、1ステップ開閉ダンパ30を閉じる。そして、図7のCに戻る。
一方、ステップS4において、Tcが保護値以下ではない場合には、ステップS6に移行する。ステップS6において、開閉ダンパ30を開く方向に開閉ダンパ30の開度を調整する。すなわち、1ステップ開閉ダンパ30を開く。そして、図7のCに戻る。
このように、コンプレッサ11のケース表面温度Tcが保護値以下である場合には開閉ダンパ30を閉じる方向に開度調整し、そうでない場合には、開閉ダンパ30を開く方向に開度調整することによって、ケース表面温度Tcは、設定された所定の保護値以下の範囲内で徐々に保護値に近づくことになる。
すなわち、ケース表面温度Tcが保護値以下である場合には、上述したように、信頼性高くヒートポンプを運転し続けることが出来ることを意味する。したがって、開閉ダンパ30を閉じる方向に開度調整することにより、第2の分岐空気経路22に流す空気の流量を少なくし、コンプレッサ11と熱交換される空気の量を減らす。
よって、コンプレッサ11と熱交換する空気の量が減少し、流れる空気によるコンプレッサ11に対する空冷効果が低下する。したがって、コンプレッサ11のケース表面温度Tcは上昇することになる。
一方、ケース表面温度Tcが保護値以下でない場合には、上述した制御とは逆の制御を行うため、Tcが下降することになる。
よって、上述した制御を繰り返し行うことによって、Tcは、保護値以下の範囲内で保護値に近づいていくことになる。したがって、コンプレッサ11をはじめ、冷媒回路10に故障を生じることなく信頼性高くヒートポンプを運転することができる条件内で、なるべく高いケース表面温度Tcでコンプレッサ11を運転させることができる。すなわち、なるべく高い乾燥能力となるようにコンプレッサ11を運転させることができる。
このように、本制御を行うことによって、被乾燥物の乾燥効率、特に、乾燥最終段階の乾燥効率を向上させることができるため、乾燥運転時間を短縮することにより省エネルギーで被乾燥物を乾燥することができる。それに加えて、コンプレッサ11のケース表面温度が高くなりすぎるのを防止し、コンプレッサ11の保護を行うことができる。
図7のフローチャートを用いた上記の説明においては、制御装置40が、開閉ダンパ30の開度を、温度センサ51にて検出されるコンプレッサ11のケース表面温度に基づき制御する方法について説明したが、これに限られない。コンプレッサ11の状態を示す他の値、例えば、冷媒温度センサ52にて検出されるコンプレッサ11から吐出された箇所における冷媒の温度が、予め設定された保護値(保護温度)以下となるように制御してもよい。また、冷媒圧力センサ53にて検出されるコンプレッサ11から吐出された箇所における冷媒の圧力が、保護値(保護圧力)以下となるように制御してもよい。すなわち、図7のフローチャートにおいて、ステップS3のケース表面温度を、コンプレッサからの吐出冷媒温度、あるいは、コンプレッサからの吐出冷媒圧力に置き換えればよい。これらの場合、保護値とは、コンプレッサ11をはじめ、冷媒回路10に故障を生じることなく信頼性高くヒートポンプを運転することができる所定の温度値若しくは圧力値である。
また、本実施例においては、開閉ダンパ30として、1ステップずつ開度を微調整可能なものを用いた場合の制御について説明したが、これに限られない。すなわち、例えば、開閉ダンパ30として、ON/OFFの2値制御の場合には、図7のフローチャートのステップS4まで同じ制御を行い(ただし、開閉ダンパ30は閉じている)、ステップS4でケース表面温度Tcが保護値以下である場合には、ステップS5で、開閉ダンパ30が閉じた状態を維持し、Tcが保護値以下でない場合には、ステップS6で、開閉ダンパ30を所定時間開き、その後、閉じるという制御を行ってもよい。
次に、本発明を適用した乾燥機の他の実施例について、図8のタイムチャートを用いて説明する。
本実施例においては、外気温度が所定温度以下である場合に、制御装置40は、上述した実施例1乃至3におけるそれぞれの制御のうち、ステップS1とステップS2の間で、開閉ダンパ30の開閉を制御する。本実施例にかかる洗濯乾燥機の構成は、以下に特に記載する事項を除けば、上記実施例1乃至3と同様である。
本実施例にかかる洗濯乾燥機は、本体1に外気温度を検出する外気温度センサを備えており、当該外気温度センサの出力は上記制御装置40に接続されている。乾燥運転を開始し、ヒートポンプの運転を開始する時に、外気温度が所定温度以下、具体的には、コンプレッサ11の運転によりコンプレッサ11に液冷媒が吸い込まれて冷媒の液圧縮が発生する温度以下である場合には、図8のタイムチャートのように、制御装置40は、コンプレッサ11の運転開始時には、開閉ダンパ30は全閉とする。そして、所定時間経過後、実施例1乃至3におけるステップS2以降に移行する。すなわち、開閉ダンパ30を開ける。ここで、上記の温度センサ51にて検出されるコンプレッサ11のケース表面温度が前記所定温度以上となってから、実施例1乃至3におけるステップS2以降に移行してもよい。
乾燥運転時間を短縮して省エネルギーにて被乾燥物を乾燥するためには、乾燥用空気の温度をなるべく速く上昇させる必要がある。そのためには、コンプレッサ11の立ち上がりを速くする、若しくは、上述したように、コンプレッサ11の周囲にも乾燥用空気を通過させてコンプレッサ11の発熱を利用して空気を加熱するのを早く始める必要がある。
しかしながら、外気温度が低い、具体的には、コンプレッサ11の運転によって冷媒に液圧縮が発生する温度以下である場合には、コンプレッサ11のケース表面温度も低く、冷媒の液圧縮が発生しやすい。このような場合には、コンプレッサ11の周囲に乾燥用空気を通過させるよりも、コンプレッサ11の立ち上がりを速くする、すなわち、コンプレッサ11の温度上昇を速めることを優先する必要がある。
図8のタイムチャートのような制御を行うことにより、コンプレッサ11のケース表面温度が前記所定温度以上になるまで、コンプレッサ11の周囲には空気を通過させないようにできるため、冷媒の液圧縮が発生しないように、且つ、開閉ダンパ30を開けてからは乾燥用空気の温度上昇を速めることができる。したがって、上述したように、乾燥運転時間を短縮して省エネルギーにて被乾燥物を乾燥することができる。
次に、本発明を適用した乾燥機の他の実施例について、図9のタイムチャートを用いて説明する。本実施例にかかる洗濯乾燥機の構成は、以下に特に記載する事項を除けば、上記実施例1乃至3と同様である。
本実施例においては、外気温度が所定温度以下である場合に、制御装置40は、上述した実施例1乃至3におけるそれぞれの制御のうち、ステップS1とステップS2の間で、コンプレッサ11の運転周波数と開閉ダンパ30の開閉を制御する。
本実施例にかかる洗濯乾燥機は、実施例4と同様に、外気温度を検出する外気温度センサを備えており、当該外気温度センサの出力は上記制御装置40に接続されている。本実施例においては、乾燥運転を開始し、ヒートポンプの運転を開始する時に、外気温度が所定温度以下、具体的には、コンプレッサ11の運転による冷媒の液圧縮が発生する温度以下である場合には、図9(a)のタイムチャートのように、制御装置40は、まず、コンプレッサ11を定常運転時よりも低い運転周波数により運転を開始する。このコンプレッサ11の運転開始時には、開閉ダンパ30は全閉とする。そして、所定時間前記運転周波数でコンプレッサ11を運転し、その後、定常運転時の運転周波数に上げてコンプレッサ11を定常運転する。そして、実施例1乃至3におけるステップS2以降に移行する。すなわち、開閉ダンパ30を開ける。
ここで、上記の温度センサ51にて検出されるコンプレッサ11のケース表面温度が前記所定温度以上となってから、コンプレッサ11の運転周波数を定常運転時の運転周波数に上げてもよい。また、コンプレッサ11の運転周波数を定常時の運転周波数に上げた後に、上記の温度センサ51にて検出されるコンプレッサ11のケース表面温度が前記所定温度以上となってから、実施例1乃至3におけるステップS2以降に移行してもよい。
また、図9(d)に示すように、定常運転時よりも低い運転周波数でコンプレッサ11を運転開始し、徐々に運転周波数を上昇させていき、その後、定常運転周波数としてもよい。
また、実施例1乃至3におけるステップS2以降に以降する、すなわち、開閉ダンパ30を開けるタイミングは、図9(b)に示すように、コンプレッサ11の運転周波数が定常時の運転周波数とするのと同時でもよいし、図9(c)に示すように、定時運転時よりも低い運転周波数の時でもよい。
このように外気温度が低い場合、コンプレッサ11の運転開始時に、急に高い運転周波数で運転させると、冷媒の液圧縮が発生するおそれがある。
しかしながら、図9のタイムチャートのような制御を行うことにより、実施例4の場合の効果に加えて、冷媒の液圧縮が発生するのをより効果的に抑制することができる。コンプレッサ11の運転開始時に、定常運転時よりも低い運転周波数で運転することにより、冷媒の液圧縮を発生させないでコンプレッサ11のケース表面温度をより確実に上げることができる。さらに、コンプレッサ11のケース表面温度が上がれば、冷媒の液圧縮を抑制しつつ運転周波数を上げることができ、さらにコンプレッサ11のケース表面温度が上がりやすくなる。したがって、コンプレッサ11の加熱立ち上がり性能を加速度的に向上させることができる。
以上、詳述したように、蒸発器15と熱交換させた後の乾燥用空気を、ガスクーラ12を配置した第1の分岐空気経路21と、コンプレッサ11を配置した第2の分岐空気経路22に分流し、第1の分岐空気経路21内においてガスクーラ12と熱交換した空気と、第2の分岐空気経路22内においてコンプレッサ11と熱交換した空気を収容室7内に吐出することによって、コンプレッサ11筐体からの発熱を乾燥用空気の加熱に有効に利用できるので乾燥の立ち上がり性を向上させることができることに加え、ガスクーラ12出口の冷媒温度を低く保つことができるので、蒸発器15による乾燥用空気の除湿能力の低下を抑制することができる。さらに、コンプレッサ11筐体の過度の温度上昇を抑制することができるので、ガスクーラ12出口の乾燥用空気の温度が高くなりすぎるのを抑制することができる。
また、空気経路がガスクーラ12を配置した第1の分岐空気経路21と、コンプレッサ11を配置した第2の分岐空気経路22に分流されているので、それぞれに流す空気の流量の分流比率を乾燥運転中に可変制御することによって、乾燥状況、例えば、乾燥運転前半と乾燥運転後半で状況に応じた最適制御が可能となる。
尚、上述した各実施例においては、第1の分岐空気経路21に流す空気の流量と、第2の分岐空気経路22に流す空気の流量との比率を可変とする分流比率可変手段として、ガスクーラ12及びコンプレッサ11の上流側に配置された開閉ダンパ30について説明したが、これに限られない。開閉ダンパ30の替わりに、例えば、第2の分岐空気経路22内においてコンプレッサ11の上流又は下流に空気の流量調節機構を配置してもよい。当該空気の流量調節機構としては、例えば、コンダクタンス可変バルブ等を用いることができる。上記実施例の開口部23aの位置にコンダクタンス可変バルブを配置し、制御装置40によりコンダクタンス可変バルブの開度を調整することによって、前記分流比率を調整することができる。
また、上述した各実施例においては、分流比率可変手段としての開閉ダンパ30を備えており、乾燥運転中に分流比率を調整していたが、分流比率可変手段を備えていなくてもよい。この場合、乾燥運転を終了する際に、第1の分岐空気経路21の出口における乾燥用空気の温度と、第2の分岐空気経路22の出口における乾燥用空気の温度とが略同等となるように、予め開口部23a又は開口部23bを調整して洗濯乾燥機Wを製造しておけばよい。同様に、乾燥運転を終了する際に、第1の分岐空気経路21を経た乾燥用空気と、第2の分岐空気経路22を経た乾燥用空気とが合流した空気の温度が極大となるように、予め開口部23a又は開口部23bを調整して洗濯乾燥機Wを製造しておけばよい。
また、上記各実施例では洗濯と乾燥機能を有する洗濯乾燥機に本発明を適用したが、乾燥の単機能のみを有する乾燥機であってもよいことは云うまでもない。
本発明の実施例の洗濯乾燥機の冷媒と空気の流れを示す図である。 本発明の実施例の洗濯乾燥機の外部構成を示す斜視図である。 図2の洗濯乾燥機の内部構成を示す斜視図である。 図1の洗濯乾燥機の乾燥運転時における冷媒回路のモリエル線図である。 本発明の実施例1の乾燥運転における分流比率制御のフローチャートである。 本発明の実施例2の乾燥運転における分流比率制御のフローチャートである。 本発明の実施例3の乾燥運転における分流比率制御のフローチャートである。 本発明の実施例4の乾燥運転中の制御を時系列的に表した制御フロー図(タイムチャート)である。 本発明の実施例5の乾燥運転中の制御を時系列的に表した制御フロー(タイムチャート)である。
符号の説明
W 洗濯乾燥機
1 本体
2 外槽ドラム
3 開閉扉
4 ベース
5 内槽ドラム
7 収容室
10 冷媒回路
11 コンプレッサ
12 ガスクーラ
14 キャピラリーチューブ
15 蒸発器
16 ブロアファン
20 空気循環経路
21 第1の分岐空気経路
22 第2の分岐空気経路
23a、23b 開口部
24 収容室入口
25 収容室出口
26 空気経路
30 開閉ダンパ
40 制御装置
51 温度センサ
52、54、55 冷媒温度センサ
53 冷媒圧力センサ
56、57、58 空気温度センサ
61 ダクトボックス
67 吐出側のダクト部材
68 吸込側のダクト部材
69 空気通路
69A 入口
69B 出口
92A、92B 仕切部材

Claims (12)

  1. 被乾燥物を収容する収容室を備え、該収容室において前記被乾燥物の乾燥運転を実行する乾燥機であって、
    圧縮機、放熱器、減圧装置及び吸熱器を順次環状に配管接続してなる冷媒回路と、
    送風手段により、前記吸熱器と熱交換させた後の空気を、前記放熱器を配置した第1の分岐空気経路と、前記圧縮機を配置した第2の分岐空気経路に分流し、前記第1の分岐空気経路内において前記放熱器と熱交換した空気と、前記第2の分岐空気経路内において前記圧縮機と熱交換した空気を前記収容室内に吐出し、該収容室を経た空気を再び前記吸熱器と熱交換させるための空気経路と、
    を備える乾燥機。
  2. 前記乾燥運転を終了する際に、前記第1の分岐空気経路の出口における空気の温度と前記第2の分岐空気経路の出口における空気の温度とが略同等となるように、前記吸熱器と熱交換させた後の空気を、前記第1の分岐空気経路と前記第2の分岐空気経路に分流することを特徴とする請求項1に記載の乾燥機。
  3. 前記乾燥運転を終了する際に、前記第1の分岐空気経路を経た空気と、前記第2の分岐空気経路を経た空気とが合流した空気の温度が極大となるように、前記吸熱器と熱交換させた後の空気を、前記第1の分岐空気経路と前記第2の分岐空気経路に分流することを特徴とする請求項1に記載の乾燥機。
  4. 前記第1の分岐空気経路に流す空気の流量と、前記第2の分岐空気経路に流す空気の流量との比率を可変とする分流比率可変手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3に記載の乾燥機。
  5. 前記分流比率可変手段は、前記放熱器及び前記圧縮機の上流又は下流に配置された開閉ダンパであることを特徴とする請求項4に記載の乾燥機。
  6. 前記分流比率可変手段は、前記第2の分岐空気経路内における前記圧縮機の上流又は下流に配置された空気の流量調節機構であることを特徴とする請求項4に記載の乾燥機。
  7. 前記第1の分岐空気経路の出口における空気の温度と前記第2の分岐空気経路の出口における空気の温度とが略同等となるように、前記分流比率可変手段を制御することを特徴とする請求項4乃至6に記載の乾燥機。
  8. 前記第1の分岐空気経路を経た空気と、前記第2の分岐空気経路を経た空気とが合流した空気の温度が極大となるように、前記分流比率可変手段を制御することを特徴とする請求項4乃至6に記載の乾燥機。
  9. 前記圧縮機から吐出される箇所における冷媒の温度、前記圧縮機のケース表面温度又は前記圧縮機から吐出される箇所における冷媒の圧力が所定値以下となるように、前記分流比率可変手段を制御することを特徴とする請求項4乃至8に記載の乾燥機。
  10. 外気温度が所定温度以下の場合に、前記冷媒回路の運転開始時には、前記第2の分岐空気経路には空気を流さないようにすることを特徴とする請求項1乃至9に記載の乾燥機。
  11. 前記圧縮機のケース表面温度又は前記吸熱器の出口における空気の温度が、前記冷媒回路に流す冷媒の液圧縮が発生しないような所定の温度以上になったときに、前記第2の分岐空気経路に空気を流すようにすることを特徴とする請求項10に記載の乾燥機。
  12. 外気温度が所定温度以下の場合に、前記冷媒回路の運転開始時には、定常運転時よりも低い運転周波数で圧縮機の運転を開始し、その後、圧縮機の運転周波数を定常運転周波数に上げることを特徴とする請求項10又は11に記載の乾燥機。
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