JP4839688B2 - 包装容器用積層フイルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、包装容器用積層フイルムの製造方法に関し、詳しくは、例えばハードディスク等の様に、ゴミの付着が許されず、クリーンルーム内で取扱われる精密物品の搬送に好適な包装容器の製造に使用される積層フイルムの製造方法に関する。
従来、クリーンルーム内で取扱われる精密物品の搬送は、三方がヒートシールされた2個のフイルム容器を使用して次の様に行われている。先ず、第1のフイルム容器に物品の格納後、内部の空気を脱気し、開放部をヒートシールし、更に、その全体を第2のフイルム容器に格納後、内部の空気を脱気し、開放部をヒートシールする。そして、物品の搬送後、クリーンルーム等に搬入する前に第2のフイルム容器を開封する。その結果、物品は、ゴミが付着していない奇麗な容器に格納された状態でクリーンルーム等に搬入することが出来る。
ところが、上記の方法では次の様な問題がある。すなわち、上記の物品の格納作業を
適当なクリーンルーム内で行うことにより、第1及び第2のフイルム容器の内面および外面をクリーンに維持して、格納作業を終了することが出来るが、空気の脱気と開放部のヒートシールという作業を2度に亘って行う必要があり、作業コストが割高である。
上記の問題を解決するため、内側にヒートシール層を有する基材部と、この基材部の外側と内側の両面に積層された保護フイルム層とから成る包装用クリーンフイルムが提案されている(特許文献1)。
特開7−330020公報
上記の包装用クリーンフイルムは、適当なクリーンルーム内でウエブ状に制作して巻き取ることにより基材部の外側と内側の両面をクリーンに維持することが出来る。なお、各層を構成するウエブ状の原反フイルムはTダイ法で得られる。
そして、上記の包装用クリーンフイルムの製袋化は次の様に行われる。すなわち、一対のウエブ状包装用クリーンフイルムを準備し、各々の内側の面に積層された保護フイルム層を剥離した後、各々を互いに重ね合せてクリーンルーム内へ送給し、両側部をウエブの流れ方向に沿ってヒートシールすると共に幅方向に沿ってヒートシールした後、幅方向に切断する。
しかしながら、Tダイ法を利用した上記の様なフイルム容器の場合、内面および外面のクリーン化のため、ヒートシール層を有する基材部の外側と内側の両面に離剥フイルムとしての保護フイルム層を必要として不経済であり、しかも、離剥フイルムの剥離や巻取りのために多数の巻取り機を必要として設備が大掛かりとなる。更に、ウエブ状包装用クリーンフイルムの制作に際しては、フイルムの内面と外面とが外気に曝されたりロールと接触するため、比較的高度のクリーンルームを必要とする。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、離剥フイルムの量少なくて済み、しかも、簡単な設備にて且つ高度のクリーンルームを必要としない、安価な包装容器用積層フイルムの製造方法を提供することにある。
本発明者は、種々検討を重ねた結果、次の様な知見を得た。すなわち、共押出しインフレーション法にて得られた積層フイルムは、環状ダイからチューブ状として得られるが、直ちにロールに巻き取られて平坦化される。従って、上記の積層フイルムは、その内面相当部分がクリーンに維持されているため、その最外層を剥離可能に構成することにより、包装容器用積層フイルムとして極めて好適である。
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は、共押出しインフレーション法にて得られた積層フイルムを加工し包装容器用積層フイルムを製造する方法であって、上記の積層フイルムは2層以上から成り且つ平坦に折り畳まれて帯状に形成され、最外層はガスバリヤ性樹脂にて構成され、最内層はヒートシール性樹脂にて構成され(但し、最外層と隣接する内層はヒートシールの際にガスバリヤ性樹脂と非溶性の熱可塑性樹脂にて構成され)、上記の加工において、積層フイルムの長手方向に沿った両端縁または両端近傍最外層を切断し且つ当該切断線に沿って一定幅で剥離加工して成る一条の剥れ代それぞれ形成することを特徴とする包装容器用積層フイルムの製造方法に存する。
本発明によれば、離剥フイルムの量がが少なくて済み、しかも、簡単な設備にて且つ高度のクリーンルームを必要としない、安価な包装容器用積層フイルムが提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の包装容器用積層フイルム(以下、単に「積層フイルム」と略記する)は、共押出しインフレーション法にて得られた積層フイルム(原反フイルム)を加工して成る。インフレーション法の積層フイルムは、環状ダイからチューブ状として得られるが、ロールに巻き取られて平坦化される。
本発明の包装容器用積層フイルムは次の様に使用される。一端の開放部をヒートシールし、物品の格納後、内部の空気を脱気し、他端の開放部をヒートシールする。そして、物品の搬送後、クリーンルーム等に搬入する前に最外層を剥離する。その結果、物品は、ゴミが付着していない奇麗な容器に格納された状態でクリーンルーム等に搬入される。なお、クリーンルーム等に搬入する前に長期間に亘り保管されることもある。
従って、本発明の包装容器用積層フイルムは、ヒートシール性樹脂にて構成された最内層を有し、脱気後の空気の侵入を防止するため、ガスバリヤ性樹脂層を有する。そして、本発明の第1の要旨に係る積層フイルムと第2の要旨に係る積層フイルムとの相違は、ガスバリヤ性樹脂にて構成された層の位置にあり、前者の場合、剥離可能に構成される最外層がガスバリヤ性樹脂にて構成され、後者の場合、最外層が他の安価な熱可塑性樹脂にて構成される。また、本発明の包装容器用積層フイルムの好ましい態様の一つにおいては、後述する様に、変性ポリオレフィン(APO)を使用し、更に、永久帯電防止剤を使用することが推奨される。更に、最外層には、包装袋の積層保管時における耐ブロッキング性の観点から、アンチブロッキング剤を含有させるのが好ましい。
そこで、先ず、本発明の包装容器用積層フイルムに使用する上記の各樹脂、永久帯電防止剤およびアンチブロッキング剤について説明する。
ヒートシール性樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンー酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンーメタクリレート共重合体(EMA)、エチレンーエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンーメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレンーアクリル酸エチル共重合体(EAA)、エチレンーメタクリル酸エチル共重合体(EMAA)、接着性ポリエチレン、アイオノマー樹脂、EVA鹸化物、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)或いはそれらの共重合体が挙げられる。
線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)は、エチレンと炭素数3〜13のα−オレフィンとの共重合体(エチレン含有量:86〜99.5モル%)であり、従来の高圧法により製造されたLDPEとは異なる低中密度のポリエチレンである。高圧法LDPEとLLDPEとの構造的違いは、前者は多分岐状の分子構造であり、後者は直鎖状の分子構造となっている点である。LLDPEの製造において、エチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1等が挙げられる。これらの共重合は、所謂チーグラーナッタ型触媒やメタロセン触媒を使用した低中圧法によって行われる。
ガスバリヤ性樹脂としては、ポリアミド(PA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。これらの中では、ポリアミド(PA)又はエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)が好ましく、特にポリアミド(PA)が好ましい。
本発明において、ポリアミドとしては、(1)3員環以上のラクタム、(2)重合可能なω−アミノ酸、(3)ジアミンとジカルボン酸の各ポリアミド原料の重縮合によって得られる各種のポリアミドを使用することが出来る。
3員環以上のラクタムとしては、具体的には、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等が挙げられ、重合可能なω−アミノ酸としては、具体的には、6−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸などが挙げられる。
ジアミンとしては、具体的には、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン等が挙げられ、ジカルボン酸としては、具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン二塩基酸、グルタール酸などが挙げられる。
ポリアミドの具体例としては、ナイロン4、6、7、8、11、12、6・6、6・10、6・11、6・12、6T、6/6・6、6/12、6/6T、6I/6T等が挙げられるが、通常ナイロン6が使用される。
変性ポリオレフィン(APO)は、エチレン成分および/またはプロピレン成分を主たる構成成分としたポリオレフィンにα,β不飽和カルボン酸またはその誘導体を共重合および/またはグラフト重合させて製造される。
上記のポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸ナトリウム共重合体などが挙げられる。
上記の共重合されるα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、酢酸ビニル、グリシジルメタクリレート等が挙げられ、分子鎖中に40モル%以内の範囲内で含まれる。共重合変性ポリオレフィンとしては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸ナトリウム共重合体などが挙げられる。
上記のグラフトされるα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸あるいはこれらの酸無水物、または、これらの酸のエステル等が挙げられる。これらの変性用化合物の中では、特に無水マレイン酸が好適である。また、グラフト量は、ポリオレフィンに対し、通常0.01〜25重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%の範囲から選択される。
グラフト反応は、常法に従い、ポリオレフィンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体とを温度150〜300℃で溶融混合することにより行われる。グラフト反応に際しては、反応を効率良く行なわせるため、α,α′−ビス−t−ブチルパーオキシ−p−ジイソプロピルベンゼン等の有機過酸化物を0.001〜0.05重量%配合するのがよい。
永久帯電防止剤は、対象樹脂に配合してアロイ化して使用される高分子型帯電防止剤であり、数多くの化合物が提案されている。例えば、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、ポリエーテルポリアミド、ポリエステル、ポリエステルポリアミド等の高分子型帯電防止剤が挙げられる。
アンチブロッキング剤は、有機微粒子または無機微粒子から構成することが出来る。有機微粒子から成るアンチブロッキング剤としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等の単独または共重合体などから成る架橋剤を含有していてもよい微粒子が挙げられる。一方、無機微粒子から成るアンチブロッキング剤としては、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス粉末などが挙げられる。上記の各アンチブロッキング剤の平均粒径は通常1〜10μm程度である。また、無機微粒子は、予め樹脂に配合された組成物(マスターバッチ)を使用してもよい。
次に、本発明の第1の要旨に係る積層フイルムの層構成について説明する。この積層フイルムは、2層以上から成り、最外層はガスバリヤ性樹脂にて構成され、最内層はヒートシール性樹脂にて構成される。但し、最外層と隣接する内層はヒートシールの際にガスバリヤ性樹脂と非溶性の熱可塑性樹脂にて構成される。具体的には、最外層を構成する樹脂として、内層を構成する樹脂の融点およびヒートシール温度よりも高い融点の樹脂を使用すればよい。その理由は、後述するヒートシール加工によっても、最外層と隣接する内層との間での剥離を可能にするためである。
上記の層構成の条件を満足する限り、各層の構成樹脂は、前述した樹脂から任意に選択することが出来るが、本発明においては、コスト等の観点から、最外層がPA、中間層がLDPE、最内層がLDPEとL−LDPEとの組成物にて構成された3層の積層フイルム(PA/LDPE/LDPEとL−LDPE)が推奨される。この場合、最内層にLDPEとL−LDPEとの組成物を使用する意義は次の通りである。すなわち、本発明の包装容器用積層フイルムにおいて、最内層同士はヒートシール加工されて一体化されるが、安価なLDPEにL−LDPEを配合することにより、ヒートシール強度を高めることが出来るからである。L−LDPEの配合量は、LDPEに対する割合として、通常0.5〜3重量倍、好ましくは1〜2重量倍である。
また、上記の層構成における各層の厚さは次の通りである。すなわち、最外層(剥離層かつガスバリヤ層)の厚さは、通常5〜50μm、好ましくは25〜45μm、中間層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜70μm、最内層(ヒートシール層)の厚さは、通常20〜100μm、好ましくは30〜70μmとされる。因に、積層フイルムの幅(環状ダイからチューブ状として得られた後にロールに巻き取られて完全に平坦化された積層フイルムの幅)は、収納する物品の大きさ等によって適宜選択されるが、通常200〜600mmである。
本発明の好ましい態様においては、少なくとも最内層の構成樹脂には永久帯電防止剤が配合されるが、その配合量は、樹脂当たりの割合として、通常5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%である。また、少なくとも最外層の構成樹脂にはアンチブロッキング剤が配合されるが、その配合量は、樹脂当たりの割合として、通常100〜10,000ppm、好ましくは1,000〜5,000ppmである。
次に、本発明の第2の要旨に係る積層フイルムの層構成について説明する。この積層フイルムは、3層以上から成り、最外層はガスバリヤ性樹脂以外の熱可塑性樹脂にて構成され、中間層はガスバリヤ性樹脂にて構成され、最内層はヒートシール性樹脂にて構成される。但し、第1の要旨に係る積層フイルムの場合と同様の理由により、中間層と隣接する最外層はヒートシールの際にガスバリヤ性樹脂と非溶性の熱可塑性樹脂にて構成される。
上記の層構成の条件を満足する限り、各層の構成樹脂は、前述した樹脂から任意に選択することが出来るが、本発明においては、コスト等の観点から、最外層がLDPE、中間外層がPA、中間内層がAPO、最内層が前記のLDPEとL−LDPEとの組成物にて構成された4層の積層フイルム(LDPE/PA/APO/LDPEとL−LDPE)が推奨される。
また、上記の層構成における各層の厚さは次の通りである。すなわち、最外層(剥離層)の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは35〜70μm、中間外層(ガスバリヤ層)の厚さは、通常5〜50μm、好ましくは10〜30μm、中間内層(接着層)の厚さは、通常2〜30μm、好ましくは5〜15μm、最内層(ヒートシール層)の厚さは、通常20〜100μm、好ましくは30〜70μmとされる。積層フイルムの幅は前記と同様である。
次に、本発明の包装容器用積層フイルムの構造的特徴について添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の要旨に係る積層フイルムの好ましい態様の一例について層構成を破断して示す模式的斜視図である。なお、図1は、図面の簡略化のため、最も簡単な層構成である2層の積層フイルムの例を示している。
本発明の第1の要旨に係る積層フイルム(1)は、長手方向の両端縁または両端近傍には最外層(11)を切断し且つ当該切断線に沿って一定幅で剥離加工して成る一条の剥れ代(13)、(13)がそれぞれ形成され、そして、上記の各剥れ代(13)、(13)を使用して最外層(11)が剥離可能に構成されている。そして、好ましい態様においては、左右の一条の剥れ代(13)、(13)の内側に相当する位置において最内層(12)には剥れ代に沿って一条のヒートシール部(15)、(15)がそれぞれ設けられている。
なお、図中、符号(14)は加熱部、(16)は非剥離加工部であり、また、図1において、剥れ代(13)、(13)は、理解を容易にするため、めくられた状態で描かれているが、実際は、非剥離加工部(16)と同様に最内層(12)に密着している。
上記のヒートシール部(15)、(15)による作用効果は次の通りである。すなわち、ガスバリヤ性樹脂にて構成された最外層は(11)は、各剥れ代(13)、(13)の形成のため、上記の様に切断され、しかも、各剥れ代(13)、(13)は、最内層(12)に密着していると言えども、一旦、剥離加工されている。その結果、最内層(12)の長手方向の両端近傍における最外層は(11)によるガスバリヤ性は低下している。そのため、本発明の包装容器用積層フイルムを使用して物品を長期間に亘って保管する場合、すなわち、包装容器用積層フイルムの一端の開放部をヒートシールし、物品の格納後、内部の空気を脱気し、他端の開放部をヒートシールし、長期間に亘って保管する場合、空気が包装容器に侵入する恐れがある。そこで、左右の一条の剥れ代(13)、(13)の内側に相当する位置において最内層(12)には剥れ代に沿って一条のヒートシール部(15)、(15)を設けることにより、剥離されていない最外層(11)の範囲内において最内層(12)のガスバリヤ性を確保することが出来る。
従って、上記の態様においては、各ヒートシール部(15)、(15)の外側に相当する位置において最外層は(11)には非剥離加工部(16)を設けるのが好ましい。
図示した例において、剥れ代(13)、(13)は、最外層(11)の両端縁を切断することにより、両端縁を含む一定幅で形成されているが、両端近傍を切断することにより、両端縁を含まない一定幅で形成することも出来る。また、非剥離加工部(16)は任意であり、剥れ代(13)と加熱部(14)とが隣接していもよい。剥れ代(13)の幅は、積層フイルムの幅の5〜10%程度(幅500mmの積層フイルムの場合は25〜50mmである。因に、加熱部(14)の幅(ヒートシーラーの幅に相当)は、5〜2mmである。
一方、本発明の第2の要旨に係る積層フイルムは、上記の第1の要旨に係る積層フイルム(1)において、一条のヒートシール部(15)、(15)が無い点を除き、上記の第1の要旨に係る積層フイルム(1)と同じである。
次に、本発明の包装容器用積層フイルムの製造方法について説明する。先ず、本発明においては、共押出しインフレーション法にて積層フイルムを得る。インフレーション法としては、ダイから押し出されたフイルムをダイの上方に導き、冷却空気を吹き付けて冷却した後に巻き取る公知の方法(空冷法)を採用することが出来る。通常、環状ダイの上方に冷却空気を吹き付けるエアーリングを配置し、当該エアーリングの上方に安内板と巻取ロールとを順次に配置して成る設備を使用し、そして、環状ダイから複数種類の原料樹脂を実質的に延伸が起こらない様に共押し出しし、エアーリングの間を通過させて冷却した後、積層フイルムの円筒体を安内板を通して巻取ロールに供給して折り畳み、積層フイルムとして巻き取る。
次いで、本発明においては、共押出しインフレーション法にて得られた上記の積層フイルム(原反フイルム)を加工し、剥れ代を形成し、且つ、必要に応じて所定のヒートシールを行う。
図2は、本発明の第1の要旨に係る積層フイルムの製造工程(共押出しインフレーション法にて得られた積層フイルムの加工工程)の一例の説明図であり、図3は、図2に示す製造工程で使用された耳裂き装置の平面説明図、図4は、図3に示す耳裂き装置の要部の説明図である。
原反フイルムロール(2)から送出された原反フイルム(3)は、走行と停止を繰り返しながら、耳裂き装置(4)、サイドシール装置(5)、ボトムシール装置(6)、切断装置(7)で順次に処理される。なお、符号(8)は案内ロール、(9)は駆動用のピンチロール(ゴムロール)である。
耳裂き装置(4)は、原反フイルム(3)の移送方向に沿って平行に配置された左右のフレーム(41)、(41)と、当該フレームに架設された案内レール(42)と、当該案内レールの両端にスライド可能にそけぞれ取付けられた支持ブロクック(43)、(43)と、当該支持ブロクックの上部に水平に装着された板面形状がL字型の剥離板(44)と、当該剥離板の入隅部に刃先を露出させ且つ押え板(46)によって固定された切断刃(45)とから主として構成される。そして、剥離板(44)及び切断刃(45)の原反フイルム(3)に対する位置は、支持ブロクック(43)の固定位置によって調節され、原反フイルム(3)の耳裂き加工は次の様に行われる。
すなわち、原反フイルム(3)の両端に沿って最外層(11)と最内層(12)の間に剥離板(44)の先端を挿入して原反フイルム(3)を走行させることにより、最外層(11)と最内層(12)とを剥離しつつ最外層(11)の両端を切断する。そして、最内層(12)の両端の偶発的な切断を防止するため、外層(11)と最内層(12)との剥離距離が拡大される様に、剥離板(44)の先端部外縁は僅かに上向きに傾斜した形状になされている。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例においては、次の材料を使用した。
(1)低密度ポリエチレン(LDPE):
日本ポリエチレン社製「ノバテック LC560」(MFR:3.5g/10min、密度:0.926g/cm
(2)線状低密度ポリエチレン(L−LDPE):
日本ポリエチレン社製「ハーモレックス NF464N」(MFR:2.0g/10min、密度:0.918g/cm
(3)ポリアミド:
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバミッド 2430J」(6/6・6共重合ナイロン)(MFR:4.5g/10min、密度:1.13g/cm
(5)永久帯電防止剤:
三洋化成工業社製「ペレスタット230」(ポリエーテル型高分子型帯電防止剤)
(6)アンチブロッキング剤:
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「2420AMT」(シリカ含量15重量%の6/6・6共重合ナイロン組成物)(MFR:3.5g/10min、密度:1.28g/cm
実施例1:
3層共押出し環状ダイを使用した共押出しインフレーション法の空冷法により、表1に示す層構成を有し、厚さ0.1mm、幅450mmの積層フイルムを得た。ダイ温度は240℃、空冷温度は15〜30℃、巻取り速度は7.2m/min.とした。
Figure 0004839688
次いで、図3及び図4に示す耳裂き装置を備えた図2に示す製造工程により、厚さ0.1mm、幅450mm、長さ450mmの包装容器用積層フイルムを得た。サイドシール及びボトムシールの温度は何れも220℃とした。剥れ代(13)の幅は35mm、ヒートシール部(15)の幅は20mm、非剥離加工部(16)の幅は15mmとした。剥れ代(13)は中間層に密着した状態ではあるが、容易にめくることが出来、外層は剥れ代(13)を利用して容易に剥離することが出来た。
実施例2:
実施例1において、外層として、ポリアミド(79重量%)、永久帯電防止剤(15重量%)、アンチブロッキング剤(6重量)の組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして包装容器用積層フイルムを得た。実施例1と同様に、剥れ代(13)は中間層に密着した状態ではあるが、容易にめくることが出来、外層は剥れ代(13)を利用して容易に剥離することが出来た。
本発明の積層フイルムの好ましい態様の一例の、層構成を破断して示す模式的斜視図 本発明の積層フイルムの製造工程(共押出しインフレーション法にて得られた積層フイルムの加工工程)の一例の説明図 図2に示す製造工程で使用された耳裂き装置の平面説明図 図3に示す耳裂き装置の要部の説明図
符号の説明
1:包装容器用積層フイルム
11:最外層
12:最内層
13:剥れ代
14:加熱部
15:ヒートシール部
16:非剥離加工部
2:原反フイルムロール
3:原反フイルム
4:耳裂き装置
41:フレーム
42:案内レール
43:支持ブロクック
44:剥離板
45:切断刃
46:押え板
5:サイドシール装置
6:ボトムシール装置
7:切断装置
8:案内ロール
9:ピンチロール

Claims (3)

  1. 共押出しインフレーション法にて得られた積層フイルムを加工し包装容器用積層フイルムを製造する方法であって、上記の積層フイルムは2層以上から成り且つ平坦に折り畳まれて帯状に形成され、最外層はガスバリヤ性樹脂にて構成され、最内層はヒートシール性樹脂にて構成され(但し、最外層と隣接する内層はヒートシールの際にガスバリヤ性樹脂と非溶性の熱可塑性樹脂にて構成され)、上記の加工において、積層フイルムの長手方向に沿った両端縁または両端近傍最外層を切断し且つ当該切断線に沿って一定幅で剥離加工して成る一条の剥れ代それぞれ形成することを特徴とする包装容器用積層フイルムの製造方法
  2. 左右の一条の剥れ代の内側に相当する位置において最内層剥れ代に沿って一条のヒートシール部それぞれ設ける請求項1に記載の包装容器用積層フイルムの製造方法
  3. 積層フイルムは3層から成り、最外層がポリアミド、中間層が低密度ポリエチレン、最内層が低密度ポリエチレンと線状低密度ポリエチレンとの組成物にて構成され、中間層および最内層の構成樹脂には永久帯電防止剤が配合されている請求項1又は2に記載の包装容器用積層フイルムの製造方法
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