JP4832165B2 - ポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
このため、200nm以下の波長領域で透明性の高いメタクリレート樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されてきている。特開平4−226461号公報にはメタクリレート構造を有する酸分解性樹脂を含有するレジスト組成物が記載されている。しかしながら、パターンの微細化に伴い、レジスト膜厚の薄膜化が必要となり、レジストのドライエッチング耐性が求められている。特許文献1(特登2973998号)、特許文献2(特開2001−188347号公報)にはアマンタン構造など有橋脂環式炭化水素を有する繰り返し単位を含有する樹脂が記載されている。しかしながら炭素密度を上げることによりDE耐性は改良可能であるが、現像欠陥性能やパターン形成能が悪化するなどレジストとしての総合性能を両立させるのが極めて困難なのが実情である。更に線幅100nm以下のような微細なパターンを形成する際には、解像性能が優れていても、形成したラインパターンが倒れてしまい、デバイス製造時の欠陥となってしまうパターン倒れの問題や、ラインパターンのラインエッジラフネス性能の改良が求められていた。
〔1〕
(A)一般式(I)で表される繰り返し単位とラクトン構造を有する繰り返し単位とを含有する、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂、及び、(B)活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物を含有するポジ型感光性組成物。
一般式(I)において、
Rxは、水素原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
Ra 1 、Ra 2 は、それぞれ独立に水素原子または有機基を表す。
Ra 3 、Ra 4 は、それぞれ独立に、無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Ra 3 とRa 4 は互いに結合して環構造を形成しても良い。
Xは、単結合またはアルキレン基を表す。
Yは、炭素原子C 1 と共に単環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
nは1または2を表す。
〔2〕
樹脂(A)が、更に脂環炭化水素構造を有する酸分解性基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記〔1〕に記載のポジ型感光性組成物。
〔3〕
樹脂(A)が、下記一般式(VIIa)で表される部分構造を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載のポジ型感光性組成物。
一般式(VIIa)中、R 2c 〜R 4c は、各々独立に水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R 2c 〜R 4c のうち少なくとも1つは水酸基又はシアノ基を表す。
〔4〕
上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のポジ型感光性組成物を用いて形成されたことを特徴とする感光性膜。
〔5〕
上記〔4〕に記載の感光性膜を、露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
〔6〕
前記感光性膜を、液浸媒体を介して露光することを特徴とする上記〔5〕に記載のパターン形成方法。
本発明は、上記〔1〕〜〔6〕に係る発明であるが、以下、参考のため、他の事項も含めて記載している。
<1>
(A)一般式(I)で表される繰り返し単位を含有する、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂、及び、(B)活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物を含有するポジ型感光性組成物。
一般式(I)において、
Rxは、水素原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
Ra1、Ra2は、それぞれ独立に水素原子または有機基を表す。
Ra3、Ra4は、それぞれ独立に有機基を表す。
Ra3とRa4は互いに結合して環構造を形成しても良い。
Xは、単結合またはアルキレン基を表す。
Yは、炭素原子C1と共に単環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
nは1または2を表す。
<2>
樹脂(A)が、更に脂環炭化水素構造を有する酸分解性基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする<1>に記載のポジ型感光性組成物。
<3>
樹脂(A)が、更にラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする<1>または<2>に記載のポジ型感光性組成物。
<4>
<1>〜<3>のいずれかに記載のポジ型感光性組成物を用いて、感光性膜を形成し、該感光性膜を、露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
<5>
一般式(I)で表される繰り返し単位を含有する樹脂。
一般式(I)において、
Rxは、水素原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
Ra1、Ra2は、それぞれ独立に水素原子または有機基を表す。
Ra3、Ra4は、それぞれ独立に有機基を表す。
Ra3とRa4は互いに結合して環構造を形成しても良い。
Xは、単結合またはアルキレン基を表す。
Yは、炭素原子C1と共に単環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
nは1または2を表す。
<6>
一般式(II)で表されることを特徴とする重合性化合物。
一般式(II)において、
Rxは、水素原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
Ra1、Ra2は、それぞれ独立に水素原子または有機基を表す。
Ra3、Ra4は、それぞれ独立に有機基を表す。
Ra3とRa4は互いに結合して環構造を形成しても良い。
Xは、単結合またはアルキレン基を表す。
Yは、炭素原子C1と共に単環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
nは1または2を表す。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものとともに置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のポジ型感光性組成物は、一般式(I)で表される構造を有する繰り返し単位を含有する、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂(酸分解性樹脂)を含有する。
nは1または2を表す。
Rxは、水素原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
Rxにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基が好ましく、メチル基、CH2OH(ヒドロキシメチル基)、CF3などが好ましい。
Ra1、Ra2における有機基としては、それぞれ独立に、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基などが挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などの鎖状アルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素数20以下のシクロアルキル基が好ましく、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、トリシクロデシル基などが挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、チオフェン基、フラン基、ピロール基、インドール基などが挙げられる。
アラルキル基としては上記アリール基が炭素数1〜4のアルキル基で連結された基を挙げることができる。
アルコキシアルキル基としては炭素数1〜20の直鎖、分岐、環状アルコキシアルキル基が好ましく、具体的にはメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、2−メチルプロポキシエチル基、1−メチルプロポキシメチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、メントキシメチル等の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシアルキル基が挙げられる。
Ra1、Ra2は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、より好ましくは、水素原子またはアルキル基である。よりさらに好ましくは水素原子、メチル基またはエチル基である。最も好ましくは水素原子である。
Ra3、Ra4における有機基としては、それぞれ独立に、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などの鎖状アルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素数20以下のシクロアルキル基が好ましく、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、トリシクロデシル基などが挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、チオフェン基、フラン基、ピロール基、インドール基などが挙げられる。
アラルキル基としては上記アリール基が炭素数1〜4のアルキル基で連結された基をあげることができる。
Ra3、Ra4は、それぞれ独立に、好ましくは、アルキル基またはシクロアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数10以下のシクロアルキル基である。さらに好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−イソブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基であり、最も好ましくはメチル基またはエチル基である。
Ra3とRa4は互いに結合して環構造を形成しても良い。
Ra3とRa4が互いに結合して形成する環構造としては、単環でも、多環でもよく、例えば、炭素数3〜20のシクロアルキルを挙げることができる。好ましくは、炭素数3〜10の単環または多環のシクロアルキルである。さらに好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどを挙げることができる。最も好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
Rb1、Rb2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜6のシクロアルキル基を表す。アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基などの鎖状アルキル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
Xとして、好ましくは、単結合、炭素数1〜5の鎖状のアルキレン基である。さらに好ましくは、単結合、メチレン基、エチレン基、1−メチル−1,1−エチレン基である。最も好ましくは単結合である。
すなわち、樹脂(A)は、酸分解性基を、樹脂の主鎖又は側鎖、或いは、主鎖及び側鎖の両方に有してもよいが、側鎖に有するほうが好ましい。
酸分解性基として好ましい基は、−COOH基、−OH基等のアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37、R36とR39とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
本発明においては、酸分解性基は、アセタール基又は3級エステル基が好ましい。
樹脂(A)は、酸分解性基をいかなる繰り返し単位に有していてもよいが、後述の脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位中に有することが好ましい。
また、一般式(I)が酸分解性を有さない、すなわちRa2が水素のとき、脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位において、脂環炭化水素構造は、酸の作用により分解して、脱離基とともに樹脂にアルカリ可溶性基を生じる基(酸分解性基)における、脱離基中に含まれることが好ましい。
R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともにシクロアルキル基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかはシクロアルキル基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つはシクロアルキル基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つはシクロアルキル基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
R11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、アルキル基あるいはシクロアルキル基を表す。
ここで、R5は、アルキル基、シクロアルキル基又はラクトン構造を有する基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は単結合又は2価の連結基を表す。
また、Rl3'〜R16'のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。nは0又は1を表す。
R17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、アルコキシ基、−CO−NH−R6、−CO−NH−SO2−R6又はラクトン構造を有する基を表す。
R6は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。好ましくは単結合である。
Rp1は、上記式(pI)〜(pV)のいずれかの基を表す。
化水素の繰り返し単位を樹脂に形成する原子団であり、中でも有橋式の脂環式炭化水素の繰り返し単位を形成する有橋式脂環式構造を形成するための原子団が好ましい。
Ab1は直鎖、分岐アルキレン基、単環または多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基である。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
位を含有してもよい。
Fxは水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Fxのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Faは単結合、直鎖または分岐のアルキレン基(好ましくは単結合)を表す。
Fbは単環または多環の環状炭化水素基を表す。
Fcは単結合、直鎖または分岐のアルキレン基(好ましくは単結合、メチレン基)を表す。
F1は一般式(F1)で表される基を表す。
P1は1〜3を表す。
Fbにおける環状炭化水素基としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基が好ましい。
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
(1) 上記一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を含有するもの(側鎖型)。好ましくは(pI)〜(pV)の構造を有する(メタ)アクリレート繰り返し単位を含有するもの。
(2) 一般式(II-AB)で表される繰り返し単位を含有するもの(主鎖型)但し、(2)においては例えば、更に以下のものが挙げられる。
(3) 一般式(II-AB)で表される繰り返し単位、無水マレイン酸誘導体及び(メタ)アクリレート構造を有するもの(ハイブリッド型)
極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中5〜50モル%が好ましく、より好ましくは10〜40モル%、更に好ましくは15〜30モル%である。
樹脂(A)として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート、繰り返し単位のすべてがアクリレート、メタクリレート/アクリレート混合のいずれのものでも用いることができるが、アクリレート繰り返し単位が全繰り返し単位の50mol%以下であることが好ましい。
より好ましくは、一般式(I)で表される繰り返し単位が酸分解性を示さない、すなわちRa2が水素原子のとき一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位20〜50%、上記ラクトン構造を含有する繰り返し単位20〜50%、一般式(I)で表される基を有する繰り返し単位5〜30%含有する3元共重合ポリマー、更に上記極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位0〜30%、またはその他の繰り返し単位を0〜20%含む4元共重合ポリマーである。または、一般式(I)で表される繰り返し単位が酸分解性を有するとき、一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位0〜40%、上記ラクトン構造を含有する繰り返し単位20〜50%、一般式(I)で表される基を有する繰り返し単位5〜30%含有する3元共重合ポリマー、更に上記極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位0〜30%、またはその他の繰り返し単位を0〜20%含む4元共重合ポリマーである。
最も好ましい樹脂としては、ARA−1〜ARA−5で表される酸分解性基を有する繰り返し単位20〜50%、ARL−1〜ARL−6で表されるラクトン基を有する繰り返し単位20〜50%、一般式(I)で表される基が酸分解性を示さない、すなわちRa2が水素原子であり、この基を有する繰り返し単位5〜30%含有する3元共重合ポリマー、または更にカルボキシル基、あるいは一般式(F1)で表される構造を含有する繰り返し単位、脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を5〜20%含む4元共重合ポリマーである。
分子量分布は通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、パターン形状が優れ、且つパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
また、本発明において、樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
本発明の感光性組成物は活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する。 そのような光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 −、PF6 −、SbF6 −などが挙げられ、好ましくは炭素原子を含有する有機アニオンである。
好ましい有機アニオンとしては下式AN1〜AN4に示す有機アニオンが挙げられる。
Rc1における有機基として炭素数1〜30のものが挙げられ好ましくは置換していてもよいアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rc1の有機基としてより好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。Rc1において炭素原子を5個以上有する時、少なくとも1つの炭素原子は水素原子で置換されていることが好ましく、水素原子の数がフッ素原子より多いことがより好ましい。炭素数5以上のパーフロロアルキル基を有さないことにより生態への毒性が軽減する。
Rc1の最も好ましい様態としては、下記一般式で表される基である。
Axは連結基(好ましくは単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−)。Rd1は水素原子、アルキル基を表し、Rc7と結合して環構造を形成してもよい。
Rc7:水素原子、フッソ原子、置換していてもよい直鎖、分岐、単環または多環環状アルキル基、置換していてもよいアリール基。置換していてもよいアルキル基、アリール基は置換基としてフッソ原子を含有しないことが好ましい。
Rc3、Rc4、Rc5は有機基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5の有機基として好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができる。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し好ましい。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖、分岐又は環状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アリール基(例えば炭素数6−から14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状アルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、最も好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としての2−オキソアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R6c及びR7cは、水素原子又はアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖、分岐、環状アルキル基、又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
R204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R204〜R207としてのアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の環状アルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
R206は、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。
R207及びR208置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基、電子吸引性基を表す。R207として好ましくは置換若しくは未置換のアリール基である。
R208として好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換のアルケニレン基又は置換若しくは未置換のアリーレン基を表す。
更に、活性光線又は放射線の照射により、下記一般式AC1〜AC3で表される酸を発生する化合物が好ましい。
酸発生剤の組成物中の含量は、感光性組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
(C)アルカリ可溶性基、親水基、酸分解性基から選ばれるすくなくとも1つを有する、分子量3000以下の溶解制御化合物(以下、「(C)成分」或いは「溶解制御化合物」ともいう)を加えてもよい。
好ましい溶解制御化合物としてはアダマンタン(ジ)カルボン酸、ノルボルナンカルボン酸、コール酸などの脂環炭化水素構造を有するカルボン酸化合物、またはそのカルボン酸を酸分解性基で保護した化合物、糖類などのポリオール、またはその水酸基を酸分解性基で保護した化合物
が好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減あるいは、露光によって発生した酸の膜中拡散性を制御するために、(D)塩基性化合物を含有することが好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
本発明のポジ型感光性組成物は、更に、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
(S1)水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤、
(S2)エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤
(S3)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤
(S4)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤とを混合した混合溶剤
(S5)エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤とを混合した混合溶剤
これにより感光性組成物の保存時のパーティクル発生を軽減でき、また、塗布時の欠陥の発生を抑制することができる。
エステル構造を有する溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、酢酸ブチルなどが挙げられ、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
ラクトン構造を有する溶剤としてはγ−ブチロラクトンが挙げられる。
カーボネート構造を有する溶剤としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートが挙げられ、好ましくはプロピレンカーボネートである。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは40/60〜80/20である。エステル構造を有する溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、70/30〜99/1、好ましくは80/20〜99/1、更に好ましくは90/10〜99/1である。エステル構造を有する溶剤を70質量%以上含有する混合溶剤が経時安定性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、ラクトン構造を有する溶剤を1〜20質量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60質量%含有することが好ましい。
エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、カーボネート構造を有する溶剤を1〜20質量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60質量%含有することが好ましい。
これら溶剤の好ましい様態としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート(好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を含有する溶剤であり、より好ましくはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと他の溶剤の混合溶剤であり、他の溶剤が水酸基、ケトン基、ラクトン基、エステル基、エーテル基、カーボネート基から選ばれる官能基、あるいはこれらのうちの複数の官能基を併せ持つ溶剤から選ばれる少なくとも1種である。最も好ましい混合溶剤は乳酸エチル、γブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、シクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの混合溶剤である。
最適な溶剤を選択することにより現像欠陥性能を改良することができる。
本発明のポジ型感光性組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記(E)成分以外の界面活性剤、光増感剤等を含有させることができる。
本発明においては、上記(E)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪族エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル類等のノニオン系界面活性剤を挙げることができる。
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
当該感光性膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線の照射時に感光性膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。また、液浸露光を行なう際に液浸媒体と感光性膜が直接触れ合わないようにするために感光性膜の上にさらにオーバーコート層を設けても良い。これにより感光性膜から液浸媒体への組成物の溶出が抑えられ、現像欠陥が低減する。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
化合物II−8(Rx=Me)の合成;
臭化メチルマグネシウム(184ml、33%ジエチルエーテル溶液)に4−ヒドロキシシクロへキサン酸カルボン酸メチル25.0gのテトラヒドロフラン溶液100mlを滴下した。室温にて2時間、50℃にて2時間反応させた後、反応液に1M−塩酸水溶液500mlを加えた。これを酢酸エチル500mlで抽出した。有機相を飽和重曹水、および蒸留水で洗浄し、乾燥、濃縮すると粗生成物が得られた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、4−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)シクロヘキサノールを22.7g得た。
得られた4−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)シクロヘキサノール22.7gおよびトリエチルアミン17.4gをテトラヒドロフラン150mlに溶解させ、氷冷下にて塩化メタクリロイル21.1gをゆっくり加えた。混合液を室温に昇温し、4時間反応させた。反応液に1M−塩酸水溶液500mlを加え、これを酢酸エチル500mlで抽出した。有機相を飽和重曹水、および蒸留水で洗浄し、乾燥、濃縮すると粗生成物が得られた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物II−8(Rx=Me)を15.4g得た。
1H−NMR:1.19(s、3H×2)、1.34(m、2H)、1.52(m、2H)1.69(m、2H)、1.95(m、3H)、2.02(m、2H)、5.10(m、1H)、5.54(m、1H)、6.11(m、1H)
化合物II−39(Rx=Me)の合成;
実施例1の臭化メチルマグネシウムを臭化エチルマグネシウムにかえ同様の操作を行い、化合物II−39を合成した。
合物II−16(Rx=Me)の合成
1,4−シクロヘキシルジカルボン酸メチルに臭化メチルマグネシウムを反応させ、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)シクロヘキサンを得た後、実施例1と同様の操作でメタクリレート化を行い、化合物II−16(Rx=Me)を合成した。
樹脂(RA−8)の合成
窒素気流下プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテル3.9gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに化合物II−8(Rx=Me)を5.4g、γブチロラクトンメタクリレート4.1g、2−(1−アダマンチル)イソプロピル−2−メタクリレート8.4g、開始剤V−601(和光純薬製)をモノマーに対し8mol%をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル24gに溶解させたものを6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン700ml/酢酸エチル300mlに注ぎ、析出した紛体をろ取、乾燥すると樹脂(RA−8)が12g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で8800、分散度(Mw/Mn)は1.68であった。
下記表1に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度8質量%の溶液を調製し、これを0.03μmのポリエチレンフィルターでろ過してポジ型感光性組成物を調製した。下記の方法で評価し、結果も表1に示した。
なお、実施例Ar7、Ar14、Ar19は「参考例」と読み替えるものとする。
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV−42を600オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加熱乾燥を行った。その後、各ポジ型感光性組成物をスピンコーターで塗布し110℃で90秒乾燥を行い180nmの感光性膜を形成させた。この感光性膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 NA=0.75、2/3輪帯)で露光し、露光後直ぐに120℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを得た。
80nmのラインアンドスペース1:1のマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、最適露光量からさらに露光量を増大させて形成されるラインパターンの線幅を細らせた際に、パターンが倒れずに解像する線幅をもって定義した。値が小さいほど、より微細なパターンが倒れずに解像することを表し、パターン倒れが発生しにくく、解像力が高いことを示す。
測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して80nmのラインアンドスペース1:1パターンを観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが5μmの範囲についてエッジのあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所S−8840)により20ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
DCMA:ジシクロヘキシルメチルアミン
TPA:トリペンチルアミン
HAP:ヒドロキシアンチピリン
TBAH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
HEP:N−ヒドロキシエチルピペリジン
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製) (フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製) (シリコン系)
W‐4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
S1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
S2:2−ヘプタノン
S3:シクロヘキサノン
S4: γ−ブチロラクトン
S5:プロピレングリコールメチルエーテル
S6:乳酸エチル
S7:プロピレンカーボネート
<感光性組成物の調製>
表1の実施例Ar1〜Ar17および比較1の成分を溶剤に溶解させ固形分濃度6質量%の溶液を調製し、これを0.03μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型感光性組成物を調製し、下記の方法で評価した。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃、60秒ベークを行い78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製した感光性組成物を塗布し、115℃、60秒ベークを行い150nmの感光性膜を形成した。
こうして得られたウエハーを液浸液としては純水を使用し、2光束干渉露光を行った(ウェット露光)。尚、2光束干渉露光(ウェット)では、レーザー、絞り、シャッター、3枚の反射ミラー、集光レンズを使用し、プリズム、液浸液を介してウェハーに露光を行った。レーザーの波長は、193nmを用い、65nmのラインアンドスペースパターンを形成するプリズムを使用した。露光直後に115℃、90秒加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥して得たパターンについて走査型電子顕微鏡(日立製S−9260)を用い、観察した。実施例Ar1〜Ar19の組成物を用いたところ65nmのラインアンドスペースパターンがパターン倒れを発生せずに解像した。比較1〜2の組成物を用いたところ65nmのラインアンドスペースパターンは解像するものの、一部のパターンでパターン倒れが観測された。
本願の組成物は液浸液を介した露光方法においても良好な画像形成能を有することが明らかである。
Claims (6)
- (A)一般式(I)で表される繰り返し単位とラクトン構造を有する繰り返し単位とを含有する、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂、及び、(B)活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物を含有するポジ型感光性組成物。
一般式(I)において、
Rxは、水素原子、アルキル基またはシアノ基を表す。
Ra1、Ra2は、それぞれ独立に水素原子または有機基を表す。
Ra3、Ra4は、それぞれ独立に、無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Ra3とRa4は互いに結合して環構造を形成しても良い。
Xは、単結合またはアルキレン基を表す。
Yは、炭素原子C1と共に単環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
nは1または2を表す。 - 樹脂(A)が、更に脂環炭化水素構造を有する酸分解性基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
- 樹脂(A)が、下記一般式(VIIa)で表される部分構造を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感光性組成物。
一般式(VIIa)中、R 2c 〜R 4c は、各々独立に水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R 2c 〜R 4c のうち少なくとも1つは水酸基又はシアノ基を表す。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性組成物を用いて形成されたことを特徴とする感光性膜。
- 請求項4に記載の感光性膜を、露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
- 前記感光性膜を、液浸媒体を介して露光することを特徴とする請求項5に記載のパターン形成方法。
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